JP3086384B2 - 基礎構造及び基礎の施工方法 - Google Patents

基礎構造及び基礎の施工方法

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JP3086384B2 JP06270229A JP27022994A JP3086384B2 JP 3086384 B2 JP3086384 B2 JP 3086384B2 JP 06270229 A JP06270229 A JP 06270229A JP 27022994 A JP27022994 A JP 27022994A JP 3086384 B2 JP3086384 B2 JP 3086384B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築物の地盤に構築さ
れる基礎構造及び基礎の施工方法に関し、特に、束基礎
又は独立基礎を省略できる基礎構造及び基礎の施工方法
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】現場施
工に携わる熟練作業者の確保の困難性、工期の短縮及び
住宅品質の均一化等の見地から、住宅の工業化が進んで
いる。すなわち、工場にてできるだけ部品完成度を高
め、建築現場での作業項目を減少させるよう試みられて
いる。
【0003】この住宅の工業化として、建築物の基礎を
予め工場にてプレキャストしておき、このプレキャスト
(以下、PCと略記する)製基礎を用いて、建築現場に
て基礎を構築する方法が知られている。例えば1階の床
を支持するための基礎は、PC基礎施工法により図5に
示すようにして構築されていた。
【0004】すなわち、同図において、建物の外周位置
に外部布基礎80が構築され、これら外部布基礎80及
び内部布基礎82の上には、図示しない台輪が敷き込ま
れる。そして、これら外部布基礎80及び内部布基礎8
2の間には、束基礎84が構築され、この束基礎84の
上には、床受材86が取り付けられている。例えばパネ
ル公報においては、こうして構築された基礎の上に床パ
ネルを敷き込んで、床パネルの外端に半土台(図示せ
ず)を取り付けて1階の床部が構築される。
【0005】ここで、束基礎84は、床受材86を取り
付けて床パネルを支持するものであるが、この束基礎8
4を構築するには、割栗石を敷き込んだり、杭を打ち込
んだりしなければならないので手間がかかるものであっ
た。しかも、束基礎は、布基礎のように連続させずに点
在させるものであることからも、基礎地業が面倒であっ
た。さらに、多数の束基礎84一つずつについて、それ
ぞれ水平レベル調整を行う必要があり、その作業も煩雑
となっていた。
【0006】本発明は、上記した従来技術の問題点を解
決するためになされたものであって、その目的とすると
ころは、束基礎を省略して、基礎の構築作業を簡略化で
きる基礎構造及び基礎の施工方法を提供することにあ
る。
【0007】また、本発明の他の目的は、水平レベル調
整作業を簡略化しながらも、床梁の取り付け寸法精度の
向上が可能な基礎構造及び基礎の施工方法を提供するこ
とにある。
【0008】また、本発明のさらに他の目的は、基礎上
に載置される床との強固な接合固定を可能にし、かつ長
期間に亘る強い剛性を維持できる基礎構造及び基礎の施
工方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る基
礎構造は、建物の構築領域で地盤を連続的に掘削して形
成された根切り部に所定間隔で設置される複数のプレキ
ャストコンクリート底盤と、鉛直方向に直立して建物を
支持する立上部と、この立上部の下部から側方に突出す
るフーティング部と、を有し、前記プレキャストコンク
リート底盤間に平行に複数架設されるプレキャストコン
クリート基礎と、平行な前記プレキャストコンクリート
基礎の各々の前記フーティング部上に両端が載置される
ことで、平行な前記プレキャストコンクリート基礎間に
架設され、前記プレキャストコンクリート基礎間に配置
される床梁を支持するプレキャストコンクリート壁板
と、を有することを特徴とする。
【0010】請求項2の発明は、請求項1において、前
記プレキャストコンクリート壁板は、前記立上部の上面
とほぼ面一となる上端面と、この上端面より前記床梁の
