JP4440360B2 - 角速度検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は単結晶水晶からなる角速度検出素子を用いた角速度検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から機械式の回転ジャイロスコープが、飛行機や船舶の慣性航法装置として使われている。
この機械式回転ジャイロスコープは、高安定かつ高性能を有しているが、その反面、装置が大きく価格も高く、寿命も短いという欠点があった。
【0003】
さらに、この機械式回転ジャイロスコープに代わるものとして、チタン酸バリウム、ジルコン酸鉛系の圧電セラミックスである多結晶体の圧電素子を用いて振動体を励振させておき、回転の角速度にともなうコリオリ力で励起する振動により発生する電圧を、圧電素子で検出する小型の振動式ジャイロスコープの実用化が進められている。
たとえば、特開平3−10112号公報に振動式装置が提案されている。
【0004】
以下に従来のジャイロスコープを用いた角速度検出装置を簡単に説明する。
特開平3−10112号公報に開示されている角速度検出装置は、中央の連結部を有する音叉型振動体に駆動用の多結晶体からなる圧電素子を設け、振動体の基部から延長した中央の連結部と直交するヒンジ部をケースを兼ねる円筒状部材で支持する構造である。
【0005】
この駆動用の圧電素子に交流電圧を加えることによって音叉型振動体を振動させ、回転にともなうコリオリ力によってヒンジ部がS字状に変形しながら曲げ振動し、これによってヒンジ部に設けた検出用の多結晶体からなる圧電素子に発生する発生電圧を電圧検出回路で検出し角速度を求める。
【0006】
図9は、この角速度検出用の多結晶体の圧電素子を用いた電圧増幅回路を用いた検出回路を示している。図9において、検出用の圧電素子は、等価的に容量83(C3)と電圧源81と抵抗82(R7)とで表すことができ、圧電素子の一端は演算増幅器80のプラス入力端子に接続し、発生電圧Viはマイナス入力端子に接続された抵抗84(R5)と抵抗85(R6)とにより、信号処理可能な(1+R6/R5)Vi倍の出力電圧まで電圧増幅される。この出力電圧を音叉振動体の規準周波数で同期検波することにより角速度を求めている。
【0007】
この従来技術に用いられる圧電セラミックスのような多結晶体からなる圧電素子の入力抵抗82(R7)で示されている等価抵抗は、1kΩ以下の低い値であり、しかも、1秒間に1度回転する角速度を受けたときに圧電歪効果により圧電素子に発生する電圧は、数百マイクロから数ミリV程度である。したがって、圧電セラミック系の圧電素子を検出用に用いた角速度検出装置は、図9のような入力インピーダンスが数10kΩ程度の通常の電圧増幅回路を用いた電圧検出回路により、角速度を求めている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平3−10112号公報に開示されている角速度検出装置は、つぎのような課題が指摘される。
【0009】
第1に音叉型振動体は、振動体の基部から延長した中央の連結部と直交するヒンジ部を設けて円筒状の部材で支持する構造のため、形状が複雑である。
さらに、金属製の音叉型振動体とヒンジ部に複数の圧電素子を接着する必要があり、このため組立工程が複雑になり、全体形状も大きくなり、低価格化が困難である。
また、金属振動体を用いるため、温度特性も良好ではなくエージングにより特性が変化するという課題がある。
【0010】
第2に検出用素子として圧電セラミックスの代わりに等価抵抗あるいは、等価電器インピーダンスが10kΩ以上高い物性値の単結晶材料を用いると、1秒間に1度回転する角速度を受けたときに、圧電歪効果により発生する電圧は数マイクロVである。
この発生電圧の検出に従来の電圧検出回路を用いるとノイズ電圧のため角速度の検出ができなくなり実用化が困難になるという課題がある。
【0011】
〔発明の目的〕
