JP4447175B2 - 血管内に挿入される動脈瘤の塞栓形成装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
この出願は、１９９９年３月１０日に出願された米国特許仮出願第６０／１２３，５７４号の利益を受けることを求め、その開示内容は参照されることによって、この出願の一部として含められる。
この発明は、人体の血管内の所定の位置に配置される医療装置に係り、さらに詳細には、血管内の所定の位置にカテーテルで送り込まれて、血管内の障害を塞栓する折り畳み可能な塞栓形成装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
人体の血管内に各種の装置を送り込むには、長い間、可撓性を持ったカテーテルが使われてきた。かかる装置は、膨張バルーン、放射線不透過性の液体、液体の薬品および様々な種類の血管閉塞装置を含む。血管閉塞装置には、バルーンや塞栓形成コイルが含まれる。このようなカテーテル装置の例は、Geremia らが出願した「閉塞形成コイルの配置方法および装置」と題した米国特許第５，１０８，４０７号およびGuglielmi らが出願した「動脈、静脈、動脈瘤、血管の奇形、および動静脈の瘻孔内の血栓の電気的形成のために血管内に挿入される電解的に取り外されるガイドワイヤチップ」と題した米国特許第５，１２２，１３６号に開示されている。これらの米国特許は、動脈瘤を処置したり、特定の位置において血管を閉塞するために、塞栓形成コイルを人体の血管内の所定の位置に送り込む装置を開示する。
【０００３】
血管内に配置されるコイルは、螺旋状に巻かれたコイルの形態をとっていてもよいが、あるいは、不作為に巻かれたコイル、他のコイルの内部に巻かれたコイルまたは他のコイル形状であってもよい。様々なコイルの形態が、Gianturco が出願した「血管閉塞構造体」と題した米国特許第５，３３４，２１０号およびPhelpsらが出願した「管状に織られたか編まれた繊維質のカバーを有する血管閉塞コイル」と題した米国特許第５，３８２，２５９号に開示されている。塞栓形成コイルは、概略的には、例えばプラチナ、金、タングステンまたはこれらの合金のような放射線不透過性の材料から形成されている。多くの場合、特定の位置での血栓の形成を促進することによって血管内の血流を閉塞するために、コイルは所定位置に配置される。
【０００４】
かつては、塞栓形成コイルはカテーテルの先端内に配置され、カテーテルの先端が正規に配置されると、所望の位置にコイルを放出するために、例えばガイドワイヤによりコイルはカテーテルの先端から押し出されるようになっていた。塞栓形成コイルのこのような配備手順は、蛍光透視法による視覚化の下で行われるので、コイルの移動が人体の血管構造を透視して監視され、かつコイルが所望の位置に配置される。
【０００５】
例えば取り外し可能なバルーンのような他の塞栓形成装置は、血管または動脈瘤の内部に配置される。これらのバルーンは、通常は、膨張可能な弾性的風船の形態をとっており、所望の膨張度に達したらバルーンをシールするような弁を有する。取り外し可能なバルーンの各種の例が、Pecenka が出願した「取り外し可能なバルーンカテーテル」と題した米国特許第４，５１７，９７９号およびTucci が出願した「取り外し可能なバルーンカテーテルおよびその使用方法」と題した米国特許第４，５４５，３６７号に開示されている。概略的には、取り外し可能なバルーンは、柔軟性を有するポリマーから形成されており、蛍光透視法による視覚化のために放射線不透過性の溶液で膨らまされる。多くの場合、バルーンは動脈瘤の空間を埋めるのに使われる。これらのバルーンは、たいてい、動脈瘤の空間におよそ一致することはなく、隙間が残り、動脈瘤塞栓形成が不完全になってしまう。多くの場合、バルーンの弁は漏れを生じ、他のバルーンの位置のずれを引き起こしてしまう。そうなると、今度は大本の動脈を閉塞し、深刻な事態を引き起こしかねない。
【０００６】
さらにまた、ステントも動脈瘤塞栓形成装置の例に含まれる。ステントは、ある種の動脈瘤を処置するのに使われてきたが、多くのステントはかなりの剛性を有しているため、曲がりくねった血管構造内に挿入するのは不可能である。曲がりくねった血管に挿入しうる適性をもった柔軟なステントはHieshimaらが１９９８年３月３１日に出願した「ステント動脈瘤処置システムおよび方法」と題した米国特許出願第０９／０５２，４０２号に開示されている。しかし、たいていのステントは部分的に閉塞された血管を開くために設計されているので、材料のかなりの量が血管壁を支えるのに使われる。多くの動脈瘤の処置にあたっては、このような材料は不要であり、しかも小血管を閉塞したり穿孔したりして、有害な結果を引き起こしかねない。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、簡単な構造で血管への挿入に適しており、血管に対する動脈瘤の開口への塞栓を完全に形成することが容易に行うことができる動脈瘤閉塞システムを得ることを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
この発明は、動脈瘤閉塞装置を血管内の所定の位置に配置する動脈瘤閉塞システムに関するものであり、この動脈瘤閉塞システムは、基端と先端と貫通した管腔とを有するカテーテルと、プッシュロッドと、動脈瘤閉塞装置とを有する。カテーテルは、その先端が動脈瘤のネックに位置するように、血管構造の内部に配置される。動脈瘤閉塞装置は、しぼめられて、カテーテルの管腔内に摺動可能に配置される。プッシュロッドは、カテーテルの内部における動脈瘤閉塞装置の基端側に配置される。プッシュロッドがカテーテルの先端に向けて移動させられると、プッシュロッドは動脈瘤閉塞装置にかかってこれをカテーテルの管腔の先端から脱出させる。これにより動脈瘤閉塞装置は動脈瘤のネックを横切る位置で膨張し、動脈瘤を塞栓する。
【０００９】
この発明の別の観点によれば、動脈瘤閉塞装置は、安定化部と安定化部に固定された閉塞部とを備える。動脈瘤閉塞装置は、曲がりくねった血管構造を通過させられるのに十分なほどに柔軟な可撓性のある弾性材料から形成されている。安定化部は、膨張させられると、ほぼ円形のループを形成する。閉塞部は、膨張させられると、ワイヤのやぐらを形成する。このやぐらは、動脈瘤のネックを横切って配置され、血管内の内周の一部だけにわたって広がる。
【００１０】
この発明の別の観点によれば、動脈瘤閉塞装置は、ニッケルチタン合金から形成されている。
この発明の別の観点によれば、動脈瘤閉塞装置は、放射線不透過性の材料を含有する。
この発明の別の観点によれば、動脈瘤閉塞装置の安定化部は、半円形の形状をとる。
【００１１】
この発明の別の観点によれば、動脈瘤閉塞装置は、第１の安定化部と、第２の安定化部と、これらの安定化部の間に固定された閉塞部とを備える。動脈瘤閉塞装置は、曲がりくねった血管構造を通過させられるのに十分なほどに柔軟な可撓性のある弾性材料から形成されている。第１の安定化部および第２の安定化部は、膨張させられると、ほぼ円形のループを形成する。閉塞部は、膨張させられると、ワイヤのやぐらを形成する。このやぐらは、動脈瘤のネックを横切って配置される。
