JP4449165B2 - 無段変速機の変速制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載される無段変速機の変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、特開平2−72268号公報において、車両用エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路にロックアップクラッチ付きトルクコンバータを介設するとともに、トルクコンバータの出力軸側に変速比を連続的に変更することができる無段変速機(CVT)を設けた車両が開示されている。この車両では、車両減速中においてロックアップクラッチを係合させれば、駆動輪の回転が直接的にエンジンへと伝達される。そのため、エンジンを稼動しなくてもエンジン回転速度をアイドル回転速度以上に引き上げてその回転を維持することができ、燃料カット領域を拡大して、燃費の向上を図ることができる。また、こうしたCVTを搭載した車両では、アクセル低開度時において変速比をできるだけ低回転ハイギヤ側に切り換えてエンジンを運転させることにより燃費の良い運転となる。そのため、車両減速時には、CVTの入力回転速度がそのときの車速での最低回転速度となるようにCVTの変速比を制御している。このようにして、車両減速時に変速比が徐々に増大されることとなり、これに伴いエンジンブレーキが増大することとなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記車両においては、車両減速時、CVTの変速比が低回転ハイギヤであればあるほど、CVTの変速速度が遅くなることから、再加速時にはCVTの変速応答性及び駆動応答性が悪くなり、また、車両の急停止時にはCVTの変速比のローギヤ側への戻りが悪くなる。そこで、車両を高回転ローギヤ側で運転させてロックアップクラッチを低車速まで係合させようとすると、減速加速度の増大を招き、ドライバビリティが悪化するという問題があった。
【0004】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、車両減速中のドライバビリティの悪化を好適に回避しつつ、無段変速機の変速応答性を向上することができる無段変速機の変速制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、車両減速時に係合されて原動機と駆動輪との間の動力伝達経路を接続するクラッチ機構の入力側又は出力側に接続され、かつ原動機側の入力回転速度を無段階に変速して駆動輪側の出力回転速度として出力する無段変速機の変速制御装置において、車両減速時において、前記無段変速機の目標入力回転速度をそのときの車速における最低回転速度よりも増大させるとともに、車両減速時の車速が前記クラッチ機構の係合が解除される第1の車速から該第1の車速よりも高い第2の車速までの車速域にあることに基づいて前記目標入力回転速度の増大量が車速の低下に応じて徐々に小さくなるように前記目標入力回転速度を設定する設定手段と、前記無段変速機の入力回転速度が前記目標入力回転速度となるように前記無段変速機の変速比を制御する制御手段とを備えることを要旨とする。
【0006】
従って、請求項1に記載の発明によれば、車両減速時、無段変速機の目標入力回転速度がそのときの車速における最低回転速度よりも増大されるので、無段変速機の変速比が高回転ローギヤ側とされることとなる。従って、車両の再加速時には無段変速機の変速応答性及び駆動応答性が向上し、また、急減速時の変速比の最ローギヤ側への戻り性能が向上される。また、クラッチ機構が解除される第1の車速付近の車速において目標入力回転速度の増大量が小さくなるように設定されているので、クラッチ機構が係合されているときの無段変速機のローギヤ側への変速比の変化を抑えることができるようになり、減速加速度の増大を緩和することができ、ドライバビリティの悪化を抑制することができるようになる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の無段変速機の変速制御装置において、前記設定手段は、車両減速中において、車速が前記第2の車速よりも高い第3の車速を下回ったことに基づいて前記無段変速機構の目標入力回転速度をそのときの車速における最低回転速度よりも増大させるものであることを要旨とする。
【0008】
