JP4438830B2 - 樹脂組成物、成形体、電子写真用転写ベルト、および画像形成装置 - Google Patents

樹脂組成物、成形体、電子写真用転写ベルト、および画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物および該樹脂組成物からなる成形体、特に電子写真用転写ベルトに関する。本発明は詳しくは、衝撃強度、引張伸びなどに代表される靭性に優れ、かつカーボンを分散したときに良好な均一分散性を示すポリフェニレンスルフィド樹脂組成物および該樹脂組成物からなる成形体、特に電子写真用転写ベルトに関するものである。
ポリフェニレンスルフィド樹脂(以下、「PPS樹脂」と略す)は、優れた耐熱性、難燃性、剛性、耐薬品性、電気絶縁性など、エンジニアリングプラスチックとしては好適な性質を有しており、射出成形用を中心として各種電気・電子部品、機械部品および自動車部品などに使用されている。しかしPPS樹脂はポリアミド樹脂等の他のエンジニアリングプラスチックに比べ、靭性面で十分に優れているとは言い難い。そのため、従来よりPPS樹脂は、多くの場合、ガラス繊維などの強化剤を併用し、強度を向上させて用いられてきた。
しかし、近年、軽量性や表面平滑性などの要求から、PPS樹脂においても、ガラス繊維などを用いない非強化材料としての需要が高まり、靭性の優れた非強化PPS材料が求められている。
非強化PPS材料の靭性を向上させる方法として、ポリアミド樹脂を含有せしめたPPS樹脂組成物が知られている。例えば、特許文献1〜3に開示されているような靭性に優れる材料とのブレンドによりPPSの靭性を向上させる試みが多々検討されている。もしPPSとポリアミドが水に砂糖を溶かすがごとく均一になるならば、開示されている技術で課題は解決できる。しかしながら、非特許文献1に記載されているように、PPSとポリアミドとのブレンドは相溶しにくく、唯一4,6ナイロンが300℃以上の高温度で相溶するが、冷却すると相分離することが確認されている。よく知られているように、ポリマーとエラストマーとのブレンドは相溶したときに驚くべき物性改善がなされるが、非特許文献1に記載されているようにPPSではそのような組み合わせは見つかっていない。ゆえに他のエラストマーとのブレンドは、有効な強度物性改善手段とならず、PPSが有する高弾性率だけでなく、燃焼性などの優れた特性を損なう問題がある。
一方、特許文献4〜5には、ウェルドクラック発生の抑制された機械的強度に優れた酸化架橋PPS樹脂が開示されているが、引張伸びや衝撃強度などの靭性面では必ずしも十分優れているとは言い難い。さらに酸化架橋処理では押出し成形のような連続生産で成形体を得る用途には活用しにくい問題点がある。
さらにPPS樹脂組成物を電子写真用途の転写ベルトに適用する場合、カーボンなどの導電剤を添加し、樹脂の導電性を均一な半導体領域にする必要があるが、PPS樹脂はカーボンの分散性が必ずしも優れているとは言えず、押出し成形時にカーボンの分散状態が変化し、導電性が不均一となる問題を抱えている。転写ベルトにおいて導電性が不均一であると、耐刷時において文字の中抜けやトナーの飛び散りが発生する。
特公昭59−1422号公報 特開昭53−69255号公報 特開平6−49356号公報 特開平9−291213公報 特開昭62−197422号公報 J.MACROMOL.SCI.PHYS.,B41(3),407-418(2002), Jung-Bum An, Takeshi Suzuki, Toshiaki Ougizawa, Takeshi Inoue, Kenji Mitamura and Kazuo Kawanishi
本発明は、強化剤を含有させなくても靭性に優れたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明はまた、強化剤を含有させなくても靭性に優れ、かつ添加剤、特にカーボン等の導電剤の均一分散性に優れたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、成形体および電子写真用転写ベルトを提供することを目的とする。
本発明はまた、靭性に優れ、かつ導電性が均一な電子写真用転写ベルトを提供することを目的とする。
本発明はまた、文字の中抜けやトナーの飛び散りを抑制する画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、ポリフェニレンスルフィド樹脂および25℃におけるχパラメータが1.3未満のナイロン樹脂を含む樹脂組成物であって、該樹脂組成物が一つのガラス転移温度を持つことを特徴とする樹脂組成物、該樹脂組成物からなる成形体、特に電子写真用転写ベルト、および該転写ベルトを備えた画像形成装置に関する。
