JP4451263B2 - 試料摘出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電気泳動法により試料が展開されたゲルから、目的の試料が含まれる部分(目的部分)を摘出して容器に移載する試料摘出装置及び方法に関する。
従来、生体試料の解析方法として、試料に含まれる核酸やタンパク質を、ゲルを用いた電気泳動法によって分離精製する方法が広く用いられている。電気泳動法は、ゲル中の物質に電圧をかけると物質がその電荷に応じてゲル中を移動する現象を利用するもので、網目構造をとるゲルの中では分子量や等電点によって物質の移動度が異なることから、各物質を分離することが可能となる。
タンパク質の電気泳動の場合は、アクリルアミドゲルを用いる方法が多く用いられ、アクリルアミド濃度を変えることにより、網目の大きさを変えて、様々な分子量のタンパク質の分離を行うことができる。アミノ酸側鎖同士のS-S結合等を切断した後、陰イオン性界面活性剤であるSDSをタンパク質に結合させ、それぞれのタンパク質をほぼ一定にすることにより、分子量のみに依存した分離を行うSDS−ポリアクリルアミド法(SDS-PAGE法)がその一例であり、一次元、二次元電気泳動法のいずれにも用いられている。中でも二次元電気泳動法によれば、一度に数千種類程度のタンパク質を分離することが可能であり、ある試料に含まれるタンパク質を網羅的に解析しようとするプロテオーム解析に広く利用されている。
一方、核酸の電気泳動法では、アガロースゲルも用いられることが多い。アガロースゲルは、アクリルアミドに比べて大きな網目構造を有するので、特に、比較的大きな核酸の分離に適している。
電気泳動によって分離精製したタンパク質や核酸を用い、続けて解析を行う場合、これらの物質が展開されたゲルから、目的の物質が含まれるバンドを選択し、各物質を回収する操作が必要となる。ゲル中の物質は、例えば、目的の物質と見られるバンドを含むゲルを切り出し、緩衝液に溶出させることによって回収することができる。ゲルの切り出しは、ピペットやゲルカッターを使用して手動で行うこともできるし、ゲルに展開された試料のパターンの読取りから目的のバンドの摘出までを自動化して行う装置も開発されている。
かかる自動化装置のひとつとして、特許文献1に記載されている試料成分分離装置が挙げられる。この装置は、分離分析法による混合試料の展開が行われた展開媒質上に現れる混合試料の展開パターンに基づいて目的部分の位置を特定し、管状部を有するサンプリング手段をその位置へ移動させ、その管状部を展開媒体に差し込んで目的部分を管内側に収容して残りの展開媒質から抜き出すものである。
特開2001−41928号公報
上記従来装置では、サンプリング手段の管状部の先端内側面は、展開媒質(ゲル)を保持すべく先細となるようなテーパーを有しており、試料が吐出されるべき試験管等が置かれた場所までサンプリング手段が移動した後、その保持されたゲルがピストンによって管状部の先端から押し出される。しかしながら、テーパーとピストンとが当接する部位の形状を完全に一致させることは困難であり、サンプリング手段の管状部の内側面に試料が付着して残ってしまうおそれがある。切り出したゲルに含まれる目的の成分は微量なため、後に続く試料の解析のためには、わずかな試料の損失を防ぐことが熱望される。
そこで、本発明は、電気泳動法により試料が展開されたゲルから目的部分を摘出して容器に移載する際に、試料の採取部にゲルが残留することに起因する目的成分の損失を抑止できる試料摘出装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る試料摘出装置は、電気泳動法により試料が展開されたゲルにおける目的部分を摘出して容器に移載するものであって、前記目的部分の位置を選定する位置選定手段と、液が収容される液保持手段と、先端部が略筒状を成し、気体の給排部に接続されており、液及び位置選定手段により位置を選定された目的部分が先端部の内部に保持され、且つ、その保持された液及び目的部分が容器中に吐出されるように駆動される試料採取手段と、試料採取手段を所定の方向に移動させる移動手段とを備えることを特徴とする。
