JP4439512B2 - ホログラム記録担体 - Google Patents
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Description
かかるホログラム記録システムでは、参照光をホログラム記録層を通過させ反射膜上でスポットとして収束させて、反射膜により反射した参照光が発散して記録層を通過するようになすと同時に、記録すべき情報を担持する情報光ビームを記録層に通過させる。これにより、記録層内にて、反射した参照光と情報光とが干渉して干渉パターンを形成し、記録層内に体積的にホログラムを記録する。干渉パターンのホログラムは記録層に隣り合って順次重なるように記録され、また、参照光を照射してホログラムの各々から再構築された再生光を検出、復調して、記録情報が再生される。
参照光及び情報光が同じ側から同軸で入射するようなホログラム記録システムでは、情報の再生時において、反射膜で反射する参照光とホログラムからの再生光との分離が困難である。そのため再生信号の読み取り性能が劣化してしまう。
この問題を解決するために、特開平11−311937号公報に示されるホログラム記録システムでは、対物レンズの直前に瞳を2分割し、その各々の領域において互いに旋光方向が90°異なる2分割された旋光子(2分割旋光板)を配置し参照光が光検出器に入射することを防いでいる。
このような反射型ホログラム記録担体にホログラムを記録する場合、入射する参照光と信号光と反射する参照光と信号光の4光ビームの干渉によって4つのホログラムが記録されてしまうためにホログラム記録層の性能を無用に使用していた。
さらに、情報の再生時において、参照光がホログラム記録担体の反射膜で参照光が反射してしまうため、再現されたホログラムからの回折光との分離が困難である。そのため再生信号の読み取り性能が劣化してしまう。また、反射像のホログラムが記録されてしまうため、再生信号が劣化していた。
そこで、本発明の解決しようとする課題には、安定的に記録又は再生を行うことを可能にするホログラム記録担体並びに記録再生方法及びホログラム装置を提供することが一例として挙げられる。
本発明のホログラム記録担体は、光照射により情報の記録又は再生が行われるホログラム記録担体であって、
可干渉性の参照光及び信号光の成分による光学干渉パターンを回折格子として内部に保存するホログラム記録層と、
前記ホログラム記録層の光入射側の反対側に積層された反射層と、
前記反射層に前記回折格子の記録間隔に等しく配置された複数の非反射部と、
を有することを特徴とする。
図2は、本発明による他の実施形態のホログラム記録担体を示す概略部分断面図である。
図3は、本発明による他の実施形態のホログラム記録担体を示す概略部分斜視図である。
図4は、本発明による実施形態のホログラム記録担体の情報を記録又は再生するホログラム装置の概略構成を示すブロック図である。
図5は、本発明による実施形態のホログラム記録担体の情報を記録再生するホログラム装置のピックアップの概略を示す概略斜視図である。
図6は、本発明による実施形態のホログラム記録担体の情報を記録再生するホログラム装置のピックアップの概略を示す構成図である。
図7は、本発明による実施形態のホログラム記録担体の情報を記録再生するホログラム装置のピックアップにおける対物レンズのための3軸アクチュエータの概略を示す概略斜視図である。
図8及び図9は、本発明による実施形態のホログラム記録担体の情報を記録再生するホログラム装置のピックアップの概略を示す構成図である。
図10は、本発明による実施形態のホログラム記録担体の情報を記録再生するホログラム装置のピックアップにおける光検出器の一部を示す平面図である。
図11は、本発明による実施形態のホログラム記録担体の記録再生を説明する概略部分断面図である。
図12は、本発明による実施形態のホログラム記録担体の記録工程を説明する概略部分断面図である。
図13は、本発明による実施形態のホログラム記録担体の再生工程を説明する概略部分断面図である。
図14は、本発明による他の実施形態のホログラム装置を示す構成図である。
図15〜図20は、本発明による他の実施形態のホログラム記録担体のトラック構造を示す平面図である。
図21は、本発明による実施形態のホログラム記録担体を示す斜視図である。
図22は、本発明による他の実施形態のホログラム光カードを示す斜視図を示す斜視図である。
