JP4439633B2 - シートベルトシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両衝突の際に、乗員を座席に拘束して乗員の安全を図るシートベルト装置に関し、特に、同一車両内に複数のシートベルト装置を備える場合に、各座席の乗員を効果的に保護するようにしたシートベルト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の衝突時、車両内の乗員を保護するシートベルト装置としては、衝突時に車両に発生する衝撃により、車両衝突を検出し、衝突が検出されると、各座席に取付けられたシートベルトは、当該シートベルトのプリテンショナ(主に、火薬式)により、シートベルトを瞬時に引込み、同時にシートベルト装置のリトラクタ内の引出しロック機構により、引込んだ後のシートベルト引出しをロックし、シートベルトを装着している乗員を確実に拘束し、保護せんとしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、厚手(地厚)の衣服を着用している場合等には、シートベルトの引出し量が増える傾向にあるため、衝突の際に慣性力によって乗員が前方に移動した状態で、シートベルトの引出しロック状態となることが考えられる。後部座席の乗員が前方に移動すると、前方座席のシートバックにぶつかる虞がある。例えば、運転席後方の乗員が運転席のシートバックにぶつかると、運転席の乗員には、自身の慣性力に、更に、後部座席の乗員の慣性力の一部が加わる。この結果、シートベルトで拘束された運転者(前方座席の乗員)のダメージが増えることが考えられる。また、運転操作によって衝突を回避するために、シートベルトによる運転者の座席への拘束は、可及的に運転操作可能な状態でなされることが望ましい。また、乗員が衝突によって前方に移動すると、衝突によって展開するエアバッグによって乗員の頭部などが叩かれる虞がある。
【0004】
従って、衝突の際にシートベルトの張力が制御されるようにしたシートベルト装置を、運転席と、助手席や後部座席にも複数設けるようにした場合、各シートベルト装置のシートベルト張力の制御を全て同じ態様で行うよりも、個別的に制御出来るようにすることが望ましい。例えば、衝突回避操作を行い得る運転者の座席のシートベルト装置とその他の者の座席のシートベルト装置とを別途の制御態様で分けて行う方が望ましいと考えられる。
【0005】
よって、本発明は、運転者のシートベルト装置と運転者以外の者のシートベルト装置とを異なる態様で制御するようにしたシートベルト装置を提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明は、乗員が衝突の際に展開するエアバッグによって叩かれないようにしたシートベルト装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のシートベルトシステムは、車両の運転者を座席に拘束する、第1のシートベルトの張力を可変に調整する張力可変手段を有する第1のシートベルト装置と、上記運転者以外の乗員を座席に拘束する、第2のシートベルトの張力を可変に調整する張力可変手段を有する第2のシートベルト装置と、上記車両の衝突を予知し、衝突の可能性に応じた衝突予知信号を出力する衝突予知部と、上記車両の衝突を検知し、衝突信号を出力する衝突検出部と、上記第1のシートベルト装置と対応する位置に設けられ、バッグを展開して乗員を保護する第1のエアバッグ装置と、上記第2のシートベルト装置と対応する位置に設けられ、バッグを展開して乗員を保護する第2のエアバッグ装置と、上記衝突信号に対応して上記第1及び上記第2のエアバッグ装置を作動させ、上記衝突予知信号に対応して上記第1及び上記第2のシートベルト装置の各張力可変手段を作動させると共に、少なくとも、上記第1及び上記第2のシートベルトの張力の制御を異なる態様で行う制御部と、を備える。
【0008】
かかる構成とすることにより、衝突の可能性があると、運転者とそれ以外の乗員とを異なるシートベルトの引込み態様で座席に拘束することが出来るようになる。それにより、例えば、運転者のシートベルトの張力を加減して運転操作による衝突回避を衝突の直近まで可及的に可能とする。そして、衝突するとエアバッグの展開によって更に乗員の安全確保が図られる。
【0009】
好ましくは、各張力可変手段はシートベルトの張力を可変に調整する第1及び第2の張力可変機構からなり、上記制御部が上記衝突予知信号によって衝突の回避が困難であることを判別したとき、上記第1及び上記第2のシートベルト装置の各第1の張力可変機構を動作させて各シートベルトの張力を上昇させ、かつ、上記第1のシートベルト装置の張力を上記第2のシートベルト装置の張力よりも相対的に小さくなるように制御する。
【0010】
かかる構成とすることによって、衝突の可能性があると、予め第1の張力可変機構によってシートベルトの余分の弛みを除いておき、衝突の際に第2の張力可変機構によってシートベルトを更に引込んで乗員をしっかりと座席に拘束する。それにより、地厚の衣服を着ている場合などにも、確実な乗員拘束が行われる。後部座席の乗員が前方の座席に突き当る不具合も解消可能である。また、運転者席の第1のシートベルト装置の張力は第2のシートベルト装置の張力よりも相対的に小さいので、運転者の運転操作による衝突回避を衝突の直前まで可及的に可能とする。
【0011】
好ましくは、各張力可変手段はシートベルトの張力を可変に調整する第1及び第2の張力可変機構からなり、上記制御部が上記衝突予知信号によって衝突の可能性があるが、衝突回避操作が可能であることを判別したとき、上記第1のシートベルト装置の上記第1の張力可変機構によって上記第1のシートベルトの張力を振動的に変化させ、上記第2のシートベルト装置の上記第1の張力可変機構によって上記第2のシートベルトの張力を増大させる。
【0012】
かかる構成とすることによって、運転者のシートベルトの弛みを除くと共にベルトの振動によって衝突の可能性の注意を喚起することが可能となる。また、他の乗員のシートベルトの弛みは除去される。
【0013】
好ましくは、上記第2のシートベルト装置の上記張力可変手段はシートベルトの張力を可変に調整する第1及び第2の張力可変機構からなり、上記第2のシートベルト装置によって拘束される乗員の着座位置を検出する位置検出手段を更に備え、上記制御部が上記衝突予知信号によって衝突の回避が困難であることを判別し、かつ、上記乗員の着座位置の検出により上記第2のエアバッグ装置の開口部への上記乗員の接近を判別したとき、上記第2のシートベルト装置の上記第1の張力可変機構を上記乗員を座席に引戻し得るベルト張力で作動させる。
【0014】
かかる構成とすることによって、運転者以外の乗員がエアバッグの展開範囲外となるように引戻されるので、乗員の頭部がエアバッグの展開によって叩かれる不具合を回避可能である。
【0015】
好ましくは、上記第1の張力可変機構は、モータによってシートベルトを引込み側あるいは送出し側に駆動する構成を含み、上記第2の張力可変機構は、膨張ガスの圧力、例えば、火薬の爆発力によってシートベルトを瞬時に引込む構成を含む。
【0016】
かかる構成とすることにより、モータによってシートベルトの引出し及び引戻しを繰返し行うことを可能とすると共に、膨張ガスによって緊急時の素早いかつ高い張力による引き込みを確保することが可能となる。
【0017】
好ましくは、上記第1及び第2の張力可変機構は、シートベルトの一端を巻取る、車体若しくは座席に取付けられるリトラクタに設けられる。
【0018】
好ましくは、上記第1の張力可変機構は、上記シートベルトの一端を巻取る、車体若しくは座席に取付けられるリトラクタに設けられ、上記第2の張力可変機構は、上記シートベルトが挿通するタングプレートと係合するバックル部に設けられる。
【0019】
好ましくは、上記第2の張力可変機構は上記リトラクタに設けられ、該リトラクタには、指令信号に応じてシートベルトの引出しをロック可能な強制ロック機構が設けられる。
【0020】
好ましくは、上記第1の張力可変機構はリトラクタに、上記第2の張力可変機構にはシートベルト他端部を車体に固定するラップベルト固定部に設けられる。
【0021】
好ましくは、上記第2の可変張力機構はリトラクタに設けられ、該リトラクタには、指令信号に応じてシートベルトの引出しをロックする強制ロック機構が設けられ、上記第1の張力可変機構は、ラップベルト部に設けられる。
【0022】
好ましくは、上記第1の張力可変機構はバックル部に設けられ、リトラクタには指令信号に応じてシートベルトの引出しをロックする強制ロック機構が設けられ、上記第2の張力可変手段はラップベルト固定部に設けられる。
【0023】
好ましくは、上記第2の張力可変機構はバックル部に設けられ、リトラクタには指令信号に応じてシートベルトの引出しをロックする強制ロック機構が設けられ、第1の張力可変機構は、ラップベルト固定部に設けられる。
【0024】
