JP4449205B2 - 含フッ素多官能ウレタンアクリレート及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、含フッ素多官能ウレタンアクリレート及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、反射防止膜材料として、特開平2000−17028号公報に開示されているように、含フッ素重合体と、多官能アクリレートと、放射線重合開始剤とからなる放射線硬化性樹脂組成物が知られている。しかしながら、このような組成物では、多官能アクリレートと含フッ素重合体との相溶性が不十分なことがあり、また得られる反射防止膜の屈折率も高くなり、十分な反射防止性能が得られにくいという問題があった。
【0003】
また、低屈折率の反射膜を得るために、組成物中のフッ素含量を上げ、多官能アクリレートモノマーの部数を相対的に減らす方法もあるが、この場合得られる反射防止膜の架橋密度が下がり、耐擦傷性が悪くなることがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このようなことから、含フッ素重合体との相溶性が良く、多官能であり、且つ低屈折率のアクリレートモノマーが求められていた。
本発明の目的は、反射防止膜用途などに有用な、新規な含フッ素多官能ウレタンアクリレートおよびその製造法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記式(1)、(2)、(3)及び(4)で示される含フッ素多官能ウレタンアクリレートにより達成される。
【0006】
すなわち、本発明は下記式(1)で表される含フッ素多官能ウレタンアクリレート(以下「化合物(1)」と言う)により達成される。
【0007】
【化7】
【0008】
[式中、R1は−CH2CH(CH2OCH2CH2CnF2n+1)−、(nは2〜10の整数)、または、−CH2(CF2)mCH2−、(mは4〜10の整数)で表される二価の有機基を示す。]
【0009】
また、本発明は、下記式(2)で表される含フッ素多官能ウレタンアクリレート(以下「化合物(2)」と言う)により達成される。
【0010】
【化8】
【0011】
[式中、R2は炭素数1〜10のフロロアルキル基を示し、pは1〜6の整数を示す]
【0012】
また、本発明は、下記式(3)で表される含フッ素多官能ウレタンアクリレート(以下「化合物(3)」と言う)により達成される。
【0013】
【化9】
【0014】
また、本発明は、下記式(4)で表される含フッ素多官能ウレタンアクリレート(以下「化合物(4)」と言う)により達成される。
【0015】
【化10】
【0016】
【発明の実施の形態】
<化合物(1)>
上記一般式(1)で表される多官能含フッ素ウレタンアクリレートは、6つのアクリル基と、2つのイソホロン骨格と、4つのウレタン結合およびフッ素を有する2価の有機基R1からなる化合物である。ここでR1は、−CH2CH(CH2OCH2CH2CnF2n+1)−、(n=2〜10の整数)、又は、−CH2(CF2)mCH2−、(m=4〜10の整数)で表される二価の有機基を示す。
【0017】
本発明の化合物(1)は、下記式(5)で表されるフロロアルキル基又はフロロアルキレン基を含有するジオール(以下、「フロロアルキル基等含有ジオール」という)、イソホロンジイソシアネート、及びペンタエリスリトールトリアクリレートとを反応させることにより製造される。すなわち、イソホロンジイソシアネートのイソシアネート基を、フロロアルキル基等含有ジオールの水酸基、及びペンタエリスリトールトリアクリレートの水酸基と、反応させることにより製造される。
【0018】
【化11】
HO−R1−OH (5)
[式中、R1は−CH2CH(CH2OCH2CH2CnF2n+1)−、(nは2〜10の整数)、または、−CH2(CF2)mCH2−、(mは4〜10の整数)で表される二価の有機基を示す。]
【0019】
この反応としては、例えばフロロアルキル基等含有ジオール、イソホロンジイソシアネート、及びペンタエリスリトールトリアクリレートを一括に仕込んで反応させる方法;フロロアルキル基等含有ジオール、及びイソホロンジイソシアネートを反応させ、次いでペンタエリスリトールトリアクリレートを反応させる方法;イソホロンジイソシアネート及びペンタエリスリトールトリアクリレートを反応させ、次いでフロロアルキル基等含有ジオールを反応させる方法等が挙げられる。
