JP4436589B2 - 塗布具用チップ - Google Patents

塗布具用チップ Download PDF

Info

Publication number
JP4436589B2
JP4436589B2 JP2002097539A JP2002097539A JP4436589B2 JP 4436589 B2 JP4436589 B2 JP 4436589B2 JP 2002097539 A JP2002097539 A JP 2002097539A JP 2002097539 A JP2002097539 A JP 2002097539A JP 4436589 B2 JP4436589 B2 JP 4436589B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ball
coil spring
tip
hole
end side
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002097539A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003291578A (ja
Inventor
泰範 中谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sakura Color Products Corp
Original Assignee
Sakura Color Products Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sakura Color Products Corp filed Critical Sakura Color Products Corp
Priority to JP2002097539A priority Critical patent/JP4436589B2/ja
Priority to CN03806309.3A priority patent/CN1642754B/zh
Priority to AU2003236181A priority patent/AU2003236181A1/en
Priority to PCT/JP2003/003916 priority patent/WO2003082601A1/ja
Publication of JP2003291578A publication Critical patent/JP2003291578A/ja
Priority to HK05110582.8A priority patent/HK1078544A1/xx
Application granted granted Critical
Publication of JP4436589B2 publication Critical patent/JP4436589B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Pens And Brushes (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボールを有する塗布具の先端に設けられるボールペンや修正具等の塗布具のチップに関するものである。さらに詳しくは、ボールを後端側から付勢して、塗布の際にはスムーズな塗布性能を確保し、塗布しないときには塗布液漏れや塗布液のドライアップを防止する塗布具のチップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ボールペンなどの塗布部にボールを有する塗布具には、塗布部であるボールの周辺に、塗布に必要なインキを流出させるための隙間を有している。この隙間は塗布の際に必要なものであるが、この隙間のため問題となる場合がある。例えば、ボールペンにおいては、隙間を通じて内部のインキ(塗布液)が蒸発してインキの流動性が悪くなり、筆記時にかすれが発生する。また、隙間からインキが流出することにより、筆記時や携帯時などに服などを汚してしまう。さらに、隙間から空気が入り込むことにより、筆記の際にカスレが発生したり、インキがインキタンク後方へ落ちてしまうインキドロップなどが起こってしまう。
【0003】
上記の対策のため、チップの内部にスプリングを設けたもの(実開昭55ー172104号、実開昭57ー193578号など)が知られているが、製造方法が困難であったり、製品の品質管理などが困難であった。
【0004】
そして、さらに、これらの加工性、製品の品質管理を向上させるため、種々の改良がなされている。
例えば、特開平8−20184号に示されるボールペンの発明は、スプリングの筆記部側先端に、ボールに当接する棒状部が設けられ、該棒状部後端より後端に向かってコイル状のバネ部が設けられると共に、上記ボールを抱持したチップ本体の中心孔先端の外郭に中心孔の後端に至らない深さの所要数の溝を有した受け座を設け、中心孔の後端から拡大した内孔の接合段部及びチップ本体の後端に向かってステップ上に拡大する内孔接合段部の必要箇所が略中心角90°(度)以下のテーパーで接続されて構成されたことを特徴としている。
【0005】
特開平8−20184号に開示の従来技術よれば、ホルダーの内孔接合段部の必要箇所が略中心角90°(度)以下のテーパーで接続され、ボールハウスの後端側に有する溝が後端側に至らない深さであり、付勢部材をチップ本体に挿入する際には、棒状部の先端を中心へと誘導して挿入することができる。