従って、請求項2に記載の発明によれば、車両減速時、車速が第3の車速を下回るまでの間は無段変速機構の目標入力回転速度はそのときの車速における最低回転速度に設定されているので、無段変速機の変速比はハイギヤ側となり、燃費の良い運転となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の無段変速機を搭載した車両の制御装置を具体化した一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
図1は、本実施形態にかかる無段変速機搭載車両及びその制御装置を示す概略構成図である。まず、この車両においてその原動機としてのエンジン10と駆動輪17との間の動力伝達を司る動力伝達系の構成を説明する。
【0011】
図1に示すように、エンジン10の出力軸10aは、トルクコンバータ11に連結されている。このトルクコンバータ11は、入力された回転を流体(オイル)を媒介して伝達する流体継ぎ手の一種であり、流体を媒介することによってエンジン出力軸10aの回転トルクを適宜に調整して駆動輪17側へと伝達するようにしている。
【0012】
このトルクコンバータ11は、ロックアップクラッチ機構12を備えている。このロックアップクラッチ機構12は、油圧制御回路19による油圧制御に基づき作動して、トルクコンバータ11のエンジン10側と駆動輪17側との直接的な動力伝達を可能としている。
【0013】
また、こうしたロックアップクラッチ機構12を備えるトルクコンバータ11の駆動輪17側は、車両後進時にエンジン10側から入力される回転の方向を反転する前進後進切替機構13に連結されており、その更に駆動輪17側は、変速を行うための無段変速機(CVT)14に連結されている。従って、ロックアップクラッチ機構12の係合によってエンジン10の出力軸とCVT14とが直結され、ロックアップクラッチ機構12の係合解除によって、エンジン10とCVT14との接続が断たれる。
【0014】
そしてそのロックアップクラッチ機構12を作動して、上記トルクコンバータ11の流体(オイル)を媒介しない、エンジン10とCVT14との間の直接的な動力伝達を許容する、いわゆる「ロックアップ」が実行されるようにしている。そうしたロックアップを実行することで、トルクコンバータ11内での流体すべりによる動力伝達効率の低下を好適に回避し、エンジン10の燃費向上を図ることができるようになる。
【0015】
本実施形態の車両では、上記CVT14として、互いに巻掛けられたベルト14aによって駆動連結された駆動プーリ14bと従動プーリ14cとを備えている。それら駆動及び従動プーリ14b、14cは、油圧によってベルト14aの挟み幅を変更することができるように構成されている。そして、油圧制御回路19による油圧制御によって、両プーリ14b、14cにおけるベルト14aの挟み幅を変更し、ベルト14aの巻き掛け半径を可変とすることで、連続的に変速比を変更するようにしている。
【0016】
また、このCVT14の駆動輪17側は、エンジン10側からの回転を減速して伝達する減速機構15、及び左右の駆動輪17の差動を許容するためのディファレンシャル(差動機車装置)16を介して駆動輪17に連結されている。
【0017】
こうして、エンジン10と駆動輪17との間では、ロックアップクラッチ機構12を備えるトルクコンバータ11、CVT14等を通じて動力伝達が行われるようになる。
【0018】
続いて、こうしたクラッチ機構付き車両において、上記ロックアップクラッチ機構12やCVT14などの駆動伝達系や、エンジン10などを制御する制御系の構成について、同図1に基づき説明する。
【0019】
本実施形態にかかる車両では、上記の制御系として役割を司る電子制御装置(ECU)として、主にエンジン10の運転制御を行うエンジン用ECU(「E/G ECU」)30、主に上記駆動伝達系の制御を行う変速機用ECU(「CVT ECU」)31を備えている。各ECU30,31はそれぞれ、車内ネットワーク回線を通じて電気的に接続されている。
【0020】
各ECU30,31の入力ポートには、車両の走行速度(車速)を検知する速度センサ33をはじめとして、車両やエンジン10の運転状態を検知する各種センサの出力が入力される。更に、それらの入力ポートには、アクセルペダル34の踏み込み量(アクセル踏込量)を検知するアクセルセンサ35などの運転者の操作状態を検知する各種センサの出力も入力される。
【0021】
