JP4430754B2 - パチンコ機の玉整列レール装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機における玉タンクと玉払出装置の間に配設される玉整列レール装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ機の裏面上部には、図4に例示するように、賞玉および貸玉を遊技者に供給するための装置として箱型の玉タンク11、玉整列レール装置13および玉計数装置14などが配置されている。玉計数装置14は、賞玉および貸玉を別個に管理する必要があることから、玉が1個ずつ連続した玉の流れとなる専用の2本の通路が隣接して配置されているのが普通である。そして、遊技者が玉を消費したり、また貸玉を要求したりしたときには、玉計数装置14の下方の払出装置から所定数が送りだされる。この玉の送り出しに伴い、玉タンク11に貯留されている玉は、開口部12を通じて自重によって下方の玉整列レール装置13に流入し、玉の流れは整流され、最終的には1個ずつ連続した玉の流れ、すなわち1段1列の玉列に整列して、次の玉計数装置14に順次供給されて補充されるよう構成されている。
【0003】
このような従来の玉供給装置では、メカニズムや遊技者の要求に迅速に応えて賞玉および貸玉を供給する必要があるので、玉タンク11から玉整列レール装置13、玉計数装置14などにおける玉の流れは停滞することなく円滑に流動することが重要である。しかし、特に、玉整列レール装置13においては、玉タンク11の比較的大きな開口部12から流入してくる大量の不規則な玉群の流れを最終的には1段1列の玉列に整列するに際して、玉列の通路を左右上下方向から規制して流れを狭めるように誘導しているので、玉の流れがブリッジ現象によって停滞を惹起しやすい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、玉整列レール装置における玉の閉塞やブリッジを引き起こし易い部位の玉の流れを円滑にして、遅滞なく玉を玉払出装置に供給できるパチンコ機の玉整列レール装置を提供する。また、賞玉と貸玉に区分された玉払出装置にも、それぞれに同時に玉を供給できる玉整列レール装置を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の問題は、玉タンクから流入した複数列および複数段の玉の流れを単数の玉列に整列させる上流側整列部と、複数段の玉の流れを単数段の玉列に整列させて玉払出装置へ供給する下流側整列部を有する溝状レールを備えたパチンコ機の玉整列レール装置において、
その上流側整列部における溝状レールは、主流と副流の2列の玉列を収容可能な幅員に形成され、その主流玉列の底面全体を下流方向に下り傾斜面に形成し、かつ、副流玉列の底面全体を主流側に傾斜させるとともに、その副流玉列の底面前半部分は下流方向に下り傾斜面に、後半部分は逆に上り傾斜面に形成し、
この上流側整列部における溝状レールの下流終端付近の副流玉列の側壁を主流側に屈曲させて副流玉列を主流玉列に合流させるようにしたうえに、さらに、上流側整列部の副流球列を主流球列に合流させる部分から下流の下流側整列部に蓋体を設けて、この蓋体により3段に積み重なった球列を一段に整列させて通過させるようにしたことを特徴とするパチンコ機の球整列レール装置によって解決することができる。この発明は、前記の上流側整列部を有する溝状レールを中央隔壁を介して左右対称に並設した形態に具体化することができる。
【0006】
【0007】
【0008】
上記した発明によれば、玉整列レール装置における玉の受入れ側に当たる上流側整列部における溝状レールの構造を、a)主流と副流の2列の玉列を収容可能な幅員に形成する、b)主流玉列の底面全体を下流方向に下り傾斜面に形成し、かつ、副流玉列の底面全体を高さを主流玉列の底面より高く設定し、かつ主流側に傾斜させるとともに、その副流玉列の底面前半部分は下流方向に下り傾斜面に、後半部分は逆に上り傾斜面に形成する、c)この上流側整列部における溝状レールの下流終端付近の副流玉列の側壁を主流側に屈曲させて副流玉列を主流玉列に合流させるようにした、という構成とすることにより、上方から流入する不規則な玉群を、前半部分で効果的に2列の玉列に整列させ、後半部分で2列を1列に玉列に合流させることができるのである。
【0009】
【0010】
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の玉整列レール装置に係る実施形態について、図1(縦断面図A、横断面図B)、図2(斜視図)、図3(部分断面図X、Y、Z面)を参照しながら説明する。
先ず、第1の発明の実施形態を説明する。