好ましくは、上記第1の張力可変機構及び上記第2の張力可変機構は、ラップベルト固定部に設けられ、リトラクタには指令信号に応じてシートベルトの引出しをロックする強制ロック機構が設けられる。
【0025】
好ましくは、上記ラップ固定部は、座席に設けられる。
【0026】
このように、第1の張力可変機構と、第2の張力可変機構とを別々に構成することによって、リトラクタを小型化することが可能となる。また、強制的にリトラクタからの引出しを阻止することによってベルト張力を急速に増加させることが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態では、シートベルト装置は、運転席以外に、助手席、後部座席、あるいは補助座席などに設けられる。
【0028】
図1は、車両のシートベルトシステムの例を概略的に示している。図示しない車両内の、運転席、助手席、後席には、それぞれシートベルト装置及びエアバッグ装置が配置されている。各シートベルト装置及び各エアバック装置は、制御部によって作動が制御される。制御部は、後述の、前方車両等を探知して衝突の可能性を判断する衝突予知装置からの衝突予知情報(衝突予知信号)、衝突の衝撃を検出する衝突検出器からの衝突情報(衝突検出信号)、乗員の位置を検出する位置情報(位置信号)に基づいて、各シートベルト装置及び各エアバッグ装置を個別に、あるいは共通に制御する。個別の制御は、別途の制御態様で行うもので、運転席とそれ以外の席、運転席と助手席、運転席と後席、の組合わせが含まれる。共通の制御は同じ制御態様で行うもので、助手席と後席、後席同士、の組合わせが含まれる。
【0029】
図2は、車両内のシートベルト装置などを説明するものであるが、説明の便宜のため、運転席のシートベルト装置と、運転席以外の座席の例示として、助手席のシートベルト装置が示されている。
【0030】
運転席のシートベルト装置は、運転者を座席301aに拘束するシートベルト302aを巻取る電動巻取装置(リトラクタ)100a、シートベルト302aを乗員の肩近傍で折返すスルーアンカ303a、シートベルト302aを挿通して腰部近傍に配置されるバックル304aと係合するタングプレート305a、シートベルト302aの端部を車体に固定するアンカー306a、バックル304aに内蔵されてベルト装着を検出するスイッチ307a、等によって構成される。また、ハンドルの中央部にはエアバッグ装置500aが設けられている。座席の背もたれ背面の肩部に、後席の乗員保護のためのエアバッグ装置500cが設けられている。
【0031】
助手席のシートベルト装置は、乗員を座席301bに拘束するシートベルト302bを巻取る電動巻取装置(リトラクタ)100b、シートベルト302bを乗員の肩近傍で折返すスルーアンカ303b、シートベルト302bを挿通して腰部近傍に配置されるバックル304bと係合するタングプレート305b、シートベルト302bの端部を車体に固定するアンカー306b、バックル304bに内蔵されてベルト装着を検出するスイッチ307b、等によって構成される。また、乗員と対向する位置のダッシュボード600には助手席用のエアバッグ装置500bが設けられている。助手席の乗員位置を検出する位置検出センサ601もダッシュボード部に設けられている。位置検出センサ601は、例えば、超音波探知機であり、音波を発射し、音波の反射時間を計測することによって乗員の位置を検出する。
【0032】
図3は、車両のシートベルトシステムの他の例を示しており、説明の便宜のため、運転席のシートベルト装置と、運転席以外の座席の例示として、後席のシートベルト装置が示されている。同図において、図2と対応する部分には、同一符号を付し、かかる部分の説明は省略する。
【0033】
後席のシートベルト装置は、助手席のシートベルト装置と同様に構成されるが、エアバッグ装置500cは運転席301aの背もたれ背面の肩部に設けられている。また、乗員位置検センサ602が該背もたれ部内に設けられて、後部座席乗員の位置を検出する。前述した助手席301bの背もたれについても同様である。
【0034】
後席のシートベルト装置は、乗員を座席301cに拘束するシートベルト302cを巻取る、座席の背もたれ内に設けられた電動巻取装置100c、シートベルト302cを挿通して腰部に配置されるバックル304cと係合するタングプレート305c、シートベルト302cの端部を車体に固定するアンカー306c、バックル305cに内蔵されてベルト装着を検出するスイッチ307c、等によって構成されている。
【0035】
車両の前方には、車両の衝突を予知する衝突予知装置401(図示せず)、車両の衝突を検出する衝突検出器402(図示せず)等が配置されている。
【0036】
図4は、電動巻取り装置100aの構成を概略的に説明する説明図である。電動巻取り装置100b、100cも同様に構成することが可能である。
【0037】
同図において、電動巻取り装置100aは、フレーム101を備えている。このフレーム101には、シートベルト302aを巻回するリール103、リール103と結合し、リール回転の中心軸となるリールシャフト103aが回転自在に設けられる。リールシャフト103aの右端部には、シートベルト302aの引出しをロックする後述のシートベルトロック機構102が設けられている。シートベルトロック機構102は、車両に所定の減速度が作用したときベルトの引出しをロックするVSI動作と、シートベルト302が所定の加速度で引出されたときにシートベルト302の引出しをロックするWSI動作とを備えている。また、このロック機構102には、ロック機構102を指令信号に応答して強制的に作動させる後述の電磁的アクチュエータ112aが更に設けられている。電磁的アクチュエータ112aは後述の制御部200の出力によって作動が制御される。シートベルトロック機構102は、シートベルト302aの引き出しのロック状態でも電動モータ110aによるシートベルト302aの巻取りが可能に構成されている。
【0038】
プリテンショナ104aは、衝突検出器402の出力に基づく制御部200の出力によって作動し、リールシャフト103aをシートベルトの巻取り方向に回転し、シートベルトを強制的に巻取って乗員を座席に拘束する。プリテンショナ104は、例えば、火薬式プリテンショナであり、ガス発生器、ガス発生器から発生したガスを封止するシリンダ、シリンダ内をガス圧によって移動するピストン、ピストンの移動を、クラッチ機構を介してリール軸103aの回転運動に変換する伝達機構等によって構成される。
【0039】
リール軸103aに固定されたプーリ105は、動力伝達用ベルト107を介して直流モータ110aの軸に固定されたプーリ106と連結している。プーリ105、106の外周にはそれぞれ所定数の外歯が形成され、また、ベルト107の内周にも所定数の内歯が形成されている。リールシャフト用のプーリ105、モータ用のプーリ106、ベルト107の各歯山は過不足なく噛合っており、モータ110bの回転は、リールシャフト103aに伝達される。モータ110aは、フレーム101に少なくとも2点以上で固定されており、制御部200の出力によって動作する。
【0040】
リールシャフト103aの最左端に設けられたポテンショメータ111は、図5に示すように、両端に電圧が印加される抵抗体と、リールシャフト103aの回転に連動する摺動子とによって構成される。そして、リールシャフト103a基準位置からの回転量に対応した電圧値を制御部200に出力する。これにより、例えば、ベルトの引出し量を推定することが出来る。また、ベルトの弛みのない状態の電圧値と、ベルトの引出された状態の電圧値とを比較することによってベルトの弛み量を推定することができる。
【0041】
図6は、制御部200の概略構成を説明する機能ブロック図である。なお、この例では、説明の便宜上、運転席のシートベルト装置と、運転席以外のシートベルト装置の代表例としての、助手席のシートベルト装置の制御系のみが示されている。図示されていない後席のシートベルト装置の制御系も助手席のシートベルト装置の制御系と同様に構成されるものであり、後席のシートベルト装置の制御系も助手席のシートベルト装置の制御系と同様に動作する。
【0042】
同図に示されるように、制御部200は、マイクロコンピュータシステムによって構成される。CPU201は、ROM202に保持される制御プログラムやデータをRAM203のワークエリアにロードして各シートベルト装置のモータ、シートベルトロック機構を強制的に作動させる電磁的アクチュエータ(例えば、ソレノイド)及びプリテンショナの各動作を制御する。
【0043】