<ホログラム記録担体>
ホログラムの記録再生には、同一波長のレーザ光の第1光ビームを用い参照光と信号光の干渉によるホログラム記録を行い、同時に、ホログラム記録担体とピックアップ特に対物レンズの位置関係をサーボ制御(フォーカス、トラッキング)するために第1光ビームとは異なる波長のレーザ光のサーボビームを使用する場合を例に説明する。
図1は、本実施形態の一例である光照射により情報の記録又は再生が行われるディスク形状のホログラム記録担体2を示す。
ホログラム記録担体2は、光照射側の反対側から、トラックなどが転写された基板3上に積層された、反射層5、分離層6、ホログラム記録層7、及び保護層8からなる。このようにホログラム記録担体への光照射側とは反対側の基板3上に反射層5を配置する。この反射層5にはホログラムの多重間隔Pxと同一間隔で配置された非反射部としてのマークMが形成されている。ホログラム記録は、記録用の第1光ビームFBとほぼ共軸なサーボ用のレーザ光(サーボビームSB)をマークMに一致させて行う。このマークは参照光または空間光変調器で変調されていない(0次光)光線を透過させるピンホールPH(図1)であってもよいし、0次光光線を光軸に戻さないような形状のピットのような構造(図2)であってもよい。このピンホールPHはアルミニウムなど金属反射膜又は誘電体多層膜からなる反射層5に物理的にあいている穴であってもよいし、ホログラム記録に用いる波長において反射率の低い円形な領域であってもよい。ピンホールPHなどの非反射部の直径は参照光または空間光変調器で変調されていない(0次光)光線を透過させる程度とする。一般的には、ホログラム記録に用いる対物レンズの開口数と波長で決まるフーリエ結像面上でのスポットの大きさが目安とする。このように、本実施形態では、反射層5にホログラム記録又は再生用の参照光成分をホログラム記録担体2の背面側(対物レンズ側に戻らないように)に透過させるピンホールPHなどの非反射部を形成してある。よって対物レンズ側に第1光ビームFBが戻らないように、非反射部は、反射層5の透過率より高い特性値の透過率を有する領域か、或いは、反射層5の吸収率より高い特性値の吸収率を有する領域であってもよい。非反射部の反射率、透過率、吸収率の特性値は、可干渉性の参照光及び信号光の有する波長におけるものであればよく、例えば、サーボビームSBの波長において前記非反射部が反射層5の透過率より低い透過率を有してもよい。反射層5のピンホールPHに沿ってホログラム記録が逐次実行される方向をy方向とし、y方向に垂直な方向をx方向とし、ピンホールPHはピッチPy及びピッチPxで配列されている。
ホログラム記録層7は、可干渉性の参照光及び信号光の成分を含む第1光ビームFBによる光学干渉パターンを回折格子(ホログラム)として内部に保存する。なお、第1光ビームFBは、記録時にはホログラム記録用として参照光及び信号光の成分を含むように用い、一方、再生に用いる場合は、信号光の成分を含まない参照光成分のみからなる。また、位相符号化多重の再生の場合、第1光ビームFBは、信号光の成分を含まないが、位相変調パターン及び参照光の成分のみを含む。光学干渉パターンを保存するホログラム記録層7を構成する光感応材料としてフォトリフラクティブ材料や、ホールバーニング材料、フォトクロミック材料などが用いられる。
反射層5には、例えば、金属膜の他、相変化膜、色素膜など或いはこれらの組合わせが使用され、ホログラム記録を行う波長の第1光ビームFBを反射するように設定されている。サーボビームSBの照射及び反射の検出によって、ホログラム記録を行うためのホログラム記録担体2上の位置決め(フォーカスサーボ、x、y方向サーボ)を行う。
基板3は、その材料として、例えば、ガラス、或いはポリカーボネート、アモルファスポリオレフィン、ポリイミド、PET、PEN、PESなどのプラスチック、紫外線硬化型アクリル樹脂などが用いられ、その主面に離れて交わることなく延在する複数のトラックTとしてグルーブが形成されている。反射層5はガイド層としても機能する。分離層6及び保護層8は光透過性材料からなり、積層構造の平坦化や、ホログラム記録層などの保護の機能を担う。
サーボビームSBは基板3上に形成されたサーボ用のトラックやピットを読み取るために集光される。このピンホールPHには、第1光ビームFBの参照光成分(0次光)を透過する特性を有する材料が充填されていてもよい。