【0020】
しかし、フロロアルキル基等含有ジオールが未反応物として系中に存在すると、塗膜の耐擦傷性を低下させることになるため、フロロアルキル基等含有ジオールは十分に反応させる必要がある。従って、先ずフロロアルキル基等含有ジオールとイソホロンジイソシアネートを反応させ、次いでペンタエリスリトールトリアクリレートを反応させる方法が好ましい。
【0021】
ここで用いられるフロロアルキル基等含有ジオールの例としては、フロロアルキル基が側鎖に結合した3−(2−パーフロロヘキシル)エトキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン、フロロアルキレン基を有する2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフロロヘキサン−1,6−ジオール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフロロ−1,8−オクタンジオールを挙げることができる。
【0022】
フロロアルキル基等含有ジオールの商品名しては、トーケムプロダクツ社製MF100、ダイキンファインケミカル研究所社製A−7412、A−7612を挙げることができる。
【0023】
本発明の含フッ素多官能ウレタンアクリレートは、架橋点間分子量が小さい方が好ましい。従って、ここで用いられるフロロアルキル基含有ジオールは、フロロアルキル基が側鎖に結合した3−(2−パーフロロヘキシル)エトキシ−1,2−ジヒドロキシプロパンがより好ましい。
【0024】
化合物(1)では、水酸基含有アクリレートとしてはペンタエリスリトールトリアクリレートを使用する。水酸基含有アクリレートとして、ペンタエリスリトールトリアクリレートのかわりに単官能のヒドロキシエチルアクリレートを使用すると、得られる含フッ素ウレタンアクリレートはアクリル基数が2であり、架橋密度が不足するため、良好な塗膜強度が得られ難い。また、水酸基含有アクリレートとして、5官能のジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレートを使用すると、得られる含フッ素ウレタンアクリレートはアクリル基数が10であり、良好な塗膜強度は得られるものの、フッ素含量が低いため低屈折率の塗膜が得られにくい。
【0025】
フロロアルキル基等含有ジオール、イソホロンジイソシアネート及びペンタエリスリトールトリアクリレートの使用割合は、ジオール1モルに対しイソホロンジイソシアネート1.5〜3モル、ペンタエリスリトールトリアクリレート1.5〜3モルとなるような割合が好ましく、更に、ジオール1モルに対し、イソホロンジイソシアネート1.8〜2.5モル、ペンタエリスリトールトリアクリレート1.8〜2.5モルとなるような割合が特に好ましい。
【0026】
化合物(1)のウレタン化反応は2段階の反応で行うことが好ましい。すなわち、1段階目の反応は、イソホロンジイソシアネートとフロロアルキル基等含有ジオールの反応であり、2段階目の反応は、続くペンタエリスリトールトリアクリレートとの反応である。1段階目及び2段階目の反応においては共に、通常ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、ジブチル錫ジラウレート、トリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、2,6,7−トリメチル−1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン等のウレタン化触媒を、反応物の総量100重量部に対して0.01〜1重量部用いるのが好ましい。また、これらの化合物の反応においては、無触媒で行うこともできる。反応温度は、1段階目は通常0〜60℃であり20〜50℃で行うのが好ましい。2段階目の反応は通常40〜90℃であり50〜80℃で行うのが好ましい。また、1段階目の反応において原料であるフロロアルキル基等含有ジオールが十分反応したことを確認した後、2段階目の反応を行うのが好ましい。
【0027】
<化合物(2)>