厚さ分だけ切り欠いた切欠部と、を有し、前記プレキャ
ストコンクリート基礎間にて該基礎に平行に配置される
前記床梁を、前記切欠部にて支持することを特徴とす
る。
【0011】請求項3の発明は、請求項1において、前
記プレキャストコンクリート壁板は、前記立上部の上面
より前記床梁の厚さ分だけ低い上端面を有し、前記プレ
キャストコンクリート基礎間にて該基礎に直交して配置
される前記床梁を、前記上端面にて支持することを特徴
とする。
【0012】請求項4の発明は、請求項1乃至3のいず
れかにおいて、前記プレキャストコンクリート基礎は、
前記立上部の側面に、前記プレキャストコンクリート壁
板の端部を挿入する溝部を有することを特徴とする。
【0013】請求項5の発明は、請求項1乃至乃至4の
いずれかにおいて、前記プレキャストコンクリート壁板
は、その一方の側面より他方の側面に貫通する人道口を
有することを特徴とする。
【0014】請求項6の発明に係る基礎の施工方法は、
建物の構築領域で地盤を連続的に掘削して形成された根
切り部に所定間隔で複数のプレキャストコンクリート底
盤を設置する工程と、鉛直方向に直立して建物を支持す
る立上部と、この立上部の下部から側方に突出するフー
ティング部と、を有するプレキャストコンクリート基礎
を、前記プレキャストコンクリート底盤間に平行に複数
架設する工程と、平行な前記プレキャストコンクリート
基礎の各々の前記フーティング部の上に、プレキャスト
コンクリート壁板の両端を載置して、前記プレキャスト
コンクリート基礎と直角に前記プレキャストコンクリー
ト壁板を架設する工程と、を有することを特徴とする。
【0015】
【作用】請求項1及び6の各発明によれば、予め工場段
階において製造されたプレキャストコンクリート壁板を
建築現場において対向するフーティング部間に設置し、
床梁をプレキャストコンクリート壁板に取付固定すれ
ば、この床梁にて床を支持できるので、地業作業及び水
平レベル作業の繁雑な従来技術の束基礎や独立基礎を省
略することができ、束工事の他に地業、砕石締め固めを
することなどが不用となるため基礎工事の工程が短縮で
き、建築現場における基礎部構築作業をより簡略化かつ
迅速化できる。
【0016】また、プレキャストコンクリート底盤の水
平レベル調整を行えば、その上に設置されるプレキャス
トコンクリート基礎のフーティング部、すなわちプレキ
ャストコンクリート壁位置の取り付け面の水平レベルの
精度を確保できる。したがって、床梁を支持する基準面
を備えたプレキャストコンクリート壁板の水平レベル調
整が不要となり、あるいは簡略化される。
【0017】しかも、基礎部分をプレキャストコンクリ
ート基礎及び壁板により枠組状にすることが可能とな
り、床構面を小さくすることができるので、水平荷重及
び鉛直荷重に対する強度が強まり、かつ地盤上に支点を
つくることができ支点間距離が小さくなるので構造耐力
が強まり床荷重を安全に土台に伝えることができ、かつ
断熱性及び耐久性に優れる等の効果も期待できる。
【0018】また、プレキャストコンクリート壁板の配
置位置は、例えばパネル工法を採用する場合には、部屋
構造に適った床パネルの設置方向及び枚数に従って設定
することで、部屋構造に応じた構造耐力の強度を確保で
きる。
【0019】さらに、連続基礎のようにコンクリートで
連結しておらず、プレキャストコンクリート壁板をユニ
ット化し、各プレキャストコンクリート壁板を現場にて
組立接合するので、建築現場での部材点数が減り、施工
作業の簡略化が期待でき、かつ経済性に優れる。
【0020】請求項2及び3の各発明では、2つのプレ
キャストコンクリート基礎の間にて該基礎と平行にある
いは直交して配置される床梁を、プレキャストコンクリ
ート壁板によりそれぞれれ支持できる。
【0021】請求項4の発明によれば、プレキャストコ
ンクリート基礎の側面に溝部を形成することで、プレキ
ャストコンクリート壁板の位置決めが容易となり、しか
も、溝部内に打設することで基礎及び壁板の接合を強固
にできる。
【0022】請求項5の発明によれば、2つのプリキャ
ストコンクリート基礎内の空間を仕切るプレキャストコ
ンクリート壁板に人道口を設けることで、床部構築後の
配管、メンテナンス作業を可能としている。
【0023】
【実施例】以下、本発明に係る実施例について図面に基
づいて説明する。