図3に示すように、ピンホールPHのマーク列(非反射部列)の間にホログラム記録間隔に等しくしたトラックTを設けてもよい。トラックTは一般的な光ディスクで用いられているグループ形状であってもよいし反射率の異なる領域であってもよい。基板上のトラックTは少なくともトラッキングサーボのサーボ制御を行うため設けられる。ホログラムHGはトラックT間上方のホログラム記録層7に体積的に記録される。基板3が円板の場合、トラッキングサーボ制御を行うため、トラックTは基板の中心に関してその上に螺旋状又は同心円状、或いは複数の分断された螺旋弧状に形成され得る。
サーボ制御は、光ビームを射出する光源、光ビームを反射層5上のトラックに光スポットとして集光させ、その反射光を光検出器へ導く対物レンズを含む光学系などを備えたピックアップを用いて、検出された信号に応じて対物レンズをアクチュエータで駆動することにより、行われる。反射層5上の光スポットの直径は、光ビーム波長と対物レンズの開口数(NA)により決まる値(いわゆる回折限界で、例えば0.82λ/NAである(λ=波長)が、収差が波長に比較して十分小さい場合は、光ビームの波長と開口数だけで決定される)まで、絞り込まれるように設定される。すなわち、対物レンズから照射される光ビームは、そのビームウエストの位置に反射層5が位置するときに合焦となるように、使用される。グルーブの幅は、光スポットからの反射光を受光する光検出器の出力、例えばプッシュプル信号に応じて適宜設定される。
なお、上記実施形態では、反射層5とホログラム記録層7とが分離層を介して積層された構造のホログラム記録担体を示したが、分離層を省略することもできる。また、基板3のホログラム記録層7が積層された反対側に反射層5が積層され、基板が分離層として機能するように、ホログラム記録層7と反射層5の間に基板3を配置することもできる。
<ホログラム装置>
図4は本発明を適用したホログラム記録担体の情報を記録又は再生するホログラム装置の概略構成の例を示す。
図4のホログラム装置は、ホログラム記録担体2のディスクをターンテーブルを介して回転させるスピンドルモータ22、ホログラム記録担体2から光ビームによって信号を読み出すピックアップ23、該ピックアップを保持し半径方向(x方向)に移動させるピックアップ駆動部24、第1光源駆動回路25a、第2光源駆動回路25b、空間光変調器駆動回路26、再生光信号検出回路27、サーボ信号処理回路28、フォーカスサーボ回路29、x方向移動サーボ回路30x、y方向移動サーボ回路30y、ピックアップ駆動部24に接続されピックアップの位置信号を検出するピックアップ位置検出回路31、ピックアップ駆動部24に接続されこれに所定信号を供給するスライダサーボ回路32、スピンドルモータ22に接続されスピンドルモータの回転数信号を検出する回転数検出部33、該回転数検出部に接続されホログラム記録担体2の回転位置信号を生成する回転位置検出回路34、並びにスピンドルモータ22に接続されこれに所定信号を供給するスピンドルサーボ回路35を備えている。
ホログラムホログラム装置は制御回路37を有しており、制御回路37は第1光源駆動回路25a、第2光源駆動回路25b、空間光変調器駆動回路26、再生光信号検出回路27、サーボ信号処理回路28、フォーカスサーボ回路29、x方向移動サーボ回路30x、y方向移動サーボ回路30y、ピックアップ位置検出回路31、スライダサーボ回路32、回転数検出部33、回転位置検出回路34、並びにスピンドルサーボ回路35に接続されている。制御回路37はこれら回路からの信号に基づいて、これら駆動回路を介してピックアップに関するフォーカスサーボ制御、x及びy方向移動サーボ制御、再生位置(x及びy方向の位置)の制御などを行う。制御回路37は、各種メモリを搭載したマイクロコンピュータからなり装置全体の制御をなすものであり、操作部(図示せず)からの使用者による操作入力及び現在の装置の動作状況に応じて各種の制御信号を生成するとともに、使用者に動作状況などを表示する表示部(図示せず)に接続されている。
また、制御回路37は外部から入力されたホログラム記録すべきデータの符号化などの処理を実行し、所定信号を空間光変調器駆動回路26に供給してホログラムの記録シーケンスを制御する。制御回路37は、再生光信号検出回路27からの信号に基づいて復調及び誤り訂正処理をなすことにより、ホログラム記録担体に記録されていたデータを復元する。更に、制御回路37は、復元したデータに対して復号処理を施すことにより、情報データの再生を行い、これを再生情報データとして出力する。
