JP4432286B2 - 車間距離制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車間距離制御装置に係り、特に、自車両と先行車両等の前方対象物との車間距離が適当に確保されるように加減速制御を実行する車間距離制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば特開平11−91398号公報に開示される如く、自車両を先行車両に所定の車間距離で追従させる制御を実行する車間距離制御装置が知られている。この装置は、先行車両との相対速度及び車間距離に基づいて自車両の目標加減速度を設定する。そして、設定された目標加減速度が実現されるように自車両の走行を制御する。具体的には、自車両が先行車両よりも遅いとき、及び、車間距離が長いときには、大きな目標加速度を設定し、自車両を速やかに加速させる。一方、自車両が先行車両よりも速いとき、及び、車間距離が短いときには、大きな目標減速度を設定し、自車両を速やかに減速させる。従って、上記従来の装置によれば、先行車両との車間距離を一定に維持しつつ、自車両を先行車両に追従させて走行させることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一の目標減速度が実現されるように減速制御が実行されたことにより自車両がその一の目標減速度に達し、その後、自車両が先行車両との車間距離を適当に維持すべく定常状態へ移行している過程において、その一の目標減速度を超える大きな目標減速度が演算される場合がある。かかる場合にその大きな目標減速度に従って減速制御が実行されると、自車両には定常状態への移行途中にもかかわらず過大な減速度が生ずることとなり、その結果、車両に対する乗員の乗り心地が悪化してしまう。この点、上記従来の装置では、自車両が定常状態へ移行している過程で大きな目標減速度が演算された場合に、その大きな目標減速度に従って減速制御が実行されるため、乗り心地の悪化により乗員に違和感を与えるおそれがあった。
【0004】
また、上記従来の装置において、目標加減速度は、先行車両との相対速度に応じた値に設定される。すなわち、自車両と先行車両との相対速度が同一である場合は、設定に用いられる他のパラメータが一致すれば、同一の目標加減速度が設定される。ところで、自車両が先行車両に接近する状態が異なると、先行車両との相対速度が同一であっても、自車両の乗員が感じる減速感が異なる。具体的には、自車両が自車両の加速により先行車両に接近する場合と、自車両が先行車両の減速により先行車両に接近する場合とを、同一の目標減速度が実現されるように自車両の減速制御が実行される状況下において比較すると、自車両が加速している場合の方が、先行車両が減速している場合よりも、乗員は減速感を感じ易くなる。しかしながら、上記従来の装置では、自車両が加速する場合に設定される目標減速度と、先行車両が減速する場合に設定される目標減速度とを異ならせておらず、このため、自車両が自車両の加速により先行車両に接近した場合には、大きな減速度の体感により乗員に違和感を与えてしまう。
【0005】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、前方対象物との車間距離を適当に確保すべく加減速制御が行われる際に乗員に生ずる違和感を軽減させることが可能な車間距離制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、請求項1に記載する如く、自車両と前方対象物との車間距離を検出する車間距離検出手段と、自車両と前記前方対象物との相対速度を検出する相対速度検出手段と、前記車間距離検出手段により検出された前記車間距離及び前記相対速度検出手段により検出された前記相対速度に基づいて自車両の目標減速度を設定する目標減速度設定手段と、を備え、前記目標減速度設定手段により設定された目標減速度が実現されるように自車両を減速させる減速制御を実行する車間距離制御装置において、
前記目標減速度設定手段は、一の目標減速度が実現されるように前記減速制御が実行された後、該一の目標減速度に応じた所定減速度に比して大きな目標減速度が演算される場合には、該所定減速度を目標減速度として設定する車間距離制御装置により達成される。
【0007】
請求項1記載の発明において、一の目標減速度が実現されるように減速制御が実行された後、その一の目標減速度に応じた所定減速度に比して大きな目標減速度が演算された場合には、所定減速度が目標減速度として設定される。そして、その所定減速度が実現されるように減速制御が実行される。かかる構成においては、一の目標減速度に応じた所定減速度よりも大きな目標減速度が演算されても、その所定減速度を超える大きな目標減速度に従った減速制御が行われることはなく、その結果、一の目標減速度に従った減速制御が行われ、自車両がその目標減速度から定常状態へ移行している過程において、過大な減速度が自車両に生ずることは回避される。従って、本発明によれば、減速制御の実行中において乗り心地の悪化を防止することができ、乗員の違和感を軽減させることができる。
【0008】
この場合、請求項2に記載する如く、請求項1記載の車間距離制御装置において、前記所定減速度が、前記一の目標減速度以下に設定された値であることとしてもよい。
【0009】
また、請求項3に記載する如く、請求項2記載の車間距離制御装置において、前記目標減速度設定手段は、一の目標減速度が実現されるように前記減速制御が実行されたことにより自車両が該一の目標減速度に達し、かつ、自車両が該一の目標減速度から定常状態への移行過程で前記所定減速度に達した後に、前記所定減速度に比して大きな目標減速度が演算される場合には、該所定減速度を目標減速度として設定することとしてもよい。
【0010】
上記の目的は、上記した車間距離制御装置において、