このような構成によれば、移動手段によって試料採取手段が所望の位置に移動される。また、気体の給排部により試料採取手段の先端部内が排気されると、物質が先端部内に吸引・保持されると共に、その先端部内に給気すると、保持された物質が吐出される。例えば、まず試料採取手段の先端部内に液保持手段に収容された液を吸引し、続いてその先端でゲルの目的部分を打ち抜いた後、液及びゲルを保持したまま試料採取手段を容器まで移動させ、容器内に液及びゲルを吐出させることができる。このように、液を吸引してからゲルを打ち抜くので、ゲルを試料採取手段の先端部から吐出する際、ゲルが通過した部位を液が後から通過することになり、ゲルがその先端部内の例えば内壁に付着・残留していても、液によって洗い流されるように容器内に移される。
また、上記試料摘出装置の試料採取手段の先端部は、着脱自在に設けられていることが好ましい。このようにすれば、一の目的部分の摘出を終えて、次の目的部分の摘出を行う際、先端部を交換することによって試料のコンタミネーションが防止される。より具体的には、例えば、試料採取手段として、略筒状の胴部の先端に略筒状のチップが装着されたものを挙げることができる。
さらに、上記試料摘出装置は、上記チップが複数載置されるチップホルダーを備えることが好ましい。このような構成では、移動手段によって試料採取手段をチップホルダーに移動させ、試料採取手段の先端にチップを装着し、目的部分の摘出を行い、新しいチップに交換するという一連の作業の自動化が平易となる。
またさらに、上記試料摘出装置の位置選定手段は、任意の波長の光を試料が展開されたゲルに投射したときのゲルの画像を取得する画像取得部と、画像の表示部とを有しており、表示された画像自体に基づいて目的部分の位置が選定されるものであることが好ましい。
このような構成とすれば、試料の染色方法等に応じて適宜選択された波長を有する光を試料が展開されたゲルに投射することにより、ゲル内の試料の分布を画像として可視化し易くなり、目的部分の選定が容易となる。また、表示された画像自体すなわち画像に処理を施すことなく原画像に基づいて、例えば操作者の視認によって目的部分の位置が選定されるので、不要な部分を選定してしまったり或いは逆に必要な部分を選定し損ねたりといった不都合が解消され得る。
また、本発明のる試料摘出方法は、本発明の試料摘出装置を用いて有効に実施される方法であり、すなわち、電気泳動法により試料が展開されたゲルにおける目的部分を採取して容器に移載する方法であって、目的部分の位置を選定する第一工程と、先端部が略筒状を成す試料採取手段のその先端部を、液が収容された液保持手段中に浸漬させ、先端部内を排気して液を先端部内に吸引・保持させる第二工程と、試料採取手段を選定された位置まで移動させ、先端部により目的部分を打ち抜き、その先端部内を排気して目的部分を先端部内に吸引・保持させる第三工程と、試料採取手段を容器が載置された位置まで移動させ、その先端部内に給気して液及び目的部分を容器中に吐出させる第四工程とを備える。
さらに、第二工程に先立って、試料採取手段に気体を吸引させる工程を行うことも好ましい。この気体により、先端部内に保持された液体をより効率よく吐出することができる。
またさらに、第二工程の後、第三工程に先立って、試料採取手段に気体を吸引させる工程を行うことが好ましい。この場合、液を吸引した後、気体を吸引してからゲルの目的部分を吸引することによって、液と目的部分とが接触して目的部分が溶出してしまうことが防止される。
さらにまた、第四工程、すなわち液及びゲルの目的部分を容器中に吐出させる工程に先立って、容器に予め液を供給する第五工程を備えることも好ましい。容器に十分な液(例えば緩衝液等)を供給しておくことにより、吐出された試料の乾燥が一層防止される。
具体的には、第四工程において、先端部内の排気・吸気動作により、容器に吐出された液を少なくとも1回吸引及び吐出して、先端部内を洗浄すると有用である。
加えて、本方法の第一工程においては、任意の波長の光を試料が展開されたゲルに投射してゲルの画像を取得し、その画像を表示させながら画像自体に基づいて目的部分の位置を選定することが好ましい。
本発明に係る試料摘出装置及び試料摘出方法では、電気泳動法により試料が展開されたゲルから目的部分を摘出して容器に移載する際に、試料採取手段の先端部からゲルの目的部分が容器内に吐出され、液がその後から同部位を通過する。よって、ゲルがその先端部内に付着・残留していても、液によって容器内へ洗い出されるので、目的成分の損失を抑制することができる。
以下に図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る試料摘出装置の好ましい一実施形態の概略を示す正面図である。また、図2は、図1に示すII−II線における断面図である。
