JP4447710B2 - フラットパネルディスプレイ用ガラス構造の作成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はフラットパネルディスプレイの分野に関し、特にプラズマアドレス型液晶(PALC)ディスプレイの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
フラットパネルディスプレイ、例えば液晶ディスプレイは既知である。近年、液晶ディスプレイ(LCD)でアドレスを指定するためのプラズマチャネルの使用が知られるようになった。例えば、米国特許第4,896,149号、第5,036,317号、第5,077,553号、第5,272,472号、第5,313,223号はそれぞれ、そのような構造を開示している。これらの特許の開示内容は全て本明細書に参照として含まれる。このタイプのディスプレイ技術は高解像度ディスプレイに適したアクティブアドレス指定マトリックスを提供し、既知の薄膜トランジスタ(TFT)アクティブマトリックス手法と競合する選択肢である。
【0003】
上記プラズマチャネルパネルは本明細書ではプラズマアドレス型液晶(PALC)ディスプレイとも称される。このタイプのプラズマディスプレイパネルは一般に、ヘリウム、ネオン及びキセノンの混合気のような放電ガスを容れる放電空間を基板間に形成するように間隔をとって置かれた2枚の平行基板で形成される。それぞれの基板の対向する表面には間隔をおいた平行電極パターンがつけられ、例えば、一方の基板の電極は他方の基板の電極の方向と直交する方向に向けられる。電極がつけられている基板表面は一般に誘電体層で被覆され、赤色、緑色、及び青色発光体が2枚の基板の一方の誘電体層の内表面上で分散する領域に別々に置かれている。誘電体層は一般に、配合及び必要な均一度に依存して500から600℃の間で焼成された鉛ガラスフリットである。表示画像は、一方の基板の電極と他方の基板の電極との間に適当な電圧を印加することによりガス中で局所的に生じるプラズマ放電によりつくられる。ガス放電により局所的に放射される紫外光が近くの発光体を発光させる。
【0004】
PALCディスプレイは、平行なチャネル内に閉じ込められた比較的低圧(例えば、10ないし100Torr(約1.33×10ないし約1.33×10Pa))のガス、例えばHeの極めて非線型な電気的挙動に依存している。PALCディスプレイ100の部分断面が図1に示される。一対の平行電極101A(陽極)及び101C(陰極)が、例えば、背面ガラス板101G上のそれぞれのチャネル102に被着されてチャネルの床面を形成し、また非常に薄い誘電体シート103,例えば約50μm厚のガラスマイクロシートがチャネル102の天井面を形成する。前記マイクロシート103の上の液晶層104が、本ディスプレイ100の光学的にアクティブな部分である。プラズマチャネル102に直交して走る、例えば酸化インジウム−スズ(ITO)でつくられた透明電極をもつカバーシート105,例えば約1.1mmの透明ガラス板が液晶104の上に置かれている。他の従来型液晶ディスプレイで見られるものと同様の、通常の偏光板106,カラーフィルタ107及びバックライト108も、図に示されるように、共通して用いられる。
【0005】
前記透明電極に電圧が印加されると、接地面がないため、電圧は液晶、マイクロシート、プラズマチャネル、及び透明電極と何であれ仮想接地となるものとの間に介在するその他の絶縁体との間で分圧される。実際問題としてこのことは、プラズマチャネルにプラズマが存在しなければ、液晶にかかる電圧降下が無視可能であり、透明電極とプラズマチャネルの交差により境界が定まる画素にはスイッチが入らないことを意味する。しかし、プラズマチャネルの一対の電極の間にガスをイオン化するに十分な電圧差が初めに印加されれば、プラズマがプラズマチャネルに形成され、よってプラズマチャネルが導電性になり、事実上接地面となる。この結果、プラズマが形成されたチャネルの上部にある画素に対しては、液晶とマイクロシートの間でのみ電圧が分圧される。よって実質的な電圧降下が液晶にかかり、画素にスイッチが入れられる。チャネル内のプラズマ点火によりこのチャネルの上の列(ロウ)が選択される。チャネル内のガスは電極対間電圧が正確に定められた閾値に達するまでは非導電性であるから、選択されない限り、ロウは行(カラム)電圧から極めて良好に絶縁される。この高非線型性により、非常に多くのロウをコントラストを失わずにアドレス指定することができる。
