JP4446544B2 - 住宅の基礎構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅の基礎構造に関し、特に、工期の短縮化をはかると共に床下空間の活用をはかることを可能とした住宅の基礎構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
住宅の基礎構造の代表的な例として、建築現場でコンクリートを打設して基礎梁とフーチングを構築した凸字状の布基礎がある。この基礎構造では、住宅が木造建築の場合、基礎梁の上部に木製の土台を水平に取り付けると共に該土台に住宅の柱や根太等を取り付け、また住宅が鉄骨造の場合、基礎梁の上部に柱を取り付けると共に床パネルを載置するのが一般的である。
【0003】
上記布基礎は住宅では一般的に利用されており、極めて便利な基礎構造となっている。しかし、現場打ちコンクリートによって断面が凸字状の形状を実現するための型枠作成や施工順序を守る必要がある等の煩雑さの問題や、木製の土台や鋼製の柱を取り付ける部位となる打設されたコンクリートの天端のレベルが出し難く、脱型後、改めて天端レベル出しの作業を行なうことが必須となり、作業が煩雑となるという問題がある。
【0004】
上記問題を解決し得る住宅の基礎構造として、布基礎に於ける立ち上がり部分(基礎梁部分)をH形鋼からなる鋼製基礎梁に代替させ、フーチングの部分はそのままコンクリートを用いた基礎が提案されている。この基礎構造は、目的の住宅の基礎伏図に従って複数の鋼製基礎梁を格子状に配置すると共に各鋼製基礎梁の端部で或いは途中で当接する接続部位をボルト等によって接合し、更に、配置された複数の鋼製基礎梁によって区画された平面内に鉄筋を配筋した後、コンクリートを打設して鋼製基礎梁の下部部分を埋設すると共に全ての鋼製基礎梁を一体化させたベタ基礎を構成している。
【0005】
上記の如く構成された基礎構造では、鋼製基礎梁の天端が連続しており、該天端を同レベルに設定することに大きな困難はない。このため、施工後のレベル出しが不要であり且つ鋼製基礎梁の耐久性が良好であるという優れた面がある。また鋼製基礎梁の天端レベルの精度が保証されると共に連続しているため、建物の躯体を構成する柱が如何なる位置に設置される場合であっても対応することが出来、且つ該柱に作用する引抜き力や圧縮力に対し充分に対抗することが出来るという優れた面もある。
【0006】
更に、ベタ基礎とすることによって、布基礎の場合と比較して基礎の深さを浅くすることが出来、土壌の掘削量を減少させて排土処理を軽減することも可能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如く、鋼製基礎梁を用いたベタ基礎構造では、鉄筋を鋼製基礎梁の下部フランジに接合したり、スタッド筋を配置する等の作業が必要となり、施工性が低下するという問題が生じる。また鋼とコンクリートとの接触面が多くなり、耐久性を確保するために処理(両者が直接接触しないための処理)を行なう必要が生じ、作業が煩雑となる。また必要な曲げ剛性を確保するためには、住宅の梁として用いるには比較的大型のH形鋼を必要とし、重機を利用しないと施工出来ないという問題、更に、大型のH形鋼に要するコストの問題もある。
【0008】
また鋼製基礎梁によって床下空間が格子状に分断されるため、床下の保守点検のための工夫(例えば鋼製基礎梁にマンホールを形成するなど)を行なうことが必要となるという問題、また床下の有効深さが浅くなることにより、床下収納を設置したりエレベーターのピットを設ける際に、これらの納まりを検討することが必要となるという問題、更に、玄関部やピロティー車庫の入口等では鋼製基礎梁の天端を下げる必要があり、一般部に比較して梁としての性能が劣化して不利となるという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、施工性の向上をはかると共に床下空間に対する保守点検を容易とし、更に、使用する鉄の量を減らすことが出来る住宅の基礎構造を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る第1の住宅の基礎構造は、コンクリート基礎梁の少なくとも端部に住宅の柱を支持する支柱を取り付けるための脚部が設けらており、前記コンクリート基礎梁は、前記住宅を建築する地盤の地耐力、前記住宅の重量及び前記住宅に作用することが想定される水平力等の力に対抗するために最適な幅寸法と、予め設定された許容歪みの範囲以上の歪みを生じることのない断面形状を実現し得る高さ寸法と、を有する方形形状の断面を備え、且つ、前記コンクリート基礎梁の天端レベルはグランドレベルよりも高く設定されており、前記支柱は、前記柱を取り付けるための天板と、該天板に上端を固着して該天板に作用する引抜き力を受ける伝達部材と、該伝達部材の下端側に配置されて前記伝達部材に作用する前記引抜き力を前記コンクリート基礎梁の脚部に伝達する引抜き防止部材とを備え、前記引抜き防止部材は、少なくとも前記伝達部材の平面寸法よりも大きい寸法を有して前記コンクリート基礎梁の脚部に埋設され、前記伝達部材及び天板は前記コンクリート基礎梁の天端レベルよりも上方に位置して露出していることを特徴とするものである。
