JP4446155B2 - グリッパおよびグリッパを備えた容器の搬送システム - Google Patents
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Description
このような従来のグリッパにおいては、容器の首部の直径に対応させた円弧形状を有する支持手段を備えたり、グリッパの挟持部分を円弧形状に形成することで、容器を安定的に保持するようになっている。
しかしながら、最近では首部の直径が大きく広口の容器が普及し始めたので、首部の直径が大小異なる複数種の容器に兼用可能なグリッパおよびそれを備えた容器の搬送システムが要望されているものである。
上記一対の保持部材のそれぞれに、フランジよりも上方側のねじ部と当接する当接部材を設け、各当接部材は、容器の口部の開口中心の移動軌跡を境とした上記回転ホイールの半径方向内方側と外方側とからねじ部に当接可能となっていることを特徴とするものである。
また、請求項3に記載した第2の本発明は、フランジが形成された容器の首部を、フランジよりも上方側で挟持する第1グリッパを有する第1搬送手段と、フランジよりも下方側で挟持する第2グリッパを有する回転ホイールを備えた第2搬送手段を備え、受け渡し位置において一方のグリッパから他方のグリッパへ容器を受け渡すようにした容器の搬送システムにおいて、
上記第1グリッパは、フランジとこれよりも上方側のねじ部との間の箇所を挟持するようになっており、また上記第2グリッパは、フランジよりも下方側で挟持する一対の保持部材と、各保持部材に設けられてフランジよりも上方側のねじ部と当接する当接部材とを備え、各当接部材は、容器の口部の開口中心の移動軌跡を境とした上記回転ホイールの半径方向内方側と外方側とからねじ部に当接可能となっていることを特徴とするものである。
上述した第2の本発明の容器の搬送システムによれば、第2グリッパは容器の首部をフランジよりも下方側で狭持する一対の保持部材と、該保持部材に設けられて容器のねじ部と当接する当接部材を備え、首部の直径が異なる容器を安定的に保持することができるものであって、第1グリッパはフランジとねじ部の間の箇所を狭持するよう構成したので、これらの第1グリッパと第2グリッパの間で支障なく容器を受け渡すことができる。
首部2Aの上端は口部2cとなっており、上記ねじ部2aに図示しないキャップを螺合することで、口部2cがキャップ内の天面に設けたシール部材と密着して、容器2内を密封できるようになっている。
なお、本実施例では供給コンベヤ4、排出コンベヤ6は、図示しない一対のレール上にフランジ2bを係合させて吊り下げ支持させた容器2を、エア噴流により推進させるエア搬送コンベヤにて構成している。
受け取り位置Aで第2グリッパ11に挟持された容器2は、フィラ3の回転によって導入ホイール5とは逆の回転方向へ搬送されるとともに、各第2グリッパ11ごとに設けた充填ノズル12によって所定量の充填液が充填され、引き渡し位置Bにおいて排出ホイール7が備える第1グリッパ8に受け渡される。引き渡し位置Bで排出ホイール7の第1グリッパ8に挟持された充填済の容器2は、排出ホイール7の回転によってフィラ3とは逆の回転方向へ搬送されて、排出位置Dにおいて排出コンベヤ6へ排出されるようになっている。
第1グリッパ8は対をなす第1の保持部材15a,15bを備えており、一方の保持部材15aの基部は、第1ホイール13に回転自在に設けた回転軸16の上端部に取り付けられ、他方の保持部材15bの基部は、第1ホイール13に回転自在に設けた回転軸17の上端部に取り付けられている。
また、保持部材15aと保持部材15bは、互いの基部に形成した側方への突出部を重ね合わせ、該突出部に設けた長孔に貫通させたピン18により互いに連結されており、保持部材15bが回転軸17を中心として回動されると、ピン18が第1ホイール13の半径方向前後へ移動し、これに伴なって保持部材15aが回転軸16を中心に保持部材15bとは反対の方向へ回動されて、両保持部材15a,15bが相互に連動して開閉動作が行われるようになっている。