図5及び図6は当該ホログラム装置のピックアップの概略構成に示す。
ピックアップ23は、大きく分けてホログラム記録再生光学系と、サーボ系と、共通系と、からなり、これらの系は対物レンズOBを除いてほぼ共通の平面上に配置されている。
ホログラム記録再生光学系は、ホログラムの記録及び再生用の第1レーザ光源LD1、第1コリメータレンズCL1、第1ハーフミラープリズムHP1、第2ハーフミラープリズムHP2、偏光空間光変調器SLM、CCDや相補型金属酸化膜半導体装置(CMOS)などのアレイからなる像検出センサISを含む再生光信号検出部、第3ハーフミラープリズムHP3及び、第4ハーフミラープリズムHP4、からなる。
サーボ系は、ホログラム記録担体2に対する光ビームの位置をサーボ制御(xyz方向移動)するための第2レーザ光源LD2、第2コリメータレンズCL2、サーボビームSBのためのマルチビームを生成するグレーティングなど回折光学素子GR、偏光ビームスプリッタPBS、1/4波長板1/4λ、カップリングレンズAS、及び光検出器PDを含むサーボ信号検出部からなる。
ダイクロイックプリズムDP及び対物レンズOBは共通系である。
図5及び図6に示すように、第1、第3及び第4ハーフミラープリズムHP1、HP3、HP4のハーフミラー面は平行となるように配置されるとともに、これらハーフミラー面の法線方向において第2ハーフミラープリズムHP2、ダイクロイックプリズムDP及び偏光ビームスプリッタPBSのハーフミラー面、分離面が平行となるように配置されている。これら光学部品は、第1及び第2レーザ光源LD1、LD2からの光ビームの光軸(一点鎖線)がそれぞれ記録及び再生光学系並びにサーボ系に延在し、共通系でほぼ一致するように配置されている。
第1レーザ光源LD1は第1光源駆動回路25aに接続され、射出する第1光ビームFBの強度をホログラム記録時には強く再生時には弱くするように、同回路によりその出力調整がされる。第2レーザ光源LD2は第2光源駆動回路25bに接続されている。
反射型の偏光空間光変調器SLMは、マトリクス状に分割された複数の画素電極を有する液晶パネルなどで電気的に入射光の一部を反射する機能、又はすべて透過して無反射状態とする機能を有する。この偏光空間光変調器SLMは第1光源駆動回路25aに接続され、空間光変調器駆動回路26からの記録すべきページデータ(平面上の明暗ドットパターンなどの2次元データの情報パターン)に基づいた分布を有するように光ビームを変調かつ反射して、信号光を生成する。なお、偏光空間光変調器SLMに代え、マトリクス状に分割された複数の画素電極を有する透過型液晶パネルを空間光変調器として用いる場合、第1及び第2ハーフミラープリズムHP1、HP2間に配置される。
像検出センサISを含む再生光信号検出部は再生光信号検出回路27に接続されている。
更に、ピックアップ23には、対物レンズOBを自身の光軸に平行な方向(z方向)、トラックに平行方向(y方向)及び垂直な方向(x方向)に移動させる対物レンズ駆動部36が備えられている。
光検出器PDは、サーボ信号処理回路28に接続され、例えば、フォーカスサーボ用並びにx及びy方向移動サーボ用にそれぞれに受光素子を有する。光検出器PDからのフォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号などの出力信号はサーボ信号処理回路28に供給される。
サーボ信号処理回路28においては、フォーカスエラー信号からフォーカシング駆動信号が生成され、これが制御回路37を介してフォーカスサーボ回路29に供給される。フォーカスサーボ回路29は駆動信号に応じて、ピックアップ23に搭載されている対物レンズ駆動部36のフォーカシング部分を駆動し、そのフォーカシング部分はホログラム記録担体に照射される光スポットの焦点位置を調整するように動作する。
更に、サーボ信号処理回路28においては、x及びy方向移動駆動信号が発生され、これらがx方向移動サーボ回路30x及びy方向移動サーボ回路30yにそれぞれ供給される。x方向移動サーボ回路30x及びy方向移動サーボ回路30yは、x及びy方向移動駆動信号に応じてピックアップ23に搭載されている対物レンズ駆動部36を駆動する。よって、対物レンズはx、y及びz方向の駆動信号による駆動電流に応じた分だけ駆動され、ホログラム記録担体に照射される光スポットの位置が変位する。これにより、記録時の運動しているホログラム記録担体に対する光スポットの相対位置を一定としてホログラムの形成時間を確保できる。