【００１２】
この発明の別の観点によれば、動脈瘤閉塞装置の閉塞部はカバーを備え、このカバーは動脈瘤のネックを横切る位置で膨張させられる。
この発明の別の観点によれば、動脈瘤閉塞装置の閉塞部のカバーは、繊維のメッシュの形状をとる。
この発明の別の観点によれば、動脈瘤閉塞装置の閉塞部のカバーは、膨張可能な泡の形状をとる。
【００１３】
この発明の別の観点によれば、ほぼ円形の折り畳み可能な動脈瘤閉塞装置をカテーテル内で前進させて、膨張した動脈瘤閉塞装置を動脈瘤のネックを横切るように血管内に配置するのに、カテーテルの内部において配備手段が使用される。
【００１４】
この発明のこれらの特徴およびその利点は、この発明の好適な実施の形態に関する以下の説明および図面によりさらに明らかに理解されるだろう。
【００１５】
【発明の実施の形態】
図１は、動脈瘤塞栓形成システム２を概略的に示す図である。この動脈瘤塞栓形成システム２は、カテーテル４と、ハブ１０と、動脈瘤閉塞装置１２とを備える。カテーテル４は基端６と先端８を有する。ハブ１０はカテーテル４の基端６に取り付けられている。動脈瘤閉塞装置１２はカテーテル４の先端８の管腔内に配置されている。ハブ１０の管腔はカテーテル４の管腔と相互に流体が流れることができるように連通している。ハブ１０の管腔を貫通するようにプッシュロッド１４が配置されており、このプッシュロッド１４はカテーテル４の管腔の内部にも挿入されている。
【００１６】
図２乃至図４は、動脈瘤閉塞装置１２を配備する連続的な過程を示す図である。図２は、血管１６の内部の動脈瘤塞栓形成システム２の一部破断図である。血管１６は動脈瘤１８と通常呼ばれる異常な欠陥を有している。血管１６から動脈瘤１８の始まる点は通常動脈瘤のネック２０と呼ばれる。図２はまた、動脈瘤のネック２０の近辺にあるカテーテル４の先端８を示す図である。カテーテル４の先端８の管腔内部でしぼんでいるのが動脈瘤閉塞装置１２である。
【００１７】
図３は、先端側に移動させられたプッシュロッド１４を示す図である。プッシュロッド１４の前進により、第１の安定化部２２がカテーテル４の先端８の管腔から脱出し、血管１６の内部でほぼ円形になるように膨張する。図３から理解されるように、第１の安定化部２２の直径は、血管１６の直径に適合するサイズに形成されている。第１の安定化部２２が配備された後、カテーテル４は血管１６の内部において、プッシュロッド１４に対して基端側へ移動させられる。この動作により、閉塞部２４はカテーテル４の先端８の管腔から脱出し、血管１６の内部で動脈瘤のネック２０を横切る位置において膨らむ。
【００１８】
図４は、完全に配備された血管１６の内部の動脈瘤閉塞装置１２を示す図である。図４に示すように、第２の安定化部２６は、カテーテル４の先端８の管腔を脱出し、血管１６の内部でほぼ円形になるように膨張する。さらに図４には、閉塞部２４から構成された膨張したやぐら構造が示されている。第１の安定化部２２の基端部側および第２の安定化部２６の先端部側に連結された閉塞部２４は、動脈瘤のネック２０を横切るように配置され、動脈瘤１８の内部に血液が流入するのを減少させ、動脈瘤１８の内部で血栓が形成されるのを促進する。
【００１９】
図５乃至図７は、完全に膨張しきった動脈瘤閉塞装置１２を拡大して、様々な角度から見た図である。動脈瘤閉塞装置１２の構造は、第１の安定化部２２と閉塞部２４と第２の安定化部２６を有する。図５に示すように、動脈瘤閉塞装置１２は、好ましくは、一体構造として形成されている。一体構造を製造する好ましい方法は、一つの管から動脈瘤閉塞装置１２をレーザで切り出すことである。管材料から始まって、動脈瘤閉塞装置１２のパターンは、コンピュータ制御されたレーザ切断機に入力することができこの後、このパターンは管から切り出される。通常、この製造工程のため管壁の厚さは、およそ０．０００２インチ（０．００５ｍｍ）乃至０．２５０インチ（６．３５ｍｍ）の範囲にある。図から理解できるように、管の直径は安定化部２２および２６の直径に相当する。本質的に、動脈瘤閉塞装置１２は、円筒のかなりの部分が除去された、ほぼ円筒形の構造を有しており、安定化部を持ったしぼむことが可能な円筒形のやぐらを形成する。
【００２０】
図５の等角投影図に示されるように、閉塞部２４は、第１の安定化部２２および第２の安定化部２６の曲率半径とほぼ同じ曲率半径を有する円弧状の枠組を形成する。というのもこれらの要素は、同一の円筒状の管から切り出されるからである。明らかなことではあるが、レーザ切断の製造方法を使うことにより、閉塞部２４のパターンに対して多様な修正を施すことが可能である。例えば、格子状またはメッシュ状のパターンのようにである。さらに、安定化部２２および２６のパターンに対しても、半円形にするなどの修正を施すことが可能である。通常、やぐらの壁に設けられた複数の開口は、十分に小さく、動脈瘤の内部に血液が流入するのを制限し、動脈瘤の血栓の形成を促進する。
【００２１】
動脈瘤閉塞装置１２は、金属、ポリマー、複合材料などの多様な材料から形成されうる。これらの材料のいくつかを挙げると、ステンレス鋼、ナイロン、ポリエステルおよびポリカーボネートということになるが、好適な材料は、例えばある種のニッケルチタン合金のような超弾性材料である。好適な実施の形態では、約５１％乃至５６％のニッケルと約４４％乃至４９％のチタンを有するニッケルチタン合金の組成物が使用される。動脈瘤閉塞装置１２を蛍光透視法の下で視覚化するには、メッキ、イオン堆積またはコーティングのような様々な方法を使用して、非常に多くの放射線不透過性の材料、例えば金、プラチナ、またはタングステンが使用されうる。蛍光透視法の下で動脈瘤閉塞装置１２を視覚化するのに好適な方法は、タンタル粉末が混合されたシリコン（silicone）のようなポリマーでコーティングすることである。
【００２２】
動脈瘤閉塞装置１２の安定化部２２および２６が血管壁に放射方向への力を与えることにより、血管内で留まっていられるように、安定化部２２および２６は約１ｍｍ乃至５０ｍｍの範囲の直径を持ち、典型的には、血管内に一致するサイズに形成されている。理解できるように、安定化部２２および２６の幅は、典型的には、動脈瘤を持つ血管のサイズに依存し、およそ０．０００５インチ（０．０１３ｍｍ）乃至０．０６０インチ（１．５２４ｍｍ）の範囲にある。特定の動脈瘤に適合するように、安定化部が変形しやすい特性に加えて、閉塞部２４は動脈瘤のネック２０に適合するようなサイズに形成されていなければならない。典型的には、閉塞部２４の長さは、動脈瘤のネック２０の長さよりわずかに長く、約１ｍｍ乃至１００ｍｍの範囲にある。
【００２３】