【0006】
上記のようなディスプレイでは、隣り合う領域間の光クロストークを避け、コントラストを改善するために、不透明な障壁リブ110が基板の少なくとも一方(通常は背面基板)に配置され、電気的に絶縁された放電セルを形成する。この障壁リブ構造は一般に、パネル解像度に依存して例えば200μmから400μmのピッチをもつ、周期構造である。これらのリブは、例えば幅が約30〜100μm、厚さ(すなわち高さ)が100〜200μmである。
【0007】
あるいは、一辺が約200〜400μmの正方形の密閉セル形状が用いられている。このような正方形セルを形成する“リブ”は幅が約30μmから70μm、高さが約30から200μmである。このようなタイプのプラズマパネルは、例えば米国特許第4,853,590号、並びに日本国特許出願特開平4−255638号及び特開平4−75232号に記述されている。上述の平行障壁リブ網は独立にアドレス指定され得る画素のカラムの境界を定める。2つの直交する電極網により、選択された画素においてガスをイオン化できる。イオン化されたガスから放射される紫外光が、表示されるべき画像の構成に従って前記画素に付随する蛍光体領域を励起する
PALCディスプレイは、プラズマを液晶から引き離しておくための薄いマイクロシートの使用に依存している。このマイクロシートは、これにかかる電圧降下を最小限にするために、できるだけ高い誘電率をもち、できるだけ薄く(例えば1.5〜2ミル(約38〜51μm))なければならない。ディスプレイ製造業者は現在この目的のために単葉一体型マイクロシート、例えばショット(Schott)社でつくられる30ないし50μm厚のD−263マイクロシートを利用している。しかし、このような大面積ガラスシートは製造が困難であり、大面積で薄いマイクロシートを入手可能であるか否かが、作成し得るPALCディスプレイの大きさの限界を左右する要因になっている。
【0008】
これまでは、一般にシルクスクリーン法によるかあるいはフリット被着層のサンドブラストにより障壁リブが作られてきた。従って、障壁リブ間のチャネルはガラス基板のエッチングによるか、あるいはスクリーン印刷のような被着プロセスによる基板上へのガラス壁の積上げにより作成されていた。しかし、チャネルのエッチングは通常丸みのついた床面を生じ、一方壁を形成するための材料の積上げでは一般に側壁が垂直にならない。これらの条件はいずれも、パネルを通した光透過に悪影響を与える。さらに、高アスペクト比をもつリブ構造の製造は通常ガラスマイクロシートの平坦度と整合させるためのリブ頂部の研磨を含む、多くのプロセス工程を必要としている。
【0009】
従って、既知のPALCディスプレイ製造プロセスの上記問題を解決し、前記限界を克服する方法が必要とされている。さらに、金属電極及び高アスペクトを比もつ不透明リブを含む背面ガラス板に関して改善された構造が得られ、薄い誘電体ガラスシートをもつ前記改善された構造を得ることができる方法が必要とされている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
フラットパネルディスプレイ用ガラス構造の作成方法を提供する。さらに、ディスプレイの大きさが入手可能なガラスシートの大きさによらず、床面が平坦なプラズマチャネル及び側壁が垂直な障壁リブが得られ、工程数が少ない、構造を改善しまた製造コストを下げることのできる方法を提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