制御回路37は、操作部又はピックアップ位置検出回路31からの位置信号及びサーボ信号処理回路28からのx方向移動エラー信号に基づいてスライダ駆動信号を生成し、これをスライダサーボ回路32に供給する。スライダサーボ回路32はピックアップ駆動部24を介して、そのスライダ駆動信号による駆動電流に応じピックアップ23をディスク半径方向に移送せしめる。
回転数検出部33は、ホログラム記録担体2をターンテーブルで回転させるスピンドルモータ22の現回転周波数を示す周波数信号を検出し、これに対応するスピンドル回転数を示す回転数信号を生成し、回転位置検出回路34に供給する。回転位置検出回路34は回転数位置信号を生成し、それを制御回路37に供給する。制御回路37はスピンドル駆動信号を生成し、それをスピンドルサーボ回路35に供給し、スピンドルモータ22を制御して、ホログラム記録担体2を回転駆動する。
図7に本実施形態のホログラムホログラム装置用のピックアップの対物レンズ駆動部36を示す。
対物レンズ駆動部36は、ピックアップボディ(図示せず)に固設された支持部38に結合したピエゾ素子39によってy方向に振動自在なアクチュエータベース42を有している。ピックアップボディ内にはレーザ光源からの光ビームを直角に反射して対物レンズOBに導く立ち上げプリズム45など、ピックアップを形成するための上記した所要の光学部品が設けられている。なお、該光ビームは開口42c、対物レンズOBを経ることにより、ターンテーブル上の媒体の情報記録面にスポット光として集束照射される。
図7に示すように、対物レンズOBは筒状に形成されて該対物レンズと共に可動光学系を構成するレンズホルダ48の上端突出部に取り付けられている。レンズホルダ48の外周にはコイル中心軸が対物レンズOBの光軸と平行となるようにフォーカシングコイル50が巻装されている。フォーカシングコイル50の外側にはコイル中心軸が対物レンズOBの光軸に対して直角となるように例えば4つのトラッキングコイル51が取り付けられている。各トラッキングコイル51は、予め各々環状に巻回されたものをフォーカシングコイル50上に貼付してなる。対物レンズOB及びレンズホルダ48からなる可動光学系は、互いに対物レンズOBの光軸方向において離隔して配置されかつ該光軸方向に対して直角なy方向に延在する2対、合計4本の長手支持部材53の一端部により支持されている。但し、図7には支持部材53は3本のみが示されている。各支持部材53は、アクチュエータベース42上に固着された張出部42aに、その他端部において、片持梁状に取り付けられている。各支持部材53はコイル材料などからなり可撓性を有している。4本の長手支持部材53と上記ピエゾ素子39によって対物レンズOB及びレンズホルダ48からなる可動光学系は、xyz方向において移動自在となっている。
レンズホルダ48は一対の磁気回路に離間しつつ挟まれている。各磁気回路はレンズホルダ48に面する磁石55とこれを支持する金属プレート56からなり、アクチュエータベース42上に固着されている。レンズホルダ48には一対の貫通孔が形成され、一対の貫通孔は長手支持部材53の伸長方向におけるレンズホルダ48のフォーカシングコイル50の内側にはコイル中心軸及び対物レンズOBの光軸と平行となり対物レンズOBを挟む位置にある。各貫通孔内に磁気回路の金属プレート56から伸長するヨーク57が非接触で挿入されている。よって、フォーカシングコイル50及びトラッキングコイル51は、磁石55及びヨーク57からなる磁気回路の磁気ギャップ内に位置している。
フォーカシングコイル50、トラッキングコイル51及びピエゾ素子39がそれぞれフォーカスサーボ回路29、x方向移動サーボ回路30x及びy方向移動サーボ回路30yによって、制御されている。磁気ギャップには該各コイルと直角に鎖交する平行磁束が発生し得るので、該各コイルに所定電流を供給することによりxz方向の駆動力が発生して該各方向に上記の可動光学系を駆動することができる。
このように、対物レンズOBのx及びy方向の駆動はボイスコイルモータを使用したものであり、y方向の駆動はピエゾ素子などを用いてアクチュエータベースごと駆動するようにする。なお、駆動部はこの構造の他に、すべての軸についてボイスコイルモータを使用することもできる。