保持部材15bが取り付けられた回転軸17の下端部には、水平方向に向けてレバー23を連結してあり、このレバー23と第1ホイール13に固定した支持ピン24とにわたって引っ張りばね25が設けられている。この引っ張りばね25によって、回転軸17は保持部材15bの先端を保持部材15aに接近させるように付勢され、ピン18により連結された保持部材15aもまた、その先端を保持部材15bに接近させるように付勢される。これにより第1グリッパ8の両保持部材15a,15bは、常時閉鎖する方向に付勢され、この付勢力によって容器2の首部2Aを挟持するようになっており、大小直径の異なる首部2Aを挟持することができる。
なお、一方の保持部材15aには、保持部材15aと保持部材15bの接近量を規制するストッパ26が設けられている。
このカム部材28におけるカムフォロワ27と係合するカム面28Aは、受け取り位置Aのような挟持している容器2を解放させる場合には、第1ホイール13の半径方向内方側へ後退したカムフォロワ27と係合しない状態から、半径方向外方側へ向けて膨出させて、移動するカムフォロワ27が係合して引っ張りばね25に抗してレバー23を強制的に半径方向外方側へ押し出すよう形成されている。これにより、第1ホイール13の回転に伴って移動される第1グリッパ8は、閉鎖状態から開放されて、挟持した容器2を解放するようになっている。
そして、導入位置Cのように容器2を挟持する場合には、上述のようにカム面28Aを第1ホイール13の半径方向外方側へ膨出させて、第1グリッパ8を最大に開放させた状態から、これが徐々に閉鎖されるようカム面28Aをカムフォロワ27と係合しなくなるまで、穏やかに半径方向内方側へ後退させて形成している。カムフォロワ27は引っ張りばね25の付勢によりカム面28Aに押圧されており、カム面28Aの後退に倣ってレバー23が半径方向外方側から内方へ引っ張られるので、各第1グリッパ8が徐々に閉鎖され、その間に容器2を挟持するようになっている。なお、図4では、受け取り位置Aに対応させたカム部材28の一部を図示し、導入位置Cに対応させたカム部材28の形状は不図示としている。また、排出ホイール7として用いる場合には、引き渡し位置Bに導入位置Cと同形状のカム部材28を用い、排出位置Dに受け取り位置Aと同形状のカム部材28を用いる。
以上の説明から理解できるように、本実施例においては、カムフォロワ27およびカム部材28によってカム機構14が構成されている。
すなわち、狭持している容器2の首部2Aの直径が小さい程、第1グリッパ8の開放度は小さく、カムフォロワ27は第1ホイール13の半径方向内方寄りに位置する。よって、大径の場合と小径の場合でカム部材28の位置が同じであると、小径である場合の方が早くカムフォロア27がカム面28Aに当接するので、所定の受け渡し位置よりも前で容器2を解放してしまうことになる。そこで、狭持している容器2の首部2Aが小径の場合には、大径である場合に比較して、カム部材28のカム面28Aを膨出させた部分を第1グリッパ8の進行方向下流側に位置させて、第1グリッパ8が解放動作を開始する位置を受け渡し位置に合わせる必要がある。また、第1グリッパ8に容器2を狭持させる場合についても、大径の場合と小径の場合でカム部材28の位置が同じであると、第1グリッパ8が最大に開放されてから徐々に閉鎖するよう動作される間に、大径である場合の方が早く容器2を狭持し小径の場合はこれよりも遅くなることになる。そこで、狭持する容器2の首部2Aが小径である場合には、大径である場合に比較して、カム部材28のカム面28Aを膨出させた部分を第1グリッパ8の進行方向上流側に位置させて、第1グリッパ8が狭持動作を開始する位置を受け渡し位置に合わせる必要がある。
この様な事情に鑑み、本実施例においてはカム部材28を第1グリッパ8の進行方向前後へ移動可能として位置を調節することで、第1グリッパ8による容器2の解放開始位置ならびに狭持開始位置を変更できるよう構成している。
つまり、第1ホイール13を回転自在に軸支する円筒状の固定体31の外周面に円盤状の支持部材31Aを設け、この支持部材31Aの外周部に第1ホイール13の回転方向に長い長穴31Bを形成し、この長穴31Bに下方から連結ボルト32を挿通させて、その先端をカム部材28に設けたネジ穴28Bに螺合させることで、支持部材31Aにカム部材28を固定するようにしている。