【0011】
上記住宅の基礎構造では、コンクリート基礎梁の少なくとも端部に建物の柱を支持する支柱を取り付けるための脚部が形成され、この脚部に対し支柱が該支柱に作用する引抜き力や圧縮力等の力に対抗し得るように一体的に取り付けられるため、支柱に建物の躯体を構成する柱を取り付けた後、該柱に作用する垂直力や水平力に伴って支柱に圧縮力や引抜き力が作用した場合、これらの力を支柱を介してコンクリート基礎梁に伝達して支持することが出来、且つ支柱が倒れたり、コンクリート基礎梁を破壊して抜けるようなことがない。
【0012】
コンクリート基礎梁は、地盤の耐力や建物に作用する垂直力及び水平力に対応させた幅寸法と、前記力の作用に伴って発生する歪みが許容範囲内に納まるように設定された断面形状を持って形成されている。このような断面形状は一義的に設定し得るものではないが、コンクリートを現場で打設する際の型枠を構成する手数等を考慮すると、長方形,正方形を含む四角形であることが好ましい。コンクリート基礎梁をこのような形状に形成することによって、配筋し易くまたクラックが入り難い。このため、耐用年数を50年以上に設定した長寿命住宅(ロングライフ住宅)に好ましく適用することが出来る。
【0013】
上記基礎構造に於いて、支柱はコンクリート基礎梁の天端から突出して設置されており、このコンクリート基礎梁の天端と支柱の上端との間に間隙が形成される。このため、前記間隙から床下空間に入り込むことが可能となり、床下の保守点検時が容易となる。また上記の如きコンクリート基礎梁を用いることによって、ベタ基礎構造にする必要がなくなり、この結果、床下の深さがコンクリートによって規定されることがなく、床下収納やエレベーターを設置する際に納まりの検討を行なう必要がない。
【0014】
またコンクリート基礎梁に対して柱を支持する支柱を一体的に取り付けることで基礎を構成することが出来るため、躯体を構成する柱に比較して極めて寸法が小さく且つ軽量の支柱の天端レベルを調整することで、基礎としてのレベル出しが出来、作業が容易となる。特に、コンクリート基礎梁に直接柱を取り付けることなく、該柱の配置位置の設定、及び柱のレベル出しが出来るため、作業が容易となる。
【0015】
尚、コンクリート基礎梁に於ける脚部以外の部位に柱を設ける必要が生じる可能性がある場合、対応する部位を充分な強度に設定しておけば良い。
【0016】
また、本発明に係る第2の住宅の基礎構造は、コンクリート基礎梁の少なくとも端部に住宅の柱を支持する支柱を取り付けるための脚部が設けらており、前記コンクリート基礎梁は、前記住宅を建築する地盤の地耐力、前記住宅の重量及び前記住宅に作用することが想定される水平力等の力に対抗するために最適な幅寸法と、予め設定された許容歪みの範囲以上の歪みを生じることのない断面形状を実現し得る高さ寸法と、を有する方形形状の断面を備え、且つ、前記コンクリート基礎梁の天端レベルはグランドレベルよりも高く設定されており、前記支柱は、前記柱を取り付けるための天板と、該天板に上端を固着して該天板に作用する引抜き力を受ける伝達部材と、該伝達部材の下端側に配置されて前記伝達部材に作用する前記引抜き力を前記コンクリート基礎梁の脚部に伝達する引抜き防止部材とを備え、前記引抜き防止部材は、前記天板と略等しい寸法を持った複数の平板によって構成されており、これらの平板を前記伝達部材の下端部及び下端部から上方へ所定寸法離隔した位置に取り付けられて形成されて前記コンクリート基礎梁の脚部に埋設され、前記伝達部材及び天板は前記コンクリート基礎梁の天端レベルよりも上方に位置して露出していることを特徴とするものである。
【0017】
上記何れかの住宅の基礎構造に於いて、前記引抜き防止部材は、前記コンクリート基礎梁の脚部を構成する鉄筋籠に包囲された状態で前記コンクリート基礎の脚部に埋設されていることが好ましい。
【0018】
また、上記何れかの住宅の基礎構造に於いて、前記引抜き防止部材は、PC板に支持されており、該PC板も前記コンクリート基礎の脚部に埋設されていることが好ましい。
【0019】
また本発明に係る第3の住宅の基礎構造は、コンクリート基礎梁の少なくとも端部に住宅の柱を支持する支柱を取り付けるための脚部が設けらており、前記コンクリート基礎梁は、前記住宅を建築する地盤の地耐力、前記住宅の重量及び前記住宅に作用することが想定される水平力等の力に対抗するために最適な幅寸法と、予め設定された許容歪みの範囲以上の歪みを生じることのない断面形状を実現し得る高さ寸法と、を有する方形形状の断面を備え、且つ、前記コンクリート基礎梁の天端レベルはグランドレベルよりも高く設定されており、前記支柱は、柱を取り付けるための天板と、該天板に上端が固着され該天板に作用する力を受ける伝達部材と、該伝達部材の下端側に配置されると共に前記脚部に載置されて当該伝達部材に作用する前記力を前記コンクリート基礎梁の脚部に伝達する引抜き防止部材とを備え、前記コンクリート基礎の脚部には、下端部となる低部にベースプレートが配置されると共に、該ベースプレートに一端が取り付けられて他端が前記コンクリート基礎梁を高さ方向に貫通して突出したアンカーボルトが設けられており、前記引抜き防止部材は、当該アンカーボルトに締結されており、前記伝達部材及び天板は、前記コンクリート基礎梁の天端レベルよりも上方に位置して露出していることを特徴とするものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、上記住宅の基礎構造の好ましい実施形態について図を用いて説明する。