本発明のパチンコ機の玉整列レール装置は、図2に示すように、上方に設置した玉タンク(図示せず)から流入した複数列および複数段の入り組んだ不規則な玉の流れを単数の玉列に整列させる上流側整列部2と、この上流側整列部2で整流された複数段の玉の流れを単数段の玉列に整列させて玉払出装置へ供給する下流側整列部7を有する溝状レールを備えるのを基本構造としている。
【0012】
この玉整列レール装置の溝状レールに沿った縦断面略図を図1A、横断面略図を図1BおよびX、Y、Zの各位置で切った縦断面略図を図3に示すが、本発明はその上流側整列部2の溝状レールの構造を対象にするもので、その特徴とするところは、次の(1)〜(3)に記載の構造にある。
(1)この溝状レール21は、主流と副流の2列の玉列A、Bを収容可能な幅員に形成され、それぞれの玉列A、Bを支承する底面22、23から形成されている。
なお、図1〜図3で示される実施形態では、中央隔壁3を挟んで左右対称に並設された一対の溝状レール21、27からなる具体例を例示している。溝状レール21の玉列A、Bおよび底面22、23は、溝状レール27の玉列A2、B2および底面28、29のそれぞれに相当する。
【0013】
(2)この溝状レール21は、その主流玉列Aの底面22全体を下流方向(図1では右方向に)に下り傾斜面に形成し、かつ、副流玉列Bの底面23全体を主流玉列A側に傾斜させるとともに、その副流玉列Bの底面前半部分23a は下流方向に下り傾斜面に、後半部分23b は逆に上り傾斜面に形成されている。
【0014】
(3)さらに、この上流側整列部2における溝状レール21の下流終端付近の副流玉列Bに面する側壁24を主流玉列A側に屈曲させて副流玉列Bを主流玉列Aに合流させるようにした。
【0015】
この第1の実施形態によれば、玉の受入れ側に当たる上流側整列部2における溝状レール21の構造を、前記(1)(2)(3)記載の特定の形態を採用したことにより、上方の玉タンクから流入する不規則な玉群を、前半部分で効果的に2列の玉列に整列させ、後半部分で2列を1列に玉列に合流させることができるのであるが、特に、副流玉列Bの底面前半部分23a は下流方向に下り傾斜面に形成するものの、後半部分23b は逆に上り傾斜面に形成してあるので、この間の玉の挙動は図3(X)(Y)に例示したように、主流玉列A側の溝が順次深くなるので、側壁24を主流玉列A側に屈曲させた構造と相まって、円滑に2列を1列に並び替え、整列させることができるのである。
【0016】
また、本発明を図1〜図3に例示するように、上流側整列部2の溝状レールを中央隔壁3を挟んだ左右対称一対の溝状レール21、27からなる構造とすれば、コンパクトな構造で、賞玉と貸玉を個別に管理する玉払出装置に好適に対応させることができる利点がある。
【0017】
次に、第2の発明の実施形態を説明する。
この実施形態の特徴とするところは、第1の発明の場合と同じく、玉整列レール装置の上流側整列部2に関し、2列の玉列A、Bを収容可能な幅員に形成された溝状レール21において、玉列A、Bの底面22、23a全体を下流方向に下り傾斜面に形成し、その最上流部、すなわち玉列の始点に相当する部分において一方の玉列、この場合は主流玉列A側の底面22に、さらに傾斜させた急傾斜面25を設けた点にある。
【0018】
この実施形態のように急傾斜面25を設けた場合には玉のブリッジ現象が顕著に抑制されるのであるが、その理由は、上流側整列部2の溝状レ−ル21に流れ込む玉群が、その最初の部分で急傾斜面25によって急激に流動する玉と、その他の比較的流動の穏やかな玉に分かれるので、ブリッジの形成を防止するものと思われる。
【0019】
このような急傾斜面25は、底面22自体を傾斜させてもよいが、玉列の幅より小さい厚さの板材25aなどで急傾斜面25を形成するのもよいし、またこのような急傾斜面25を設けた溝状レール21、27を中央隔壁3を介して左右対称に並設するときには、その高さを図1Aまたは図2に示すように高く設定して、前記急傾斜面25に沿って移動する玉列を隔離できるように設定するのが好ましい。
【0020】
さらに、第3の発明の実施形態を説明する。
この実施形態は、玉タンクから流入した複雑な玉の流れを複数段1列の玉列に整列させる上流側整列部2と、これを1段1列の玉列に整列させて玉払出装置へ供給する下流側整列部7を有する溝状レールを備えた玉整列レール装置の下流側整列部7に関するものであり、その部分の溝状レールには、(1)玉列を支承する底面を図4のように断面V形状41に形成するか、または図3(Z)のように底面中央に長手方向に玉列を支承する凹溝42を形成し、(2)図1(A)のように入口側では複数段の玉列を受け入れ可能な高さH1とし、出口側では複数段の玉列が通過不能とする高さH2に規制する緩やかに傾斜した蓋体4が設けられている。