開示内容が本明細書に参照として含まれる同時係属関連米国特許出願第08/820,206号は、障壁リブを形成するためのマイクロ成型プロセスを開示している。本発明に従う、PALC構造の製造への上記マイクロ成型技法の導入により、上述した難点の多くが克服され、またPALC構造の製造プロセスが簡略化される。
【0012】
本発明の一態様に従えば、プラズマアドレス型液晶ディスプレイに使用するためのガラス基板間のリブ構造集成体の製造方法は:(a)キャビティをもつ金型を作成する工程;(b)リブ構造を形成するために金型のキャビティにガラスペーストを供給する工程;(c)円筒版胴上に透明ガラスの薄層を形成する工程;(d)金型から円筒版胴上の透明ガラス薄層にリブ構造を転写する工程;及び、(e)円筒版胴からガラス基板のリブ構造及び透明ガラス薄層を転写する工程;を含む。
【0013】
本発明の一態様に従えば、前記金型は良好な離型性を示す、シリコーンのような材料からなる軟質凹版金型である。本発明の別の態様に従えば、前記金型は良好な離型性を示す、シリコーンのような材料からなる厚い有孔シートである。本発明のさらに別の態様に従えば、前記ガラスペーストは硬化可能、凝固可能あるいは固化可能(以降“硬化可能”と総称する)な有機結合材をもつガラスフリットである。
【0014】
本発明の別の態様に従えば、前記ガラス基板はその表面上にフォトリソグラフィ法、スクリーン印刷法、マイクロ成型法、またはその他の通常の方法で形成された金属電極を有する。本発明のさらに別の態様において、前記透明ガラス薄層は焼成後の厚さがほぼ50μm以下のガラス層を含む。本発明の別の態様は、接触及び冷却により金型から前記円筒版胴上の透明ガラス薄層にリブ構造を転写する工程を含む。
【0015】
本発明のさらにまた別の態様は;(a)ガラス基板を準備する工程;(b)キャビティを有する第1の金型を作成する工程;(c)電極構造を形成するために金型のキャビティに金属ペーストを供給する工程;(d)ガラス基板に電極構造を転写する工程;(e)キャビティを有する第2の金型を作成する工程;(f)リブ構造を形成するために第2の金型のキャビティにガラスペーストを供給する工程;(g)円筒版胴上に透明ガラス薄層を形成する工程;(h)第2の金型から円筒版胴上の透明ガラス薄層にリブ構造を転写する工程;及び(i)円筒版胴からガラス基板の電極被着面にリブ構造及び透明ガラス薄層を転写する工程;を含む、プラズマアドレス型液晶ディスプレイ構造の製造方法を提供する。
【0016】
本発明の上記及びその他の態様は、以下に述べる詳細な説明により明らかになるであろう。
【0017】
【発明の実施の形態】
例として添付図面に示される実施の形態を参照して本発明をここでさらに詳細に説明する。以下に説明する実施の形態は例として提示されるにすぎず、本発明の概念をいずれかの特定の物理的構成に限定する意味にとってはならないことを認識しておくべきである。
【0018】
図1は、本明細書の[従来の技術]の節で簡単に論じた、プラズマアドレス型液晶(PALC)ディスプレイの断面図を示す。一対の平行電極101A(陽極)及び101C(陰極)が、例えば背面ガラス板101Gのそれぞれのチャネル102に被着されてチャネル床面を形成し、非常に薄い誘電体シート103、例えば約50μmのガラスマイクロシートが前記チャネル102の天井面を形成する。マイクロシート103の上にある液晶層104がディスプレイ100の光学的なアクティブ領域である。前記プラズマチャネル102と直交して走る、例えば酸化インジウム−スズ(ITO)でつくられた透明電極をもつカバーシート105、例えば約1.1mmの透明ガラス板が前記液晶104の上に置かれる。他の従来型液晶ディスプレイで見られるものと同様の、通常の偏光板106,カラーフィルタ107及びバックライト108も、図に示されるように、共通して用いられる。不透明リブ110がチャネル102を分離する。
【0019】
図2(a)〜(d)、図3(a)〜(c)及び図4(a)〜(d)は本発明の実施の形態の1例に従う方法、特に、連続製造プロセスによる完品のPALC構造の製造方法の工程を示す。この完品PALC構造には、ガラス基板201上の任意の誘電体障壁層202が含まれる。