図８は、第２の好適な実施の形態の膨張可能な動脈瘤閉塞装置３０を示す図である。動脈瘤閉塞装置３０は第１の安定化部３２と閉塞部３４と第２の安定化部３６とカバー３８を備える。カバー３８は閉塞部３４の骨組に取り付けられている。閉塞部３４に取り付けられた閉塞部３４は、動脈瘤のネックの全体にわたって配置される。カバー３８は、動脈瘤への血流を大幅に低減もしくは阻止することを意図して設けられている。カバー３８が動脈瘤閉塞装置３０と一緒になって、カテーテルの管腔の内部に収まらなければならないので、カバー３８は弾性材料から形成されているべきである。これらの材料は、シリコン（silicone）、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリイミド、ヒドロゲル、その他のポリマーのような移植可能な用途に適したポリマーを含む。ヒドロゲルとしては、例えばポリビニルアルコールまたはポリビニルピロリドンが挙げられる。カバー３８の形状は、上記のポリマーまたは超弾性金属のいずれかから形成された繊維のメッシュであってもよいし、あるいは、透過性、半透過性、非透過性の膜および膨張可能な泡であってもよい。蛍光透視法の下でカバー３８を視覚化するための改良としては、放射線不透過性のあるヨウ素をポリマーへ直接的に結合すること、またはタンタルもしくはタングステンのような放射線不透過性のある金属をポリマーに混合することが含まれる。好適な実施の形態では、タンタルのような放射線不透過性材料をシリコン（silicone）ポリマー膜に混合して、カバー３８に用いる。折り畳み可能な円筒状のやぐらに取り付けられたカバー３８は、通常、動脈瘤への血流を制限して、動脈瘤の血栓の形成を促進する。
【００２４】
明らかなことではあるが、上記の好適な実施の形態には当業者が容易に想到するであろう多数の改良が存在する。例えば、多数の安定化部の形状や閉塞部の形状を含む動脈瘤閉塞装置の多数のバリエーションおよび改良のようにである。これらの改良は、この発明が関連する分野における通常の技術を有する者には自明であろうし、特許請求の範囲の中に含まれることが意図される。
【００２５】
この発明の具体的な実施態様は次の通りである。
（Ａ） 血管の障害を処置するための動脈瘤閉塞システムであって、
基端と、先端と、貫通して延びる管腔とを有するカテーテルと、
上記カテーテルの上記管腔の内部に摺動可能に配置されたプッシュロッドと、
安定化部と閉塞部とを有する折り畳み可能な動脈瘤閉塞装置とを備え、
上記安定化部は弾性を有するワイヤを備え、このワイヤは解放されるとほぼ円形になって血管内で動脈瘤閉塞装置を安定化させるようになっており、
上記閉塞部は弾性を有するワイヤのやぐらを備え、このやぐらは解放されると血管内の内周の一部だけにわたって広がり、動脈瘤の開口を横切って延びるのに適した形状を形成して、動脈瘤を塞栓するようになっており、上記閉塞部は上記安定化部に取り付けられており、
上記動脈瘤閉塞装置は、しぼめられて、上記カテーテルの上記先端の管腔の内部に摺動可能に配置されており、上記動脈瘤閉塞装置に対する上記プッシュロッドの先端側への移動によって上記動脈瘤閉塞装置は上記カテーテルの管腔を脱出し、血管内の位置で膨張することを特徴とする動脈瘤閉塞システム。
（１）上記動脈瘤閉塞装置の安定化部および上記閉塞部は、ニッケルチタン合金から形成されていることを特徴とする実施態様（Ａ）に記載の動脈瘤閉塞システム。
（２）上記動脈瘤閉塞装置の安定化部および上記閉塞部は、放射線不透過性の材料を含有することを特徴とする実施態様（１）に記載の動脈瘤閉塞システム。
（３）上記動脈瘤閉塞装置の上記安定化部は、半円形の形状を有することを特徴とする実施態様（Ａ）に記載の動脈瘤閉塞システム。
（４）上記動脈瘤閉塞装置の閉塞部は、動脈瘤に血栓を形成することができるメッシュからなることを特徴とする実施態様（Ａ）に記載の動脈瘤閉塞システム。
（Ｂ）血管の障害を処置するための動脈瘤閉塞システムであって、
基端と、先端と、貫通して延びる管腔とを有するカテーテルと、
上記カテーテルの上記管腔の内部に摺動可能に配置されたプッシュロッドと、
第１の安定化部と第２の安定化部と閉塞部とを有する折り畳み可能な動脈瘤閉塞装置とを備え、
上記第１の安定化部は弾性を有するワイヤを備え、このワイヤは解放されるとほぼ円形になって血管内で動脈瘤閉塞装置を安定化させるようになっており、
上記第２の安定化部は弾性を有するワイヤを備え、このワイヤは解放されるとほぼ円形になって血管内で動脈瘤閉塞装置を安定化させるようになっており、
上記閉塞部は弾性を有するワイヤのやぐらを備え、このやぐらは解放されると血管内の内周の一部だけにわたって広がり、動脈瘤の開口を横切って延びるのに適した形状を形成して、動脈瘤を塞栓するようになっており、上記閉塞部は上記第１の安定化部の先端側および上記第２の安定化部の基端側に取り付けられており、
上記動脈瘤閉塞装置は、しぼめられて、上記カテーテルの管腔の内部に摺動可能に配置されており、上記動脈瘤閉塞装置に対する上記プッシュロッドの先端側への移動によって上記動脈瘤閉塞装置は上記カテーテルの管腔を脱出し、血管内の位置で膨張することを特徴とする動脈瘤閉塞システム。
（５）上記動脈瘤閉塞装置の上記第１安定化部および第２安定化部ならびに上記閉塞部は、ニッケルチタン合金から形成されていることを特徴とする実施態様（Ｂ）に記載の動脈瘤閉塞システム。
【００２６】
（６）上記動脈瘤閉塞装置の上記第１安定化部および第２安定化部ならびに上記閉塞部は、放射線不透過性の材料を含有することを特徴とする実施態様（５）に記載の動脈瘤閉塞システム。
（７）上記動脈瘤閉塞装置の上記第１安定化部および第２安定化部ならびに上記閉塞部は、半円形の形状を有することを特徴とする実施態様（６）に記載の動脈瘤閉塞システム。
（８）上記動脈瘤閉塞装置の閉塞部は、動脈瘤に血栓を形成することができるメッシュからなることを特徴とする実施態様（７）に記載の動脈瘤閉塞システム。
（Ｃ） 血管の障害を処置するための動脈瘤閉塞システムであって、
基端と、先端と、貫通して延びる管腔とを有するカテーテルと、
上記カテーテルの上記管腔の内部に摺動可能に配置されたプッシュロッドと、
安定化部と閉塞部とを有する折り畳み可能な動脈瘤閉塞装置とを備え、
上記安定化部は弾性を有するワイヤの形状をとり、このワイヤは解放されるとほぼ円形になって血管内で動脈瘤閉塞装置を安定化させるようになっており、
上記閉塞部はワイヤのやぐらを備え、このやぐらはこのやぐらに取り付けられたカバーを有しており、このカバーを有する上記閉塞部は解放されると血管内の内周の一部だけにわたって広がり、動脈瘤のネックを横切って延びるのに適した形状を形成するようになっており、上記閉塞部は上記安定化部に取り付けられており、
上記動脈瘤閉塞装置は、しぼめられて、上記カテーテルの管腔の内部に摺動可能に配置されており、上記動脈瘤閉塞装置に対する上記プッシュロッドの先端側への移動によって上記動脈瘤閉塞装置は上記カテーテルの管腔を脱出し、血管内の位置で膨張することを特徴とする動脈瘤閉塞システム。
（９）上記カバーは繊維のメッシュの形状をとることを特徴とする実施態様（Ｃ）に記載の動脈瘤閉塞システム。
（１０）上記カバーは透過性を有する膜の形状をとることを特徴とする実施態様（９）に記載の動脈瘤閉塞システム。
【００２７】
（１１）上記カバーは放射線不透過性の材料を含有することを特徴とする実施態様（１０）に記載の動脈瘤閉塞システム。
（１２）上記カバーは血栓非生成性の材料を含有することを特徴とする実施態様（１１）に記載の動脈瘤閉塞システム。
（１３）上記カバーは膨張可能な泡を備えることを特徴とする実施態様（１２）に記載の動脈瘤閉塞システム。