衝突予知部(衝突予知装置)401は、自車両と、前方車両等の障害物との衝突が生ずる可能性があるか、衝突を回避可能か回避不可であるかを判別する。例えば、レーザレーダ、超音波センサ、等の非接触型距離センサによって所定時間毎に自車と障害物との距離を計測する。この距離の時間的変化から相対速度を計算する。距離を相対速度で除算して衝突までの時間を計算する。該衝突時間が予め設定された所定時間T2以上T1以下(但し、T2<T1)なら、衝突の可能性(回避可能)があるとして衝突可能性信号を出力する。また、該衝突時間が所定時間T2以下であるなら、衝突が不可避的であるとして、衝突不可避信号を出力する。これ等の衝突の予測信号は、制御部200の入力インタフェース204に供給され、RAM203内に設けられたフラグ領域(フラグレジスタ)の「衝突可能性フラグ」、「衝突不可避フラグ」をオンに設定する。これにより、CPU201に後述の割込み処理を開始させる。
【0044】
衝突検出部(衝突検出器)402は、衝突時に車体に発生する衝撃を加速度センサによって検出し、加速度信号を信号処理して大きさや立上がり波形に基づいて衝突検出を行う。この検出信号は、入力インタフェース204に供給され、RAM203内のフラグ領域の「衝突検出フラグ」をオンに設定する。これにより、CPU201に後述の割込み処理を開始させる。
【0045】
バックルスイッチ307a及び307bの各出力は、入力インタフェース204を介して、RAM203内に設けられたフラグ領域に各シートベルト装置のベルトの装着の有無に対応した「シートベルト装着フラグ」の設定を行う。
【0046】
助手席の乗員検出部(乗員検出器)601は、助手席の乗員位置を検出して入力インタフェース204に出力する。入力インタフェース204は、乗員位置と助手席エアバック展開距離とを比較し、乗員位置がエアバッグの展開範囲内であると、RAM203内のフラグ領域の「助手席乗員展開範囲内フラグ」をオンに設定する。後席の乗員検出部602は、後席の乗員位置を検出して入力インタフェース204に出力する。入力インタフェース204は、乗員位置と後席エアバック展開距離とを比較し、乗員位置がエアバッグの展開範囲内であると、RAM203内のフラグ領域の「後席乗員展開範囲内フラグ」をオンに設定する。
【0047】
なお、本発明に直接関係しないので図示しないが、前述したポテンショメータ111の出力電圧は、入力インタフェース204によって所定周期でA/D変換される。入力インタフェース204はCPUを内蔵しており、変換された出力電圧データを監視している。例えば、出力電圧データの前回値と今回値とが相違することによって、軸103aの回転状態を判別し、出力電圧データの前回値と今回値との差の正あるいは負によって、シートベルトの「引出し」フラグ、あるいは「巻取り」フラグをRAM203のフラグ領域に設定する。また、DMA動作によって出力電圧データをRAM203の回転量エリアに書込む。ベルトを巻取った状態の出力電圧データからの引き出し方向への変化分はベルトの弛み量に相当する。この弛み量は、RAM203のベルト弛み量エリア1に書込まれるので、これを乗員位置情報の代りに使用することも可能である。
【0048】
運転席シートベルト装置のモータ110aに流れる電流値は後述のモータ駆動回路206aに設けられた電流検出器CTによって電流に対応した電圧値として検出される。この電圧値は、入力インタフェース204において、所定周期でA/D変換され、DMA動作によってRAM203内のモータa電流領域に書込まれる。モータ110aの電流はモータの回転トルクに関係することから負荷電流値によって回転トルクを推定することが出来る。モータ110aの回転トルクは、シートベルト302aの引込み力(張力)となる。
【0049】
同様に、助手席シートベルト装置のモータ110bに流れる電流値はモータ駆動回路206bに設けられた電流検出器CTによって電流に対応した電圧値として検出される。この電圧値は、入力インタフェース204において、所定周期でA/D変換され、DMA動作によってRAM203内のモータb電流領域に書込まれる。モータ110bの電流はモータの回転トルクに関係することから負荷電流値によって回転トルクを推定することが出来る。モータ110bの回転トルクは、シートベルト302bの引込み力となる
CPU201は、制御プログラムに設定された所定の条件が満たされると、モータ110の正転指令、逆転指令、駆動停止指令を出力インタフェース205に与える。出力インタフェース205は、これ等命令に対応したゲート信号G1、G2を発生し、モータ駆動回路206に供給する。正転指令に対しては、G1、G2をそれぞれ「H」、「L」に、逆転指令に対しては、G1、G2をそれぞれ「L」、「H」に、駆動停止指令に対しては、G1、G2をそれぞれ「L」、「L」に設定する。
【0050】
図7は、モータの駆動回路206a,206bの構成例を示す回路図である。PNPトランジスタQ1、Q2、NPNトランジスタQ3、Q4の、4つのトランジスタによってトランジスタブリッジ回路が構成される。トランジスタQ1、Q2のエミッタ同士は接続され、該接続点に電源Vcが供給される。トランジスタQ3、Q4のエミッタ同士も接続され、該接続点に接地電位が供給される。
【0051】
既述のように、トランジスタQ3、Q4の各エミッタ出力電流は電流検出器CTによってレベル検出され、レベル検出信号が入力インタフェース204に送られる。入力インタフェース204は、レベル検出信号をA/D変換し、DMA動作によってRAM203のベルト張力エリアに書込む。モータを流れる負荷電流値はトルクに関連するので、これよりシートベルト張力Fを推定することが可能である。
【0052】
トランジスタQ1のコレクタとトランジスタQ3のコレクタとはダイオードD1を介して接続される。トランジスタQ2のコレクタとトランジスタQ4のコレクタとはダイオードD2を介して接続される。トランジスタQ1のベースとトランジスタQ4のコレクタとはバイアス抵抗R1を介して接続される。トランジスタQ2のベースとトランジスタQ3のコレクタとはバイアス抵抗R2を介して接続される。トランジスタQ1及びQ2の各コレクタ相互間に直流電動モータMが接続される。
【0053】
かかる構成において、トランジスタQ3、Q4の各ゲートに正転指令信号(G1=「H」、G2=「L」)が出力インタフェース205から供給されると、トランジスタQ3は導通、トランジスタQ4は非導通となる。トランジスタQ3のコレクタは導通によって接地レベルとなり、抵抗R2を介してトランジスタQ2のベースを低レベル(略接地レベル)にバイアスし、トランジスタQ2を導通させる。トランジスタQ4のコレクタは略電源Vcレベルとなり、抵抗R1を介してトランジスタQ2のベースを高レベルにバイアスし、トランジスタQ1を非導通にさせる。この結果、電源Vc、トランジスタQ2、モータM、ダイオードD1、トランジスタQ3、接地の経路で順方向の電流路が形成され、モータMはシートベルトを巻取る方向に回転する。
【0054】
トランジスタQ3、Q4の各ゲートに逆転指令信号(G1=「L」、G2=「H」)が出力インタフェース205から供給されると、トランジスタQ3は非導通、トランジスタQ4は導通となる。トランジスタQ4のコレクタは接地レベルとなり、抵抗R1を介してトランジスタQ1のベースを低レベルにバイアスし、トランジスタQ1を導通させる。トランジスタQ3のコレクタは略電源Vcレベルとなり、抵抗R2を介してトランジスタQ2のベースを高レベルにバイアスし、トランジスタQ2を非導通にさせる。この結果、電源Vc、トランジスタQ1、モータM、ダイオードD2、トランジスタQ3、接地の経路で逆方向の電流路が形成され、モータMはシートベルトを引出す方向に回転する。
【0055】
トランジスタQ3、Q4の各ゲートに駆動停止指令信号(G1=「L」、G2=「L」)が出力インタフェース205から供給されると、NPNタイプのトランジスタQ3、Q4は共に非導通となる。トランジスタQ3が導通状態から非導通となった場合、トランジスタQ3のコレクタは、接地レベルから略電源レベルに上昇し、トランジスタQ2のベースを高電位にバイアスしてトランジスタQ2をも遮断する。同様に、トランジスタQ4が導通状態から非導通となった場合、トランジスタQ4のコレクタは、接地レベルから略電源レベルに上昇し、トランジスタQ1のベースを高電位にバイアスしてトランジスタQ1をも遮断する。このようにして、駆動停止指令が発令されると、ブリッジを構成する各トランジスタが非導通となる。
【0056】
図6に戻り、CPU201は、運転席のシートベルト装置のシートベルトロック機構102に対して強制ロックを作動させる条件が満たされると、ロック指令信号(ソレノイドの作動指令)を出力インタフェース205に与える。出力インタフェース205のフラグレジスタに設定された作動指令は、パワー増幅器207aによって論理レベルの信号からソレノイドを駆動できるレベルにパワー増幅され、ソレノイド112aに与えられる。ソレノイドが動作することによって、アクチュエータが移動し、巻取装置100aのロック機構102を強制的に動作させる。なお、シートベルトロック機構102は、作動すると、巻取ったシートベルトの引出しを阻止してベルトの弛みを防止するが、シートベルトの巻取りは許容する構造となっている。
【0057】