このような構成により、長穴31Bの範囲でカム部材28の固定位置を第1グリッパ8の進行方向前後へ変更することができる。
なお、カム部材28の位置を調節する機構はこれに限らず、公知の駆動機構を用いて自動化することも可能であり、また、第1グリッパ8による容器2の解放開始位置ならび狭持開始位置を変更する手段は、カム部材28を第1グリッパ8の進行方向前後へ移動させる他に、カム部材28のカム面28Aの位置をカムフォロワ27に向けて接近離隔させるよう、カム部材28を第1ホイール13の半径方向前後へ進退させることでも可能である。
第2グリッパ11は、第2ホイール34に円周方向等間隔で配置した一対の支持ブロック39、39と、各支持ブロック39、39に板ばね35、35を介して設けられた対をなす第2の保持部材21、21と、これら一対の保持部材21、21間にわたって設けられて、それらを相互に接近する方向へ付勢するコイルスプリング36とを備えている。この第2グリッパ11は、板ばね35の可撓性により一対の保持部材21、21を開閉動作させるよう構成したものであり、第1グリッパ8のように回転軸等の摺動箇所を備えておらず、洗浄が容易でサニタリー性に優れている。
これにより、上記一対の保持部材21、21の係合部21C、21Cによって容器2の首部2Aにおけるフランジ2bの下方側を挟持した際には、両当接部材22、22の当接部22B、22Bが、首部2Aのねじ部2aを挟んでこれに当接するようになっている。なお、当接部材22はねじ部2aを挟持し、または、常にねじ部2aに当接している必要はなく、当接可能であって容器2の姿勢が傾きかけたときに当接して規制できるものであっても良い。
また、第1グリッパ8が狭持する容器2を第2グリッパ11へ、また、第2グリッパ11が狭持する容器2を第1グリッパ8へ、互いに受け渡すことができるように、第1ホイール13により回転方向へ移動される第1グリッパ8の、一対の保持部材15a、15bの各係合部15Aの移動経路と、第2ホイール34により回転方向へ移動される第2グリッパ11の、一対の保持部材21、21の各係合部21Aの移動経路が、受け渡し位置(第2搬送手段における受け取り位置A、引き渡し位置B)において重なるよう、第1グリッパ8を支持する第1ホイール13と第2グリッパ11を支持する第2ホイール34の水平方向の位置を設定している。さらに、第1グリッパ8の保持部材15a、15bと第2グリッパ11の保持部材21、21および当接部材22、22が、受け渡し位置で干渉することがないよう各部の寸法が設定されており、第1グリッパ8の保持部材15a、15bの係合部15Aの厚さと、保持部材21と当接部材22の上下方向の間隔は、保持部材21と当接部材22の間で第1グリッパ8の保持部材15a、15bが開閉動作可能な寸法に設定されている。なお、第1グリッパ8と第2グリッパ11が、同期して同時に受け渡し位置に位置されるように第1搬送手段および第2搬送手段が構成されていることは言うまでもない。
受け取り位置Aに到達した後は互いに水平方向へ離れるよう移動し、第1グリッパ8はカム機構14の作用によって保持部材15a、15bを開放させる。これにより、容器2は第1グリッパ8から解放され、第2グリッパ11によりフランジ2bの下方側の首部2Aを、板ばね35およびコイルスプリング36の付勢力により狭持されて吊り下げ支持された状態となる。なおこの際、第1グリッパ8で狭持している首都2Aの直径の大小に係わらず、第2グリッパ11の一対の保持部材21、21は、その首部2Aの直径に応じて拡開されて、保持部材21、21のV字形状をした係合部21Cが、図5に示す1点鎖線Fを境とした半径方向内方側と外方側に、その進行方向前後から当接して首部2Aを狭持するので、容器2を安定的に保持することができる。
また、第2グリッパ11は、第1グリッパ8のカム機構14のような開閉作動させるための手段を備える必要がないことで、首部2Aの直径が異なる容器2に柔軟に対応できる半面、第2グリッパ11のように狭持力を高めることはできない。そのため、第1ホイール13による回転方向への移動によって狭持した容器2に遠心力が生じて、容器2の胴部2Bが半径方向外方へ振られ、容器2が傾いて十分な保持ができなくなるおそれがあり、特に、空の容器2よりも充填液が充填されて重量が増した容器2の方がその可能性が高い。
