JP4451256B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
フルカラー電子写真法によるカラー画像形成は一般に3原色であるイエロー、マゼンタ、シアンの3色のカラートナー又はそれに黒色を加えた4色のカラートナーを積層させて全ての色の再現を行なうものである。従って、色再現性に優れ、鮮明なフルカラー画像を得るためには、定着されたトナー画像表面をある程度平滑にして光散乱を減少させる必要がある。このような理由から従来のフルカラー複写機等の画像光沢は10〜50%の中〜高光沢のものが多かった。
しかし、カラートナーでは色再現性を向上させるために定着画像の表面を平滑にする必要があるため溶融時の粘弾性を低下させねばならず、光沢のないモノクロトナーよりオフセットし易く、定着装置のオイルレス化や微量塗布化がより困難となる。また、トナー中に離型剤を含有させるとトナーの付着性が高まり転写紙への転写性が低下し、さらにトナー中の離型剤がキャリア等の摩擦帯電部材を汚染し帯電性を低下させることにより、画像形成装置内の機内を汚すという問題を生じる。
1.本発明の画像形成装置は、潜像を担持する像担持体と、像担持体表面に均一に帯電を施す帯電装置と、帯電した像担持体の表面に静電潜像を書き込む露光装置と、像担持体表面に形成された静電潜像を可視像化する現像装置と、像担持体表面の可視像を被転写体及び/又は記録媒体上に転写する転写装置と、記録媒体上の可視像を定着させる定着装置とを備える画像形成装置において、前記画像形成装置は、すくなくとも3つの現像装置を備え、前記3つの現像装置が、それぞれイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーを有するものであり、マゼンタトナーが、上記化学構造式(1)で示される有機顔料を含有し、イエロートナーが、上記化学構造式(2)及び/又は(3)で示される有機顔料を含有し、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーが、少なくともハイブリッド樹脂 、線状ポリエステル樹脂及び非線状ポリエステル樹脂を含有し、前記記録媒体上の可視像 で、イエロートナーの下にマゼンタトナーの層を形成する
ことを特徴とする。
2.また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記定着装置は、複数のロ−ラに張架された定着ベルトと加圧ロ−ラと、を備えることを特徴とする。
3.また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記シアントナーが、銅フタロシアニン顔料を含有することを特徴とする。
4.また、本発明の画像形成装置は、さらに、3つの現像装置の他に、さらに、ブラックトナーを有する現像装置を備えることを特徴とする。
6.また、本発明の画像形成装置は、さらに、単色における定着後のL*a*b*表色系で、X−RITE938(D502)によるIDが1.00とした時、L*が82〜92、a*が−2〜−12、b*が67〜90の範囲にあるイエロートナーを用いることを特徴とする。
7.また、本発明の画像形成装置は、さらに、マゼンタトナーとイエロートナーとの混色における定着後のL*a*b*表色系で、X−RITE938(D502)によるIDが1.00とした時、L*が42〜48、a*が60〜68、b*が46〜55の範囲にすることを特徴とする。
9.また、本発明の画像形成装置は、さらに、平均円形度が0.92以上のトナーを用いることを特徴とする。
10.また、本発明の画像形成装置は、さらに、体積平均粒径が3.0〜8.0μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあるトナーを用いることを特徴とする。
11.また、本発明の画像形成装置は、さらに、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあるトナーを用いることを特徴とする。
13.また、本発明の画像形成装置は、さらに、像担持体と、少なくとも帯電装置、現像装置、クリ−ニング装置から選択される一以上の装置とを一体に支持し、着脱可能なプロセスカ−トリッジを備えることを特徴とする。
化学構造式(1)
化学構造式(2)
化学構造式(3)
このように、このマゼンタ顔料は、鮮やかなマゼンタ色を再現することができ、さらに、狭い吸収域を有することで他の色の吸収域が少ないことで、混色したときに、色再現性を広くすることができる。
とくに、転写紙、フィルムシート等の記録媒体に定着した後のX−RITE938(D502)濃度計によるIDが1.00とした時に、L*a*b*表色系(CIE1976)でL*が82〜92、a*が−2〜−12、b*が67〜90の範囲にある。これは、補色フィルターをかけて濃度を測定して、人間に与える濃度を一定状態にすることで統一的な測定を可能にする。そのときに、L*が82未満ではくすんだ暗い色になり、他の色のトナーと混色すると中間色の色再現性が低下する。また、L*が92を越える単色において白っぽくなり、単色での色再現性が困難になる。また、a*がー2未満又はb*が67未満では、他の色のトナーと混色すると中間色の色再現性が低下し、a*がー12又はb*が90を越えると顔料の含有量を多くしなければならずトナーの隠蔽力が大きくなり、同様に、他の色のトナーと混色すると中間色の色再現性が低下する。
このように、このイエロー顔料は、鮮やかなイエロー色を再現することができ、さらに、狭い吸収域を有することで他の色の吸収域が少ないことで、混色したときに、色再現性を広くすることができる。
また、銅フタロシアニンPB15:3を用いるシアントナーと、PR269を用いるマゼンタトナーとを混色させても、青色の再現範囲を広がっている。これは、PR269の吸収域が狭くことで、他の着色剤と混色させても広い色再現範囲を得ることができる。さらに、銅フタロシアニンPB15:3を用いるシアントナーと、PY180及び/又はPY155のイエロートナーとの混色においても、同様に、緑色の色再現範囲を広げることができる。