同様に、CPU201は、助手席のシートベルト装置のシートベルトロック機構102に対して強制ロックを作動させる条件が満たされると、ロック指令信号(ソレノイドの作動指令)を出力インタフェース205に与える。出力インタフェース205のフラグレジスタに設定された作動指令は、パワー増幅器207bによって論理レベルの信号からソレノイドを駆動できるレベルにパワー増幅され、ソレノイド112bに与えられる。ソレノイドが動作することによって、アクチュエータが移動し、巻取装置100bのロック機構102を動作させる。
【0058】
CPU201は、車両衝突によって運転席のベルト巻取装置のプリテンショナ104aを作動させる条件が整うと、スクイブ回路208aを作動させ、プリテンショナ104aの点火スクイブに点火電流を供給して、膨張剤(火薬)を燃焼させ、膨張ガスによって運転席のシートベルトを急速に巻取る。同様に、CPU201は、車両衝突によって助手席のベルト巻取装置のプリテンショナ104bを作動させる条件が整うと、スクイブ回路208bを作動させ、プリテンショナ104bの点火スクイブに点火電流を供給して、膨張剤(火薬)を燃焼させ、膨張ガスによって助手席のシートベルトを急速に巻取る。
【0059】
CPU201は、車両衝突によって運転席のエアバッグ装置500aを作動させる条件が整うと、スクイブ回路208aを作動させ、エアバッグ装置500aの点火スクイブに点火電流を供給して、膨張剤(火薬)を燃焼させ、膨張ガスによって運転席のエアバッグを展開させる。同様に、CPU201は、車両衝突によって助手席のエアバッグ装置500bを作動させる条件が整うと、スクイブ回路208bを作動させ、エアバッグ装置500bの点火スクイブに点火電流を供給して、膨張剤(火薬)を燃焼させ、膨張ガスによって助手席のエアバッグを展開させる。
【0060】
図8は、制御部200の制御態様を説明するフローチャートである。この例では、運転席シートベルト装置の第1の張力可変手段たるシートベルトを巻取るモータの作動を制御する。
【0061】
CPU201は、メインプログラムを実行することにより、あるいは割込み処理により、運転席のシートベルトの装着フラグを周期的に監視する(S12)。CPU201は、シートベルト着用フラグがオンになっていると(S12;Yes)、衝突の可能性があるかどうかを衝突可能性フラグの設定の有無により判別する(S14)。同フラグがオンであると(S14;Yes)、更に、衝突不可避フラグにより、衝突回避操作が可能かどうかを判別する(S16)。
【0062】
可能衝突不可避フラグのオンにより、衝突回避操作の余裕がないと判別された場合(S16;No)、CPU201は、まず、電磁アクチュエータ112aを作動させて、ベルト巻取り装置100aのシートベルトロック機構102を強制的に動作させ、ベルトの引出しを防止する。前述したように、シートベルトロック機構102は、動作してもシートベルトの巻取り方向へのリール回転を許容し、ベルトの巻取りを妨げない(S17)。
【0063】
次に、CPU201はモータ駆動回路206aを作動させ、弛み除去あるいは可変張力手段としての、モータ110aをベルトの巻取り方向に回転駆動させてシートベルト302aの巻取りを行う。それにより、シートベルトの弛みを除去する。好ましくは、運転者が運転操作可能なベルト張力である所定張力F1になるまでベルト巻取りを行う。張力の調整は、モータに供給する電流の大きさにより、あるいは供給PWM電流のデューティ比を適当に設定することにより、行うことが出来る。リールに巻取られたシートベルトは作動したシートベルトロック機構102によって引出しが阻止される。ベルト張力は、CPU201がRAM203の電流値エリアに書込まれたサンプル値を読取ることによって判別可能である(S18)。その後、CPU201の処理はメインプログラムに戻る。
【0064】
衝突不可避フラグのオフにより、衝突回避操作の余裕があると判別された場合(S16;Yes)、CPU201は、まず、電磁アクチュエータ112aを作動させて、ベルト巻取り装置100aのシートベルトロック機構102を動作させ、ベルトの引出しを防止する(S19)。
【0065】
次に、CPU201は、モータ駆動回路206aを作動させ、シートベルトの引込み方向にモータ110aを回転させてシートベルトの弛みを除き、更に、モータ110aを断続的に作動させる。シートベルト張力が振動的になるように制御されることによって、運転者の体にベルト張力の変化が伝達される。運転者に注意が喚起され、運転操作による危険回避が促される(S20)。その後、CPU201の処理はメインプログラムに戻る。
【0066】
CPU201は、シートベルトが未装着である場合(S12;No)、あるいは衝突可能性フラグがオフで衝突の可能性がない場合(S14;No)、シートベルトの弛みを除く必要はない。CPU201は、まず、電磁アクチュエータ112aの作動停止を指令する。電磁アクチュエータ112aが作動していれば、動作が解除され、シートベルトロック機構の動作が解除される。それにより、シートベルトの引出しは可能となる(S21)。CPU201は、更に、シートベルトを巻取るモータ110の回転駆動の停止を出力インタフェース205に指令する(S22)。それにより、モータ駆動回路206aからモータ110aへ電流供給が行われている場合には、供給が停止し、モータ110aは動作を停止する。その後、本ルーチンを終了し、メインプログラムに戻る。
【0067】
なお、シートベルトは巻取りばね114の力によって、非装着の場合にはベルト巻取装置100内に格納される。シートベルト装着の際には、最低限の弛みが除去される。
【0068】
図9は、運転席以外の座席としての、助手席のシートベルト装置の第1の張力可変手段たるシートベルトを巻取るモータの作動を制御する例を説明するフローチャートである。後席のシートベルト装置の場合も同様に制御される。
【0069】
CPU201は、メインプログラムを実行することにより、あるいは割込み処理により、後席のシートベルトの装着フラグを周期的に監視する(S32)。CPU201は、シートベルト着用フラグがオンになっていると(S32;Yes)、衝突の可能性があるかどうかを衝突可能性フラグの設定の有無により判別する(S34)。同フラグがオンであると(S34;Yes)、更に、衝突不可避フラグにより、衝突回避操作が可能かどうかを判別する(S36)。
【0070】
可能衝突不可避フラグのオンにより、衝突回避操作の余裕がないと判別された場合(S36;No)、CPU201は、まず、電磁アクチュエータ112bを作動させて、ベルト巻取り装置100bのシートベルトロック機構102を動作させ、ベルトの引出しを防止する(S37)。シートベルトロック機構102は、動作してもベルトの巻取り方向へのリール回転を許容する。
【0071】
次に、モータ駆動回路206bを作動させ、弛み除去手段あるいは可変張力手段としての、モータ110bをベルトの巻取り方向に回転駆動させてシートベルト302bの巻取りを行う。それにより、シートベルトの弛みを除去する。例えば、助手席の乗員が運転操作を行うことはないので前述した所定張力F1よりも大きい張力F2になるまでベルト巻取りを行い、十分にベルトの弛みを取除く。ベルト張力はRAM203の電流値エリアに書込まれたサンプル値を読取ることによって判別可能である(S38)。その後、CPU201の処理はメインプログラムに戻る。
【0072】
可能衝突不可避フラグのオフにより、衝突回避操作の余裕があると判別された場合(S36;Yes)、CPU201は、まず、電磁アクチュエータ112bを作動させて、ベルト巻取り装置100aのシートベルトロック機構102を動作させ、ベルトの引出しを防止する(S39)。次に、CPU201は、モータ駆動回路206bを作動させ、シートベルト張力がF3になるように制御する。張力F3<張力F2に設定して、乗員を締めすぎないようにする(S40)。その後、CPU201の処理はメインプログラムに戻る。
【0073】
CPU201は、シートベルトが未装着である場合(S32;No)、あるいは衝突可能性フラグがオフで衝突の可能性がない場合(S34;No)、シートベルトの弛みを除く必要はない。CPU201は、まず、電磁アクチュエータ112bの作動の停止を指令し、シートベルトロック機構が動作している場合に、この動作を解除する。それにより、シートベルトの引出しを可能とする(S41)。また、CPU201は、シートベルトを巻取るモータ110の回転駆動の停止を出力インタフェース205に指令する。それにより、モータ駆動回路206bからモータ110bへ電流供給が行われている場合には、供給が停止し、モータ110bは動作を停止する(S42)。シートベルトは巻取りばね114の力によって引戻され、ベルト非装着の場合にはベルト巻取装置100b内に格納される。シートベルト装着の際には、最低限の弛みが除去される。その後、CPU201の処理はメインプログラムに戻る。
【0074】
図10は、運転席以外の座席としての、助手席のシートベルト装置の第1の張力可変手段たるシートベルトを巻取るモータの作動を制御する他の例を説明するフローチャートである。同図において、図9と対応する部分には、同一符号を付し、かかる部分の説明は省略する。