（Ｄ） 血管の障害を処置するための動脈瘤閉塞システムであって、
基端と、先端と、貫通して延びる管腔とを有するカテーテルと、
上記カテーテルの上記管腔の内部に摺動可能に配置されたプッシュロッドと、
第１の安定化部と第２の安定化部と閉塞部とを有する折り畳み可能な動脈瘤閉塞装置とを備え、
上記第１の安定化部は弾性を有するワイヤを備え、このワイヤは解放されるとほぼ円形になって血管内で動脈瘤閉塞装置を安定化させるようになっており、
上記第２の安定化部は弾性を有するワイヤを備え、このワイヤは解放されるとほぼ円形になって血管内で動脈瘤閉塞装置を安定化させるようになっており、
上記閉塞部はワイヤのやぐらを備え、このやぐらは基端と先端とこのやぐらに取り付けられたカバーを有しており、このカバーを有する上記閉塞部は解放されると血管内の内周の一部だけにわたって広がり、動脈瘤のネックを横切って延びるのに適した形状を形成するようになっており、上記閉塞部は上記第１の安定化部の先端および上記第２の安定化部の基端に取り付けられており、
上記動脈瘤閉塞装置は、しぼめられて、上記カテーテルの管腔の内部に摺動可能に配置されており、上記動脈瘤閉塞装置に対する上記プッシュロッドの先端側への移動によって上記動脈瘤閉塞装置は上記カテーテルの管腔を脱出し、血管内の位置で膨張することを特徴とする動脈瘤閉塞システム。
（１４）上記カバーは繊維のメッシュの形状をとることを特徴とする実施態様（Ｄ）に記載の動脈瘤閉塞システム。
（１５）上記カバーは透過性を有する膜の形状をとることを特徴とする実施態様（１４）に記載の動脈瘤閉塞システム。
【００２８】
（１６）上記カバーは放射線不透過性の材料を含有することを特徴とする実施態様（１５）に記載の動脈瘤閉塞システム。
（１７）上記カバーは血栓非生成性の材料を含有することを特徴とする実施態様（１６）に記載の動脈瘤閉塞システム。
（１８）上記カバーは膨張可能な泡を備えることを特徴とする実施態様（１７）に記載の動脈瘤閉塞システム。
（Ｅ） 血管の障害を処置するための動脈瘤閉塞システムであって、
基端と、先端と、貫通して延びる管腔とを有するカテーテルと、
かなりの部分が除去された円筒形の形状をとっており、第１の安定化部と第２の安定化部と閉塞部とを有する折り畳み可能な動脈瘤閉塞装置とを備え、
上記第１の安定化部は解放されるとほぼ円形になって血管内で動脈瘤閉塞装置を安定化させるようになっており、
上記第２の安定化部は解放されるとほぼ円形になって血管内で動脈瘤閉塞装置を安定化させるようになっており、
上記閉塞部はカバーを持ったやぐらの形状をとり、このカバーを有する上記閉塞部は解放されると血管内の内周の一部だけにわたって広がり、動脈瘤の開口を横切って延びるのに適した形状を形成するようになっていることを特徴とする動脈瘤閉塞システム。
（１９）上記カバーは繊維のメッシュの形状をとることを特徴とする実施態様（Ｅ）に記載の動脈瘤閉塞システム。
（２０）上記カバーは透過性を有する膜の形状をとることを特徴とする実施態様（１９）に記載の動脈瘤閉塞システム。
【００２９】
（２１）上記カバーは放射線不透過性の材料を含有することを特徴とする実施態様（２０）に記載の動脈瘤閉塞システム。
（２２）上記カバーは血栓非生成性の材料を含有することを特徴とする実施態様（２１）に記載の動脈瘤閉塞システム。
（２３）上記カバーは膨張可能な泡を備えることを特徴とする実施態様（２２）に記載の動脈瘤閉塞システム。
【００３０】
【発明の効果】
以上のように、この発明に係る動脈瘤閉塞システムは、簡単な構造で血管への挿入に適しており、血管に対する動脈瘤の開口への塞栓を完全に形成することが容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の動脈瘤閉塞システムの部分的に破断した拡大図である。
【図２】動脈瘤閉塞装置の準備態勢を整える前の血管内のカテーテルの先端を示す部分的に破断した拡大図である。
【図３】カテーテルを動脈瘤閉塞装置が脱出するにつれて、動脈瘤閉塞装置が膨張する連続工程のうちの先の工程を示す図である。
【図４】カテーテルを動脈瘤閉塞装置が脱出するにつれて、動脈瘤閉塞装置が膨張する連続工程のうちの後の工程を示す図である。
【図５】この発明の好適な実施の形態に係る動脈瘤閉塞装置の等角投影図である。
【図６】この発明の動脈瘤閉塞装置の平面図である。
【図７】この発明の動脈瘤閉塞装置の側面図である。
【図８】この発明の第２の好適な実施の形態に係る動脈瘤閉塞装置の等角投影図である。
【符号の説明】
２ 動脈瘤塞栓形成システム
４ カテーテル
６ 基端
８ 先端
１０ ハブ
１２ 動脈瘤閉塞装置
１４ プッシュロッド
１６ 血管
１８ 動脈瘤
２０ 動脈瘤のネック
２２ 第１の安定化部
２４ 閉塞部
２６ 第２の安定化部
３０ 動脈瘤閉塞装置
３２ 第１の安定化部
３４ 閉塞部
３６ 第２の安定化部
３８ カバー
【発明の属する技術分野】
この出願は、１９９９年３月１０日に出願された米国特許仮出願第６０／１２３，５７４号の利益を受けることを求め、その開示内容は参照されることによって、この出願の一部として含められる。
この発明は、人体の血管内の所定の位置に配置される医療装置に係り、さらに詳細には、血管内の所定の位置にカテーテルで送り込まれて、血管内の障害を塞栓する折り畳み可能な塞栓形成装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
人体の血管内に各種の装置を送り込むには、長い間、可撓性を持ったカテーテルが使われてきた。かかる装置は、膨張バルーン、放射線不透過性の液体、液体の薬品および様々な種類の血管閉塞装置を含む。血管閉塞装置には、バルーンや塞栓形成コイルが含まれる。このようなカテーテル装置の例は、Geremia らが出願した「閉塞形成コイルの配置方法および装置」と題した米国特許第５，１０８，４０７号およびGuglielmi らが出願した「動脈、静脈、動脈瘤、血管の奇形、および動静脈の瘻孔内の血栓の電気的形成のために血管内に挿入される電解的に取り外されるガイドワイヤチップ」と題した米国特許第５，１２２，１３６号に開示されている。これらの米国特許は、動脈瘤を処置したり、特定の位置において血管を閉塞するために、塞栓形成コイルを人体の血管内の所定の位置に送り込む装置を開示する。
【０００３】
血管内に配置されるコイルは、螺旋状に巻かれたコイルの形態をとっていてもよいが、あるいは、不作為に巻かれたコイル、他のコイルの内部に巻かれたコイルまたは他のコイル形状であってもよい。様々なコイルの形態が、Gianturco が出願した「血管閉塞構造体」と題した米国特許第５，３３４，２１０号およびPhelpsらが出願した「管状に織られたか編まれた繊維質のカバーを有する血管閉塞コイル」と題した米国特許第５，３８２，２５９号に開示されている。塞栓形成コイルは、概略的には、例えばプラチナ、金、タングステンまたはこれらの合金のような放射線不透過性の材料から形成されている。多くの場合、特定の位置での血栓の形成を促進することによって血管内の血流を閉塞するために、コイルは所定位置に配置される。
【０００４】