図1は基礎構造の全体構成を説明する斜視図である。図2は基礎構造及び該基礎の上部に構成される建物の一部との関係を説明する図である。図3は支柱の例を説明する図である。図4は支柱とコンクリート基礎梁とを一体化させる構造を説明する図である。図5は外壁の下部とコンクリート基礎梁との間を化粧する構成を説明する図である。図6は支柱とコンクリート基礎梁とを一体化させる構造の他の例を説明する図である。
【0021】
本実施例に係る基礎構造は、コンクリート基礎梁の少なくとも端部に、住宅の躯体を構成する柱の直下に配置されて該柱を支持する支柱を取り付けるための脚部を形成し、この脚部に支柱を一体的に取り付けることで構成されており、従来の布基礎に於けるフーチングと基礎梁の力学的機能、或いは従来の鋼製梁によるベタ基礎に於けるベタ打ちされたコンクリートとH形鋼の力学的機能をコンクリート基礎梁によって代替し、且つこれら従来の基礎に於ける柱を支持するための構造的機能を支柱によって代替させて構成したものである。
【0022】
図1,2に示すように、本実施例に係る基礎構造は、少なくとも端部に脚部Aaを形成したコンクリート基礎梁Aを有し、該脚部Aaに支柱Bを一体的に取り付けて構成されている。ここで、コンクリート基礎梁Aは、基礎に於ける直線状の部分に対応して設定されたものであり、図1では個々のコンクリート基礎梁Aの両端部及び中間部に支柱Bが配置されている。従って、各方向のコンクリート基礎梁Aは交差する部位に配置された支柱Bを共有することとなる。特に、支柱Bは住宅の躯体を構成する全ての柱Cの直下に配置されており、従って、脚部Aaも全ての柱Cの位置に対応して形成される。
【0023】
コンクリート基礎梁Aは基礎の各通り(基礎の外周部分の外通り、図1のロ字状の外通り、外通りの内側の中通り、図1の十字状の中通り)毎に設置され、他の通りに設置されたコンクリート基礎梁Aと当接する部位では互いに接続されている。特に、コンクリート基礎梁Aは、住宅を建築する地盤の地耐力や住宅の重量、住宅に作用することが想定される水平力等の力に対抗するために最適な幅寸法を有しており、且つコンクリート基礎梁Aが予め設定された許容歪みの範囲以上の歪みを生じることのない断面形状を実現し得る高さ寸法を有する。
【0024】
このため、コンクリート基礎梁Aは、断面が正方形,長方形を含む方形形状を持って形成されている。このような断面形状を持ったコンクリート基礎梁Aでは、現場での地業が終了した後、コンクリートを打設する際の型枠の形状が単純となり施工が容易である。またコンクリート基礎梁Aは、構築に際し地面を掘削すべき深さがベタ基礎よりも深い値に規制される。即ち、コンクリート基礎梁Aでは、高さの寸法は前記規制値よりも大きい値になることが必須であり、垂直方向及び水平方向に作用することが想定される力に対し、充分な剛性を発揮し得る形状を容易に設定することが可能である。このため、ベタ基礎を設ける必要がなくなるという利点が生じる。
【0025】
コンクリート基礎梁Aは、少なくとも端部に脚部Aaが形成されている。この脚部Aaの形状は特に限定するものではなく、コンクリート基礎梁Aに於ける他の部位(支柱Bを取り付けることのない部位)と同一の形状であって良い。要するに脚部Aaは支柱Bを一体的に取り付ける部位をいうものである。
【0026】
コンクリート基礎梁Aは、少なくとも端部に1個の支柱Bを一体的に取り付けることが必須であるが、支柱Bの取付数を限定するものではない。図1に示すように、各通り毎のコンクリート基礎梁Aが夫々4個の支柱Bを取り付けることもある。このように、コンクリート基礎梁Aに取り付ける支柱Bの数は目的の住宅に応じて異なり、一義的に設定し得るものではない。
【0027】
ここで、目的の住宅を、鉄骨造2階建て、外壁パネル5としてALC(軽量気泡コンクリート)パネルを用いたものとしたとき、本実施例の基礎構造はコンクリート基礎梁Aを用いるため、地盤に対するコンクリート基礎梁Aの埋設深さは、規定によって27cmとなる。従って、コンクリート基礎梁Aの設置部位に沿って前記深さ以上に掘削し、該掘削部位に所定の地業を施して深さ27cmに設定している。しかしコンクリート基礎梁Aの高さをこの寸法に限定するものではなく、あくまでも地盤条件や建物の重量,想定された水平力等の条件に応じて設定すべきことは当然である。
【0028】
また本実施例に於けるコンクリート基礎梁Aでは、高さ(梁成)が30cmに設定されている。このため、コンクリート基礎梁Aの天端レベルはグランドレベル(GL)よりも3cm高く設定されている。
【0029】
支柱Bは目的の住宅の躯体を構成する全ての柱Cの直下に配置され、柱Cと接続されて該柱Cに作用する垂直力や水平力をコンクリート基礎梁Aに伝達する機能を有する。
【0030】