この場合、前記入口側を3段の玉列を受け入れ可能な高さとするのが実際的で好ましい。
【0021】
また、この実施形態では、前記のように溝状レールについて、底面を断面V形状41に形成するか、または底面中央に凹溝42を形成するのは、このような形状を採用することにより段積み状態の玉列を1段の玉列に崩し易いことによる。
このような挙動が起きる原理を説明する。図4の断面V形状41を代表例とすると、下側の断面V形状41に接している玉T1は、最下点から左右にずれた点41aで支承されながら、回転直径L1で転動することになるが、その上に接している玉T2は、回転直径L1より大なる本来の直径Lで転動する。従って玉T1と玉T2では、転動時の移動距離に差が生じることになるが、多数の玉が連結状態に段積みされた状態では、距離差は相互にスリップすることで吸収され、その場合摩擦力が相互に押し合う方向に働き、結果段積み状態が崩される方向に働くものと思われる。
【0022】
この第3の実施形態では、入口側から出口側にかけて高さを規制する蓋体を設けたことと、溝状レールの底面を断面V形状41に形成するか、または底面中央に凹溝42を形成したこととが相まって、複数段の例えば3段に積み重なった玉列が円滑に1段の玉列に整列できるのである。
なお、このように断面V形状や底面中央の凹溝を形成するのは、下流側整列部7の溝状レールに限らず、図3(X)(Y)に例示する通り、上流側整列部2の溝状レールに適用しても、その部分の玉の流れを円滑に整流するために同様に効果的である。
【0023】
なお、前記蓋体5の内側の玉列との接触面を耐摩耗性のある円滑面51で形成するのが好ましい。この場合、円滑面51を構成する耐摩耗性プレ−トを添着するようにしてもよい。
また、前記蓋体は、図1、2に例示するように、下流側整列部7を蓋する他、上流側整列部2にかけて延長して副流玉列を主流玉列に合流させる部分をカバ−するよう構成すると、この合流が円滑に行われ、下流側整列部7の入口部で生じ易いブリッジの抑制に特に効果的である。
【0024】
【発明の効果】
本発明のパチンコ機の玉整列レール装置は、以上に説明したように構成されているので、玉整列レール装置の下流側整列部や下流側整列部の玉の閉塞やブリッジを引き起こし易い部位における玉の流れを円滑にするので、流れた停滞することなく不規則な玉群を1段1列の玉列に整列させて、遅滞なく玉を玉払出装置に供給することができる。従って、パチンコ機の操作中に賞玉や貸玉の供給が停止するトラブルを減らすことができるという優れた効果がある。よって本発明は従来の問題点を解消した玉整列レール装置として、その工業的価値は極めて大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の縦断面略図(A)、平面断面略図(B)。
【図2】実施形態を説明するための斜視図。
【図3】実施形態を説明するための要部断面図。
【図4】第3実施形態を説明するための要部断面図。
【図5】玉タンク、玉整列レール装置、玉払出装置の配置図。
【符号の説明】
2 上流側整列部、21 溝状レール、22、23 底面、23a 底面前半部分、23b 底面後半部分、24 側壁、27 溝状レール、3 中央隔壁、41 断面V形状、42 凹溝、5 蓋体、7 下流側整列部、A 主流玉列、B副流玉列。
Claims (3)
- 玉タンクから流入した複数列および複数段の玉の流れを単数の玉列に整列させる上流側整列部と、複数段の玉の流れを単数段の玉列に整列させて玉払出装置へ供給する下流側整列部を有する溝状レールを備えたパチンコ機の玉整列レール装置において、
その上流側整列部における溝状レールは、主流と副流の2列の玉列を収容可能な幅員に形成され、その主流玉列の底面全体を下流方向に下り傾斜面に形成し、かつ、副流玉列の底面全体を主流側に傾斜させるとともに、その副流玉列の底面前半部分は下流方向に下り傾斜面に、後半部分は逆に上り傾斜面に形成し、この上流側整列部における溝状レールの下流終端付近の副流玉列の側壁を主流側に屈曲させて副流玉列を主流玉列に合流させるようにしたうえに、さらに、上流側整列部の副流球列を主流球列に合流させる部分から下流の下流側整列部に蓋体を設けて、この蓋体により3段に積み重なった球列を一段に整列させて通過させるようにしたことを特徴とするパチンコ機の球整列レール装置。 - 上流側整列部を有する溝状レールを少なくとも1列備えたことを特徴とする請求項1に記載のパチンコ機の玉整列レール装置。
- 上流側整列部を有する溝状レールを中央隔壁を介して左右対称に並設したことを特徴とする請求項1に記載のパチンコ機の玉整列レール装置。』
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