本発明のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物は、ポリフェニレンスルフィド樹脂とナイロン樹脂との相溶が達成されるので、当該樹脂組成物は一つのガラス転移温度しか有さない。そのため、ナイロン樹脂が本来的に有する高靭性を有効に発揮する。しかも、ポリフェニレンスルフィド樹脂が本来的に有する良好な耐熱性、難燃性、剛性、耐薬品性、弾性および電気絶縁性も発揮する。
本発明のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物に添加剤を含有させると、当該樹脂組成物および当該樹脂組成物からなる成形体において、添加剤の均一な分散を達成できる。その結果、成形体が特に電子写真方式の画像形成装置において使用される転写ベルトであって、添加剤がカーボン等の導電剤である場合、当該転写ベルトにおいて均一な導電性を達成できるので、そのような転写ベルトを用いると文字の中抜けやトナーの飛び散りを防止できる。
本発明の樹脂組成物はポリフェニレンスルフィド樹脂(以下、PPS樹脂という)およびナイロン樹脂を含み、一つのガラス転移温度を持つことを特徴とする。本発明の樹脂組成物が少なくとも2種類の樹脂を含有するにも拘わらず、一つのガラス転移温度しか示さないのは、PPS樹脂とナイロン樹脂とが有効に相溶しているためである。そのため、本発明の樹脂組成物は、PPS樹脂が本来的に有する良好な耐熱性、難燃性、剛性、耐薬品性、弾性および電気絶縁性と、ナイロン樹脂が本来的に有する良好な靭性および表面光沢性とを同時に発揮する。
「一つのガラス転移温度を持つ」とは、ガラス転移温度を一つだけ持つという意味であり、詳しくは樹脂組成物を示唆走査熱分析(以下、DSCという)法に供したとき、50℃から200℃の領域でガラス転移を一回しか起こさない。図1は、本発明のPPS樹脂組成物をDSC法で測定したときの熱量変化を示したグラフの一例であって、横軸は温度変化を、縦軸は熱量変化を示し、基準線から上方が発熱、基準線から下方が吸熱を示す。例えば、図1に示すようなグラフにおいて、82℃付近で基準線が略平行に吸熱側へ変化しているところが、ガラス転移が起こっていることを示す。本発明においては、そのようなガラス転移を示す基準線の変化が50℃から200℃の領域で一つしか現れない。図1において100℃から150℃の領域に観察される鋭いピークはPPSの結晶化を示している。DSC法による測定装置については特に限定されるものではない。測定条件については昇温スピードが重要であり、5℃/minで測定する必要がある。昇温スピードが速すぎたり遅すぎたりすると、Tgの形がくずれたり、測定できない場合があるためである。上記測定条件で測定されるTgが一つであれば、当該樹脂組成物は本発明の範囲内のものであり、本発明の目的を達成することが可能である。
本発明の樹脂組成物が一つだけ有するガラス転移温度は88℃以下、特に80〜88℃が好ましく、より好ましくは83〜87℃である。
図1の要部拡大図を示す図2において、低温側の基準線と平行に高温側の基準線と重なるように平行線を引き、さらにこれらの平行線の距離(L)の1/2の高さ(L/2)のところに直線を引いたとき、当該L/2直線と吸熱曲線との交点からガラス転移温度(Tg)を求めることができる。
図3は、Tgが2つ(PPS樹脂とナイロン樹脂)観察された例であり、基準線が略平行に吸熱側へ変化するガラス転移が2つ観察されるので、当該測定に供された樹脂組成物は本発明の範囲外のものである。そのような樹脂組成物は、PPS樹脂とナイロン樹脂とが有効に相溶していないので、十分な靭性が得られない。そのような樹脂組成物にカーボン等の添加剤を予め配合していたところで、添加剤は均一に分散されない。
本発明においては、図4に示すように、ナイロン樹脂の結晶化ピークがTgより低い温度領域で観察されることがある。この場合においても、基準線が略平行に吸熱側へ変化するガラス転移は一つしか観察されていないので、当該測定に供された樹脂組成物は本発明の範囲内のものである。
本発明で使用されるPPS樹脂は、いわゆるエンジニアリングプラスチックとして有用なポリフェニレンスルフィドである。PPS樹脂の分子量は特に制限されないが、溶融流動性の向上の観点から、ゲル浸透クロマトグラフ法で求められた分子量分布のピーク分子量が5000〜1000000、特に45000〜90000のものを使用するのが好ましい。
PPS樹脂の製造方法は特に制限されず、例えば、特公昭52−12240号公報や特開昭61−7332号公報に記載された方法等のような公知の方法によって製造可能である。