このため、支柱Bは図3に示すように、柱Cを取り付けるための天板1と、上端が天板1に溶接等の手段で固着され該天板1に作用する力をコンクリート基礎梁Aに伝達する伝達部材2とを有して構成されている。また柱Cに作用する水平力に伴って支柱Bに作用する引抜き力によって、該支柱Bがコンクリート基礎梁Aから引き抜かれることを防止するために、支柱Bを構成する伝達部材2の下端側に引抜き防止部材3が配置されると共に両者が直接、或いは接続板4を介して一体的に接続されている。
【0031】
支柱Bは柱Cを接続する機能に加えて、隣接する支柱Bの間に配置され、外壁パネル5や床パネル6を支持する受け梁7、玄関部やピロティ車庫に対応する下地梁8を取り付ける機能をも有する。
【0032】
このため、支柱Bを構成する天板1の天端レベルは、予め目的の住宅に設定された床面レベルや床の構造等の条件に対応して設定される。特に、作業上、柱Cを取り付ける天板1の天端レベルと、床パネル6の底面を支持する受け梁7の天端レベルは一致していることが好ましい。また床面をGLから如何なる高さに設定するかは個々の住宅に応じた設計上の問題であり、限定されるべきものではない。
【0033】
本実施例では、床面のレベルに関わらず、天板1及び受け梁7の天端レベルをGL+40cmに設定している。この数値は、通常の床を構成して床下の通気を確保する上で一般的に用いられるものである。
【0034】
このため、天板1及び受け梁7の天端とコンクリート基礎梁Aの天端との間には37cmの寸法差が生じ、受け梁7の高さ分を差し引いた隙間が形成される。即ち、受け梁7の高さを100mmとした場合、該受け梁7の下端とコンクリート基礎梁Aの天端との間に27cmの隙間を形成されることとなり、床下の保守点検を行なう際に容易に作業員が通過し得るようになる。
【0035】
上記の如き機能を有する支柱Bに於いて、天板1には柱Cを取り付ける際に用いる図示しないボルトを挿通するためのボルト穴1aが形成されている。
【0036】
伝達部材2は作用することが想定される水平力に対して充分に対抗し得るように、断面が十字状で且つ充分な断面積を持って形成されており、十字状に形成された各片には所定の間隔を持って複数の穴2aが形成されている。そして穴2aを介して、外壁パネル5や床パネル6を支持する受け梁7、玄関部やピロティ車庫に対応する下地梁8が接続されている。
【0037】
上記受け梁7と下地梁8とは、夫々天端レベルが異なる。このため、伝達部材2の片に予め複数の穴2aを形成しておくことで、各梁7,8に設定された天端レベルに応じて最適な穴2aを選択して利用することが可能である。
【0038】
引抜き防止部材3は、伝達部材2に一体的に取り付けられて支柱Bに作用する引抜き力をコンクリート基礎梁Aに伝達する機能を有するものであり、一部がコンクリート基礎梁Aに係止されるような構造を持っている。
【0039】
引抜き防止部材3のコンクリート基礎梁Aに対する係止とは、該引き向き防止部材3がコンクリート基礎梁Aに埋設されて一体化する状態(後述する第1実施例)、及びコンクリート基礎梁Aの上部に載置された状態で該コンクリート基礎梁Aに埋設されたアンカーボルト(後述する第2実施例)、或いはアンカーナットに締結されて一体化する状態があり、これらの構造を支柱Bに作用する力に応じて適宜選択して構成することが可能である。
【0040】
例えば、図3(a)に示す支柱Bでは、引抜き防止部材3は伝達部材2の断面寸法よりも充分に長いH形鋼によって構成されており、この引抜き防止部材3と伝達部材2の間に配置された接続板4を介して支柱Bと一体的に取り付けられている。即ち、伝達部材2の下端に接続板4が溶接されており、該接続板4と引抜き防止部材3とが溶接或いはボルト,ナットを用いて一体的に取り付けられている。
【0041】
また同図(b)に示す支柱Bでは、引抜き防止部材3は伝達部材2の平面寸法よりも充分に大きい寸法を持った平板によって構成されており、この引抜き防止部材3を伝達部材2の下端部に溶接することで一体的に取り付けられている。
【0042】
更に、同図(c)に示す支柱Bでは、引抜き防止部材3は天板1と略等しい寸法を持った複数の平板によって構成されており、これらの平板を伝達部材2の下端部及び下端部から上方へ所定寸法離隔した位置に溶接することで一体的に取り付けられている。
【0043】
上記の如く、支柱B及び引抜き防止部材3の形状や構造は特に限定するものではなく、基礎に於ける配置位置や住宅の重量、作用する垂直力及び水平力等の力の大きさに応じて適宜設定することが可能である。特に、隅部に配置される支柱Bに対して取り付ける引抜き防止部材3は、図1に示すように、各通りのコンクリート基礎梁Aに対応させて平面形状がL字状に形成される。
【0044】
上記基礎構造では、支柱Bに伝達された柱Cに作用する垂直力はコンクリート基礎梁Aによって支持される。このとき、コンクリート基礎梁Aが力を伝達するのに必要な幅寸法を有し、且つ全幅にわたって高さが一定であるため、垂直力は均等に地盤に伝達されて支持される。即ち、コンクリート基礎梁Aに作用する反力は均等となる。このため、垂直力に作用によってコンクリート基礎梁Aに圧縮力が作用してもこの力を安定して支持することが可能であり、コンクリート基礎梁Aが部分的に破壊するようなことがない。
