JP4444647B2 - 表面保護膜および表面保護フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、離型性を有する表面保護膜、および表面保護フィルムに関し、特に、プリント基板作製工程などにおいて粘着性を有するフォトレジストを露光する際の原稿(フォトマスク)の表面に好適に用いられる表面保護膜、および表面保護フィルムに関するものである。
通常、プリント配線板や樹脂凸版は、液状フォトレジストなどの粘着性のあるフォトレジストにフォトマスク(露光用原稿)を密着露光して作製される。このため、フォトマスクの表面に何らかの処理を施さないと、露光終了後フォトマスクをフォトレジストから剥がす際に、フォトレジストの一部がフォトマスク表面に付着し、拭き取ってもフォトマスク上に残存してしまい、露光精度の低下を招いてしまうという問題を生じる。このような事情から、従来からフォトマスク上のフォトレジストに対向する面に、離型性を有する表面保護フィルムを設けて、フォトレジストがフォトマスクに付着することを防止している。
このようなフォトマスク用の表面保護フィルムとしては、プラスチックフィルムの一方の面に離型性を有する表面保護膜を有し、もう一方の面に粘着層を有するものが提案されている(特許文献1参照)。しかしこのような表面保護フィルムにおいても、表面保護膜へのフォトレジストの付着を完全に防止することはできず、これらの表面保護膜に残ったフォトレジストや、その他のほこり等を除去するため、表面保護膜の表面を洗浄溶剤によって定期的にクリーニング(拭き取り操作)することが行われている。このため、このような表面保護フィルムには、クリーニング後においてもレジストの付着を防止するよう離型性が持続することが要求されている。
このような理由から、洗浄溶剤によるクリーニング後においても、フォトレジストに対する離型性が持続する表面保護フィルムが提案されており、確かにこのような表面保護フィルムは、低級アルコール等の洗浄溶剤によるクリーニングについては、十分な離型性を持続することができた(特許文献2参照)。しかし、最近のフォトレジストの塗布方法としては、量産性を高めるために従来のスクリーン印刷からスプレーコートやカーテンコートという方法が取られるようになってきている。そのためフォトレジスト中に含まれる溶剤の成分や含有量が変化してきており、フォトレジスト中に含まれる多価アルコールやその誘導体等からなる溶剤によって、表面保護膜が徐々に侵されてしまい、フォトレジストに対する十分な離型性が持続できなくなっている。
また、フォトマスクの表面に用いられる表面保護膜は、耐溶剤性の問題の他、プリント配線板等の基となる基板のスルーホール等による凹凸により、密着露光される際に凸部は平滑部よりも高い圧力が加わり、露光を繰り返すごとに表面保護膜が少しずつ削り取られてしまうという問題もある。
特開平11−7121号公報(段落番号0002) 特開2000−273412号公報(段落番号0008)
そこで、本発明は、表面保護膜が洗浄溶剤によるクリーニングによって侵されることなく、さらにフォトレジスト中に含まれる多価アルコールやその誘導体等からなる溶剤によっても侵されることがなく、フォトレジストに対する極めて高い離型性が持続する表面保護膜、およびこれを用いた表面保護フィルムを提供することを目的とする。
更に、露光を繰り返すごとに表面保護膜が少しずつ削り取られてしまっても、フォトレジストに対する極めて高い離型性が持続する表面保護膜、およびこれを用いた表面保護フィルムを提供することを目的とする。
前記課題達成のために、検討の結果、上記のような保護膜において、保護膜内部の離型性成分を膜の硬化後も配向しやすくすることにより、溶剤によっても侵されることがなく、表面保護膜が少しずつ削り取られてしまっても、膜の内部に存在する離型性成分を有効に利用することができ、離型性を持続することを見いだし、本発明に至ったものである。
即ち、本発明の離型性を有する表面保護膜は、硬化性樹脂、ビニル系高分子化合物を構成成分として含む可塑性樹脂より構成されてなることを特徴とするものである。
また、前記ビニル系高分子化合物が、ポリ酢酸ビニル樹脂及び/又はポリビニルブチラール樹脂を構成成分として含むことを特徴とするものである。
以上のような可塑性樹脂を用いることにより、表面保護膜の表面の硬さを保ちつつ、膜の硬化後も離型性成分を配向しやすくすることができる。
また、本発明の離型性を有する表面保護フィルムは、透明高分子フィルムの一方の面に、前記離型性を有する表面保護膜を設け、他方の面に粘着層を設けたことを特徴とするものである。