そこで、本発明では、第2グリッパ11は首部2Aをフランジ2bの下方側で狭持することで、保持部材21の係合部21Cの部分に相当する薄肉部21Bの上面でフランジ2bを下方側から支持できるものとし、さらに、保持部材21にねじ部2aに当接する当接部材22を設けて、首部2Aの直径に係わらずねじ部2aに当接して容器2が振れて傾くことを防止するようにしたものである。また、この当接部材22の当接部22BはV字形状に形成してあるので、図5に示す1点鎖線Fを境とした半径方向内方側と外方側からねじ部2aに当接することができ、特に、内方側に当接することで遠心力により胴部2Bが半径方向外方側へ振られて、ねじ部2aが内方側へ向けて傾くことを阻止することができる。さらに、この当接部材22を第2グリッパ11を構成する保持部材21に設けたので、第2グリッパ11を首部2Aの直径が異なる容器2に兼用させても、直径の大小に係わらず保持部材21、21の開放度に応じて常にねじ部2aに適切に当接させることができる。
すなわち、第2グリッパ11は支持ブロック39により全ての構成部品が支持されているので、支持ブロック39をロードセル等の計測手段の重量入力部に取り付けることで容易にウエイトフィラを構成することができる。
具体的には、図7に示すように、3Aはロータリタイプのウエイトフィラであって、フィラ3の場合と同様の第2ホイール34の外周部に、円周方向等間隔で複数のロードセル40を配置している。このロードセル40は重量入力部としての荷重印加ロッド40aを、第2ホイール34の半径方向外方側に突出させて備えており、荷重印加ロッド40aに掛かる下方への荷重を計測するようになっている。そして、この荷重印加ロッド40aに支持ブロック39を固定することで、半径方向外方側に向けて第2グリッパ11を取り付ける。なお、この場合に、支持ブロック39は既に説明した対をなす形態ではなく一体化してもよい。
これにより、第2グリッパ11に容器2の首部2Aを狭持させ、充填ノズル12から流下される充填液の重量を計測することで、所定重量の充填を行うことができる。なお、第2グリッパ11のその他の構成は既に説明したものと同一であり、また、ウエイトフィラ3Aの第2搬送手段としての構成はフィラ3の場合と変わりはないので、これらの詳細な説明はここでは省略する。
2A…首部 2a…ねじ部
2b…フランジ 3…フィラ(第2搬送手段)
5…導入ホイール(第1搬送手段) 8…第1グリッパ
11…第2グリッパ 15a…保持部材
15b…保持部材 15A…係合部
21…保持部材 21C…係合部
22…当接部材 22B…当接部
Claims (3)
- フランジが形成された容器の首部を、フランジよりも下方側で挟持する一対の保持部材を備え、回転ホイールに設けられて容器を吊り下げ状態で回転方向に搬送するグリッパにおいて、
上記一対の保持部材のそれぞれに、フランジよりも上方側のねじ部と当接する当接部材を設け、各当接部材は、容器の口部の開口中心の移動軌跡を境とした上記回転ホイールの半径方向内方側と外方側とからねじ部に当接可能となっていることを特徴とするグリッパ。 - 上記両保持部材の対向面に、容器の首部と係合可能なV字形状の係合部を形成したことを特徴とする請求項1に記載のグリッパ。
- フランジが形成された容器の首部を、フランジよりも上方側で挟持する第1グリッパを有する第1搬送手段と、フランジよりも下方側で挟持する第2グリッパを有する回転ホイールを備えた第2搬送手段を備え、受け渡し位置において一方のグリッパから他方のグリッパへ容器を受け渡すようにした容器の搬送システムにおいて、
上記第1グリッパは、フランジとこれよりも上方側のねじ部との間の箇所を挟持するようになっており、また上記第2グリッパは、フランジよりも下方側で挟持する一対の保持部材と、各保持部材に設けられてフランジよりも上方側のねじ部と当接する当接部材とを備え、各当接部材は、容器の口部の開口中心の移動軌跡を境とした上記回転ホイールの半径方向内方側と外方側とからねじ部に当接可能となっていることを特徴とするグリッパ。
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