上記一般式(2)で表される多官能含フッ素ウレタンアクリレートは、3つのアクリル基と、1つのイソホロン骨格と、2つのウレタン結合およびフッ素を有する1価の有機基−(CH2)p−R2からなる化合物である。ここで、R2は炭素数1〜10のフロロアルキル基を示し、pは1〜6の整数を示す。
【0028】
本発明の化合物(2)は、下記式(6)で表されるフロロアルキル基を含有するモノオール(以下、「フロロアルキル基含有モノオール」という)、イソホロンジイソシアネート、及びペンタエリスリトールトリアクリレートとを反応させることにより製造される。すなわち、イソホロンジイソシアネートのイソシアネート基を、フロロアルキル基含有モノオールの水酸基、及びペンタエリスリトールトリアクリレートの水酸基と、反応させることにより製造される。
【0029】
【化12】
HO−(CH2)p−R2 (6)
[式中、R2は炭素数1〜10のフロロアルキル基を示し、pは1〜6の整数を示す]
【0030】
この反応としては、例えばフロロアルキル基含有モノオール、イソホロンジイソシアネート、及びペンタエリスリトールトリアクリレートを一括に仕込んで反応させる方法;フロロアルキル基含有モノオール、及びイソホロンジイソシアネートを反応させ、次いでペンタエリスリトールトリアクリレートを反応させる方法;イソホロンジイソシアネート及びペンタエリスリトールトリアクリレートを反応させ、次いでフロロアルキル基含有モノオールを反応させる方法等が挙げられる。
【0031】
しかし、フロロアルキル基含有モノオールが未反応物として系中に存在すると、塗膜の耐擦傷性を低下させることになるため、フロロアルキル基含有モノオールは十分に反応させる必要がある。従って、先ずフロロアルキル基含有モノオールとイソホロンジイソシアネートを反応させ、次いでペンタエリスリトールトリアクリレートを反応させる方法が好ましい。
【0032】
ここで用いられるフロロアルキル基含有モノオールの例としては、1H,1H−トリフロロエタノール、1H,1H−ペンタフロロプロパノール、6−(パーフロロエチル)ヘキサノール、1H,1H−ヘプタフロロブタノール、2−(パーフロロブチル)エタノール、3−(パーフロロブチル)プロパノール、6−(パーフロロブチル)ヘキサノール、2−パーフロロプロポキシ−2,3,3,3−テトラフロロプロパノール、2−(パーフロロヘキシル)エタノール、2−(パーフロロヘキシル)プロパノール、6−(パーフロロヘキシル)ヘキサノール、2−(パーフロロオクチル)エタノール、3−(パーフロロオクチル)プロパノール、6−(パーフロロオクチル)ヘキサノール、2−(パーフロロデシル)エタノール、1H,1H−2,5−ジ(トリフロロメチル)−3,6−ジオキサウンデカフロロノナノール、6−(パーフロロ−1−メチルエチル)ヘキサノール、2−(パーフロロ−3−メチルブチル)エタノール、2−(パーフロロ−5−メチルヘキシル)エタノール、2−(パーフロロ−7−メチルオクチル)エタノール、1H,1H,3H−テトラフロロプロパノール、1H,1H,5H−オクタフロロペンタノール、1H,1H,7H-ドデカフロロヘプタノール、1H,1H,9H−ヘキサデカフロロノナノール、2H−ヘキサフロロ2−プロパノール、1H,1H,3H−ヘキサフロロブタノール、2,2-ビス(トリフロロメチル)プロパノール、2−(パーフロロオクチル)エタノール、(パーフロロ−n−ブチル)メタノール、(パーフロロ−n−ヘキシル)メタノール、(パーフロロ−n−オクチル)メタノール、(パーフロロ−n−デシル)メタノール、3−(パーフロロ−n−ブチル)−2−プロペノール、3−(パーフロロ−n−ヘキシル)−2−プロペノール、3−(パーフロロ−n−オクチル)−2−プロペノール、3−(パーフロロ−n−デシル)−2−プロペノール、11−(パーフロロ−n−ヘキシル)ウンデカノール、11−(パーフロロ−n−ヘキシル)−10−ウンデセノール、及び11−(パーフロロ−n−オクチル)−10−ウンデセノ−ル、等が挙げられる。
【0033】
フロロアルキル基含有モノオールの商品名しては、ダイキンファインケミカル研究所社製A−1620、A−1630、A−1820、A−1830、等を挙げることができる。
【0034】