【0024】実施例1 建築物構築領域に立ち上げ形成された基礎の構造の一部
において、床梁を外周布基礎に平行に配置する場合の基
礎構造を図1及び図2を用いて説明する。
【0025】図1は、実施例1に係る基礎構造の一部を
切り欠いた斜視図である。図2は、図1におけるPC布
基礎10上に床パネル40を載置した状態を示す斜視図
である。
【0026】図1には、予め工場段階で製造された2つ
のプレキャストコンクリート(以下PCと記す)布基礎
10が、相平行に構築されている状態が示されている。
なお、地盤を布堀りして形成された根切り部のコーナー
部及びこのコーナー部間の所定位置に、PC底盤(図示
せず)を複数設置させ、このPC底盤間にPC布基礎1
0が架設される。また、図1において例えば一方のPC
布基礎10は建築物の外周に沿って構築され、他方のP
C布基礎10は建築物の内部に構築されている。
【0027】前記PC布基礎10は、立上部12、溝部
14、及びフーティング部16を有する。
【0028】立上部12は、鉛直方向に直立して上端面
12bに建物を載置して支持するもので、所定の長さ及
び厚さで直方体形状に形成され、内部には図示しない補
強用の鉄筋が配筋され、コンクリートにて埋設され構成
されている。
【0029】溝部14は、相平行に立設された2つのP
C布基礎10の対向側面12a上に所定間隔で形成さ
れ、その溝幅は後述するPC壁板20の厚さより若干長
い幅に保てられ、後述するPC壁板20が填め込み可能
となっている。
【0030】フーティング部16は、立上部12を直立
させて支持するものであって、立上部12の両側面12
a及び12cの下端から側方に直角に突出して形成され
ている。このフーティング部16は、立上部12と一体
又は別体にて、補強筋入りコンクリートで構成され、そ
の上面16aは水平で滑らかな面となっている。また、
前記フーティング部16には、その上面16aに開口す
るコンクリート充填口18が形成されている。
【0031】コンクリート充填口18は、フーティング
部16の上面16aから下面に貫通する複数の矩形の穴
であって所定間隔に形成され、このコンクリート充填口
18からコンクリートを打設養生し固化させて、フーテ
ィング部16を地盤70に強固に固定できるようになっ
ている。
【0032】この相平行に立設されたPC布基礎10の
2辺間には、その両端がフーティング部16上に支持さ
れて架設されるPC壁板20が設けられている。また、
PC壁板20の両端は、PC布基礎10の溝部14に填
め込んである。
【0033】PC壁板20は、上述したPC布基礎10
と同様、PC製で直方体状の構造をなし、厚みがPC布
基礎10とほぼ同程度となっている。また、PC壁板2
0の高さは、フーティング部16の上端面16aからP
C布基礎10の上端面12bまでの距離と同一となって
いる。これにより、PC布基礎10の上端面12bとP
C壁板20の上端面20aが面一となる。そして、PC
壁板50の下端面は、滑らかな面となっているので、フ
ーティング部16の上端面16aに安定して載置できる
ようになっている。
【0034】前記PC壁板20の上端側面20aには切
欠部24が形成され、さらに、側面20bには人道口2
2が貫通形成されている。
【0035】前記切欠部24は、PC壁板20間に床梁
30を架け渡して設置できるようにするものである。本
実施例1では、切欠部24の切欠深さは、床梁30の厚
さと等しくされている。前記人道口22は、建築現場で
の施工作業前後において、人が出入できるように設けら
れているものである。さらに、図1では、切欠部24は
架設間距離のほぼ中心に設けられ、人道口22は前記中
心部分よりやや偏位した位置に設けられている。尚、人
道口22の位置は、この限りではなく、PC壁板20上
のどの位置でも複数個設けてもよい。また、その大きさ
も人の通行が可能であれば、どんな大きさでもよい。
【0036】PC布基礎10間に複数架設されたPC壁
板20間には、床梁30が架設されており、前記PC壁
板20の切欠部24に挿入され、取付ボルト34(アン
カーボルト等)により床梁30とPC壁板20とが取付
固定されている。
【0037】床梁30は、図2に示す床パネル40を支
持するために設けられており、材質は木材であってもよ
いが、近年の木材の価値高謄に鑑みて、複数の木片より
