JP4434520B2 - 柔軟性と表面滑性に優れた圧縮ティッシュペーパー及びこれの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、柔軟性と表面滑性に優れた圧縮ティッシュペーパーの製造方法に関する。より詳細には、本発明は、薄型ボックスカートンに使用するための、柔軟性と表面滑性に優れた圧縮ティッシュペーパーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ティッシュペーパーは所定数量のティッシュペーパーの枚葉を、ティッシュカートンに充填したいわゆるボックスティッシュの製品形態で消費者に提供されている。しかしながら、物流コスト等の削減とともに、消費者の購入後の持ち運びや家庭内における保管等の利便性を考慮して、所定数量のティッシュペーパーの枚葉を充填するためのティッシュカートン寸法、特に高さが徐々に漸減してきているのが実情である。そのため圧縮ティッシュペーパー製品を提供する製造技術に関して、実開昭63-172394号及び特開平10-179441号が提案されている。実開昭63-172394号は、自在に折り曲げ重ねたティッシュペーパーの表面を圧縮機により自在な高さ(約1/2)に圧縮する技術について開示している。しかし、この方法により得られる圧縮ティッシュペーパーの製品品質については全く考慮されていないため、直ちに工業技術として実施することは困難であった。一方、特開平10-179441号記載の技術は、ヤンキー乾燥機の抄紙水分を一定以上に保つこと及びヤンキー乾燥機による加工直後のカレンダー処理強化及び加工機で折り畳まれ積層されたティッシュペーパーへの加圧を調整することで、嵩が低く、柔らかさと手触りに優れた圧縮ティッシュペーパーの製造を目的とするものであり、従来品に比較して20%以上ティッシュカートンの高さを低くすることを可能としているが、新たに弾性ソフトカレンダーを必要とするという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
以上の状況に鑑みて、本発明者は、圧縮ティッシュペーパーの製造方法について種々検討した結果、柔軟性と表面滑性に優れ、かつ薄型ボックスカートンヘ充填可能な圧縮ティッシュペーパーの製造方法を考案するに至った。従って、本発明の目的は、特定の繊維粗度を有するセルロース繊維層を配した繊維ウェブを熱カレンダー処理後、圧縮処理を施すことにより、柔軟性と表面滑性に優れ、かつ薄型ボックスカートンヘ充填可能な圧縮ティッシュペーパーの製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様において、上記の目的は、ヤンキードライヤーのドライヤー側に針葉樹パルプ層を、フード側に広葉樹パルプ層を配した繊維ウェブを、オンマシンカレンダーロールにより熱カレンダー処理して、該繊維ウェブのフード側繊維層を内層として重層しティッシュウェブを形成し、このようにして得られたティッシュウェブの束をマルチフォルダー加工工程において圧縮処理を施す段階からなる、柔軟性と表面滑性に優れた圧縮ティッシュペーパーの製造方法によって達成される。
【0005】
本発明の別の態様において、上記の目的は、ヤンキードライヤーのドライヤー側に針葉樹パルプ層を、該繊維ウェブのフード側繊維層を内層として重層することにより得られたティッシュウェブをプライマシンカレンダーロールにより熱カレンダー処理後、得られたティッシュウェブの束をマルチフォルダー加工工程において圧縮処理を施す段階からなる、柔軟性と表面滑性に優れた圧縮ティッシュペーパーの製造方法によって達成される。
【0006】
本発明のさらに他の態様において、上記の目的は、ヤンキードライヤーのドライヤー側に主として針葉樹パルプ層を、フード側に主として広葉樹パルプ層を配した繊維ウェブをオンマシンカレンダーによる熱カレンダー処理し、さらに該繊維ウェブのフード側繊維層を内層として重層することにより得られたティッシュウェブをプライマシンカレンダーロールにより熱カレンダー処理後、得られたティッシュウェブの束をマルチフォルダー加工工程において圧縮処理を施す段階からなる、柔軟性と表面滑性に優れた圧縮ティッシュペーパーの製造方法によって達成される。