かつては、塞栓形成コイルはカテーテルの先端内に配置され、カテーテルの先端が正規に配置されると、所望の位置にコイルを放出するために、例えばガイドワイヤによりコイルはカテーテルの先端から押し出されるようになっていた。塞栓形成コイルのこのような配備手順は、蛍光透視法による視覚化の下で行われるので、コイルの移動が人体の血管構造を透視して監視され、かつコイルが所望の位置に配置される。
【０００５】
例えば取り外し可能なバルーンのような他の塞栓形成装置は、血管または動脈瘤の内部に配置される。これらのバルーンは、通常は、膨張可能な弾性的風船の形態をとっており、所望の膨張度に達したらバルーンをシールするような弁を有する。取り外し可能なバルーンの各種の例が、Pecenka が出願した「取り外し可能なバルーンカテーテル」と題した米国特許第４，５１７，９７９号およびTucci が出願した「取り外し可能なバルーンカテーテルおよびその使用方法」と題した米国特許第４，５４５，３６７号に開示されている。概略的には、取り外し可能なバルーンは、柔軟性を有するポリマーから形成されており、蛍光透視法による視覚化のために放射線不透過性の溶液で膨らまされる。多くの場合、バルーンは動脈瘤の空間を埋めるのに使われる。これらのバルーンは、たいてい、動脈瘤の空間におよそ一致することはなく、隙間が残り、動脈瘤塞栓形成が不完全になってしまう。多くの場合、バルーンの弁は漏れを生じ、他のバルーンの位置のずれを引き起こしてしまう。そうなると、今度は大本の動脈を閉塞し、深刻な事態を引き起こしかねない。
【０００６】
さらにまた、ステントも動脈瘤塞栓形成装置の例に含まれる。ステントは、ある種の動脈瘤を処置するのに使われてきたが、多くのステントはかなりの剛性を有しているため、曲がりくねった血管構造内に挿入するのは不可能である。曲がりくねった血管に挿入しうる適性をもった柔軟なステントはHieshimaらが１９９８年３月３１日に出願した「ステント動脈瘤処置システムおよび方法」と題した米国特許出願第０９／０５２，４０２号に開示されている。しかし、たいていのステントは部分的に閉塞された血管を開くために設計されているので、材料のかなりの量が血管壁を支えるのに使われる。多くの動脈瘤の処置にあたっては、このような材料は不要であり、しかも小血管を閉塞したり穿孔したりして、有害な結果を引き起こしかねない。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、簡単な構造で血管への挿入に適しており、血管に対する動脈瘤の開口への塞栓を完全に形成することが容易に行うことができる動脈瘤閉塞システムを得ることを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
この発明は、動脈瘤閉塞装置を血管内の所定の位置に配置する動脈瘤閉塞システムに関するものであり、この動脈瘤閉塞システムは、基端と先端と貫通した管腔とを有するカテーテルと、プッシュロッドと、動脈瘤閉塞装置とを有する。カテーテルは、その先端が動脈瘤のネックに位置するように、血管構造の内部に配置される。動脈瘤閉塞装置は、しぼめられて、カテーテルの管腔内に摺動可能に配置される。プッシュロッドは、カテーテルの内部における動脈瘤閉塞装置の基端側に配置される。プッシュロッドがカテーテルの先端に向けて移動させられると、プッシュロッドは動脈瘤閉塞装置にかかってこれをカテーテルの管腔の先端から脱出させる。これにより動脈瘤閉塞装置は動脈瘤のネックを横切る位置で膨張し、動脈瘤を塞栓する。
【０００９】
この発明の別の観点によれば、動脈瘤閉塞装置は、安定化部と安定化部に固定された閉塞部とを備える。動脈瘤閉塞装置は、曲がりくねった血管構造を通過させられるのに十分なほどに柔軟な可撓性のある弾性材料から形成されている。安定化部は、膨張させられると、ほぼ円形のループを形成する。閉塞部は、膨張させられると、ワイヤのやぐらを形成する。このやぐらは、動脈瘤のネックを横切って配置され、血管内の内周の一部だけにわたって広がる。
【００１０】
この発明の別の観点によれば、動脈瘤閉塞装置は、ニッケルチタン合金から形成されている。
この発明の別の観点によれば、動脈瘤閉塞装置は、放射線不透過性の材料を含有する。
この発明の別の観点によれば、動脈瘤閉塞装置の安定化部は、半円形の形状をとる。
【００１１】
この発明の別の観点によれば、動脈瘤閉塞装置は、第１の安定化部と、第２の安定化部と、これらの安定化部の間に固定された閉塞部とを備える。動脈瘤閉塞装置は、曲がりくねった血管構造を通過させられるのに十分なほどに柔軟な可撓性のある弾性材料から形成されている。第１の安定化部および第２の安定化部は、膨張させられると、ほぼ円形のループを形成する。閉塞部は、膨張させられると、ワイヤのやぐらを形成する。このやぐらは、動脈瘤のネックを横切って配置される。
【００１２】
この発明の別の観点によれば、動脈瘤閉塞装置の閉塞部はカバーを備え、このカバーは動脈瘤のネックを横切る位置で膨張させられる。
この発明の別の観点によれば、動脈瘤閉塞装置の閉塞部のカバーは、繊維のメッシュの形状をとる。
この発明の別の観点によれば、動脈瘤閉塞装置の閉塞部のカバーは、膨張可能な泡の形状をとる。
【００１３】
この発明の別の観点によれば、ほぼ円形の折り畳み可能な動脈瘤閉塞装置をカテーテル内で前進させて、膨張した動脈瘤閉塞装置を動脈瘤のネックを横切るように血管内に配置するのに、カテーテルの内部において配備手段が使用される。
【００１４】
この発明のこれらの特徴およびその利点は、この発明の好適な実施の形態に関する以下の説明および図面によりさらに明らかに理解されるだろう。
【００１５】
【発明の実施の形態】
図１は、動脈瘤塞栓形成システム２を概略的に示す図である。この動脈瘤塞栓形成システム２は、カテーテル４と、ハブ１０と、動脈瘤閉塞装置１２とを備える。カテーテル４は基端６と先端８を有する。ハブ１０はカテーテル４の基端６に取り付けられている。動脈瘤閉塞装置１２はカテーテル４の先端８の管腔内に配置されている。ハブ１０の管腔はカテーテル４の管腔と相互に流体が流れることができるように連通している。ハブ１０の管腔を貫通するようにプッシュロッド１４が配置されており、このプッシュロッド１４はカテーテル４の管腔の内部にも挿入されている。
【００１６】
図２乃至図４は、動脈瘤閉塞装置１２を配備する連続的な過程を示す図である。図２は、血管１６の内部の動脈瘤塞栓形成システム２の一部破断図である。血管１６は動脈瘤１８と通常呼ばれる異常な欠陥を有している。血管１６から動脈瘤１８の始まる点は通常動脈瘤のネック２０と呼ばれる。図２はまた、動脈瘤のネック２０の近辺にあるカテーテル４の先端８を示す図である。カテーテル４の先端８の管腔内部でしぼんでいるのが動脈瘤閉塞装置１２である。
【００１７】
図３は、先端側に移動させられたプッシュロッド１４を示す図である。プッシュロッド１４の前進により、第１の安定化部２２がカテーテル４の先端８の管腔から脱出し、血管１６の内部でほぼ円形になるように膨張する。図３から理解されるように、第１の安定化部２２の直径は、血管１６の直径に適合するサイズに形成されている。第１の安定化部２２が配備された後、カテーテル４は血管１６の内部において、プッシュロッド１４に対して基端側へ移動させられる。この動作により、閉塞部２４はカテーテル４の先端８の管腔から脱出し、血管１６の内部で動脈瘤のネック２０を横切る位置において膨らむ。