成る集成材、あるいはH形鋼などの鋼材を用いることが
できる。鋼材を用いた場合は、防蟻処理が不要であると
いう利点もある。
【0038】また、床梁30とPC壁板20との取付固
定は、PC壁板20の切欠部24に設けられた取付ボル
ト(アンカーボルト等)により、床梁30との取付固定
が容易に行えるようになっている。すなわち、床梁30
には、図1に示すように、数ヶ所に存在する切欠部又は
端部に取付板が設けられ、この取付板に形成された取付
穴に取付ボルト(アンカーボルト等)を挿通して、ナッ
トにて固定することで、床梁30をPC壁板20に取付
固定することができる。尚、ナットを用いる代わりに、
めねじが形成されたインサート部材をPC壁板20の切
欠部24の上端面に埋込み形成しておき、このめねじに
ボルトを螺合させて床梁30を取付固定するようにして
もよい。
【0039】この床梁30とPC壁板20との取付固定
により、床梁30の上面30aとPC壁板20の上面2
0aとは面一となり、床パネル40の支持面を形成す
る。なお、床梁30は、取り付け位置の領域が切り欠か
れ、床梁30の固定に用いるナット又はボルトの頭部
は、上面30aより上方に突出しないようになってい
る。
【0040】次に、PC壁板20間の距離と床パネル4
0の幅との関係を図1及び図2に基づいて説明する。
【0041】図1及び図2に示すように、床パネル20
の短辺の長さをA、長辺の長さをBとする。この時、2
つの相平行なPC壁板20間の距離をnA(ただし、n
は自然数)に設定しておくと、PC布基礎10及びPC
壁板20上にn枚の床パネル40を載置した際に、床パ
ネル40の幅Aに合わせることができ、床構面を小さく
することができるので基礎部分の構造耐力が強まる。ま
た、床梁30(大引き)の撓みを防ぐことができる。な
お、床梁30を従来通りの曲げ剛性とした場合、n=1
〜3に設定することが好ましい。
【0042】また、PC布基礎10に対して床パネル4
0の短辺Aを平行に設置する図2の場合には、床パネル
40の長辺距離Bの中心に床梁30がくるので、固定後
の構造耐力が強化される。なお、構造耐力を確保しよう
として、予めPC壁板20間距離を小さくする場合など
は、床パネル40の短辺寸法Aのn倍にPC壁板20間
距離を設定すればよい。
【0043】また、PC壁板20及びPC布基礎10を
枠組状にしてあるので水平荷重及び鉛直荷重に対する強
度が強まる支点を地盤上に確保でき、支点間距離が小さ
くなるので構造耐力が高まり、床荷重を安全に土台に伝
えることができる。
【0044】また、予めレベル調整された各PC部材
(この場合、PC布基礎10のフーティング部16)上
に、PC壁板30を置くので、床梁30を支持する支持
面の寸法精度が向上する。
【0045】また、連続基礎のようにコンクリートで連
結しておらず、PC壁板30をユニット化し、各PC壁
板30を現場にて組立接合するので、建築現場での部材
点数が減り、施工作業の簡略化が期待できる。
【0046】次に、本実施例に係る作用説明すなわち施
工方法を図1及び図2を用いて説明する。
【0047】予め工場段階でPC布基礎10及びPC壁
板20を製造し、建築現場へ輸送する。尚、PC布基礎
10及びPC壁板20は、予め工場段階で表面が処理さ
れた状態となっている。また、PC壁板20の長手方向
の長さは、床パネル40の長辺距離Bとほぼ等しくなる
よう工場段階で設定され、製造される。
【0048】建築現場において、地盤を布堀りして根切
り部を形成し、この根切り部のコーナー部及び所定位置
にPC底盤を設置する。
【0049】そして、このPC底盤を根切り部に設置す
るときには、このPC底盤の設置位置にモルタルの山を
載置し、このモルタルの山を潰すようにしてPC底盤を
載置する。そして、このPC底盤を掛矢等で叩いて所定
の高さで上面がほぼ水平になるよう調整作業を行う。な
お、この作業は、水糸や水準器やレーザー光線による水
準装置等を用いて水平レベルおよび高さを確認しながら
行う。
【0050】次にPC布基礎10をPC底盤間に架設す
る。この時、既にPC底盤は所定の高さで水平に設置さ
れているので、PC布基礎10は、ただPC底盤間に掛
け渡して設置するだけで所定の高さで水平になる。従っ
て、PC底盤の上面にPC布基礎の設置位置の墨出しを
行い、設置位置だけを確認しながら載置するだけでこの