【0007】
本発明の繊維ウェブは、ヤンキードライヤーのドライヤー側に配する繊維層が主として針葉樹パルプからなる繊維粗度20mg/100m以下の層であり、フード側に配する繊維層が主として広葉樹パルプからなる繊維粗度12mg/100m以下の層からなる。
【0008】
本発明のオンマシン及び/又はプライマシンカレンダーロールによる熱カレンダー処理は、温水加熱ロールによる熱カレンダー処理である。
【0009】
本発明において、オンマシンカレンダー又はプライマシンカレンダーロールによる熱カレンダー処理は、ティッシュウェブの表面温度が60〜80℃の範囲内で行われる。
【0010】
本発明のマルチフォルダー加工工程におけるティッシュウェブの束の圧縮処理が、少なくとも2回以上行われるようになっている。
【0011】
本発明のマルチフォルダー加工工程におけるティッシュウェブの束の圧縮は、ティッシュウェブの束の高さの50から65%の範囲内で行われるようになっている。
【0012】
本発明の方法により製造されるティッシュペーパーは、MIU値(平均摩擦係数)及びMMD値(変動値)がそれぞれ0.15〜0.25及び0.010〜0.016の範囲にあり、かつ、ハンドフィール値(ペーパー表面の感触及びこし)が85から94となっている。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0014】
本発明の繊維ウェブの調製に使用する木材パルプとしては、一般的にティッシュウェブ調製に用いられるN-BKP(針葉樹漂白クラフトパルプ)またはL-BKP(広葉樹漂白クラフトパルプ)等を用いることができる。本発明においては、特に、ヤンキードライヤーのドライヤー側に配する繊維層に使用するパルプとして、主として針葉樹パルプからなる繊維粗度20mmg/100m以下のパルプを好適に使用することができる。一方、ヤンキードライヤーのフード側に配する繊維層に使用する木材パルプとして、主として広葉樹パルプからなる繊維粗度12mg/100m以下のパルプを好適に使用することができる。
【0015】
ここで、繊維粗度とは繊維の太さ又は細さを示す尺度のひとつであり、繊維100m当たりの繊維重量をmg単位で表す。繊維粗度の数値が小さくなれば繊維がより細く、数値が大きくなれば繊維がより太くなることを意味する。本発明において、繊維粗度の測定には、繊維長分布測定装置KAJAANI FS-200を用い、繊維粗度は、その計測に要した繊維数と繊維重量、計測された数の平均繊維長から容易に測定することができる。一般に木材パルプの繊維粗度はその材種によっても異なるが、通常、針葉樹クラフトパルプの場合には10〜28mg/100mであり、広葉樹クラフトパルプの場合には6〜20mg/100m程度である。なお、繊維粗度はパルプの製造方法には関係なく、その材種に依存する。例えば、木材パルプの場合、繊維長が長い程、繊維粗度は大きくなる傾向がある。
【0016】
本発明において、ヤンキードライヤーのドライヤー側に配する繊維層に使用するパルプは主として針葉樹からなり、これの繊維粗度は13〜20mg/100mであることが好ましく、フード側に配する繊維層に使用するパルプは主として広葉樹からなり、これの繊維粗度は6〜12mg/100mであることが好ましい。これらのパルプを使用することにより、柔軟性と表面滑性に優れた圧縮ティッシュペーパーを得ることができる。すなわちドライヤー側に配する繊維層に使用するパルプの繊維粗度が13mg/100m以下の場合には、ティッシュペーパーの強度が低下し、また、20mg/100m以上の場合には、脱水性及び地合の低下と共に紙粉の発生が増加するため好ましくない。また、ヤンキードライヤーのフード側に配する繊維層に使用するパルプの繊維粗度が6mg/100m以下の場合には、得られるティッシュペーパーの強度が低下すると共に抄紙工程における紙粉が増加し、12mg/100m以上では柔軟性と表面滑性が低下する。従って、本発明において、ドライヤー側に配する繊維層に使用するパルプに、主として針葉樹からなる繊維粗度が13〜20mg/100mの木材パルプを、フード側に配する繊維層に使用するパルプに、主として広葉樹からなる繊維粗度が6〜12mg/100mの木材パルプを使用することが、本発明の効果を得る上で最も重要である。