上記ホログラムホログラム装置を用いた、ホログラム記録担体に光ビームを照射して情報を記録又は再生する記録再生方法を説明する。
<ホログラム記録及び再生の概要>
ホログラム記録時には、図8に示すように、第1レーザ光源LD1からの所定強度のコヒーレント光は第1ハーフミラープリズムHP1により、参照光ビームと信号光ビームに分離される(両ビームは破線で示し、光路説明のために図6の光軸からずらして示してある)。
信号光ビームは第2ハーフミラープリズムHP2を透過し、偏光空間光変調器SLMの反射面の法線に沿って入射する。偏光空間光変調器SLMで所定変調され反射された信号光は、再び第2ハーフミラープリズムHP2に入射し反射して、第4ハーフミラープリズムHP4へ向かう。
参照光ビームは第3ハーフミラープリズムHP3で反射され、第4ハーフミラープリズムHP4へ向かう。
参照光と信号光は第4ハーフミラープリズムHP4にて略共軸となるように合流され第1光ビームFBとなる。第1光ビームFBはダイクロイックプリズムDPを通過し、対物レンズOBによってホログラム記録担体2に集光されホログラムが記録される。
一方、再生時には、図9に示すように、記録時と同様に光は第1ハーフミラープリズムHP1により参照光ビームと信号光ビームに分離されるが、ホログラムの再生は参照光ビームのみで行う。偏光空間光変調器SLMを無反射状態(透過状態)にすることで、第3ハーフミラープリズムHP3からの参照光だけが第1光ビームFBとして、ダイクロイックプリズムDP及び対物レンズOBを通過し、ホログラム記録担体2に入射される。
ホログラム記録担体2から発生する再生光(二点鎖線)は、対物レンズOB、ダイクロイックプリズムDP、第4ハーフミラープリズムHP4及び第3ハーフミラープリズムHP3を透過し、像検出センサISに入射する。像検出センサISはその出力を再生光信号検出回路27に送出して、そこで生成した再生信号を制御回路37に供給して記録されていたページデータを再生する。なお、第3ハーフミラープリズムHP3及び像検出センサIS間に結像レンズを設けることもできる。
ここで、ホログラムの記録及び再生時ともに、サーボビームによりホログラムディスク2との位置決めサーボ制御を行う。位置決めサーボ制御によって、光検出器PDの出力に基づいて演算されて得たエラー信号にて、x、y及びz方向の3軸に対物レンズを駆動できる3軸アクチュエータ(対物レンズ駆動部36)を駆動する。
図8及び図9に示すように、サーボ制御のための第2レーザ光源LD2は第1レーザ光源LD1とは異なる波長のサーボビームSBを射出する。サーボビームSB(細実線)は、P偏光(紙面平行を示す双方向矢印)として、第2コリメータレンズCL2、回折光学素子GR、偏光ビームスプリッタPBS及び1/4波長板1/4λのサーボ検出用光路に導かれ、対物レンズOBの直前でダイクロイックプリズムDPにより第1光ビームFB(信号光及び参照光)と略共軸に合流される。サーボビームSBはダイクロイックプリズムDPで反射された後、対物レンズOBで集光されホログラム記録担体2に入射する。ホログラム記録担体2からの反射光(対物レンズOBへの戻り光)は1/4波長板1/4λを通過してS偏光(紙面垂直を示す中黒波線丸)となり、偏光ビームスプリッタPBS及びカップリングレンズASを経て、サーボ用光検出器PDの受光面の法線に沿って入射する。
また、z方向のサーボ(フォーカスサーボ)制御は通常の光ピックアップで用いられている非点収差法、3ビーム法、スポットサイズ法、プッシュプル法など、また、それらの混在して用いた方法も用い得る。
例えば非点収差法を用いた場合、光検出器PDの中央の1つは、図10に示すようにビーム受光用の4等分割の受光面を有した受光素子1a〜1dから構成される。4分割線の方向はディスク半径方向とトラック接線方向に対応している。光検出器PDは、合焦時の光スポットが受光素子1a〜1dの分割交差中心を中心とする円形となるように設定されている。
光検出器PDの受光素子1a〜1dの各出力信号に応じて、サーボ信号処理回路28は種々の信号を生成する。受光素子1a〜1dの各出力信号をその順にAa〜Adとすると、フォーカスエラー信号FEは、FE=(Aa+Ac)−(Ab+Ad)と算出され、トラッキングエラー信号TEは、TE=(Aa+Ad)−(Ab+Ac)と算出される。これら信号は制御回路37に供給される。