PC布基礎の設置作業は完了する。よって、このPC布
基礎は、凹部の下端面を架設部としてPC底盤に載置で
きる。そして、隣接するPC布基礎同士を図示しない治
具にて結合し、この凹部の内部に鉄筋を配設してコンク
リートを打設し、PC布基礎同士を連結させ、建物の基
礎が構築される。
【0051】この時、一方のPC布基礎10と相平行に
設置される他方のPC布基礎10は、PC布基礎10間
ピッチが、床パネル40の長辺距離Bと等しくなるよう
に構築される。
【0052】また、PC布基礎10の下部には予め工場
段階でフーティング部16が一体的に形成されているの
で、建築現場でフーティングを構築する必要がなく、P
C布基礎10同様、フーティング部16の上端面も水平
で滑らかとなっている。
【0053】こうしてPC布基礎10が設置固定される
と、図1に示すように、PC壁板20を一方のPC布基
礎10と他方のPC布基礎10との間にて、かつ、各基
礎10のフーティング部16の上に設置する。
【0054】このとき、PC壁板20の両端は、PC布
基礎10の溝部14に填め込まれる。この後、PC壁板
20の両端は、PC布基礎10の溝部14にコンクリー
トを打設することで、PC布基礎10と固定される。そ
して、この固定作業は、PC布基礎10及びPC壁板2
0の設置後、床梁30の取り付け前に行うのが最も効率
的である。
【0055】具体的には、フーティング部16に形成さ
れたコンクリート充填口18にコンクリートを打設、養
生し固化する作業を行って、フーティング部16を地盤
70に固定するとともに、PC壁板20の下端部をもコ
ンクリートにて固定するだけで足りる。又、PC壁板2
0の下には、アンカーボルト又はアンカー鉄筋を突出さ
せて設けておき、これらをコンクリートと一体化させて
固定することが好ましい。
【0056】また、PC底盤にてPC布基礎10を架設
すると、地盤70とフーティング部16との間に隙間が
形成されるので、コンクリートを打設した時にこの隙間
から侵入しコンクリートが前記コンクリート充填口18
に下から満たされて、上端部から溢れ出たことを確認し
てコンクリートの充填確実に行うことができる。
【0057】この作業は、建築現場においてフーティン
グ全体を構築する作業と比較すると、打設するコンクリ
ートが少量なので養生期間も短期間で足り、コンクリー
ト打設、養生し固化すると、このフーティング部16を
地盤70にしっかりと固定することができる。
【0058】こうして、PC布基礎10とPC壁板20
の取付固定が行われた後に、前記PC壁板20の切欠部
24に床梁30を挿入設置し、PC壁板20間に床梁3
0を架設する。その後、アンカーボルト等により、PC
壁板20と床梁30とを接合固定する。
【0059】その後、図2に示すように、PC布基礎1
0、PC壁板20、及び床梁30の上に床パネル40を
接合固定する。この時、PC壁板20間距離が、床パネ
ル40の短辺距離Aのn倍(nは床パネルの枚数)に予
め設定されている。また、床パネルの取り付けは、取付
誤差を小さくために、建物の中心より行うとよい。
【0060】以上のように本実施例によれば、予め工場
段階において製造されたPC壁板20を建築現場におい
て対向するフーティング部16間に設置し、床梁30を
PC壁板20に取付固定すれば、この床梁30にて床を
支持できるので、図5の従来例に示すような束基礎84
や独立基礎を省略することができ、束工事の他に地業、
砕石締め固めをすることなどが不用となるため基礎工事
の工程が短縮でき、建築現場における基礎部構築作業を
より簡略化かつ迅速化できる。
【0061】また、図5に示す従来例のように束基礎や
独立基礎の水平レベル調整をPC布基礎と別個にしなけ
ればならなかったのに対し、本実施例ではPC布基礎1
0の水平レベル調整によって、PC壁板20の水平レベ
ル調整を兼用できる。すなわち、予め工場段階で寸法設
定されたPC布基礎10のフーティング部16の滑らか
な上面16aは、寸法精度が高いことに加えて、PC壁
板20を設置する前に、予め水平レベル調整されてい
る。このフーティング部16の上面16aに、プリキャ
ストされた寸法精度の高いPC壁板20を設置するの
で、PC壁板20の水平レベル調整は不要となる。この
ように、本実施例によれば、水平レベル調整の手間を簡
略化して作業効率の向上を図りながら、床梁30の支持