一方、各ECU30,31の出力ポートには、エンジン10の制御にかかる各種アクチュエータや、上記油圧制御回路19などを駆動する各駆動回路などが接続されている。そしてエンジン用ECU30は、上記各種センサの出力に基づき、燃料噴射などのエンジン10の運転制御を実行する。また、変速機用ECU31は、油圧制御回路19を駆動制御してCVT14の変速制御を実行するほか、ロックアップクラッチ機構12の制御なども実行する。
【0022】
次に、車両減速時における変速機用ECU31の各種制御態様について、図2〜図4を参照して詳細に説明する。
上述したように、車両減速中にロックアップクラッチ機構12を係合させれば、駆動輪17からエンジン10側へと直接的に動力が伝達されて、同エンジン10を稼動しなくてもエンジン回転速度がアイドル回転速度以上に引き上げられてその回転が維持されるようになる。そのため、こうした車両減速中の燃料カットの実施に際して、ロックアップクラッチ機構12を係合作動させれば、燃料カット領域を拡大して、燃費の向上を図ることができるようになる。
【0023】
特に、本実施形態のようなCVT14を備える車両では、ロックアップクラッチ機構12を作動させたままでの変速が可能なため、より長期間に亘って車両減速中の同ロックアップクラッチ機構12の係合を保持し、燃料カット領域をより拡大することが可能である。
【0024】
アクセルペダル34がオフとされて、車両が減速状態にされると、エンジン10の燃料カットを実施すると共に、ロックアップクラッチ機構12を係合作動させて、燃料カット領域を拡大するようにしている。
【0025】
一方、車両の減速状態において低速度となると、再加速時の動力性能を確保するため、CVT14の変速比をローギヤ側に設定するようにしている。
また、本実施形態の無段変速機搭載車両の制御装置では、図4に示すように、ロックアップクラッチ機構12のロックアップが解除される車速(ロックアップOFF車速)V0を設定し、車両減速中において車速がその車速V0を下回れば、ロックアップクラッチ機構12の係合を解除するようにしている。こうして、車両の減速加速度が過大となる前に、車両のエンジン10側と駆動輪17側との直接的な駆動連結を解放することで、ドライバビリティの悪化を防止するようにしている。
【0026】
以下、本実施形態での車両減速時におけるCVT14の変速比制御を行うためのCVT14の目標入力回転速度の設定態様について説明する。
図2は、こうした目標入力回転速度の設定にかかる「目標入力回転速度設定ルーチン」の処理手順を示すフローチャートである。本ルーチンは、変速機用ECU31によって所定時間毎に周期的に実行される。
【0027】
さて、処理が本ルーチンに移行すると、変速機用ECU31は、まずステップ110において基本目標入力回転速度を算出する。この基本目標入力回転速度は、アクセル踏込量や車速などの車両の運転状態に基づき算出され、アクセル踏込量が大きくなればなるほど、また、車速が高くなればなるほど高い値として算出される。そして、基本目標入力回転速度は、アクセル踏込量が小さいときにはできるだけ低回転とされ、そのときの車速における最低回転速度もしくはその近傍の値が設定される。車速における最低回転速度はCVT14の変速比を最ハイギヤ側の変速比γmin に設定したときに実現される値である。図4に示すように車両減速中における回転速度がアイドル回転速度NE0を下回るとエンジン10が停止してしまうため、車速Vが低下して車速V2(>V0)に達した時点で基本目標入力回転速度はNE0に固定されてガードされるようになっている。
【0028】
そして、次のステップ120において、変速機用ECU31はアクセルセンサ35の検出信号に基づいてアクセルペダル34が踏み込まれていない(OFF状態)、即ち、車両減速中であるか否かを判断する。そして、アクセルOFFでなければ、ステップ140に進む。ステップ140で変速機用ECU31は目標回転速度アップ量を「0」に設定した後、処理をステップ150に移行する。
【0029】
一方、ステップ120においてアクセルOFFであれば、車両減速中であるため、ステップ130に進む。ステップ130において、変速機用ECU31は図3に示すマップを参照してそのときの車速に応じた目標回転速度アップ量UNEを算出した後、処理をステップ150に移行する。このマップは、車両減速中における車速Vに基づいて設定されており、目標回転速度アップ量UNEは車速Vが車速V3(>V2)から車速V2までの車速域において車速Vの低下に応じて所定回転速度UNE1まで増加するように設定され、車速Vが車速V2から車速V1(<V2)までの車速域において所定回転速度UNE1に固定されている。また、目標回転速度アップ量は車速Vが車速V1から車速V0(<V1)までの車速域において車速Vの低下に応じて所定回転速度UNE1から0まで徐々に減少するように設定されている。