PPS樹脂はまた、市販のポリフェニレンサルファイドとして東レ(株)、大日本インキ化学工業(株)等より入手することもできる。
PPS樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲内で、種々の処理を施した上で使用することができる。そのような処理として、例えば、窒素などの不活性ガス雰囲気下あるいは減圧下での熱処理、熱水などによる洗浄処理、および酸無水物、アミン、イソシアネート、官能基含有ジスルフィド化合物などの官能基含有化合物による活性化などが挙げられる。
ナイロン樹脂は、本発明ではポリアミドとも呼ばれている樹脂を意味し、25℃におけるχパラメータが1.3未満、特に0.01以上1.3未満のものを用いる。
χパラメータは、2種類のポリマー成分の相溶の程度を表すひとつの指標であり、本発明においてはPPS樹脂を基準とした値を示すものである。χパラメータは大きいほど、基準樹脂と相溶し難いことを意味し、一方で小さいほど相溶し易いことを意味する。しかし本発明において使用するχパラメータが1.3未満のナイロン樹脂はPPS樹脂と相溶し易いというわけではなく、PPS樹脂とナイロン樹脂とは、従来では相溶困難とされていた樹脂の組み合わせである。
χパラメータはポリマーの側鎖基によっても変化するので、本明細書中、ナイロン樹脂のχパラメータはJ−OCTA(日本総研)を用いて、プログラムSUSHIを実行して得ることができる。
ナイロン樹脂はχパラメータがPPS樹脂との関係で上記範囲内のポリアミドであれば特に制限されず、各種ポリアミドが使用可能である。具体例として、例えば、ε−カプロラクタム、ω−ドデカラクタムなどラクタム類の開環重合によって得られるポリアミド;6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などのアミノ酸から導かれるポリアミド;エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,3−および1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4,4´−アミノシクロヘキシル)メタン、メタおよびパラキシリレンジアミンなどの脂肪族、脂環族または芳香族ジアミンと、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、1,3−および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、およびダイマー酸などの脂肪族、脂環族または芳香族ジカルボン酸、またはそれらの酸ハロゲン化物(例えば酸クロリド)などの酸誘導体とから導かれるポリアミドおよびこれらの共重合ポリアミド;ならびにそれらの混合ポリアミド等が挙げられる。本発明においてはこれらのうち通常は、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、メタキシリレンジアミンとアジピン酸とのポリアミド、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)およびこれらのポリアミド原料を主成分とする共重合ポリアミドが有用である。
ナイロン樹脂の重合度は特に制限されず、例えば、相対粘度(ポリマー1gを98%濃硫酸100mlに溶解し、25℃で測定)が2.0〜5.0の範囲内にあるポリアミドを目的に応じて任意に選択できる。
ナイロン樹脂の重合方法は特に制限されず、通常は公知の溶融重合法、溶液重合法およびこれらを組合せた方法を採用することができる。
ナイロン樹脂はまた、市販のMXD6(三菱ガス化学社製)、4,6ナイロン(DSMジャパンエンプラ社製)、ザイテル(デュポン社製)等として入手することもできる。
PPS樹脂とナイロン樹脂との配合割合は、本発明の目的が達成される限り特に制限されず、例えば、PPS樹脂1〜99重量%に対してナイロン樹脂99〜1重量%であればよく、通常はPPS樹脂60〜99重量%に対してナイロン樹脂40〜1重量%である。特に、樹脂組成物を電子写真用転写ベルトに適用する場合、靭性の観点からは、PPS樹脂90〜99重量%に対してナイロン樹脂10〜1重量%が好ましい。難燃性の観点からは、PPS樹脂75〜99重量%に対してナイロン樹脂25〜1重量%が好ましい。高弾性率の観点からは、PPS樹脂80〜99重量%に対してナイロン樹脂20〜1重量%が好ましい。配合割合はPPS樹脂とナイロン樹脂との合計量を100重量%として表すものとする。