そこで本発明の目的は、前述の問題点を解決して、角速度の検出精度を高めることが可能な角速度検出装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の角速度検出装置は、下記記載の手段を採用する。
【0013】
少なくとも1対の検出電極が形成された検出用枝を有する振動子と、前記各検出電極の出力を検出する検出回路と、を備え、前記検出回路は、第1の演算増幅器を有し、一方の前記検出電極に接続した第1の電流電圧変換回路と、前記第1の電流電圧変換回路の出力に接続した第1の直流カット容量と、第2の演算増幅器を有し、他方の前記検出電極に接続した第2の電流電圧変換回路と、前記第2の電流電圧変換回路の出力に接続した第2の直流カット容量と、前記第1の直流カット容量および前記第2の直流カット容量の出力を差動増幅する加減算回路と、を有することを特徴とする。
【0014】
前記第1の電流電圧変換回路は、第1の帰還容量を有し、前記第2の電流電圧変換回路
は、第2の帰還容量を有することを特徴とする。
【0015】
前記加減算回路は、第3の演算増幅器と、前記第1の直流カット容量と前記第3の増幅器のマイナス入力端子とを接続する第1の抵抗と、前記第3の増幅器のマイナス入力端子と出力端子とを接続する第2の抵抗と、前記第2の直流カット容量と前記第3の増幅器のプラス入力端子とを接続する第3の抵抗と、前記第3の増幅器のプラス入力端子を接地する第4の抵抗と、を有することを特徴とする。
【0016】
前記振動子は、駆動電極が形成された駆動用枝を有し、前記駆動電極と接続して前記振動子を自励振動させる発振回路と、前記発振回路の出力により前記検出回路の出力を検波する検波回路と、前記検波回路の出力の交流成分をカットするローパスフィルタと、を備えることを特徴とする。
【0019】
〔作用〕
本発明の角速度検出装置においては、圧電性を有する単結晶体の水晶を音叉あるいは三叉型振動子に用いたため、形状が単純になり、電極は真空蒸着法やスパッタリング法により形成でき、圧電素子を接着する必要がないため、組立工程が簡単になり、全体形状も小さく、低価格化も可能になる。また、水晶を振動体に用いるため、温度特性も改良される。
【0020】
水晶振動子の一つの枝を検出用枝とし、その検出用枝に1対の検出電極を設けると、二つの検出電極間の等価電気インピーダンスは、10kオーム以上となるが、従来の電圧検出回路の代わりに、等価的に二つの検出用電極を短絡し、短絡電流を電圧に変換するバランス型の検出回路を用いたため、ノイズ電圧の影響を受けることなく従来よりも大きな出力が得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下図面を用いて本発明を実施するための最良の形態における角速度検出装置の構成を説明する。図1は本発明の実施形態における角速度検出装置の全体の構成を示すブロック図であり、図2は本発明の実施形態における角速度検出装置の発振回路、図3は検出回路、図4は検波回路、図5はローパスフィルタの構成を示す回路図であり、図6は振動子の前面斜視図、図7は後面斜視図である。図8は本図8は本発明の第2の実施形態における振動子の電極構造を示す断面図である。
以下、適時各図を参照しながら説明する。
【0022】
〔角速度検出装置の構造説明〕
図1に示すように、角速度検出装置の全体の構成は、振動子1と発振回路2と検出回路3と検波回路4とローパスフィルタ5とを備え、ローパスフルタ5の出力が角速度出力6となる。
振動子1は図6と図7とに示すように、単結晶水晶から一体形成した駆動用枝7と検出用枝8とを備え、駆動用枝7には、駆動電極9、10、11、12を備える。
【0023】
駆動用枝7の下部で駆動電極9と10とが接続して対となり、上部で駆動電極11と12とが接続して対となる。駆動電極9と10との対は接続線60を介して出力端子63に接続し、駆動電極11と12との対は接続線61を介して出力端子64に接続する。これらの電極は真空蒸着法やスパッタリング法により形成する。
さらに、出力端子63は接続線18により発振回路2の入力端子と、出力端子64は接続線19により発振回路2の出力端子に接続する。