【0045】
また支柱Bに対し、柱Cに作用する水平力に起因する該支柱Bをコンクリート基礎梁Aから引き抜く方向の力が作用したとき、支柱Bを構成する伝達部材2に直接或いは接続板4を介して取り付けた引抜き防止部材3がコンクリート基礎梁Aに一体的に取り付けられているため、該引抜き防止部材3の剪断強度或いは引張強度によって対抗することが可能であり、支柱Bがコンクリート基礎梁Aから引き抜かれたり、倒れたりすることがない。
【0046】
次ぎに、図1〜図5により第1実施例に係る基礎構造、特に、コンクリート基礎梁Aに埋設する鉄筋の構成や受け梁7とコンクリート基礎梁Aとの緊結構造について具体的に説明し、合わせて施工手順について説明する。基礎を構築する場合、先ず、目的の住宅が設計される。従って、以下の説明では、既に住宅の設計が終了し、柱の位置や玄関等の位置が決定され、且つ基礎伏図に従って現場の地業及び位置出しも終了したものとする。
【0047】
本実施例では、躯体を構成する柱Cの直下に配置された複数の支柱Bはコンクリート基礎梁Aの脚部Aaに埋設されている。
【0048】
先ず、住宅の躯体を構成する柱Cの設置位置に対応させて支柱Bを配置する。このとき、各支柱B毎にレベル出し用のPC板9を設置し、このPC板9に夫々支柱Bを立ち上げて配置する。このとき、夫々の支柱Bは伝達部材2の下端側に引抜き防止部材3が一体的に取り付けられている。前記PC板9は支柱Bと共にコンクリート基礎梁Aに埋設される。このため、引抜き防止部材3を含む支柱Bの高さは、天板1の天端の高さとコンクリート基礎梁Aの高さを加えた値からPC板9の厚さを差し引いた寸法に設定される。
【0049】
全ての支柱Bの配置が終了した後、個々の支柱Bの天板1の高さを調整しつつ全ての支柱Bの天端を同一レベルに設定する。この状態で、個々の支柱BはPC板9に埋設されている図示しないボルトにナットを締結することで仮固定される。
【0050】
次いで、コンクリート基礎梁Aの設置部位に対応して鉄筋籠10を配置する。鉄筋籠10は予め工場段階で組み立てられ、或いは予め工場段階で製作した平網状の鉄筋を現場で立体的に組み立てて用いられる。この鉄筋籠10は長手方向に配置された複数の縦筋10aと、これらの縦筋10aを接合する帯筋(剪断補強筋)10bとによって構成されている。
【0051】
鉄筋籠10は幅寸法及び高さ寸法は、予め設定されたコンクリート基礎梁Aの断面寸法に対応して設定され、長さはコンクリート基礎梁Aの長さの如何に関わらず、コンクリート基礎梁Aに配置される隣接した支柱B間の距離に応じて設定されている。即ち、鉄筋籠10を隣接する支柱Bの間に配置したとき、この鉄筋籠10は両端が支柱Bに届かず、該支柱Bから所定距離離隔した位置を保持する。
【0052】
一般に柱Cの間隔は住宅に設定されたモジュール寸法に規制される。このため、鉄筋籠10の長さもモジュール寸法によって規制されることとなり、規格化することが可能となる。従って、鉄筋籠10を工場段階で製作しておくことが可能となり、品質の安定した信頼性の高い鉄筋籠10とすることが可能である。このことは、鉄筋籠10を用いて構成されたコンクリート基礎梁Aの信頼性をも高めることとなる。
【0053】
鉄筋籠10を支柱Bの間に配置したとき、配置された鉄筋籠10の端部は支柱Bから離隔した位置にある。このため、支柱Bを中央として直線方向、或いはL字方向に夫々配置された鉄筋籠10を互いに接合することが必要である。この接合は、支柱Bを挟むようにして配置した複数の縦筋11によって、鉄筋籠10の縦筋10aを接合すると共に帯筋12によって縦筋11を接合することで行なわれる。
【0054】
本実施例に於いて、縦筋11によって鉄筋籠10を接合するに際し、縦筋11を支柱Bに固着せず、縦筋11と支柱Bとは絶縁状態にある。しかし、この構成に限定するものではなく、縦筋11を支柱B或いは引抜き防止部材3の一部に溶接等の手段で固着しても良い。
【0055】
上記の如くして支柱Bの設置と配筋を行なうことが可能である。ここで、支柱Bの天板1のレベルを設定する作業は、前述したように、必ずしも配筋作業を実施する以前に行なう必要はなく、配筋作業を実施した後行なっても良いことは当然である。
【0056】
図4は、上記の如くして中通り及び外通りに夫々配置された支柱Bと鉄筋籠10及びコンクリート基礎梁Aとの関係を説明するものである。
【0057】
同図(a)は、中通りのコンクリート基礎梁Aに配置された支柱Bと鉄筋籠10の関係を示すものであり、支柱Bを幅方向の中央に配置すると共に該支柱Bを基準としてコンクリート基礎梁Aの幅方向に鉄筋籠10の縦筋10aを振り分けて構成されている。また同図(c)は支柱Bの構成が異なる以外は、(a)と同一の構成である。
【0058】
同図(b)は外通りのコンクリート基礎梁Aに配置された支柱Bと鉄筋籠10の関係を示すものであり、支柱Bはコンクリート基礎梁Aの外側に偏った位置に配置されるものの、鉄筋籠10はコンクリート基礎梁Aの略中央に配置されている。
【0059】