さらに、本発明の画像形成装置に用いるトナーは離型剤が表面に露出させていることから、磁性キャリアとの摩擦帯電性を阻害するが、ここで用いるマゼンタ着色剤は、従来のキナクリドン系着色剤に比較して、帯電性がよいことから離型剤がトナー表面に露出していてもトナーの帯電性が良好で、長期にわたって画像形成動作を行っても、画像上の地汚れが生ずることが無く、また、画像形成装置内の飛散による機内汚れの発生もない。
また、トナーの円形度が0.91未満のトナー粒子の割合が30%以下であることが好ましい。上記割合が30%を超えるような円形度のばらつきが大きいトナーでは、帯電速度、レベルに広がりが生じ、帯電量分布が広くなるため好ましくない。
トナーの円形度は、光学的に粒子を検知して、投影面積の等しい相当円の周囲長で除した値である。具体的には、フロー式粒子像分析装置(FPIA−2000;シスメックス社製)を用いて測定を行う。所定の容器に、予め不純固形物を除去した水100〜150mLを入れ、分散剤として界面活性剤0.1〜0.5mLを加え、さらに、測定試料0.1〜9.5g程度を加える。試料を分散した懸濁液を超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3,000〜10,000個/μLにしてトナーの形状及び分布を測定する。
トナーの粒子径は小さければ小さい程、高解像で高画質の画像を得る為に有利であると言われているが、逆に転写性やクリーニング性に対しては不利である。また、この範囲よりも体積平均粒子径が小さい場合、二成分系現像剤では現像装置における長期の攪拌において磁性キャリアの表面にトナーが融着し、磁性キャリアの帯電能力を低下させたり、一成分系現像剤として用いた場合には、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着を発生させやすくなる。また、これらの現象は微粉の含有率が大きく関係し、特にトナーの粒子径が3μm以下の粒子が10%を超えると、磁性キャリアへの付着や高いレベルで帯電の安定性を図る場合支障となる。
逆に、トナーの体積平均粒子径がこの範囲よりも大きい場合には、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなる。また、カラー画像において、中間色の再現性が低下し、粒状性が大きくなり、カラー画像の品質が低下する。
また、Dv/Dnが1.40を超えると、帯電量分布が広くなり、解像力も低下するため好ましくない。
トナーの平均粒径及び粒度分布は、コールターカウンターTA−II、コールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)を用いて測定することができる。本発明においてはコールターカウンターTA−II型を用い個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科技研製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC製)に接続し、測定した。
図1は、トナーの形状を模式的に表した図であり、形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するための図である。
また、本発明のトナーの実質的な球形形状とは、形状係数SF−1で表され、このSF−1の値が100〜180の範囲にあることが好ましい。ここで、形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4)……式(1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。SF−1の値が180を越えると、クリーニング性は向上するが、球形形状が大きくはずれるために、帯電量分布が広くなり地かぶりが多くなり画像品位が低下する。また、移動における空気の抵抗で、電界による現像・転写が電気力線に忠実でなくなるために、細線間にトナーが現像され画像均一性が低下し、画像品位が低下する。とくに、カラー画像の再現においては、ハーフトーン部、ベタ部のカラーのむらが多くなり、また、粒状性も大きくなりカラー画像の品位が低下する。さらに、より好ましくは110〜150、さらに好ましくは115〜145がよい。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100/4π)……式(4)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。SF−2の値が180を越えると、クリーニング性は向上するが、トナー表面の凸凹が大きくなり、帯電量分布が広くなり地かぶりが多くなり画像品位が低下する。また、カラー画像の再現においては、ハーフトーン部、ベタ部のカラーのむらが多くなり、また、粒状性も大きくなりカラー画像の品位が低下する。SF−2の値が100で表面が滑らかであっても、上述したトナーでは、ブレードクリーニング方式でもクリーニングが可能となり、また、帯電量分布が狭いことから高品位の画像を得ることができる。さらに、より好ましくは110〜150、さらに好ましくは115〜145がよい。
