JP4445747B2 - 樹脂成形品及びその成形方法並びにその型内塗装成形用金型 - Google Patents

樹脂成形品及びその成形方法並びにその型内塗装成形用金型 Download PDF

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本発明は、ドアピラーガーニッシュ、ドアモール、バンパー等の車両用外装材、車両内装用スイッチ、オーディオカバー等のような、基材の表面に塗膜を有する樹脂成形品及びその成形方法並びにその型内塗装成形用金型に関するものである。
従来、上記のような樹脂成形品は、型内塗装成形用金型を用い、射出成形法の1つであるインモールドコート法によって成形されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。すなわち、型内塗装成形用金型は、固定型と移動型とを備え、これら固定型及び移動型を型締めすることにより、その内部に1次キャビティが形成されるよう構成されている。樹脂成形品を構成する基材は、この1次キャビティに合成樹脂を充填し、該合成樹脂を固化させることで成形されている。基材を成形した後は、固定型に基材が保持されたままの状態で、固定型に対して移動型がスライド移動されることにより、型内塗装成形用金型の内部に2次キャビティが形成されるよう構成されている。樹脂成形品を構成する塗膜は、この2次キャビティに塗料を注入し、固定型及び可動型を型締めする等した後、該塗料を硬化させることで成形されている。
特開平6−79752号公報 特開平7−290504号公報
ところで、上記従来の型内塗装成形用金型において、塗料を注入する塗料注入路は基材の表面側、つまりは基材に対して塗膜が成形される側へ開口するように設けられている。一方、前記塗料には主に熱硬化性樹脂からなるものが使用されており、同塗料を硬化させるためには、型内塗装成形用金型のうち塗料へ直接的に接触する部分、つまり基材の表面側となる箇所を加熱する必要がある。しかし、このように基材に対して塗膜と塗料注入路とが同じ表面側に配設されている場合、加熱によって塗料注入路内に充填された塗料までもが硬化されてしまうおそれがあり、硬化した塗料によって塗料注入路が詰まり、塗膜の成形不良が生じやすくなるという問題があった。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、塗膜の成形不良を抑制することが可能な樹脂成形品及びその成形方法並びにその型内塗装成形用金型を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の型内塗装成形用金型の発明は、基材の表面に塗膜を有する樹脂成形品を成形する型内塗装成形用金型であって、固定型と基材成形型と塗膜成形型とを備え、前記固定型及び前記基材成形型により形成される1次キャビティ内に熱可塑性樹脂を充填し、該熱可塑性樹脂を冷却固化させることによって前記基材が成形され、該基材が前記固定型のキャビティ面に保持された状態で前記固定型と前記塗膜成形型とを型締めすることにより前記基材及び前記塗膜成形型の間に形成される2次キャビティ内に熱硬化性樹脂からなる塗料を充填し、該塗料を加熱硬化させることによって前記塗膜が成形されるように構成されるとともに、前記塗料を注入する塗料注入路を前記基材の裏面側となる前記キャビティ面で開口するように前記固定型に設け、前記基材の成形時には該塗料注入路と対応する位置で該基材を貫通するように導入孔を形成することにより、前記塗膜の成形時には該導入孔を介して前記塗料注入路から2次キャビティ内へ前記塗料が充填されるように構成されることを要旨とする。
上記構成の発明においては、塗膜を形成する塗料が熱硬化性樹脂からなるものであることから、塗膜の成形時に該塗料を加熱硬化させる必要がある。当該発明の型内塗装成形用金型においては、2次キャビティ内で塗膜は基材の表面に成形されるとともに、塗料を注入するための塗料注入路は基材の裏面側に配設されている。また、基材の成形時において、該基材の塗料注入路と対応する位置には、導入孔が同基材を貫通するように形成されており、基材の裏面側から注入された塗料は、当該導入孔を介して基材の表面へ充填されるように構成されている。すなわち、塗膜を成形するための2次キャビティと、塗料を注入するための塗料注入路とは、基材を挟んで互いに反対側となるように配設されている。従って、塗料を硬化させるために熱を加えても、同熱による影響が塗料注入路の内部まで伝わりにくく、塗料注入路内における塗料の硬化を抑制することが可能である。その結果、塗料注入路が詰まる等によって発生する塗膜の成形不良を抑制することができる。
また、移動型として基材成形型と塗膜成形型という異なる2つの型を用い、固定型に対してこれらを移動させつつ交換することにより、1次キャビティ又は2次キャビティが形成されるように構成されている。従来の型内塗装成形用金型では、固定型に対して移動型をスライド移動させることにより2次キャビティを形成していた。すなわち、従来の型内塗装成形用金型で2次キャビティは、1次キャビティを移動型がスライド移動される方向へ拡げることによって形成されたものであり、移動型のキャビティ面によって成形される基材の表面形状と塗膜の表面形状とが同一となる。これに対し、本発明では、2次キャビティの形成時に固定型に対して移動型が基材成形型から塗膜成形型へと交換される。その結果、基材成形型のキャビティ面によって成形される基材の表面形状と、塗膜成形型のキャビティ面によって成形される塗膜の表面形状とを異なる形状とすることができる。
