JP4430441B2 - セラミック素子の検査方法 - Google Patents

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Description

本発明は、内部に導電パターンが形成されたセラミック素子に存在しうるクラックの有無の検査方法に関するものである。
従来、自動車などの排気ガス中の窒素酸化物または酸素などの濃度に応じた電気信号を出力するガスセンサのセンサ素子が知られている。このようなセンサには酸素センサ、全領域空燃比センサ、NOセンサなどがあるが、例えば全領域空燃比センサの素子は、酸素濃度を検出する検出ユニットと、その検出ユニットを加熱するヒータユニットとが互いに張り合わされた構造を有する。検出ユニットは、両面に、多孔質からなる一対の白金電極が形成された、ジルコニア固体電解質からなるセラミック基板が複数積層されており、ヒータユニットは、発熱を行う導電パターンがアルミナからなる2枚のセラミック基板に挟持されて形成されている。
ガスセンサの製造工程において、このようなセラミックを基材とする検出ユニットやヒータユニットに、ピンホールやクラックが存在していないか検査が行われる。ピンホールやクラックが存在するとそれらユニットの強度不足や絶縁性の低下等の問題を生じ、センサ素子としての信頼性を損なう虞があるからである。そこで、これらユニットのように電極を有するセラミック素子にクラックが存在しているか否かを検査する方法が、従来より提案されている。この従来のクラック等の有無の検査では、導電性の液体を満たした槽にセラミック素子を浸し、例えば毛管現象を利用してクラック等の内部に導電性液体を染み込ませている。そして、セラミック素子の導電パターンと導電性液体との間に電圧を印加したとき、両者間の絶縁抵抗値が所定値よりも小さければ、クラック等が存在したとみなす手法が知られている(例えば特許文献1参照。)。
特開平9−304324号公報
また、導電性液体が満たされた槽にセラミック素子を浸した際に、セラミック素子の外表面上に細かな気泡が付着する場合がある。この気泡がクラック等の表面部分に付着していた場合、気泡の表面張力によってクラック等の内部に導電性液体が染み込むのを阻害されてしまう可能性がある。そこで、セラミック素子に超音波振動を与え、セラミック素子の外表面上から気泡の除去を行うことも提案されている(例えば特許文献2参照。)。
特開2002−48832号公報
ところで、セラミック素子に非常に小さなクラック(マイクロクラック)が存在した場合、その内部に付着した気泡は、セラミック素子に超音波振動を与えても除去されない可能性がある。この気泡のような空気が残ることを前提にクラック等の有無の検査を行う場合、その検査の精度を高めるためには、マイクロクラック内の空気による絶縁の影響を受けないようにすればよい。具体的には、従来は、高電圧(例えば、1kV)を印加して、その空気の絶縁破壊を発生させ、セラミック素子の導通パターンと導電性液体との間の絶縁抵抗値を測定していた。
しかしながら、クラック内に空気が残ることを前提に高電圧を利用してクラック等の有無の検査を行う方法では、検査を行うための配線に耐高電圧ケーブルを使用する必要があり、高電圧に対する安全対策も含め、取り扱いに手間やコストがかかるという問題があった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、導電性液体に浸したセラミック素子に存在しうるクラック等の内部の空気を除去し、クラック等の有無の検査を容易に行うことができるセラミック素子の検査方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明のセラミック素子の検査方法は、外部と絶縁された少なくとも一つの導電パターンが内部に形成されたセラミック素子に、クラックが存在するか否かを検査するセラミック素子の検査方法であって、前記セラミック素子を減圧室に入室させる入室工程と、前記セラミック素子が入室された前記減圧室内の気圧を減圧する減圧工程と、前記減圧工程の実施後に、前記セラミック素子が入室された前記減圧室内に配設されている導電性液体に前記セラミック素子を浸す浸漬工程と、前記減圧工程および前記浸漬工程の実施後に、前記減圧室内の気圧を大気圧に復帰する気圧復帰工程と、前記セラミック素子の前記導電パターンと、前記導電性液体と接触する電極との間に電圧を印加し、両者間の抵抗値を測定することで、前記セラミック素子にクラックが存在するか否かを検査する検査工程とを備えている。