この粉砕系トナーでは、公知の離型剤を定着オフセット防止のため用いることができるが、かかる離型剤としては、離型剤の分散性を良好にする観点から、特に脱遊離脂肪酸型カルナバワックス、モンタンワックス、及び酸化ライスワックスを単独又は組み合わせて使用するのが好ましく、中でも、微結晶のもので酸価が5以下のカルナウバワックス、微結晶のもので酸価が5〜14のモンタンワックスが好ましい。その他の離型剤としては、固形シリコーンワニス、高級脂肪酸高級アルコール、モンタン系エステルワックス、低分子量ポリプロピレンワックス等が使用できる。また、公知の結着樹脂を用いることができるが、顔料の分散性を良好にし、より広い色再現域の画像を得る観点からポリエステル樹脂を用いることが好ましい。さらに結着樹脂としてビニル系重合ユニットとポリエステル系ユニットとを有するハイブリッド樹脂成分を含有させることで、離型剤とハイブリッド樹脂成分のビニル系重合ユニットの溶解性が高く、結着樹脂のポリエステル樹脂とハイブリッド樹脂成分のポリエステル系ユニットの溶解性が高いことから、ハイブリッド樹脂成分がポリエステルへの離型剤分散剤としての効果を発揮でき、乾式粉砕系トナーで、離型剤が結着樹脂であるポリエステル樹脂に微分散できる。さらに、離型剤は粘着性が高いため、トナー製造時に原材料を粉体混合した場合、カーボンブラック等の着色剤、あるいはマスターバッチ着色剤は結着樹脂よりも離型剤に付着しやすいため、離型剤に追随して分散しやすく、離型剤の分散性は着色剤の分散性をよくする。さらに、ハイブリッド樹脂成分のビニル系重合ユニットは疎水性であるためトナーの吸湿性を低下させることができ、トナーの環境帯電安定性が良好となる。また吸湿することによるトナーの凝集性の悪化を防止できる。したがって、結着樹脂としてポリエステル樹脂を用い、離型剤を含有するトナーに、さらにハイブリッド樹脂を用いることで、離型剤の分散性が良好であることにより光沢性を損なわず、離型剤の分散不良によるトナー凝集が発生せず、かつ顔料の分散性も向上するため色再現性が高いトナーを得ることができる。
さらに、結着樹脂であるポリエステル樹脂はTHF不溶解成分を含有しない線状ポリエステルとTHF不溶解成分の非線状ポリエステルからなることによりさらに広い定着温度幅を確保することができる。線状ポリエステルと非線状ポリエステルを含有することにより、線状ポリエステルで低温定着性を改善、非線状ポリエステルで耐ホットオフセット性を改善することができるが、光沢性を損なわないためにはやはり離型剤の分散性を良好にしなければならない。離型剤の分散性を良好にするためには一般的には混練時の機械的せん断、分散力の制御により改善できるが、実際はせん断と分散を完全分離して制御することは困難であり、分散を良くしようとすると結果的にせん断も進んでしまい、これによりせん断による低分子量化が進んでしまい非線状ポリエステルによる耐ホットオフセット性が改善できない。しかし、ハイブリッド樹脂を含有することにより離型剤、着色剤の分散性が向上するため、分散に対する機械的エネルギーの制御の必要性が低く、せん断のみの制御で良い。これによって、光沢性を損なうことなく、線状ポリエステルで低温定着性を改善、非線状ポリエステルで耐ホットオフセット性を改善することができる。
ポリエステルは、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合反応は、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。ポリエステルの水酸基価は5以上であることが好ましく、ポリエステルの酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすく、さらには記録紙への定着時、記録紙とトナーの親和性がよく低温定着性が向上する。しかし、酸価が30を超えると帯電の安定性、特に環境変動に対し悪化傾向がある。
また、重量平均分子量1万〜40万、好ましくは2万〜20万である。重量平均分子量が1万未満では、耐オフセット性が悪化するため好ましくない。また、40万を超えると低温定着性が悪化するため好ましくない。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
ウレア変性ポリエステルの重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。ウレア変性ポリエステル等の数平均分子量は、先の未変性ポリエステルを用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。ウレア変性ポリエステルを単独で使用する場合は、その数平均分子量は、通常2000〜15000、好ましくは2000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは、少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは類似の組成であることが好ましい。
また、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとの重量比は、通常20/80〜95/5、好ましくは70/30〜95/5、さらに好ましくは75/25〜95/5、特に好ましくは80/20〜93/7である。ウレア変性ポリエステルの重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
また、ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
本発明で用いる離型剤としては、公知のもの全てが使用できるが、離型剤の分散性を良好にする観点から、特に脱遊離脂肪酸型カルナバワックス、モンタンワックス、及び酸化ライスワックスを単独又は組み合わせて使用するのが好ましく、中でも、微結晶のもので酸価が5以下のカルナウバワックス、微結晶のもので酸価が5〜14のモンタンワックスが好ましい。その他の離型剤としては、固形シリコーンワニス、高級脂肪酸高級アルコール、モンタン系エステルワックス、低分子量ポリプロピレンワックス等が使用できる。
着色剤としては、マゼンタ顔料としては、上記構造式(1)の顔料を用い、イエロー顔料は上記構造式(2)及び/又は上記構造式(3)の顔料を用いる。また、シアン顔料は無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルーで、特に、フタロシアニンブルーが好ましい。また、ブラックトナーでは、カーボンブラック、ファーネスブラック、マグネタイト等の黒色顔料を用いる。
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることが、着色剤の分散性を向上させ、画像の色再現領域を広げるために好ましい。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダ樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