【0075】
この例は、乗員がエアバッグの展開範囲内に存在する場合に、エアバック展開により、頭部を叩かれないようにするためのものである。衝突回避が困難と判断されると(S36;No)、助手席乗員展開範囲内フラグにより、乗員がエアバッグ開口部から所定距離の範囲内(バッグの展開範囲)に存在するかどうかを判別する(S52)。存在しない場合には(S52;No)、既述のステップS38を行い、ベルト張力F2によってベルトの巻取りを行う。展開範囲に存在する場合には(S52;Yes)、CPU201は、まず、電磁アクチュエータ112bを作動させて、ベルト巻取り装置100bのシートベルトロック機構102を動作させ、ベルトの引出しを防止する。シートベルトロック機構102は、動作してもベルトの巻取り方向へのリール回転を許容する(S53)。
【0076】
次に、モータ駆動回路206bを作動させ、弛み除去手段あるいは可変張力手段としての、モータ110bをベルトの巻取り方向に回転駆動させてシートベルト302bの巻取りを行う。例えば、前述した所定張力F2よりも大きい張力F4の張力でベルト巻取りを行い、乗員をエアバッグの展開範囲内から座席のシートバックに引戻す。ベルト張力はRAM203の電流値エリアに書込まれたサンプル値を読取ることによって判別可能である(S54)。その後メインプログラムに戻る。
【0077】
図11は、各座席のシートベルト装置の第2の張力可変手段たるシートベルトを急速に巻取る火薬式プリテンショナの作動を制御する例を説明するフローチャートである。各シートベルト装置のプリテンショナ毎に点火制御は行われるが、同様の制御であるので、同図には1の装置についてのみ示されている。
【0078】
CPU201は、メインプログラムを実行することにより、あるいは割込み処理により、各シートベルトの装着フラグを周期的に監視する(S62)。CPU201は、シートベルト着用フラグがオンになっていると(S62;Yes)、衝突検出フラグによって衝突が検出されたかどうかを判別する(S64)。衝突を検出すると(S64;Yes)、プリテンショナの点火スクイブに点火電流を送り、点火薬を発火させる。この状態では、既に、シートベルトロック機構は作動している。ガス膨張力によってリールをベルトの引込み方向に回転させ、ベルトを急速に引込んで乗員を座席に拘束する。その後メインプログラムに戻る。
【0079】
シートベルトが装着されていない場合(S62)、衝突検出信号が発生していない場合には、メインプログラムに戻る。
【0080】
図12は、各座席に対応して配置されたエアバッグの動作を制御するフローチャートである。各エアバッグ装置毎に点火制御は行われるが、同様の制御であるので、同図には1の装置についてのみ示されている。
【0081】
CPU201は、メインプログラムを実行することにより、あるいは割込み処理により、衝突検出フラグを周期的に監視し、衝突の有無を判別する(S72)。CPU201は、衝突を判別すると(S74;Yes)、各席のエアバッグを作動させるべく、全スクイブ回路に動作指令信号を送る。それにより、全エアバッグの点火スクイブに点火電流が送られ、点火薬が発火し、エアバッグが展開する。エアバッグの展開によって乗員の車室内への二次衝突が防止される。前述のように、乗員は衝突直前にシートベルトの巻取りによって座席に引戻されているので、エアバッグの展開による乗員の頭部が叩かれることを防止可能である(S74)。その後、CPU201の処理はメインプログラムに戻る。
【0082】
衝突を検出しない場合には(S72;No)、CPU201の処理はメインプログラムに戻る。
【0083】
図13乃至図24は、巻取り部100の、主に、シートベルトロック機構(リールの機械的ロック機構、シートベルト加速度感知手段(WSI)、車両減速度感知手段(VSI))120と電磁的アクチュエータ112を説明する分解斜視図及び要部縦断面図である。なお、図13には、プリテンショナは示されていない。図4に示したように、図13のリトラクタベース1と動力伝達ユニット15との間にプリテンショナ104が設置される。後述するように、車両特性上必要ならば、プリテンショナは、ベルト巻取装置と一体に又は別体に設けられる。
【0084】
図13乃至図18において、リトラクタベース1はその大部分がコの字状断面を有しており、対向する側板1a,1bには対向してそれぞれ巻取軸貫通穴が穿設され、シートベルト302(図示せず)を巻装する巻取軸であるリール3がこれら巻取軸貫通穴を挿通した状態で回動自在に軸架されている。
【0085】
側板1aに設けられた巻取軸貫通穴の内周縁には係合内歯2が形成されており、該巻取軸貫通穴の外側にはリング部材4が並設されている。リング部材4には内周縁に沿って絞り加工が施されており、リング部材4が側板1aの外側面にリベット40によって固着された際に、係合内歯2とリング部材4の内周縁との間に軸方向の隙間が生じるように構成されている。
【0086】
そして、ベース1の側板1a側には、緊急時にシートベルトの引き出しを阻止するための緊急ロック機構が配置されている。又、ベース1の側板1b側には、図示しない、タイミングベルト107を介して電動モータ110によって駆動される軸15c(リール軸103aに相当する)に連結したプーリ105、巻取りばね114、ポテンショメータ111などを含む動力伝達ユニット15が配置されている。リール3は、アルミニウム合金等で一体成形された略円筒形の巻取軸であり、シートベルトが巻回される胴部28には、シートベルト端部を挿通させて保持するため直径方向に貫通するスリット開口28aが設けられている。又、リール3の外周部には別体で形成されたフランジ部材13が装着され、シートベルトの巻乱れを防止する。又、リトラクタベース1に組み付けたリール3の外周に巻装されたシートベルトは、リトラクタベース1の背板側の上部に取り付けられたシートベルトガイド41を挿通させることによって、出入り位置が規制される。
【0087】
リール3の両端面にはリール3を回転自在に支持する為の回転支軸が突設されるが、リール3のセンサー側端面には別体に構成された支軸ピン6が回転支軸として圧入されている。又、リール3のセンサー側端面には、側板1aに構成された係合内歯2に係合可能なロック部材であるポール16を揺動回動可能に軸支する支軸7が突設されている。また、ポール16が係合内歯2と係合する方向へ揺動回転した時に、ポール16の揺動側端部と反対側のポール後端部16eを位置決めし、係合内歯2との間でポール16に大きな荷重が加わった場合にはその荷重を受ける受圧面45が、リール3のセンサー側端面に設けられている。
【0088】
更に、リール3のセンサー側端面には、後述するロック作動手段のラッチ部材であるラチェットホイール18に揺動可能に軸支された揺動レバー部材20の反時計回り方向の回転を規制する為の係止突起8が設けられている。凹部9は、ラチェットホイール18をシートベルト引出し方向(図14中、矢印X2 方向)に回転付勢する引張りコイルバネ36と、後述するセンサースプリング25を押圧するロックアーム26のアーム部26cとがリール3に干渉するのを防ぐ逃げである。
【0089】
ポール16の揺動端部には、側板1aに構成された係合内歯2に対応して係合可能な係合歯16cが一体形成されている。又、ポール16の中央部には、支軸7に遊嵌する軸穴16aが貫設されており、ポール16のセンサー側面には、揺動端側に位置する係合突起16bとポール後端部16e側に位置する押圧突起16dとが突設されている。
【0090】
即ち、軸穴16aは支軸7に対して遊嵌状態なので、ポール16が支軸7に対して揺動回動可能及び所定量相対移動可能に軸支されている。又、リール3に圧入された支軸ピン6により貫通孔17aを嵌通された保持プレート17の係止孔17bには、ポール16の軸穴16aを貫通した支軸7の先端が加締められており、保持プレート17はリール3の端面からポール16が浮き上がるのを防止している。
【0091】
そして、ポール16の係合突起16bの端部は、保持プレート17の外側に配設されて支軸ピン6に回動自在に軸支されたラチェットホイール18に形成されているカム穴18aに挿入されている。そこで、ラチェットホイール18がリール3に対してシートベルト巻取方向(図14中矢印X1 方向)に相対回転すると、カム穴18aが係合突起16bの端部をリール3の回転中心軸から半径方向外方に移動させるように作用するので、ポール16は側板1aに構成された係合内歯2との係合方向(図13中矢印Y1 方向)へ支軸7を中心に揺動回転させられる。
【0092】