【0017】
本発明における繊維ウェブの抄造において、サクションブレストロール型抄紙機の他にツインワイヤー型抄紙機などを含む通常の抄紙機を使用できるが、特にクレセントフォーマーを使用することが好ましい。
【0018】
なお、抄紙水分は、約5%であれば十分であるが、得られる繊維ウェブにおける水分分布の点からみると、抄紙水分は、より低い方が好ましい。
【0019】
上述したように、本発明は、ヤンキードライヤーのドライヤー側に配する繊維層に使用するパルプに、主として針葉樹パルプを、フード側に配する繊維層に使用するパルプに、主として広葉樹パルプを用い、さらにフード側繊維層を内層として重層させ2層抄き2プライのティッシュウェブを構成することにより、抄紙時における繊維ウェブの地合が改良され、紙質強度が改善される。これに加え、本発明は、クレープ工程における紙粉発生が抑えられると同時に操業性も向上するという利点を有する。
【0020】
以上のように抄造工程により得られた繊維ウェブは、直ちに、オンマシンカレンダーロールにより、熱カレンダー処理が行われる。プライマシンロールによる熱カレンダー処理に際しては、先ず、木材パルプの抄造により得られた繊維ウェブのフード側繊維層を内層として互いに重層すると同時に、熱カレンダー処理が行われる。ところで、熱カレンダー処理は、繊維ウェブ又はティッシュウェブ表面温度が60〜80℃の範囲内で行われることが望ましい。一般的に、繊維ウェブ形成後におけるヤンキードライヤーによる乾燥直後の繊維ウェブの表面温度が、通常約100℃であるため、その余熱を利用し、非加熱ロールによりいわゆるホットカレンダー処理する方法が考えられる。しかし、本発明における熱カレンダー処理工程においては、温水等の加熱ロール、すなわち温水循環ロールによる熱カレンダー処理が施されることにより、繊維ウェブに対する好ましい圧縮効果を十分に確保し、安定して得ることができる。
【0021】
これらの熱カレンダーロールによる圧縮効果は、ロール圧縮時の温度条件の他、ロール線圧が重要な要因になる。通常、オンマシンカレンダー又はプライマシンカレンダーによる熱カレンダー処理時におけるロール線圧は、約2〜5kg/cm2程度であれば十分である。なお、オンマシンカレンダー又はプライマシンカレンダーに用いるカレンダーロールとして、ショアーD硬度が約70〜80度の金属製ロールが用いられる。熱カレンダーロールによるカレンダー処理回数は、オンマシンカレンダー又はプライマシンカレンダーにより少なくとも1回以上であり、オンマシンカレンダー処理が1回かつプライマシンカレンダー処理が1〜2回行われることがより好ましい。すなわち、本発明は、抄造工程により得られた繊維ウェブにオンマシンカレンダー処理またはプライマシンカレンダー処理のいずれかのみ行ってもよいし、オンマシンカレンダー処理後、さらにプライマシンカレンダー処理を行ってもよい。
【0022】
次いで、このようにして得られた熱カレンダー処理されたティッシュウェブがマルチフォルダー加工工程において、所定枚数に折り畳まれると同時に順次仕組まれ、ティッシュウェブの束が形成されることになる。この後、ティッシュウェブの束はカートニングされるが、その際、マルチフォルダーによる加工工程において多段圧縮が施される。即ち、マルチフォルダーで形成された所定数量のティッシュの束は、通常、ガイドユニット、プルユニット、パッケージクランプ等を経てクリッパーへ供給されるが、その際、ガイドユニット及びプルユニット部においてティッシュ束の圧縮処理が2回以上段階的に行われる。