帯電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
帯電制御剤の使用量は、バインダ樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダ樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電気的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
(トナーの製造方法)
1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合わせて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
帯電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状から紡錘形状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
また、本発明のトナーはキャリアを使用しない一成分系の磁性トナー或いは、非磁性トナーとしても用いることができる。
高分子系微粒子たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
また、このような流動化剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
その他に、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などを挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、重量平均粒径が0.01から1μmのものが好ましい。
複写装置本体100には、潜像担持体としての感光体40の周囲に帯電、現像、クリーニング等の電子写真プロセスを実行する各手段を備えた画像形成手段18を、4つ並列にしたタンデム型画像形成装置20が備えられている。
また、タンデム型画像形成装置20の上部には、画像情報に基づいて感光体40をレーザー光により露光し潜像を形成する露光装置21が設けられている。また、タンデム型画像形成装置20の各感光体40と対向する位置には、無端状のベルト部材からなる中間転写ベルト10が設けられている。中間転写ベルト10を介して感光体40と相対する位置には、感光体40上に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト10に転写する一次転写手段62が配置されている。
また、中間転写ベルト10の下方には、中間転写ベルト10上に重ね合わされたトナー像を、給紙テーブル200より搬送されてくる転写紙に一括転写する二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22は、2つのローラ23間に、無端ベルトである二次転写ベルト24を掛け渡して構成され、中間転写ベルト10を介して支持ローラ16に押し当てて配置し、中間転写ベルト10上のトナー像を転写紙に転写する。二次転写装置22の脇には、転写紙上の画像を定着する定着装置25が設けられている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成する。
上述した二次転写装置22は、画像転写後の転写紙をこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えている。もちろん、二次転写装置22として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合は、このシート搬送機能を併せて備えることは難しくなる。
なお、図示例では、二次転写装置22および定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成装置20と平行に、転写紙の両面に画像を記録すべく転写紙を反転する反転装置28を備える。
初めに、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする、または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動して後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第一走行体33および第二走行体34を走行する。そして、第一走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第二走行体34に向け、第二走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読み取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
または、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上の転写紙を繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
そして、中間転写ベルト10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写ベルト10と二次転写装置22との間に転写紙を送り込み、二次転写装置22で転写して転写紙上にカラー画像を記録する。
このときに、定着装置25は、定着ローラと加圧ローラとを備えるものであってもよいが、とくに、定着装置25は複数のロ−ラに張架された定着ベルトを有する加熱回転体26と加圧ロ−ラ27を備えていることにより、未定着のトナー像が散ることがなく、粒状度の小さい高画質なフルカラー画像を得ることができるので、本願発明の効果をより向上させることができる。加熱回転体である定着ベルト26は、トナーと接触開始部分の温度が高く、トナーと接触終了部分の温度差が大きく、離型剤のように溶融開温度と溶融終了温度の差が小さいことで、定着ベルトから離れるときに固体化し始めていることで分離後の表面が滑らかになり、光沢度の高い鮮やかなカラー画像を得ることができる。