また、請求項2に係る発明のセラミック素子の検査方法は、互いに絶縁された少なくとも二つの導電パターンが内部に形成されたセラミック素子に、クラックが存在するか否かを検査するセラミック素子の検査方法であって、前記セラミック素子を減圧室に入室させる入室工程と、前記セラミック素子が入室された前記減圧室内の気圧を減圧する減圧工程と、前記減圧工程の実施後に、前記セラミック素子が入室された前記減圧室内に配設されている導電性液体に前記セラミック素子を浸す浸漬工程と、前記減圧工程および前記浸漬工程の実施後に、前記減圧室内の気圧を大気圧に復帰する気圧復帰工程と、前記セラミック素子の前記導電パターンのうち、検査を行う被検査導電パターン間に電圧を印加し、両者間の抵抗値を測定することで、前記セラミック素子にクラックが存在するか否かを検査する検査工程とを備えている。
また、請求項3に係る発明のセラミック素子の検査方法は、互いに絶縁され、外部とも絶縁された少なくとも二つ以上の導電パターンが内部に形成されたセラミック素子に、クラックが存在するか否かを検査するセラミック素子の検査方法であって、前記セラミック素子を減圧室に入室させる入室工程と、前記セラミック素子が入室された前記減圧室内の気圧を減圧する減圧工程と、前記減圧工程の実施後に、前記セラミック素子が入室された前記減圧室内に配設されている導電性液体に前記セラミック素子を浸す浸漬工程と、前記減圧工程および前記浸漬工程の実施後に、前記減圧室内の気圧を大気圧に復帰する気圧復帰工程と、前記セラミック素子の前記導電パターンのうちの検査を行う被検査導電パターン間に電圧を印加する一方、前記被検査導電パターンの少なくとも1つと前記導電性液体に接触する電極の間とのそれぞれに電圧を印加し、各者間の抵抗値をそれぞれ測定することで、前記セラミック素子にクラックが存在するか否かを検査する検査工程とを備えている。
請求項1に係る発明のセラミック素子の検査方法では、まず、減圧工程と浸漬工程とを実施する。その後、気圧復帰工程を実施することにより、セラミック素子にクラック等が存在した場合、このクラック内に気泡を存在させることなく、導電性液体を染み込ませることができる。そして、セラミック素子の内部に形成された導電パターンと、セラミック素子の外部を満たす導電性液体との間に電圧を印加して両者間の抵抗値を測定すれば、クラック等が存在する場合には両者間の抵抗値が小さくなるので、これに基づきクラック等の有無について検査を行うことができる。また、クラック等の内部に残る空気を排除することができるので、導電パターンと導電性液体との間に高電圧を印加することなく、十分な検査結果を得ることができる。これにより、高電圧によるセラミック素子の破壊の可能性を排除できる。また、その検査時の印加電圧の低下によって、耐高電圧ケーブルの使用等、安全対策にかかる手間を軽減でき、検査コストの削減を図ることができる。
また、減圧工程の実施後に浸漬工程を実施して、セラミック素子を導電性液体に浸す前にセラミック素子が入室された減圧室の気圧を減圧したので、セラミック素子にクラック等が存在する場合、セラミック素子を導電性液体に浸すときにはクラック等の内部の圧力が低下した状態となる。この後に、減圧室内の気圧を大気圧に復帰させると、導電性液体を介して大気とクラック等の内部に残る空気との間に圧力差が生じるため、クラック等の内部を大気に押圧された導電性液体によって満たすことができる。
請求項2に係る発明のセラミック素子の検査方法では、まず、減圧工程と浸漬工程とを実施する。その後、気圧復帰工程を実施することにより、セラミック素子にクラック等が存在した場合、このクラック内に気泡を存在させることなく、導電性液体を染み込ませることができる。そして、セラミック素子の内部に形成され、互いに絶縁された検査対象の被検査導電パターン間に電圧を印加して両者間の抵抗値を測定すれば、クラック等が存在する場合には両者間の抵抗値が小さくなるので、これに基づきクラック等の有無について検査を行うことができる。また、クラック等の内部に残る空気を排除することができるので、被検査導電パターン間に高電圧を印加することなく、十分な検査結果を得ることができる。これにより、高電圧によるセラミック素子の破壊の可能性を排除できる。また、被検査導電パターン間同士が近接するような状況にあっても、検査時に、両者間を隔てる空気において絶縁破壊が発生し、検査精度の低下を招いてしまう可能性を排除することができる。さらに、その検査時の印加電圧の低下によって、耐高電圧ケーブルの使用等、安全対策にかかる手間を軽減でき、検査コストの削減を図ることができる。
また、減圧工程の実施後に浸漬工程を実施して、セラミック素子を導電性液体に浸す前にセラミック素子が入室された減圧室の気圧を減圧したので、セラミック素子にクラック等が存在する場合、セラミック素子を導電性液体に浸すときにはクラック等の内部の圧力が低下した状態となる。この後に、減圧室内の気圧を大気圧に復帰させると、導電性液体を介して大気とクラック等の内部に残る空気との間に圧力差が生じるため、クラック等の内部を大気に押圧された導電性液体によって満たすことができる。