【0024】
検出用枝8の上部で検出電極14と17とが接続して対となり、下部で検出電極15と16とが接続して対となる。
さらに、検出電極14と187対は、接続線65を介して出力端子67に接続し、検出電極15と16との対は接続線66を介して出力端子68に接続する。出力端子67は接続線21、出力端子68は接続線22により検出回路3の入力端子に接続する。
【0025】
発振回路2は、図2に示すように、演算増幅器25とトランジスタ26と抵抗27,28と容量29とを備える。なお、演算増幅器25とトランジスタ26の代わりにオープンコレクタタイプの演算増幅器としてもよい。
振動子の駆動用枝7の出力端子63は接続線18により演算増幅器25の一方の入力端子と出力端子68は接続線19によりトランジスタ26のコレクタと接続する。
演算増幅器25の他方の入力端子は容量29を介して接地するとともに、抵抗28によってトランジスタ26のコレクタに帰還をする。トランジスタ26のエミッタは通常接地するが、利得を制御するための負帰還用(AGC)としても使用できる。
【0026】
検出回路3は図3に示すように、第1の演算増幅器30と第1の帰還容量33(Cf1)とからなる第1の電流電圧変換回路と、第2の演算増幅器31と第2の帰還容量34(Cf2)とからなる第2の電流電圧変換回路と第1の直流カット容量46と第2の直流カット容量47と演算増幅器32と抵抗35(R1)、36(R2)、37(R3)、38(R4)とからなる加減算回路とからなる。
【0027】
振動子1の検出用枝8の検出電極14と17との出力端子67は接続線21により第1の演算増幅器30のマイナス入力端子に接続し、さらに、マイナス入力端子と出力端子とは第1の帰還容量33(Cf1)で接続する。プラス入力端子は接地する。
振動子1の検出用枝8の検出電極15と16との出力端子68は接続線22により第2の演算増幅器31のマイナス入力端子に接続し、さらに、マイナス入力端子と出力端子とは第2の帰還容量34(Cf2)で接続する。
プラス入力端子は接地する。
【0028】
第1の演算増幅器30の出力端子と演算増幅器32のマイナス入力端子とは第1の直流カット容量46と抵抗35(R1)とで接続する。
さらに、演算増幅器32のマイナス入力端子と出力端子とは抵抗36(R2)で接続する。第2の演算増幅器31の出力端子と演算増幅器32のプラス入力端子とは第2の直流カット容量47と抵抗37(R3)とで接続する。
さらに、演算増幅器32のプラス入力端子は抵抗38(R4)を介して接地する。第1の演算増幅器30と第2の演算増幅器31のプラス入力端子がともに接地されるため、二つのマイナス入力端子も仮想接地される。
これによって、振動子1の検出用枝8の出力端子67と68は、ともに等価的に接地される。回転にともなうコリオリ力によって、振動子1の振動周波数と同じ周波数の短絡電流Isが検出電極の出力端子67と68との間および検出回路3の電流電圧変換回路に流れる。
【0029】
検波回路4は図4に示すように、抵抗41、42と演算増幅器40とトランスミッション・ゲート43、44とインバータ45とを備える。抵抗41、42と演算増幅器40はゲイン1の反転アンプを形成する。
検出回路3の出力端子は接続線23によりトランスミッション・ゲート43の入力端子と反転アンプを介してトランスミッション・ゲート44の入力端子に接続する。トランスミッション・ゲート43の出力端子はトランスミッション・ゲート44の出力端子に接続する。発振回路2との接続線20から供給する発振回路2の出力電圧とインバータ45を介した反転出力電圧をトランスミッション・ゲート43と44の各々の制御端子の参照信号とする。
【0030】
ローパスフィルタ5は図5に示すように、抵抗51、52、53と容量54、55と演算増幅器50とを備える。検波回路4の出力端子は接続線24によりローパスフィルタ5の入力端子である抵抗51の一端に接続する。抵抗51の他端は抵抗53を介して演算増幅器50の一方の入力端子に接続する。