試料摘出装置100は、電気泳動法により試料が展開されたゲル24から、試料採取手段32により目的部分を摘出して、容器26に移載する装置である。また、試料摘出装置100は、筐体1内のベース2上に、ゲル載置台23と、緩衝液リザーバ25(液保持手段)と、摘出したゲルを移載するためのタイタープレート26(容器)と、チップホルダー27とを備えている。さらに、ベース2下に、使用済みのチップ32dを廃棄するためのチップ廃棄ボックス29が埋設されている。なお、図中、各要素の大きさは実際と異なり、特に、試料採取手段32は説明に用いるため他の要素に比較して大きく示してある。
ゲル載置台23は、上面が光透過性を有する材料で構成されており、その内部に撮像用の光源としてのライト22を備えている。ライト22としては、通常の撮像用光源に用いられるものであれば特に制限されないが、試料が各種の蛍光色素で染色されている場合と、クマシーブリリアントブルー(CBB)染色や銀染色などによる発色系の色素で染色されている場合とのいずれであっても撮像できるように、例えば、白色光源及びUV光源の両方が備えていると好ましい。また、例えば、キセノン光源と適宜のバンドパス機能を有する光学フィルターを用いれば、種々の蛍光色素に対して最適な波長の励起光を照射することができる。さらに、白色光源を例えばRGB各色のLEDから構成するときには、カラートリマーを設定できるようにしてこれらの各光量の割合を調節してもよい。
緩衝液リザーバ25は、所望量の緩衝液が収容される容器であり、内部には、ゲル24の目的部分に含まれるタンパク質や核酸といった試料(成分)に影響を与えず、活性が保たれるような組成の緩衝液が用意される。
タイタープレート26としては、通常の規格の96穴プレート等市販のものを用いることができ、特に限定されない。
チップホルダー27には、後述する試料採取手段32の先端部となるチップ32dが載置される。チップ32dを使い捨てとする場合は、タイタープレート26のウェルの数と、チップホルダー27に載置されるチップ32dの数とを等しくし、配置(例えば、12行×8列)も同一とすることが好ましい。このような構成とすれば、タイタープレート26とチップホルダー27を新しいものに交換するタイミングが同時になるので、動作が単純化される。
チップ廃棄ボックス29は、上述の如く、使用済みのチップ32dを廃棄するためのものである。なお、チップ廃棄ボックス29を凹部状としてベース2下に設ける代わりに、上方開放端を有する容器をベース2上に設けてもよい。
試料採取手段32は、カバー32aと固定プレート32bとで画成された空間内に配置された略筒状を成し駆動軸を有する胴部32cの先端(図示下方端)にチップ32d(先端部)が着脱自在に装着されたものである。また、胴部32cの略中間部に設けられた駆動軸にはアクチュエータ36が接続されており、これを運転することにより、チップ32dが上下(図示矢印Z方向)に駆動される。さらに、試料採取手段32は、チップ32dを自動で廃棄するためのチップ廃棄機構(図示せず)を有している。
ここで、チップ32dの寸法形状、材料等は特に限定されないが、ポリプロピレン等の安価な材料で構成された使い捨て可能なものが好ましく、胴部32cへの脱着が容易な構造が望ましい。また、チップ32dとしては、その先端の水平断面の形状が円形、四角形等、目的部分を打ち抜きやすい形状のものを適宜選択して使用することができる。
さらに、試料採取手段32は、ポンプ4(気体の給排部)に接続され、ポンプ4によって試料採取手段32の先端部内に気体を供給することによって、先端部内の物質を吐出することができ、先端部内を排気することによって、先端部内に物質を吸引したり保持したりすることができる。
またさらに、試料採取手段32の固定プレート32bは、アクチュエータ35が設けられ且つ水平及び図示矢印Y方向に延在するガイドレール37bに接続されており、アクチュエータ35を運転することにより、試料採取手段32が図示矢印Y方向に駆動される。また、ガイドレール37bは、水平及びガイドレール37bと直交する方向(図示矢印Y方向)に延び且つアクチュエータ34が設けられたガイドレール37aに、互いに接合された固定具38a,38b,38cを介して接続されている。そのアクチュエータ34を運転することにより、試料採取手段32が、ガイドレール37bと共に図示矢印X方向に駆動される。