【0020】
本方法例において、ガラス基板201上の任意のガラスフリット誘電体障壁層202の有無に関わらず、プラズマチャネル構造は連続プロセスで形成される。本方法例に対して使用される材料には:例えば硬化可能な有機材料内に分散された金属粉末(例えば熱可塑性ワックス材内に分散された銀粉末)からつくられる電極材;例えば硬化可能な有機材料(例えば熱可塑性ワックス材)内に分散されたガラス粉末からつくられる、透明な誘電体ガラスフリット材;及び、例えば硬化可能な有機材料(例えば熱可塑性ワックス材)内に分散されたガラス粉末からつくられる、不透明顔料を含ませることにより不透明にすることが可能なリブ材;が含まれる。有用な硬化可能材料はマイクロ成型が可能でバーニングによる除去が容易でなければならず、熱可塑性及び熱硬化性材料のいずれをも含む。しかし、一般には熱可塑性材料が好ましいことが多い。
【0021】
図2(a)の工程1を参照すると、用いられるガラス基板の性質に依存して、誘電体ガラスペースト202がガラス基板201上に任意にブレード塗布される。このガラスペーストは熱可塑性結合材を含み、ガラス基板への塗布に先立つ加熱により軟化し得ることが好ましい。誘電体層202を含めることは、以下の工程3における、シリコーン金型からガラス基板への転写の役に立つが、必ずしも必要ではない。さらに、誘電体層202の組成によっては、ディスプレイを長期間使用したとき短絡をおこす可能性がある、電極材料からガラス基板内への金属酸化物の拡散を避けるための障壁層として誘電体層202を用いることもできる。
【0022】
図2(b)に示される工程2は、凹版金型204上への電極用銀ペースト203のブレード塗布を示す。この銀ペースト203は、金型204におけるキャビティすなわち凹所の配置により定められる位置に電極を形成する。この銀ペーストは熱可塑性結合材を含み、金型への塗布に先だち加熱により軟化し得ることが好ましい。金型は、例えばシリコーンのような、適当な離型性を示す軟質材料で形成されることが好ましい。
【0023】
図2(c)に示す工程3は、障壁誘電体層202の有無は問わずに、電極203がガラス基板201に接触してそのガラス基板に付着するように、ガラス基板201及び金型204を冷却して、キャビティ内に銀ペースト電極203が入れられている金型204を転写ローラー205を用いてガラス基板201に押し付けることによる、銀ペースト電極203のガラス基板201への転写を示す。次いで図2(d)に示される工程4において、金型204は、例えば室温で、はがされて取り外され、障壁誘電体層202の有無は問わずに、ガラス基板201上の所定の位置に配置された電極203を残す。
【0024】
上述のプロセス工程1〜4は、同業者には本発明の精神及び範囲内で当然であるように、フォトリソグラフィ、またはスクリーン印刷をベースにした適当なプロセスを含む被覆をもつかもたない基板上への電極プリント法のいずれかにより、あるいは、例えば上に参照した米国特許出願第08/820,206号に開示されるような円筒凹版版胴または凹版金型を利用するマイクロ成型プロセスにより、置き換え得ることに注意すべきである。
【0025】
図3(a)及び(b)に示される工程5は、図示された方法例のいずれによっても達成され得る第1のリブ形成工程を示す。図3(a)は、1999年1月25日に提出された“ディスプレイパネル用不透明リブ構造”と題する同時係属出願に従って不透明化し得る、リブ構造用誘電体ガラスペースト207が金型206,例えば軟質凹版金型にブレードでかき入れられる、第1の選択肢を示す。図3(b)は、厚膜スクリーン印刷法のための平坦で硬質な基板209上に配置された金型208を用いる第2の選択肢を示す。図3(b)の第2の選択肢においては、リブ用ペースト207が金型208のスロットを通して硬質基板209上に“印刷”される。いずれの選択肢においても、同業者には本発明の精神及び範囲内で当然であるように、既知の技法でパターンを形成することができ、また許容し得る離型性を有するいかなる材料によっても金型を作成することができる。金型はシリコーンで作成されることが好ましい。