請求項に記載の型内塗装成形用金型の発明は、請求項に記載の発明において、前記基材の成形時において、前記塗料注入路をその内部から閉塞する閉塞手段を設けたことを要旨とする。
上記構成の発明においては、基材の成形時において、前記閉塞手段により塗料注入路を閉塞することが可能である。その結果、塗料注入路に熱可塑性樹脂が入り込み、固化することで塗料注入路が詰まることを抑制することができる。
請求項に記載の型内塗装成形用金型の発明は、請求項1又は請求項に記載の発明において、前記塗料注入路に前記塗料を充填する塗料注入ノズルを設け、当該塗料注入ノズルを断熱材から形成するとともに、当該塗料注入ノズルには、その内部に充填された塗料を冷却する冷却手段を設けたことを要旨とする。
上記構成の発明においては、塗料注入ノズルを断熱材で形成し、さらに冷却手段を設けたことにより、塗料注入ノズル内の塗料に対する伝熱を好適に遮ることが可能である。その結果、塗料注入ノズル内における塗料の硬化を好適に抑制することができる。
請求項に記載の型内塗装成形用金型の発明は、請求項に記載の発明において、前記塗料注入ノズルは、その先端部が前記1次キャビティ内へ露出するように配設されるとともに、該塗料注入ノズルの先端面に溝部又は突部を設け、前記基材の成形時には該溝部の内部又は突部の周囲に熱可塑性樹脂が充填されることを要旨とする。
上記構成の発明においては、基材の成形時に溝部の内部又は突部の周囲に充填された熱可塑性樹脂が固化することにより、当該固化した熱可塑性樹脂で塗料注入ノズルの先端と基材との間に形成される隙間をシールすることが可能となる。その結果、当該隙間からの塗料の浸出を抑制することができる。
請求項に記載の型内塗装成形用金型の発明は、請求項又は請求項に記載の発明において、前記移動型のキャビティ面には前記導入孔を形成するためのコア部材を突設するとともに、前記基材の成形時には該コア部材の先端を前記塗料注入ノズルの先端に接触させることを要旨とする。
上記構成の発明においては、基材の成形時において、導入孔を形成するコア部材で塗料注入路を閉塞することが可能である。その結果、塗料注入路と導入孔との位置ずれを抑制することができるとともに、塗料注入路に熱可塑性樹脂が入り込み固化することで詰まることを抑制することができる。
請求項に記載の型内塗装成形用金型の発明は、請求項に記載の発明において、前記塗料注入ノズルは、その先端部が前記固定型の内部に位置するように配設されるとともに、該塗料注入ノズルの先端部には、該先端部と固定型との間をシールするOリングを嵌着したことを要旨とする。
上記構成の発明においては、塗料注入ノズルを熱の影響が伝わりにくい固定型の内奥に配設することが可能であるとともに、該塗料注入ノズルの先端部に嵌着されたOリングで塗料注入ノズルの先端と固定型との間に形成される隙間をシールすることが可能となる。その結果、熱の影響による塗料の硬化及び該隙間からの塗料の浸出を抑制することができる。
請求項に記載の型内塗装成形用金型の発明は、請求項又は請求項に記載の発明において、前記移動型のキャビティ面には前記導入孔を形成するためのコア部材を該キャビティ面から出没可能に設けるとともに、該コア部材が移動型のキャビティ面から出現した状態で該コア部材の先端が前記塗料注入路に挿入されることを要旨とする。
上記構成の発明においては、基材の成形時において、導入孔を形成するコア部材で塗料注入路を閉塞することが可能である。その結果、塗料注入路と導入孔との位置ずれを抑制することができるとともに、塗料注入路に熱可塑性樹脂が入り込み固化することで詰まることを抑制することができる。
請求項に記載の型内塗装成形用金型の発明は、請求項又は請求項に記載の発明において、前記固定型のキャビティ面で前記塗料注入路の周縁に溝部又は突部を設け、前記基材の成形時には該溝部の内部又は突部の周囲に熱可塑性樹脂が充填されることを要旨とする。
上記構成の発明においては、基材の成形時に溝部の内部又は突部の周囲に充填された熱可塑性樹脂が固化することにより、当該固化した熱可塑性樹脂で固定型のキャビティ面で開口する塗料注入路と基材との間に形成される隙間をシールすることが可能となる。その結果、当該隙間からの塗料の浸出を抑制することができる。
請求項に記載の樹脂成形品の発明は、固定型と基材成形型と塗膜成形型とを備える型内塗装成形用金型を用いて成形され、前記固定型及び前記基材成形型により形成される1次キャビティ内で成形された基材と、該基材が前記固定型のキャビティ面に保持された状態で前記固定型と前記塗膜成形型とを型締めすることにより前記基材及び前記塗膜成形型の間に形成される2次キャビティ内で成形された塗膜とを有する樹脂成形品であって、前記基材は該熱可塑性樹脂から成形されたものであり、前記塗膜は熱硬化性樹脂からなる塗料から成形されたものであるとともに、前記基材を貫通する導入孔を該基材に形成し、該導入孔を介して前記塗料を前記基材の裏面側から表面へ注入したことを要旨とする。