このように、ガイドレール37a,37b、及びアクチュエータ34,35,36から、本発明における移動手段が構成されており、これらにより、試料採取手段32を図示矢印方向X,Y,Zの任意の方向に移動させることが可能となる。
また、ゲル載置台23の上方には、キーボードやマウス等の入力装置(図示せず)及びディスプレイ51を有するパーソナルコンピュータ5(表示部)に接続されたCCDカメラ12(画像取得部)が設置されている。さらに、パーソナルコンピュータ5は、アクチュエータ34,35,36、及びポンプ4に接続されたそれらの制御部6に接続されている。
このように構成された試料摘出装置100を用いてゲル24の目的の成分を含む部分(目的部分)を摘出し、タイタープレート26に移載する方法について、以下に説明する。
(目的部分の選定)
まず、電気泳動後のゲル24をゲル載置台23上に載置し、試料の染色方法に応じた波長の光をライト22からゲル24に投射する。励起された蛍光色素や、白色光の透過光は、CCDカメラ12により画像として取り込まれ、その撮像データがコンピュータ5に転送され、ディスプレイ51にゲル24の画像が表示される。図3は、このようにしてゲル24の画像が表示されたディスプレイ51の画面の一例を示す図である。
次に、かかる画面700を視認しながら、操作者がゲル24の画像71上で目的部分を選定し、例えばマウスを用いてカーソルをその目的部分に合わせてクリックすると、各目的部分には、順に001、002、…といった番号が付され、それらがポインターと共に画像71上に表示される。画面700には、画像71と共に、試料を摘出するポイント(ピッキングポイント;すなわちポインターの位置)の座標を一覧にしたピッキングポイント表示部72が設けられており、ポインター番号001、002、…に対応する座標が示される(第一工程)。そして、目的部分の指定が終了した後、次の処理に移行し、試料の摘出を開始する。
なお、画面700には、その他の情報も同時に表示され、必要に応じて調整できることが好ましい。その他の情報としては、例えば、現在の運転状態情報(ステイタス情報)、選択されたライト22の種類や光量等の撮像条件、ポンプ4の給排気設定条件、等が挙げられる。また、以降の動作は、画面700において設定された制御情報に基づいて、制御部6からの各種の指令信号によって自動で行われる。
(チップの装着)
次に、試料採取手段32の胴部32cの先端にチップ32dを装着する。ここではまず、アクチュエータ34及び35を運転し、試料採取手段32を装着すべきチップ32dの上方に移動させる。続いてアクチュエータ36を運転して、チップ32dが胴部32cの先端に十分に嵌合するまでチップ32dをZ方向に降下させる。ここで、図4(A)〜(E)は、胴部32cに装着されたチップ32dに、後述するように緩衝液B及びゲル24の目的部分Mを逐次吸引・保持していく状態を模式的に示す斜視図であり、図4(A)は、胴部32cにチップ32dが嵌着した状態を示す。こうしてチップ32dが胴部32cに装着された後、アクチュエータ36を運転して、チップ32dを上昇させる。
(緩衝液Bの吸引・保持)
次いで、アクチュエータ34,35を運転し、試料採取手段32を緩衝液リザーバ25の上方まで移動させ、続いてアクチュエータ36を運転して、チップ32dの先端が緩衝液B中に浸漬するまでチップ32dをZ方向に降下させる。チップ32dが緩衝液に浸漬した状態で試料採取手段32の動作を停止させ、ポンプ4によってチップ32d内を排気し、緩衝液Bをチップ32d内に吸引・保持する(図4(B)参照;第二工程)。その吸引が終了したら、アクチュエータ36を再度運転してチップ32dを上昇させる。なお、この際、緩衝液Bを吸引する前に、一定量の空気を吸引するようにしてもよい。この空気によって、後述するゲルおよび緩衝液の吐出をより効率よく行うことができる。
(ゲルの吸引・保持)
それから、ゲル24の目的部位Mの打ち抜きに先立ち、ポンプ4によってチップ32d内を更に排気し、一定量の空気Aを吸引する(図4(C)参照)。これにより、目的部分Mが緩衝液Bに接触し、溶出するのを防止することができる。