請求項3に係る発明のセラミック素子の検査方法によれば、セラミック素子の検査対象となる導電パターン間と、導電パターンと導電性液体に接触する電極との間のそれぞれの絶縁を維持しているセラミック素子にクラック等が存在するか否かの検査を、一度の検査で行うことができるため、検査にかかる時間を大幅に短縮することができ、検査効率を上げ、検査コストの低減を図ることができる。
以下、本発明のセラミック素子の検査方法の一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、本発明の検査方法を用いて検査が行われるセラミック素子の一例としての検出ユニット10を備えたセンサ素子1について説明する。図1は、センサ素子1の模式的な構成を示す模式断面図である。
一般的なガスセンサに使用される検出ユニットは、検出対象に応じて様々な型式の素子が用いられている。例えば、接触した被検出ガスの濃度に応じて起電力が変化するもの(起電力変化型)が広く用いられている。本実施の形態における検出ユニット10は周知の構造を有し、被検出ガスとしての排気ガス中の酸素濃度の検出が可能な全領域空燃比センサのセラミック素子である。
図1に示すように、センサ素子1の検出ユニット10には、固体電解質としての短冊状のジルコニア製のセラミック基材11,セラミック基材15の各両面に、多孔質の白金等からなる一対の導電パターン12,13および導電パターン16,17がそれぞれ設けられている。セラミック基材11とセラミック基材15とは、導電パターン13と導電パターン16とが対向するように積層され、両者間にガス検出室21が形成されている。ガス検出室21の側方の壁面には、ガス検出室21内に排気ガスを導入するための多孔質のガス拡散多孔質壁14が形成されている。ジルコニア製のセラミック基材11,15は、高温環境下(例えば900℃)において活性化し酸素イオン導電性を示すが、室温環境下では絶縁性が高い。
セラミック基材15の導電パターン17は、セラミック基材15のガス検出室21とは反対側の面上に形成されており、その導電パターン17の外方を覆う絶縁性に優れたアルミナ製のセラミック基材20との間に酸素を貯留するための酸素基準室18が設けられている。セラミック基材20は、検出ユニット10の外装として保護するとともに、導電パターン17と外部との絶縁を担っている。同様に、セラミック基材11の導電パターン12は、セラミック基材15のガス検出室21とは反対側の面上に形成されており、その導電パターン12の外方が多孔質状のアルミナ製のセラミック基材19で覆われ、導電パターン12と外部との絶縁がなされている。
そして、導電パターン13と導電パターン16とは素子内部で電気的に接続されており、導電パターン12、導電パターン17とともに、それぞれ、素子外部との電気的な接続を行うための三本の電極端子22,23,24に接続されている。
また、全領域空燃比センサのセンサ素子1では、短冊状のヒータユニット30がセメント25によって検出ユニット10に接着されている。ヒータユニット30には、二層のアルミナ製セラミック基材31の層の間に発熱抵抗体からなる導電パターン32が形成されている。導電パターン32はヒータユニット30の内部で繋がった一本のヒータパターンであり、外部の電極端子33,34は、そのヒータパターンの両端部にそれぞれ接続されている。
このように構成されたセラミック素子の検査方法について、以下、説明を行うにあたり、まず、セラミック素子に存在しうるクラック等の有無の検査を行うための構成について、図2を参照して説明する。図2は、減圧室100内に検出ユニット10を入室させる様子を示す図である。なお、本実施の形態ではセラミック素子の一例としての検出ユニット10の検査方法について説明するが、説明の容易化のため、以下の図面に示す検出ユニット10は、導電パターンのみに着目した簡略図を用いている。
図2に示す減圧室100は、密閉可能な室内に浴槽110を備え、室内の気圧を減圧する真空ポンプ120と、室内に大気を導入することが可能なバルブ130とが接続されている。浴槽110には導電性液体111が満たされており、その浴槽110内には導電性液体111に電圧を印加するための電極端子112が設けられている。また、図示しないが、減圧室100内には検出ユニット10を保持し、減圧室100が密閉された状態で、保持した検出ユニット10を導電性液体111に浸すことが可能な保持アームが設けられている。なお、電極端子112が、本発明における「導電性液体と接触する電極」に相当する。