一方、画像転写後の中間転写ベルト10は、中間転写ベルトクリーニング装置17で、画像転写後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成装置20による再度の画像形成に備える。
次に、重合法で製造したトナーを製造した例を示す。
<樹脂微粒子エマルションの合成>
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン80部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、チオグリコール酸ブチル12部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液を得た。これを、[微粒子分散液]とする。[微粒子分散液]をレーザー回折式粒度分布測定器(LA−920
島津製)で測定した体積平均粒径は、120nmであった。[微粒子分散液]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。樹脂分のTgは42℃であり、重量平均分子量は3万であった。
水990部、[微粒子分散液]65部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノール MON−7、三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相]とする。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[低分子量ポリエステル]を得た。[低分子量ポリエステル]は、数平均分子量2500、重量平均分子量6700、Tg43℃、酸価25であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応し[中間体ポリエステル]を得た。[中間体ポリエステル]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価51であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、前記[中間体ポリエステル]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、イソシアネート基を有する[プレポリマー]を得た。[プレポリマー]の遊離イソシアネート重量%は、1.53%であった。
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、[ケチミン化合物]を得た。[ケチミン化合物]のアミン価は418であった。
水1200部、カーボンブラック(キャボット社製、リーガル400R)40部、ポリエステル樹脂(三洋化成製、RS801)60部を、さらには水30部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチK]を得た。
また、カーボンブラックをPR269マゼンタ顔料50部に、入れ替えて、[マスターバッチM]を得た。
同様に、カーボンブラックをPY155イエロー顔料を50部に、入れ替えて、[マスターバッチY]を得た。
同様に、カーボンブラックをPB15:3シアン顔料を50部に、入れ替えて、[マスターバッチC]を得た。
撹拌棒および温度計をセットした容器に、前記[低分子ポリエステル]400部、カルナバワックス110部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液]を得た。
[原料溶解液]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、ワックスの分散を行った。次いで、[低分子ポリエステル]の65%酢酸エチル溶液1324部を加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・ワックス分散液]を得た。[顔料・ワックス分散液]の固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
[顔料・ワックス分散液]648部、[プレポリマー]を154部、[ケチミン化合物]8.5部、構造式(4)で表される第3級アミン化合物1.0部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数10000rpmで20分間混合し[乳化スラリー]を得た。これにより、樹脂微粒子を含む水系媒体中で油相を分散させると共に伸長反応が行われる。
化学構造式(4)
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行い、[分散スラリー]を得た。
[分散スラリー]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(3):(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い、ケーキ状物を得た。これを、[濾過ケーキ]とする。
[濾過ケーキ]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。その後目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体粒子を得た。
次に、混練粉砕法で製造したトナーを製造した例を示す。
<ハイブリット樹脂HB(1)の製造例>