また、抵抗51の他端は抵抗52を介して演算増幅器50の出力端子に接続するとともに、容量54を介して接地する。また、演算増幅器50の一方の入力端子は容量55を介して演算増幅器50の出力端子に接続する。
さらに、演算増幅器50の他方の入力端子は接地する。ローパスフィルタは多重帰還型二次ローパスフィルタである。
【0031】
〔角速度検出装置の動作説明〕
つぎに以上の構成による角速度検出装置の動作を説明する。
発振回路2は演算増幅器25とトランジスタ26とからなる正帰還の発振器であり、単結晶水晶の振動子1の共振周波数f0(Hz)で発振し、駆動用枝7は図6のX方向に面内振動する。
ここに、図6のXは水晶の電氣軸に、Yは水晶の機械軸に、Zは水晶光軸にほぼ平行であるが、最適な温度特性を得るため1度から10度程度回転することもある。
【0032】
振動子1の駆動用枝7に同期して検出用枝8もX方向に面内振動する。このとき振動子1がベクトル軸がY方向に平行な角速度ωの回転を受けると、面内振動と直角なZ方向に角速度ωに比例したコリオリ力Fが働く。
このコリオリ力Fは以下のように表せる。
F=2・m・ω・V
ここに、mは駆動用枝7または検出用枝8の等価質量、Vは周波数f0(Hz)で振動する速度である。
このコリオリ力により面内振動と同じ周波数f0(Hz)の面外振動が励起される。この振動による圧電歪効果により、振動の1周期の前半に検出用枝8の検出電極14から検出電極16へ向かう電界と検出電極17から検出電極15へ向かう電界とが発生し、1周期の後半に検出電極16から検出電極14へ向かう電界と検出電極15から検出電極17へ向かう電界とが発生する。
【0033】
これにより、検出電極14と検出電極16との間および検出電極17と検出電極15との間には周波数f0(Hz)で正負の電荷が発生する。
本実施形態では検出電極14と検出電極17とを接続し、検出電極15と検出電極16とを接続して、発生電荷を並列出力として得ているが、検出電極は検出電極14と検出電極16、あるいは検出電極15と検出電極17のみでもよく、また、検出電極14と検出電極15とを接続し、検出電極16と検出電極17とから発生電荷を直列出力として得ることも可能である。
【0034】
この振動子1の真空中で面外振動するときの等価抵抗は10kΩ以上であり、1気圧の大気中あるいは不活性ガス中では、等価抵抗は約10倍の100kΩ以上に増加する。
【0035】
検出回路3の第1の演算増幅器30と第2の演算増幅器31との開ループ利得をともにAとすると、第1の演算増幅器30の入力容量は、第1の帰還容量33(Cf1)により、A・Cf1となり、第2の演算増幅器31の入力容量は第2の帰還容量34(Cf2)により、A・Cf2となる。
演算増幅器の開ループ利得は100dB以上あるため、第1の演算増幅器30と第2の演算増幅器31の入力容量は非常に大きくなり、検出電極に発生する電荷の帰還容量への転送を完全に行うことができる。
【0036】
第1の演算増幅器30と第2の演算増幅器31のプラス入力端子は各々接地されているため、第1の演算増幅器30と演算増幅器31のマイナス入力端子は、各々バーテュアル・ショートされてプラス入力端子と同じ電位になり、接地された状態になる。
しかしながら、第1の演算増幅器30と第2の演算増幅器31の各々のマイナス入力端子とプラス入力端子間の入力抵抗は非常に大きく、ほぼ無限大である。
【0037】
このため、振動子1の検出用枝8の検出電極の出力端子67と68との間が等価的に短絡され、検出電極の出力端子67と68との間に検出電極に発生する電荷による短絡電流Isが流れる。
この短絡電流Isは
Is=I0・sin2πf0・t
と表せる。ここで、f0は振動子の共振周波数である。この短絡電流Isは第1の演算増幅器30のマイナス入力端子側から出力端子方向に第1の帰還容量33(Cf1)を通って流れ、さらに、第2の演算増幅器31の出力端子側からマイナス入力端子方向に第2の帰還容量34(Cf2)を通って逆方向に流れる。
したがって、第1の演算増幅器30の出力端子には出力電圧V1として