本発明によれば離型性を有する表面保護膜が溶剤によっても侵されることがなく、露光を繰り返すごとに表面保護膜が少しずつ削り取られてしまっても、表面保護膜の膜表面の硬さを保ちつつ、フォトレジストに対する極めて高い離型性を持続することができる。
以下、本発明の実施形態に係る離型性を有する表面保護膜の表面保護フィルムへの適用を例にとり説明する。
本発明の表面保護フィルムは、透明高分子フィルムの一方の面に表面保護膜を設け、他方の面に粘着層を設けたものである。
透明高分子フィルムとしては、露光の際に使われる紫外線の透過率の高いものであれば良く、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、トリアセチルセルロース、アクリル、ポリ塩化ビニルなどの透明性に優れる高分子フィルムが用いられる。特に二軸延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムが機械的強度、寸法安定性に優れているため好適に使用され、適宜易接着層などを設けたものも好適に使用される。透明高分子フィルムの厚みは、解像度に影響するため薄いほうが好ましいが、取り扱い性も考慮して、厚みの下限としては、1μm以上、好ましくは2μm以上、さらに4μm以上がより望ましく、上限としては、100μm以下、好ましくは25μm以下、さらに12μm以下の範囲がより望ましい。
透明高分子フィルムの一方の表面に設けられる離型性を有する表面保護膜は、硬化性樹脂、可塑性樹脂より構成されてなるものであり、離型性を有するとは、その表面エネルギーが低いためにレジストの付着が防止されるか、仮に付着した場合でも容易に離型されるような性質を有するものであればよい。このような離型性を付与するために、表面保護膜を構成する樹脂に離型性成分として従来公知のフッ素系化合物やシリコーンオイル、シリコーンレジン、シリコーン系櫛型グラフトポリマー、シリコーンアクリレートなどのシリコーン系化合物を用いた離型剤を混合したり、表面保護膜を構成する樹脂の官能基に表面張力が大きい、接触角が大きい官能基、例えばアルキル基、フッ素基などの離型性を発現させる基を導入したりすることにより実現することができる。従来公知の離型剤を選択する場合には、硬化性樹脂に使用する樹脂と架橋することができる反応性の離型剤を使用することが好ましい。
離型剤の含有量は、全樹脂固形分中に、上限として5重量%以下、さらには3重量%以下が好ましく、下限として0.5重量%以上が好ましい。下限を0.5重量%以上とするのは、0.5重量%より少ないと離型効果が得られにくいためである。また、上限を5重量%以下とするのは、5重量%より多いと離型剤が表面にブリードアウトしやすいことと多く添加しても効果の向上が見られないためである。
硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂などの従来公知の樹脂を使用することができ、露光を繰り返すごとに表面保護膜が少しずつ削り取られてしまうといった物理的な磨耗にも強い電離放射線硬化性樹脂が望ましい。また、電離放射線硬化性樹脂でも特に、有機無機ハイブリッド樹脂を用いることが、表面保護膜としたときに表面が硬くなり、更に物理的磨耗に強くなるため好ましい。このような樹脂から構成されることにより、表面保護膜に表面硬度を与えることができ、傷がつきにくい表面保護膜にすることができる。
熱硬化性樹脂としては、メラミン系、エポキシ系、アミノアルキッド系、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル系、フェノール系などの架橋性樹脂及びこれらの混合物から選択される一種以上の樹脂を用いることができる。
また、電離放射線硬化性樹脂としては、電離放射線(紫外線若しくは電子線)の照射によって架橋硬化することができるエポキシ系アクリレート、ポリエステル系アクリレート、ポリウレタン系アクリレート、多価アルコール系アクリレートなどのアクリル基を有する樹脂、ポリチオールポリエン樹脂などの光重合性プレポリマーを用いることができる。これらは単独でも使用可能であるが、単官能アクリルモノマーなどの光重合性モノマーを加えることもできるほか、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトンなどの光重合開始剤や紫外線増感剤なども添加することができる。
有機無機ハイブリッド樹脂としては、有機単量体や有機重合体と、アルキルシロキサンのような無機骨格含有化合物とをラジカル共重合させたもの、及び有機重合体に側鎖としてアルコキシシランのような無機官能基を結合させて、その後これを架橋させたものなどを用いることができる。
次に、可塑性樹脂は、表面保護膜の硬化後に表面保護膜が少しずつ削り取られた場合に、塗膜中の離型性成分を再配向しやすくするために混合される。