付加重合反応モノマーとしてスチレン15mol、ブチルメタクリレート5mol、重合開始剤としてt-ブチルハイドロパーオキサイド0.2molを滴下ロートに入れ、付加重合、縮重合両反応性モノマーとしてフマル酸:15mol、縮重合反応モノマーとして無水トリメリット酸:5mol、ビスフェノールA(2,2)プロピレンオキサイド:5mol、ビスフェノールA(2,2)エチレンオキサイド:4mol、エステル化触媒としてジブチルスズオキシド6molをステンレス攪拌棒、流下式コンデンサー、窒素ガス導入管および温度計を装備したフラスコに入れ、窒素雰囲気下にて135℃で攪拌しつつ、滴下ロートより付加重合系原料をあらかじめ混合したものを5時間かけて滴下した。終了後130℃に保ったまま6時間熟成した後、220℃に昇温して反応して、ハイブリッド樹脂HB(1)を得た。
HB(1)はTHF不溶分を含有しておらず、その酸価は30、水酸基価は40、Tgは58℃、軟化点は110℃、数平均分子量は8000、重量平均分子量は29000、ピークトップ分子量は7500であった。
冷却管、攪拌機及び窒素導入菅の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物400部、ビスフェノールA・PO3モル付加物280部、テレフタル酸300部、無水フタル酸40部及び重縮合触媒としてジブチルスズオキサイド1.5部を入れ230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸62部を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後、粉砕して非線状ポリエステル樹脂(NP(1))を得た。
(NP(1))はTHF不溶分を5%含有しており、その酸価は20、水酸基価は47、Tgは64℃、軟化点125℃、数平均分子量は4100、重量平均分子量は75000、ピークトップ分子量は10200であった。
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物430部、ビスフェノールA・PO2モル付加物300部、テレフタル酸200部、フマル酸50部及び重縮合触媒としてジブチルスズオキサイド3部を入れ、220℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで5−20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が4になった時点で取り出し、室温まで冷却後粉砕して線状ポリエステル樹脂P(2)を得た。
P(2)はTHF不溶分を含有しておらず、その酸価は4、水酸基価は15、Tgは60℃、軟化点は105℃、数平均分子量は3200、重量平均分子量12000、ピークトップ分子量は8800であった。
線状ポリエステル樹脂P(2)を使用して、顔料、ポリエステル樹脂、純水を1:1:0.5の割合で、混合し、2本ロールにより混練した。混練を70℃で行ない、その後、ロール温度を120℃まで上げて、水を蒸発させマスターバッチを予め作製した。
バインダー樹脂P(2) 100部
シアン顔料(pigment blue 15−3) 100部
純水 50部
<マゼンタトナー処方:(TB−M2)>
バインダー樹脂P(2) 100部
マゼンタ顔料(pigment red 269) 100部
純水 50部
<イエロートナー処方:(TB−Y(2))>
バインダー樹脂P(2) 100部
イエロー顔料(pigment yellow 180)100部
純水 50部
<ブラックトナー処方:(TB−K2)>
バインダー樹脂P(2) 100部
ブラック顔料(カーボンブラック) 100部
純水 50部
線状ポリエステル樹脂(P(2)) 25部
非線状ポリエステル樹脂(NP(1)) 30部
ハイブリッド樹脂(H(1)) 15部
マスターバッチ(TB−C2) 20部
E−84(サリチル酸亜鉛錯体:オリエント化学工業社製) 0.8部
カルナバワックス(酸価:5mgKOH/g、Mw:1600) 7部
<マゼンタトナー処方>
マスターバッチを(TB−M2)18部とし、線状ポリエステル樹脂(P(2))を27部にした以外はシアントナー処方と同一。
<イエロートナー処方>
マスターバッチを(TB−Y2)20部にした以外はシアントナー処方と同一。
<ブラックトナー処方>
マスターバッチを(TB−K2)16部とし、線状ポリエステル樹脂(P(1))を29部にした以外はシアントナー処方同一。
上記実施例1のイエロートナーの顔料をPY155にした以外は、実施例1と同じである。
上記参考例1のトナーの外添剤を以下のように変更する以外は、参考例1と同じである。
〜球形疎水シリカの作成〜
テトラメトキシシランとアンモニア水を50℃で反応させ、ゾル−ゲル法による球形シリカを得た。水洗浄を行なったのち、乾燥操作せずに、メタノールかしてトルエン中にシリカを分散し、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理を行なって、[無機酸化物粒子]を得た。無機酸化物粒子をメタノールに超音波分散機で攪拌し、レーザー回折散乱式粒度分布装置にて個数平均粒径を測定したところ120nmであった。
〜外添剤処理〜
参考例1で得られたトナー母体粒子100部に対して、疎水化処理シリカ(HDKH2000、 クラリアントジャパン、個数平均粒径30nm)を2部、[無機酸化物粒子]1部、酸化チタン(MT−150A、テイカ、個数平均粒径30nm)1部をオースターミキサーにて12000rpmで1分混合した後目開き75μmメッシュで篩いトナーを得た。
上記実施例1のイエロートナーの顔料をPY185にした以外は、実施例1と同じである。
上記実施例1のマゼンタトナーの顔料をPR122にした以外は、実施例1と同じである。
上記実施例1のマゼンタトナーの顔料をPR184にした以外は、実施例1と同じである。
<評価方法>
(1)L*a*b*表色系色差
画像形成装置の評価機を用い、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の単色モードで100%画像面積の画像濃度、青色(B)、赤色(R)の中間色は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)が50%ずつ混色させたときのそれぞれの画像濃度を画像濃度をX−Rite(X−Rite社製)により測定して、濃度「1.0」のときに色彩色差計CR−100(ミノルタ社製)で測定した。