特に、全ての支柱Bを配置した後であってコンクリート基礎梁Aを構築するコンクリートを打設する以前に、支柱Bに受け梁7,下地梁8を接続しておくことが好ましい。予め支柱Bに受け梁7,下地梁8を接続しておくことで、個々の支柱Bの安定性を確保することが可能である。
【0060】
受け梁7は、外通りに配置された場合は外壁パネル5及び床パネル6を支持する機能を有し、中通りに配置された場合は床パネル6を支持する機能を有する。このため、受け梁7としては支持すべき外壁パネル5や床パネル6の重量に充分に耐え得る寸法を持ったH形鋼によって構成されている。
【0061】
また受け梁7及び下地梁8は、夫々のウエブと支柱Bの伝達部材2の片を突き合わせると共にプレート13をボルト,ナット14によって締結することで接続されている。
【0062】
受け梁7は床パネル6を支持するものであり、複数の床パネル6の端部が載置されるため、受け梁7には各床パネル6の荷重が作用して曲げが生じる。このため、受け梁7の長手方向の略中央の位置、或いは長手方向に複数の位置でコンクリート基礎梁Aに接続し、該コンクリート基礎梁Aによって受け梁7を支持することが好ましい。
【0063】
本実施例では、図2に示すように、受け梁7の略中央に受け梁支持部材15を配置し、この受け梁支持部材15によってコンクリート基礎梁Aの天端と受け梁7の下端を接続することで、受け梁7に作用する荷重をコンクリート基礎梁Aに伝達して支持し得るように構成されている。
【0064】
受け梁支持部材15は、受け梁7に対する取付部位に作用する力に対抗し得る強度と受け梁7を介して伝達される水平力に対抗し得る曲げ強度及び曲げ剛性を有することが必要であり、前記強度を発揮し得るものであれば形状を限定するものではない。
【0065】
このため、本実施例の受け梁支持部材15は、受け梁7の下端とコンクリート基礎梁Aの天端との間に形成される隙間の寸法に対応する長さを有し、長手方向の両端に夫々フランジ15aを形成した側面視がコ字状の本体と、フランジ15aをスチフナ15bによって接続して構成されている。
【0066】
受け梁支持部材15は、予め受け梁7の下フランジにボルト,ナット14によって或いは溶接によって固着され、自由端となる下側のフランジ15aには予めコンクリート基礎梁Aに埋設される埋込ボルト16を取り付けている。
【0067】
上記の如くして住宅の躯体を構成する柱Cの直下に支柱Bを配置して天端レベルを調整し、且つ隣接する支柱Bの間に夫々鉄筋籠10を配置すると共に、配置された鉄筋籠を縦筋11,帯筋12によって接続し、更に、隣接する支柱Bに間に受け梁7,下地梁8を配置すると共にプレート13によって接続した後、コンクリート基礎梁Aの設置位置に対応させて図示しない型枠を配置し、該型枠にコンクリートを打設する。
【0068】
型枠に対するコンクリートの打設によって、引抜き防止部材3を含む支柱B,PC板9,鉄筋籠10,受け梁支持部材15の下側のフランジ15aに取り付けた埋込ボルト16はコンクリート基礎梁Aの内部に埋設される。型枠に打設されたコンクリートは所定の養生期間を経過した後脱型され、これにより、前記各部材を埋設して一体化したコンクリート基礎梁Aが構成される。
【0069】
上記の如くしてコンクリート基礎梁Aを現場打ちコンクリートによって構成したとき、各支柱Bの天端レベルは予め設定された精度を保持しており、改めてレベル出しを行なうことなく、柱Cを取り付けることが可能である。同様に受け梁7のレベルも精度が保証され、柱Cの取り付けに引き続き外壁パネル5,床パネル7の取り付けを行なうことが可能である。
【0070】
上記構成に於いて、支柱Bは上部がコンクリート基礎梁Aの天端から突出し、また受け梁7は全体が露出し、該受け梁7とコンクリート基礎梁Aの天端との間に大きな隙間が形成され、前述したように、床下に設置した設備類や配管類の保守点検、或いは建物の保守点検を行なう際に作業員が容易に通過することが可能となる。
【0071】
しかし住宅として床下を常に開放した状態にしておくことは好ましくはない。このため、受け梁7に外壁パネル5を取り付ける際に化粧パネル16及びコーナーパネル17(図1参照)を取り付けている。
【0072】
化粧パネル16,コーナーパネル17によって受け梁7とコンクリート基礎梁Aとで構成された隙間を閉鎖するに際し、各パネル16,17を取り付ける構造は特に限定するものではない。例えば、化粧パネル16を支柱Bに取り付ける場合、図5に示すように、支柱Bの伝達部材2の片に形成した穴2aにボルト,ナット14によってブラケット18を取り付け、該ブラケット18に化粧パネル16を取り付けることが可能である。またコーナーパネル17も同様にして支柱Bに取り付けることが可能である。
【0073】
また化粧パネル16は軽量であることから、必ずしも直接支柱Bに取り付ける必要はなく、受け梁7のウエブ、或いは下フランジに図示しないステーを取り付けておき、このステーによって化粧パネル16を取り付けるように構成することも可能である。
【0074】
特に、床下の保守点検を行なうために、一部の化粧パネル16を外部から着脱し得るように構成する場合には、上記の如く受け梁7にステーを取り付けて該ステーに対し外部からボルトを締結することで、化粧パネルを着脱し得るように構成することが可能である。
