JP4431032B2 - 冷却水供給装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シリンダヘッド内に形成されたウォータジャケットに冷却水を供給しこのシリンダヘッドを冷却する冷却水供給装置に関する。
エンジンにより効率良く動力を発生させる場合、シリンダヘッドとシリンダブロックとの温度を各々設定することが好ましい場合がある。この場合、クランクケースの側面にラジエタが配置され、さらに、サーモスタットがシリンダヘッドの側方に配置されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−172143号公報
しかしながら、このような構成によると、シリンダヘッドからラジエタまでの距離が離れているため、冷却水流路(冷却水パイプ)が長くなってしまう。また、ラジエタは、側面視では交流発電機(ACG)を覆っているのみであり、その他の部品を覆う構造ではない。そのため、ラジエタとエンジンとの間にデッドスペースが生じてしまうという課題があった。さらに、サーモスタットがシリンダヘッドに配置されているため、多くの部品が配置されるシリンダ周りが更に大型化するという課題があった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、シリンダヘッド周りのスペースを確保しつつ、ラジエタとエンジンとの間のデッドスペースを有効活用した冷却水供給装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る冷却水供給装置は、エンジン内に形成されたウォータジャケットにこのエンジンを冷却する冷却水を供給するものであり、エンジンにより回転駆動されるクランクシャフトを支持するクランクケースと、クランクケースの側面に配設され、クランクシャフトからの駆動力により駆動され、冷却水を加圧して吐出する冷却水ポンプと、クランクケースの側部に配設され冷却水の放熱を行うラジエタと、ラジエタおよび冷却水ポンプの間の経路に配設され、冷却水の温度が所定値より大きいときはラジエタに冷却水を流し、所定の値以下のときはラジエタをバイパスさせるサーモスタットと、サーモスタットを覆うサーモスタットカバーとを有し、サーモスタットカバーは、冷却水ポンプを格納するハウジングと一体に構成され、サーモスタットは、冷却水ポンプおよびラジエタの間の空間における、側面視でラジエタの下端に配設され、サーモスタットの内部に弁体が設けられ、当該弁体にて内部を第1サーモスタット室と第2サーモスタット室とに開閉自在に仕切るとともに、第1および第2サーモスタット室のそれぞれに連結され、内部に冷却水を流入させる第1導入部および第2導入部が設けられ、第1サーモスタット室とラジエタをバイパスした冷却水が流れるバイパス通路とが第1導入部を介して連通され、第2サーモスタット室とラジエタの下端とが第2導入部を介して連通されたことを特徴とする。
発明に係る冷却水供給装置は、クランクシャフトが、その軸線が車体左右方向に指向して配置され、クランクシャフトの端部にラジエタを冷却するラジエタファンを有し、ラジエタファンに対向する位置にラジエタが設けられ、車両の左右方向側面視において、サーモスタットがラジエタファンの前方で、且つ、下方に配設されることが好ましい。
また、本発明に係る冷却水供給装置は、ラジエタを覆うラジエタカバーを有し、サーモスタットカバーに、ラジエタをバイパスした冷却水が流れるバイパス通路が連結される冷却水パイプジョイントが形成され、こ冷却水パイプジョイントがラジエタファンの周方向に沿うように配置され、冷却水パイプジョイントの少なくとも一部が、側面視において、ラジエタカバーに覆われことが好ましい
このとき、側面視において、ラジエタとサーモスタットカバーの少なくとも一部が重なるように配設されてラジエタのサーモスタットカバーと重なる位置に、冷却水を排出する排出孔が形成され、サーモスタットとラジエタとの間で挟持され、この排出孔とサーモスタットカバー内とを連結する連結パイプを有することが好ましい。
なお、本発明に係る冷却水供給装置において、第1導入部は、鉛直方向で第1サーモスタット室の上端と同一高さ以上に位置し、第2サーモスタット室は、排出孔の上端の高さ位置よりも下方に配置されることが好ましい。
