JP4440324B2 - 携帯端末 - Google Patents
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Description
また、この種の携帯端末はファッション性を向上させるため、ネジの頭部や先端を隠すために専用部材で覆うことで、デザイン性を向上させる場合が多い(例えば、特許文献3参照)。
従って、特許文献1で開示されたスライド機構をスライド型携帯端末に使用する場合、デザイン性、ファッション性を向上させるためには、特許文献3で開示された目隠し蓋(専用部材)を追加するなどして雌ネジ部を隠す必要があり、結果、コストアップを招く。
例えば、特許文献2で開示された携帯情報端末のスライド機構を特許文献1のスライド機構で実現した場合、電圧で発信周波数を制御する発信器などを有する無線回路部が近接配置されるので、正しい周波数変調動作を阻害してしまう場合がある。
しかしながら、線材は断面積が大きいため、曲率の小さな曲げに繰り返し応力が作用すると断線しやすい。このような線材を、曲率を大きくしながら第1と第2の筐体間に配置すると、端末の厚みが増してしまうため、線材を用いたスライド型携帯端末の提案がなされていなかった。
第2に、金属で形成したスライド部を簡単な構造で接地させることで、誤動作の誘発を回避できるようにする。
第3に、アンテナを備えた場合でも高利得が得られるようにする。
第4に、配線部材として線材を用いたときでも、断線しにくくする。
第5に、配線部材としてフレキシブルプリント基板と線材の両方を用いたときでも、断線しにくくするなど、多くの効果を有するスライド型携帯端末を提供することを目的とする。
この構成により、線材には大きな曲げ応力の発生を回避できる。
この構成により、たくさんの信号を送受できるフレキシブル基板も配置できる。すなわち、フレキシブルプリント基板と線材とが共存させられる。
また、本発明によれば、配線部材として線材を用いたときでも、断線しにくく、配線部材としてフレキシブルプリント基板と線材の両方を用いたときでも、断線しにくいという効果が得られる。
以下、本発明の第1実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、ここでは、本発明のスライド型携帯端末として、スライド型携帯電話に適用して説明する。
図5は、本発明の第1実施形態におけるスライド型携帯電話の筐体内の電気的構成を示すブロック図である。図6(a)、(b)は、第1、第2のねじりコイルばねの斜視図である。図7は、ねじりコイルばねの配置状態を示す平面図であり、(a)は本体部が閉状態のとき、(b)はベース部32に対してガイドレール部がL1だけスライド移動したとき、(c)はベース部32に対してガイドレールがL2だけスライド移動したとき、(d)はベース部32に対してガイドレールがL3だけスライド移動したとき、(e)はベース部32に対してガイドレールがL4だけスライド移動し、本体部が開状態のときを示す図である。
図8は、可撓性配線部材が透視されている状態を示す図であり、(a)は本体部が閉状態のときの平面図、(b)は(a)の側面図、(c)は本体部が開状態のときの平面図、(d)は(c)の側面図である。図9は、アンテナの動作を示す図であり、(a)は、本体部が閉状態のときの斜視図、(b)は本体部が閉状態のときの縦断面図、(c)は本体部が開状態のときの縦断面図を示す。図10〜図12は、本発明の第1実施形態におけるスライド型携帯電話に用いた第1プリント基板の第1グランドパターン71と第2プリント基板の第2グランドパターンの電流分布を示す図である。図13は、本発明の第1実施形態におけるスライド型携帯電話に用いたアンテナのVSWR特性を示す図である。
このうち、下筐体3の主面3Aにはマイクロフォン22と表示部6とが配置される。電池29は、下筐体3に装着後、電池カバー30が取り付けられて覆われる。また、下筐体3の厚みは上筐体2の段差W3に等しい。また、長手方向の長さは、上筐体2の重畳部12の長さU3に等しい。