【0075】
前述の第1実施例では、引抜き防止部材3を含む支柱Bを、現場打ちコンクリートによって構成したコンクリート基礎梁Aに埋設して構成したが、必ずしも支柱Bをコンクリート基礎梁Aに埋設する必要はない。
【0076】
次ぎに、支柱Bをコンクリート基礎梁Aの天端に載置して一体的に取り付けた第2実施例の構成について図6により説明する。尚、図に於いて、前述の第1実施例と同一の部分及び同一の機能を有する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0077】
図に於いて、コンクリート基礎梁Aに於ける支柱Bを取り付ける部位には、予めコンクリート基礎梁Aの低部にベースプレート20が配置され、該ベースプレート20に一端が取り付けられると共に他端がコンクリート基礎梁Aを高さ方向に貫通して突出したアンカーボルト21が埋設されている。そしてアンカーボルト21に支柱Bの伝達部材2に溶接したプレート状の引抜き防止部材3が締結されることで、支柱Bはコンクリート基礎梁Aに一体的に取り付けられている。
【0078】
従って、支柱Bに垂直力や水平力が作用した場合であっても、これらの力はアンカーボルト21,ベースプレート20を介してコンクリート基礎梁Aに伝達されて支持され、且つこれらの力によってコンクリート基礎梁Aが破壊したり、支柱Bが引き抜かれたり或いは倒れることがない。
【0079】
本実施例は、コンクリート基礎梁Aに支柱Bが埋設される構造ではない。このため、コンクリート基礎梁Aに埋設される鉄筋は必ずしも第1実施例に於ける鉄筋籠10である必要はなく、通常の現場打ちコンクリートと同様に現場で配筋して構成しても良い。
【0080】
また現場打ちコンクリートによって構成されたコンクリート基礎梁Aでは、天端レベルの精度は低い。このため、支柱Bを取り付ける際には、個々の支柱B毎にレベル出しが必須となる。この場合、例えば支柱B毎に取り付けた引抜き防止部材3の寸法と略等しい木枠を形成し、支柱Bをアンカーボルト21に挿通すると共に木枠を支柱Bとコンクリート基礎梁Aの周囲に配置しておき、支柱Bのレベル出しを行なうと共に木枠に非収縮性モルタルを充填することで、取付レベルを維持することが可能である。またこの方法に限定することなく、公知の技術を利用することで、各支柱Bのレベル出しを行なうと共にコンクリート基礎梁Aに取り付けることが可能である。
【0081】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明に係る基礎構造では、支柱に建物の躯体を構成する柱を取り付けた後、該柱に作用する垂直力や水平力に伴って支柱に圧縮力や引抜き力が作用した場合、これらの力を支柱を介してコンクリート基礎梁に伝達して支持することが出来、且つ支柱が倒れたり、コンクリート基礎梁を破壊して抜けるようなことがない。
【0082】
またコンクリート基礎梁に対して柱を支持する支柱を一体的に取り付けることで基礎を構成することが出来るため、躯体を構成する柱に比較して極めて寸法が小さく且つ軽量の支柱の天端レベルを調整することで、基礎としてのレベル出しが出来、作業が容易となる。特に、コンクリート基礎梁に直接柱を取り付けることなく、該柱の配置位置の設定、及び柱のレベル出しが出来るため、作業が容易となる。
【0083】
またコンクリート基礎梁は、地盤の地耐力や建物の重量、建物に作用することを想定した水平力等の条件に応じた幅寸法と高さ寸法を有する。このため、コンクリート基礎梁の断面は正方形,長方形を含む四角形となり、埋設する鉄筋の量を増やすことが可能となり、これに伴って耐力を増すことが出来る。このため、長期間使用した場合であってもクラックが入ることがなく、耐用年数を50年以上に設定したロングライフ住宅に適用したとき有利である。
【0084】
また支柱はコンクリート基礎梁の天端から突出して設置されており、このコンクリート基礎梁の天端と支柱の上端との間に間隙が形成される。このため、前記間隙から床下空間に入り込むことが可能となり、床下の保守点検時が容易となる。またベタ基礎構造ではないため、床下の深さがコンクリートによって規定されることがなく、床下収納やエレベーターを設置する際に納まりの検討を行なう必要がない。
【0085】
更に、鋼製基礎梁を用いた場合と比較して次の利点がある。即ち、鋼製梁とコンクリートを一体化させる必要がないため、鋼製梁に鉄筋を接続する作業等に係る作業が不要であり施工が簡単になる。また鋼製梁をコンクリートに埋め込む必要がなく、鋼の耐久性を確保するための処理が不要となる。鋼製梁を移動させることがないため重機を必要とせず、このためのコストを軽減することが出来、且つ鋼製梁に要する鉄の量を減らしてコストの削減をはかることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】基礎構造の全体構成を説明する斜視図である。
【図2】基礎構造及び該基礎の上部に構成される建物の一部との関係を説明する図である。
【図3】支柱の例を説明する図である。
【図4】支柱とコンクリート基礎梁とを一体化させる構造を説明する図である。