【0030】
そして、ステップ150において、変速機用ECU31は上記ステップ110にて算出した基本目標入力回転速度に対して上記ステップ130又はステップ140にて算出した回転速度アップ量を加算することにより目標入力回転速度を算出する。従って、車両が減速中である場合には、目標入力回転速度TNEは車速Vに基づく最低回転速度NE0に対して目標回転速度アップ量を加えたものとなる。すなわち、車速Vが車速V3から車速V1までの車速域において、目標入力回転速度TNEは一定値NE1(NE0+UNE1)となる。また、車速Vが車速V1から車速V0までの車速域において、目標入力回転速度TNEは車速Vの低下に応じて一定値NE1からNE0まで徐々に減少する。
【0031】
ここで車速V1からV0の車速域において車速Vの低下に伴ってアップ量UNEを0まで低下するように設定するのは、次の理由による。すなわち、車両減速中において車速VがV3を下回ると、目標入力回転速度TNEを一定値NE1(NE0+UNE1)に設定するようにしている。これは、車両減速を行う場合、次の加速時において良好な加速性能、すなわち変速応答性及び駆動応答性を得るためにはCVT14の変速比γをローギヤ側の変速比とする必要があり、また、車両の急減速時においてはCVT14の変速比γの最ローギヤ側の変速比γmax への戻り性能を確保するためである。
【0032】
しかし、目標入力回転速度TNEを一定値NE1に維持したままでロックアップクラッチ機構12を低車速まで係合させようとすると、変速比のローギヤ側への変化に伴い減速加速度の増大を招き、ドライバビリティの悪化を招く。そこで、車速VがV1を下回ると、車速Vの低下に応じて目標入力回転速度TNEをNE0まで徐々に低下するように設定し、この目標入力回転速度TNEとなるようにCVT14の変速比をローギヤ側の変速比となるように制御している。CVT14の変速比をローギヤ側に制御すると減速加速度は大きくなるが、車速V1未満における目標回転速度アップ量を低下させるようにしているので、CVT14の変速比のローギヤ側への変化量を小さくすることができ、減速加速度の増大を緩和してドライバビリティの悪化を抑制することができるのである。
【0033】
以上説明したように、本実施形態の無段変速機の変速制御装置によれば、以下に記載する効果を得ることができるようになる。
・ 本実施形態では、車両減速時、CVT14の目標入力回転速度TNEがそのときの車速における最低回転速度よりも増大され、CVT14の変速比が高回転ローギヤ側とされるので、車両の再加速時にはCVT14の変速応答性及び駆動応答性を向上することができ、また、急減速時のCVT14の変速比の最ローギヤ側への戻り性能を向上することができる。また、ロックアップクラッチ機構12が解除される第1の車速V0から第2の車速V1までの車速域において車速の低下に応じて目標入力回転速度TNEのアップ量UNEが徐々に小さくなるように設定されているので、ロックアップクラッチ機構12が係合されているときの急減速時のCVT14のローギヤ側への変速比の変化を抑えることができるようになり、減速加速度の増大を緩和することができ、ドライバビリティの悪化を抑制することができるようになる。
【0034】
・ 本実施形態では、車両減速中において、車速が第2の車速V1よりも高い第3の車速V3を下回ったことに基づいて減速時のCVT14の目標入力回転速度TNEをそのときの車速における最低回転速度よりも増大させるようにしているので、第3の車速V3よりも高車速側ではCVT14の変速比はハイギヤ側となり、燃費の良い運転を行うことができる。
【0035】
・ 本実施形態では、アクセルペダル34がOFFされることに基づいて車両が減速中であるか否かを判断するようにしている。そのため、運転者の意図を適切に把握して、車両の減速状態か否かを的確に判断することができるようになる。
【0036】
なお、以上説明した本実施形態のクラッチ機構付き車両の制御装置は、以下のように変更することもできる。