図3に示すように、開状態ではフレキシブルプリント基板36のほとんどは上筐体2内に収容される。閉状態ではフレキシブルプリント基板36のほとんどは下筐体3の主面3Aに重なり、2点鎖線で示す。線材37も同様であり、図3への図示は省く。
なお、上ケース2Cに対するスライド部4の位置決め手段としては、前述の形状に限るものではなく、例えば、スライド部4の周囲に切り欠き部や孔を形成し、装着用開口部40の周囲の対応する部位にリブやボスを設け、両者を嵌め合わせて位置決めしてもよい。
この位置決めにより、本体部1が開/閉いずれの状態でも上、下筐体2、3の重なりを正常にすることができる。すなわち、両者の外形が整列(一致)し、不整列な状態が発生させない。
レシーバ5は第1音声出力部であり、通信相手の音声を出力するものである。着信時、使用者はレシーバ5に耳を当て、相手の音声を聞き取る。
表示部6は、レシーバ5とともに上筐体2の主面2Aにあり、レシーバ5よりも下端寄り(略中央)に設けられている。この表示部6には、受信電界強度を示すマーク、電池残容量情報、時刻情報や着信情報、入力した文字や記号等が表示される。
永久磁石8は、上筐体2の下端側であって表示部6に近接に配置されている。
表示部6の下側には第1プリント基板9が配置される。
アンテナ10は、突出部11内であってレシーバ5の下側に配置される。
操作部23は、受話ボタンや終話ボタン、レシーバ5やスピーカ25から出力される音量の調節、マナーモードへの切替え、メニュー画面における選択と確定などができる操作ボタンからなる。外表面には、電話番号や文字を入力するために、数字や文字、記号が印刷されている。
マイクロフォン22と操作部23は、下筐体3の主面3Aであって本体部1が閉状態のときに上筐体2の裏面2Dと対向して覆われ、本体部1が開状態のときに露出するように設けられている。
この第2カメラ部27と前述した第1カメラ部7は、ともに捉えた被写体からの入射光を、レンズ群を通過してCCD(電荷結合素子)などの光電変換素子にて光信号から電気信号に変換され、画像情報が生成される。この画像情報は、画像処理部17にて処理された後、表示部6に画像を生成する。
第2プリント基板28は操作部23の下側に設けられ、反対面側には電池29が配設される。
一方、音声処理部16は、音声データを復号化して音声信号を生成した後、レシーバ5やスピーカ25に出力する。他方、レシーバ5やスピーカ25では、音声処理部16から伝達された音声信号に対応する音声を出力する。
ガイドレール部31、ベース部32は金属薄板で形成される。ガイドレール部31は、中央には凹部43を有し、第1角部44と第2角部45によってコの字状に形成された2つの案内部46A、46Bを支持する支持部47とからなる。案内部46A、46Bは、支持部47の両端に、下筐体3の主面3Aに向けて突出する方向に形成される。支持部47中央の凹部43には、案内部46A近傍に第1貫通孔(凹部43の長手方向における所定位置)48、案内部46B近傍に第2貫通孔(凹部43の長手方向における所定位置)49、可撓性配線部材が通過する第2スリット50がそれぞれ設けられている。
第1、第2のねじりコイルばね33、34が取り付けられたベース部32は、摺動部56A、56Bの両面が挟まれるようにガイドレール部31の案内部46A、46Bに矢印A方向から差し込み、ベース部32を第1、第2の貫通孔48、49を通過させた後、第1ねじりコイルばね33の第1折曲げ部61は第1の貫通孔48に引っ掛けられて取り付けられる。摺動部56A、56Bと案内部46A、46Bは互いに非切断面が当接して、ガイドレール部31とベース部32が電気的に接続される。
ガイドレール部31にベース部32が組み付けられた状態では、第1、第2のねじりコイルばね33、34はベース部32の中央部53とガイドレール部31の支持部47との間に介在する。
よって、第1ねじりコイルばね33の一端側を形成する腕部65が、第1コイル部59の下部(中央部53に近接)に位置し、第1ねじりコイルばね33の他端側を形成する腕部66は上部に位置する。第2ねじりコイルばね34の一端側を形成する腕部67が、第2コイル部62の上部(中央部53から離遠)に位置し、第2ねじりコイルばね34の他端側を形成する腕部68は下部に位置する。