【図5】外壁の下部とコンクリート基礎梁との間を化粧する構成を説明する図である。
【図6】支柱とコンクリート基礎梁とを一体化させる構造の他の例を説明する図である。
【符号の説明】
A コンクリート基礎梁
Aa 脚部
B 支柱
C 柱
1 天板
1a,2a 穴
2 伝達部材
3 引抜き防止部材
4 接続板
5 外壁パネル
6 床パネル
7 受け梁
8 下地梁
9 PC板
10 鉄筋籠
10a,11 縦筋
10b,12 帯筋
13 プレート
14 ボルト,ナット
15 梁支持部材
15a フランジ
15b スチフナ
16 化粧パネル
17 コーナーパネル
18 ブラケット
20 ベースプレート
21 アンカーボルト

Claims (5)

  1. コンクリート基礎梁の少なくとも端部に住宅の柱を支持する支柱を取り付けるための脚部が設けらており、
    前記コンクリート基礎梁は、前記住宅を建築する地盤の地耐力、前記住宅の重量及び前記住宅に作用することが想定される水平力等の力に対抗するために最適な幅寸法と、予め設定された許容歪みの範囲以上の歪みを生じることのない断面形状を実現し得る高さ寸法と、を有する方形形状の断面を備え、且つ、前記コンクリート基礎梁の天端レベルはグランドレベルよりも高く設定されており、
    前記支柱は、
    前記柱を取り付けるための天板と、
    該天板に上端を固着して該天板に作用する引抜き力を受ける伝達部材と、
    該伝達部材の下端側に配置されて前記伝達部材に作用する前記引抜き力を前記コンクリート基礎梁の脚部に伝達する引抜き防止部材とを備え、
    前記引抜き防止部材は、少なくとも前記伝達部材の平面寸法よりも大きい寸法を有して前記コンクリート基礎梁の脚部に埋設され、前記伝達部材及び天板は前記コンクリート基礎梁の天端レベルよりも上方に位置して露出している
    ことを特徴とする住宅の基礎構造。
  2. コンクリート基礎梁の少なくとも端部に住宅の柱を支持する支柱を取り付けるための脚部が設けらており、
    前記コンクリート基礎梁は、前記住宅を建築する地盤の地耐力、前記住宅の重量及び前記住宅に作用することが想定される水平力等の力に対抗するために最適な幅寸法と、予め設定された許容歪みの範囲以上の歪みを生じることのない断面形状を実現し得る高さ寸法と、を有する方形形状の断面を備え、且つ、前記コンクリート基礎梁の天端レベルはグランドレベルよりも高く設定されており、
    前記支柱は、
    前記柱を取り付けるための天板と、
    該天板に上端を固着して該天板に作用する引抜き力を受ける伝達部材と、
    該伝達部材の下端側に配置されて前記伝達部材に作用する前記引抜き力を前記コンクリート基礎梁の脚部に伝達する引抜き防止部材とを備え、
    前記引抜き防止部材は、前記天板と略等しい寸法を持った複数の平板によって構成されており、これらの平板を前記伝達部材の下端部及び下端部から上方へ所定寸法離隔した位置に取り付けられて形成されて前記コンクリート基礎梁の脚部に埋設され、前記伝達部材及び天板は前記コンクリート基礎梁の天端レベルよりも上方に位置して露出している
    ことを特徴とする住宅の基礎構造。
  3. 前記引抜き防止部材は、前記コンクリート基礎梁の脚部を構成する鉄筋籠に包囲された状態で前記コンクリート基礎の脚部に埋設されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の住宅の基礎構造。
  4. 前記引抜き防止部材は、PC板に支持されており、該PC板も前記コンクリート基礎の脚部に埋設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の住宅の基礎構造。
  5. コンクリート基礎梁の少なくとも端部に住宅の柱を支持する支柱を取り付けるための脚部が設けらており、
    前記コンクリート基礎梁は、前記住宅を建築する地盤の地耐力、前記住宅の重量及び前記住宅に作用することが想定される水平力等の力に対抗するために最適な幅寸法と、予め設定された許容歪みの範囲以上の歪みを生じることのない断面形状を実現し得る高さ寸法と、を有する方形形状の断面を備え、且つ、前記コンクリート基礎梁の天端レベルはグランドレベルよりも高く設定されており、
    前記支柱は、
    柱を取り付けるための天板と、
    該天板に上端が固着され該天板に作用する力を受ける伝達部材と、
    該伝達部材の下端側に配置されると共に前記脚部に載置されて当該伝達部材に作用する前記力を前記コンクリート基礎梁の脚部に伝達する引抜き防止部材とを備え、
    前記コンクリート基礎の脚部には、下端部となる低部にベースプレートが配置されると共に、該ベースプレートに一端が取り付けられて他端が前記コンクリート基礎梁を高さ方向に貫通して突出したアンカーボルトが設けられており、前記引抜き防止部材は、当該アンカーボルトに締結されており、
    前記伝達部材及び天板は、前記コンクリート基礎梁の天端レベルよりも上方に位置して露出している
    ことを特徴とする住宅の基礎構造。
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