面の寸法精度を確保できる。
【0062】また、このPC壁板20の下部には、フー
ティング部が形成されておらず軽量なので、建築現場へ
の輸送が便利である。さらに、PC壁板20の配置位置
を、部屋構造に適った床パネルの方向及び枚数に従って
設定し、予め所定間隔で設けられたPC布基礎10の溝
部14に前記PC壁板20を填め込み固定することによ
って、部屋構造に応じた構造耐力の強度を確保できる。
また、床パネル40の短辺寸法Aのn倍にPC壁板20
間距離を設定すればよいので、床パネル40を有効に使
用することができ、経済性に優れる。なお、床梁30を
鋼材にした場合には、部材の強度が強化され、さらに構
造耐力が強まり、入手困難な木材に比べてコストの削減
を図ることができる。
【0063】実施例2 次に、本発明に係る実施例2について図面に基づいて説
明する。尚、前記実施例1と実質的に同様の構成を有す
る部材には同一の符号を符し、その詳細な説明を省略す
る。
【0064】建築物構築領域に立ち上げ形成された基礎
の構造の一部において、床梁を外周布基礎に直角に配置
する場合の基礎構造を図3及び図4を用いて説明する。
【0065】図3は、実施例2に係る基礎構造の一部を
切り欠いた斜視図である。図4は、図3におけるPC布
基礎10上に床パネル40を載置した状態を示す斜視図
である。
【0066】前記実施例1同様、2つの相平行なPC布
基礎10間に、PC壁板50が架設されている。 PC
壁板50は、PC布基礎10同様、PC製で直方体状の
構造をなし、厚みがPC布基礎10とほぼ同程度となっ
ている。また、その高さは、フーティング部16の上端
面16aからPC布基礎10の上端面12bまでの距離
よりも、床梁60の厚さを引いた距離となっている。こ
れにより、PC壁板50の上端面に床梁60を取付固定
した際に、PC布基礎10の上端面12bと床梁60の
上端面60aが面一となる。そして、PC壁板50の下
端面は、滑らかな面となっているので、フーティング部
16の上端面に安定して載置できるようになっている。
また、このPC壁板50にも、長手方向側面には人道口
52が設けられている。
【0067】次に、PC壁板50間の距離と床パネル4
0の幅との関係を図3及び図4に基づいて説明する。
【0068】図3及び図4に示すように、床パネル40
の短辺の長さをA、長辺の長さをBとする。この時、2
つの相平行なPC布基礎10間の配列ピッチをnA(た
だし、nは自然数)に設定しておくと、PC布基礎10
及びPC壁板50上にn枚の床パネル40を載置した際
に、床パネルの幅Aに合わせることができ、床構面を小
さくすることができるので基礎部分の構造耐力が強ま
る。特に、床梁30がPC壁板50上に取付固定されて
いるので、実施例1に比べてさらに強度が増す。
【0069】また、PC布基礎10に対して床パネル4
0の短辺Aを直角に設置する場合には、床パネル40の
長辺距離Bの両端部がPC壁板50に支持されるので、
固定後の構造耐力が強化される。逆に、構造耐力を確保
しようとして、予めPC布基礎10間距離を小さくする
場合などは、床パネル40の短辺寸法Aのn倍にPC布
基礎10間ピッチを設定すればよいので、床パネル40
を有効に使用することができる。
【0070】また、PC壁板50間距離を床パネル40
の長辺距離Bに合わせるか、或いは、長辺距離B以下に
することにより、さらに床構面を小さくすることがで
き、基礎部分の構造耐力が強まる。
【0071】本実施例における施工方法は、前記実施例
1と同様、予め工場段階で製造されたPC布基礎10及
びPC壁板50を、建築現場において組み立てるという
方法を採用している。
【0072】本実施例2における効果は、前記実施例1
と同様の効果を奏しながらも、床梁60下部にPC壁板
50があるので実施例1に比べてさらに強度が強まる。
【0073】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可
能である。例えば、本発明により構築される基礎の上の
床部の構築については、上記実施例のパネル工法以外の
工法を採用できることはいうまでもない。
【0074】
【発明の効果】請求項1〜6の各発明によれば、地業作
業、水平レベル調整作業がそれぞれ必要な束基礎、独立
基礎等を省略でき、現場施工を簡略化できる。また、基