まず、アンテナ10が取り付けられた上ケース2Cにスライド部4を矢印B方向(図2に示す)から装着用開口部40に組み付ける。第1、第2のねじりコイルばね33、34とベース部32が装着用開口部40を通過し、装着用開口部40周囲の位置決め部40Aに延長部52を収容しながら係止される。
すなわち、位置決め部40Aと延長部52は、スライド部4が装着用開口部40を通過できないようにするストッパー作用を兼ねる構造になっている。
従って、下カバー3Bと上ケースとの間の隙間は常に一定に維持される。
これにより、第1プリント基板9と第2プリント基板28とが電気的に接続される。
従って、ベース部32はガイドレール部31に電気的に接続されているので、スライド部4は第1プリント基板9に接地されることになる。
図7(a)〜(e)は、スライド部4の第1、第2のねじりコイルばね33、34、及び第1〜第3の貫通孔57、48、49が透視されている状態を示す。
図7(a)は、ガイドレール部31の右端(片端)側の第1の位置にベース部32が寄せられている状態を示している。第1、第2のねじりコイルばね33、34は第3貫通孔57の左側に位置している。
このとき、第1コイル部59の中心は、第3貫通孔57の軸心を回転中心とした半径R1が回動半径になる。第2コイル部62の中心は、第3貫通孔57の軸心に回転中心とした半径R2(R2>R1)が回動半径になる。半径R1,R2はベース部32の中央部53上で形成される。
第2ねじりコイルばね34は、一端側を形成する腕部67と他端側を形成する腕部68とで、所定のねじれ角β(ベース部32に取り付ける前はβ+Δ)を形成し、ねじれ角βの頂角は、第1ねじりコイルばね33と同様に、第3貫通孔57を中心に右回りに向いて配置されている(への字の山が右回りに向いている)。
第2ねじりコイルばね34の一端側を形成する腕部67は、第2コイル部62から第3貫通孔57の中心に向かって略右下がりの傾斜をしている。第2ねじりコイルばね34の他端側を形成する腕部68は、第2コイル部62から第2貫通孔49に向かって略左下がりの傾斜をしている。
第2ねじりコイルばね34の他端側を形成する腕部68は、第2コイル部62から第2貫通孔68に向かってまっすぐに向かって下がっており、摺動方向(矢印A方向及びその反対側)に対して垂直となる。
この付勢力が小さいと、本体部1が開状態から閉状態へ、或いはその逆の動作が容易に発生してしまう。
仮に、これら腕部の長さが短い状態で、本実施例と同じスライド量を得ようとするとねじれ角の変化が大きくなってしまうため、ばねに生じる応力が増大し、ねじりコイルばねの折損を招く恐れがある。
付勢力を得るために用いるねじりコイルばねは、本体部1が開/閉何れの状態であっても、本体部1の外面に露出すると使用者が容易に触れることができるため、不注意でねじりコイルばねを変形させてしまう恐れがある。
よって、本体部が開/閉何れの状態であってもねじりコイルばねの露出を回避するために、本体部が開/閉何れの状態であっても、ねじりコイルばねを上筐体2と下筐体3とが重畳する領域に配置しなければならない。しかも、このスペースが大きいと操作部23の面積が小さくなってしまうため、このスペースはできる限り小さい方が好ましい。
すなわち、第1コイル部59に第2コイル部62が一部重なった領域(図7(b)の斜線部)S1だけ、前述の領域の総和を小さきしている。その結果、上筐体2と下筐体3とが重畳する領域を増大させずにすむので、操作部23が配置されるスペースを確保している。
第2ねじりコイルばね34の一端側を形成する腕部67は、第2コイル部62から第3貫通孔57の中心に向かって略右下がりの傾斜をしている。第2ねじりコイルばね34の他端側68を形成する腕部は、第2コイル部62から第2貫通孔49に向かって略右下がりの傾斜をしている。
すなわち、第2ねじりコイルばね34の他端側を形成する腕部68は、図7(a)では傾斜をし、図7(b)の垂直状態を経て、図7(c)では図7(a)の傾斜方向とは逆になり、同時に第2コイル部62の回動方向が矢印方向に反転する。
第2ねじりコイルばね34の他端側を形成する腕部68は、第2コイル部62から第2貫通孔49に向けて略右下がりの傾斜をしており、図7(c)の状態から傾きが小さくなっている。