【0023】
これらのガイドユニット及びプルユニットは、通常、複数組の上下ロールにそれぞれ展設されたゴムベルトによりティッシュウェブの束をクリッパーに搬送する機能を有する。本発明においては、この機能に加え、ガイドユニット及びプルユニット等における上下ロールに展設されるゴムベルト等の搬送手段における上下間隙をティッシュの束の高さの50〜65%の範囲内に狭めて、ティッシュウェブの束に圧縮圧力を加えることにより、より柔軟性と表面滑性に優れ、かつ薄型ボックスカートンヘ充填可能な圧縮ティッシュペーパーの製造を可能とするものである。
【0024】
なお、以上のガイドユニット及びプルユニットロールには、通常複数組の金属ロールが使用されればよい。また、マルチフォルダーにより所定枚数に折り畳まれると同時に順次仕組まれることにより得られるティッシュウェブの束の厚さに対し、圧縮処理を行う際に、上下ロールにおけるゴムベルトの間隔は、ティッシュウェブの束の厚みの50〜65%が好適である。この圧縮率の範囲内で圧縮処理を施すことにより、このように得られたティッシュペーパーは、吸湿によるスプリングバックを考慮しても、使用時においてティッシュカートンの取出し口よりスムーズに取出することができる。マルチフォルダー加工工程における圧縮処理がティッシュウェブの束の厚みの50%以下の場合では、十分な圧縮効果が得られないためティッシュカートンヘの充填が困難となる。マルチフォルダー加工工程における圧縮処理がティッシュウェブの束の厚みの65%以上ではティッシュウェブの束の搬送が困難となる。マルチフォルダーによる加工工程における圧縮処理は、通常、ガイドユニット及びプルユニットロール等により少なくとも2回以上行われることが好ましい。この圧縮処理の回数は、ティッシュウェブの厚み、米坪等にもよるが、通常は2〜3回程度で十分である。
【0025】
以上のマルチフォルダー加工工程により圧縮処理されたティッシュウェブの束は、次いでカートニングマシンによりカートン内に充填されることにより、柔軟性と表面滑性に優れたボックスタイプの圧縮ティッシュ製品を得ることができる。
【0026】
(例)
以下、本発明を例により、さらに詳細に説明するが、以下の実施例及び比較例に記載の試験方法は、以下の通りである。
▲1▼米坪:JIS P8124に示された方法で測定される。
▲2▼密度及び厚み:JIS P8118に示された方法で測定される。
▲3▼吸水度:JIS S3104に示された方法で測定される。
▲4▼MMD値及びMIU値:摩擦感テスター(カトーテック社製KES-SE)により測定される。本装置は、物体の表面摩擦感を平均摩擦係数(MIU値)及びその変動(MMD値)として数値化し、客観的に評価することを目的に設計されたものである。ここで、MIU値とは人間が感じるすべり易さ、または滑りにくさを表す。MIU値が大きい程、滑りにくい表面を有するティッシュペーパーであることを意味する。またMMD値はざらつき感を表しており、その値が大きい程、滑らかさが減少し、ざらざら感のある表面を有するティッシュペーパーであることを意味する。
▲5▼ハンドフィール値:パックの上面又は底面より1cm以上離れた地点からランダムに5シートを試料として取出し、この試料表面を親指と人差指でこすり、表面の感触を評価後、手のひらの中でおだやかに握りつぶし、試料のこしを評価する。
【0027】
同様に、試料に近いと考えられる標準試料についても、同様に表面の感触及びこしを評価し、試料と比較してハンドフィール値についての格付けを行う。ハンドフィール値は1から100の数値で表され、数値が高いほど表面感触の評価が高いことを表す。
【0028】
試料及び標準試料につき、各試験を5回繰り返した後、平均値を算出する。以上の試験を2人以上で実施し、各人の平均値の平均値を算出し2桁の整数として表示する。
(実施例1〜9)