礎部分を枠組状にすることが可能となり、床構面を小さ
くすることができるので、水平荷重及び鉛直荷重に対す
る強度が強まり、かつ地盤上に支点をつくることができ
支点間距離が小さくなるので構造耐力が高まるなどの効
果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る基礎構造の一部を切り
欠いた斜視図である。
【図2】図1におけるPC布基礎上に床パネルを載置し
た状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施例2に係る基礎構造の一部を切り
欠いた斜視図である。
【図4】図3におけるPC布基礎上に床パネルを載置し
た状態を示す斜視図である。
【図5】従来の基礎の概略斜視図である。
【符号の説明】 10 PC布基礎 12 立上部 14 溝部 16 フーティング部 18 コンクリート充填口 20、50 PC壁板 22、52 人道口 24 切欠部 30、60 床梁 34 取付ボルト 70 地盤

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物の構築領域で地盤を連続的に掘削し
    て形成された根切り部に所定間隔で設置される複数のプ
    レキャストコンクリート底盤と、 鉛直方向に直立して建物を支持する立上部と、この立上
    部の下部から側方に突出するフーティング部と、を有
    し、前記プレキャストコンクリート底盤間に平行に複数
    架設されるプレキャストコンクリート基礎と、 平行な前記プレキャストコンクリート基礎の各々の前記
    フーティング部上に両端が載置されることで、平行な前
    記プレキャストコンクリート基礎間に架設され、前記プ
    レキャストコンクリート基礎間に配置される床梁を支持
    するプレキャストコンクリート壁板と、 を有することを特徴とする基礎構造。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記プレキャストコンクリート壁板は、前記立上部の上
    面とほぼ面一となる上端面と、この上端面より前記床梁
    の厚さ分だけ切り欠いた切欠部と、を有し、前記プレキ
    ャストコンクリート基礎間にて該基礎に平行に配置され
    る前記床梁を、前記切欠部にて支持することを特徴とす
    る基礎構造。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記プレキャストコンクリート壁板は、前記立上部の上
    面より前記床梁の厚さ分だけ低い上端面を有し、前記プ
    レキャストコンクリート基礎間にて該基礎に直交して配
    置される前記床梁を、前記上端面にて支持することを特
    徴とする基礎構造。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかにおいて、 前記プレキャストコンクリート基礎は、前記立上部の側
    面に、前記プレキャストコンクリート壁板の端部を挿入
    する溝部を有することを特徴とする基礎構造。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至乃至4のいずれかにおい
    て、 前記プレキャストコンクリート壁板は、その一方の側面
    より他方の側面に貫通する人道口を有することを特徴と
    する基礎構造。
  6. 【請求項6】 建物の構築領域で地盤を連続的に掘削し
    て形成された根切り部に所定間隔で複数のプレキャスト
    コンクリート底盤を設置する工程と、 鉛直方向に直立して建物を支持する立上部と、この立上
    部の下部から側方に突出するフーティング部と、を有す
    るプレキャストコンクリート基礎を、前記プレキャスト
    コンクリート底盤間に平行に複数架設する工程と、 平行な前記プレキャストコンクリート基礎の各々の前記
    フーティング部の上に、プレキャストコンクリート壁板
    の両端を載置して、前記プレキャストコンクリート基礎
    と直角に前記プレキャストコンクリート壁板を架設する
    工程と、 を有することを特徴とする基礎の施工方法。
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