本発明の樹脂組成物は、PPS樹脂およびナイロン樹脂を含む混合物を溶融混練し、混練物を急冷することによって製造できる。すなわち本発明の樹脂組成物は、PPS樹脂およびナイロン樹脂を含む混合物を溶融混練した後、混練物を急冷することによって製造できる(第1溶融混練工程)。溶融混練によってPPS分子間にナイロン分子が割り込み・侵入したナイロン分子の微分散形態が、急冷することによって、有効に維持される。その結果、PPS樹脂とナイロン樹脂との相溶化が達成され、一つのTgを示すようになる。なお、以下、相溶化現象の説明は、PPS樹脂の配合割合がナイロン樹脂よりも多い場合について述べるが、PPS樹脂の配合割合がナイロン樹脂よりも少ない場合については、「PPS分子」と「ナイロン分子」とを入れ替えることによって当該相溶化現象の説明を適用できる。
第1溶融混練工程において溶融混練される混合物は、少なくともPPS樹脂粒子およびナイロン樹脂粒子からなる単なるブレンド混合物であってもよいし(予備混合工程)、または冷却方法が特に制限されない従来の溶融混練方法によって少なくともPPS樹脂およびナイロン樹脂を予め溶融混練、冷却および粉砕してなる混練混合物であってもよい(予備溶融混練工程)。
第1溶融混練工程において混練は比較的大きな剪断力によって達成することが好ましい。剪断力は、例えば、二軸押出混練機KTX46(神戸製鋼社製)を用いる場合で、200rpm以上のスクリュー回転数を採用することが好ましい。剪断力が小さすぎると、ナイロン分子の微分散形態を実現できないので、相溶化が十分に達成されない。溶融混練温度は、PPS樹脂およびナイロン樹脂の融点以上の温度であり、通常270〜380℃である。第1溶融混練工程で使用される溶融混練機としては、上記温度に加熱可能で、かつ比較的大きな剪断力を付与可能であれば特に制限されず、例えば、単軸あるいは2軸の押出混練機、バンバリーミキサー、ニーダーおよびミキシングロールなどが挙げられる。
急冷は、混練物をそのまま0〜60℃の水に浸漬することによって達成できる。−40℃〜60℃の気体で冷却するか、−40℃〜60℃の金属に接触させることによって、急冷を達成してもよい。例えば室温で放置冷却する場合など、急冷を行わない場合は、比較的長い冷却時間中においてPPS分子およびナイロン分子の相分離が起こり、ナイロン分子の微分散形態が有効に維持されないため、相溶化が十分に達成されない。
急冷された混練物は、次工程での処理を容易にするために、通常、粉砕によってペレタイズされる。
本発明の成形体は、上記の方法で製造された樹脂組成物を、射出成形法、押出成形法、圧縮成形法、吹込成形法、射出圧縮成形法などの公知の各種成形法に適用することによって製造可能であり(成形工程)、任意の形状が付与され得る。例えば、ベルト(特にシームレス環状ベルト)、フィルム、パイプ、繊維などの形状が挙げられる。成形法は、特に射出成形法、押出成形法が好適である。本発明においては、いずれの成形法を採用する場合も、成形後は急冷を行う。急冷することによって、樹脂組成物におけるPPS樹脂とナイロン樹脂との相溶化が、成形体においても有効に維持され、成形体も一つのTgを示すようになる。急冷を行わないと、比較的長い冷却時間中においてPPS分子およびナイロン分子それぞれの凝集が起こり、ナイロン分子の微分散形態が有効に維持されないため、相溶化が十分でない成形体が得られる。急冷は、第1溶融混練工程における急冷方法と同様の方法によって達成できる。
第1溶融混練工程によって樹脂組成物を得た後、成形工程前に、第2溶融混練工程を実施してもよい。これによって、さらにペレットの均一性が向上し、抵抗安定性を達成できる。
第2溶融混練工程は、混練時の剪断力が特に制限されないこと以外、第1溶融混練工程と同様である。すなわち、比較的小さな剪断力によって溶融混練されてよく、混練物は急冷され、通常はペレタイズされる。第2溶融混練工程においても、樹脂組成物における相溶化は有効に維持され得る。第2溶融混練工程は繰り返し実施されてもよい。
本発明の樹脂組成物および成形体には、本発明の効果を損なわない範囲内で、導電剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、結晶核剤、紫外線防止剤、着色剤、難燃剤などの通常の添加剤および少量の他種ポリマーを配合することができる。更に、PPSの架橋度を制御する目的で、通常の過酸化剤および特開昭59−131650号公報に記載されているチオホスフィン酸金属塩などの架橋促進剤または特開昭58−204045号公報、特開昭58−204046号公報などに記載されているジアルキル錫ジカルボキシレート、アミノトリアゾールなどの架橋防止剤を配合することもできる。特に本発明の樹脂組成物が電子写真用転写ベルトの製造に使用される場合、または本発明の成形体が電子写真用転写ベルトである場合、通常は導電剤が配合される。本発明の樹脂組成物および成形体はPPS樹脂とナイロン樹脂との相溶性が向上されるので、導電剤が配合されると、導電剤の均一な分散が達成される。その結果、成形体は全体にわたって均一な導電性を有する。特に成形体が電子写真用シームレス環状転写ベルトである場合は、当該転写ベルトの全周にわたって均一な導電性を有し得る。