【0026】
従って、図3(a)に示される工程5の第1の選択肢において、軟質凹版金型206はシリコーンでつくられることが好ましく、ガラスペースト207は不透明顔料を含有するフリット組成を用いて不透明化されることが好ましい。例えば、ペースト207はガラスフリット、不透明顔料及び、ガラスペースト材が室温より若干高い温度、例えば50℃ないし100℃でドクターブレードにより金型にかき入れることができるような熱可塑性結合材からつくることができる。
【0027】
金型208を通して硬質基板209上に厚膜スクリーン印刷を行うプロセスを示した図3(b)に示される工程5の第2の選択肢においては、前記工程方法がリブ構造に対応するスロットをもつ厚いシリコーン金型を用いるスクリーン印刷法として達成されることが好ましい。図3(a)の凹版を用いる方法選択肢にまさるこの方法の考え得る利点は、リブ構造を厚いシリコーン金型208のスロットを通して非常に硬く平坦な基板209上に与えることができるという事実にある。このように形成されたリブ構造では基部が事実上完全に平坦になることが保証され、よって、軟質凹版を用いる方法選択肢でおこり得るドクターブレードによるかき取り後の基部の凹面化を避けることができ、引き続くガラス基板201上への転写をより良好に達成できる。図3(b)の第2の方法選択肢はまた、ディスプレイパネル100の背面ガラス板(101G)上に比較的厚い、例えば50ないし300μm厚のリブ構造を直接被着したい場合により容易に使用できる。
【0028】
図3(c)に示される工程6は、代表的な厚さが約15μmから約50μmの透明誘電体ガラスペースト211の薄層による転写ローラー210の被覆を含む。この転写ローラーは、損傷無しに被覆層を取り外せるように、適当な離型性を示す材料でつくられるか、あるいは適当な離型剤またはポリエチレンテレフタレート(マイラー)フィルムのような材料で被覆されていることが好ましい。さらに、ガラスペーストは熱可塑性材料を含有することが好ましく、転写ローラーは被膜の塗布を容易にし、接触時に前記リブを金型からはずして前記被膜に付着させるに十分な粘着性の状態に被膜を維持するために、約40℃ないし約150℃の温度まで加熱されることが好ましい。
【0029】
図4(a)〜(c)に示される工程7は、金型206または208の表面上で被膜をもつ転写ローラー210を転がし、金型キャビティ内に入れられている障壁リブ207を転写ローラーの被膜に接触させ、冷却して前記被膜に付着させることによる、金型から被膜をもつ転写ローラーへのリブ構造の転写を含む。リブ構造207はもちろん、約400℃ないし約600℃の温度まで加熱することにより前もって固結させておくこともできる。図4(a)は工程5で図3(a)の金型方法選択肢に後続する工程7の選択肢であり、図4(a)は図3(b)の金型方法選択肢に後続する工程7の選択肢である。図4(c)は、被膜付転写ローラー210に転写されたリブ構造207をもつ前記転写ローラーを示す。誘電体ガラス薄層211の被膜はリブ構造207の頂部に接している。
【0030】
図4(d)に示される工程8において、誘電体薄層211を(転写ローラー210側から見て)頂部につけたリブ構造207が、障壁層202の有無は問わずに、ガラス基板201に転写される。ガラス基板201は、上述した先行プロセス工程により、電極203及び任意の障壁層202を既に保持している。
【0031】
ガラス基板201への前記転写を補助するため、特に電極203がリブ構造207に位置合わせされる設計のため、例えば、エチルセルロース層のような薄いポリマー層(図示せず)をガラス201及び電極203の上に敷き、リブ207の転写を容易にすることができる。このポリマー層は、密着性の高い粘着性の表面を提供することにより障壁リブと基板との間の付着性を高め、よって障壁リブの基板への結合を容易にする。このポリマー層は次いで、ガラスフリットを溶融するための全体構造の焼成の間に除去される。