この状態では、2つのねじりコイルばねが生じる付勢力によって、ベース部32に対してガイドレール部31を右側(矢印A方向)へ付勢する。すなわち、後述する図7(e)の状態になろうとする。
第1コイル部59は、図7(d)の状態から左回りをする。すなわち、図7(a)の状態から図7(d)の状態まで右回りをし、その後は逆周をする。
第1ねじりコイルばね33のねじれ角は略αとなり、第2ねじりコイルばね34のねじれ角は略βとなり、ほぼ図7(a)の状態と同じになる。
第2ねじりコイルばね34の一端側を形成する腕部67は、第2コイル部62から第3貫通孔57の中心に向かって略右上がりに傾斜している。第2ねじりコイルばね34の他端側を形成する腕部68は、第2コイル部62から第2貫通孔49に向かって右下がりの傾斜をしており、図7(d)の状態より傾きが小さくなっている。
第1、第2の貫通孔48、49が第3貫通孔57の左側にあれば、ベース部32に対してガイドレール部31を左側(矢印Aと反対方向)に付勢する。第3貫通孔57に対して第1、第2の貫通孔48、49が左側から近づくと、付勢力は徐々に増す。第1、第2のねじりコイルばねの矢印a方向の分力が平衡になるとき、付勢力がほぼ零になる。
さらに、第1、第2の貫通孔48、49が第3貫通孔57を通過し、分力が不平衡になると、付勢力に向きが反転し、ベース部32に対してガイドレール部31を右側(矢印方向)に付勢する。第1、第2の貫通孔48、49が第3貫通孔57の右側にあるときに、第3貫通孔57に対して第1、第2の貫通孔が近づいた場合は、ベース部32に対してガイドレール部31を右側(矢印A方向)に付勢する。
その結果、L4の移動直前に第1コイル部59が存在していた位置に、L4の移動に伴って第2コイル部62が一部重なる位置まで回動させるようにしたので、この位置でも前述の占有面積を小さくしている。
さらに、第1、第2貫通孔48、49に取り付けられるねじりコイルばねの腕部を長くすることができるので、摺動長及び付勢力を大きくすることができる。
従って、操作部23が配置されるスペースの確保しながら不意な開閉が防止される。
例えば、図7(a)において、第2ねじりコイルばね34の他端側の腕部68が短かく、第2貫通穴49が同じ位置であれば、第2コイル部62が図7(a)の状態から左回りした位置になる。このとき、ねじれ角の変化(初期のβ+Δからの差)は、図7(a)の状態より小さくなるので、発生する付勢力が小さくなる。また、第2ねじりコイルばね34の他端側の腕部68が長く、第2貫通穴49が同じ位置であれば、第2コイル部62が図7(a)の状態から右回りした位置になるので、第1コイル部59に第2コイル部62に追突する。
従って、2つのねじりコイルばねの長くしながら腕2つのコイル部の回動半径を異ならせることで、付勢力を増大させながら摺動量も大きく、占有面積の最小化を同時に達成している。
ベース部32がガイドレール部31の片側の摺動端側から中央に向かってL1の移動をする際は、第1、第2のコイル部59、62の回動方向を同じくし、L1の移動後は第2ねじりコイルばね34を反転させ、第1、第2のねじりコイルばね33、34が追突する前のL4の移動をした際には、第1ねじりコイルばね33の回動を止め、L3からL4の間では、また第1、第2のねじりコイルばね33、34の回動方向を再度同じくなるように構成した。
よって、第1、第2のねじりコイルばね33、34が回動するために必要な占有面積を小さくできる。
その結果、操作部23を形成する面積を広くすることができるので、下筐体3の主面3Aに配置されるボタンや、またボタンの間隔を大きくできるので、手が大きい人や爪の長い人でも操作しやすくなり、しかも、操作部23を同一面に形成できるので、操作性が良好となる。
すなわち、使用するばねとしては、巻回部を有し、一端をベース部32に連結し、他端をガイドレール部31に接続し、一端側と他端側とでへの字の状態にねじれ角を有しさせ、回動軸を中心として同回動方向に向けた構造にすればよい。