【0006】
さらに、具体的に説明すると、従来技術1のチップ100の先端部分は、図6(a)に示されるような構造であり、チップ100には、ボールハウス106、中心孔105、バック孔103を有し、ボールハウス106からバック孔103まで連通している。そして、ボールハウス106にはボール110が保持されており、ボールハウス106から後端側に溝107が設けられている。中心孔105とバック孔103との境界に有する段部108はテーパー状であり、前記溝107は、段部108まで到達しない深さである。
さらに、図6(b)に示されるように棒状部112により、ボール110は先端側に付勢されている。
【0007】
また、特開平9−52488号に示される筆記具の発明は、コイルスプリングが、前記流動体誘導孔に挿通する密着巻きされた小径部分と、チップ本体の内孔内に位置してスプリング力を発生する少なくとも1箇所の中径作用部分と、前記チップ本体の内孔に配置され、かつ、前記ボールが前後方向に移動し前記中径作用部分が作用する過程で前記ホルダーの内孔の内面に沿って案内される密着巻きされた少なくとも1箇所の大径部分とが連なったものであることを特徴としている。
【0008】
特開平9−52488号に示された従来技術によれば、ボールが前後方向に移動して中径作用部分が作用する過程で前記チップ本体の内孔の内面に沿って密着巻きされた大径部分が案内されるので、コイルスプリングで真っすぐに付勢して、ボールによる吐出口の閉止・開放を確実に行うことができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来技術によっても、製品の製造や品質管理などが困難な場合があり、また、ボール、チップの形状、インキの種類などによっては適用できないものがあった。
【0010】
すなわち、特開平8−20184号に開示の従来技術では、付勢部材を挿入する際に、付勢部材が撓むので、付勢部材の先端が直進せず、蛇行しながら進む。したがって、図6(c)のように、溝107の深さを段部108に到達する形状にすると、棒状部112が引っ掛かってしまうおそれがあり、図6(c)のように溝107を貫通させる構造にすることが困難であった。したがって、塗布時のインキ流量の多いものやインキの粘度が高いものに適用するとインキが途切れやすかった。
また、中心孔105が小さく、棒状部112との隙間が狭いボールペンの場合には、インキの流出が困難となり、インキが途切れやすかった。特に、ボール外径が0.4mm以下のボール等の小さいボールを用いたものでは、必然的に中心孔105を小さくする必要があり、問題となっていた。
また、ホルダーの内孔接合段部の必要箇所が略中心角90°(度)以下のテーパー状であり、特に、段部108のテーパー加工は、後端部の開口から距離があり加工しにくかった。
【0011】
さらに、特開平9−52488号に示される従来技術では、ボールに接触する部分が、コイルスプリングの小径密着スプリングであり、小径密着部が中心孔を通る構造である。したがって、中心孔が小さいチップでは、コイルスプリングの外径をスプリング巻きの限度まで小さくしても、中心孔に通すことができないものがあった。また、仮にコイルスプリングの小径密着部を中心孔に通すことができても、中心孔の内径に対して小径密着部の外径が大きいため、精度良く製作しなければ、挿入の際に中心孔に通すことができず引っ掛かってしまうおそれがあった。
さらに、ボールを付勢するための部分が中径作用部分のみであるので、ボールの可動距離であるストローク長が長いと適用できなかった。
【0012】
そこで、本発明は、ボールを後端側から付勢して、筆記の際にはスムーズな筆記性能を確保し、筆記しないときにはインキ漏れやインキのドライアップを防止する塗布具用チップであって、チップ及びボール付勢部材の製造が容易であり、さらに、ボール付勢部材を挿入する際に引っ掛かかりにくく、容易に中心孔に通すことができる塗布具用チップを提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
そして、上記した目的を達成するための請求項1に記載の発明は、塗布具用チップ本体、ボール及びボール付勢部材を有し、塗布具用チップ本体は、ボールハウス、中心孔及びバック孔が設けられ、ボールハウスの後端側に中心孔が位置し、さらに中心孔の後端側にバック孔が位置して、ボールハウスからバック孔まで連通し、中心孔とバック孔との接続部にはテーパー部を有し、ボールハウスの後端側の中心孔との接続部付近には溝が設けられ、当該溝は後端側の前記テーパー部に至るものであり、ボールはボールハウスに回転可能な状態で保持されている塗布具用チップにおいて、塗布具用チップ本体の外形は先端側に円錐部があり後端側に円筒部があり、前記バック孔は、円錐部と円筒部の結合部近傍に一定の内径に形成されたコイルばね誘導部を有し、ボール付勢部材は円筒コイルばねであって塗布具用チップ本体内部に挿入されるものであり、コイルばね部とその先端側に設けられた棒状部を有し、当該棒状部はコイルばね部の線で作られておりコイルばね部と連続して直線状となっている部分であってコイルばね部から突出して軸心上に位置し、前記コイルばね部によって先端側に付勢されている棒状部の先端部分が中心孔を経てボールに接触し、棒状部の外径は中心孔の内径に対して50パーセント以下であり、さらに、前記塗布具用チップ本体のコイルばね誘導部の内径はコイルばね部の外径とほぼ同じであってコイルばね部の先端側はバック孔と略密着し、バック孔は先端側ほど内径が小さくなるものであってバック孔の後端部からコイルばね誘導部に至るまではバック孔の内径はコイルばね部の外形よりもやや大きく、コイルばね誘導部の長さは、ボール付勢部材の棒状部よりも長いものであり、且つコイルばね誘導部の長さはコイルばね部のばね外径の1〜2倍であることを特徴とする塗布具用チップである。