・ 上記実施形態では、車速V3から車速V1までの車速域において目標入力回転速度が一定値となるように目標回転速度アップ量UNEを設定したが、図3に鎖線で示すように車速V3から車速V2´(>V2)までの車速域においては車速Vの低下に伴ってアップ量を増加させ、車速V2´から車速V1までの車速域においては車速Vの低下に伴ってアップ量を低下させるようにしてもよい。なお、車速V2´から車速V1までの車速域におけるアップ量の低下度合いは、車速V1から車速V0までの車速域におけるアップ量の低下度合いよりも変化の小さいものとするのがよい。このようにすれば、車両が低車速ほど減速加速度の体感度合いは大きくなるが、ロックアップOFF車速付近での減速加速度の変化を低減することができるようになり、ドライバビリティの悪化を好適に抑制することができる。
【0037】
・ 上記実施形態では、CVT14としてベルト式のものを採用したが、トロイダル式CVTを採用してもよい。
・ 上記実施形態では、ロックアップクラッチ機構12と駆動輪17との間にCVT14を配設した構成、すなわちロックアップクラッチ機構12の出力軸側にCVT14を接続した構成の車両に具体化したが、CVTと駆動輪との間にロックアップクラッチ機構を配設する構成、すなわちロックアップクラッチ機構の入力軸側にCVT14を接続する構成の車両に具体化してもよい。
【0038】
・ 上記実施形態の制御装置が適用される無段変速機搭載車両では、クラッチ機構として油圧作動式の摩擦クラッチ機構を採用しているが、クラッチ機構の構成は任意であり、電磁クラッチなどのその他のクラッチ機構を採用するようにしてもよい。要は、エンジンと変速機とを断接するクラッチ機構として採用する車両であれば、上記各実施形態と同様、或いはそれに準じた制御装置を適用することができる。
【0039】
次に、上記実施形態から把握できる他の技術的思想を以下に記載する。
・ 請求項2に記載の無段変速機の変速制御装置において、前記設定手段は、前記第2の車速から前記第3の車速までの車速域において前記目標入力回転速度が所定回転速度になるように目標回転速度の増大量を設定するものである無段変速機の変速制御装置。
【0040】
・ 請求項2に記載の無段変速機の変速制御装置において、前記設定手段は、前記第2の車速から前記第3の車速までの車速域の中間において前記目標入力回転速度の増大量が最大になるように該増大量を設定するものである無段変速機の変速制御装置。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施形態についてその無段変速機搭載車両及びその制御装置の概略構成図。
【図2】同実施形態についてその目標入力回転速度の設定手順を示すフローチャート。
【図3】車両減速中における目標回転速度アップ量の算出に用いるマップの一例を示す説明図。
【図4】車両減速中における車速と目標入力回転速度との制御態様の一例を示す説明図。
【符号の説明】
10…エンジン、14…無段変速機(CVT)、12…ロックアップクラッチ機構(クラッチ機構)、17…駆動輪、19…油圧制御回路、30…エンジン用ECU、31…変速機用ECU(設定手段、制御手段)、33…車速センサ、35…アクセルセンサ。
Claims (2)
- 車両減速時に係合されて原動機と駆動輪との間の動力伝達経路を接続するクラッチ機構の入力側又は出力側に接続され、かつ原動機側の入力回転速度を無段階に変速して駆動輪側の出力回転速度として出力する無段変速機の変速制御装置において、
車両減速時において、前記無段変速機の目標入力回転速度をそのときの車速における最低回転速度よりも増大させるとともに、車両減速時の車速が前記クラッチ機構の係合が解除される第1の車速から該第1の車速よりも高い第2の車速までの車速域にあることに基づいて前記目標入力回転速度の増大量が車速の低下に応じて徐々に小さくなるように前記目標入力回転速度を設定する設定手段と、
前記無段変速機の入力回転速度が前記目標入力回転速度となるように前記無段変速機の変速比を制御する制御手段と
を備える無段変速機の変速制御装置。 - 請求項1に記載の無段変速機の変速制御装置において、
前記設定手段は、車両減速中において、車速が前記第2の車速よりも高い第3の車速を下回ったことに基づいて前記無段変速機構の目標入力回転速度をそのときの車速における最低回転速度よりも増大させるものである無段変速機の変速制御装置。
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