自車両と前記前方対象物とが自車両の加速により接近しているか或いは前記前方対象物の減速により接近しているかを判別する接近状態判別手段を備え、
前記目標減速度設定手段は、前記接近状態判別手段により自車両と前記前方対象物とが自車両の加速により接近していると判別される場合と、自車両と前記前方対象物とが該前方対象物の減速により接近していると判別され場合とで、前記相対速度が同一にある状況下で互いに異なる目標減速度を演算する演算手段を有する車両用障害物検出装置により達成される。
【0011】
請求項4記載の発明において、自車両と前方対象物との接近が自車両の加速に起因している場合とそうでない場合とで、互いに異なる目標減速度が設定される。自車両と前方対象物との接近が自車両の加速に起因している場合は、比較的、乗員が減速感を感じ易い。これに対して、本発明の構成によれば、上記の如く両者間では互いに異なる目標減速度が設定されるため、自車両と前方対象物とが自車両の加速により接近した場合に乗員の減速感を軽減させることができる。従って、本発明によれば、目標減速度に従った減速制御が行われる際に乗員に生ずる違和感を軽減させることができる。
【0012】
この場合、上記した車間距離制御装置において、前記演算手段は、前記接近状態判別手段により自車両と前記前方対象物とが自車両の加速により接近していると判別された場合は、前記相対速度が同一にある状況下で自車両と前記前方対象物とが該前方対象物の減速により接近していると判別される場合の目標減速度に比して小さな目標減速度を演算することとしてもよい。
【0013】
ところで、自車両と前方対象物とが自車両の加速により接近している状況下においては、同一の目標減速度が設定されると、自車両の加速度が大きいほど乗員が減速感を感じ易くなる。
【0014】
従って、上記した車間距離制御装置において、前記演算手段は、前記接近状態判別手段により自車両と前記前方対象物とが自車両の加速により接近していると判別される状況下、自車両の加速度が大きいほど小さな目標減速度を演算することとすれば、目標減速度に従った減速制御が行われる際に乗員に生ずる違和感を更に軽減させることができる。
【0015】
更に、上記した車間距離制御装置において、
前記車間距離検出手段により検出された前記車間距離及び前記相対速度検出手段により検出された前記相対速度に基づいて自車両の目標加速度を設定する目標加速度設定手段
自車両と前記前方対象物とが自車両の減速により離間しているか或いは前記前方対象物の加速により離間しているかを判別する離間状態判別手段と、を備え、
前記目標加速度設定手段は、前記離間状態判別手段により自車両と前記前方対象物とが自車両の減速により離間していると判別され場合と、自車両と前記前方対象物とが該前方対象物の加速により離間していると判別され場合とで、前記相対速度が同一にある状況下で互いに異なる目標加速度を演算する演算手段を有し、
前記目標加速度設定手段により設定された目標加速度が実現されるように自車両を加速させる加速制御を実行する車間距離制御装置は、加速制御を行う際に乗員に生ずる違和感を軽減させるうえで有効である。
【0016】
請求項7記載の発明において、自車両と前方対象物との離間が自車両の減速に起因している場合とそうでない場合とで、互いに異なる目標加速度が設定される。自車両と前方対象物との離間が自車両の減速に起因している場合は、比較的、加速感を感じ易い。これに対して、本発明の構成によれば、上記の如く両者間では互いに異なる目標加速度が設定されるため、自車両と前方対象物とが自車両の減速により離間する場合に乗員の加速感を軽減させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施例である車両に搭載される車間距離制御装置のシステム構成図を示す。本実施例の車間距離制御装置は、電子制御ユニット(以下、ECUと称す)10を備えており、ECU10により制御される。
【0018】
ECU10には、車両の例えばフロントグリルに配設されたレーザレーダセンサ12が接続されている。レーザレーダセンサ12は、車両前方の所定領域に向けてミリ波を搬送波とするレーザ光を照射する発光部と、車両前方に照射されたレーザ光の反射波を受光する受光部と、を備えている。レーザレーダセンサ12は、車両前方の所定領域を所定周期でスキャニングするように構成されている。レーザレーダセンサ12は、発光部からレーザ光が照射された後にその反射波が受光部で受光されるまでの時間に応じた信号、及び、反射波の入射角度に応じた信号をECU10に向けて出力する。ECU10は、レーザレーダセンサ12の出力信号に基づいて自車両の前方所定領域内に存在する先行車両等の前方対象物までの距離Lを検出すると共に、その検出した距離Lを微分処理することにより自車両と対象物との相対速度Vr(具体的には、対象物に対する自車両の速度)を検出する。
【0019】
ECU10には、また、車速センサ14が接続されている。車速センサ14は、自車両の速度に応じた周期でパルス信号をECU10に向けて出力する。ECU10は、車速センサ14の出力信号に基づいて自車両の速度(以下、車速V1と称す)を検出すると共に、その検出した車速V1を微分処理することにより自車両の加速度αを検出する。尚、本実施例において、加速度αは、車両が加速している際に正の値を、車両が減速している際に負の値をとるものとする。また、ECU10は、検出した車速V1と、自車両と対象物との相対速度Vrとの関係に基づいて対象物の速度V2を検出する。
【0020】
車両は、各車輪を制動させるブレーキ装置を備えている。ブレーキ装置は、油圧式あるいは電動式のブレーキ装置であり、各車輪に制動力を発生させるブレーキアクチュエータ16を有している。ブレーキアクチュエータ16は、ECU10に電気的に接続しており、ECU10から供給される指令信号に応じた制動力を各車輪に発生させる。
【0021】