次に、アクチュエータ34,35を運転して、試料採取手段32を、ゲル24の上方におけるピッキングポイント001の座標位置まで移動させる。そしてアクチュエータ36を運転して、チップ32dの先端がゲル載置台23の上壁面に当接するまでチップ32dをZ方向に降下させ、ゲル24の目的部分M(ピッキングポイント001に相当する部分)を打ち抜く。次いで、チップ32dがゲル載置台23に当接したその状態のままで、ポンプ4によってチップ32d内をさらに排気し、打ち抜いた目的部分Mをチップ32d内に吸引・保持させる(図4(D)参照;第三工程)。この状態を維持したまま、アクチュエータ36を再度運転してチップ32dを上昇させる。なお、ゲル24の目的部分Mを吸引した後、ポンプ4によってチップ32d内を更に排気して空気Aを吸引すれば、目的部分Mの落下が一層防止される(図4(E)参照)。
(ゲル及び緩衝液の吐出)
続いて、アクチュエータ34,35を運転して、試料採取手段32をタイタープレート26の所定のウェルの上方まで移動させる。そして、アクチュエータ36を運転して、チップ32dの先端が十分に該ウェルに近づくまで、チップ32dをZ方向に降下させる。その後、ポンプ4によってチップ32d内に吸気し、その内部に保持されていた緩衝液B及びゲル24の目的部分Mを該ウェル内に吐出する(第四工程)。その際、まず、ゲル24の目的部分Mがウェル内に吐出された後、緩衝液Bが吐出されるので、チップ32dの内壁に付着して残留したゲルも緩衝液Bによって洗い流され、ウェル内に移される。このとき、タイタープレート26の各ウェル内に所定量の緩衝液Bを予め供給しておいても好ましい(第五工程)。こうすれば、ウェル内に吐出されたゲル24の目的部分Mの乾燥をより有効に抑止できる。
この後、アクチュエータ36を運転して、チップ32dを更に降下させ、チップ32dの先端が緩衝液Bに浸漬するようにして、ポンプ4による吸気・排気を繰り返して緩衝液を吸引・吐出したり、先端を緩衝液B内で振動させたりすることによって、チップ32dを洗浄することもできる。
(チップの廃棄)
次に、アクチュエータ36を運転して、チップ32dを上昇させ、アクチュエータ34,35を運転して、試料採取手段32をチップ廃棄ボックス29の上部まで移動させる。それから、試料採取手段32に備わるチップ廃棄機構によりチップ32dをチップ廃棄ボックス29内に投棄する。こうして使い捨てにすることにより、試料採取手段32を洗浄して再使用するよりも簡易且つ効果的に試料のコンタミネーションを防ぐことができる。
こうして、試料摘出処理の1サイクルが終了すると、続いて、先に選定しておいたピッキングポイント002に位置するゲル24の目的部位Mの摘出操作が自動的に開始される。ピッキングポイント002の摘出は、ゲル24の吸引・保持工程において、試料採取手段32をピッキングポイント002の座標の位置まで移動させることを除き、ピッキングポイント001の摘出と同様であるので説明を省略する。選定したすべてのピッキングポイントの目的部分Mが摘出し、タイタープレート26に移載して一連の処理動作を終了する。
このような構成の試料摘出装置100を用いた試料摘出方法によれば、ゲル24の目的部分Mがウェル内に吐出された後、緩衝液Bが吐出され、これにより、チップ32dの内壁に付着して残留したゲルも緩衝液Bによって洗い流されてウェル内に移されるので、目的成分の損失を十分に抑止することができる。また、撮像されたゲル24の画像71に例えばパターンマッチング等による画像処理を何ら施すことなく、その原画像71に基づいて、操作者の視認によって目的部分Mの選定を行うので、ゲル24上の不要な部分を選定してしまったり、或いは逆に必要な部分を選定し損ねたりといった不都合を解消できる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない限度において種々の変形を加えることが可能である。例えば、ゲル24内の試料が蛍光色素で染色されている場合、ライト22はゲル載置台23の内部ではなく、ゲル24を上方から照射する位置に設けてもよい。また、試料採取手段32は、胴部32cとチップ32dとが一体に構成されていてもよい。さらに、チップ32dを、例えばステンレス等の耐食性材料で形成し、使い捨てとせずに1つの試料ごとに洗浄して使用してもよい。
またさらに、給排気用の気体は空気ではなく、窒素ガス等の不活性ガスを用いてもよい。この場合、筐体1内をその不活性ガス雰囲気とすることが好ましい。さらにまた、画像71を目視しながら手動で位置を指定して目的部分Mを選定するようにしたが、画像処理を用いて目的部分Mを自動検出させても構わず、画像処理後に目的部分Mの更なる絞り込みを手動で行うというように両者を組み合わせてもよい。