上記構成の発明においては、塗膜を形成する塗料が熱硬化性樹脂からなるものであることから、塗膜の成形時に該塗料を加熱硬化させる必要がある。当該発明では塗膜を成形するための2次キャビティと、塗料を注入するための塗料注入路とは、基材を挟んで互いに反対側となるように配設されている。従って、塗料を硬化させるために熱を加えても、同熱による影響が2次キャビティへ充填される前の塗料まで伝わりにくく、塗料が充填前に硬化することを抑制することが可能である。その結果、塗膜の成形不良を抑制することができる。
請求項1に記載の樹脂成形品の成形方法の発明は、固定型と基材成形型と塗膜成形型とを備える型内塗装成形用金型を用い、基材の表面に塗膜を有する樹脂成形品を成形する成形方法であって、前記固定型及び前記基材成形型により形成される1次キャビティ内に熱可塑性樹脂を充填して前記基材を予め成形した後、該基材が前記固定型のキャビティ面に保持された状態で前記固定型と前記塗膜成形型とを型締めすることにより前記基材及び前記塗膜成形型の間に形成される2次キャビティ内に熱硬化性樹脂からなる塗料を注入して前記塗膜を成形するとともに、前記基材の成形時には該基材を貫通するように同基材に導入孔を形成し、前記塗膜の成形時には該導入孔を介して前記塗料を前記基材の裏面側から表面へ注入することを要旨とする。
上記構成の発明においては、塗膜を形成する塗料が熱硬化性樹脂からなるものであることから、塗膜の成形時に該塗料を加熱硬化させる必要がある。当該発明では塗膜を成形するための2次キャビティと、塗料を注入するための塗料注入路とは、基材を挟んで互いに反対側となるように配設されている。従って、塗料を硬化させるために熱を加えても、同熱による影響が2次キャビティへ充填される前の塗料まで伝わりにくく、塗料が充填前に硬化することを抑制することが可能である。その結果、塗膜の成形不良を抑制することができる。
以上詳述したように、本発明によれば、塗膜の成形不良を抑制することが可能な樹脂成形品及びその成形方法並びにその型内塗装成形用金型を提供することができる。
以下、本発明の樹脂成形品をドアピラーガーニッシュに具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、ドアピラーガーニッシュ21は、自動車のドア11のドアピラー部12に、その車外側全体を覆うように取り付けられるものである。すなわち、当該ドアピラーガーニッシュ21は、前記ドアピラー部12に対応する形状であって、同ドアピラー部12の外表面に沿う薄板形状に形成されている。
図2(a),(b)に示すように、樹脂成形品は、成形品本体部である前記ドアピラーガーニッシュ21と、その端部に形成された余剰部であるタブ部22とを有している。すなわち、前記ドアピラーガーニッシュ21は、当該樹脂成形品から前記タブ部22を切除することによって形成されたものである。なお、樹脂成形品は、前記タブ部22の他、ランナー部等の余剰部を有している場合もある。そこで、この実施形態中では、成形品本体部と余剰部とを有するものを樹脂成形品とする。
前記樹脂成形品は、熱可塑性樹脂からなる基材23と、塗料からなる塗膜24とを有している。この塗料は、熱硬化性樹脂からなるものであり、顔料を含むものである。なお、塗膜に透明性が要求される場合には、顔料を含まない塗料が使用される。前記塗膜24は、前記基材23の表面25を略均一の厚さで被覆するように形成されている。ここで、基材23の表面25とは、前記ドアピラー部12に前記ドアピラーガーニッシュ21が取り付けられた状態で車外側となる面を示す。また、前記表面25とは反対側となる基材23の裏面26には塗膜24が設けられておらず、該裏面26では基材23の地肌が露出されている。当該ドアピラーガーニッシュ21は、基材23の表面25に設けられた塗膜24によって、意匠性の向上と表面25の保護とが図られている。
一方、前記タブ部22においては、裏面26の略中央に凹部27が凹設されている。この凹部27の内部には円環状のシール部27aが設けられている。さらに、このシール部27aの中心には、導入孔28が基材23を貫通して形成されている。前記塗膜24は、該導入孔28を介して塗料が基材23を貫通するように、同基材23の裏面26側から表面25へ注入されて形成されたものである。また、該導入孔28の表面25側の開口は、タブ部22の表面25で略中央に突設された円錐台状の凸部29により塞がれている。この凸部29は、該塗膜24の成形時において、塗料が硬化して形成されたものである。
前記塗料には、液状熱硬化型組成物からなるものが使用される。一般的に塗料は有機溶剤、水等の揮発成分を含有している。しかし、密閉された型内塗装成形用金型の内部で揮発成分が存在する場合、塗膜の成形不良が発生する場合がある。そこで、液状熱硬化型組成物からなる塗料においては、所定の揮発成分を含まないもの、すなわち、沸点が型内塗装成形用金型の設定温度以下の揮発成分を含まないものが用いられる。
次に、上記樹脂成形品を成形する型内塗装成形用金型の構成を説明する。