【0014】
請求項1の発明によれば、ボール付勢部材は塗布具用チップ本体内部に挿入されて、ボールは先端側に付勢されているので、筆記の際には筆記圧によりボールが後端側に移動してボールとチップ本体に隙間ができ、スムーズな筆記性能を確保し、また、筆記しないときには付勢力によりボールとチップ本体の隙間が閉じてインキ漏れやインキのドライアップを防止することができる。さらに、ボール付勢部材を塗布具用チップ本体に挿入する際には、ボール押圧部は軸方向と略平行に直線的に誘導されて中心孔を通過するので、容易に中心孔に通すことができる。
【0015】
本発明によれば、筆記の際にはスムーズな筆記性能を確保し、筆記しないときにはインキ漏れやインキのドライアップを防止することができる。また、ボール付勢部材を塗布具用チップ本体に挿入する際には、コイルばね部の先端は軸方向と略平行に誘導されて中心孔を通過するので、容易に中心孔に通すことができ、さらにチップ及びボール付勢部材の製造が容易である。
【0017】
また本発明は、コイルばね誘導部の長さは、コイルばね部のばね外径の1〜2倍であること特徴とする。
【0018】
本発明によれば、コイルばね誘導部の長さは、コイルばね部のばね外径の1〜2倍であるので、挿入の際のコイルばね部の先端の誘導は、軸方向と略平行となり、さらに挿入の際の抵抗が少ない。
【0019】
また前記した請求項1に記載の発明では、バック孔の、コイルばね部の先端側と略密着している部分であるコイルばね誘導部の長さは、ボール付勢部材の棒状部よりも長いので、より確実にボール付勢部材を引っ掛かることなく挿入することができる。すなわち、請求項1に記載の発明のボール付勢部材を挿入する場合に、コイルばねの先端側が、バック孔のコイルばね誘導部に至る直前までは、コイルばね誘導部が棒状部の長さよりも長いため、棒状部の先端がコイルばね誘導部の内部に位置する。そして、コイルばねの先端側が、バック孔のコイルばね誘導部に至ると、棒状部は誘導されるので、軸方向と略平行にして中心孔に誘導される。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下さらに本発明の具体的実施例について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態におけるボールペンチップを用いた芯の断面図である。図2は、本発明の第1の実施形態におけるボールペンチップの断面図である。図3(a)は、本発明の第1の実施形態におけるボールペンチップのボールペンチップ本体とボールを示した断面図であり、(b)は(a)の先端部分の拡大した断面図である。図4は、本発明の第1の実施形態におけるボールペンチップのボール付勢部材の側面図である。図5は、本発明の第2の実施形態におけるボールペンチップのボール付勢部材の側面図である。
【0022】
本発明の第1の実施形態であるボールペンチップ(塗布具用チップ)1は、図1のように、芯7の先端に取り付けられるものであり、図2に示されるようなものである。すなわち、図1に示されるように、ボールペンチップ1は、インキ5を内部に有するインキ筒6と接合されて芯7となるものである。そして、芯7は、ボールペンの軸筒(図示せず)の内部に装着されて使用されてボールペンとして使用される。
さらに、ボールペンチップ1の先端に有するボール10を押圧しながら移動させることによって、インキ5がボールペンチップ1の内部を通って、ボール10に適当量付着しながら流出して筆記される。また、インキ5の逆流を防ぐために逆流防止剤8がインキ5の後端側に有している。
【0023】
次に、図2〜4を用いてボールペンチップ1について説明する。
ボールペンチップ1は、ボールペンチップ本体(塗布具用チップ本体)11、ボール10及びボール付勢部材12からなるものである。
【0024】
ボール10は球状であり、組み立てられると、後述するボールペンチップ本体11のボールハウス15に位置する。本発明の実施形態では、ボール10の外径は0.5mmである。
【0025】
ボールペンチップ本体11は、図3(a)に示されるように、外観的には先端側が略円錐形状であり、後端側が略円柱形状であり、全体では、これらを軸方向に結合させた、ロケットような形状であり、先端側には円錐部25を有し、後端側には円筒部26を有している。そして、円筒部26の後端側は、やや外径が縮径しているインキ筒結合段部26aを有している。また、内側にはボールハウス15、中心孔16及びバック孔17が設けられている。さらに、バック孔17の後端側は、後端側開口28を有している。
【0026】
ボールハウス15は、図3(a)に示されるように、ボールペンチップ本体11の先端側に位置しており、先端側が開口した穴である。そしてボールハウス15の内径は、ボール10の外径よりもやや大きい。
中心孔16はボールハウス15の内径よりも小さな内径の丸孔であり、ボールハウス15の後端側で連通している。そして、中心孔16の内径は、ボール10の外径の半分であり、約0.25mmである。
【0027】