<記録再生の詳細>
本実施形態では、サーボビームSBによりホログラム記録担体2との位置決めサーボ制御を常に行い、同時にホログラム再生は第1光ビームFB(参照光)で、記録は第1光ビームFB(参照光及び信号光)で行う。
図11に示すように、反射層5のトラック上でサーボビームSBのスポット及び第1光ビームFBのスポットは、記録及び再生中、ほぼ一致して配置される。
ホログラムの記録は第1光ビームFBの参照光及び信号光の成分をホログラム記録層7内で干渉させて記録を行う。空間光変調器SLMで変調された変調信号(信号光の成分)は1次以上の回折光成分であるため集光スポット近傍(フーリエ面)ではある程度の広がりをもつ。そのため反射層5上ではほとんどの光線が反射される。一方、参照光(又は0次光の成分)は無変調のDC光であるため対物レンズOBの開口数と波長で決まるスポットサイズを有しており、穿孔されたピンホールPHがスポットサイズよりある程度大きければ参照光はピンホールPHより透過する。
図12に示すように、ホログラムを記録する際、参照光はピンホールPHで透過するためホログラム記録層7内では、入射する参照光rと入射する信号光Sの干渉と、入射する参照光rと反射する信号光RSの干渉とが発生し、それぞれの干渉に基づいてホログラムA、Bが形成される。参照光rはそのままホログラム記録担体2の背面側に透過するため反射する参照光でホログラムはできない。
図13に示すように、ホログラムを再生する場合にも再生用の参照光をピンホールPHに一致させる。この操作を行うことで参照光はピンホールPHによりホログラム記録担体2の背面側に透過する。参照光が対物レンズOB側に戻ることがないので、像検出センサIS上に参照光が戻って入射することがない。記録したホログラムの再生は、ホログラム記録担体2に入射する参照光によってホログラムBからは対物レンズOB側に再生信号Bが発生する。またホログラムAからは対物レンズOBと反対側に再生信号Aが発生する。再生信号Aは反射層5で反射し対物レンズOB側に戻る。この再生信号AとBは同一のもので、受光素子上で重なりあうため特に問題になることはない。
<他の実施形態のホログラム装置>
図14では、ホログラムの記録再生には参照光と信号光とを分けて使用しない形態のホログラム記録を行い、ホログラム記録担体とピックアップの関係(フォーカス、トラッキング)を制御するために別波長のレーザ光源を使用する場合を例に説明する。
図14のホログラム装置は、記録光学系の第1、第2及び第3ハーフミラープリズムHP1、HP2を省略し、像検出センサISの位置に第1レーザ光源LD1及び第1コリメータレンズCL1を並びに第2ハーフミラープリズムHP2の位置に像検出センサISを配置して、反射型の空間光変調器に代えて、透過型の空間光変調器SLMを第4ハーフミラープリズムHP4及び第1コリメータレンズCL1間に挿入して、第4ハーフミラープリズムHP4によって担体から対物レンズOBを介して戻ってくる再生波を分岐するようにした以外、図6に示す構成と同一である。第1レーザ光源LD1からののレーザ光はコリメータレンズCL1により平行光ビームに変換された後、透過型の空間光変調器SLMに入射する。この空間光変調器SLMはマトリックス状に分割された電極をもつ液晶パネルなどで電気的に入射光の一部を空間的に変調する働きを有する。この空間光変調器SLMを用いて、ページデータを信号光ビーム中の強度分布として変調する。空間光変調器SLMからでた光線は、1次以上の回折光(信号光成分)と無変調の0次光(参照光成分)からなる第1光ビームFBとなる。信号光と参照光の第1光ビームFBは対物レンズOBによってホログラム記録担体2に集光されホログラムが記録される。すなわち、ホログラム再生システムは、記録光学系の主要部以外の、ホログラム記録担体を装着自在に保持する支持部と、可干渉性の参照光ビームを発生する光源と、記録情報に応じてホログラム記録担体の記録層の内部に形成された回折格子の領域に参照光ビームを照射して再生波を生ぜしめる干渉部と、参照光ビームの反射層から反射して干渉部へ戻る戻り光と再生波とを分離する分離部と、再生波により結像された記録情報を検出する検出部と、を有している。