発明に係る冷却水供給装置を以上のように構成すると、ラジエタとクランクケースに配設された冷却水ポンプとの間にサーモスタットを配設しているため、ラジエタとクランクケースとの間のデッドスペースを有効利用することができる。また、サーモスタットの内部を弁体にて開閉自在に仕切り、この弁体に仕切られた第1および第2サーモスタット室に第1および第2導入部が連通するように構成し、サーモスタットが冷却ポンプに冷却水を流す冷却水流路の一部となるため、冷却水が流れる冷却水パイプを短くすることができる。また、このとき、サーモスタットをラジエタファンの前方で、且つ、下方に配設することにより、さらにデッドスペースを有効利用することができる。
また、本発明に係る冷却水供給装置を以上のように構成すると、サーモスタットカバーから突出して形成された冷却水パイプジョイントをラジエタカバーで保護することができる。このとき、ラジエタのサーモスタットカバーと重なる位置に排出孔を形成することによりラジエタとサーモスタットとの距離を短くすることができるとともに、連結パイプをラジエタカバーで保護することができる。
このとき、第1導入部は、鉛直方向で第1サーモスタット室の上端と同一高さ以上に位置し、第2サーモスタット室は、排出孔の上端の高さ位置よりも下方に配置されるように構成することにより、内部に滞留したエアを抜くための特別な構造を設けなくても、第1および第2サーモスタット室内にエアを滞留させにくくすることができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。まず、図1を用いて本発明に係る冷却水供給装置が搭載されるスクータ型車両1について説明する。スクータ型車両1は、車体フレーム2を有しており、この車体フレーム2は、その前部に位置し、上下方向に延びるヘッドパイプ3と、ヘッドパイプ3から下方に延びるダウンフレーム4と、ダウンフレーム4の略中央部から、下方そして後方更に後方斜め上方に延びる左右一対のサイドフレーム5と、これらのサイドフレーム5にサイドプレート6を介して取り付けた円弧状の湾曲フレーム7とから構成される。
ヘッドパイプ3には、図示しないステアリングシャフトが回転自在に取り付けられており、このステアリングシャフトの下端にフロントフォーク8が取り付けられている。そして、このフロントフォーク8の下端に前輪9が支承されている。一方、ステアリングシャフトの上端にはハンドルポスト10が取り付けられており、さらにこのハンドルポスト10の上端にハンドル11が取り付けられ、ハンドル11を操作して、前輪9を操舵可能に構成されている。また、ヘッドパイプ3から前方に延びるように上部ステー12及び下部ステー13が取り付けられており、これらの上部及び下部ステー12,13の前端に前かご14が取り付けられている。
一対のサイドフレーム5の下部で、この一対のサイドフレーム5の間には、燃料タンク15が取り付けられている。この燃料タンク15の後方に位置する湾曲フレーム7の後端にパワーユニット16の前端に形成されたリンク取付部48が上下にスイング自在に取り付けられるとともに、いずれか一方のサイドフレーム5の後端にリヤクッションユニット17を介してパワーユニット16の後端が取り付けられている。ここで、燃料タンク15には、内部に転倒センサを備える燃料ポンプ18が設けられており、上部に設けられた給油口(キャップ)19から燃料が供給可能に構成されている。また、パワーユニット16は、エンジン50、変速機90、スロットルボディ21、エアクリーナ22、エンジン50から後方に延ばされた排気管23、及び、この排気管23の後端に接続されたマフラ24から構成される。そして、このパワーユニット16の後端には後輪25が取り付けられており、パワーユニット16により後輪25が駆動されて、スクータ型車両1が動力を得て走行可能に構成されている。
サイドフレーム5の後部にはラゲッジボックス26及びグラブレール20が取り付けられている。ラゲッジボックス26は、その前部がサイドフレーム5に取り付けられた前側クロスパイプ27で前側プレート28を介して支持され、後部がサイドフレーム5に取り付けられた門形フレーム29で支持される。また、グラブレール20は、サイドフレーム5から上方に延びた後部ステー30で支持される。なお、ヘルメット31,32は、ラゲッジボックス26内に納められた状態を表している。また、グラブレール20の後部には、後部収納ボックス33が取り付けられる。
このように構成されたスクータ型車両1は、車体前部上部がフロントカバー34で覆われ、このフロントカバー34の側部下方に左右のフロントサイドカバー35が取り付けられる。このフロントサイドカバー35には図示しないターンシグナルランプが取り付けられる。フロントカバー34の後部にはフロントインナカバー36が取り付けられ、運転者及び同乗者が足を載せるステップフロア37の側部がサイドカバー及びアンダーカバー38で覆われる。また、ラゲッジボックス26の上部にはシート39が取り付けられ、シート39の下方の周囲がボディカバー及びボディサイドカバー40で覆われる。さらに、フロントカバー34の上部には、ハンドル11を覆うハンドルカバー42が取り付けられ、このハンドルカバー42にはヘッドランプ43が取り付けられている。また、前輪9の上方を覆うようにフロントフェンダ44が取り付けられ、後輪25の上方を覆うようにリヤフェンダ45が取り付けられている。