本体部1が閉状態である図8(a)、(b)において、フレキシブルプリント基板36は、コネクタ38Aと、コネクタ38Aより上側に位置するコネクタ39Aに接続されている。線材36は、コネクタ38Bと、コネクタ38Bより上側に位置するコネクタ39Bに接続されている。その結果、フレキシブルプリント基板36は、本体部1の厚み方向(上、下筐体2、3が重なる方向)に中心をOfとした半径R3の円弧を形成する。線材37は、折り曲げられたフレキシブルプリント基板36の内側に配置され、本体部1の幅方向(半径R3の軸心方向)に中心をOcとした半径R4の円弧を形成するように折り曲げられて、略U字状になっている。
図8(c)、(d)は、下筐体3に対して上筐体2が矢印A方向にL4だけ移動した開状態を示している。フレキシブルプリント基板36は、コネクタ38Aと、コネクタ38Aより下側に位置するコネクタ39Aに接続されている。線材36は、コネクタ38Bと、コネクタ38Bより下側に位置するコネクタ39Bに接続されている。その結果、フレキシブルプリント基板36は、本体部1の厚み方向に中心をOf´とした半径R3の円弧を形成する。線材37は、折り曲げられたフレキシブルプリント基板36の内側に配置されたまま、本体部1の幅方向に中心をOc´とした半径R4の円弧を形成するように折り曲げられて、略U字状になっている。なお、線材37は、第1プリント基板9と第2プリント基板28の間の距離だけ円弧R4が傾いた状態となっていて、傾きは図8(b)と変わらない。
下筐体3に対して上筐体1がL4だけ移動(コネクタ38Aが矢印A方向にL4移動したように図示してある)すると、フレキシブルプリント基板36の円弧は、中心Ofが矢印A方向へL4/2だけ移動して中心Of´となる。また、線材37の円弧は、中心Ocが同方向へL4/2だけ移動して中心Of´となる。
また、線材37の円弧が形成される方向はフレキシブルプリント基板36の円弧が形成される方向に対して略直交方向に形成したので、線材37の円弧をフレキシブルプリント基板36と同方向に形成した場合よりも曲率を大きくすることができる。
一般に、フレキシブルプリント基板36の厚さより大きい(太い)線材37には、円弧の曲率を大きくすることで、生じる曲げ応力を小さくすることができる。フレキシブルプリント基板36と同方向に線材37を曲げて配置すると、曲率が小さくなってしまうため、発生する応力が大きくなってしまう。
(断線の回避)。
図9(a)において、上筐体2に収容された第1プリント基板9は、給電部20を除いたほぼ全面に回路の接地電位となる第1グランドパターン71を有し、斜線で示す。また、下筐体3に収容された第2プリント基板28は、ほぼ全面に回路の接地電位となる第2グランドパターン72を有し、斜線で示す。
しかしながら、所定幅のフレキシブルプリント基板36は、多数の信号線とグランド線の両方を形成しなければならず、しかも厚みが薄い。ゆえに、フレキシブルプリント基板36のグランド線は狭幅な回路線となるので、わずかな高周波電流しか流さない。
従って、平面素子部10Aの端部が給電部20に接続されて内蔵型モノポールアンテナを実現している。
図9(b)において、本体部1が閉状態では、第1グランドパターン71には矢印J方向(給電部20から離れる方向)への高周波電流が流れる。第2グランドパターン72はフレキシブルプリント基板36によって第1グランドパターン71に接続されているが、前述したように、フレキシブルプリント基板36は僅かな高周波電流しか流さないので、これに接続された第2グランドパターン72には僅かな高周波電流しか流れない。
図9(c)において、本体部1が開状態の場合は、閉状態に対してアンテナ10が第2グランドパターン72からL4だけ離れる方向へ平行移動しただけである。
従って、本体部1が開/閉いずれの状態でも、第1グランドパターン71に流れる高周波電流が支配的である。
条件として、第1のグランドパターンは短手方向の長さが40mm、長手方向の長さが90mmとした。第2グランドパターンの短手方向の長さが40mm、長手方向の長さが70mmとした。下筐体3に対する上筐体2の摺動量L4は50mmとした。本第1実施形態の構成による効果を確認するために、スライド部4を第2グランドパターン72にも接地した構造と比較した。