化合物(2)では、水酸基含有アクリレートとしては3官能のペンタエリスリトールトリアクリレートを使用するが、5官能のジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレートを使用した含フッ素ウレタンアクリレートを併用しても良い。しかし水酸基含有アクリレートとして、ペンタエリスリトールトリアクリレートのかわりに単官能のヒドロキシエチルアクリレートを使用すると、得られる含フッ素ウレタンアクリレートはアクリル基数が1であり、架橋体が得られないため、良好な塗膜強度が得られ難い。
【0035】
フロロアルキル基含有モノオール、イソホロンジイソシアネート及びペンタエリスリトールトリアクリレートの使用割合は、モノオール1モルに対しイソホロンジイソシアネート0.7〜1.5モル、ペンタエリスリトールトリアクリレート0.7〜1.5モルとなるような割合が好ましく、更に、モノオール1モルに対し、イソホロンジイソシアネート0.9〜1.2モル、ペンタエリスリトールトリアクリレート0.9〜1.2モルとなるような割合が特に好ましい。
【0036】
化合物(2)のウレタン化反応は2段階の反応で行うことが好ましい。すなわち、1段階目の反応は、ジイソシアネートとフロロアルキル基等含有モノオールの反応であり、2段階目の反応は、続くペンタエリスリトールトリアクリレートとの反応である。1段階目及び2段階目の反応においては共に、通常ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、ジブチル錫ジラウレート、トリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、2,6,7−トリメチル−1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン等のウレタン化触媒を、反応物の総量100重量部に対して0.01〜1重量部用いるのが好ましい。また、これらの化合物の反応においては、無触媒で行うこともできる。反応温度は、1段階目は通常0〜60℃であり20〜50℃で行うのが好ましい。2段階目の反応は通常40〜90℃であり50〜80℃で行うのが好ましい。また、1段階目の反応において原料であるフロロアルキル基等含有モノオールが十分反応したことを確認した後、2段階目の反応を行うのが好ましい。
【0037】
本発明では、ジイソシアネートとしてはイソホロンジイソシアネートを使用する。イソホロンジイソシアネートはシクロヘキサン環を有しているため、環構造を有しないジイソシアネートよりもガラス転移温度が高く、塗膜の耐擦傷性は向上する。また、ジイソシアネートとして2,4−トリレンジイソシアネートのようにベンゼン環を有するジイソシアネートもあるが、ベンゼン環を有するジイソシアネートはシクロヘキサン環を有するジイソシアネートよりもガラス転移温度は高いが、屈折率も高いため、反射防止膜とした時に反射率が高くなり、不利である。
【0038】
市販のペンタエリスリトールトリアクリレートは、通常トリアクリレート体の他にジアクリレート体、テトラアクリレート体、及びその他が混合されている。使用に関しては精製して用いても良いが、混合物のまま使用しても良い。
【0039】
本発明の化合物の製造にあたっては溶剤を用いることが好ましい。溶剤としては通常、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等を用いることができる。また、反応時の溶質濃度は3〜80%、特に20〜60%で行うのが好ましい。
【0040】
【実施例】
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0041】
実施例1
マグネチックスターラー、窒素ガス導入管のついた還流冷却器および温度計を備えた300ml丸底フラスコにイソホロンジイソシアネート10.0g(45mmol、3−(2−パーフロロヘキシル)エトキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン(トーケムプロダクツ社製、MF100)9.87g(22.5mmol)、メチルイソブチルケトン39gを順に添加し室温下で攪拌した。さらに、ジブチル錫ジラウレート0.07gを添加し、50℃で2時間攪拌した。その後、ペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学工業社製、NKエステルA−TMM−3LM−N)22.0gとメチルイソブチルケトン58gの混合溶液とジブチル錫ジラウレート0.06gを添加し66℃で4時間攪拌した。この反応液のイソシアネート含量を測定すると0.08wt%であり、反応は十分進行したことを確認した。この反応液からエバポレーターで溶剤を留去することによって得られた不揮発成分をU−1とする。