このようにすることにより離型性が持続する理由は検証されていないが、表面保護膜の表面に配向する離型性成分が、表面保護膜が少しずつ削り取られて失われたときに、硬化性樹脂だけで表面保護膜を構成している場合には、保護膜が密に構成されているため、表面保護膜中の離型性成分が再配向することができず、離型性が持続しないのではないかと考えられる。それとは反対に、硬化性樹脂とビニル系高分子化合物を構成成分とすることにより、表面保護膜の表面に配向する離型性成分が、表面保護膜が少しずつ削り取られて失われたときでも、表面保護膜中にある離型性成分が再配向することができるため、新たに配向した離型性成分が離型性を発現し、離型性が持続するようになると考えられる。
このような可塑性樹脂としてはビニル系高分子化合物を構成成分として含むものがあげられ、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、スチレン、ブタジエン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリロニトリル、塩化ビニル、ポリビニルアルコールなどを構成成分として含む樹脂から選択される一種以上の樹脂を用いることができるが、表面保護膜としたときの耐溶剤性や膜の硬さ、離型性成分の再配向しやすさなどの観点から、ポリ酢酸ビニル樹脂及び/又はポリビニルブチラール樹脂が好ましい。
可塑性樹脂の混合割合は、全樹脂固形分中に、上限として10重量%以下が好ましく、7重量%以下がさらに望ましい。下限としては、1重量%以上が好ましく、さらに好ましくは2重量%以上、さらに好ましくは4重量%以上である。全樹脂成分に対して可塑性樹脂の割合が多くなるほど、表面保護膜の表面の硬さが保てず、表面保護膜が物理的な磨耗により削られやすくなり、可塑性樹脂の割合が少ないと離型性の発現効果が得られないためである。
表面保護膜の硬さは、被積層体によって異なってくるが、JIS K5400:1990 におけるテーバー磨耗硬度試験における前後のヘーズの差(即ち、テーバー磨耗硬度試験後のヘーズからテーバー磨耗硬度試験前のヘーズを引いた値、以下「ΔH」と略す)が、好ましくは25未満が、さらに20未満とすることが好ましく、下限としては、離型性成分の再配向を阻害しなくなる範囲として、5以上とすることが好ましく、更に好ましくは、10以上とすることが望ましい。上限をこのような範囲とすることにより、露光を繰り返し行っても表面保護膜を削り取られにくくすることができる。これにより、表面保護膜が物理的に削られてしまうことによる表面保護膜の離型性の低下を抑えることができるとともに、ヘーズの上昇を抑制し、解像力の低下を防止することができる。また、表面保護膜に傷がつきにくくなるため、表面保護膜の耐久性が向上し、露光できる回数を大幅に増やすことができる。
透明高分子フィルムの他方の面に設けられる粘着層は、一般に使用されるアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤などの公知の透明粘着剤が使用できる。本発明の表面保護フィルムは、画像などの保護を目的としていることから、粘着剤も透明でそれ自体高い耐候性を有していることが望ましい。このような粘着剤としては、ウレタン架橋性またはエポキシ架橋性の高分子量のアクリル系の粘着剤が適している。また、帯電防止などの性能を持つ粘着剤を使用しても良い。この粘着層の厚みとしては、透明性(解像度)を阻害せず、適度な粘着性が得られるよう、0.5μm〜30μm、好ましくは1μm〜10μm、より好ましくは2〜4μm程度の範囲である。また、粘着層には、その粘着性によって表面保護フィルムの取り扱い性が低下しないようにするために、表面に離型処理を施した離型フィルムを貼り合わせることも適宜行うことができる。
以上のような表面保護膜や粘着層は、各々の構成成分や必要に応じて他の成分を配合して、適当な溶媒に溶解又は分散させて塗布液を調製し、当該塗布液をロールコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、エアナイフコーティング法などの公知の方法により透明高分子フィルム上に塗布した後、適宜必要な硬化方法を用いて硬化させることにより形成することができる。
以上のように本実施形態によれば、表面を保護したいものに、粘着層を介して貼り付けることで、容易に表面保護膜を形成することができる。
したがって、印刷製版工程で使用される原版、広告、標識などの各種印刷方法により形成された表示物、写真などの表面の汚れや傷を防止することができる。特に、離型性を有する表面保護膜が溶剤によっても侵されることがなく、表面保護膜が少しずつ削り取られてしまっても、表面保護膜の膜表面の硬さを保ちつつ、離型性を持続することができるので、汚れをつきにくくすることができる。