即ち、ポール16が、係合内歯2と係合する方向に揺動回転させられ、ポール16の係合歯16cが係合内歯2に係合することによってリール3のシートベルト引出し方向の回転を阻止するロック手段を構成している。ラチェットホイール18は、中心穴が支軸ピン6に回動自在に軸支された爪車であり、その外周部には車体加速度感知手段51のセンサーアーム53と係合するためのラチェット歯18bが形成されている。更に、支軸ピン6のフランジ部6aは、シートベルトの引出し加速度を感知する慣性感知手段であるシートベルト加速度感知手段を構成する為の円盤状の慣性部材であるイナーシャプレート30の中心穴30aを軸支している。ラチェットホイール18の中心穴周縁で巻取装置外側に向かって突設された係止爪部23は、係合穴30bに係合してイナーシャプレート30のスラスト方向の位置決めを行っている。ラチェットホイール18に形成された長穴24にはイナーシャプレート30の係合突出部31が係合しており、長穴24の一端縁24aが緊急ロック機構非作動時のイナーシャプレート30の回転方向の位置決めを行っている(図16参照)。
【0093】
ラチェットホイール18の外側面には、図16に示すように、ロックアーム26を回動自在に軸支する軸部22と、ばねフック部55とが突設されている。そして、図20に示すように、イナーシャプレート30には、ばねフック部55を挿通させる開口56が形成されている。この開口56は、ばねフック部55を挿通した状態でイナーシャプレート30がラチェットホイール18に対して相対回転可能な長穴状に形成されており、その一端には、ばねフック部55に対応するばねフック部57が装備されている。
【0094】
そして、これらの一対のばねフック部55,57間には、圧縮コイルばね58が嵌挿される。この圧縮コイルばね58は、図19に示すように、イナーシャプレート30上の係合突出部31が、ラチェットホイール18に形成された長穴24の他端縁24bに当接した状態(即ち、非ロック状態)に保たれるように、付勢している。
【0095】
ラチェットホイール18の内側面には、一端が保持プレート17の掛止部17cに掛止された引張りコイルバネ36の他端を掛止するばね掛止部21が設けられており、引張りコイルバネ36はリール3に対してラチェットホイール18をシートベルト引出し方向(矢印X2 方向)に回転付勢している。図17に示したように、ロックアーム26には、ギアケース34の内歯ギア34aと噛み合い可能な係合爪26bと、ラチェットホイール18の外側面に設けられた一対のフック部18dに両端を支持された線状のセンサースプリング25の長手方向中央部を押圧するアーム部26cとが設けられている。
【0096】
そこで、ロックアーム26は、係合爪26bが被係合部である内歯ギア34aと噛み合ってラチェットホイール18のシートベルト引出し方向の回転を阻止する係止部材を構成している。そして、係合爪26bは、センサースプリング25の付勢力により、イナーシャプレート30の当接部32に押圧付勢されている。尚、アーム部26cの揺動範囲に対応するラチェットホイール18には開口が形成され、アーム部26cが開口を貫通するが、これはセンサースプリング25に対するアーム部26cの係合状態を保証するためのものである。
【0097】
当接部32は、ロックアーム26の係合爪26bの背部26dが摺接するカム面として、イナーシャプレート30の回転がロックアーム26に影響を与えない第1のカム面32aと、リール3に対するイナーシャプレート30の回転遅れに応じて係合爪26bが内歯ギア34aに噛合するようにロックアーム26を揺動させる第2のカム面32bとを具備した構成とされている。
【0098】
緊急ロック機構の非ロック状態では、第1のカム面32aがロックアーム26の背部26dに当接しており、イナーシャプレート30のリール3に対する回転遅れが一定量を超えるまでは、背部26dが第2のカム面32bに当接しないようになっている。第1のカム面32aの長さ(即ち、第1のカム面32aに背部26dが摺接した状態でイナーシャプレート30が回転する量)は、シートベルトの全量格納時にイナーシャプレート30に作用する慣性力で、イナーシャプレート30がリール3に対して回転遅れを生じても、その程度の回転遅れでは、ロックアーム26の背部26dが第2のカム面32bには到達しない程度に、第1のカム面32aの長さが設定されている。
【0099】
また、本実施形態におけるロックアーム26は、係合爪26bとは反対側の揺動端に当接爪26eが形成されている。そして、この当接爪26eに対応するように、イナーシャプレート30には、当接爪26eが当接可能な段差部33が設けられている。段差部33は、非ロック状態でイナーシャプレート30が初期位置にある時、当接爪26eが当接することで、ロックアーム26のロック方向への回動を規制するものである。図20及び図21に示すように、イナーシャプレート30が所定量以上回転遅れを生じ、ロックアーム26の背部26dが第2のカム面32bに当接する時には、第2のカム面32bによる押圧作用によってロックアーム26がロック方向へ揺動可能になる。
【0100】
更に、ラチェットホイール18の内側面に突設された支軸19には、軸孔20aを軸支された揺動レバー部材20が揺動可能に配設されている。揺動レバー部材20は、リール3のセンサー側端面に突設された係止突起8により反時計回り方向の回転が適宜規制されると共に、ポール16のセンサー側面に突設された押圧突起16dが支軸19と係止突起8との間に当接することによって時計回り方向の回転が適宜規制されるように、リール3とラチェットホイール18との間に組付けられている。
【0101】
そして、イナーシャプレート30の外側に配設されたギヤケース34の中心部には、支軸ピン6を介してリール3を回転自在に軸支する軸支部34bが設けられており、軸支部34bの底面には支軸ピン6の鍔部6aが当接し、リール3の軸線方向の位置決め面となっている。更に、ギヤケース34の下部には、車体の加速度を感知する慣性感知手段である車体加速度感知手段51を格納する箱形の格納部50が設けられている。
【0102】
そして、ギヤケース34を覆う側板1aの外側には、センサーカバー35が配設される。
【0103】
次に、上記シートベルト用巻取装置の作動について説明する。まず、通常使用状態は、図19に示すように、ラチットホイール18は、ばね掛止部21とプレート17の掛止部17cに掛止された引張りコイルばね36の付勢力によって、リール3に対してシートベルト引出し方向(図中の矢印X2方向)に付勢されており、カム穴18aに係合突起16bが係合するポール16を係合内歯2と非係合な方向に付勢している。そのため、リール3は回転可能であり、シートベルトの引出しは自在である。
【0104】
しかして、衝突等の緊急時にイナーシャプレート30を含むシートベルト加速度感知手段又は車体加速度感知手段51が作動すると、上記ロック作動手段のシートベルト引出し方向の回転を阻止する係止手段であるロックアーム26又はセンサーアーム53がラチェットホイール18のシートベルト引出し方向の回転を阻止して、巻取装置のロック手段を作動させる。
【0105】
そして、車体加速度感知手段51又はシートベルト加速度感知手段が作動し、ラチェットホイール18のシートベルト引出し方向の回転が阻止された後、更にシートベルトが巻取装置から引出されると、ラチェットホイール18はリール3に対して回転遅れを生じ、シートベルト巻取方向(矢印X1方向)に相対回転するので、ラチェットホイール18のカム穴18aがポール16の係合突起16bをリール3の回転中心軸から半径方向外方に移動させていく。そこで、ポール16は支軸7を中心に係合内歯2との係合方向(図13中、矢印Y1 方向)へ揺動回転させられる。
【0106】
更に、シートベルトが巻取装置から引出されると、ポール16の係合歯16cが係合内歯2に噛み合い完了となる。そしてこの状態では、ポール16のポール後端部16eとリール3の受圧面45との間には隙間があり、揺動レバー部材20はリール3の係止突起8とポール16の押圧突起16dとによってほぼ遊び無く回転が規制されている。
【0107】
ここで、ポール16の軸穴16aは、リール3の支軸7に対して遊嵌状態であり、リール3に対して揺動回動可能及び所定量相対移動可能に軸支されているので、その上さらに、シートベルトが巻取装置から引出されると、ポール後端部16eが受圧面45と当接するまで、ポール16はリール3の回転中心軸を中心にリール3に対して相対回転する。
【0108】
この時、ポール16の押圧突起16dは側板1aに対して不動の位置関係だが、リール3の係止突起8はシートベルト引出し方向(矢印X2 方向)に回転していく。この動きにより、揺動レバー部材20は、押圧突起16dとの接点を回動支点として係止突起8により揺動端部が押され、図14中時計回り方向へ揺動回転させられる。揺動レバー部材20が押圧突起16dとの接点を回動中心として図14中時計回り方向へ揺動回転すると、ラチェットホイール18の支軸19に軸支されている軸孔20aがリール3の回転中心軸に対しシートベルト巻取方向(矢印X1 方向)に回転することになる。その結果、ラチェットホイール18は、リール3に対してシートベルト巻取方向(矢印X1方向)に逆回転させられる。
【0109】
従って、車体加速度感知手段51又はシートベルト加速度感知手段が作動して巻取装置のロック手段がリール3のシートベルト引出し方向の回転を阻止するロック状態でも、シートベルト引出し方向の回転が阻止されたラチェットホイール18は、車体加速度感知手段51におけるセンサーアーム53又はシートベルト加速度感知手段におけるロックアーム26をギヤケース34の内歯ギア34aとの係合から解除可能なフリー状態とすることができる。