図3及び図4に示すように、当該型内塗装成形用金型は、固定型41と、移動型としての基材成形型42及び塗膜成形型43とを備えている。前記固定型41は、凹凸状をなす固定用キャビティ面44を有している。この固定用キャビティ面44は、前記基材23の裏面26の形状に対応した形状となるように形成されている。前記基材成形型42は、凹状をなす基材用キャビティ面45を有している。この基材用キャビティ面45は、前記基材23の表面25の形状に対応した形状となるように形成されている。前記塗膜成形型43は、凹状をなす塗膜用キャビティ面46を有している。この塗膜用キャビティ面46は、前記塗膜24の表面の形状に対応した形状となるように形成されている。
そして、前記固定型41と基材成形型42とを用いて型締めすることにより、固定型41及び基材成形型42の間には、前記基材23に対応した形状の1次キャビティ47が形成されている。前記基材成形型42は、前記1次キャビティ47に連通するスプル48を有している。前記1次キャビティ47内には、当該スプル48を介して基材23を成形する熱可塑性樹脂が充填されるように構成されている。
一方、図4中に鎖線で示したように、前記固定型41の固定用キャビティ面44上に基材23を保持した状態で、該固定型41と前記塗膜成形型43とを用いて型締めすることにより、基材23及び塗膜成形型43の間には、前記塗膜24に対応した形状の2次キャビティ51が形成されている。前記固定型41は、当該2次キャビティ51へ前記塗料を充填するための塗料注入ノズル52を有している。また、前記基材成形型42は、該塗料注入ノズル52と対応する位置にコア部材53を有している。このコア部材53は、シリンダ部54と、同シリンダ部54の先端に取着されたコアピン55とから構成されている。該コアピン55は、前記シリンダ部54の作動により、前記基材用キャビティ面45から出没可能に構成されている。そして、該コアピン55を基材用キャビティ面45から出現させるとともに、該コアピン55の先端を前記塗料注入ノズル52に接触させた状態で、前記スプル48から熱可塑性樹脂が充填されることにより、前記基材23に前記導入孔28が形成される。
ここで、前記塗料注入ノズル52の構成を説明する。
図5に示すように、前記塗料注入ノズル52は、箱状をなすケース61と、同ケース61に内装されたノズル本体62とを有している。
前記ケース61は、前記塗料を加熱硬化させる際、固定型41からノズル本体62への伝熱を抑制するために設けられたものである。従って、当該ケース61は、セラミックス、チタン合金、ステンレス鋼、エンジニアリングプラスチック等の断熱材から形成されている。該ケース61は、該ノズル本体62を下方から覆う第1カバー63と、該ノズル本体62を上方から覆う第2カバー64とから構成されており、これら第1カバー63及び第2カバー64でノズル本体62を上下から挟み込むように設けられている。該第1カバー63の上端周縁からはフランジ63aが突設されており、塗料注入ノズル52は、該フランジ63aを介し図示しないボルト等によって固定型41に固着されている。また、図3及び4に示したように、前記第2カバー64と固定型41との間には、間隙からなる空気層64aが設けられており、断熱効果が高められている。この空気層64aを該第2カバー64の周囲に設けた理由は、塗料注入ノズル52において、第2カバー64が設けられた部分が固定用キャビティ面44に近く、熱の影響を受けやすいためである。また、当該ケース61においては、熱の影響を考慮し、第2カバー64、第1カバー63の順に断熱効果の高い断熱材で形成することが好ましい。
前記ノズル本体62は、前記ケース61と同様に断熱材を用いて筒状に形成されている。該ノズル本体62は、その先端部が前記2次キャビティ51内へ露出するように配設されており、前記熱の影響を受けやすいものとなっている。従って、該ノズル本体62の先端部は、特に断熱効果の高い断熱材から形成された遮熱部62aとして構成されている。
当該ノズル本体62の内部には、前記塗料を前記2次キャビティ51へ注入するための塗料注入路71がL字状をなすように形成されている。該塗料注入路71の一端は、前記遮熱部62aに達し、前記基材23の裏面26を成形する固定用キャビティ面44で開口されることにより、塗料射出口72を構成している。該塗料注入路71の他端は、第1カバー63に達し、同第1カバー63を貫通して開口されることにより、塗料供給口73を構成している。そして、該塗料供給口73から供給された塗料は、塗料注入路71を流通し、塗料射出口72から射出されるように構成されている。また、前記遮熱部62aの先端面で当該塗料射出口72の周縁には、溝部74が該塗料射出口72を内側に囲い込むように環状に凹設されている。なお、前記塗料注入路71の一端部は、塗料射出口72へ向かうにつれ縮径するテーパ状に形成されている。