(b−f1)・・・800MHzにおいて、本体部1が閉状態のとき、スライド部4を第1グランドパターン71にだけ接地した場合であり、本第1実施形態の構成である(図10(b))。
(b−f2)・・・2000MHzにおいて、本体部1が閉状態のとき、スライド部4を第1グランドパターン71にだけ接地した場合であり、本第1実施形態の構成である(図10(d))。
(d−f1)・・・800MHzにおいて、本体部1が開状態のとき、スライド部4を第1グランドパターン71にだけ接地した場合であり、本第1実施形態の構成である(図11(b))。
(d−f2)・・・2GHzにおいて、本体部1が開状態のとき、スライド部
4を第1グランドパターン71にだけ接地した場合であり、本第1実施形態の構成である(図12(b))。
また、図13にはアンテナ10のVSWR特性を示している。
図13(b)・・・本体部1が開状態のとき、スライド部4を第1グランドパターン71にだけ接地した場合である。
図13(d)・・・本体部1が開状態のとき、スライド部4を第1グランドパターン71にだけ接地した場合である。
この電流密度が高い領域(h3)は、通話時、頬に当たりやすい位置なので、人体の影響が受けやすい。なお、2GHzにおいては、本体部1が開/閉いずれの状態であっても、ほとんど変化が無いので、筐体の態様状態の影響をほとんど受けていない。
そのため、第1グランドパターン71の端部で位相が反転し、第2グランドパターン72に逆相の高周波電流が発生する。この逆相の逆相の高周波電流が第1グランドパターン71に生じている高周波電流を打ち消すため、狭帯域となる。
また、モノポールアンテナに限るものではない。本第1実施形態のアンテナを逆Fアンテナ、逆Lアンテナ等に置換したときでも、スライド部4を上筐体2の第1グランドパターン71に接地させる構造であれば、第2グランドパターン72の影響を受けにくい構造が実現できる。
第1に、スライド部は、上筐体の内面側から上ケースに取り付けたとき、案内部を通過させ、ガイドレール部は通過しないようにした。これにより、ネジなどの締結部材を用いずとも上筐体に装着できる。
本発明の第2実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、ここでは、第1実施形態で説明したスライド型携帯電話のスライド部の変形例であり、筐体内の電気的構成等、同じ符号については説明を省く。
スライド部80は、第1実施形態で説明した上下の筐体2、3をスライド可能に固設するものであり、主に、ガイドレール部81と、ベース部82A、82Bと、圧縮ばね83A、83Bと、パイプ84A、84Bとで構成されている。ガイドレール部81、ベース部82A、82Bは金属薄板で形成される。本体部85を閉状態から開状態へと態様を変化させるために、上筐体2に固定されるガイドレール部81に対して下筐体3に固定されるベース部82A、82Bが摺動可能になっている。
支持部91の四隅には切り欠き部94を有し、第4角部87A、87Bを形成するときに曲げられない、支持部91が延長した延長部95A、95B、95C、95Dが形成されている。
また、案内部90A、90Bには長孔97A、97B(図14には点線で示す)が形成されており、案内部90A、90Bの中に装入されるベース部82A、82Bに固定されるネジ98A、98Bが長孔97A、97Bに挿通する。
2Cに形成された装着用開口部40にスライド部80を組み付けると、2つの案内部90A、90Bが装着用開口部40を通過し、装着用開口部40周囲の補強リブ40B上の位置決め部40Aに延長部95A、95B、95C、95Dが搭載されて位置決めされる。すなわち、第1実施形態と同様に、補強用リブ40Bは延長部95A、95B、95C、95Dを載せ、スライド部80が装着用開口部40を通過できないようにしている。
従って、下カバー3Bと上ケースとの間の隙間は常に一定に維持される。
なお、電気的接続方法は、第1実施形態で説明したように、専用ばねやばね片によって接続しても構わない。
故に、互いの面が当接させられるような本第2実施形態の形状により、安定した動作が行える構造を実現している。