本発明に係る試料摘出装置の一実施形態の概略を示す正面図である。 図1に示すII-II線における断面図である。 ゲル24の画像が表示されたディスプレイ51の画面の一例を示す図である。 (A)〜(E)は、胴部32cに装着されたチップ32dに緩衝液B及びゲル24の目的部分Mを逐次吸引・保持していく状態を模式的に示す斜視図である。
符号の説明
100…試料摘出装置、1…筐体、2…ベース、22…ライト、23…ゲル載置台、24…ゲル、25…緩衝液リザーバ、26…タイタープレート、27…チップホルダー、29…チップ廃棄ボックス、32…試料採取手段、32a…カバー、32b…固定プレート、32c…胴部、32d…チップ(先端部)、34〜36…アクチュエータ、37a,37b…ガイドレール、38a,38b,38c…固定具、4…ポンプ(気体の給排部)、5…コンピュータ、51…ディスプレイ、6…制御部、72…画像、72…ピッキングポイント表示部、700…画面、A…空気、B…緩衝液、M…目的部分。

Claims (11)

  1. 電気泳動法により試料が展開されたゲルにおける目的部分を摘出して容器に移載する試料摘出装置であって、
    前記目的部分の位置を選定する位置選定手段と、
    液が収容される液保持手段と、
    気体の給排部に接続されており、略筒状を成す先端部を、前記液が収容された液保持手段中に浸漬させ、該先端部内を排気して該液を該先端部内に吸引・保持させ、次に、前記先端部が前記選定された位置にまで移動した後、前記先端部により前記目的部分を打ち抜き、該先端部内を排気して該目的部分を該先端部内に吸引・保持させ、次に、前記先端部を前記容器が載置された位置まで移動させ、前記先端部内に給気して前記液及び前記目的部分を該容器中に吐出させる試料採取手段と、
    前記試料採取手段を所定の方向に移動させる移動手段と、
    を備える試料摘出装置。
  2. 前記試料採取手段は、前記先端部が着脱自在に設けられたものである、請求項1に記載の試料摘出装置。
  3. 前記試料採取手段は、略筒状の胴部の先端に略筒状のチップが装着されたものである、請求項2に記載の試料摘出装置。
  4. 前記チップが複数載置されるチップホルダーを備える、請求項3記載の試料摘出装置。
  5. 前記位置選定手段は、任意の波長の光を前記試料が展開されたゲルに投射したときの該ゲルの画像を取得する画像取得部と、該画像の表示部と、を有しており、該表示された該画像自体に基づいて前記目的部分の位置が選定されるものである、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の試料摘出装置。
  6. 電気泳動法により試料が展開されたゲルにおける目的部分を採取して容器に移載する試料摘出方法であって、
    前記目的部分の位置を選定する第一工程と、
    先端部が略筒状を成す試料採取手段の該先端部を、液が収容された液保持手段中に浸漬させ、該先端部内を排気して該液を該先端部内に吸引・保持させる第二工程と、
    前記試料採取手段を前記選定された位置まで移動させ、前記先端部により前記目的部分を打ち抜き、該先端部内を排気して該目的部分を該先端部内に吸引・保持させる第三工程と、
    前記試料採取手段を前記容器が載置された位置まで移動させ、前記先端部内に給気して前記液及び前記目的部分を該容器中に吐出させる第四工程と、を備える試料摘出方法。
  7. 前記第二工程に先立って、前記試料採取手段に気体を吸引させる工程を行う、請求項6に記載の方法。
  8. 前記第二工程の後、第三工程に先立って、前記試料採取手段に気体を吸引させる工程を行う、請求項6又は7に記載の方法。
  9. 前記第四工程に先立って、前記容器に予め液を供給する第五工程を備える、
    請求項6乃至8のいずれか1項に記載の試料摘出方法。
  10. 前記第四工程においては、前記先端部内の排気・吸気動作により、前記容器に吐出された液を少なくとも1回吸引及び吐出して、前記先端部内を洗浄する、請求項6乃至9のいずれか1項に記載の試料摘出方法。
  11. 前記第一工程においては、任意の波長の光を前記試料が展開されたゲルに投射して該ゲルの画像を取得し、該画像を表示させながら該画像自体に基づいて前記目的部分の位置を選定する、請求項6乃至10のいずれか1項に記載の試料摘出方法。
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