バック孔17は中心孔16の後端側で連通する段状の丸孔である。そして、先端側ほど内径が小さくなるものであり、内径が変わる部分はテーパー部20を有してなだらかにつながっている。バック孔17の内径は、中心孔16の内径よりも大きい。そして、中心孔16との接続部は、図3(b)のようにテーパー部17aを有している。そして、ボールハウス15の後端側の中心孔16との接続部付近には、溝19を有している。
【0028】
ボールペンチップ本体11の円錐部25と円筒部26の結合部付近に位置する部分のバック孔17は、一定の内径の部分であるコイルばね誘導部27である。そして、コイルばね誘導部27は、後述するボール付勢部材12のコイルばね部22の外径とほぼ同じである。また、コイルばね誘導部27の内径は1.2mmであり、長さは2.2mmである。そして、コイルばね誘導部27の長さは2.2mmであり、コイルばね部23のばね外径(1.2mm)の約1.8倍であり、1〜2倍であることが好ましい。
【0029】
上記のように構成されているので、ボールハウス15の後端側に中心孔16が位置し、さらに中心孔16の後端側にバック孔17が位置しており、ボールハウス15、中心孔16及びバック孔17は連通している。また、これらの孔は、ボールペンチップ本体11の中心軸と同じ軸を中心とする位置に有している。
【0030】
次に、ボール付勢部材12について説明する。ボール付勢部材12は、図4に示されるものであり、コイルばね部22と棒状部23を有している。
コイルばね部22は、密着巻きでないが、比較的ピッチ角の小さい円筒コイルばねである。したがって、圧縮力を受けると付勢力を発生させる。さらに詳しく説明すると、コイルばね部22は、ばねピッチが線径の1.1倍〜5倍であり、好ましくは1.5〜3倍であり、また、ばね外径が、線径の7〜20倍程度である。さらに具体的には、線径が0.1mmであり、ピッチが0.2mmであり、ばね外径が1.2mmである。ボール付勢部材12は上記のように構成されているので、ばね部が絡むことがないので容易に取り扱いができ、使用の際には適度な付勢力を発生させることができる。
【0031】
棒状部23は、図4に示されるものであり、コイルばね部22と連続し、直線状となっている部分である。そして、棒状部23は、コイルばね部22と突出して接続しており、軸心上に位置している。棒状部23の長さは、2mmであり、外径はコイルばね部と同一である。また、棒状部23の外径は0.1mmであり、中心孔16の内径の0.25mmに対して40%であり、50%以下であるので、棒状部23を中心孔16に挿入しやすい。
また、棒状部23の先端部分は棒状部先端部分23aであり、後述するように、ボール10と接触して押圧し、ボール10を先端側に付勢する部分となる。
【0032】
次に、ボールペンチップ1の組み立て方法について説明する。
まず、ボールペンチップ本体11のボールハウス15に先端側からボール10を挿入する。そして、ボールペンチップ本体11の先端を内側に向かって変形するようにかしめる。変形後のボウルハウス15の先端側の開口は、ボール10の外径よりも小さい状態となり、ボール10は回転可能な状態でボールハウス15に保持される。なお、ボール10は、ボールハウス15内で軸方向に移動可能となっている。
【0033】
次に、ボール付勢部材12をボールペンチップ本体11の後端側の後端側開口28から、棒状部23側を先頭として挿入する。そして、先端側に向けてさらに挿入していく。コイルばね部22がバック孔17のコイルばね誘導部27に至るまでは、バック孔17の内径は、コイルばね部22の外径よりやや大きいので、ボール付勢部材12はやや撓みながら進んでいく。
なお、このとき、撓み方によっては、棒状部先端部分23aがバック孔17に接触することがあるが、この場合にはコイルばね誘導部27内であり、引っ掛かることはない。すなわち、ボール付勢部材12の棒状部23は長さ2mmであり、コイルばね誘導部27の長さ(2.2mm)よりも短いので、棒状部先端部分23aがコイルばね誘導部27よりも後端側に位置し、コイルばね誘導部27よりも先端側に位置することはない。
【0034】
さらに、ボール付勢部材12を挿入すると、コイルばね部22の先端が、バック孔17のコイルばね誘導部27に至る。このとき、コイルばね誘導部27の内径が、コイルばね部22の外径と略同じであるので、コイルばね部22は直線状となり、コイルばね部22の軸心とコイルばね誘導部27の軸心が一致して進む。そして、ボール付勢部材12の棒状部先端部分23aは、バック孔17の軸心上を先端側に進む。したがって、棒状部先端部分23aはバック孔17に接触することはなく、中心孔16に向かう。
【0035】
そして、棒状部先端部分23aがボール10に接触するまで塗布具用チップ本体にボール付勢部材12を挿入する。この状態が図1の状態である。さらに、ボール10が先端側に付勢した状態で、ばねコイルばね部22の後端側を固定する。この固定は、図示していないが、ボールペンチップ本体1の後側に嵌合する先栓などの部材で後端側から押さえても良く、また、塗布具用チップ本体11の後端側開口28をかしめることにより行うこともできる。また、このときのばねの付勢力は、98〜245mN{10〜25gf}である。
そして、棒状部23の先端部である棒状部先端部分23aがボール10の後端側に接触して押圧してボール押圧部となり、ボール10は先端側に付勢される。
【0036】