第1実施形態のスライド部との相違点は、(1)案内部が箱状(2)ベース部が別体(3)付勢手段は圧縮ばねである。案内部は長孔を境にベース部の両端を支持する両持構造なので、2つの筐体2、3が離遠するような力が加わっても第5、第6角部に力が加わる構造となる。ゆえに、案内部の変形を最小にすることができる。第1実施形態の場合、第2角部にのみ力が加わる構造(所謂、片持構造)なので、第1実施形態より第2実施形態のほうが、上述の離遠するような力に対して有利である。また、ベース部が別体であるが、案内部を単一部材で構成したことにより2つの案内部の平行度が確保されているので、平行摺動を行うことができ、第1実施形態より不利にはならない。
従って、上述の差異はあっても、第1実施形態のまとめに述べた効果は、第2実施形態で詳述したスライド部でも同様に得られる。
このようなスライド部4Aによれば、案内部に切り欠きを設けずに延長部を構成することができるので、切り欠きから水の浸入が完全に排除される。この種の携帯電話は把持して使用するため、誤って落下してしまう場合がる。時には、水溜まりにも落とすときが有り得る。第1実施形態では、切り欠きを十分に小さくするとともに装着用開口部周囲に密着させることで容易な浸入を回避したが、完全な水没対策として有効である。
すなわち、延長部はガイドレール部の案内部より外側に設けているので、スライド部は上筐体の装着用開口部を通過できない。このスライド部の一部を上筐体内面側に露出させながらガイドレール部に摺動可能に保持されたベース部が下筐体に固定されているので、上筐体と下筐体とは、安定した摺動動作が行えるようになっている。
また、摺動面に摺動特性のよい材料で形成した摺動部材を適宜設けても構わない。
図17に示すように、第1ねじりコイルばね33Aは、右巻きで形成された第1コイル部(コイル部)59Aと、両端部に形成されたリング部60A、60Aを有している。第2ねじりコイルばね34Aは、左巻きで形成された第2コイル部(コイル部)62Aと、両端部に略コの字状に折り曲げられた折曲げ部63A、64Aを有している。
そして、本体部閉状態から本体部開状態への移行に伴って、第1、第2のねじりコイルばね33A、34Aが貫通孔57の軸心を回転中心として回動するにあたっては、第1のねじりコイルばね33Aが図18(b)中時計回りに回動するが、第2のねじりコイルばね34Aが一時的に図18(b)中時計回りに回動する。
その後、第2のねじりコイルばね34Aは、図18(c)中時計回りに回動することにより、第1ねじりコイルばねが存在していた位置に向かうように、第1のねじりコイルばね33Aに追従する。
2 上筐体(第1筐体)
3 下筐体(第2筐体)
4、80 スライド部
6 表示部
9 第1プリント基板
10 アンテナ
23 操作部
28 第2プリント基板
31、81 ガイドレール部
32、82 ベース部
36 フレキシブルプリント基板
37 線材
40 装着用開口部
46、90 案内部
47、91 支持部
52、95 延長部
53、99 中央部
56 摺動部
Claims (2)
- 表示部と、第1プリント基板と、を収容する第1筐体と、
操作部と、第2プリント基板と、を収容する第2筐体と、
前記第1筐体と前記第2筐体が対面しながら相対的にスライド可能に連結するスライド部と、
前記第1プリント基板と前記第2プリント基板とを電気的に接続する線材と、を備え、
前記線材は、前記第1筐体と前記第2筐体が重なるように見た平面視の状態でU字状の曲げ部を形成することを特徴とするスライド型携帯端末。 - 前記線材は、前記第1プリント基板と前記第2プリント基板とを電気的に接続し、前記第1プリント基板に接続される第1端部と前記第2プリント基板に接続される第2端部とを有し、前記第1端部と前記第2端部とを前記第2筐体に対する前記第1筐体のスライド方向に対して直交方向に離間させて前記曲げ部を形成するとともに、
前記線材の曲げ部は、前記第2筐体に対して前記第1筐体が移動する際に、該第1筐体の移動量の半分だけ移動することを特徴とする請求項1に記載のスライド型携帯端末。
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