該ノズル本体62の外周面には、上下一対の環状溝が凹設されており、環状溝と前記第2カバー64とで囲まれた内側に冷却室81がそれぞれ形成されている。該冷却室81には、図示しない冷媒供給路から水、冷風等の冷媒が供給されている。これら冷却室81、冷媒供給路等により冷却手段が構成されている。当該冷却手段は、前記冷却室81で冷媒を流通させることにより、前記塗料注入路71に充填されてその内部を流通する塗料に対する前記ケース61等からの伝熱を遮断するものである。また、ノズル本体62の外周面には、上下一対のOリング82が前記環状溝を内側に挟んで嵌着されており、冷却室81からの冷媒の漏出が抑制されている。
当該ノズル本体62の内部には、下方からバルブピン91が挿入されている。該バルブピン91は、その基端がアクチュエータ92に接続されるとともに、その大半が前記塗料注入路71内に収容されている。これらバルブピン91、アクチュエータ92等により、閉塞手段が構成されている。当該閉塞手段は、アクチュエータ92の作動によってバルブピン91を前記塗料射出口72へ向かって進出させ、該バルブピン91の先端周面を塗料注入路71の内周面に押圧させることにより、該塗料注入路71をその内部から閉塞するものである。また、バルブピン91の基端部には、シールリング93が嵌着されている。このシールリング93は、バルブピン91とノズル本体62との間をシールするものであり、これらの間からの塗料の漏出を抑制するものである。
次いで、上記の型内塗装成形用金型を用いた樹脂成形品の成形方法を説明する。
当該樹脂成形品の成形方法は、前記基材23を成形する基材成形工程と、この基材23の表面に塗膜24を成形する塗膜成形工程とからなる。
図6に示すように、前記基材成形工程では、まず固定型41と基材成形型42とが型締めされ、これらの間に1次キャビティ47が形成される。この際、塗料注入ノズル52においては、バルブピン91により、塗料注入路71の塗料射出口72が閉塞される。また、基材成形型42においては、コアピン55を基材用キャビティ面45から突出させ、その先端を塗料注入ノズル52の先端に圧接させる。その後、前記1次キャビティ47内に基材成形型42のスプル48から熱可塑性樹脂を充填しつつ、1次キャビティ47内で熱可塑性樹脂が冷却固化されることにより、前記基材23が成形される。
当該基材成形工程においては、前記コアピン55により、前記基材23に導入孔28が形成される。この導入孔28の周縁において、熱可塑性樹脂が前記塗料注入ノズル52の先端部を覆うように冷却固化されることにより、前記基材23の裏面26でタブ部22となる箇所には、前記凹部27が形成される。該凹部27が形成される際、熱可塑性樹脂は、前記塗料注入ノズル52の先端面に設けられた溝部74の内部にも充填されている。該溝部74の内部に充填された熱可塑性樹脂が冷却固化されることにより、凹部27の内部には、シール部27aが形成される。該シール部27aの形成時において、冷却固化される熱可塑性樹脂は、塗料注入ノズル52の先端を締め付けるように収縮する。その結果、該シール部27aは、その周面を溝部74の内周面に密接させ、前記塗料注入ノズル52の先端と前記基材23の裏面26との間等に形成される隙間をシールするものとなる。加えて、該シール部27aは、塗料注入ノズル52の先端を締め付けることにより、基材23の固定型41からの離隔を抑制するものとなる。
前記基材23が成形された後、固定型41と基材成形型42とが型開きされる。この型開きは、基材成形型42に対して固定型41が離隔されることにより行われる。また、当該型開き時において、基材23は、その裏面26を固定用キャビティ面44に接触させた状態で、同固定用キャビティ面44上に保持されており、固定型41とともに基材成形型42から離隔される。これで基材成形工程が終了する。
図7に示すように、前記塗膜成形工程では、まず移動型が基材成形型42から塗膜成形型43へと交換移動された後、同塗膜成形型43に対して固定型41が接近され、固定型41と塗膜成形型43とが型締めされる。この型締め時において、固定型41の固定用キャビティ面44上には基材23が保持されていることから、同基材23の表面25と塗膜成形型43との間に2次キャビティ51が形成される。その後、塗料注入ノズル52において、バルブピン91がノズル本体62の内奥へ後退することにより、塗料注入路71の塗料射出口72が開放される。そして、塗料が2次キャビティ51内へ充填される。
前記塗料は、次のような経路で2次キャビティ51内へ充填される。すなわち、塗料は、まず塗料注入路71内に充填され、同塗料注入路71を流通して塗料射出口72へ達する。該塗料射出口72へ達した塗料は、同塗料射出口72から射出され、前記基材23の導入孔28内を通過することにより、該基材23の裏面26側から、該基材23の表面25上に形成された2次キャビティ51へ向かって注入される。
該塗料の充填時において、前記塗料注入ノズル52の先端と前記基材23の裏面26との間は、前記シール部27aでシールされていることから、これらの間からの塗料の漏出又は浸出が防止され、塗料は導入孔28内へと好適に流れ込む。また、該塗料の充填時には、充填時に加わる圧力によって基材23の前記凹部27が塗料注入ノズル52の先端面から離隔し、浮き上がることで前記シール部27aによるシールが緩む可能性がある。しかし、該シール部27aは、塗料注入ノズル52の先端を締め付けることによって該凹部27の浮き上がりを抑制しており、その結果、該シール部27aによる前記シールが好適に維持される。なお、塗膜成形型43の塗膜用キャビティ面46には、塗料射出口72と対向する位置に窪みが形成されている。この窪みは、硬化した塗料、塵埃等からなるスラッジを貯えるものである。このように該窪みにスラッジを貯めることにより、塗料は射出圧力が安定した状態で2次キャビティ51に充填される。この窪みに充填された塗料が硬化することにより、前記タブ部22の表面25に前記凸部29が形成される。