ブレーキ装置は、運転者が操作可能なブレーキペダルを有している。ブレーキペダルの近傍には、ブレーキペダルスイッチ18が配設されている。ブレーキペダルスイッチ18は、ブレーキペダルが踏み込まれている場合にオン状態となり、ブレーキペダルの踏み込みが解除されている場合にオフ状態となる。ブレーキペダルスイッチ18は、ECU10に接続されており、その状態に応じた信号をECU10に供給する。ECU10は、ブレーキペダルスイッチ18の状態に基づいてブレーキペダルの操作の有無を判別する。
【0022】
車両は、内燃機関又は電動モータを動力源として駆動輪を駆動させるアクセル装置を備えている。アクセル装置は、運転者が操作可能なアクセルペダルを有している。アクセルペダルの近傍には、アクセルペダルスイッチ20が配設されている。アクセルペダルスイッチ20は、アクセルペダルが踏み込まれている場合にオン状態となり、アクセルペダルの踏み込みが解除されている場合にオフ状態となる。アクセルペダルスイッチ20は、ECU10に接続されており、その状態に応じた信号をECU10に供給する。ECU10は、アクセルペダルスイッチ20の状態に基づいてアクセルペダルの操作の有無を判別する。尚、アクセルペダルの操作状態は、アクセルペダルスイッチ20に限定されることなく、アクセルペダル開度を検出することにより判別することとしてもよい。
【0023】
次に、本実施例の車間距離制御装置の動作について説明する。
【0024】
本実施例において、ECU10は、ブレーキペダルが操作されている場合には、運転者によるブレーキ操作に従った減速(すなわち、制動力)が車両に生ずるようにブレーキアクチュエータ16に対して指令信号を供給する。この場合、車両は、運転者のブレーキ操作に従って減速される。一方、ブレーキペダル及びアクセルペダルが共に操作されていない場合には、自車両が自車両の直前に存在する先行車両との車間距離を適当に確保しつつ減速走行するように、後述の如く目標減速度Gを算出し、その減速が車両に生ずるようにブレーキアクチュエータ18に対して指令信号を供給する。この場合、車両は、運転者によるブレーキ操作を伴うことなく、先行車両との車間距離が適当に確保されるように減速される。以下、この目標減速度Gに基づく制御を減速制御と称す。
【0025】
図2は、本実施例において自車両30の目標減速度Gを算出する手法を説明するための図を示す。上述の如く、ECU10は、レーザレーダセンサ12の出力信号に基づいて対象物までの距離Lを検出すると共に、自車両30と対象物との相対速度Vrを検出し、車速センサ14の出力信号に基づいて自車両30の車速V1を検出する。
【0026】
本実施例において、ECU10は、検出した対象物までの距離Lと、相対速度Vrと、自車速V1との関係に基づいて自車両30の目標減速度Gを設定する。具体的には、相対速度Vr及び自車速V1が共に同一である状況下には対象物までの距離Lが短いほど大きな目標減速度Gを設定する。また、自車速V1及び対象物までの距離Lが共に同一である状況下には相対速度Vrが大きいほど、すなわち、対象物に対する自車両30の速度が大きいほど大きな目標減速度Gを設定する。更に、対象物までの距離L及び相対速度Vrが共に同一である状況下には自車速V1が大きいほど大きな目標減速度Gを設定する。このように目標減速度Gが設定されると、自車両30は、前方に存在する対象物に応じて、特に、対象物が先行車両32である場合にはその先行車両32の走行に従って減速することができる。従って、本実施例によれば、自車両30を先行車両32との車間距離が適当に確保されるように減速させることが可能となる。
【0027】
図3は、目標減速度Gに従った減速制御を行うべく、本実施例においてECU10が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図3に示すルーチンは、その処理が終了するごとに繰り返し起動されるルーチンである。図3に示すルーチンが起動されると、まずステップ100の処理が実行される。
【0028】
ステップ100では、運転者がアクセル操作を解除したか否か、具体的には、前回処理時から今回処理時にかけてアクセルペダルスイッチ20がオン状態からオフ状態に切り替わったか否かが判別される。本ステップ100の処理は、上記の条件が成立すると判別されるまで繰り返し実行される。その結果、アクセルペダルスイッチ20がオン状態からオフ状態に切り替わったと判別された場合は、次にステップ102の処理が実行される。
【0029】
ステップ102では、目標減速度Gに従った減速制御を開始する処理が実行される。尚、減速制御の内容は、後に詳細に説明する。
【0030】
ステップ104では、アクセルペダルの操作が行われていないか否か、具体的には、アクセルペダルスイッチ20がオフ状態に維持されているか否かが判別される。その結果、アクセルペダルスイッチ20がオフ状態に維持されていると判別される場合は、次にステップ106の処理が実行される。ステップ106では、アクセルペダルの操作が解除された後、ブレーキペダルの操作が開始されたか否か、具体的には、ブレーキペダルスイッチ18がオフ状態からオン状態に切り替わったか否かが判別される。ブレーキペダルスイッチ18が切り替わっていない、すなわち、オフ状態に維持されている場合は、アクセルペダル及びブレーキペダルが共に操作されていないと判断できるので、減速制御の実行を継続することが適切である。従って、かかる判別がなされた場合は、上記ステップ102の処理が繰り返し実行される。
【0031】
一方、上記ステップ104においてアクセルペダルスイッチ20がオフ状態に維持されていない、すなわち、アクセルペダルの操作が行われている場合、及び、上記ステップ106においてブレーキペダルスイッチ18がオン状態となっている、すなわち、ブレーキペダルの操作が行われている場合は、減速制御の実行を解除することが適切となる。従って、上記ステップ104及び106においてかかる判別がなされた場合は、次にステップ108の処理が実行される。
【0032】