なお、導電性液体111としては水を用いてもよいが、発泡性の少ない有機溶媒等が好ましく、例えばエタノールや硝酸アンモニウム水溶液等であれば、セラミック素子の材質に悪影響を与えないのでより好適である。
次に、セラミック素子の検査方法について、図2〜図5を参照して説明する。図3は、浴槽110に満たされた導電性液体111に検出ユニット10を浸した状態を示す図である。図4,図5は、クラック等の有無の検査を行う様子を示す図である。
まず、図2に示すように、セラミック素子の一例として、センサ素子1に組み立てる前の検出ユニット10が、減圧室100内に入室される(入室工程)。検出ユニット10は、図示外の保持アームに保持され、次いで減圧室100の密閉が行われる。このとき、検出ユニット10は、未だ導電性液体111には接触されていない。
減圧室100の密閉が完了すると真空ポンプ120が駆動され、減圧室100内の気圧が減圧される(減圧工程)。これにより、検出ユニット10を取り巻く大気の気圧が減少し、検出ユニット10のセラミック基材11,15,19,20にクラック等が存在した場合、そのクラック等の内部の気圧も減少する。なお、クラック等の内部の減圧を確実に行うには減圧室100内を−50KPa以下の気圧とすればよいことは周知であるが、発明者の実験により、−90KPa以下であれば、より確実にクラック等の内部の気圧を減少させることができることが判明しており、好ましい。
減圧室100の減圧が完了すると、次に図3に示すように、保持アーム(図示外)が駆動され、検出ユニット10が浴槽110の導電性液体111に浸される(浸漬工程)。このとき、電極端子22,23,24は導電性液体111に浸からないように調整される。検出ユニット10にクラック等が存在すれば、毛管現象によりクラック等の内部に導電性液体111が染み込む。減圧工程では完全な真空状態とはならないのでクラック等の内部には圧力の小さい空気が残る場合があるが、毛管現象によりクラック等の外部へと引き出され、クラック等の内部は導電性液体111で満たされる。
次に、バルブ130が開放され、減圧室100内に大気が導入される(大気圧復帰工程)。これにより減圧室100内の気圧が大気圧に等しくなる。すると、この大気による圧力によって導電性液体111が押圧され、クラック等の内部の圧力の低い空気にもその圧力がかかる。クラック等の内部(特にマイクロクラック内)に残る空気は、大気の圧力により押された導電性液体111との押圧力に抗しきれず、クラック等の外部に排除される。こうして、検出ユニット10にクラック等が存在した場合、そのクラック等の内部は導電性液体111によって満たされる。
次に、図4に示すように、検出ユニット10の各電極端子22,23,24および浴槽110内の電極端子112の任意の電極端子間に周知の抵抗値測定器140が接続され、両者間に印加される電圧と測定される電流値に基づき、両者間の絶縁抵抗値の測定が行われる(検査工程)。なお、図4では、電極端子22と電極端子112との間の絶縁抵抗値を測定する場合の抵抗値測定器140の接続例が示されている。本実施の形態では250Vの電圧が、検査対象である電極端子間に印加される。前述した入室工程、減圧工程、浸漬工程、大気圧復帰工程を経ることでセラミック基材11,15,19,20にクラック等が存在した場合でも、確実に、そのクラック等の内部に導電性液体111を満たすことが可能となる。このため、クラック等の内部に空気が残った場合を想定して高電圧を印加し、その空気の絶縁破壊を行わせて素子の絶縁抵抗値を測定する方法でクラック等の有無の検査を行う必要が無く、上記250Vの電圧でも十分に、クラック等の有無の検査を行うことができる。なお、検査対象の電極端子が接続されている検出ユニット10の導電パターンが、本発明における「被検査導電パターン」に相当する。
測定によって得られた絶縁抵抗値が所定のしきい値よりも大きければ、測定された電極端子間の絶縁性が保たれていると判断される。すなわち、測定された電極端子間の絶縁障害の原因となるクラック等が存在しない、あるいは、クラック等が存在しても十分な絶縁性や強度を確保できるとして判断される。一方、測定によって得られた絶縁抵抗値が所定のしきい値以下であれば、測定された電極端子間の絶縁性が保たれていないと判断される。すなわち、測定された電極端子間にはクラック等が存在し、十分な絶縁性や強度が確保できないと判断される。なお、所定のしきい値として、測定された電極端子間の絶縁抵抗値が少なくとも10MΩよりも大きければ、一般的に十分な絶縁性を保つことができ、絶縁性に影響のあるクラック等は存在しないと判断することができる。さらには、測定された電極端子間の絶縁抵抗値が100MΩより大きい値であることが好ましい。