そして、塗料を2次キャビティ51内へ充填しつつ、該塗料を加熱して反応硬化させることにより、基材23の表面25に塗膜24が成形される。該塗料の硬化は、前記塗膜成形型43を加熱することにより行われる。すなわち、固定型41及び塗膜成形型43の双方を加熱した場合、前記基材23は熱可塑性樹脂からなるものであることから、固定型41を介して加熱された基材23が、軟化、再溶融等することにより、成形不良が生じてしまうおそれがある。このため、塗膜成形型43は、加熱されることにより塗料の反応硬化を促進する温度に保たれており、その一方で固定型41は、放置、冷却等されることにより前記基材23に成形不良が生じない程度の温度に保たれる。従って、固定型41の温度は、塗膜成形型43の温度よりも低いことから、該固定型41の温度では塗料の反応硬化が促進されず、当該固定型41に設けられた塗料注入ノズル52において、塗料注入路71を流通する塗料の硬化が抑制される。
この後、固定型41と塗膜成形型43とが型開きされ、固定型41から樹脂成形品が離隔され、回収される。これで塗膜成形工程が終了する。なお、回収後の樹脂成形品は、タブ部22を切除し、ドアピラーガーニッシュ21として出荷等される。
前記の実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 実施形態の樹脂成形品は、基材23の表面25に塗膜24を有しており、該基材23は熱可塑性樹脂からなるものであり、該塗膜24は液状熱硬化型組成物を含む反応硬化性の塗料からなるものである。この樹脂成形品は、型内塗装成形用金型を用いて成形される。当該型内塗装成形用金型は、塗膜24を成形する2次キャビティ51と、塗料を注入する塗料注入ノズル52とが基材23を挟んで互いに反対側に配設されるように構成されている。また、基材23には、その成形時に同基材23を貫通する導入孔28が形成されている。この導入孔28を形成することにより、2次キャビティ51に対して塗料注入ノズル52が基材23を挟んで反対側に配設されても、該導入孔28を介して2次キャビティ51に塗料を充填することが可能である。そして、塗膜24を成形する2次キャビティ51と、塗料を注入する塗料注入ノズル52とを基材23を挟んで互いに反対側に配設したことにより、塗膜24成形時の加熱に影響され、塗料注入ノズル52内の塗料が硬化されることを抑制することが可能である。従って、塗料注入ノズル52の詰まり、塗料の不安定な射出等による塗膜24の成形不良の発生を抑制することができる。
・ また、移動型は、基材成形型42と塗膜成形型43との異なる2つで構成されており、1次キャビティ47又は2次キャビティ51の形成時には、基材成形型42と塗膜成形型43とが交換される。この基材成形型42と塗膜成形型43とには全く異なるキャビティ面を形成することが可能である。従って、塗膜24を基材23の表面25全体で均一な厚みに成形することができ、一部の塗膜24、特にはドアピラーガーニッシュ21の側面に成形される塗膜24が薄くなることで生じる成形不良を抑制することができる。
・ また、基材23の成形時において、塗料注入路71の塗料射出口72は、バルブピン91により、その内部から閉塞されている。従って、当該塗料射出口72から塗料注入路71へ熱可塑性樹脂が入り込み、固化して塗料射出口72が詰まることを防止することができ、該塗料射出口72の不良に起因する成形不良を抑制することができる。
・ また、塗料注入ノズル52の内部に冷却室81を設け、塗料注入路71内の塗料を冷却又は外部からの伝熱を遮断することにより、塗料の硬化を好適に抑制可能であり、塗料注入路71の詰まり等に起因する成形不良を抑制することができる。
・ また、塗料注入ノズル52は、その大半が断熱材で形成されていることから、外部からの伝熱を好適に遮断することにより、塗料の硬化をより好適に抑制可能であり、塗料注入路71の詰まり等に起因する成形不良を抑制することができる。
・ また、塗料注入ノズル52の先端面には溝部74が凹設され、前記基材23の成形時に同溝部74に熱可塑性樹脂が充填されることにより、塗料注入ノズル52と基材23との間がシールされるように構成されている。従って、基材23と塗料注入ノズル52殿間からの塗料の漏出を防止し、塗膜24の成形不良を抑制することができる。
・ また、前記導入孔28を形成するコアピン55は、前記基材23の成形時に塗料注入ノズル52の先端に圧接されている。従って、コアピン55で塗料射出口72を塞ぎ、熱可塑性樹脂が該塗料射出口72に入り込むことを確実に防止することが可能であり、塗料注入路71の詰まり等に起因する成形不良を抑制することができる。