以上、本発明の実施形態について説明した。本実施の形態では、離型性を有する表面保護層を表面保護フィルムに適用した場合を例に説明したが、本発明の表面保護膜の適用についてはこれに限定されるものでなく、転写用の表面保護膜としての適用も可能である。また、フォトマスクなどに直接、表面保護膜を設けることも可能である。
以下、本発明の実施例を説明する。尚、「部」「%」とあるのは特に断りのない限り重量基準である。
[実施例1]
厚み6μmの透明高分子フィルム(ルミラー:東レ社)の一方の表面に下記組成の表面保護膜用塗布液をバーコーティングにより塗布、乾燥し、高圧水銀灯により紫外線を1〜2秒照射することにより硬化させ、膜厚約1μmの表面保護膜を形成した。更に、もう一方の表面に下記組成の粘着層用塗布液を塗布し、乾燥させることにより、膜厚約2μmの粘着層を形成して、表面保護フィルムを作製した。粘着層には、取り扱い上のために厚み25μmのポリエチレンテレフタレート離型フィルム(MRB:三菱化学ポリエステルフィルム社)を貼り合わせた。なお、離型性成分として電離放射線硬化型有機無機ハイブリッド樹脂との反応性をもつシリコーンアクリレート離型剤を使用した。
<表面保護膜用塗布液>
・有機無機ハイブリッド樹脂 3.8部
(デゾライト7501:固形分50%、JSR社)
・シリコーンアクリレート離型剤 0.02部
・酢酸ビニル樹脂 0.14部
(ゴーセニールM-70-Z4:固形分70%、日本合成社)
・メチルエチルケトン 3.0部
・イソプロピルアルコール 3.0部
<粘着層用塗布液>
・アクリル酸エステル共重合体 10.0部
(アコンタックSCL-200:固形分40%、東亜合成化学社)
・トルエン 10.0部
・酢酸エチル 10.0部
[実施例2]
実施例1の表面保護膜用塗布液に代えて、下記組成の表面保護膜用塗布液を使用した以外は、実施例1と同様に表面保護フィルムを作製した。
<表面保護膜用塗布液>
・有機無機ハイブリッド樹脂 3.8部
(デゾライト7501:固形分50%、JSR社)
・シリコーンアクリレート離型剤 0.02部
・ブチラール樹脂 0.1部
(エスレックBL-1:固形分100%、積水化学工業社)
・メチルエチルケトン 2.9部
・イソプロピルアルコール 3.0部
[実施例3]
実施例1の表面保護膜用塗布液に代えて、下記組成の表面保護膜用塗布液を使用した以外は、実施例1と同様に表面保護フィルムを作製した。
<表面保護膜用塗布液>
・有機無機ハイブリッド樹脂 3.88部
(デゾライト7501:固形分50%、JSR社)
・シリコーンアクリレート離型剤 0.02部
・酢酸ビニル樹脂 0.09部
(ゴーセニールM-70-Z4:固形分70%、日本合成社)
・メチルエチルケトン 3.0部
・イソプロピルアルコール 3.0部
[実施例4]
実施例1の表面保護膜用塗布液に代えて、下記組成の表面保護膜用塗布液を使用した以外は、実施例1と同様に表面保護フィルムを作製した。
<表面保護膜用塗布液>
・有機無機ハイブリッド樹脂 3.6部
(デゾライト7501:固形分50%、JSR社)
・シリコーンアクリレート離型剤 0.02部
・酢酸ビニル樹脂 0.29部
(ゴーセニールM-70-Z4:固形分70%、日本合成社)
・メチルエチルケトン 3.0部
・イソプロピルアルコール 3.1部
[比較例1]
実施例1の表面保護膜用塗布液から酢酸ビニル樹脂を除き、有機無機ハイブリッド樹脂を4.0部に代えた以外は、実施例1と同様に表面保護フィルムを作製した。
[比較例2]
実施例1の表面保護膜用塗布液の酢酸ビニル樹脂をアクリル樹脂(LMS-55:固形分40%、三菱化学社)0.25部に代えた以外は、実施例1と同様に表面保護フィルムを作製した。
[比較例3]
実施例1の表面保護膜用塗布液の酢酸ビニル樹脂をポリエステル樹脂(ER-20:固形分40%、大成化工社)0.25部に代えた以外は、実施例1と同様に表面保護フィルムを作製した。
実施例、および比較例で得られた表面保護フィルムについて、繰り返し露光を行うことにより表面保護膜が少しずつ削り取られてしまうといった物理的に磨耗を受けた後にも、高い離型性が持続するかどうかを以下のような試験を行ない評価した。また、フォトレジスト中に含まれる多価アルコール等の溶剤によっても侵されることがなく、フォトレジストに対する高い離型性が持続するかどうか、更に、繰り返し露光を行うことによる表面保護膜の耐摩耗性についても評価した。評価結果を表1に示す。
(1)初期の離型性の評価
実施例1〜4、および比較例1〜3の表面保護フィルムの表面保護膜を有する面に、粘着テープ(ニットーポリエステル31b:日東電工社)を貼り付けて、引張試験機(