V1=(−1/Cf1)∫Is・dt
=(−1/Cf1)∫I0sin2πf0・t
=(−I0/2πf0・Cf1)(−cos2πf0・t+1)
となり、第1の直流カット容量46の出力電圧V11は
V11=(I0/2πf0・Cf1)cos2πf0・t
第2の演算増幅器31の出力端子には出力電圧V2として
V2=(1/Cf2)∫Is・dt
=(I0/2πf0・Cf2)(−cos2πf0・t+1)
となり、第2の直流カット容量47の出力電圧V22は
V22=−(I0/2πf0・Cf2)cos2πf0・t
となる。
【0038】
加減算回路の抵抗35(R1)と抵抗32(R2)との値を等しく、抵抗37(R3)と抵抗38(R4)との値を等しくすると、演算増幅器32の出力電圧Vは
V=−V11+V22
=−I0/2πf0(1/Cf1+1/Cf2)cos2πf0・t
とが得られる。Cf1=Cf2=Cfとすれば、出力電圧Vは
V=−2(I0/2πf0・Cf)cos2πf0・t
となる。
【0039】
1気圧の大気中あるいは不活性ガス中で1秒間に1度回転する角速度を受けたときに検出電極間に発生する電荷の短絡電流Isのピーク値I0は50pA程度であり、帰還容量CfをMOS構成のCf=0.1pF程度の小さい容量値に設定することによって、振動子1の共振周波数を10kHzとしても、検出回路3の検出電圧として、従来の多結晶セラミック体より大きい約10mV以上の検出出力が得られる。
【0040】
検出回路3の検出出力は接続線23により検波回路4に供給され、接続線20による発振回路2の出力電圧によって検波される。
この検波回路4は、等価的な乗算回路であり、角速度の回転方向を知るとともに、検出精度を高める働きをする。
【0041】
検波回路4の出力電圧が接続線24により、ローパスフィルタ5に供給され、交流成分がカットされて、角速度に比例した直流出力電圧が得られる。
【0042】
図8は本発明の角速度検出装置の第2の実施形態における振動子の電極構造を示す断面図である。
図6および図7の振動子に新たに駆動用枝70を追加して三叉振動子としたものである。
駆動用枝70に駆動電極71、72、73、74を設け、駆動電極71と72とを接続線18に接続し、駆動電極73と74とを接続線19の接続する。駆動用枝が2本になるため、発振の安定度が高くなる。
【0043】
以上説明した実施形態では振動子の自励振動方向をX方向である面内方向としたが、自励方向振動をZ方向である面外振動として用いることも可能である。
同様のことは、水晶のY軸を中心に90度回転したXカット振動子としても可能である。
【0044】
以上説明した実施形態では、振動子の基板の材料が水晶の励を示したが、タンタル酸リチウム単結晶、ニオブ酸リチウム単結晶、ホウ酸リチウム単結晶等圧電性を示す材料でもよい。
【0045】
また、実施形態では、振動子の形状として、音叉および三叉の例を示したが、これに限定せずに、すくなくとも一つの駆動用枝と、すくなくとも一つの検出用枝を有する振動子であればよい。
【0046】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明の角速度検出装置においては、検出回路3によって振動子1の検出用枝8の検出電極の出力端子67と68とを等価的に短絡し、検出回路3の第1の演算増幅器30と第1の帰還容量33とからなる第1の電流電圧変換回路と第1の直流カット容量46とによって、短絡電流Isを第1の直流カット容量46の出力電圧V11=(I0/2πf0・Cf)cos2πf0・tに変換し、さらに第2の演算増幅器31と第2の帰還容量34とからなる第2の電流電圧変換回路と第2の直流カット容量47とによって短絡電流Isを電圧V22=−(I0/2πf0・Cf)cos2πf0・tに変換し、抵抗と演算増幅器からなる加減算回路により、検出出力V=V22−V11=−2(I0/2πf0・Cf)cos2πf0・tと2倍にすることができる。
【0047】