導電剤としては、配合されることによって成形体に導電性を付与できるものであれば特に制限されず、電子写真用転写ベルトの分野で従来から使用されている公知の導電剤が使用可能である。そのような導電剤の具体例として、例えば、カーボン、導電性もしくは半導電性金属酸化物微粒子、導電性高分子等が挙げられる。
添加剤、特に導電剤の配合量は、樹脂組成物全量に対して1〜30重量%、特に5〜20重量%が好適である。2種類以上の添加剤が配合される場合、各添加剤の配合量が上記範囲内であればよい。
本発明の樹脂組成物および成形体において、繊維状および/または粒状の強化剤は必須成分ではないが、必要に応じて配合することが可能である。強化剤はPPS樹脂とナイロン樹脂との合計100重量部に対して400重量部を越えない範囲で配合することが可能である。強化剤を通常は、10〜300重量部の範囲で配合することにより強度、剛性、耐熱性、寸法安定性などのさらなる向上を図ることが可能である。
繊維状強化剤としては、ガラス繊維、シラスガラス繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維などの無機繊維および炭素繊維等が挙げられる。
粒状の強化剤としては、ワラステナイト、セリサイト、カオリン、マイカ、クレー、ベントナイト、アスベスト、タルク、アルミナシリケートなどの珪酸塩、アルミナ、塩化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタンなどの金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、ガラス・ビーズ、窒化ホウ素、炭化珪素、シリカなどが挙げられ、これらは中空であってもよい。
強化剤は2種以上を併用することが可能であり、必要によりシラン系、チタン系などのカップリング剤で予備処理して使用することができる。
添加剤は通常、第1溶融混練工程に供される混合物に予め添加・混合されるが、それぞれ独立して予備溶融混練工程または第2溶融混練工程の直前に添加・混合されても、またはそれらの工程中にサイドフィーダーを用いて添加・混合されてもよい。特に配合量が少ない添加剤は、成形工程直前に添加・混合されてもよい。
本発明の樹脂組成物および成形体は各種用途に適用できる。そのような用途の一例を以下に示す。例えば、発電機、電動機、変圧器、変流器、電圧調整器、整流器、インバーター、継電器、電力用接点、開閉器、機遮断機、ナイフスイッチ、他極ロッド、電気部品キャビネットなどの電気機器部品、センサー、LEDランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケース、小型スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント基板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品等に代表される電子部品;VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク・コンパクトディスク等の音声機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品等に代表される家庭・事務電気製品部品;オフィスコンピューター関連部品、電話器関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、モーター部品、ライター、タイプライターなどに代表される機械関連部品:顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計等に代表される光学機器・精密機械関連部品;オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンシオメーターベース、排気ガスバルブ等の各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキパッド摩耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンベイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビューター、スタータースイッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウォッシャーノズル、エアコンパネルスイッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケース等の自動車・車両関連部品等々。