【0110】
ポール16のロック状態において、さらにシートベルトに大きな張力が作用すると、ギヤケース34の軸支部34b及び動力伝達ユニット15の軸15cを支持している部分が変形し、リール3は上方に移動しようとする。この移動は、リールに形成された当接面3a及び溝3bがそれぞれ係合内歯2および側板1b上の係合内歯62(図13参照)と当接することで阻止され、シートベルトに作用する張力をこれらの面で受け止める。
【0111】
車両が停止してシートベルトに作用されたテンションが解除された時には、既にラチェットホイール18とセンサーアーム53又はロックアーム26のギヤケース34の内歯ギア34aとの係合が解除されているので、ラチェットホイール18は引張りコイルばね36の付勢力によりリール3に対して矢印X2 方向に回動されるので、ラチェットホイール18のカム穴18aがポール16の係合突起16bをリール3の回転中心軸側に移動させていく。この時、シートベルトに作用する引出し方向のテンションは上述の通り解除され、リール3はシートベルト巻取方向(矢印X1 方向)に回転できるようになっているので、ポール16の係合歯16cの先端が係合内歯2の先端と干渉しない状態までリール3が矢印X1 方向に回転すると、ポール16は、係合内歯2との係合を解除する方向に支軸7を中心に揺動回転させられ、リール3のロックが解除されてシートベルトの引き出しが自在とされる。
【0112】
次に、シートベルト引き出し状態から電動モータ110による巻取りが行われ、動力伝達機構15の回転力に従って急激にシートベルトが全量巻き取られた場合には、急停止したリール3に対して、シートベルト加速度感知手段の慣性部材であるイナーシャプレート30は、そのまま巻取り方向に回転するので、リール3に対し巻取り方向に進み回転し、リール3の引出し方向で見たときにリール3に対して回転遅れが発生する。しかし、ロックアーム26の係合爪26bをギヤケース34の内歯ギア34aに係合させる方向へ揺動させるイナーシャプレート30の当接部32には、イナーシャプレート30のリール3に対する回転遅れが所定量に達した後に係合爪26bを内歯ギア34a方向へ揺動させる為の2つのカム面32a,32bによって構成されており、リール3に対するイナーシャプレート30の回転遅れが所定量に達するまでは、係合爪26bが内歯ギア34aの係合方向に揺動することがない。
【0113】
本発明の実施の形態では、上述したように構成され、作動するロック機構に図14の下部に示すように、更に、電磁的アクチュエータ112が設けられる。電磁的アクチュエータ112は、図22及び図23に示すように、ソレノイド(励磁コイル)112a、コイルスプリング(弾性部材)112b、つば付のプランジャ(磁心)112c等によって構成され、車体加速度感知手段51の下部に配置される。
【0114】
通常状態では、ソレノイド112aは励磁されている。この状態では、図に示すように、プランジャ112cはボールウェイト54と接触せず、ロック機構51に影響を与えない。制御部200がシートベルトをロックするべく、ソレノイド112aの励磁を解除すると(S30等)、スプリング112bの付勢力によってプランジャ112cは持上げられる。プランジャ112cの先端は、センサカバー52底部の開口を通ってボールウェイト54を突上げる。ボールウェイト54が押上げられると、センサーアーム53を図中上方に移動し、その係止突起53aがラチェットホイール18のラチェット歯18bに噛合する。これにより、ラチェットホイール18のシートベルト引出し方向(図14の矢印X2方向)の回動が阻止される。シートベルトが引出されてリール3を引出し方向に回転すると、係止されたラチェットホイール18とリール3との回転差によってポール16がリール3の半径方向外側に移動し、フレーム1aの内歯2に噛合する。これにより、リール3の引出し方向への回転が阻止される。
【0115】
この例では、ソレノイド112aに励磁電流を供給しているときに、ロック動作を行わず、励磁電流を遮断すると、ロック動作を行うようにしている。すなわち、低レベルの作動信号を供給することによってロック機構を作動させる。従って、シートベルト装置への電源が遮断された場合に、シートベルトのロックが行わるようにすることが出来る。
【0116】
図24は、電磁的アクチュエータ112の他の構成例を示している。この例では、電磁的アクチュエータは、フレームに取付けられたソレノイド112a、プランジャ112c、一端部でプランジャ112cと係合し、中央部を回転可能に軸支されたくの字型のレバー112d、レバー112dに図中時計方向の付勢力を与えるコイルスプリング112bによって構成される。レバー112dの爪部が移動してラチェットホイール18の歯面18bに接すると、ラチェットホイール18の回転を阻止してポール16とフレームの内歯2によるロック機構を作動させる。
【0117】
制御部200からソレノイド112aに励磁電流が供給されている通常状態では、ソレノイド112aがコイルスプリング112bに抗してプランジャ112cを引寄せ、プランジャ112cと一端部で回動自在に軸支されているレバー112dの他端の爪部はラチェットホイール18から離間している。従って、ロック機構は作動しない。
【0118】
次に、CPUが、シートベルトをロックするべく制御部200からの励磁電流の供給が断たれる(S17等)。コイルスプリング112bの付勢力によってプランジャ112cが図の下方に引出され、レバー112dを回動する。これにより、レバー112dの他端の爪部はラチェットホイールの歯18bと噛合(係合)し、ラチェットホイール18のシートベルト引出し方向への回転を阻止する。シートベルトが引出されてリール3を引出し方向に回転すると、係止されたラチェットホイール18とリール3との回転差によってポール16がリール3の半径方向外側に移動し、フレーム1aの内歯2に噛合する。これにより、リール3の引出し方向への回転が阻止され、ロックが完了する。
【0119】
図25乃至図29は、本発明が適用されるシートベルト装置のバリエーションを示している。各図において、図2と対応する部分には、同一符号を付しており、かかる部分の説明は省略する。
【0120】
図25に示す例では、バックル304側に、ベルトを引込みあるいは引出す張力可変装置として、モータ311、バックル304に連結したワイヤ313を巻取るリール312、を備えた電動ウインチ310を備えている。モータ311が正逆に回転することによってワイヤの引出し及び引き込みが出来る。制御部200は、モータ110を駆動する代りにウインチ310のモータ311を駆動してシートベルト302の弛みを除去する。この場合も、モータ311の電流値を検出することによってベルトの張力を推定することが可能である。なお、この構成では、ベルト巻取装置100aは、強制ロック機構及びプリテンショナを持つものが望ましいが、電動式巻取装置でなくとも良い。また、シートベルト302aの端部を固定するアンカー306aを座席301aに固定しても良い。こうすると、車体にシートベルト端部を固定した場合に比べてシートベルト302aの引出されている部分の長さが短くなるのでベルトの弛みをより早く除去可能となる。
【0121】
図26に示す例では、シートベルト302aの弛みを除去する張力可変装置をシートベルト302aの端部を固定するアンカー306a側(ラップベルト固定部)に設けている。張力可変装置としは、同様に、モータ311、バックルに連結したワイヤ313を巻取るリール312を備えた電動ウインチ310を使用することが出来る。他の張力可変装置の例として、例えば、モータで回転駆動されるねじ棒と、このねじ棒上を往復移動するナットによりワイヤを引込む構成等を使用することが可能である。
【0122】
図27に示す例では、ベルト巻取装置100aは、車体のセンターピラー下部ではなく、座席301aに取付けられている。このような構成は、図3に示すように、折畳まれることのある後部座席やリクライニングシートに好適である。
【0123】
図28に示す例では、電動式ベルト巻取り装置とバックル304a側に設けられた火薬式プリテンショナ104aとにより構成している。プリテンショナ104aは、シリンダとピストンロッドとを含む。ロッドは一方向にのみ移動可能になされる。シリンダ内で火薬が点火されると、膨張ガスによってロッドが移動する。このロッドに連結したバックルワイヤがベルト302aを締付ける方向に移動する。
【0124】
図29に示す例では、電動式ベルト巻取装置と、シートベルト302の端部を固定するアンカー306側に設けた火薬式プリテンショナ104bとにより構成している。
【0125】
なお、図25及び図26に示した電動ウインチ310に(火薬式の)プリテンショナを組込むことが出来る。
【0126】