TENSILON HTM-100:東洋ボールドウイン社)を用いて、剥離速度300mm/minにおける180°剥離力を測定し、評価した。評価は、剥離力が、20g/50mm未満であったものを「◎」、20g/50mm〜30g/50mmであったものを「○」とした。
(2)磨耗試験後の離型性の評価
磨耗試験として、実施例1〜4、および比較例1〜3の表面保護フィルムの表面保護膜を有する面を、スチールウール(#0000)に300gの荷重をかけながら、50回磨耗操作を行った後の離型性を上記初期の離型性と同様にして測定した。評価は、剥離力が初期の測定値よりも2倍未満であったものを「◎」、2倍以上3倍未満であったものを「○」、3倍以上4倍未満であったものを「△」、4倍以上となったものを「×」とした。
(3)耐溶剤性評価
実施例1〜4、および比較例1〜3の表面保護フィルムをプロピレングリコールモノメチルエーテル中に2時間浸漬させた後、表面保護フィルムの表面保護膜を有する面の離型性を上記初期の離型性と同様にして測定した。評価は、剥離力が初期の測定値よりも2倍未満であったものを「◎」、2倍以上3倍未満であったものを「○」、3倍以上4倍未満であったものを「△」、4倍以上となったものを「×」とした。
(4)耐摩耗性の評価
実施例1〜4、および比較例1〜3の表面保護フィルムのセパレーターを剥がして、透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み188μm)に貼り合わせた後、JIS K5400:1990に準拠し、表面保護フィルムの表面保護膜を有する面に、摩耗輪CS―10F、荷重500g、回転速度70rpm、回転数100回にてテーバー摩耗試験を行い、試験後のヘーズから試験前のヘーズ(初期のヘーズ)を差し引いた値をテーバー摩耗硬度ΔHとした。なおヘーズは、JIS K7136:2000に基づいてヘーズメーター(NDH2000:日本電飾社)を用いて測定した。評価はΔHが5未満であったものを「AAA」、5以上10未満であったものを「AA」、10以上20未満であったものを「A」とした。
Figure 0004444647
表1の結果からも明らかなように、実施例1〜4の表面保護フィルムは、表面保護膜が硬化性樹脂、ビニル系高分子化合物を構成成分として含む可塑性樹脂より構成されているため、表面保護膜が少しずつ削り取られたときでも、離型性が持続するものとなった。
特に、実施例1、実施例2の表面保護フィルムは、ビニル系高分子化合物が適度に含有されているため、離型持続性、耐摩耗性ともに大変良好な結果となった。
また、実施例3の表面保護フィルムは、耐摩耗性の評価は良好であるが、酢酸ビニルの含有量が少ないために、離型剤の配向性に与える効果が少なくなり、離型持続性が実施例1、実施例2のものと比べると、若干劣るものとなった。
さらに、実施例4の表面保護フィルムは、耐摩耗性の評価は実施例1、実施例2と同じレベルであるが、酢酸ビニルの含有量が多くなったために、わずかに物理的に磨耗されやすく、離型持続性が実施例1、実施例2のものと比べると、若干劣るものとなった。
一方、比較例1の表面保護フィルムは、可塑性樹脂が含まれず、表面保護膜が密に構成されているために耐溶剤性や耐摩耗性には優れるものの、表面保護膜が少しずつ削り取られたときに、離型性分の再配向が起こりにくく、離型持続性に劣るものとなった。
また、比較例2、比較例3の表面保護フィルムは、可塑性樹脂として、ビニル系高分子化合物ではないものを用いたため、耐溶剤性には優れるものの、表面保護膜が少しずつ削り取られたときに、離型性分の再配向が起こりにくいため、離型持続性に劣るものとなった。
また、耐溶剤性は、実施例、比較例の表面保護フィルムともに優れたものであった。

Claims (4)

  1. 硬化性樹脂、ビニル系高分子化合物を構成成分として含む可塑性樹脂より構成されてなることを特徴とする離型性を有する表面保護膜。
  2. 前記ビニル系高分子化合物が、ポリ酢酸ビニル樹脂及び/又はポリビニルブチラール樹脂を構成成分として含むことを特徴とする請求項1記載の表面保護膜。
  3. 前記可塑性樹脂は、全樹脂固形分中の10重量%以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の表面保護膜。
  4. 透明高分子フィルムの一方の表面に保護膜を設け、他方の面に粘着層を設けた表面保護フィルムであって、前記保護膜が請求項1乃至3いずれか1項記載の表面保護膜であることを特徴とする表面保護フィルム。
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