【0042】
実施例2
マグネチックスターラー、窒素ガス導入管のついた還流冷却器および温度計を備えた300ml丸底フラスコにイソホロンジイソシアネート5.0g(22.5mmol)、2−パーフロロオクチルエタノール(ダイキンファインケミカル研究所社製、A1820)10.5g(22.5mmol)、メチルイソブチルケトン40gを順に添加し室温下で攪拌した。ジブチル錫ジラウレート0.07gを添加し、50℃で2時間攪拌した。その後、ペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学工業社製、NKエステルA−TMM−3LM−N)10.5gとメチルイソブチルケトン30gの混合溶液とジブチル錫ジラウレート0.06gを添加し66℃で5時間攪拌した。この反応液のイソシアネート含量を測定すると0.01wt%であり、反応は十分進行したことを確認した。この反応液からエバポレーターで溶剤を留去することによって得られた不揮発成分をU−2とする。
【0043】
<IR分析およびTOFMass分析>
本発明の化合物である樹脂液中の不揮発成分U−1、U−2を日本電子社製フーリエ変換赤外分光光度計JIR−5500を用いてIR分析を行った。その結果を図1及び図2に示す。また、アプライドバイオシステムズ社製 VoyagerTM Eliteを用いてTOFMass(Time Of Flight Mass Spectroscopy)測定を行った。その結果を図3及び図4に示す。
【0044】
図1及び図2より、以下の波数領域にそれぞれの結合に基づく吸収が確認された。
3370cm-1 −N−H−
1730cm-1 −C=O
1520cm-1 −N−H−
1200cm-1 −C−O−
この結果から、U−1、U−2にはウレタン結合が存在することが示唆された。
【0045】
図3より、1501.95m/zにピークがある。これは化合物(3)とナトリウムイオンの分子量に相当する。この結果より、U−1には化合物(3)が含まれることが示唆された。
【0046】
図4より、1007.84m/zにピークがある。これは化合物(4)とナトリウムイオンの分子量に相当する。この結果より、U−2には化合物(4)が含まれることが示唆された。
【0047】
上記の結果から、U−1及びU−2に含有される化合物は、それぞれ下記式(3)及び(4)が主体であると判断された。
【0048】
【化13】
【0049】
【化14】
【0050】
【発明の効果】
本発明の化合物は、含フッ素重合体と良好な相溶性を示し、従来よりも低屈折率であり、且つ耐擦傷性に優れた塗膜を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1で得られた化合物U−1のIRチャートを示す。
【図2】図2は実施例2で得られた化合物U−2のIRチャートを示す。
【図3】図3は実施例1で得られた化合物U−1のTOFMassチャートを示す。
【図4】図4は実施例2で得られた化合物U−2のTOFMassチャートを示す。
Claims (6)
- 下記式(5)の化合物
【化5】
HO−R1−OH (5)
[式中、R1は−CH2CH(CH2OCH2CH2CnF2n+1)−、(nは2〜10の整数)、または、−CH2(CF2)mCH2−、(mは4〜10の整数)で表される二価の有機基を示す。]とイソホロンジイソシアネートとを反応させ、その反応物とペンタエリスリトールトリアクリレートをさらに反応させて得られる請求項1または3に記載の含フッ素多官能ウレタンアクリレートの製造方法。 - 下記式(6)の化合物
【化6】
HO−(CH2)p−R2 (6)
[式中、R2は炭素数1〜10のフロロアルキル基を示し、pは1〜6の整数を示す]とイソホロンジイソシアネートとを反応させ、その反応物とペンタエリスリトールトリアクリレートをさらに反応させて得られる請求項2または4に記載の含フッ素多官能ウレタンアクリレートの製造方法。
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