なお、グラブレール20の下方にはテールランプ46が配置されており、フロントカバー34とフロントインナカバー36の間にはバッテリ41が格納されている。
次に、パワーユニット16の詳細について図2〜図5を用いて説明する。尚、本実施例においては、図2における矢印Fの方向を前方とし、図3における矢印Uの方向を上方とする。パワーユニット16を構成するエンジン50は、シリンダヘッドカバー51、シリンダヘッド52、シリンダブロック53、及び、クランクケース54から構成されている。シリンダブロック53内にはめ込まれたシリンダスリーブ55に囲まれて形成されたシリンダ室55aには上下に摺動自在にピストン56が配設されており、このピストン56は、コンロッド57を介してクランクケース54内に回転自在に保持されるクランクシャフト58に接続されている。シリンダブロック53(シリンダスリーブ55)、シリンダヘッド52及びピストン56で形成される燃焼室59には、吸気口及び排気口を介して、それぞれ吸気ポート60及び排気ポート61が連通している。そして、茸形状の吸気バルブ62及び茸形状の排気バルブ63は、一端が弁軸に取り付けられてリテーナに支持され、他端がシリンダヘッド52に支持されるバルブスプリング64,65により、それぞれ吸気口及び排気口を常時閉じる方向に付勢されている。
さらに、シリンダヘッド52には、吸気バルブ62及び排気バルブ63を開閉作動させるためのカムシャフト66が回転自在に配設されており、このカムシャフト66が有するカムドリブンスプロケット67とクランクシャフト58に配設されたカムドライブスプロケット68にタイミングチェーン69が巻き掛けられている。そのため、クランクシャフト58の回転に合わせてカムシャフト66が回転し、このカムシャフト66に形成されたカム70,71がロッカーアーム72,73を介して吸気バルブ62及び排気バルブ63を押し下げることにより、吸気口及び排気口を開閉する。また、吸気ポート60には、インジェクタ74が設けられており、このインジェクタ74により燃料が吸気ポート60内に微粒子化されて噴射される。さらに、シリンダヘッド52には点火プラグ75が取り付けられている。
なお、シリンダブロック53の側部には、タイミングチェーン69の張力を調整してカム70,71により吸気バルブ62及び排気バルブ63を開閉するタイミングを調整するためのカムチェーンテンショナ84が取り付けられている。
このようにして構成されたエンジン50において、エアクリーナ22で清浄にされた空気とインジェクタ74により噴射された燃料の混合気が吸気ポート60から燃焼室59に供給され、ピストン56で圧縮された後に点火プラグ75で点火されて燃焼し、ピストン56を介してクランクシャフト58を回転させるエネルギーとなり、その後、排気ガスとして排気ポート61から外部に排出される。
クランクシャフト58は、右クランクシャフト半体58aと左クランクシャフト半体58bとから構成されており、両クランクシャフト半体58a,58bを繋いで配設されたクランクピン76を介して、コンロッド57が接続されている。また、クランクシャフト58を格納するクランクケース54は、右ケース半体54a及び左ケース半体54bから構成されており、クランクシャフト58の一端(右クランクシャフト半体58aのジャーナル部)がベアリング77を介して右ケース半体54aに支持され、他端(左クランクシャフト半体58bのジャーナル部)がベアリング78を介して左ケース半体54bに支持されている。また、右クランクシャフト半体58aのジャーナル部の先端部には、ACG79及びラジエタファン85が配設されている。
左ケース半体54bの左側部は、後方に延びて変速機ケース80の一部を構成しておりこの左ケース半体54bの左側面に取り付けられる変速機カバー81に囲まれる変速機室82に変速機90が格納されている。変速機90は、変速機室82内に延びる左クランクシャフト半体58bのジャーナル部の先端部に取り付けられて一体に回転するドライブプーリ91、変速機室80の後方に位置してクランクシャフト58と平行に延びて回転可能に取り付けられたカウンタシャフト92、カウンタシャフト92の略中央部にこのカウンタシャフト92に対して相対回転可能に取り付けられたドリブンプーリ93、カウンタシャフト92の左端に取り付けられてドリブンプーリ93とカウンタシャフト92とを係脱するクラッチ94、及び、ドライブプーリ91及びドリブンプーリ93に巻き掛けられてドライブプーリ91の回転をドリブンプーリ93に伝達する図示しない変速機ベルトから構成される。