また、図1の状態におけるボール付勢部材12とボールペンチップ本体11のクリアランスについては、バック孔17のコイルばね誘導部27のクリアランスが0.05mm以下であり、中心孔16におけるクリアランス(約0.35mm)よりも大きい。また、中心孔16におけるクリアランスからコイルばね誘導部27のクリアランスを引いた値は0.35mmであり、棒状部23の外径(0.1mm)の3.5倍であり、この値は2倍以上が好ましく、3倍以上がさらに好ましい。したがって、ボール付勢部材12を挿入する際にさらに引っ掛かりにくい。
【0037】
そして、第1の実施形態のボールペンチップ1を使用して筆記すると、ボール10は筆記圧により後端側に移動して隙間ができてスムーズに筆記することができ、筆記しないときは、ボール10が先端側に付勢されているので、隙間が閉じるのでインキ漏れなどがない。
【0038】
次に、本発明に関連する塗布具用チップの構成を第2の実施形態として説明する。なお第2の実施形態の塗布具用チップは、本発明の塗布具用チップではない。第2の実施形態における塗布具用チップは、第1の実施形態のボール付勢部材12のみが異なるものであり、第2の実施形態における塗布具用チップのボール付勢部材35は、図5に示されるものである。
【0039】
さらに、図5を用いて詳しく説明すると、ボール付勢部材35は、コイルばね部材36及び先端部材37の2つの部材から構成されている。
コイルばね部材36は、第1の実施形態のボール付勢部材12のコイルばね部22と同じコイルばねであり、ボール付勢部材12の棒状部23が無いものと略同じである。
先端部材37は、円盤部38と棒状部39を有する部材である。そして、先端部材37の形状は、略押しピンのような形状であり、円盤部38の中心に軸心に平行に棒状部39が接続している形状であるが、円盤部38には多数の小孔40が設けられている。なお当該小孔40は、インキの流通を確保するために設けられたものであり、小孔40に代わってスリットや切り欠きを設けてもよい。
また、円盤部38の外径は、1.2mmである。
棒状部39は、第1の実施形態のボール付勢部材12の棒状部23と外径や長さは、ほぼ同じであり、棒状部23と同じ形状であり、先端部に棒状部先端部分39aを有している。
【0040】
ボールペンチップの組み立て方法については、第1の実施例と同様であり、ボール付勢部材35の挿入は以下のようにして行われる。
まず、ボール付勢部材35の先端部材37を棒状部39側を先端側にして、ボールペンチップ本体11の後端側の後端側開口28から挿入する。次に、コイルばね部材36を先端側に向けて挿入していく。そして、棒状部先端部分39aがボール10に接触するまでボール付勢部材12を挿入し、第1の実施形態と同様に、コイルばね部材36を固定する。
【0041】
ボール付勢部材35をボールペンチップ本体11に挿入する際には、第1の実施形態と同様に、引っ掛かることが無く挿入できる。
【0042】
本発明の実施例では、図3(b)のように溝19は後端側に貫通していないが、後端側に貫通してテーパー部17a間で至る溝でも良く、このような構造でもボール付勢部材の挿入時に引っ掛かることはない。また、ボール10が小径であるなどの理由により、中心孔16が小さい塗布具用チップの場合でも棒状部の外径を細くすることで適用可能である。
さらに、本発明におけるボール付勢部材の、付勢力発生部とボール押圧部は別の部分であるが、棒状部を弾性体として、同じ部材とすることもできる。
【0043】
本発明の塗布具用チップを用いることにより、ボール側からガスが入って、塗布具内部のインキ等が逆流することがないので、従来の塗布具に設けられていた逆流防止機構を廃止することができる。また、筆記しないときのインキの流出も減少する。そのため従来技術においては、キャップ内にシリコーン性の保護部材を配して当該保護部材をチップの先端に当接させてインキ漏れを防止していたが、本実施形態の構成によると、当該保護部材を略することができる。
また、ボールを付勢するための部分が長いので、ボールの可動距離であるストローク長が長いものでも適用することができる。
【0044】
【発明の効果】
本発明は、上述の通り構成されているので、筆記の際にはスムーズな筆記性能を確保し、筆記しないときにはインキ漏れやインキのドライアップを防止することができ、チップ及びボール付勢部材(スプリング)の製造が容易であり、さらに、ボール付勢部材を挿入する際に引っ掛かかりにくく、容易に中心孔に挿入することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態におけるボールペンチップを用いた芯の断面図である。
【図2】 本発明の第1の実施形態におけるボールペンチップの断面図である。
【図3】 (a)は、本発明の第1の実施形態におけるボールペンチップのボールペンチップ本体とボールを示した断面図であり、(b)は(a)の先端部分の拡大した断面図である。
【図4】 本発明の第1の実施形態におけるボールペンチップのボール付勢部材の側面図である。
【図5】 本発明の第2の実施形態におけるボールペンチップのボール付勢部材の側面図である。
【図6】 (a)は従来技術1のチップの先端部分を示した斜視図であり、(b)は棒状部との位置関係を示した斜視図であり、(c)は、溝を段部まで貫通させたときの変形例である。
【符号の説明】
1 塗布具用チップ
10 ボール
11 塗布具用チップ本体
12 ボール付勢部材
15 ボールハウス
16 中心孔
17 バック孔
22 コイルばね部
23,39 棒状部
23a,39a 棒状部先端部分
27 コイルばね誘導部