繊維粗度の異なる広葉樹クラフトパルプ及び針葉樹クラフトパルプを混合することにより調製した表1に示したような繊維粗度を有するドライヤー側繊維層用パルプ及びフード側繊維層用パルプをツインワイヤータイプ抄紙機により米坪10.91g/m2を有する二層繊維ウェブに抄紙し、次いで表1に記載した条件で温水加熱金属カレンダーロールを用いてオンマシン加熱カレンダー処理を行った。次いで、これより得られた繊維ウェブのフード側繊維層を内層としてプライマシンにより重層させながら温水加熱金属カレンダーロールによりオフマシン加熱カレンダー処理を行なった。この結果、米坪10.32g/m2のティッシュウェブを得た。得られたティッシュウェブをスリット後、マルチフォルダー加工工程により200組(400枚)のティッシュ束を形成しながらガイドユニット及びプルユニットにおけるロール間において表1に記載の条件で圧縮処理を行い、ロータリーカッターで裁断した。次いで得られた圧縮ティッシュの束を、カートナーを用いて高さ50mmの紙箱に箱詰した。以上の工程により得られたティッシュウェブの紙質の特性を表2に示した。
(比較例1〜8)
例1〜9に用いたパルプと同様の木材パルプを用いて表1に示したような繊維粗度を有するドライヤー側繊維層用パルプ及びフード側繊維層用パルプをそれぞれ調製し二層繊維ウェブに抄紙後、得られた繊維ウェブを表1の条件で実施例1−9と同様、オンマシン加熱カレンダー処理及びプライマシンにより重層させながらオフマシンによる加熱カレンダー処理と加工工程における圧縮処理を行った。表1
【0029】
表2
【0030】
【発明の効果】
実施例1−3は加工工程において圧縮を2回行い、比較例1−3では、圧縮をそれぞれ1、2、3回行った。実施例4、5では、カレンダーロールを加熱状態でカレンダー処理を行い、比較例4、5ではカレンダーロールを非加熱状態でカレンダー処理を行った。実施例6−9および比較例6−8では繊維粗度を様々に変更し、同一条件で処理された。このようにして得られたティッシュのハンドフィール及び表面特性がそれぞれ検証された。
【0031】
この結果、表2からわかるように、加工工程における圧縮回数および繊維粗度は、ハンドフィールへの寄与率が高く、カレンダーロールの加熱は表面性への寄与率が高いことがわかった。例えば、本発明の方法から製造された例1−9のティッシュペーパーは、比較例1−8に示したティッシュペーパーと比較すると、厚さ、嵩密度ともに小さい。また滑り易さおよびざらつき感ともに、本発明の例1−9のほうが比較例1−8よりも小さい、すなわち滑らかである。またハンドフィール値については、本発明の例1−9は比較例のいずれと比較しても高い。すなわち本発明の方法から得られたティッシュペーパーは、比較例のティッシュよりもかなりティッシュペーパーの感触及びこしが優れていることがわかった。
【0032】
以上説明したように、本発明によればヤンキードライヤー側層及びフード側層のそれぞれに特定の繊維粗度を有する木材パルプからなる繊維層を配するとともに、得られた繊維ウェブ又はティッシュウェブに対して熱カレンダー処理後、さらにマルチフォルダー加工工程において圧縮処理を施すことにより、柔軟性と表面滑性に優れ、かつ薄型ボックスカートンヘ充填可能な圧縮ティッシュペーパーの製造が可能となった。特に、本発明においては、抄造後の繊維ウェブに熱カレンダー処理を採用しカレンダー処理効果を高めることにより、得られるティッシュウェブの幅方向の地合いの均一化とハンドフィール値の向上が可能となった。
Claims (11)
- 柔軟性と表面滑性に優れた圧縮ティッシュペーパーを製造する方法であって、
ヤンキードライヤーのドライヤー側に針葉樹パルプ層を、フード側に広葉樹パルプ層を配して繊維ウェブを形成し、
該繊維ウェブをオンマシンカレンダーロールにより熱カレンダー処理し、
該繊維ウェブのフード側繊維層を内層として重層して、ティッシュウェブを形成し、
該ティッシュウェブの束にマルチフォルダー加工工程において圧縮処理を施す、