ドライブプーリ91は、クランクシャフト58の上に一体回転可能なように取り付けられた固定プーリ半体91aと、この固定プーリ半体91aに対して軸方向に相対移動可能で且つクランクシャフト58と一体回転可能な可動プーリ半体91bとから構成され、変速機ベルトはこれらの固定プーリ半体91a及び可動プーリ半体91bに挟持される。一方、ドリブンプーリ93は、カウンタシャフト92に相対回転可能に取り付けられた固定プーリ半体93aと、固定プーリ半体93aに対して軸方向に相対移動可能で且つカウンタシャフト92に対して相対回転可能な可動プーリ半体93bとから構成され、変速機ベルトはこれらの固定プーリ半体93a及び可動プーリ半体93bに挟持される。そのため、ドライブプーリ91及びドリブンプーリ93のプーリ幅を可変設定することにより、変速機ベルトの両プーリ91,93に対する巻き掛け半径を連続的に変化させて変速比を無段階に(連続的に)制御することができる。
カウンタシャフト92と平行に、アイドルシャフト95及び後輪25が取り付けられた後輪シャフト96が回転可能に取り付けられており、カウンタシャフト92、アイドルシャフト95及び後輪シャフト96に取り付けられたギア列を介してカウンタシャフト92の回転駆動力が後輪25に伝達される。このように、エンジン50の出力がクランクシャフト58に伝達され、変速機90により変速された後、後輪25に伝達される。
なお、このようなパワーユニット16を作動させると、発熱するため各部を冷却する必要がある。そのため、シリンダヘッド52に対しては、内部に冷却水を流して冷却するウォータジャケット122を形成して、この冷却水により冷却し、シリンダブロック53に対しては、側部で外方に突出する複数の冷却フィン86を形成して、この冷却フィン86からシリンダブロック53で発生した熱を放出させ、また、変速機ケース80に対しては、この変速ケース80の前部に、前方に延びて変速機室82内に外気を取入れる冷却風導入通路83を設けて冷却するように構成されている。
それでは、以上のように構成されたスクータ型車両1に用いられる冷却水供給装置120について図6〜図10を合わせて用いて説明する。この冷却水供給装置120は、シリンダヘッド52に形成されたウォータジャケット122内に冷却水を供給してこのシリンダヘッド52を冷却するものであり、冷却水を加圧して吐出する冷却水ポンプ125、ウォータジャケット122で冷却に用いられた冷却水を回収して放熱させるラジエタ129、及び、冷却水の温度が所定の値以下のときに、ラジエタ129で放熱させずにウォータジャケット122に戻すサーモスタット130から構成される。
冷却水ポンプ125は、右クランクシャフト半体58aと略平行に延びるポンプシャフト132の一端に取り付けられ、このポンプシャフト132により回動されることにより冷却水を加圧する羽根車131を有しており、このポンプシャフト132の他端にはポンプドリブンスプロケット133が取り付けられている。また、ポンプシャフト132と右クランクシャフト半体58aとの間には、これらのシャフト58a,132と略平行に延びるポンプアイドルシャフト134が設けられている。このポンプアイドルシャフト134には、右クランクシャフト半体58aに結合されたポンプドライブギヤ135と噛合するポンプドリブンギヤ136が取り付けられており、また、それと並んで、ポンプドライブスプロケット137が取り付けられている。そして、ポンプドライブスプロケット137とポンプドリブンスプロケット133とにポンプチェーン138が巻き掛けられている。これにより、エンジン50が駆動することによる右クランクシャフト半体58aの回転が、ポンプドライブギヤ135及びポンプドリブンギヤ136を介してポンプアイドルシャフト134に伝達され、その回転が、ポンプドライブスプロケット137からポンプチェーン138を介してポンプドリブンスプロケット133に伝わってポンプシャフト132が回転して、冷却水がこの冷却水ポンプ125の吐出口126から加圧・吐出される。