ステップ108では、減速制御の実行を解除する処理が実行される。本ステップ108の処理が実行されると、以後、自車両が減速する際はその減速は運転者によるブレーキペダルの操作に従って行われることとなる。本ステップ108の処理が終了すると、今回のルーチンは終了される。
【0033】
上記図3に示すルーチンによれば、運転者によるアクセルペダルの操作が行われていた状態からその操作が解除された際に減速制御の実行を開始することができ、その後アクセルペダル又はブレーキペダルが運転者により操作されるまでその減速制御の実行を継続することができる。そして、アクセルペダル又はブレーキペダルが運転者により操作された場合に減速制御の実行を解除することができる。従って、本実施例によれば、運転者によるアクセルペダルの操作が解除された後、アクセルペダル又はブレーキペダルの操作が行われる前に、自車両を先行車両との車間距離が適当に確保されるように減速させることができる。
【0034】
ところで、本実施例において、運転者によるアクセルペダルの操作が解除されたことにより一の目標減速度Gが設定され、その一の目標減速度Gが実現されるように減速制御の実行が開始されると、車両は、その目標減速度Gが実現されるように減速される。減速制御の実行により車両が目標減速度Gに達し、その後、車両が先行車両との車間距離を適当に維持する定常状態へ移行している過程で、例えば車両がカーブ路等を走行することにより、レーザレーダセンサ12による距離検出対象が先行車両から側方のガードレール等に変化する場合がある。この場合、レーザレーダ12が、静止しているガードレールの位置に応じた信号を出力することで、ECU10が、減速制御の実行により車両が達した目標減速度Gを超える大きな目標減速度を演算することがある。かかる場合にその演算された大きな目標減速度が実現されるように減速制御が実行されると、車両は、一の目標減速度に達し定常状態へ移行しているにもかかわらず、その途中で過大な減速を生ずることとなり、乗員の乗り心地が悪化し、乗員に違和感を与えることとなる。従って、上記した状況下では、そのまま大きな目標減速度が実現されるように減速制御を実行することは適切でない。
【0035】
そこで、本実施例のシステムにおいては、アクセルペダル操作の解除により目標減速度Gが設定されて減速制御が実行されることにより車両がその目標減速度Gに達した後、車両が定常状態へ移行している過程で、車両が達した目標減速度Gを超える大きな目標減速度が演算された場合には、その大きな目標減速度が車両に生ずるのを回避することで、乗り心地の悪化による乗員の違和感を軽減させる点に第1の特徴を有している。
【0036】
図4は、本実施例において、車両の定常状態への移行過程で車両に過大な目標減速度が生ずるのを回避する手法を説明するための図を示す。図4に示す如く、運転者によるアクセルペダルの操作が解除された際に目標減速度Gが設定された状況(以下、アクセルペダルの操作解除時に設定された目標減速度GをG0と称す)で、その目標減速度G0に従って減速制御が実行されることにより車両が目標減速度G0に達した(時刻t=t1)後に、時刻t=t2において、その目標減速度G0に応じた値A・G0(但し、0<A≦1)を超える大きな目標減速度Gが演算された場合には、ECU10は、その目標減速度G0に応じた値A・G0を目標減速度Gとして設定する。そして、ECU10は、演算された大きな目標減速度Gが実現されるタイムスケジュール(図4に破線で示す)に従わずに、車両が達した目標減速度G0に応じた値A・G0が実現されるタイムスケジュール(図4に一点鎖線で示す)に従って減速制御を実行する。
【0037】
かかる構成においては、車両が一の目標減速度に達した後に定常状態へ移行している過程でその一の目標減速度を超える大きな目標減速度が演算されても、その大きな目標減速度に従った減速制御が行われることはなく、過大な減速が車両に生ずるのが回避される。従って、本実施例の装置によれば、減速制御の実行中において乗員の乗り心地が悪化するのを防止することができ、これにより、乗員に生ずる違和感の軽減を図ることが可能となる。
【0038】
ところで、例えば自車両の直前に先行車両が存在する状況下、同一の目標減速度が実現されるように減速制御が実行されるものとした場合、自車両と先行車両との相対速度Vrが同一であっても、両者の接近状態が異なると、自車両の乗員が感じる減速感が異なるものとなる。具体的には、自車両が自車両の加速により先行車両に接近する場合と、自車両が先行車両の減速により接近する場合とでは、前者の方が後者よりも乗員は減速感を感じ易い。
【0039】
本実施例において、ECU10は、目標減速度Gを自車両と対象物との相対速度Vrに応じた値に設定する。この点、自車両と先行車両との相対速度Vrが同一である状況下、自車両が自車両の加速により先行車両に接近する場合と、自車両が先行車両の減速により先行車両に接近する場合とで、同一の目標減速度が設定され、その目標減速度が実現されるように減速制御が実行されるものとすると、自車両が自車両の加速により先行車両に接近している場合には、乗員に大きな減速感を体感させることで違和感を与えることとなる。従って、自車両と先行車両との相対速度Vrが同一である状況下では、自車両と先行車両とが接近状態にあるにもかかわらず同一の目標減速度が設定され、その目標減速度が実現されるように減速制御を実行することは適切でない。
【0040】
そこで、本実施例のシステムにおいては、先行車両との車間距離が適当に確保されるように目標減速度Gを設定するうえで、自車両と対象物との相対速度が同一である状況下でも、自車両が自車両の加速により先行車両に接近する場合と、先行車両の減速により先行車両に接近する場合とで設定する目標減速度Gを互いに異ならせることで、減速制御を行う際に乗員に生ずる違和感を軽減させる点に第2の特徴を有している。
【0041】
図5は、本実施例において、自車両と先行車両との相対速度Vrが同一である状況下、自車両の加速により自車両が先行車両に接近する場合に設定される目標減速度と、先行車両の減速により自車両が先行車両に接近する場合に設定される目標減速度とを比較するための図を示す。図5に示す如く、アクセルペダルの操作が解除された後、減速制御が実行される際に、自車両と先行車両との車間距離L、相対速度Vr、自車両の車速V1のすべてが同一である状況下においては、ECU10は、自車両の加速により自車両が先行車両に接近する場合に設定する目標減速度Gを、先行車両の減速により自車両が先行車両に接近する場合に設定する目標減速度に比して小さくする。具体的には、自車両の加速により自車両が先行車両に接近する場合に設定する目標減速度Gとして、先行車両の減速により自車両が先行車両に接近する場合に設定する目標減速度G(L,Vr,V1)に応じた値B・G(L,Vr,V1)(但し、0<B<1)を設定する。そして、ECU10は、目標減速度G(L,Vr,V1)が実現されるタイムスケジュール(図5に実線で示す)に従うことなく、目標減速度B・G(L,Vr,V1)が実現されるタイムスケジュール(図5に破線で示す)に従って減速制御を実行する。
【0042】
かかる構成においては、自車両と先行車両との相対速度が同一であっても、その接近状態に応じて互いに異なる目標減速度Gが設定され、減速制御が実行される。このため、自車両が自車両の加速により先行車両に接近する場合においては、車両に実際に生ずる減速度が小さく抑制されることで、乗員の感じる減速感が軽減される。従って、本実施例の装置によれば、目標減速度が実現されるように減速制御が行われる際に乗員に生ずる違和感の軽減を図ることが可能となる。
【0043】
尚、上記の構成において、同一の目標減速度Gが設定され、その目標減速度に従って減速制御が行われる場合、減速制御が開始される時点での自車両の加速度αが大きいほど、乗員は減速感を感じ易くなる。以下、減速制御が開始される時点での自車両の加速度αをα0と称す。従って、自車両が自車両の加速により先行車両に接近することにより減速制御が行われる状況下で乗員の減速感を有効に軽減するためには、減速制御が開始される時点での自車両の加速度αを考慮することなく同一の目標減速度Gを設定することは適切でない。
【0044】
そこで、本実施例のシステムにおいては、自車両と先行車両との車間距離、相対速度Vr、自車両の車速V1のすべてが同一である状況下、自車両の加速により自車両が先行車両に接近する場合には、減速制御が開始される時点での自車両の加速度α0が大きいほど目標減速度Gを小さくする。かかる構成によれば、減速制御が開始される時点で、自車両と先行車両との車間距離、相対速度Vr、自車両の車速V1のすべてが同一であり、かつ、自車両の加速により自車両が先行車両に接近する状況下でも、自車両の加速度α0が異なれば、その加速度α0に応じて互いに異なる目標減速度Gが設定され、減速制御が実行される。このため、自車両が自車両の加速により先行車両に接近する場合においては、自車両の加速度α0が大きいほど、設定される目標減速度Gが小さくなり、車両に実際に生ずる減速度が小さく抑制されることで、乗員の感じる減速感を有効に軽減させることができる。従って、本実施例の装置によれば、目標減速度が実現されるように減速制御が行われる際に乗員に生ずる違和感の更なる軽減を図ることが可能となる。
【0045】
図6は、上記の機能を実現すべく、本実施例においてECU10が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図6に示すルーチンは、上記図3に示すルーチン中のステップ102の処理が行われるごとに繰り返し起動されるルーチンである。図6に示すルーチンが起動されると、まずステップ120の処理が実行される。
【0046】
ステップ120では、レーザレーダセンサ12の出力信号に基づいて自車両と先行車両との車間距離Lおよび相対速度Vrを、並びに、車速センサ14の出力信号に基づいて自車両の車速V1および加速度αをそれぞれ検出する処理が実行される。
【0047】
ステップ122では、上記ステップ120で検出された相対速度Vrが負の値であるか否か、すなわち、自車両が先行車両に接近している状態にあるか否かが判別される。自車両が先行車両から離間している場合には、自車両を減速させる必要はない。従って、否定判定がなされた場合には、次にステップ124の処理が実行され、目標減速度Gが“0”に設定される。一方、自車両が先行車両に接近している場合には、自車両を減速させるべく減速制御を実行する必要がある。従って、肯定判定がなされた場合には、次にステップ126の処理が実行される。
【0048】
ステップ126では、上記ステップ120で検出された自車両の加速度αが正の値であるか否か、すなわち、自車両が加速している状態にあるか否かが判別される。本ステップ126において自車両が加速状態にないと判別される場合は、自車両が加速していない状態で先行車両に接近していると判断できるため、先行車両が減速していると判断できる。かかる判別がなされた場合は、次にステップ128の処理が実行される。一方、本ステップ126において自車両が加速状態にあると判別される場合は、自車両が加速している状態で先行車両に接近していると判断できる。かかる判別がなされた場合は、次にステップ130の処理が実行される。
【0049】
ステップ128では、上記ステップ120で検出された車間距離Lと相対速度Vrと自車速V1との関係に基づいて、予め定められたマップを参照することにより、減速制御を行う際の目標減速度Gを演算する処理が実行される。また、ステップ130では、上記ステップ120で検出された車間距離Lと相対速度Vrと自車速V1との関係に基づいて予め定められたマップを参照することにより得られる目標減速度に所定係数Bを乗算して得た値を、減速制御を行う際の目標減速度Gとして演算する処理が実行される。尚、所定係数Bは、0<B<1を満たす範囲内で自車両の加速度α0に応じた値に設定される。
【0050】
ステップ132では、▲1▼後に詳述するフラグFが“1”にセットされ、かつ、▲2▼上記ステップ128又は130で演算された目標減速度Gが、アクセルペダルの操作が解除された際に減速制御を開始すべく設定された目標減速度G0に所定係数Aを乗算して得た値A・G0に比して大きいか否かが判別される。尚、所定係数Aは、0<A≦1を満たす一定の値に設定されている。
【0051】
図7は、減速制御中における過大な減速の発生を防止するためのフラグFを処理すべく、本実施例においてECU10が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図7に示すルーチンは、その処理が終了するごとに繰り返し起動されるルーチンである。図7に示すルーチンが起動されると、まずステップ150の処理が実行される。
【0052】
ステップ150では、運転者によるアクセルペダル操作の解除により減速制御が開始されたか否かが判別される。本ステップ150の処理は、運転者によるアクセルペダル操作の解除により減速制御が開始されたと判別されるまで繰り返し実行される。その結果、肯定判定がなされた場合は、次にステップ152の処理が実行される。
【0053】
ステップ152では、アクセルペダルの操作解除により減速制御が開始された後、自車両の加速度αのインバータ、すなわち、自車両の減速度(−α)がその減速制御における目標減速度G0以上であるか否かが判別される。本ステップ152の処理は、−α≧G0が成立すると判別されるまで繰り返し実行される。その結果、−α≧G0が成立すると判別された場合は、次にステップ154の処理が実行される。
【0054】
ステップ154では、自車両の減速度(−α)が目標減速度G0に所定係数Aを乗算して得た値A・G0に比して小さいか否かが判別される。本ステップ154の処理は、−α<A・G0が成立すると判別されるまで繰り返し実行される。その結果、−α<A・G0が成立すると判別された場合は、次にステップ156の処理が実行される。
【0055】
ステップ156では、フラグFを“1”にセットする処理が実行される。尚、フラグFは、アクセルペダルの操作解除により開始された減速制御が実行されることにより、車両の減速度がその目標減速度G0に達し、かつ、ある程度小さい減速度A・G0に達したか否かを表すフラグである。
【0056】
ステップ158では、自車両の減速度(−α)が“0”以下であるか否か、すなわち、自車両が減速している状態でないか否かが判別される。本ステップ158の処理は、−α≦0が成立すると判別されるまで繰り返し実行される。その結果、−α≦0が成立すると判別された場合は、次にステップ160の処理が実行される。そして、ステップ160では、フラグFを“0”にリセットする処理が実行される。本ステップ160の処理が終了すると、今回のルーチンは終了される。
【0057】
上記図7に示すルーチンによれば、アクセルペダルの操作解除により減速制御が開始された後、その減速制御の実行により車両の実際の減速度がその目標減速度G0に達しているか否かを判別することができる。
【0058】
すなわち、上記図6に示すルーチン中、ステップ132においては、▲1▼アクセルペダルの操作解除により減速制御が開始された後、その減速制御の実行により車両の減速度αがその目標減速度G0に達し、かつ、▲2▼上記ステップ128または130で演算された目標減速度Gが減速度A・G0に比して大きいか否かが判別される。
【0059】
上記▲1▼の条件が満たされない場合は、車両の実際の減速度が未だ目標減速度G0に達しておらず、乗員が目標減速度G0に対応する減速感を未だ感じていないと判断できる。この場合は、その目標減速度G0よりも大きな減速度が車両に生じても、乗員に違和感を与えることはない。また、上記▲2▼の条件が満たされない場合は、ステップ128又は130で演算された目標減速度Gに従って減速制御が実行されても、アクセルペダル操作の解除時における目標減速度G0以下の減速度が実現されるだけであるので、乗員に減速に伴う違和感を与えることはない。従って、ステップ132において上記▲1▼および▲2▼の何れかの条件が満たされないと判別された場合は、次にステップ134の処理が実行され、上記ステップ128又は130で演算された目標減速度Gをそのまま目標減速度Gとして設定する処理が実行される。
【0060】
一方、上記▲1▼及び▲2▼の何れの条件も満たされる場合は、アクセルペダルの操作解除により目標減速度G0が設定され、その目標減速度G0が実現されるように減速制御が実行されることにより車両がその目標減速度G0に達した後、車両が定常状態へ移行している過程で、大きな目標減速度が演算されたと判断できる。この場合に、その演算された大きな目標減速度が実現されるように減速制御が実行されると、一旦大きな減速が生じた後の定常状態への移行段階で更に大きな減速が生じることとなり、その結果、乗り心地が悪化し乗員に違和感を与えてしまう。従って、ステップ132において上記▲1▼及び▲2▼の何れの条件も満たされると判別された場合は、次にステップ136の処理が実行され、アクセルペダルの操作解除時に設定された目標減速度G0に所定係数Aを乗算して得た値A・G0を目標減速度Gとして設定する処理が実行される。
【0061】
ステップ138では、上記ステップ124、134、又は136で設定された目標減速度Gが実現されるタイムスケジュールに従って、ブレーキアクチュエータ16に指令信号を供給する処理が実行される。本ステップ138の処理が実行されると、以後、車両は、上記ステップ124、134、又は136で設定された目標減速度Gが実現されるように減速されることとなる。本ステップ138の処理が終了すると、今回のルーチンは終了される。
【0062】
上記図6に示すルーチンによれば、アクセルペダルの操作解除により目標減速度G0が設定され、その目標減速度G0が実現されるように減速制御が実行されることにより車両がその目標減速度G0に達した後、車両が定常状態へ移行している過程で、大きな目標減速度が演算された場合には、その演算された大きな目標減速度に従って減速制御を行わずに、初期の目標減速度G0を超えない減速度に従って減速制御を実行することができる。
【0063】
かかる構成においては、一旦大きな減速が生じた後の定常状態への移行段階で車両に更に過大な減速が生じることは回避される。例えば、減速制御中に車両がカーブ路を走行することによりレーザレーダ12による距離検出対象が先行車両から側方のガードレール等に変化しても、そのガードレールの検出によって大きな目標減速度が演算されて更に過大な減速が生ずる事態は回避される。このため本実施例の装置によれば、自車両と先行車両との車間距離が適当に確保されるように減速制御を実行する際に、乗員の乗り心地が悪化するのを防止することができ、その結果、乗員に感ずる違和感の軽減を図ることができる。
【0064】
また、上記図6に示すルーチンによれば、自車両と先行車両との車間距離L、相対速度Vr、及び自車速V1のすべてが同一である状況下、自車両と先行車両との接近状態に応じて互いに異なる目標減速度Gを設定することができる。具体的には、かかる状況下、自車両の加速により自車両が先行車両に接近する場合は、先行車両の減速により自車両が先行車両に接近する場合のものに比して、減速制御を実行する際の目標減速度Gを小さく抑制することができる。
【0065】
同一の目標減速度が実現されるように自車両の減速制御が実行されるものとすると、自車両と先行車両との相対速度Vrが同一であっても、自車両が自車両の加速により先行車両に接近する場合と、自車両が先行車両の減速により接近する場合とでは、前者の方が後者の方よりも乗員は減速感を感じ易い。これに対して、本実施例においては、前者の場合は後者の場合に比して車両に生ずる減速度が小さいため、乗員の感ずる減速感の軽減が図られている。従って、本実施例の装置によれば、自車両と先行車両との車間距離が適当に確保されるように減速制御を行う際に乗員に生ずる違和感を軽減させることができる。
【0066】
尚、同一の目標減速度Gが設定され、その目標減速度に従って減速制御が行われる場合、減速制御が開始される時点での自車両の加速度αが大きいほど、乗員は減速感を感じ易くなる。これに対して、本実施例においては、上述の如く、自車両と先行車両との車間距離、相対速度Vr、自車両の車速V1のすべてが同一である状況下、自車両の加速により自車両が先行車両に接近する場合には、減速制御が開始される時点での自車両の加速度α0が大きいほど小さな目標減速度Gが設定される。かかる構成においては、減速制御が開始される時点での自車両の加速度α0が大きいほど、車両に実際に生ずる減速度が小さく抑制されるので、乗員の感じる減速感が有効に軽減される。従って、本実施例の装置によれば、減速制御を行う際に乗員に生ずる違和感の更なる軽減が図られている。
【0067】
尚、上記の実施例においては、減速度A・G0が特許請求の範囲に記載した「所定減速度」に相当すると共に、ECU10が、レーザレーダセンサ12の出力信号に基づいて自車両と先行車両との車間距離Lを検出することにより特許請求の範囲に記載した「車間距離検出手段」が、検出した車間距離Lの微分処理に基づいて自車両と先行車両との相対速度Vrを検出することにより特許請求の範囲に記載した「相対速度検出手段」が、上記図6に示すルーチン中ステップ126〜136の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「目標減速度設定手段」が、上記図6に示すルーチン中ステップ138の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「減速制御手段」が、それぞれ実現されている。
【0068】
また、上記の実施例においては、ECU10が、上記図6に示すルーチン中ステップ122及び126の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「接近状態判別手段」が実現されている。
【0069】
ところで、上記の実施例においては、レーダレーザセンサ12を用いて自車両の前方所定領域内に存在する先行車両等の前方対象物を検出することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、カメラ,ミリ波レーダ,超音波レーダ等を用いて前方対象物を検出することとしてもよい。
【0070】
また、上記の実施例においては、運転者によるブレーキ操作を伴うことなく、自車両と先行車両との車間距離が適当に確保されるように目標減速度Gに基づく減速制御を行うこととしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、運転者によるアクセル操作を伴うことなく、システム側が自車両と先行車両との車間距離が適当に確保されるように目標加速度Gに基づく加速制御を行う場合に適用することも可能である。
【0071】
すなわち、同一の目標減速度が実現されるように自車両の減速制御が実行されるものとすると、自車両が自車両の減速により先行車両から離間した後に加速する場合と、先行車両の加速により先行車両から離間する場合とでは、前者の方が後者に比べて乗員は加速感を感じ易いが、ECU10が両者間で互いに異なる目標加速度を設定することとすれば、加速制御を行う際に乗員に生ずる違和感を軽減させることができる。この場合、ECU10が、上記図6に示すルーチン中ステップ122及び126の処理に対応する処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「離間状態判別手段」が、ステップ126〜136の処理に対応する処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「目標加速度設定手段」が、それぞれ実現される。
【発明の効果】
上述の如く、請求項1乃至3記載の発明によれば、自車両と前方対象物との車間距離が適当に確保されるように減速制御を行う際に、乗り心地の悪化を防止することができ、乗員の違和感を軽減させることができる。
【0072】
請求項4乃至6記載の発明によれば、自車両と前方対象物との接近が自車両の加速に起因している場合とそうでない場合とで目標減速度を互いに異ならせることで、目標減速度に従った減速制御を行う際に乗員に生ずる違和感を軽減させることができる。
【0073】
また、請求項7記載の発明によれば、自車両と前方対象物との離間が自車両の減速に起因している場合とそうでない場合とで目標減速度を異ならせることで、目標減速度に従った加速制御を行う際に乗員に生ずる違和感を軽減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である車間距離制御装置のシステム構成図である。
【図2】本実施例において自車両の目標減速度を算出する手法を説明するための図である。
【図3】本実施例において目標減速度に従った減速制御を行うべく実行される制御ルーチンのフローチャートである。
【図4】本実施例において、減速制御が行われている過程で過大な目標減速度が生ずるのを回避する手法を説明するための図である。
【図5】本実施例において、自車両と前方対象物との相対速度が同一である状況下で、自車両が自車両の加速により前方対象物に接近する場合に設定される目標減速度と、自車両が前方対象物の減速により前方対象物に接近する場合に設定される目標減速度とを比較するための図である。
【図6】本実施例において減速制御が行われる際に実行される制御ルーチンのフローチャートである。
【図7】本実施例において減速制御中における過大な減速の発生を防止するためのフラグを処理すべく実行される制御ルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
10 電子制御ユニット(ECU)
12 レーザレーダセンサ
14 車速センサ
16 ブレーキアクチュエータ

Claims (7)

  1. 自車両と前方対象物との車間距離を検出する車間距離検出手段と、自車両と前記前方対象物との相対速度を検出する相対速度検出手段と、前記車間距離検出手段により検出された前記車間距離及び前記相対速度検出手段により検出された前記相対速度に基づいて自車両の目標減速度を設定する目標減速度設定手段と、を備え、前記目標減速度設定手段により設定された目標減速度が実現されるように自車両を減速させる減速制御を実行する車間距離制御装置において、
    前記目標減速度設定手段は、一の目標減速度が実現されるように前記減速制御が実行された後、該一の目標減速度に応じた所定減速度に比して大きな目標減速度が演算される場合には、該所定減速度を目標減速度として設定することを特徴とする車間距離制御装置。
  2. 請求項1記載の車間距離制御装置において、
    前記所定減速度が、前記一の目標減速度以下に設定された値であることを特徴とする車間距離制御装置。
  3. 請求項2記載の車間距離制御装置において、
    前記目標減速度設定手段は、一の目標減速度が実現されるように前記減速制御が実行されたことにより自車両が該一の目標減速度に達し、かつ、自車両が該一の目標減速度から定常状態への移行過程で前記所定減速度に達した後に、前記所定減速度に比して大きな目標減速度が演算される場合には、該所定減速度を目標減速度として設定することを特徴とする車間距離制御装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項記載の車間距離制御装置において、
    自車両と前記前方対象物とが自車両の加速により接近しているか或いは前記前方対象物の減速により接近しているかを判別する接近状態判別手段を備え、
    前記目標減速度設定手段は、前記接近状態判別手段により自車両と前記前方対象物とが自車両の加速により接近していると判別される場合と、自車両と前記前方対象物とが該前方対象物の減速により接近していると判別され場合とで、前記相対速度が同一にある状況下で互いに異なる目標減速度を演算する演算手段を有することを特徴とする車間距離制御装置。
  5. 請求項4記載の車間距離制御装置において、
    前記演算手段は、前記接近状態判別手段により自車両と前記前方対象物とが自車両の加速により接近していると判別された場合は、前記相対速度が同一にある状況下で自車両と前記前方対象物とが該前方対象物の減速により接近していると判別される場合の目標減速度に比して小さな目標減速度を演算することを特徴とする車間距離制御装置。
  6. 請求項5記載の車間距離制御装置において、
    前記演算手段は、前記接近状態判別手段により自車両と前記前方対象物とが自車両の加速により接近していると判別される状況下、自車両の加速度が大きいほど小さな目標減速度を演算することを特徴とする車間距離制御装置。
  7. 請求項1乃至6の何れか一項記載の車間距離制御装置において、
    前記車間距離検出手段により検出された前記車間距離及び前記相対速度検出手段により検出された前記相対速度に基づいて自車両の目標加速度を設定する目標加速度設定手段
    自車両と前記前方対象物とが自車両の減速により離間しているか或いは前記前方対象物の加速により離間しているかを判別する離間状態判別手段と、を備え、
    前記目標加速度設定手段は、前記離間状態判別手段により自車両と前記前方対象物とが自車両の減速により離間していると判別され場合と、自車両と前記前方対象物とが該前方対象物の加速により離間していると判別され場合とで、前記相対速度が同一にある状況下で互いに異なる目標加速度を演算する演算手段を有し、
    前記目標加速度設定手段により設定された目標加速度が実現されるように自車両を加速させる加速制御を実行することを特徴とする車間距離制御装置。
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