【0032】
上述した製造プロセスのいくつかの利点には、通常のスクリーン印刷またはフォトリソグラフィプロセスによる高アスペクト比をもつリブ構造の製造では普通必要であった多重工程を避けることによるコスト上の利点、並びに、電極をもつ背面ガラス上にリブ構造を1工程で転写することによるコスト上の利点があり、問題の多いマイクロシートを誘電体ガラス薄層で置き換えることにより本プロセスではもはや必要としないことを含む。すなわち本プロセスにより、大面積ガラスマイクロシートの必要性が無くなり、また分離誘電体層の厚さを低減でき、よってPALCディスプレイパネルの性能が改善される。さらに、リブの頂部と誘電体ガラス薄層との接触が転写プロセスにより得られるため、優れた接触が達成される。従って、PALC構造の製造においてガラスの平坦度と整合させるために通常用いられる、リブ頂部の研磨はもはや必要ではない。
【0033】
上述したマイクロ成型法のそれぞれは障壁リブの形成及び転写ローラー上の誘電体ガラス被膜への障壁リブの転写に用いることができるが、リブとリブの間の誘電体ガラス層上へのリブ材料の残留膜付着が避け難い。しかし、本発明の別の実施の形態において、上述したような厚いスクリーンを通して直接ガラス基板上に障壁リブをプリントし、次いでリブの頂部に誘電体ガラスの薄層を貼り付けることにより、上記問題を避けることができる。
【0034】
本方法においては、スロットパターンが付けられた厚いスクリーンがシリコーンのような適当な離型性を示す材料のフィルムからつくられる。このフィルムはガラス基板上に被着され、好ましくは約40℃ないし約450℃の温度まで加熱される。次いで障壁リブ用のガラスフリット含有ペーストが前記スクリーンのスロットを通してガラス基板上にブレード塗布される。冷却後、パターン付スクリーンは取り外されてガラス基板上に配置されたリブ構造が残る。このような厚いスクリーン301の剛性を高め、従って得られるリブ構造に対するより高い形状寸法制御性をもたせるために、図5(a)及び(b)に示されるように、例えば金属でつくられた硬質コア構造302をパターン付スクリーン301に挿入して使用することができる。例えばディスプレイ用途で必要な長いスロットの場合に、スロット間隔を維持するため、ブレード塗布作業中のスロットへのガラスフリット含有ペーストの流入を妨げることのない、薄いブリッジ303を付加することができる。図5(b)は、本発明の実施の形態の一例に従う、そのようなブリッジ構造303を示す。
【0035】
ガラス基板から突き出しているリブ構造上に誘電体ガラス層を被着してプラズマチャネルの形成を完了させる、また別の方法例を次に説明する。本例で説明される方法は、PALC製造における大面積ガラスシートの必要性を無くすと同時に連続製造プロセスにおいて本実施の形態を使用することの基本的実行可能性を示す。
【0036】
本方法に従えば、リブが突き出しているガラス基板がまず誘電体ガラス層の被着に先立ってリブを硬化及び/または固化するために処理される。この処理は、ガラスフリットを溶融し、有機結合材を除去するために約400℃ないし約600℃の温度で基板をベークすることにより達成される。しかし、リブの形成に用いられるペーストがUV硬化可能な材料を含有している場合には、一般にはUV処理を用いる固結で十分に、リブを変形させることなく誘電体ガラス層を転写することができるだけの十分な構造強度をリブに与えることができる。次いで、誘電体ガラスフリット含有ペースト層がリブの頂部に貼り付けられてプラズマチャネルが封止される。この誘電体フリット含有層は、適当な剥離下地からの転写によりリブ上に被着することができる。例えば、ガラスフリット含有材の被膜をポリエチレンテレフタレート(マイラー)のようなフィルム上に所望の厚さ、例えば約15μmないし約50μmで形成し、これを接触させることによって剥離下地からリブの頂部に被膜を転写することができる。ガラスフリットペーストは熱可塑性結合材を含有し、剥離下地への塗布及び接触時のリブ頂部への付着を容易にするために加熱により軟化することが好ましい。次いで冷却後に、剥離下地を取り除くことができる。