シリンダヘッド52に形成された燃焼室59の前方には、この燃焼室59を覆うように形成された空間であるウォータジャケット122が設けられている。また、シリンダヘッド52は、このウォータジャケット122の上方後部に、外部とウォータジャケット122に連通して冷却水を外部に排出する冷却水導出通路121aが形成された冷却水導出部121を有している。また、シリンダヘッド52には、ウォータジャケット122の下部後方に隣接して形成された冷却水導入空間123を有しており、この冷却水導入空間123は、シリンダヘッド52の下方の後側面において開口し、ウォータジャケット122と連通している。
一方、シリンダブロック53の前部の下側面には、下方に突出する冷却水導入部128が形成されており、この冷却水導入部128には、側方に開口した導入口128aを有し側方に延びる第1通路140a、及び、この第1通路140aに連通して前方に延びる第2通路140bが形成されている(以下、第1及び第2通路140a,140bを合わせて「冷却水導入通路140」と呼ぶ)。この第2通路140bはシリンダブロック53の前端面において開口した導出口128bを有しており、このシリンダブロック53にシリンダヘッド52が取り付けられたときに、第2通路140bの開口部(導出口128b)とシリンダヘッド52の冷却水導入空間123の開口部とが連通して、冷却水導入通路140がウォータジャケット122に連通するように構成されている。また、冷却水ポンプ125の吐出口126と、シリンダブロック53に形成された冷却水導入部128とは近接して配設されており、これらが冷却水供給管127により接続される。
サーモスタット130は、第1導入部141及び第2導入部142を有しており、これらの第1および第2導入部141,142から流入する冷却水の温度により、所定の温度以下のときは、第2導入部142を閉じて第1導入部141から導出部143へ冷却水を排出するように構成され、所定の温度より高いときは、第1導入部141を閉じて第2導入部142から導出部143へ冷却水を排出するように構成されている。また、サーモスタット130の内部には、側面視で軸線が前方へ傾斜した弁体154が備えられ、サーモスタット130の内部は、この弁体154によって第1導入部141と連通した第1サーモスタット室S1と、第2導入部142と連通した第2サーモスタット室S2とに仕切られている。
シリンダヘッド52に形成された冷却水導出部121には、第1冷却水パイプ144が接続されており、この第1冷却水パイプ144は、分岐部145で第2冷却水パイプ146aと第3冷却水パイプ146bとに分岐する。第2冷却水パイプ146aは、ラジエタ129の吸入孔147に接続され、第3冷却水パイプ146bは、サーモスタット130の第1導入部141に接続される。一方、サーモスタット130の第2導入部142は、近傍に配設されたラジエタ129の排出孔148に剛体の連結パイプ149を介して接続されている。この分岐部145には、第1〜第3冷却水パイプ144,146a,146bを取り付けたときの位置決めをする位置決め部145aが形成されている。
なお、サーモスタット130を格納するハウジング(サーモスタットカバー130a)は冷却水ポンプ125を格納するハウジングと一体に構成されており、サーモスタット130の導出部143と、冷却水ポンプ125の吸入口150とは直接接続されている。そのため、サーモスタット130は、冷却水ポンプ125の吸入口150に冷却水を送る冷却水流路の一部を構成しており、冷却水の流れる流路を短くし、全体としてコンパクト化することができる。また、連結パイプ149でラジエタ129とサーモスタット130を接続するように構成することにより、パワーユニット16の組み立て性を向上させることができる。
以上のように構成された冷却水供給装置120によれば、冷却水ポンプ125から吐出された冷却水は、シリンダブロック53に形成された冷却水導入部128の冷却水導入通路140を通ってウォータジャケット122に流入する。そしてシリンダヘッド52を冷却して冷却水導出部121から外部に排出される。この排出された冷却水は、ラジエタ129の吸入孔147若しくはサーモスタット130の第1導入部141に流入するが、この冷却水の温度が所定の値以下の場合は、サーモスタット130により第2導入部142が閉じられるため、ラジエタ129を通らずに冷却水ポンプ125に戻り、冷却水の温度が所定の値より高い場合は、サーモスタット130により第1導入部141が閉じられてラジエタ129を経由して放熱された後、第2導入部142から冷却水ポンプ125に戻って循環する。