本発明の成形体に導電剤、特にカーボンを配合し、電子写真用転写ベルトに用いると、本発明の効果をさらに有効に得ることができる。電子写真用転写ベルトにおいて導電剤はPPS樹脂中で均一に分散させることが困難であったが、本発明においては簡便に均一に分散させることができるためである。電子写真用転写ベルトは、感光体上に形成されたトナー像を自己の表面に一旦、転写させた後、転写されたトナー像を紙等の記録材にさらに転写させるための中間転写ベルトであってもよいし、または紙を静電気により吸着し、感光体上に形成されたトナー像をその紙に転写する直接転写ベルトであってもよい。
本発明の転写ベルトはシームレス環状形状を有することが好ましい。そのような形状を有する転写ベルトは、成形の際に環状金型ダイの内部において溶融樹脂が合流する領域が他の領域と比較して導電剤含有割合が高くなる傾向があるが、本発明の転写ベルトはそのような合流領域においても、他の領域と略同程度の導電剤含有割合を達成できるためである。
本発明の転写ベルトは、前記樹脂組成物からなるベルトをそのまま用いても良いが、転写効率を高めるために、表面だけを硬くすると、本発明の効果をさらに有効に得ることができる。表面だけを硬くする方法として無機材料をコーティングする方法がよいが、その方法は特に限定されるものではない。例えば、「ゾル−ゲル法応用技術の新展開」(CMC出版)に記載されているような塗布による方法、「薄膜材料入門」(裳華房)に記載されたCVD,PVD,プラズマコーティングなどの物理化学的方法など、公知の方法を採用できる。表面にコーティングされる無機材料は、本発明の目的を達成できる限り特に制限されず、物性と経済性を考慮すると、Si、Al、Cを含む酸化物系材料が特に好ましい。例えば、アモルファスシリカ薄膜、アモルファスアルミナ薄膜、アモルファスシリカアルミナ薄膜、アモルファスダイヤモンド薄膜などが推奨される。このようなPPSよりも硬度の高い無機薄膜を本発明のベルトにコーティングすることにより、ブレードとの摩擦磨耗寿命が改善されたり、転写性が向上する。
本発明に係る転写ベルトは、中間転写方式の画像形成装置に用いられる転写ベルト、特に継ぎ目のないシームレスベルトに適用できる。本発明に係る転写ベルトは、現像装置に単色トナーのみを持つモノカラー画像形成装置、1つの潜像担持体に対してY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、B(ブラック)の現像器が備わり、各色の現像器ごとに潜像担持体上での現像およびトナー像の転写ベルトへの一次転写を行うサイクル方式フルカラー画像形成装置、1つの潜像担持体に対して1つの現像器が備わった各色の画像形成ユニットが直列に配置され、各色の画像形成ユニットごとに潜像担持体上での現像およびトナー像の転写ベルトへの一次転写を行うタンデム方式フルカラー画像形成装置などに適用することができる。本発明の転写ベルトを適用することにより文字の中抜けやトナーの飛び散りを抑制できる画像形成装置とすることができる。
例えば、図1に示すようなタンデム方式フルカラー画像形成装置において、転写ベルト1は数本のローラー2、3、4等に張架され、当該転写ベルト1に沿って直列に、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)およびB(ブラック)の画像形成ユニット5,6,7,8が配置されている。転写ベルト1は矢印の方向に回転され、各画像形成ユニットで潜像担持体(感光体)(9,10,11,12)上に形成されたトナー像が一次転写ローラ(13,14,15,16)により転写ベルト1上に順次、一次転写される。その後、転写ベルト1上に形成された4色トナー像は二次転写ローラ17と押圧ローラ2との間で記録材(記録紙)18に二次転写されるようになっている。
各画像形成ユニット(5、6、7、8)では、潜像担持体(9、10、11、12)は表面を帯電器(例えば、19)により一様に帯電され、露光器(例えば、20)により画像に対応する静電潜像を形成される。形成された静電潜像は現像器(例えば、21)で現像され、トナー像が一次転写ローラ(例えば、13)によって転写ベルトに転写された後は、図示しないクリーナ等により残留トナーを除去されるようになっている。
(ガラス転移温度)
ガラス転移温度(Tg)は、DSC法により昇温スピード5℃/minで測定した熱量(縦軸)−温度(横軸)のグラフにおける、50℃から100℃の領域でのガラス転移部分において、前記した方法によって、L/2直線と吸熱曲線との交点から求めた。
(MIT)