【0037】
図6は、本発明の実施の形態の上述例に従う方法を実行する集成装置の例を示す略図である。本実施の形態においては、表面に剥離下地を含むエンドレスベルト409が転写ローラー410及びアイドラーローラー411を廻りながら、加熱域406を通過して冷却域408に進む。エンドレスベルト409が転写ローラー410を廻って通過するときに、熱可塑性ガラスフリットペースト401が剥離下地409に塗布される。このガラスフリットペーストは適当な手段のいずれかにより塗布することができるが、ドクターブレード403により所望の厚さの層402に形成されることが好ましい。層402の厚さは約15から約50μmであることが好ましい。ベルト409が転写ローラー410を廻って進むと、ガラスフリット含有材料層402が、ベルトの下でA方向に移動しているガラス基板412から外側に突き出している障壁リブ405の頂部404に接する。ガラスフリット層が冷却域408を通過すると、ガラスフリット層は固結して障壁リブの頂部404に付着する。ベルトがアイドラーローラー411を廻って進むと、ガラスフリット含有層402はベルト409の剥離下地からはずれて、リブ構造に転写される。
【0038】
特許請求される本発明の作成及び使用の態様が好ましい実施の形態について図面とともになされた上記説明で十分に開示されたことは、同業者には明らかであろう。
【0039】
さらに、上述した本発明の好ましい実施の形態には様々な修正、変更、及び脚色が可能であること、及び上記様々な修正、変更、及び脚色は添付される特許請求の範囲に相当する意味及び範囲に包含されると解されることは当然である。
【0040】
例えば、本発明の実施の形態は例に挙げた材料をもって上に説明されたが、本発明は例示した材料に限定されない。用い得る適当な材料が他にもある。特に、熱可塑性材料あるいは硬化可能な熱固化性材料が特定の実施の形態で記述されているが、紫外感光性材料のような、別のタイプの固化または硬化可能な材料を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラズマアドレス型液晶(PALC)ディスプレイの断面図
【図2】PALCディスプレイを作成するための本発明の実施の形態の1例に従う方法の工程1〜工程4を示す図
【図3】同工程5及び工程6を示す図
【図4】同工程7及び工程8を示す図
【図5】本発明の実施の形態の1例に従う金属コアの作成及びブリッジ構造の付加を示す図
【図6】本発明の実施の形態の1例に従う方法を実行するための集成装置の例を示す図
【符号の説明】
100 PALCディスプレイ
101A 電極(陽極)
101C 電極(陰極)
101G 背面ガラス板
102 プラズマチャネル
103 誘電体マイクロシート
104 液晶層
105 カバーシート
106 偏光板
107 カラーフィルタ
108 バックライト
110 不透明リブ
201,412 ガラス基板
202 誘電体障壁層
203 銀ペースト
204 凹版金型
205,210,410 転写ローラー
206,208 金型
207 ガラスペースト
209 基板
211 誘電体ガラス層
301 スロットパターン付スクリーン
302 コア構造
303 ブリッジ
401 熱可塑性ガラスフリットペースト
402 ガラスフリットペースト層
403 ドクターブレード
404 障壁リブ頂部
405 障壁リブ
406 加熱域
408 冷却域
409 エンドレスベルト
411 アイドラーローラー

Claims (14)

  1. プラズマアドレス型液晶ディスプレイに使用するための、誘電体ガラス薄層とガラス基板との間にはさまれたリブ構造集成体の製造方法において、前記方法が:
    前記リブ構造を形成するために硬化可能なガラスフリットを含有するペーストを金型のキャビティに投入する工程;
    誘電体ガラスフリットを含有する配合物の薄層を版胴上に形成する工程;