このように、シリンダヘッド52を冷却するための冷却水の取入れ口(冷却水導入部128)は、シリンダヘッド52に形成されるのではなく、シリンダブロック53に形成されているため、シリンダヘッド52周りの設計自由度を向上させるとともに、シリンダブロック53周りのデッドスペースを有効利用することができる。なお、図4等からも明らかなように、この冷却水導入部128は、シリンダブロック53の前端部、すなわち、シリンダヘッド52の近傍に設けられているため、全体として冷却水導入通路140を短縮できるので、軽量化することができ、且つ、製造コストを安くすることができる。また、シリンダブロック53における冷却水導入通路140の加工も容易になる。
なお、このような冷却水供給装置120は、パワーユニット16の右側部に集中して配置されており、ラジエタ129は右クランクケース半体54aの右端部に取り付けられたラジエタカバー152およびラジエタアウターカバー153に格納されている。このとき、ラジエタ129はラジエタファン85よりも車体外方に配置されており、サーモスタット130は側面視でラジエタ129の前方で、かつ、下方に配置され、また、冷却水ポンプ125及びサーモスタット130とラジエタ129(ラジエタカバー152)の一部が、側面視において重なるように配設されている。
そのため、クランクケース54の側部で、クランクシャフト58に近い位置に冷却水ポンプ125を配置することができるため、クランクシャフト58の駆動力の利用が容易になる。また、ラジエタ129(ラジエタカバー152)とシリンダブロック53またはクランクケース54との間に形成された空間に冷却水ポンプ125とサーモスタット130を配置することができるので、デッドスペースを有効に活用し、全体をコンパクトにすることができる。同様に、サーモスタット130(サーモスタットカバー130a)は、シリンダブロック53とリンク取付部48との間に配置することにより、スペース効率を向上させることができる。さらに、サーモスタット130をラジエタ129の下方に配置することにより、このサーモスタット130にエア(気泡)を滞留させにくくすることができる。さらに、排出口148の上端から水平方向に延ばしたラインL1よりも下方に第1導入部142に連通した第2サーモスタット室S2が配置されているため、第2サーモスタット室S2にエア(気泡)を滞留させにくくすることができる。そして、図7に示すように、第1導入部141は、鉛直方向で、第1サーモスタット室S 1 の上端と同一高さ以上に位置しているため、第1サーモスタット室S 1 にエア(気泡)を滞留させにくくすることもできる。さらに、サーモスタット130の軸線L2を鉛直方向に対して傾斜させることにより、サーモスタット130の高さを短縮できるとともに、サーモスタット130の内部にエアが滞留する位置を任意に決定でき、その位置にエアを抜くための通路を設けて効率よくエア抜きを行うことができる。
また、冷却水供給装置120をパワーユニット16の右側部に集中して配置することにより、冷却水パイプ(第1〜第3冷却水パイプ144,146a,146b)も右側部に集中して配置される。さらに、図11に示すようにこれらの冷却水パイプおよび冷却水が流出入する冷却水導出部121、吸入孔147、排出孔148、および、冷却水導入部128は側面視において梯子形状となっているため、冷却水パイプの組み立て、保守が容易となる。また、このような構成とすることにより、冷却水がラジエタ129を通らずに循環するためのバイパス流路(第3冷却水パイプ146b)の長さを短縮することができる。
このとき、分岐部145で分岐した第3冷却水パイプ146bは、略鉛直下方に延びてサーモスタットカバー130aに形成された冷却水パイプジョイント141a(第1導入部141)に接続されるため、第3冷却水パイプ146bおよびサーモスタットカバー130aから外部に突出した冷却水パイプジョイント141aの少なくとも一部が、側面視において、ラジエタカバー152に覆われて保護される。同様に、ラジエタ129の排出孔148とサーモスタット130の第2導入部142が側面視において重なる位置に形成されているため、これらを繋ぐ連結パイプ149をラジエタカバー152で保護することができる。
ところで、本実施例に示すエンジン50においては、上述の冷却水供給装置120以外にも、排気ポート61内の排気ガスの酸素濃度を検出するO2センサ116や、ウォータジャケット122内の冷却水の温度を測定する水温センサ119がシリンダヘッド52に取り付けられているが、これらのセンサ116,119を取り付けるO2センサ取付孔116aおよび水温センサ取付孔119aは、冷却水導出部121と同様にパワーユニット16の右側部に形成されている。また、これらの取付孔116a,119aの軸線は、冷却水導出通路121aの軸線と略平行に配置されているため、図5に示すように、冷却水導出部121、O2センサ116、および、水温センサ119は略平行に延びる。そのため、これらのセンサ116,119の取り付けや、冷却水導出部121に第1冷却水パイプ144等を取り付けるときは、エンジン50の一方側(右側)から作業できるため取り付け作業が容易となる。