【００１８】
図４は、完全に配備された血管１６の内部の動脈瘤閉塞装置１２を示す図である。図４に示すように、第２の安定化部２６は、カテーテル４の先端８の管腔を脱出し、血管１６の内部でほぼ円形になるように膨張する。さらに図４には、閉塞部２４から構成された膨張したやぐら構造が示されている。第１の安定化部２２の基端部側および第２の安定化部２６の先端部側に連結された閉塞部２４は、動脈瘤のネック２０を横切るように配置され、動脈瘤１８の内部に血液が流入するのを減少させ、動脈瘤１８の内部で血栓が形成されるのを促進する。
【００１９】
図５乃至図７は、完全に膨張しきった動脈瘤閉塞装置１２を拡大して、様々な角度から見た図である。動脈瘤閉塞装置１２の構造は、第１の安定化部２２と閉塞部２４と第２の安定化部２６を有する。図５に示すように、動脈瘤閉塞装置１２は、好ましくは、一体構造として形成されている。一体構造を製造する好ましい方法は、一つの管から動脈瘤閉塞装置１２をレーザで切り出すことである。管材料から始まって、動脈瘤閉塞装置１２のパターンは、コンピュータ制御されたレーザ切断機に入力することができこの後、このパターンは管から切り出される。通常、この製造工程のため管壁の厚さは、およそ０．０００２インチ（０．００５ｍｍ）乃至０．２５０インチ（６．３５ｍｍ）の範囲にある。図から理解できるように、管の直径は安定化部２２および２６の直径に相当する。本質的に、動脈瘤閉塞装置１２は、円筒のかなりの部分が除去された、ほぼ円筒形の構造を有しており、安定化部を持ったしぼむことが可能な円筒形のやぐらを形成する。
【００２０】
図５の等角投影図に示されるように、閉塞部２４は、第１の安定化部２２および第２の安定化部２６の曲率半径とほぼ同じ曲率半径を有する円弧状の枠組を形成する。というのもこれらの要素は、同一の円筒状の管から切り出されるからである。明らかなことではあるが、レーザ切断の製造方法を使うことにより、閉塞部２４のパターンに対して多様な修正を施すことが可能である。例えば、格子状またはメッシュ状のパターンのようにである。さらに、安定化部２２および２６のパターンに対しても、半円形にするなどの修正を施すことが可能である。通常、やぐらの壁に設けられた複数の開口は、十分に小さく、動脈瘤の内部に血液が流入するのを制限し、動脈瘤の血栓の形成を促進する。
【００２１】
動脈瘤閉塞装置１２は、金属、ポリマー、複合材料などの多様な材料から形成されうる。これらの材料のいくつかを挙げると、ステンレス鋼、ナイロン、ポリエステルおよびポリカーボネートということになるが、好適な材料は、例えばある種のニッケルチタン合金のような超弾性材料である。好適な実施の形態では、約５１％乃至５６％のニッケルと約４４％乃至４９％のチタンを有するニッケルチタン合金の組成物が使用される。動脈瘤閉塞装置１２を蛍光透視法の下で視覚化するには、メッキ、イオン堆積またはコーティングのような様々な方法を使用して、非常に多くの放射線不透過性の材料、例えば金、プラチナ、またはタングステンが使用されうる。蛍光透視法の下で動脈瘤閉塞装置１２を視覚化するのに好適な方法は、タンタル粉末が混合されたシリコン（silicone）のようなポリマーでコーティングすることである。
【００２２】
動脈瘤閉塞装置１２の安定化部２２および２６が血管壁に放射方向への力を与えることにより、血管内で留まっていられるように、安定化部２２および２６は約１ｍｍ乃至５０ｍｍの範囲の直径を持ち、典型的には、血管内に一致するサイズに形成されている。理解できるように、安定化部２２および２６の幅は、典型的には、動脈瘤を持つ血管のサイズに依存し、およそ０．０００５インチ（０．０１３ｍｍ）乃至０．０６０インチ（１．５２４ｍｍ）の範囲にある。特定の動脈瘤に適合するように、安定化部が変形しやすい特性に加えて、閉塞部２４は動脈瘤のネック２０に適合するようなサイズに形成されていなければならない。典型的には、閉塞部２４の長さは、動脈瘤のネック２０の長さよりわずかに長く、約１ｍｍ乃至１００ｍｍの範囲にある。
【００２３】
図８は、第２の好適な実施の形態の膨張可能な動脈瘤閉塞装置３０を示す図である。動脈瘤閉塞装置３０は第１の安定化部３２と閉塞部３４と第２の安定化部３６とカバー３８を備える。カバー３８は閉塞部３４の骨組に取り付けられている。閉塞部３４に取り付けられた閉塞部３４は、動脈瘤のネックの全体にわたって配置される。カバー３８は、動脈瘤への血流を大幅に低減もしくは阻止することを意図して設けられている。カバー３８が動脈瘤閉塞装置３０と一緒になって、カテーテルの管腔の内部に収まらなければならないので、カバー３８は弾性材料から形成されているべきである。これらの材料は、シリコン（silicone）、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリイミド、ヒドロゲル、その他のポリマーのような移植可能な用途に適したポリマーを含む。ヒドロゲルとしては、例えばポリビニルアルコールまたはポリビニルピロリドンが挙げられる。カバー３８の形状は、上記のポリマーまたは超弾性金属のいずれかから形成された繊維のメッシュであってもよいし、あるいは、透過性、半透過性、非透過性の膜および膨張可能な泡であってもよい。蛍光透視法の下でカバー３８を視覚化するための改良としては、放射線不透過性のあるヨウ素をポリマーへ直接的に結合すること、またはタンタルもしくはタングステンのような放射線不透過性のある金属をポリマーに混合することが含まれる。好適な実施の形態では、タンタルのような放射線不透過性材料をシリコン（silicone）ポリマー膜に混合して、カバー３８に用いる。折り畳み可能な円筒状のやぐらに取り付けられたカバー３８は、通常、動脈瘤への血流を制限して、動脈瘤の血栓の形成を促進する。
【００２４】
明らかなことではあるが、上記の好適な実施の形態には当業者が容易に想到するであろう多数の改良が存在する。例えば、多数の安定化部の形状や閉塞部の形状を含む動脈瘤閉塞装置の多数のバリエーションおよび改良のようにである。これらの改良は、この発明が関連する分野における通常の技術を有する者には自明であろうし、特許請求の範囲の中に含まれることが意図される。
【００２５】
この発明の具体的な実施態様は次の通りである。
（Ａ） 血管の障害を処置するための動脈瘤閉塞システムであって、
基端と、先端と、貫通して延びる管腔とを有するカテーテルと、
上記カテーテルの上記管腔の内部に摺動可能に配置されたプッシュロッドと、
安定化部と閉塞部とを有する折り畳み可能な動脈瘤閉塞装置とを備え、
上記安定化部は弾性を有するワイヤを備え、このワイヤは解放されるとほぼ円形になって血管内で動脈瘤閉塞装置を安定化させるようになっており、
上記閉塞部は弾性を有するワイヤのやぐらを備え、このやぐらは解放されると血管内の内周の一部だけにわたって広がり、動脈瘤の開口を横切って延びるのに適した形状を形成して、動脈瘤を塞栓するようになっており、上記閉塞部は上記安定化部に取り付けられており、