Claims (1)

  1. 塗布具用チップ本体、ボール及びボール付勢部材を有し、塗布具用チップ本体は、ボールハウス、中心孔及びバック孔が設けられ、ボールハウスの後端側に中心孔が位置し、さらに中心孔の後端側にバック孔が位置して、ボールハウスからバック孔まで連通し、中心孔とバック孔との接続部にはテーパー部を有し、ボールハウスの後端側の中心孔との接続部付近には溝が設けられ、当該溝は後端側の前記テーパー部に至るものであり、ボールはボールハウスに回転可能な状態で保持されている塗布具用チップにおいて、塗布具用チップ本体の外形は先端側に円錐部があり後端側に円筒部があり、前記バック孔は、円錐部と円筒部の結合部近傍に一定の内径に形成されたコイルばね誘導部を有し、ボール付勢部材は円筒コイルばねであって塗布具用チップ本体内部に挿入されるものであり、コイルばね部とその先端側に設けられた棒状部を有し、当該棒状部はコイルばね部の線で作られておりコイルばね部と連続して直線状となっている部分であってコイルばね部から突出して軸心上に位置し、前記コイルばね部によって先端側に付勢されている棒状部の先端部分が中心孔を経てボールに接触し、棒状部の外径は中心孔の内径に対して50パーセント以下であり、さらに、前記塗布具用チップ本体のコイルばね誘導部の内径はコイルばね部の外径とほぼ同じであってコイルばね部の先端側はバック孔と略密着し、バック孔は先端側ほど内径が小さくなるものであってバック孔の後端部からコイルばね誘導部に至るまではバック孔の内径はコイルばね部の外形よりもやや大きく、コイルばね誘導部の長さは、ボール付勢部材の棒状部よりも長いものであり、且つコイルばね誘導部の長さはコイルばね部のばね外径の1〜2倍であることを特徴とする塗布具用チップ。
JP2002097539A 2002-03-29 2002-03-29 塗布具用チップ Expired - Fee Related JP4436589B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002097539A JP4436589B2 (ja) 2002-03-29 2002-03-29 塗布具用チップ
CN03806309.3A CN1642754B (zh) 2002-03-29 2003-03-27 涂敷器具和涂敷器具用尖端
AU2003236181A AU2003236181A1 (en) 2002-03-29 2003-03-27 Application tool and tip for application tool
PCT/JP2003/003916 WO2003082601A1 (fr) 2002-03-29 2003-03-27 Outil d'application et embout pour outil d'application
HK05110582.8A HK1078544A1 (en) 2002-03-29 2005-11-23 Application tool and tip for application tool