MIT値は東洋精機製MIT揉疲労試験機MIT−Dを用いて、加重250g、振り角90°、回数175回/分にて計測した。数値は破断したときの振り回数で示し、5サンプルの平均値を取っている。MIT値は4000以上が実用上問題のない範囲であり、5000以上が好ましく、7000以上がより好ましい。
(表面抵抗)
抵抗計(ハイレスタ、三菱油化電子社製)を用い、表面抵抗値は測定電圧500V、測定時間10秒で測定した。表面抵抗値の測定は、押出し方向に対して垂直方向について20mm間隔で全周にわたって計測を行い、合計24点の計測値を得、それらの平均値および抵抗偏差について評価した。抵抗偏差については対数で表示した。すなわち導電性の評価で測定した24点の表面抵抗値Rについて、最大値RMAXおよび最小値RMINを抽出し、Log(RMAX/RMIN)を抵抗偏差とした。抵抗偏差は1.0以下が実用上問題のない範囲であり、0.8以下が好ましい。
各実施例および比較例で得られた転写ベルトを図5の構成を有するカラー複写機Color Page Pro(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)に装着し、画素率が7%の文字画像(3ポイント、5ポイント)をA4版の上質紙(64g/m)にプリントした。
連続プリント実施中の1000枚、5000枚、10000枚の時に下記評価用のサンプルを5枚ずつ作成した。
〈文字画像の中抜け〉
高温高湿(30℃、80%RH)でプリントした文字画像を、ルーペで拡大観察し、文字画像に中抜けが発生しているかどうかを目視で評価した。
評価基準
○:10000枚目のプリント終了まで、中抜けの発生なし;
△:5000枚目のプリント終了まで、中抜けの発生はないが、10000枚目のプリントで中抜けが発生した(実用上問題あり);
×:1000枚目のプリントで、顕著な中抜け発生あり。
〈トナーの飛び散り〉
低温低湿(10℃、20%RH)でプリントした文字画像を、ルーペで拡大観察し、文字部周辺のトナー飛び散りの状態を目視で評価した。
評価基準
○:10000枚目のプリント終了まで、トナー飛び散りが少ない;
△:5000枚目のプリント終了まで、トナー飛び散りが少ないが、10000枚目のプリントでトナー飛び散りが多かった(実用上問題あり);
×:1000枚未満のプリントでトナー飛び散りが増加し、実用上問題となるレベル。
(実施例1)
PPS(ポリフェニレンサルファイド;東レ社製)84kg、MXD6(三菱ガス化学製)6kgおよび酸性カーボン(デグサ社製)10kgの混合物を二軸押出混練機でスクリュー回転数350rpm、310℃にて溶融混練した後、混練物を25℃の水に浸漬することによって急冷し、粉砕して、樹脂組成物a1を得た(第1溶融混練工程)。この樹脂組成物a1のTgを測定したところ、図1と略同様のグラフが得られ、一つのTgだけが観測され、87℃であった。樹脂組成物a1を、環状金型ダイを取り付けた成形機によって310℃にて押出成形した後、成形物を30℃の水に浸漬することによって急冷して、シームレス環状形状の中間転写ベルト(厚み0.1mm)を得た(成形工程)。この中間転写ベルトの表面抵抗値とその偏差、MIT値、および耐フィルミング性を評価した。中間転写ベルトのTgは樹脂組成物a1と同様であった。なお、ピーク分子量はゲル浸透クロマトグラフ法によって測定されたものである。
(実施例2)
PPS(ポリフェニレンサルファイド;東レ社製)84kg、MXD6(三菱ガス化学製)4kgおよび酸性カーボン(デグサ社製)10kgの混合物を二軸押出混練機でスクリュー回転数350rpm、310℃にて溶融混練した後、混練物を25℃の水に浸漬することによって急冷し、粉砕して、樹脂組成物b1を得た(第1溶融混練工程)。この樹脂組成物b1のTgを測定したところ、図1と略同様のグラフが得られ、一つのTgだけが観測され、89℃であった。樹脂組成物b1を、環状金型ダイを取り付けた成形機によって310℃にて押出成形した後、成形物を30℃のサイジングダイに接触させることによって急冷して、シームレス環状形状の中間転写ベルト(厚み0.1mm)を得た(成形工程)。この中間転写ベルトの表面抵抗値とその偏差、MIT値、および耐フィルミング性を評価した。中間転写ベルトのTgは樹脂組成物b1と同様であった。
(実施例3)