上記動脈瘤閉塞装置は、しぼめられて、上記カテーテルの上記先端の管腔の内部に摺動可能に配置されており、上記動脈瘤閉塞装置に対する上記プッシュロッドの先端側への移動によって上記動脈瘤閉塞装置は上記カテーテルの管腔を脱出し、血管内の位置で膨張することを特徴とする動脈瘤閉塞システム。
（１）上記動脈瘤閉塞装置の安定化部および上記閉塞部は、ニッケルチタン合金から形成されていることを特徴とする実施態様（Ａ）に記載の動脈瘤閉塞システム。
（２）上記動脈瘤閉塞装置の安定化部および上記閉塞部は、放射線不透過性の材料を含有することを特徴とする実施態様（１）に記載の動脈瘤閉塞システム。
（３）上記動脈瘤閉塞装置の上記安定化部は、半円形の形状を有することを特徴とする実施態様（Ａ）に記載の動脈瘤閉塞システム。
（４）上記動脈瘤閉塞装置の閉塞部は、動脈瘤に血栓を形成することができるメッシュからなることを特徴とする実施態様（Ａ）に記載の動脈瘤閉塞システム。
（Ｂ）血管の障害を処置するための動脈瘤閉塞システムであって、
基端と、先端と、貫通して延びる管腔とを有するカテーテルと、
上記カテーテルの上記管腔の内部に摺動可能に配置されたプッシュロッドと、
第１の安定化部と第２の安定化部と閉塞部とを有する折り畳み可能な動脈瘤閉塞装置とを備え、
上記第１の安定化部は弾性を有するワイヤを備え、このワイヤは解放されるとほぼ円形になって血管内で動脈瘤閉塞装置を安定化させるようになっており、
上記第２の安定化部は弾性を有するワイヤを備え、このワイヤは解放されるとほぼ円形になって血管内で動脈瘤閉塞装置を安定化させるようになっており、
上記閉塞部は弾性を有するワイヤのやぐらを備え、このやぐらは解放されると血管内の内周の一部だけにわたって広がり、動脈瘤の開口を横切って延びるのに適した形状を形成して、動脈瘤を塞栓するようになっており、上記閉塞部は上記第１の安定化部の先端側および上記第２の安定化部の基端側に取り付けられており、
上記動脈瘤閉塞装置は、しぼめられて、上記カテーテルの管腔の内部に摺動可能に配置されており、上記動脈瘤閉塞装置に対する上記プッシュロッドの先端側への移動によって上記動脈瘤閉塞装置は上記カテーテルの管腔を脱出し、血管内の位置で膨張することを特徴とする動脈瘤閉塞システム。
（５）上記動脈瘤閉塞装置の上記第１安定化部および第２安定化部ならびに上記閉塞部は、ニッケルチタン合金から形成されていることを特徴とする実施態様（Ｂ）に記載の動脈瘤閉塞システム。
【００２６】
（６）上記動脈瘤閉塞装置の上記第１安定化部および第２安定化部ならびに上記閉塞部は、放射線不透過性の材料を含有することを特徴とする実施態様（５）に記載の動脈瘤閉塞システム。
（７）上記動脈瘤閉塞装置の上記第１安定化部および第２安定化部ならびに上記閉塞部は、半円形の形状を有することを特徴とする実施態様（６）に記載の動脈瘤閉塞システム。
（８）上記動脈瘤閉塞装置の閉塞部は、動脈瘤に血栓を形成することができるメッシュからなることを特徴とする実施態様（７）に記載の動脈瘤閉塞システム。
（Ｃ） 血管の障害を処置するための動脈瘤閉塞システムであって、
基端と、先端と、貫通して延びる管腔とを有するカテーテルと、
上記カテーテルの上記管腔の内部に摺動可能に配置されたプッシュロッドと、
安定化部と閉塞部とを有する折り畳み可能な動脈瘤閉塞装置とを備え、
上記安定化部は弾性を有するワイヤの形状をとり、このワイヤは解放されるとほぼ円形になって血管内で動脈瘤閉塞装置を安定化させるようになっており、
上記閉塞部はワイヤのやぐらを備え、このやぐらはこのやぐらに取り付けられたカバーを有しており、このカバーを有する上記閉塞部は解放されると血管内の内周の一部だけにわたって広がり、動脈瘤のネックを横切って延びるのに適した形状を形成するようになっており、上記閉塞部は上記安定化部に取り付けられており、
上記動脈瘤閉塞装置は、しぼめられて、上記カテーテルの管腔の内部に摺動可能に配置されており、上記動脈瘤閉塞装置に対する上記プッシュロッドの先端側への移動によって上記動脈瘤閉塞装置は上記カテーテルの管腔を脱出し、血管内の位置で膨張することを特徴とする動脈瘤閉塞システム。
（９）上記カバーは繊維のメッシュの形状をとることを特徴とする実施態様（Ｃ）に記載の動脈瘤閉塞システム。
（１０）上記カバーは透過性を有する膜の形状をとることを特徴とする実施態様（９）に記載の動脈瘤閉塞システム。
【００２７】
（１１）上記カバーは放射線不透過性の材料を含有することを特徴とする実施態様（１０）に記載の動脈瘤閉塞システム。
（１２）上記カバーは血栓非生成性の材料を含有することを特徴とする実施態様（１１）に記載の動脈瘤閉塞システム。
（１３）上記カバーは膨張可能な泡を備えることを特徴とする実施態様（１２）に記載の動脈瘤閉塞システム。
（Ｄ） 血管の障害を処置するための動脈瘤閉塞システムであって、
基端と、先端と、貫通して延びる管腔とを有するカテーテルと、
上記カテーテルの上記管腔の内部に摺動可能に配置されたプッシュロッドと、
第１の安定化部と第２の安定化部と閉塞部とを有する折り畳み可能な動脈瘤閉塞装置とを備え、
上記第１の安定化部は弾性を有するワイヤを備え、このワイヤは解放されるとほぼ円形になって血管内で動脈瘤閉塞装置を安定化させるようになっており、
上記第２の安定化部は弾性を有するワイヤを備え、このワイヤは解放されるとほぼ円形になって血管内で動脈瘤閉塞装置を安定化させるようになっており、
上記閉塞部はワイヤのやぐらを備え、このやぐらは基端と先端とこのやぐらに取り付けられたカバーを有しており、このカバーを有する上記閉塞部は解放されると血管内の内周の一部だけにわたって広がり、動脈瘤のネックを横切って延びるのに適した形状を形成するようになっており、上記閉塞部は上記第１の安定化部の先端および上記第２の安定化部の基端に取り付けられており、
上記動脈瘤閉塞装置は、しぼめられて、上記カテーテルの管腔の内部に摺動可能に配置されており、上記動脈瘤閉塞装置に対する上記プッシュロッドの先端側への移動によって上記動脈瘤閉塞装置は上記カテーテルの管腔を脱出し、血管内の位置で膨張することを特徴とする動脈瘤閉塞システム。
（１４）上記カバーは繊維のメッシュの形状をとることを特徴とする実施態様（Ｄ）に記載の動脈瘤閉塞システム。
（１５）上記カバーは透過性を有する膜の形状をとることを特徴とする実施態様（１４）に記載の動脈瘤閉塞システム。
【００２８】
（１６）上記カバーは放射線不透過性の材料を含有することを特徴とする実施態様（１５）に記載の動脈瘤閉塞システム。
（１７）上記カバーは血栓非生成性の材料を含有することを特徴とする実施態様（１６）に記載の動脈瘤閉塞システム。
（１８）上記カバーは膨張可能な泡を備えることを特徴とする実施態様（１７）に記載の動脈瘤閉塞システム。
（Ｅ） 血管の障害を処置するための動脈瘤閉塞システムであって、
基端と、先端と、貫通して延びる管腔とを有するカテーテルと、
かなりの部分が除去された円筒形の形状をとっており、第１の安定化部と第２の安定化部と閉塞部とを有する折り畳み可能な動脈瘤閉塞装置とを備え、
上記第１の安定化部は解放されるとほぼ円形になって血管内で動脈瘤閉塞装置を安定化させるようになっており、
上記第２の安定化部は解放されるとほぼ円形になって血管内で動脈瘤閉塞装置を安定化させるようになっており、