さらに、検出回路3は、バランス入力となるため、第1に演算増幅器30と第2の演算増幅器31とに共通なバイアス電流Ibやオフセット電圧Vofおよび振動子1と検出回路3の接続線21と22に外部から加わるコモンモード雑音電圧等が加減算回路によりキャンセルできるため、低雑音で温度特性の良い検出回路となる。この検出回路を用いることによって、検出精度が高い角速度検出装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における角速度検出装置の全体の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態における角速度検出装置の発振回路の構成を示す回路図である。
【図3】本発明の実施形態における角速度検出装置の検出回路の構成を示す回路図である。
【図4】本発明の実施形態における角速度検出装置の検波回路の構成を示す回路図である。
【図5】本発明の実施形態における角速度検出装置のローパスフィルタの構成を示す回路図である。
【図6】本発明の実施形態における角速度検出装置の振動子の前面斜視図である。
【図7】本発明の実施形態における角速度検出装置の振動子の後面斜視図である。
【図8】本発明の第2の実施形態における振動子の電極構造を示す断面図である。
【図9】従来技術における角速度検出装置の検出回路を示す図である。
【符号の説明】
1:振動子 2:発振回路 3:検出回路
4:検波回路 30:第1の演算増幅器
31:第2の演算増幅器 33:第1の帰還容量
34:第2の帰還容量
Claims (4)
- 少なくとも1対の検出電極が形成された検出用枝を有する振動子と、前記各検出電極の出力を検出する検出回路と、を備え、
前記検出回路は、
第1の演算増幅器を有し、一方の前記検出電極に接続した第1の電流電圧変換回路と、
前記第1の電流電圧変換回路の出力に接続した第1の直流カット容量と、
第2の演算増幅器を有し、他方の前記検出電極に接続した第2の電流電圧変換回路と、
前記第2の電流電圧変換回路の出力に接続した第2の直流カット容量と、
前記第1の直流カット容量および前記第2の直流カット容量の出力を差動増幅する加減算回路と、を有する
ことを特徴とする角速度検出装置。 - 前記第1の電流電圧変換回路は、第1の帰還容量を有し、
前記第2の電流電圧変換回路は、第2の帰還容量を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の角速度検出装置。 - 前記加減算回路は、
第3の演算増幅器と、
前記第1の直流カット容量と前記第3の増幅器のマイナス入力端子とを接続する第1の抵抗と、
前記第3の増幅器のマイナス入力端子と出力端子とを接続する第2の抵抗と、
前記第2の直流カット容量と前記第3の増幅器のプラス入力端子とを接続する第3の抵抗と、
前記第3の増幅器のプラス入力端子を接地する第4の抵抗と、を有する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の角速度検出装置。 - 前記振動子は、駆動電極が形成された駆動用枝を有し、
前記駆動電極と接続して前記振動子を自励振動させる発振回路と、
前記発振回路の出力により前記検出回路の出力を検波する検波回路と、
前記検波回路の出力の交流成分をカットするローパスフィルタと、を備える
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の角速度検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33519198A JP4440360B2 (ja) | 1998-11-26 | 1998-11-26 | 角速度検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP33519198A JP4440360B2 (ja) | 1998-11-26 | 1998-11-26 | 角速度検出装置 |
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