PPS(ポリフェニレンサルファイド;東レ社製)84kg、4,6ナイロン(DSMジャパンエンプラ(株)社製)6kgおよび酸性カーボン(デグサ社製)10kgの混合物を二軸押出混練機でスクリュー回転数350rpm、300℃にて溶融混練した後、混練物を25℃の水に浸漬することによって急冷し、粉砕して、樹脂組成物c1を得た(第1溶融混練工程)。この樹脂組成物c1のTgを測定したところ、図1と略同様のグラフが得られ、一つのTgだけが観測され、87℃であった。樹脂組成物c1を、環状金型ダイを取り付けた成形機によって310℃にて押出成形した後、成形物を25℃のサイジングダイに接触させることによって急冷して、シームレス環状形状の中間転写ベルト(厚み0.1mm)を得た(成形工程)。この中間転写ベルトの表面抵抗値とその偏差、MIT値、および耐フィルミング性を評価した。中間転写ベルトのTgは樹脂組成物c1と同様であった。
(比較例1)
PPS(ポリフェニレンサルファイド;東レ社製)90kg、および酸性カーボン(デグサ社製)10kgの混合物を二軸押出混練機でスクリュー回転数350rpm、310℃にて溶融混練した後、混練物を25℃の水に浸漬することによって急冷し、粉砕して、樹脂組成物d1を得た(第1溶融混練工程)。この樹脂組成物d1のTgを測定したところPPS由来のTgだけが観測され、96℃であった。樹脂組成物d1を、環状金型ダイを取り付けた成形機によって310℃にて押出成形した後、成形物を30℃の水に浸漬することによって急冷して、シームレス環状形状の中間転写ベルト(厚み0.1mm)を得た(成形工程)。この中間転写ベルトの表面抵抗値とその偏差、MIT値、および耐フィルミング性を評価した。中間転写ベルトのTgは樹脂組成物d1と同様であった。
(比較例2)
PPS(ポリフェニレンサルファイド;東レ社製)84kg、MXD6(三菱ガス化学製)6kgおよび酸性カーボン(デグサ社製)10kgの混合物を二軸押出混練機でスクリュー回転数100rpm、310℃にて溶融混練した後、混練物を25℃の水に浸漬することによって急冷し、粉砕して、樹脂組成物e1を得た(第1溶融混練工程)。この樹脂組成物e1のTgを測定したところ、図3と略同様のグラフが得られ、MXD6とPPSのそれぞれのTgが観測された。樹脂組成物e1を、環状金型ダイを取り付けた成形機によって310℃にて押出成形した後、成形物を25℃の水に浸漬することによって急冷して、シームレス環状形状の中間転写ベルト(厚み0.1mm)を得た(成形工程)。この中間転写ベルトの表面抵抗値とその偏差、MIT値、および耐フィルミング性を評価した。中間転写ベルトのTgは樹脂組成物e1と同様であった。
Figure 0004438830
本発明の樹脂組成物および押出成形体は、電気、電子部品、自動車部品、一般機械部品など種々の広い分野に適用できる。特に、本発明の転写ベルトは電子写真式画像形成装置に用いられる直接転写ベルトもしくは中間転写ベルトに応用した場合にベルトの周方向の抵抗安定性と強度に優れたベルトを提供できる。
本発明のPPS樹脂組成物をDSCで測定したときの熱量変化を示したグラフの一例である。 図1のグラフの要部拡大図であって、ガラス転移温度の決定方法を説明するため図である。 従来技術のPPS樹脂組成物をDSCで測定したときの熱量変化を示したグラフの一例である。 本発明のPPS樹脂組成物をDSCで測定したときの熱量変化を示したグラフの一例である。 本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。

Claims (8)

  1. ポリフェニレンスルフィド樹脂および25℃におけるχパラメータが1.3未満のナイロン樹脂を含む樹脂組成物であって、該樹脂組成物が一つのガラス転移温度を持つことを特徴とする樹脂組成物。
  2. ガラス転移温度が88℃以下である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. ポリフェニレンスルフィド樹脂、ナイロン樹脂およびカーボンを含む混合物を溶融混練し、混練物を急冷することによって製造された請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物からなる成形体。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物からなる電子写真用転写ベルト。
  6. 潜像担持体上に形成されたトナー像を、請求項5に記載の転写ベルト上に転写し、転写されたトナー像を記録材にさらに転写する画像形成装置。
  7. 前記混合物を二軸押出混練機によりスクリュー回転数200rpm以上で溶融混練することを特徴とする請求項3に記載の樹脂組成物。
  8. ポリフェニレンスルフィド樹脂とナイロン樹脂との配合割合が、それらの合計量を100重量%として表したとき、ポリフェニレンスルフィド樹脂60〜99重量%に対してナイロン樹脂40〜1重量%であることを特徴とする請求項1、2、3または7に記載の樹脂組成物。
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