上記閉塞部はカバーを持ったやぐらの形状をとり、このカバーを有する上記閉塞部は解放されると血管内の内周の一部だけにわたって広がり、動脈瘤の開口を横切って延びるのに適した形状を形成するようになっていることを特徴とする動脈瘤閉塞システム。
（１９）上記カバーは繊維のメッシュの形状をとることを特徴とする実施態様（Ｅ）に記載の動脈瘤閉塞システム。
（２０）上記カバーは透過性を有する膜の形状をとることを特徴とする実施態様（１９）に記載の動脈瘤閉塞システム。
【００２９】
（２１）上記カバーは放射線不透過性の材料を含有することを特徴とする実施態様（２０）に記載の動脈瘤閉塞システム。
（２２）上記カバーは血栓非生成性の材料を含有することを特徴とする実施態様（２１）に記載の動脈瘤閉塞システム。
（２３）上記カバーは膨張可能な泡を備えることを特徴とする実施態様（２２）に記載の動脈瘤閉塞システム。
【００３０】
【発明の効果】
以上のように、この発明に係る動脈瘤閉塞システムは、簡単な構造で血管への挿入に適しており、血管に対する動脈瘤の開口への塞栓を完全に形成することが容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の動脈瘤閉塞システムの部分的に破断した拡大図である。
【図２】動脈瘤閉塞装置の準備態勢を整える前の血管内のカテーテルの先端を示す部分的に破断した拡大図である。
【図３】カテーテルを動脈瘤閉塞装置が脱出するにつれて、動脈瘤閉塞装置が膨張する連続工程のうちの先の工程を示す図である。
【図４】カテーテルを動脈瘤閉塞装置が脱出するにつれて、動脈瘤閉塞装置が膨張する連続工程のうちの後の工程を示す図である。
【図５】この発明の好適な実施の形態に係る動脈瘤閉塞装置の等角投影図である。
【図６】この発明の動脈瘤閉塞装置の平面図である。
【図７】この発明の動脈瘤閉塞装置の側面図である。
【図８】この発明の第２の好適な実施の形態に係る動脈瘤閉塞装置の等角投影図である。
【符号の説明】
２ 動脈瘤塞栓形成システム
４ カテーテル
６ 基端
８ 先端
１０ ハブ
１２ 動脈瘤閉塞装置
１４ プッシュロッド
１６ 血管
１８ 動脈瘤
２０ 動脈瘤のネック
２２ 第１の安定化部
２４ 閉塞部
２６ 第２の安定化部
３０ 動脈瘤閉塞装置
３２ 第１の安定化部
３４ 閉塞部
３６ 第２の安定化部
３８ カバー
Claims (8)
- 血管の障害を処置するための動脈瘤閉塞システムであって、
基端と、先端と、貫通して延びる管腔とを有するカテーテルと、
上記カテーテルの上記管腔の内部に摺動可能に配置されたプッシュロッドと、
安定化部と閉塞部とを有する折り畳み可能な動脈瘤閉塞装置とを備え、
上記安定化部は弾性を有するワイヤの形状をとり、閉ループを形成しており、このワイヤは上記カテーテル内でしぼんでいて解放されるとほぼ円形になって血管内で動脈瘤閉塞装置を安定化させるようになっており、
上記閉塞部はワイヤのやぐらを備え、このやぐらはこのやぐらに取り付けられ、放射線不透過性材料をポリマーへ結合または混合して得られたカバーを有しており、このカバーを有する上記閉塞部は上記カテーテル内でしぼんでいて解放されると血管内の内周の一部だけにわたって広がり、動脈瘤のネックを横切って延びるのに適した形状を形成するようになっており、上記閉塞部は上記安定化部に取り付けられており、
上記動脈瘤閉塞装置は、しぼめられて、上記カテーテルの管腔の内部に摺動可能に配置されており、上記動脈瘤閉塞装置に対する上記プッシュロッドの先端側への移動によって上記動脈瘤閉塞装置は上記カテーテルの管腔を脱出し、血管内の位置で膨張することを特徴とする動脈瘤閉塞システム。 - 血管の障害を処置するための動脈瘤閉塞システムであって、
基端と、先端と、貫通して延びる管腔とを有するカテーテルと、
上記カテーテルの上記管腔の内部に摺動可能に配置されたプッシュロッドと、
第１の安定化部と第２の安定化部と閉塞部とを有する折り畳み可能な動脈瘤閉塞装置とを備え、
上記第１の安定化部は弾性を有するワイヤを備え、閉ループを形成しており、このワイヤは上記カテーテル内でしぼんでいて解放されるとほぼ円形になって血管内で動脈瘤閉塞装置を安定化させるようになっており、
上記第２の安定化部は弾性を有するワイヤを備え、閉ループを形成しており、このワイヤは上記カテーテル内でしぼんでいて解放されるとほぼ円形になって血管内で動脈瘤閉塞装置を安定化させるようになっており、
上記閉塞部はワイヤのやぐらを備え、このやぐらは基端と先端とこのやぐらに取り付けられ、放射線不透過性材料をポリマーへ結合または混合して得られたカバーを有しており、このカバーを有する上記閉塞部は上記カテーテル内でしぼんでいて解放されると血管内の内周の一部だけにわたって広がり、動脈瘤のネックを横切って延びるのに適した形状を形成するようになっており、上記閉塞部は上記第１の安定化部の先端および上記第２の安定化部の基端に取り付けられており、
上記動脈瘤閉塞装置は、しぼめられて、上記カテーテルの管腔の内部に摺動可能に配置されており、上記動脈瘤閉塞装置に対する上記プッシュロッドの先端側への移動によって上記動脈瘤閉塞装置は上記カテーテルの管腔を脱出し、血管内の位置で膨張することを特徴とする動脈瘤閉塞システム。 - 血管の障害を処置するための動脈瘤閉塞システムであって、
基端と、先端と、貫通して延びる管腔とを有するカテーテルと、
かなりの部分が除去された円筒形の形状をとっており、第１の安定化部と第２の安定化部と閉塞部とを有する折り畳み可能な動脈瘤閉塞装置とを備え、
上記第１の安定化部は閉ループを形成しており、上記カテーテル内でしぼんでいて解放されるとほぼ円形になって血管内で動脈瘤閉塞装置を安定化させるようになっており、
上記第２の安定化部は閉ループを形成しており、上記カテーテル内でしぼんでいて解放されるとほぼ円形になって血管内で動脈瘤閉塞装置を安定化させるようになっており、
上記閉塞部は放射線不透過性材料をポリマーへ結合または混合して得られたカバーを持ったやぐらの形状をとり、このカバーを有する上記閉塞部は上記カテーテル内でしぼんでいて解放されると血管内の内周の一部だけにわたって広がり、動脈瘤の開口を横切って延びるのに適した形状を形成するようになっていることを特徴とする動脈瘤閉塞システム。 - 上記動脈瘤閉塞装置の安定化部および上記閉塞部は、ニッケルチタン合金から形成されていることを特徴とする請求項１に記載の動脈瘤閉塞システム。
- 上記動脈瘤閉塞装置の上記安定化部は、半円形の形状を有することを特徴とする請求項１に記載の動脈瘤閉塞システム。
- 上記動脈瘤閉塞装置の上記第１安定化部および第２安定化部ならびに上記閉塞部は、ニッケルチタン合金から形成されていることを特徴とする請求項２、または請求項３に記載の動脈瘤閉塞システム。
- 上記動脈瘤閉塞装置の上記第１安定化部および第２安定化部ならびに上記閉塞部は、半円形の形状を有することを特徴とする請求項２、または請求項３に記載の動脈瘤閉塞システム。
- 上記カバーは繊維のメッシュの形状をとることを特徴とする請求項１、請求項２、または請求項３に記載の動脈瘤閉塞システム。
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