・ また、コアピン55を塗料注入ノズル52の先端に接触させることにより、前記導入孔28と塗料射出口72との位置合わせを確実なものとすることが可能であり、これらの位置ずれによる塗膜24の成形不良を抑制することができる。
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 図8に示すように、前記塗料注入ノズル52の塗料射出口72が固定型41の内側に位置するように、塗料注入ノズル52を固定型41の内奥へずらしてもよい。この場合、加熱による塗料注入ノズル52への影響をさらに低減させることが可能である。なお、このような構成とした場合、塗料注入路は、塗料注入ノズル52内に設けられた第1塗料注入路71aと、固定型41に設けられた第2塗料注入路71bとから構成される。該第2塗料注入路71bは、第1塗料注入路71aと連通し、かつ一端が固定型41の固定用キャビティ面44で開口するように形成されたものである。また、前記溝部74の内部にはOリング82を嵌着し、固定型41の内部への塗料の漏出を避けることが好ましい。加えて、前記コアピン55の移動量を長くすることにより、同コアピン55の先端を第2塗料注入路71bに挿入し、基材23の成形時に該塗料注入路71を閉塞することが好ましい。
・ 図9に示すように、前記塗料注入ノズル52を固定型41の内奥へずらした構成において、第2塗料注入路71bの周縁で固定用キャビティ面44には、凹条74a又は凸条74bを設けてもよい。これら凹条74a又は凸条74bは、樹脂成形体の基材23にシール部を形成するものである。すなわち、熱可塑性樹脂は、凹条74aの内部又は凸条74bの周囲で冷却固化し、基材23にシール部を形成する。このようにして形成されたシール部は、凹条74aの内周面又は凸条74bの表面で熱可塑性樹脂が収縮することにより、その表面を凹条74aの内周面又は凸条74bの表面に密接させている。従って、該シール部は、その表面と凹条74aの内周面又は凸条74bの表面との間、つまり基材と第2塗料注入路71bの周縁との間をシールして塗料の漏出を抑制するとともに、凹条74a又は凸条74bを締め付けて該シールを好適に維持するものとなる。
・ 基材23に導入孔28を形成することが可能であれば、必ずしもコアピン55を設ける必要はなく、例えば塗料注入ノズル52の先端を基材成形型42の基材用キャビティ面45に接触させる等して導入孔28を形成してもよい。
・ 塗料注入ノズル52の先端部を1次キャビティ47内へ露出させた構成において、溝部74の内部にOリングを嵌着する等して、塗料注入ノズル52と基材23との間をシールするように構成してもよい。
・ 前記溝部74に代えて、塗料注入ノズル52の先端で塗料射出口72の周囲には、該塗料射出口72を内側に囲い込むように、突部を突設してもよい。この場合、シール部は、前記凹部27の内部で円環溝状に形成されることとなる。そして、該シール部は、熱可塑性樹脂の収縮により、その周面を該突部の周面に密接させて基材23と塗料注入ノズル52の先端との間をシールするとともに、該突部を締め付けてシールを好適に維持するものとなる。
・ 前記冷却手段は、塗料注入路71内の塗料を冷却可能であれば、実施形態で示したものに限らず、例えば空気層64aに冷風等の冷媒を導通させる等して冷却手段を構成してもよい。あるいは、塗料注入路71内の塗料に対する熱の影響が十分に小さな構成であれば、冷却手段を省略してもよい。
・ 基材23の成形時において、塗料注入路71内への熱可塑性樹脂の浸入を十分に抑制可能であれば、前記閉塞手段を省略してもよい。
・ 前記移動型を1つの型のみで構成し、該移動型を固定型に対してスライド移動させることで2次キャビティを形成するように構成してもよい。
・ 樹脂成形品は、実施形態で示したドアピラーガーニッシュ及びタブ部からなるものに限らず、例えばドアモール、バンパー、車両内装用スイッチ、オーディオカバー等のように、基材とその表面に塗布された塗膜とを有するものでれば何れであってもよい。
・ 一般の金型においては、型締め時又は型開き時を基準として、この時に固定されたままのものを固定側、移動されるものを可動側と呼称している。これに対し、本明細書では、この一般の呼称に係わらず、2次キャビティの形成時を基準として、基材を固定しているものを固定型、この固定型に組み合わされるものを移動型と記載している。従って、型締め時又は型開き時には固定型又は移動型の何れを移動させてもよいものとする。
ドアピラーガーニッシュを取付た状態を示す側面図。 (a)は樹脂成形品を表面から見た状態を示す斜視図、(b)は樹脂成形品を裏面から見た状態を示す斜視図。 1次キャビティを形成した状態を示す断面図。 2次キャビティを形成した状態を示す断面図。 塗料注入ノズルを示す断面図。 基材を成形する状態を示す断面図。 塗膜を成形する状態を示す断面図。 別形態の塗料注入ノズルを示す断面図。 別形態の塗料注入ノズルを示す断面図。
符号の説明