本発明に係る冷却水供給装置が取り付けられるスクータ型車両の側面図である。 パワーユニットの平面図である。 パワーユニットの左側面図である。 パワーユニットの右側面図である。 シリンダヘッドの断面図である。 冷却水供給装置を含む要部の側断面図である。 冷却水供給装置を含む要部の平断面図である。 冷却水供給装置を含むパワーユニットの要部の断面図である。 シリンダブロックの要部の断面図である。 パワーユニットの正面図である。 冷却水流路の構成を示す説明図である。
符号の説明
50 エンジン
54 クランクケース
58 クランクシャフト
85 ラジエタファン
120 冷却水供給装置
122 ウォータジャケット
125 冷却水ポンプ
129 ラジエタ
130 サーモスタット
130a サーモスタットカバー
141a 冷却水パイプジョイント
148 排出孔
149 連結パイプ
152 ラジエタカバー
154 弁体
1 第1サーモスタット室
2 第2サーモスタット室

Claims (5)

  1. エンジン内に形成されたウォータジャケットに、前記エンジンを冷却する冷却水を供給する冷却水供給装置であって、
    前記エンジンにより回転駆動されるクランクシャフトを支持するクランクケースと、
    前記クランクケースの側面に配設され、前記クランクシャフトからの駆動力により駆動され、前記冷却水を加圧して吐出する冷却水ポンプと、
    前記クランクケースの側部に配設され前記冷却水の放熱を行うラジエタと、
    前記ラジエタおよび前記冷却水ポンプの間の経路に配設され、前記冷却水の温度が所定の値より大きいときは前記ラジエタに前記冷却水を流し、所定の値以下のときは前記ラジエタをバイパスさせるサーモスタットと
    前記サーモスタットを覆うサーモスタットカバーとを有し、
    前記サーモスタットカバーは、前記冷却水ポンプを格納するハウジングと一体に構成され、
    前記サーモスタットは、前記冷却水ポンプおよび前記ラジエタの間の空間における、側面視で前記ラジエタの下端に配設され、
    前記サーモスタットの内部に弁体が設けられ、前記弁体にて前記内部を第1サーモスタット室と第2サーモスタット室とに開閉自在に仕切るとともに、前記第1および第2サーモスタット室のそれぞれに連結され、前記内部に冷却水を流入させる第1導入部および第2導入部が設けられ、
    前記第1サーモスタット室と前記ラジエタをバイパスした冷却水が流れるバイパス通路とが前記第1導入部を介して連通され、前記第2サーモスタット室と前記ラジエタの下端とが前記第2導入部を介して連通されたことを特徴とする冷却水供給装置。
  2. 前記クランクシャフトは、その軸線が車体左右方向に指向して配置され、
    前記クランクシャフトの端部に前記ラジエタを冷却するラジエタファンを有し、
    前記ラジエタファンに対向する位置に前記ラジエタが設けられ、車両の左右方向側面視において、前記サーモスタットが、前記ラジエタファンの前方で、且つ、下方に配設されることを特徴とする請求項1に記載の冷却水供給装置。
  3. 記ラジエタを覆うラジエタカバーを有し、
    前記サーモスタットカバーに、前記ラジエタをバイパスした冷却水が流れるバイパス通路が連結される冷却水パイプジョイントが形成され、
    前記冷却水パイプジョイントが前記ラジエタファンの周方向に沿うように配置され、前記冷却水パイプジョイントの少なくとも一部が、側面視において、前記ラジエタカバーに覆われることを特徴とする請求項2に記載の冷却水供給装置。
  4. 側面視において、前記ラジエタと前記サーモスタットカバーの少なくとも一部が重なるように配設されて、前記ラジエタの前記サーモスタットカバーと重なる位置に、前記冷却水を排出する排出孔が形成され、
    前記サーモスタットと前記ラジエタとの間で挟持され、前記排出孔と前記サーモスタットカバー内とを連結する連結パイプを有することを特徴とする請求項3に記載の冷却水供給装置。
  5. 前記第1導入部は、鉛直方向で前記第1サーモスタット室の上端と同一高さ以上に位置し、前記第2サーモスタット室は、前記排出孔の上端の高さ位置よりも下方に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の冷却水供給装置。
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