画像形成装置の評価機を用い、単色モードで50%画像面積の画像チャートを150,000枚ランニング出力した後、画像形成装置内の現像装置近傍の汚れを目視で判断してランク付けをした。この値が、汚れが見えない場合は「5」、汚れが少し見えるの場合は「4」、汚れが明らかに見える場合は「3」、トナーが積もっている場合は「2」、トナーが積もって現像装置以外にも広がっている場合は「1」とした。「4」以上が実用上問題のない範囲である。
また、実施例1、2は、比較例1ないし3と比較して、機内飛散が少ないことがわかる。
以上の結果から、実施例1、2は、色再現範囲、実際の画像形成装置における実用上の問題である機内飛散において優れていることがわかる。
10 中間転写ベルト(中間転写体)
18 画像形成手段
21 露光装置
25 定着装置
40 感光体(潜像担持体)
22 二次転写装置
62 一次転写手段
100 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置
Claims (13)
- 潜像を担持する像担持体と、
像担持体表面に均一に帯電を施す帯電装置と、
帯電した像担持体の表面に静電潜像を書き込む露光装置と、
像担持体表面に形成された静電潜像を可視像化する現像装置と、
像担持体表面の可視像を被転写体及び/又は記録媒体上に転写する転写装置と、
記録媒体上の可視像を定着させる定着装置とを備える画像形成装置において、
前記画像形成装置は、少なくとも3つの現像装置を備え、
前記3つの現像装置が、それぞれイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーを有するものであり、
マゼンタトナーが、下記化学構造式(1)で示される有機顔料を含有し、
イエロートナーが、下記化学構造式(2)及び/又は(3)で示される有機顔料を含有し、
化学構造式(1)
化学構造式(2)
化学構造式(3)
イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーが、少なくともハイブリッド樹脂、線状ポリエステル樹脂及び非線状ポリエステル樹脂を含有し、
前記記録媒体上の可視像で、イエロートナーの下にマゼンタトナーの層を形成する
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、
前記定着装置は、複数のロ−ラに張架された定着ベルトと加圧ロ−ラと、を備える
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
前記シアントナーが、銅フタロシアニン顔料を含有する
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、3つの現像装置の他に、さらに、ブラックトナーを有する現像装置を備える
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、単色における定着後のL*a*b*表色系で、X−RITE938(D502)によるIDが1.00とした時、L*が45〜60、a*が55〜75、b*が0〜−8の範囲にあるマゼンタトナーを用いる
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、単色における定着後のL*a*b*表色系で、X−RITE938(D502)によるIDが1.00とした時、L*が82〜92、a*が−2〜−12、b*が67〜90の範囲にあるイエロートナーを用いる
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、マゼンタトナーとイエロートナーとの混色における定着後のL*a*b*表色系で、X−RITE938(D502)によるIDが1.00とした時、L*が42〜48、a*が60〜68、b*が46〜55の範囲にする
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、離型剤を含有するトナーを用いる
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないしの8いずれかに記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、平均円形度が0.92以上のトナーを用いる
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、体積平均粒径が3.0〜8.0μmで、
体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあるトナーを用いる
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし10のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあるトナーを用いる
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし11のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、個数平均粒径が80〜500nmの範囲にある外添剤を有するトナーを用いる
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし12のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、像担持体と、少なくとも帯電装置、現像装置、クリ−ニング装置から選択される一以上の装置とを一体に支持し、着脱可能なプロセスカ−トリッジを備える
ことを特徴とする画像形成装置。
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