    前記リブ構造を前記金型から前記版胴上の前記誘電体ガラスフリット含有層に転写する工程;及び
    前記リブ構造及び誘電体ガラスフリット含有層を前記版胴から前記ガラス基板に転写する工程;
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記金型が軟質凹版金型であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記金型が硬質基板上のフィルムであり、前記フィルムには所望の障壁リブに対応する位置にスロットが形成されていることを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 前記ガラスフリット含有ペーストがガラスフリット及び熱可塑性結合材を含むことを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の方法。
  5. 前記版胴上の前記誘電体ガラスフリット含有層が約40℃ないし約150℃の温度まで加熱されることを特徴とする請求項記載の方法。
  6. 前記リブ構造を前記誘電体ガラスフリット含有層転写する工程が、前記リブ構造が前記誘電体ガラスフリット含有層に接触するように前記金型を前記版胴上の前記加熱された誘電体ガラスフリット含有層に押し付ける工程、前記誘電体ガラスフリット含有層が前記リブ構造に接触している間に前記誘電体ガラスフリット含有層を冷却する工程、及び前記金型を取り外す工程を含むことを特徴とする請求項記載の方法。
  7. 前記リブ構造を前記基板に接触させることにより前記リブ構造及び誘電体ガラスフリット含有層が前記版胴から前記基板に転写されることを特徴とする請求項4からいずれか1項記載の方法。
  8. 前記基板が前記リブ構造との接触に先立ち約40℃ないし約150℃の温度まで加熱されることを特徴とする請求項記載の方法。
  9. 前記誘電体ガラスフリット含有層の厚さが約15μmないし約50μmであることを特徴とする請求項1から8いずれか1項記載の方法。
  10. 誘電体ガラスフリットを含有する配合物の薄層を版胴上に形成する前記工程が前記版胴上のポリマーフィルム上に透明誘電体ガラスペーストを供給する工程を含むことを特徴とする請求項1から9いずれか1項記載の方法。
  11. フラットパネルディスプレイ用として、ガラス基板から突き出しているリブ構造上へ誘電体ガラス層被着する方法において:
    前記基板表面上に頂部面が露出した前記リブ構造をガラスフリット含有ペーストで形成する工程;
    前記リブ構造を約400℃ないし約600℃の温度まで加熱する工程;
    硬化可能な誘電体ガラスフリットを含有する配合物の定厚層を剥離下地上に被着する工程;
    前記剥離下地上の前記誘電体ガラスフリット含有配合物層を前記リブ構造の前記頂部面に接触させる工程;及び
    前記剥離下地を取り外す工程;
    を含むことを特徴とする方法。
  12. 板上前記リブ構造形成する前記工程が:
    所望のリブ構造の形状及び位置に対応する金型の凹所に硬化可能なガラスフリットを含有するペーストを埋め込む工程;
    前記硬化可能なガラスフリットを含有するペーストを硬化させて前記リブ構造を形成する工程;
    前記リブ構造を前記基板に両者が互いに接着する条件の下で接触させる工程;及び
    前記金型を取り外す工程;
    を含むことを特徴とする請求項11記載の方法。
  13. 前記剥離下地が回転駆動されるローラー及び第2のローラーに張り渡されたエンドレスベルトであることを特徴とする請求項11または12記載の方法。
  14. 前記誘電体ガラスフリット含有配合物が前記リブ構造の前記頂部面との接触に先立ち寸法形状の定められた開口を通過することにより前記ベルト上に被着されて所望の厚さをもつ層に形成されることを特徴とする請求項13記載の方法。
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