実施例のシートベルト装置では、第1の張力可変手段として電動モータを使用し、第2の張力可変手段として火薬式のプリテンショナを使用しているが、共にモータであっても良い。また、スプリングを動力源としても良い。第1及び第2の張力可変手段を実施例のように共にベルト巻取装置に設けることが出来るほか、いずれか一方又は両方の張力可変装置をベルト巻取装置以外に取付けることが出来る。この場合、取付場所は、例えば、バックル側やラップベルト固定部にすることが出来る。
【0127】
また、上述したシートベルト装置のバリエーションは、運転席の例で説明したが、助手席、後部座席、補助座席等にも適用できるものである。
【0128】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のシートベルトシステムにおいては、複数のシートベルト装置を備える車両において、運転席のシートベルト装置の張力可変機構の制御態様と、運転席以外のシートベルト装置の張力可変機構の制御態様とを、別途の態様で制御可能としている。このため、衝突の際に画一的な乗員拘束動作ではなく、運転者による運転操作による衝突の危険回避や他の乗員の安全確保などを別個に行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のシートベルトシステムの概略を説明するための説明図である。
【図2】図2は、シートベルトシステムを構成する運転席及び後席のシートベルト装置の例を説明する説明図である。
【図3】図3は、シートベルトシステムを構成する運転席及び助手席のシートベルト装置の例を説明する説明図である。
【図4】図4は、電動ベルト巻取装置の構成例を説明する説明図である。
【図5】図5は、ポテンショメータ111を説明する説明図である。
【図6】図6は、制御部200の構成を説明する機能ブロック図である。
【図7】図7は、モータの駆動回路の構成例を示す回路図である。
【図8】図8は、制御部による、運転席のシートベルト装置の第1の張力可変手段の制御例を説明するフローチャートである。
【図9】図9は、制御部による、助手席(あるいは後席)の第2の張力可変手段の制御例を説明するフローチャートである。
【図10】図10は、制御部による、乗員の位置を考慮した、助手席(あるいは後席)の第2の張力可変手段の制御例を説明するフローチャートである。
【図11】図11は、制御部による、シートベルト装置の第2の張力可変手段としてのプリテンショナの制御例を説明するフローチャートである。
【図12】図12は、制御部による、エアバック装置の制御例を説明するフローチャートである。
【図13】図13は、シートベルト巻取装置の一部分の例を示す斜視図である。
【図14】図14は、シートベルト巻取装置の他の部分の例を示す斜視図である。
【図15】図15は、図14に示すロック機構のラチェットホィール18の回転軸方向における断面図である。
【図16】図16は、シートベルトの急な引出し(シートベルト加速度)によるロック機構の作動を説明する説明図である。
【図17】図17は、ロックアーム26を説明する説明図である。
【図18】図18は、イナーシャプレート30を説明する説明図である。
【図19】図19は、シートベルト加速度によるロック機構の作動を説明する説明図である。
【図20】図20は、シートベルト加速度によるロック機構の作動を説明する説明図である。
【図21】図21は、シートベルト加速度によるロック機構の作動を説明す説明図である。
【図22】図22は、電磁的アクチュエータの動作(非ロック状態)を説明する説明図である。
【図23】図23は、電磁的アクチュエータの動作(ロック状態)を説明する説明図である。
【図24】図24は、他の電磁的アクチュエータの例を説明する説明図である。
【図25】図25は、バックル側にベルト張力可変手段としての電動ウインチが取付けられ、ベルト端部が座席に固定される例を示す説明図である。
【図26】図26は、ベルトの端部にベルト張力可変手段としての電動ウインチが取付けられている例を示す説明図である。
【図27】図27は、座席にベルト巻取り装置が設けられる例を示す説明図である。
【図28】図28は、バックル側にプリテンショナが設けられる例を示す説明図である。
【図29】図29は、シートベルト端部にプリテンショナが設けられる例を説明する説明図である。
【符合の説明】
100a〜100c シートベルト巻取装置(リトラクタ)
104,104a,104b 火薬式プリテンショナ
200 制御部
302a〜302c シートベルト
304a〜304c バックル
305a〜305c タングプレート
310 電動ウインチ
500a〜500c エアバッグ装置

Claims (9)

  1. 車両の運転者を座席に拘束する、第1のシートベルトの張力を可変に調整する張力可変手段を有する第1のシートベルト装置と、
    前記運転者以外の乗員を座席に拘束する、第2のシートベルトの張力を可変に調整する張力可変手段を有する第2のシートベルト装置と、
    前記車両の衝突を予知し、衝突の可能性に応じた衝突予知信号を出力する衝突予知部と、
    前記車両の衝突を検知し、衝突信号を出力する衝突検出部と、
    前記第1のシートベルト装置と対応する位置に設けられ、バッグを展開して乗員を保護する第1のエアバッグ装置と、
    前記第2のシートベルト装置と対応する位置に設けられ、バッグを展開して乗員を保護する第2のエアバッグ装置と、
    前記衝突信号に対応して前記第1及び前記第2のエアバッグ装置を作動させ、前記衝突予知信号に対応して前記第1及び前記第2のシートベルト装置の各張力可変手段を作動させる制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記衝突予知信号によって衝突の回避が困難であると判別したとき、前記第1のシートベルトの張力を前記運転者が運転操作可能な第1の張力に設定し、前記第2のシートベルトの張力を前記第1のベルト張力よりも大きい第2の張力に設定する、ことを特徴とするシートベルトシステム。
  2. 前記制御部は、更に、前記衝突予知信号によって衝突の可能性があるが、衝突回避操作が可能であると判別したとき、前記第1のシートベルトの張力を振動的に変化させる、請求項1に記載のシートベルトシステム。
  3. 前記制御部は、更に、前記衝突予知信号によって衝突の可能性があるが、衝突回避操作が可能であると判別したとき、前記第2のシートベルトの張力を前記第2の張力よりも小さい第3の張力に設定する、請求項1に記載のシートベルトシステム。
  4. 前記制御部は、更に、前記衝突予知信号によって衝突の可能性があるが、衝突回避操作が可能であると判別したとき、前記第1のシートベルトの張力を振動的に変化させ、前記第2のシートベルトの張力を前記第2の張力よりも小さい第3の張力に設定する、請求項1に記載のシートベルトシステム。
  5. 各張力可変手段はシートベルトの張力を可変に調整する第1及び第2の張力可変機構からなり、
    前記制御部が前記衝突予知信号によって衝突の回避が困難である判別したとき、前記第1及び前記第2のシートベルト装置の各第1の張力可変機構を動作させて各シートベルトの張力を設定するように制御する、請求項1乃至4のいずれかに記載のシートベルトシステム。
  6. 各張力可変手段はシートベルトの張力を可変に調整する第1及び第2の張力可変機構からなり、
    前記制御部が、更に、前記衝突予知信号によって衝突の可能性があるが、衝突回避操作が可能である判別したとき、前記第1のシートベルト装置の前記第1の張力可変機構によって前記第1のシートベルトの張力を振動的に変化させ、前記第2のシートベルト装置の前記第1の張力可変機構によって前記第2のシートベルトの張力を増大させる、請求項1に記載のシートベルトシステム。
  7. 前記第2のシートベルト装置の前記張力可変手段はシートベルトの張力を可変に調整する第1及び第2の張力可変機構からなり、
    前記第2のシートベルト装置によって拘束される乗員の着座位置を検出する位置検出手段を更に備え、
    前記制御部が、更に、前記衝突予知信号によって衝突の回避が困難である判別し、かつ、前記乗員の着座位置の検出により前記第2のエアバッグ装置の開口部への前記乗員の接近を判別したとき、前記第2のシートベルト装置の前記第1の張力可変機構を前記乗員を座席に引戻し得るベルト張力で作動させる、請求項1に記載のシートベルトシステム。
  8. 前記第1の張力可変機構はモータによって前記シートベルトを引込み側あるいは送出し側に駆動する構成を含み、前記第2の張力可変機構は前記衝突信号に対応して膨張ガスを発生しその圧力によって前記シートベルトを瞬時に引込む構成を含む、請求項乃至のいずれかに記載のシートベルトシステム。
  9. 前記第1及び第2の張力可変機構は前記シートベルトの一端を巻取る、車体若しくは座席に取付けられるリトラクタに設けられる、請求項乃至のいずれかに記載のシートベルトシステム。
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