21…樹脂成形品としてのドアピラーガーニッシュ、23…基材、24…塗膜、25…基材の表面、26…基材の裏面、28…導入孔、41…固定型、42…移動型を構成する基材成形型、43…移動型を構成する塗膜成形型、44…固定型のキャビティ面である固定用キャビティ面、45…移動型のキャビティ面である基材用キャビティ面、47…1次キャビティ、51…2次キャビティ、52…塗料注入ノズル、53…コア部材、71…塗料注入路、74…溝部、81…冷却手段を構成する冷却室、82…Oリング、91…閉塞手段を構成するバルブピン、92…閉塞手段を構成するアクチュエータ。

Claims (10)

  1. 基材の表面に塗膜を有する樹脂成形品を成形する型内塗装成形用金型であって、
    固定型と基材成形型と塗膜成形型とを備え、前記固定型及び前記基材成形型により形成される1次キャビティ内に熱可塑性樹脂を充填し、該熱可塑性樹脂を冷却固化させることによって前記基材が成形され、該基材が前記固定型のキャビティ面に保持された状態で前記固定型と前記塗膜成形型とを型締めすることにより前記基材及び前記塗膜成形型の間に形成される2次キャビティ内に熱硬化性樹脂からなる塗料を充填し、該塗料を加熱硬化させることによって前記塗膜が成形されるように構成されるとともに、
    前記塗料を注入する塗料注入路を前記基材の裏面側となる前記キャビティ面で開口するように前記固定型に設け、前記基材の成形時には該塗料注入路と対応する位置で該基材を貫通するように導入孔を形成することにより、前記塗膜の成形時には該導入孔を介して前記塗料注入路から2次キャビティ内へ前記塗料が充填されるように構成されることを特徴とする型内塗装成形用金型。
  2. 前記基材の成形時において、前記塗料注入路をその内部から閉塞する閉塞手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の型内塗装成形用金型。
  3. 前記塗料注入路に前記塗料を充填する塗料注入ノズルを設け、当該塗料注入ノズルを断熱材から形成するとともに、当該塗料注入ノズルには、その内部に充填された塗料を冷却する冷却手段を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の型内塗装成形用金型。
  4. 前記塗料注入ノズルは、その先端部が前記1次キャビティ内へ露出するように配設されるとともに、該塗料注入ノズルの先端面に溝部又は突部を設け、前記基材の成形時には該溝部の内部又は突部の周囲に熱可塑性樹脂が充填されることを特徴とする請求項に記載の型内塗装成形用金型。
  5. 前記移動型のキャビティ面には前記導入孔を形成するためのコア部材を突設するとともに、前記基材の成形時には該コア部材の先端を前記塗料注入ノズルの先端に接触させることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の型内塗装成形用金型。
  6. 前記塗料注入ノズルは、その先端部が前記固定型の内部に位置するように配設されるとともに、該塗料注入ノズルの先端部には、該先端部と固定型との間をシールするOリングを嵌着したことを特徴とする請求項に記載の型内塗装成形用金型。
  7. 前記移動型のキャビティ面には前記導入孔を形成するためのコア部材を該キャビティ面から出没可能に設けるとともに、該コア部材が移動型のキャビティ面から出現した状態で該コア部材の先端が前記塗料注入路に挿入されることを特徴とする請求項3又は請求項6に記載の型内塗装成形用金型。
  8. 前記固定型のキャビティ面で前記塗料注入路の周縁に溝部又は突部を設け、前記基材の成形時には該溝部の内部又は突部の周囲に熱可塑性樹脂が充填されることを特徴とする請求項又は請求項7に記載の型内塗装成形用金型。
  9. 固定型と基材成形型と塗膜成形型とを備える型内塗装成形用金型を用いて成形され、前記固定型及び前記基材成形型により形成される1次キャビティ内で成形された基材と、該基材が前記固定型のキャビティ面に保持された状態で前記固定型と前記塗膜成形型とを型締めすることにより前記基材及び前記塗膜成形型の間に形成される2次キャビティ内で成形された塗膜とを有する樹脂成形品であって、
    前記基材は該熱可塑性樹脂から成形されたものであり、前記塗膜は熱硬化性樹脂からなる塗料から成形されたものであるとともに、前記基材を貫通する導入孔を該基材に形成し、該導入孔を介して前記塗料を前記基材の裏面側から表面へ注入したことを特徴とする樹脂成形品
  10. 固定型と基材成形型と塗膜成形型とを備える型内塗装成形用金型を用い、基材の表面に塗膜を有する樹脂成形品を成形する成形方法であって、
    前記固定型及び前記基材成形型により形成される1次キャビティ内に熱可塑性樹脂を充填して前記基材を予め成形した後、該基材が前記固定型のキャビティ面に保持された状態で前記固定型と前記塗膜成形型とを型締めすることにより前記基材及び前記塗膜成形型の間に形成される2次キャビティ内に熱硬化性樹脂からなる塗料を注入して前記塗膜を成形するとともに、前記基材の成形時には該基材を貫通するように同基材に導入孔を形成し、前記塗膜の成形時には該導入孔を介して前記塗料を前記基材の裏面側から表面へ注入することを特徴とする樹脂成形品の成形方法。
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