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002097539A JP4436589B2 (ja) 2002-03-29 2002-03-29 塗布具用チップ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003291578A JP2003291578A (ja) 2003-10-15
JP4436589B2 true JP4436589B2 (ja) 2010-03-24

Family

ID=29240006

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002097539A Expired - Fee Related JP4436589B2 (ja) 2002-03-29 2002-03-29 塗布具用チップ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4436589B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CH696635A5 (en) 2003-12-29 2007-08-31 Premec Sa Ballpoint pen has capillary channel with cylindrical narrow section which on coming in contact with straight portion of spring, prevents it from being inclined with respect to longitudinal axis of pen
JP5034745B2 (ja) * 2007-07-27 2012-09-26 ぺんてる株式会社 ボールペン
JP5186934B2 (ja) * 2008-01-31 2013-04-24 ぺんてる株式会社 ボールペンチップ
JP5853597B2 (ja) * 2011-10-31 2016-02-09 ぺんてる株式会社 ボールペンチップ用コイルスプリング

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003291578A (ja) 2003-10-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4436589B2 (ja) 塗布具用チップ
JP2001171280A (ja) ボールペンチップの製造方法
JP5187165B2 (ja) ボールペンチップの製造方法
JP3416677B2 (ja) 塗布具
JP3604787B2 (ja) 塗布具
JP4893418B2 (ja) ボールペンチップの製造方法
KR100602746B1 (ko) 볼펜
JP4420451B2 (ja) 塗布具
JP4568056B2 (ja) パイプ式ボールペンチップの製造方法
JPH08216586A (ja) 筆記具用・塗布具用のチップ
JP5034745B2 (ja) ボールペン
JP3304906B2 (ja) ボール式液体容器の先端チップ
JP2002356083A (ja) ボールペンまたは塗布具のチップ
JP5372446B2 (ja) ボールペンチップ
JP5137752B2 (ja) ボールペン及びボールペンの製造方法
JP2000229495A (ja) ボールペンレフィル
JP2003276383A (ja) ボールペンチップおよびボールペンチップの製造方法
JP2009078484A (ja) 多芯筆記具
JP2001191679A (ja) ボールペンチップ
JPH0820184A (ja) ボールペン
JP2001239783A (ja) ボールペン用チップ
JP5694736B2 (ja) ボールペン
JP3139355U (ja) パイプ式ボールペンチップ
JP2005119281A (ja) パイプ式ボールペンチップ及びその製造方法
JP2001225585A (ja) ボールペンのチップ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050310

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080305

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080502

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081001

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081128

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090702

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091001

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091124

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20091130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091217

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091228

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4436589

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130108

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140108

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees