JP4432270B2 - 車間距離制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、先行車との車間距離を制御する車間距離制御装置に関し、特に自車線の左右車線にも走行車(以下、隣接車ともいう。)が存在する場合に、それらの隣接車の間をすり抜けないように自車を制御する車間距離制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車間距離制御装置として、先行車との車間距離を定められた目標車間距離(第1の目標車間距離)に制御するものが知られている(特開平6−227280号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の車間距離制御装置にあっては、自車線の左右の車線の走行車の有無に拘わらず、先行車との車間距離を第1の目標車間距離に制御する構成となっていたので、図25に示すように、先行車に遠方から接近する場合に、自車線の左右の車線の走行車、すなわち隣接車の間をすり抜けることがあり、これが乗員に違和感を与えるといった問題があった。
【0004】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、自車が隣接車の間をすり抜ける状況がある場合には、図26に示すように目標車間距離を第1の目標車間距離からすり抜け防止のための目標車間距離(第2の目標車間距離)に変更し、自車を隣接車の間をすり抜ける手前の位置に制御する車間距離制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の車間距離制御装置は、以下のような場面を想定している。
【0006】
すなわち、自車が先行車に遠方から接近するときに、第1の目標車間距離によって自車が進む目標位置が、自車線の左右の車線で並走する走行車(隣接車)の位置よりも自車から少し先の位置にある場合では、自車が左右の走行車をすり抜けて先行車に近づかなければならない。このような場面では、こうしたすり抜け走行を回避し、乗員に違和感を与えないようにするものである。
【0007】
(1)こうした目的を達成するために、請求項1記載の発明によれば、自車と先行車との車間距離を検出する車間距離検出手段と、自車の駆動力を制御して前記車間距離検出手段により検出された車間距離を第1の目標車間距離に制御する車間距離制御手段と、自車線の左右の車線を走行する隣接車を認識する隣接車認識手段と、自車が前記隣接車認識手段により認識された隣接車の間をすり抜ける状況が存在するか否かを判定するすり抜け判定手段と、自車が隣接車の間をすり抜ける状況が存在すると判定された場合に、第2の目標車間距離を、自車が隣接車の間をすり抜ける手前の位置から先行車位置までの距離以上に設定して、目標車間距離を第1の目標車間距離から第2の目標車間距離に変更する目標車間距離変更手段と、を備えた車間距離制御装置が提供される。
【0008】
本発明において「隣接車」とは、自車が走行中の車線の左側車線または右側車線を走行している車両をいい、「すり抜け」とは、自車が、左右両方の車線を走行中の隣接車の間の車線を走行してこれら隣接車を追い越す状況をいう。
【0009】
この車間距離制御装置では、すり抜け判定手段により自車が隣接車の間をすり抜ける状況が存在するか否かを判定し、目標車間距離変更手段により自車が隣接車の間をすり抜ける手前の位置から走行車位置までの距離以上に設定する。これにより、自車が隣接車の間をすり抜けることが回避され、その結果、乗員が違和感を感じるのを防止することができる。
【0010】
(2)上記発明においては特に限定されないが、請求項2記載の発明では、自車と前記隣接車認識手段により認識された隣接車との車間距離を検出する隣接車車間距離検出手段をさらに備え、前記すり抜け判定手段は、前記隣接車車間距離検出手段により検出された隣接車から自車までの車間距離に基づいて、当該隣接車が概略並走しているか否かを認識し、第1の目標車間距離が隣接車から先行車までの車間距離より小さい場合に、自車が隣接車の間をすり抜ける状況が存在すると判定する。
【0011】
この車間距離制御装置では、隣接車車間距離検出手段により自車と隣接車との車間距離を検出し、この自車と隣接車との車間距離に基づいて左右の隣接車が並走しているかどうかをすり抜け判定手段により判定する。つまり、自車と左右それぞれの隣接車との車間距離が所定値以下の場合は、自車からみて左右の隣接車が並走しているものと判定する。このように、簡便な手法ですり抜け状況を判定することができる。
【0012】
なお、自車が左右の車線の隣接車に追いつく前は左右の隣接車が並走していない場合であっても、自車が隣接車に追いついたときにこれら隣接車が並走していることもあるが、本発明のように隣接車との車間距離によって簡便にすり抜け状況を判定すれば、こうしたときにも対応することができる。
【0013】
(3)上記発明においては特に限定されないが、請求項3記載の発明では、自車と前記隣接車認識手段により認識された隣接車との車間距離を検出する隣接車車間距離検出手段と、自車と隣接車との相対速度を検出する隣接車相対速度検出手段と、自車と走行車との相対速度を検出する先行車相対速度検出手段とをさらに備え、前記すり抜け判定手段は、前記隣接車車間距離検出手段により検出された自車と隣接車との車間距離、前記隣接車相対速度検出手段により検出された自車と隣接車との相対速度、前記車間距離検出手段により検出された先行車との車間距離、前記先行車相対速度検出手段により検出された自車と先行車との相対速度および第1の目標車間距離に基づいて、自車が左右何れかの隣接車の隣に並ぶときに、自車が他方の隣接車とも同時に並走しているか否かを予測して、自車が隣接車の間をすり抜ける状況が発生するか否かを判定する。
【0014】
この車間距離制御装置では、自車と隣接車との車間距離、自車と隣接車との相対速度、先行車との車間距離、自車と先行車との相対速度および第1の目標車間距離に基づいて、自車が左右何れかの隣接車の隣に並ぶときに、自車が他方の隣接車とも同時に並走しているか否かを予測する。すなわち、左右の隣接車の挙動及び自車が先行車に追従する挙動を考慮して、自車が左右の隣接車ともに同時に並ぶかどうかを判定する。したがって、すり抜け状況の判定精度が高くなる。
【0015】
(4)上記発明においては特に限定されないが、請求項4記載の発明では、前記隣接車認識手段により認識された隣接車の間隔を検出する隣接車間隔検出手段をさらに備え、前記すり抜け判定手段は、前記隣接車間隔検出手段により検出された隣接車の間隔が所定距離より小さい場合に、自車が隣接車の間をすり抜ける状況が存在すると判定する。
【0016】
すり抜け状況が生じる場合、すり抜ける車両の間隔が狭いほど乗員が感じる違和感が強くなり、逆に間隔が広ければ乗員はあまり違和感を感じなくなり、すり抜け状況を回避する必要性も低くなる。
【0017】
本発明の車間距離制御装置では、隣接車間隔検出手段により左右の隣接車の間隔(道路幅方向の間隔)を検出し、この間隔が所定距離より小さい場合にはすり抜け状況であると判定し、自車をすり抜け状況から回避させる。つまり、左右の隣接車同士の間隔に応じて、すり抜け状況が回避又は許可されるので、乗員が違和感を感じるようなすり抜けのみを回避することができる。
【0018】
(5)上記発明においては特に限定されないが、請求項5記載の発明では、前記目標車間距離変更手段は、隣接車の後側方の死角に自車が位置しないように、自車が隣接車の間をすり抜ける手前の位置から先行車位置までの距離に所定距離を加えた距離を第2の目標車間距離とし、目標車間距離を第1の目標車間距離から当該第2の目標車間距離に変更する。
【0019】
自車が左右の隣接車の間をすり抜ける手前の位置においては、自車が左右の隣接車の後側方の死角に入る可能性もあるが、本発明の車間距離制御装置では、自車が隣接車の間をすり抜ける手前の位置から先行車位置までの距離に所定距離を加えた距離を第2の目標車間距離とするので、自車が左右の隣接車の後側方の死角に入らないように制御することができる。したがって、自車は左右の隣接車のバックミラーから常に見える位置に存在し、不意に左右の隣接車が自車線に車線変更する可能性を低くすることができる。
【0020】
(6)上記発明においては特に限定されないが、請求項6記載の発明では、前記目標車間距離変更手段は、前記隣接車車間距離検出手段の検出範囲から隣接車が外れないように、前記隣接車車間距離検出手段の検出範囲に応じて第2の目標車間距離を算出し、目標車間距離を第1の目標車間距離から当該第2の目標車間距離に変更する。
【0021】
左右の隣接車の間をすり抜ける手前の位置においては、左右の隣接車は自車の斜め横方向に位置するため、隣接車車間距離検出手段たるセンサの検出範囲から外れ、見失う可能性もあるが、本発明の車間距離制御装置では、隣接車車間距離検出手段の検出範囲に応じて第2の目標車間距離を算出しこの車間距離で自車を制御するので、隣接車が隣接車車間距離検出手段の検出範囲から外れることが防止され、すり抜け時にも左右の隣接車を確実に検出でき、その結果、すり抜けを確実に防止することができる。
【0022】
(7)上記発明においては、すり抜け状況を回避することを主眼としたが、すり抜けを回避するよりも重要な状況が生じた場合にはそれを優先する方が好ましい場合もある。
【0023】
そこで、請求項7記載の発明では、前記目標車間距離変更手段は、自車が隣接車の間をすり抜ける手前位置から先行車位置までの距離が所定値より大きい場合に、目標車間距離を第1の目標車間距離から第2の目標車間距離に変更しない。
【0024】
すなわち、自車と先行車との車間距離が極端に長くなると後続車に迷惑をかける可能性もある。したがって、自車が隣接車の間をすり抜ける手前位置から先行車位置までの距離が所定値より大きく、つまり先行車と先行車との車間距離が著しく長い場合にはすり抜けを許可する。これにより後続車への迷惑を防止することができる。
【0025】
(8)また、請求項8記載の発明では、前記目標車間距離変更手段は、第2の目標車間距離が所定値より大きく、目標車間距離が第1の目標車間距離から第2の目標車間距離に変更されてから所定時間が経過しても自車が隣接車の間をすり抜ける状況がなくならない場合には、目標車間距離を第1の目標車間距離に戻す。
【0026】
この車間距離制御装置では、左右の隣接車の間をすり抜けることを回避することで自車と先行車との車間距離が大きくなり、しかもこうした時間が長時間続いた場合には、それまでのすり抜け回避制御を解除する。これによっても、後続車への迷惑を防止することができる。
【0027】
(9)また、請求項9記載の発明では、前記目標車間距離変更手段は、先行車から自車までの車間距離を第2の目標車間距離に一致させるまでに自車が発生しなければならない減速度に応じて、目標車間距離を第1の目標車間距離から第2の目標車間距離に変更しない。
【0028】
この車間距離制御装置では、すり抜け回避のために自車が急な減速を必要とする場合にはすり抜けを許可する。これにより、自車の急減速を防止することができ、急減速による乗員の違和感の発生を回避することができる。
【0029】
(10)さらに、請求項10記載の発明では、前記目標車間距離変更手段は、自車と先行車との相対速度がほぼゼロであり、自車と先行車との車間距離が第1の目標車間距離にほぼ一致している場合は、目標車間距離を第1の目標車間距離から第2の目標車間距離に変更しない。
【0030】
この車間距離制御装置では、自車が先行車に追従して第1の目標車間距離を保って走行しているときはすり抜けを許可し、すり抜け回避よりも先行車への追従を優先する。これにより、先行車との車間距離が開くこと及び加減速による乗員の違和感の発生を防止することができる。
【0031】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、自車が隣接車の間をすり抜けることが回避され、その結果、乗員が違和感を感じるのを防止することができる。
【0032】
これに加えて、請求項2記載の発明によれば、簡便な手法ですり抜け状況を判定することができる。
【0033】
また、請求項3記載の発明によれば、すり抜け状況の判定精度が高くなる。
【0034】
請求項4記載の発明によれば、乗員が違和感を感じるようなすり抜けのみを回避することができる。
【0035】
請求項5記載の発明によれば、不意に左右の隣接車が自車線に車線変更する可能性を低くすることができる。
【0036】
請求項6記載の発明によれば、すり抜けを確実に防止することができる。
【0037】
請求項7及び8記載の発明によれば、後続車への迷惑を防止することができる。
【0038】
請求項9記載の発明によれば、自車の急減速を防止することができ、急減速による乗員の違和感の発生を回避することができる。
【0039】
請求項10記載の発明によれば、先行車との車間距離が開くこと及び加減速による乗員の違和感の発生を防止することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0041】
第1実施形態(請求項1,2,5,6)
図1は本発明の第1実施形態を示すブロック図である。
【0042】
車間距離検出部1は、マルチビーム式あるいはスキャニング式のレーザレーダ等により構成され、先行車と自車との車間距離を検出して相対速度演算部3に送出する。車速検出部2は、車輪の回転に応じてパルスを発生する車輪速センサ等により構成され、車速を検出して車間距離制御部9、目標車間距離演算部4および車速制御部10に送出する。相対速度演算部3は、マイクロコンピュータ等により構成され、車間距離検出部1から送出された車間距離信号を微分や差分することにより車間距離を求める。
【0043】
目標車間距離演算部4はマイクロコンピュータ等により構成され、車速検出部2から送出された車速に応じて第1の目標車間距離を演算し、これをすり抜け判定部7および目標車間距離変更部8へ送出する。本例では、図10に示すように車速Vに応じて第1の目標車間距離Lr1を下記(1)式により演算する。(1)式においてTcは定数である。
【0044】
【数1】
Lr1=Tc・V …(1)
隣接車認識部5は、車間距離センサおよびマイクロコンピュータ等により構成され、自車線の左右の車線に走行車の存在を認識し、これを隣接車車間距離検出部6に送出する。本例における自車線の右隣と左隣の車線の走行車の認識方法を図3および図4に示す。車間距離センサにはマルチビーム式やスキャニング式のレーザーレーダが用いられ、車間距離検出部1で用いられるものを兼用することができる。図3に示すように、レーザレーダは例えば17方向の距離を計測するものとし、図4に第1番から第17番のレーザビームの計測距離を示す。それぞれのレーザビームの計測距離が斜線で囲った範囲に入れば、自車線の左右に走行車があると判断することができる。
【0045】
ここで、走行車と自車とが図3に示すような状況にある場合には、第2番目乃至第4番目のレーザビームが自車線の左隣車線の走行車を捉えるとともに、第14番目乃至第16番目のレーザビームが自車線の右隣車線の走行車を捉えることになる。このとき、第2番目乃至第4番目のレーザビームの計測距離が図4の斜線にて示す範囲に入るので、左隣車線に走行車が存在すると認識することができる。また同様に第14番目乃至第16番目のレーザビームの計測距離が図4のもう一方の斜線にて示す範囲に入るので、右隣車線に走行車が存在すると認識することができる。
【0046】
図4の斜線範囲である隣接車の計測範囲の具体的な求め方を図5(A)(B)を参照して説明する。図5(A)において車間距離センサによる隣接車の計測距離がl1からl2の範囲に入れば、自車線の右隣車線に隣接車がいると認識することができる。レーザビームの計測方向の角度をθ、道路幅をWroadとすると、l1とl2は以下の式で求めることができる。
【0047】
【数2】
l1=(1/2)(Wroad/sinθ) …(2)
l2=(3/2)(Wroad/sinθ) …(3)
ここでもし、自車線の2つ隣の車線の走行車を認識する場合があっても、2つ隣の車線の走行車を捉える計測距離の範囲を調べれば、同様の方法で認識することができる。
【0048】
また、路肩の停止物や対向車線の走行車を隣接車両と誤認識するのを防止するために、計測距離の変化から相対速度を演算し、相対速度(接近するときを+とする。)が自車速度より小さければ自車と同じ方向に進む走行車であると判断する。さらに、カーブを走行しているときは、左右の車線の走行車を捉える範囲を補正すればよい。
【0049】
図5(B)にカーブを走行しているときの隣接車の計測範囲の具体的な求め方を示す。カーブ半径をR、レーザビームの計測方向の角度をθ、道路幅をWroadとすると、下記(4)式および(5)式に示す関係が成立する。
【0050】
【数3】
(R+x1)+y1=(R+Wroad/2) …(4)
x1/y1=tanθ …(5)
ここで、x1,y1はそれぞれl1の横成分と縦成分である。(5)式のx1を(4)式に代入してy1を算出すると、
【数4】
Figure 0004432270
となる。よって、l1は
【数5】
Figure 0004432270
と求められる。同様にしてl2は、
【数6】
Figure 0004432270
となる。車間距離センサによる隣接車の計測距離がl1からl2の範囲に入れば、自車線の隣の車線に隣接車がいると認識することができる。
【0051】
隣接車車間距離検出部6は、車間距離センサおよびマイクロコンピュータ等で構成され、自車線の左右の車線の走行車から自車までの車間距離を検出する。車間距離センサにはマルチビーム式あるいはスキャニング式のレーザレーダが用いられ、車間距離検出部1で用いられるものを兼用することができる。
【0052】
この隣接車車間距離検出部6は、隣接車認識部5で認識された隣接車から自車までの縦方向の車間距離を検出し、すり抜け判定部7および目標車間距離変更部8へ送出する。図6にその検出方法を示すが、車間距離センサによる隣接車の計測距離がLmであったとすると、隣接車と自車との縦方向の車間距離Lnは、
【数7】
Ln=Lm・cosθ …(9)
となる。ここで、θは計測方向の角度である。以下では、自車線の左車線の隣接車から自車までの縦方向の車間距離をLle、右車線の隣接車から自車までの縦方向の車間距離をLriとし、これらLleとLriの何れか短い方を隣接車車間距離Lnとする。
【0053】
すり抜け判定部7は、マイクロコンピュータ等で構成され、隣接車車間距離検出部6からの自車線の左右の車線の走行車から自車までの車間距離と、目標車間距離演算部4からの第1の目標車間距離に基づいて、並走する左右の車線の走行車の間を自車がすり抜けるか否かを判定し、これを目標車間距離変更部8へ送出する。
【0054】
本例のすり抜け判定部7の判定方法を図7および図11に示す。まず、隣接車車間距離検出部6により検出された自車線の左車線の隣接車から自車までの車間距離Lleと右車線の隣接車から自車までの車間距離Lriとの差の絶対値Laを演算する。
【0055】
【数8】
La=|Lle−Lri| …(10)
Laが所定値以下の場合には、左右の隣接車が並走していると判定される。この所定値は、例えば車両1台の全長程度に設定する。
【0056】
次に、LleとLriの何れか短い方を隣接車車間距離Lnとすると、自車に近い方の左右の隣接車から先行車までの距離Lmnは、先行車と自車との車間距離LからLnを差し引いて、
【数9】
Lmn=L−Ln …(11)
となる。第1の目標車間距離Lr1がLmnより小さい場合に、すり抜け状況があると判定される。
【0057】
目標車間距離変更部8は、マイクロコンピュータ等で構成され、すり抜け状況があると判定されたときに目標車間距離を第1目標車間距離からすり抜け防止のための第2の目標車間距離に変更し、自車が隣接車をすり抜けないようにすべく、これを車間距離制御部9へ送出する。
【0058】
図12に目標車間距離の変更方法を示す。ここではまず、第2の目標車間距離Lr2を(12)式のように自車に近い方の隣接車から先行車までの距離Lmnに所定距離Lrcを加えたものとし、目標車間距離変更部8は、目標車間距離Lrをそれまでの第1の目標車間距離Lr1から第2の目標車間距離Lr2に変更する。
【0059】
【数10】
Lr2=Lmn+Lrc …(12)
ここでLrcはたとえば次のように設定する。まず、左右の隣接車の死角に自車が位置しないようにLrcを設定する方法を図8に基づいて説明する。同図に示すように、自車線の右側の隣接車のバックミラーで後方が見えなくなる角度をθd、道路幅をWroadとすると、右側の隣接車のバックミラーの位置から自車が、
【数11】
Wroad/tanθd …(13)
以上後に位置すれば、自車は隣接車の死角部分には入らない。バックミラーから車両の後までの長さをLrc2とすると、Lrcを
【数12】
Lrc≧(Wroad/tanθd)−Lrc2 …(14)
と設定すれば、自車は隣接車の死角に入らないように第2の目標車間距離が演算される。
【0060】
次に、車間距離センサの検出範囲から左右の隣接車が外れないようにLrcを設定する方法を図9に基づいて説明すると、車間距離センサの検出角度を±θm、道路幅をWroadとすると、自車に近い方の隣接車から自車が、
【数13】
Wroad/tanθm …(15)
以上後に位置すれば、車間距離センサの検出範囲から隣接車が外れなくなる。したがって、Lrcを
【数14】
Lrc≧(Wroad/tanθm) …(16)
と設定すれば、車間距離センサの検出範囲から隣接車が外れないように第2の目標車間距離が演算される。
【0061】
車間距離制御部9は、マイクロコンピュータ等で構成され、図13に示すように、車間距離検出部1からの車間距離L、相対速度演算部3からの相対速度L’(=dL/dt)、車速検出部2からの車速V及び目標車間距離変更部8からの目標車間距離Lrに基づいて、自車と自車の前の車両との車間距離を目標車間距離に制御するための目標車速Vrを演算する。
【0062】
本例の演算式は、
【数15】
Vr=−KL(Lr−L)−KV・L’+Vf …(17)
とする。なお、(17)式において、KL、KVは制御ゲイン、Vf=V+L’は先行車の車速を表す。
【0063】
車速制御部10は、マイクロコンピュータ等で構成され、図14に示すように、車間距離制御部9からの目標車速Vrと、車速検出部2からの車速Vとに基づいて、車速を目標車速に制御するための目標駆動力Frを演算する。
【0064】
本例の演算式は、
【数16】
Fr=Ksp(Vr−V)−DE …(18)
とする。ここで、Kspは制御ゲイン、DEは道路勾配や空気抵抗等の走行抵抗推定値である。このように走行抵抗を考慮して目標駆動力を演算することで、道路勾配や空気抵抗の影響による車速制御性能の悪化を抑制することができる。なお、図14の走行抵抗推定部が下記(19)式に基づいて走行抵抗推定値DEを演算する。
【0065】
【数17】
DE=H(s)・Mv・s・V−H(s)・Fr …(19)
(19)式において、Mvは車両重量、H(s)はゲインが1のローパスフィルタである。
【0066】
駆動力制御部11は、マイクロコンピュータ等で構成され、図15に示すように、車両の駆動力を目標駆動力に制御するためのスロットル開度及びブレーキ液圧を演算する。すなわち、車速制御部10からの目標駆動力Frに応じて、スロットル開度指令値Thrと、ブレーキ液圧指令値Pbrとを演算する。本例では、制御装置を簡略化するためトルクコンバータのトルク増幅率を無視すると、目標駆動力Frに対する目標エンジントルクTengは下記(20)式となる。
【0067】
【数18】
Teng=Fr/(Kdef・Kat) …(20)
(20)式においてKdefはデファレンシャルギヤ比、Katはトランスミッションの変速比である。
【0068】
次に(20)式で求めた目標エンジントルクとエンジン回転数から、図16に示すエンジンマップを用いてスロットル開度指令値Thrを求める。
【0069】
ブレーキはスロットル開度がゼロのときに作動させるものとするが、ブレーキをかけて発生させる駆動力Frbは、目標駆動力Frからエンジンブレーキによる駆動力分Febを差し引く必要がある。したがって、ブレーキをかけて発生させる駆動力Frbは、下記(21)式となる。
【0070】
【数19】
Frb=Fr−Feb …(21)
ただし、エンジンブレーキによる駆動力Febは下記(22)式により求める。同式においてTeng0はスロットル開度がゼロのときのエンジントルクである。
【0071】
【数20】
Feb=Kdef・Kat・Teng0 …(22)
ここで、ブレーキシリンダ面積をSb、ブレーキロータ半径をRb、ブレーキパッドの摩擦係数をμbとし、マスタシリンダ液圧が四輪に等しく分圧されると仮定すると、ブレーキ力Frbに対するブレーキ液圧指令値Pbrは下記(23)式で演算される。
【0072】
【数21】
Pbr=−Frb/(4×2Sb・Rb・μb) …(23)
スロットルアクチュエータ12は、モータでワイヤを引っ張るタイプのものや、スロットルとモータが一体型の電子スロットル等が用いられ、スロットル開度を指令値に制御する。またブレーキアクチュエータ13は、エンジンの負圧を利用してブレーキ液圧を増減させるもの等が用いられ、ブレーキ液圧を指令値に制御する。
【0073】
次に動作を説明する。
【0074】
図2に第1実施形態の全体の動作の流れを示す。このフローチャートで表されるルーチンは制御周期毎に実行される。
【0075】
まず、自車と先行車の車間距離を検出し(ステップS10)、車間距離の変化から相対速度を演算する(ステップS20)。また自車速度を検出し(ステップS30)、自車速度に応じて第1目標車間距離を演算する(ステップS40)。
【0076】
次いで自車線の左右の車線に隣接車がいるかを確認し(ステップS50)、隣接車がいる場合には、隣接車から自車までの車間距離を検出する(ステップS70)。
【0077】
次に左車線の隣接車と右車線の隣接車が並走しているか否かを隣接車から自車までの車間距離から判定する(ステップS80)。隣接車が並走している場合には、隣接車から先行車までの車間距離と第1の目標車間距離から、自車が隣接車をすり抜ける状況があるか否かを判定する(ステップS90)。ここで、自車が隣接車をすり抜ける状況があると判定されると、すり抜け防止のための第2の目標車間距離を演算し(ステップS100)、目標車間距離を第1の目標車間距離から第2の目標車間距離に変更する(ステップS110)。
【0078】
次に、先行車と自車の車間距離を目標車間距離に制御するための目標車速を演算し(ステップS120)、車速を目標車速に制御するための目標駆動力を演算する(ステップS130)。そして、駆動力を目標駆動力に制御するためのスロットル開度、ブレーキ液圧を演算し(ステップS140)、スロットルアクチュエータ、ブレーキアクチュエータを駆動する(ステップS150)。
【0079】
このように、本例の車間距離制御装置によれば、自車が隣接車の間をすり抜けることが回避され、その結果、乗員が違和感を感じるのを防止することができる。また、簡便な手法ですり抜け状況を判定することができる。
【0080】
第2実施形態(請求項3)
図17は本発明の第2実施形態を示すブロック図である。本例は、上述した第1実施形態に対し、隣接車相対速度演算部14が付加され、さらにすり抜け判定部7には、隣接車相対速度演算部14からの隣接車相対速度と、相対速度演算部3からの先行車との相対速度が入力される点が相違する。
【0081】
隣接車相対速度演算部14は、マイクロコンピュータ等で構成され、隣接車車間距離検出部6で検出された隣接車と自車との車間距離を微分や差分することで隣接車と自車との相対速度を演算し、これをすり抜け判定部7へ送出する。
【0082】
一方、すり抜け判定部7は、隣接車から自車までの車間距離と相対速度、先行車から自車までの車間距離と相対速度、及び第1の目標車間距離から、自車が左右の並走する隣接車をすり抜けるか否かを予測する。
【0083】
これを図19を参照しながら説明すると、自車と先行車との車間距離Lが、第1の目標車間距離Lr1に整定するまでに自車が発生する減速度αrは、車間距離をL−Lr1つめる間に相対速度L’(=dL/dt)をゼロにするように自車が減速すると考えると、概略下記(24)式で表すことができる。
【0084】
【数22】
αr=−L’/2(L−Lr1) …(24)
自車が左の隣接車とすれ違う時間tleを求める。ここで、自車の減速度αr、左の隣接車と自車との車間距離Lle及び相対速度L’leと、自車が左の隣接車とすれ違う時間tleとは、図20に示すような関係がある。同図より、左の隣接車の速度をVle、自車が左の隣接車とすれ違うときの自車速度をVxとすると、下記(25)及び(26)式の関係が成り立つ。
【0085】
【数23】
Lle=(Vle−Vx)/2tle + (Vx−V)tle …(25)
Vx =V+αr・tle …(26)
ここで(26)式を(25)式に代入してVxを消去すると、自車が左の隣接車とすれ違う時間tleは、
【数23】
tle={(Vle−V)+((Vle−V)+2αrLle)1/2}/αr
={L’le+(L’le+2αrLle)1/2}/αr …(27)
となる。同様に、自車が右の隣接車とすれ違う時間triは、
【数24】
tri={L’ri+(L’ri+2αrLri)1/2}/αr …(28)
となる。ただし、Lri、L’riはそれぞれ右の隣接車から自車までの車間距離および相対速度である。
【0086】
これらの時間tle、triが概略一致していると、自車が左の隣接車とすれ違うときに右の隣接車ともすれ違うことになる。すなわち、下記(29)式のように、tleとtriとの差が所定時間tc以内であれば自車が左の隣接車とすれ違うときに、右の隣接車ともすれ違うと判断することができる。
【0087】
【数25】
|tle−tri|≦tc …(29)
ここで、tcを左右の隣接車がすれ違うのに要する時間とすると、tcは左右の隣接車の相対速度L’le−L’riと1車両の全長Lwから、
【数26】
tc=2Lw/|L’le−L’ri| …(30)
次に、自車と先行車との車間距離が第1の目標車間距離に整定するまでに自車が左右の隣接車とすり抜けるかどうかを判断するために、自車が左右の隣接車とすれ違う時間と、自車と先行車との車間距離が第1の目標車間距離に整定するのにかかる時間とどちらが早いか比較する。ここで、自車と先行車との車間距離が第1の目標車間距離に整定する時間trは、自車が減速度αrで減速して相対速度L’がゼロになる時間であることから、
【数27】
tr=L’/αr …(31)
となる。trとtleとを比較してtle<tcであれば、自車と先行車との車間距離が第1の目標車間距離に整定するまでに自車が左右の隣接車とすり抜けると判断する。
【0088】
次に動作を説明する。
【0089】
図18に第2実施形態の全体の動作の流れを示す。このフローチャートで表されるルーチンは制御周期毎に実行されるが、上述した第1実施形態を異なる隣接車のすり抜け判定ルーチン(ステップ70乃至ステップ76)を主として説明する。
【0090】
まず、自車と先行車の車間距離を検出し(ステップS10)、車間距離の変化から相対速度を演算する(ステップS20)。また自車速度を検出し(ステップS30)、自車速度に応じて第1目標車間距離を演算する(ステップS40)。
【0091】
次に、自車線の左右の車線に隣接車がいるかどうかを認識し(ステップ50)、隣接車がいる場合には(ステップ60)、隣接車から自車までの車間距離を検出し(ステップ70)、この隣接車から自車までの車間距離から相対速度を演算する(ステップ75)。
【0092】
次に、左右の隣接車から自車までの車間距離と相対速度、先行車から自車までの車間距離と相対速度、及び第1の目標車間距離から、自車が左右の隣接車をすり抜けるか否かを予測する(ステップ76)。この予測は上述したすり抜け判定部7の処理にしたがって実行される。
【0093】
自車が左右の隣接車の間をすり抜ける状況があると予測されると、すり抜け防止のための第2の目標車間距離を演算し(ステップ100)、目標車間距離を第1の目標車間距離から第2の目標車間距離に変更する(ステップ110)。
【0094】
最後に、先行車と自車の車間距離を目標車間距離に制御するための目標車速を演算し(ステップS120)、車速を目標車速に制御するための目標駆動力を演算する(ステップS130)。そして、駆動力を目標駆動力に制御するためのスロットル開度、ブレーキ液圧を演算し(ステップS140)、スロットルアクチュエータ、ブレーキアクチュエータを駆動する(ステップS150)。
【0095】
このように、本例の車間距離制御装置によれば、自車が隣接車の間をすり抜けることが回避され、その結果、乗員が違和感を感じるのを防止することができることに加え、すり抜け状況の判定精度が高くなる。
【0096】
第3実施形態(請求項4)
図21は本発明の第3実施形態を示すブロック図である。本例は、上述した第1実施形態に対し、隣接車間隔検出部15が付加され、この隣接車間隔検出部15で検出された隣接車の間隔情報がすり抜け判定部7に入力される点が相違する。
【0097】
隣接車間隔検出部15は、車間距離検出部1で用いられているマルチビーム式又はスキャニング式のレーザレーダ等が兼用され、左側車線の隣接車と右側車線の隣接車との間隔を検出し、これをすり抜け判定部7へ送出する。間隔の検出処理にはマイクロコンピュータ等が用いられる。
【0098】
隣接車間隔検出部15は、隣接車認識部5によって認識された左右の隣接車の間隔を検出するが、図23に示すように、車間距離センサによる右側車線の隣接車の計測距離がLmri、左側車線の隣接車の計測距離がLmleであったとすると、右側隣接車と左側隣接車の間隔Wlrは、
【数28】
Wlr=Lmlr・sinθle+Lmri・sinθri …(32)
となる。ここで、θriは右側隣接車の計測ビームのうち一番左側のビームから自車の進行方向までの角度を表し、θleは左側隣接車の計測ビームのうち一番右側のビームから自車の進行方向までの角度を表す。以上により、左右の隣接車の間隔を検出することができる。
【0099】
次に動作を説明する。
【0100】
図22に第3実施形態の全体の動作の流れを示す。このフローチャートで表されるルーチンは制御周期毎に実行されるが、上述した第1実施形態を異なる隣接車のすり抜け判定ルーチン(ステップ70乃至ステップ86)を主として説明する。
【0101】
まず、自車と先行車の車間距離を検出し(ステップS10)、車間距離の変化から相対速度を演算する(ステップS20)。また自車速度を検出し(ステップS30)、自車速度に応じて第1目標車間距離を演算する(ステップS40)。
【0102】
次に、自車線の左右の車線に隣接車がいるかどうかを認識し(ステップ50)、隣接車がいる場合には(ステップ60)、隣接車から自車までの車間距離を検出する(ステップ70)。
【0103】
次に、左車線の隣接車と右車線の隣接車が並走しているか否かを隣接車から自車までの車間距離から判定する(ステップS80)。隣接車が並走している場合には、隣接車の間隔を検出し(ステップ85)、隣接車の間隔が所定値以下であるか否かを判定する(ステップ86)。なお、隣接車の間隔は上述した隣接車間隔検出部15の処理手順で実行される。ここで、隣接車の間隔が所定値以下であるときは、隣接車から先行車までの車間距離と第1の目標車間距離から、自車が左右の隣接車をすり抜けるか否かを予測する(ステップ90)。
【0104】
自車が左右の隣接車の間をすり抜ける状況があると予測されると、すり抜け防止のための第2の目標車間距離を演算し(ステップ100)、目標車間距離を第1の目標車間距離から第2の目標車間距離に変更する(ステップ110)。
【0105】
最後に、先行車と自車の車間距離を目標車間距離に制御するための目標車速を演算し(ステップS120)、車速を目標車速に制御するための目標駆動力を演算する(ステップS130)。そして、駆動力を目標駆動力に制御するためのスロットル開度、ブレーキ液圧を演算し(ステップS140)、スロットルアクチュエータ、ブレーキアクチュエータを駆動する(ステップS150)。
【0106】
このように、本例の車間距離制御装置によれば、自車が隣接車の間をすり抜けることが回避され、その結果、乗員が違和感を感じるのを防止することができることに加え、左右の隣接車同士の間隔に応じて、すり抜け状況が回避又は許可されるので、乗員が違和感を感じるようなすり抜けのみを回避することができる。
【0107】
第4実施形態(請求項7)
図1に示す構成の車間距離制御装置において、目標車間距離変更部8の処理を以下のように構成することもできる。
【0108】
すなわち、本例の目標車間距離変更部8は、自車が左右の隣接車の間をすり抜ける手前位置から先行車位置までの距離が、所定値以上長い場合には、目標車間距離を第1の目標車間距離から第2の目標車間距離に変更しない。つまり、下記(33)式のように、図7におけるLmnが所定値Lc以上か否かを判断し、Lmnが所定値Lc以上であるときは目標車間距離Lrを第1の目標車間距離Lr1から第2の目標車間距離Lr2に変更しない。
【0109】
【数29】
Lmn≧Lc …(33)
ここで、先行車と自車との間にもう一台の車両が走行するスペースを空けないように、たとえばLcは第1の目標車間距離Lr1の2倍に設定する。
【0110】
このように、本例の車間距離制御装置によれば、すり抜けを許可することで、後続車への迷惑を防止することができる。
【0111】
第5実施形態(請求項8)
また、図1に示す構成の車間距離制御装置において、目標車間距離変更部8の処理を以下のように構成することもできる。
【0112】
すなわち、本例の目標車間距離変更部8は、下記(34)式のように、第2の目標車間距離が所定値以上長く、目標車間距離が第1の目標車間距離から第2の目標車間距離に変更されてから所定時間が経過しても、自車が左右の隣接車の間をすり抜ける状況がなくならない場合には、目標車間距離を第2の目標車間距離Lr2から第1の目標車間距離Lr1に戻す。
【0113】
【数30】
Lr2≧Lc …(34)
このように、本例の車間距離制御装置によれば、すり抜けを許可することで、車間距離が開きすぎる状態が長く続くのを抑制することができ、後続車への迷惑を防止することができる。
【0114】
第6実施形態(請求項9)
図24は本発明の第6実施形態を示すブロック図である。本例は、上述した第1実施形態に対し、相対速度演算部3で求められた相対速度が目標車間距離変更部8にも入力される点が相違する。
【0115】
本例の目標車間距離変更部8は、先行車から自車までの車間距離を第2の目標車間距離に一致させるまでに自車が発生しなければならない減速度に応じて、目標車間距離を第1の目標車間距離から第2の目標車間距離に変更しない。
【0116】
すなわち、自車と先行車との車間距離Lが、第2の目標車間距離Lr2に整定するまでに自車が発生する減速度αr2は、車間距離L−Lr2つめる間に相対速度L’をゼロにするように自車が減速すると考えると、概略下記(35)式のようになる。
【0117】
【数31】
αr2=−L’/2(L−Lr2) …(35)
自車が発生する減速度αr2が所定値を超えると、目標車間距離変更部8は、目標車間距離Lrを第1の目標車間距離Lr1から第2の目標車間距離Lr2へ変更するのを止める。
【0118】
このように、本例の車間距離制御装置によれば、すり抜けを許可することで、自車の急減速を防止することができ、急減速による乗員の違和感の発生を回避することができる。
【0119】
第7実施形態(請求項10)
図24に示す構成の車間距離制御装置において、目標車間距離変更部8の処理を以下のように構成することもできる。
【0120】
すなわち、本例の車間距離変更部8は、自車と先行車との相対速度が概略ゼロであり、自車と先行車との車間距離が第1の目標車間距離に概略一致している場合は、目標車間距離を第1の目標車間距離から第2の目標車間距離へ変更しない。
【0121】
この場合、まず下記(36)式に示すように、相対速度L’が所定値Vc以下であるかどうかを判断し、さらに(37)式に示すように、自車と先行車との車間距離Lと第1の目標車間距離Lr1との差が所定値Lc1以下であるかどうかを判断することにより実行する。
【0122】
【数32】
L’≦Vc …(36)
|L−Lr1|≦Lc1 …(37)
ここで、Vc、Lc1は充分小さい値とする。
【0123】
これにより、自車が先行車に第1の目標車間距離Lr1を保って走行しているときは、すり抜けを許可することによってすり抜け時に乗員が感じる違和感よりも、先行車との車間距離が開くことと加減速によって感じる違和感の方を抑制することができる。
【0124】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態の制御手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明に係る車間距離検出手段を説明するための図である。
【図4】本発明に係る車間距離検出手段を説明するためのグラフである。
【図5】本発明に係る車間距離検出手段における隣接車の計測範囲の具体的な求め方を説明するための図である。
【図6】本発明に係る隣接車車間距離検出手段における検出方法を説明するための図である。
【図7】本発明に係るすり抜け判定手段の判定方法の一例を説明するための図である。
【図8】本発明に係る目標車間距離変更手段における変更方法を説明するための図である。
【図9】本発明に係る目標車間距離変更手段における変更方法を説明するための図である。
【図10】本発明に係る目標車間距離演算手段を示す制御ブロック図である。
【図11】本発明に係るすり抜け判定手段を示す制御ブロック図である。
【図12】本発明に係る目標車間距離変更手段を示す制御ブロック図である。
【図13】本発明に係る車間距離制御手段を示す制御ブロック図である。
【図14】本発明に係る車速制御手段を示す制御ブロック図である。
【図15】本発明に係る駆動力制御手段を示す制御ブロック図である。
【図16】本発明に係る駆動力制御手段にて用いられる制御マップである。
【図17】本発明の第2実施形態を示すブロック図である。
【図18】本発明の第2実施形態の制御手順を示すフローチャートである。
【図19】本発明の第2実施形態に係るすり抜け判定手段における判定方法を説明するための図である。
【図20】本発明の第2実施形態に係るすり抜け判定手段における判定方法を説明するための図である。
【図21】本発明の第3実施形態を示すブロック図である。
【図22】本発明の第3実施形態の制御手順を示すフローチャートである。
【図23】本発明の第3実施形態に係る隣接車間隔検出手段における検出方法を説明するための図である。
【図24】本発明の第6実施形態を示すブロック図である。
【図25】従来の車間距離制御装置の問題点を説明するための図である。
【図26】本発明の車間距離制御装置による制御方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1…車間距離検出部
2…車速検出部
3…相対速度演算部
4…目標車間距離演算部
5…隣接車認識部
6…隣接車車間距離検出部
7…すり抜け判定部
8…目標車間距離変更部
9…車間距離制御部
10…車速制御部
14…隣接車相対速度演算手段
15…隣接車間隔検出手段

Claims (10)

  1. 自車と先行車との車間距離を検出する車間距離検出手段と、
    自車の駆動力を制御して前記車間距離検出手段により検出された車間距離を第1の目標車間距離に制御する車間距離制御手段と、
    自車線の左右の車線を走行する隣接車を認識する隣接車認識手段と、
    自車が前記隣接車認識手段により認識された隣接車の間をすり抜ける状況が存在するか否かを判定するすり抜け判定手段と、
    自車が隣接車の間をすり抜ける状況が存在すると判定された場合に、第2の目標車間距離を、自車が隣接車の間をすり抜ける手前の位置から先行車位置までの距離以上に設定して、目標車間距離を第1の目標車間距離から第2の目標車間距離に変更する目標車間距離変更手段と、を備えた車間距離制御装置。
  2. 自車と前記隣接車認識手段により認識された隣接車との車間距離を検出する隣接車車間距離検出手段をさらに備え、
    前記すり抜け判定手段は、前記隣接車車間距離検出手段により検出された隣接車から自車までの車間距離に基づいて、当該隣接車が概略並走しているか否かを認識し、第1の目標車間距離が隣接車から先行車までの車間距離より小さい場合に、自車が隣接車の間をすり抜ける状況が存在すると判定する請求項1記載の車間距離制御装置。
  3. 自車と前記隣接車認識手段により認識された隣接車との車間距離を検出する隣接車車間距離検出手段と、
    自車と隣接車との相対速度を検出する隣接車相対速度検出手段と、
    自車と走行車との相対速度を検出する先行車相対速度検出手段とをさらに備え、
    前記すり抜け判定手段は、前記隣接車車間距離検出手段により検出された自車と隣接車との車間距離、前記隣接車相対速度検出手段により検出された自車と隣接車との相対速度、前記車間距離検出手段により検出された先行車との車間距離、前記先行車相対速度検出手段により検出された自車と先行車との相対速度および第1の目標車間距離に基づいて、自車が左右何れかの隣接車の隣に並ぶときに、自車が他方の隣接車とも同時に並走しているか否かを予測して、自車が隣接車の間をすり抜ける状況が発生するか否かを判定する請求項1記載の車間距離制御装置。
  4. 前記隣接車認識手段により認識された隣接車の間隔を検出する隣接車間隔検出手段をさらに備え、
    前記すり抜け判定手段は、前記隣接車間隔検出手段により検出された隣接車の間隔が所定距離より小さい場合に、自車が隣接車の間をすり抜ける状況が存在すると判定する請求項1〜3の何れかに記載の車間距離制御装置。
  5. 前記目標車間距離変更手段は、隣接車の後側方の死角に自車が位置しないように、自車が隣接車の間をすり抜ける手前の位置から先行車位置までの距離に所定距離を加えた距離を第2の目標車間距離とし、目標車間距離を第1の目標車間距離から当該第2の目標車間距離に変更する請求項1〜4の何れかに記載の車間距離制御装置。
  6. 前記目標車間距離変更手段は、前記隣接車車間距離検出手段の検出範囲から隣接車が外れないように、前記隣接車車間距離検出手段の検出範囲に応じて第2の目標車間距離を算出し、目標車間距離を第1の目標車間距離から当該第2の目標車間距離に変更する請求項2〜4の何れかに記載の車間距離制御装置。
  7. 前記目標車間距離変更手段は、自車が隣接車の間をすり抜ける手前位置から先行車位置までの距離が所定値より大きい場合に、目標車間距離を第1の目標車間距離から第2の目標車間距離に変更しない請求項1〜6の何れかに記載の車間距離制御装置。
  8. 前記目標車間距離変更手段は、第2の目標車間距離が所定値より大きく、目標車間距離が第1の目標車間距離から第2の目標車間距離に変更されてから所定時間が経過しても自車が隣接車の間をすり抜ける状況がなくならない場合には、目標車間距離を第1の目標車間距離に戻す請求項1〜7の何れかに記載の車間距離制御装置。
  9. 前記目標車間距離変更手段は、先行車から自車までの車間距離を第2の目標車間距離に一致させるまでに自車が発生しなければならない減速度に応じて、目標車間距離を第1の目標車間距離から第2の目標車間距離に変更しない請求項1〜6の何れかに記載の車間距離制御装置。
  10. 前記目標車間距離変更手段は、自車と先行車との相対速度がほぼゼロであり、自車と先行車との車間距離が第1の目標車間距離にほぼ一致している場合は、目標車間距離を第1の目標車間距離から第2の目標車間距離に変更しない請求項1〜6の何れかに記載の車間距離制御装置。
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