この再生動作において、透過型の空間光変調器SLMで無変調のレーザ光すなわち0次光(参照光成分)のみからなる第1光ビームFBが対物レンズOBを介してホログラム記録担体2に集光されると、再生波が再構築され対物レンズOBを介してピックアップに戻る。第4ハーフミラープリズムHP4で反射された成分が像検出センサISに入射する。像検出センサISは再生光で結像された像に対応する出力を再生信号検出処理回路27に送出して、そこで生成した再生信号を制御回路50に供給して記録されていたページデータを再生する。サーボビームSBに関する構成(サーボ制御)は図6に示す構成と同一である。
サーボビームSBによりホログラム記録担体2との位置決めサーボ制御を常に行い、同時にホログラム記録は第1光ビームFBで行う。隣接ピンホールPHに複数のサーボビームを照射してサーボ制御することもできる。
サーボビームSBについては、実施例1同様のトラッキングサーボ制御に加えて、同時にy方向のマークYを利用してy方向にも対物レンズOBを追従させる時間軸サーボ制御を行う。サーボビームSBによるサーボ制御については、実施例1と同様である。
以上、本実施形態によれば、常に参照光が反射層のピンホールPHなどの非反射部で戻ることが防止されるため、再現されたホログラムからの回折光が分離可能となる。ホログラム記録時の参照光のみを効果的に非反射としているため反射像などの余分なホログラムが記録されない。その結果、ホログラム記録層を必要以上に劣化させることがない。また、再生時に参照光が検出器側に戻らないために信号再生に必要なホログラムからの回折光のみを受光することができる。その結果、再生SNが向上し安定な再生を行うことができる。
また、上記実施形態においては、記録媒体として図21に示すようなホログラム記録担体ディスク2を例に説明したが、ホログラム記録担体の形状は円盤状の他に、例えば、図22に示すようなプラスチックなどからなる矩形状平行平板の光カード20aであっても良い。かかる光カードにおいても、トラックは基板の例えば重心に関してその上に螺旋状もしくは螺旋弧状又は同心円状に形成されもよいし、トラックが基板上に平行に形成されていてもよい。
さらにまた、上記実施形態においては、第1及び第2レーザ光源LD1、LD2からの互いに異なる波長の第1ビームFB及びサーボビームSB(第2ビーム)を用いて、ホログラムの記録及びマークの記録並びに光ビームのサーボ制御を実行した場合を説明したが、第1及び第2レーザ光源LD1、LD2は同一波長のレーザ光を射出するものを用いてもよい。この場合、例えば、サーボビームSBの光強度をホログラム記録に至らないレベルに抑えてサーボ制御を実行しつつ、ホログラム記録を要する時間帯のみ第1ビームFBをオンとする。
Claims (9)
- 光照射により情報の記録又は再生が行われるホログラム記録担体であって、
可干渉性の参照光及び信号光の成分による光学干渉パターンを回折格子として内部に保存するホログラム記録層と、
前記ホログラム記録層の光入射側の反対側に積層された反射層と、
前記反射層に前記回折格子の記録間隔に等しく配置された複数の非反射部と、
を有することを特徴とするホログラム記録担体。 - 前記非反射部はピンホールであることを特徴とする請求項1記載のホログラム記録担体。
- 前記非反射部は、前記反射層の透過率より高い特性値の透過率を有することを特徴とする請求項1記載のホログラム記録担体。
- 前記非反射部は、前記反射層の吸収率より高い特性値の吸収率を有することを特徴とする請求項1記載のホログラム記録担体。
- 前記非反射部は、前記反射層の反射率より低い特性値の反射率を有することを特徴とする請求項1記載のホログラム記録担体。
- 前記非反射部の前記特性値は、前記可干渉性の参照光及び信号光の有する波長におけるものであることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のホログラム記録担体。
- 前記反射層は、対物レンズから前記ホログラム記録層及び前記反射層を通過して合焦される光ビームのスポットを追従させるための各々が離れて交わることなく延在するトラックを有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のホログラム記録担体。
- 前記トラックは螺旋状もしくは螺旋弧状又は同心円状に形成されていることを特徴とする請求項7記載のホログラム記録担体。
- 前記トラックは平行に形成されていることを特徴とする請求項7又は8記載のホログラム記録担体。
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