段階からなる柔軟性と表面滑性に優れた圧縮ティッシュペーパーを製造する方法。 - 柔軟性と表面滑性に優れた圧縮ティッシュペーパーを製造する方法であって、
ヤンキードライヤーのドライヤー側に針葉樹パルプ層を、フード側に広葉樹パルプ層を配して繊維ウェブを形成し、
該繊維ウェブのフード側繊維層を内層として重層し、
該重層して得られたウェブをプライマシンカレンダーロールにより熱カレンダー処理してティッシュウェブを形成し、
該ティッシュウェブの束にマルチフォルダー加工工程において圧縮処理を施す、
段階からなる柔軟性と表面滑性に優れた圧縮ティッシュペーパーを製造する方法。 - 柔軟性と表面滑性に優れた圧縮ティッシュペーパーを製造する方法であって、
ヤンキードライヤーのドライヤー側に針葉樹パルプ層を、フード側に広葉樹パルプ層を配して繊維ウェブを形成し、
該繊維ウェブをオンマシンカレンダーロールにより熱カレンダー処理し、
該繊維ウェブのフード側繊維層を内層として重層し、
該重層して得られたウェブをプライマシンカレンダーロールにより熱カレンダー処理してティッシュウェブを形成し、
該ティッシュウェブの束にマルチフォルダー加工工程において圧縮処理を施す、
段階からなる柔軟性と表面滑性に優れた圧縮ティッシュペーパーを製造する方法。 - 前記繊維ウェブにおける前記ヤンキードライヤーのドライヤー側に配する前記繊維層が主として針葉樹パルプからなる繊維粗度20mg/100m以下の層であり、前記フード側に配する前記繊維層が主として広葉樹パルプからなる繊維粗度12mg/100m以下の層であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の柔軟性と表面滑性に優れた圧縮ティッシュペーパーの製造方法。
- 前記オンマシンカレンダーロールによる熱カレンダー処理が、温水加熱ロールによる熱カレンダー処理であることを特徴とする請求項1または3に記載の柔軟性と表面滑性に優れた圧縮ティッシュペーパーの製造方法。
- 前記プライマシンカレンダーロールによる熱カレンダー処理が、温水加熱ロールによる熱カレンダー処理であることを特徴とする請求項2または3に記載の柔軟性と表面滑性に優れた圧縮ティッシュペーパーの製造方法。
- 前記オンマシンカレンダーロールによる熱カレンダー処理は、ティッシュウェブ表面温度が60〜80℃の範囲内で行われることを特徴とする請求項1、3または5のいずれかに記載の柔軟性と表面滑性に優れた圧縮ティッシュペーパーの製造方法。
- 前記プライマシンカレンダーロールによる熱カレンダー処理は、ティッシュウェブ表面温度が60〜80℃の範囲内で行われることを特徴とする請求項2、3または6のいずれかに記載の柔軟性と表面滑性に優れた圧縮ティッシュペーパーの製造方法。
- 前記マルチフォルダー加工工程におけるティッシュウェブの束の圧縮処理が、少なくとも2回以上行われることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の柔軟性と表面滑性に優れた圧縮ティッシュペーパーの製造方法。
- 前記マルチフォルダー加工工程における前記ティッシュウェブの束の圧縮処理を、前記ティッシュウェブの束の高さの50〜65%の範囲内となるように行なうことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに1つに記載の柔軟性と表面滑性に優れた圧縮ティッシュペーパーの製造方法。
- ティッシュペーパーの平均摩擦係数(MIU)値及びこれの変動(MMD)値がそれぞれ0.15〜0.25及び0.010〜0.016の範囲であり、前記ティッシュペーパーの表面の感触及びこし(ハンドフィール)の値が85〜94の範囲にあることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかの製造方法により得られた柔軟性と表面滑性に優れた圧縮ティッシュペーパー。
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