そして、図5に示すように、未だ測定が行われていない電極端子間についても、順次、絶縁抵抗値の測定が行われる。なお、図5では、電極端子22と電極端子23との間の絶縁抵抗値を測定する場合の抵抗値測定器140の接続例が示されている。そして、あらかじめ検査を行うと決められた所定の電極端子の組み合わせの全てについて絶縁性が保たれていると判断されれば、検出ユニット10は良品として判断される。また、いずれかの組み合わせの一つでも絶縁性が保たれていないと判断された場合には、検出ユニット10は不良品として判断され、センサ素子1の部品としては使用されない。
以上説明したように、本実施の形態のセラミック素子の検査方法では、セラミックにより絶縁性が確保されたセラミック素子を構成するセラミック基材に、クラック等が存在し、このクラック等により絶縁性が損なわれていないか検査が行われる。まず、減圧室100内にセラミック素子(その一例として検出ユニット10)を入室させ(入室工程)、真空ポンプ120を駆動させ減圧室100内の気圧を減圧する(減圧工程)。次いで、検出ユニット10を浴槽110に満たした導電性液体111に浸す(浸漬工程)。そして減圧室100のバルブ130を開き、減圧室100内の気圧を大気圧に復帰させる(大気圧復帰工程)。すると、検出ユニット10にクラック等が存在した場合、そのクラック等の内部に残る空気の圧力が小さいことから、大気の圧力によって押された導電性液体111によってクラック等の内部に残る空気が排除される。
これにより、マイクロクラックも含め、存在する全てのクラック等の内部は導電性液体111で満たされることとなる。互いに絶縁された導電パターンに接続されている電極端子22,23,24、および導電性液体111に電気的に接続された電極端子112のうち所定の電極端子間の絶縁抵抗値が測定され、所定のしきい値に基づき絶縁性が確保されているか否か検査が行われる(検査工程)。そして、あらかじめ決められた全ての組み合わせについて検査が行われた結果、全ての組み合わせについて絶縁性が保たれていると判断されれば、検査対象の検出ユニット10が良品であると判断することができる。
このように、減圧室100内で検出ユニット10を取り巻く空気の気圧の減圧を行ったので、検出ユニット10にクラック等が存在した場合、そのクラック等の内部の空気も減圧される。このため、検出ユニット10を導電性液体111に浸し、減圧室100内の気圧を大気圧に復帰させれば、大気の圧力によって押圧された導電性液体111によって、クラック等の内部に残る空気を排除することができる。特に、マイクロクラックが存在した場合、毛管現象を利用した場合や、超音波による気泡の除去を行った場合では、そのマイクロクラック内に残る空気の圧力に抗してその空気をマイクロクラック外に排除することができるだけの圧力差を得られないが、減圧工程および大気圧復帰工程を設けたことによって、上記圧力差を得ることができ、マイクロクラック内の空気を容易に排除することができる。
そして、クラック等の内部に残る空気を外部に排除することができるので、従来、クラック等の内部に空気が残った場合を想定して、その空気の絶縁破壊を行わせて短絡を発生させるべく各電極端子間に高電圧(例えば1kV)を印加していたが、クラック等の内部に導電性液体111が満たされていれば印加する電圧を低く(例えば250V)しても十分な検査結果を得ることができる。これにより、高電圧によるセラミック素子の破壊の可能性を排除できる。また、センサ素子1の小型化に伴う導電パターン間の密接によって抵抗値測定器140が接続される各電極端子間も密接され、高電圧を印加する検査の際に電源と接続された電極端子間を隔てる空気において絶縁破壊が発生し、検査精度の低下を招いてしまう可能性を排除することができる。また、その検査時の印加電圧の低下によって、耐高電圧ケーブルの使用等、安全対策にかかる手間を軽減でき、検査コストの削減を図ることができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られず、各種の変形が可能なことはいうまでもない。例えば、検査工程において、抵抗値測定器140と各電極端子22,23,24,112との接続を任意に切り替えることが可能な切替手段を設け、その切替手段による切り替えに基づいて任意の2つの電極端子が抵抗値測定器140に接続されるようにしてもよい。また、検査工程において、抵抗値測定器140を複数設け、本実施の形態では4つの電極端子22,23,24,112のうちあらかじめ決められた全ての電極端子の組み合わせについてそれぞれ抵抗値測定器140を接続し、全て同時に検査を行ってもよい。
また、本実施の形態では減圧工程を行った後に浸漬工程を行ったが、浸漬工程後に減圧工程を行ってもよい。このようにすれば、減圧工程において、減圧室100内の空気とクラック等の内部に残る空気との間に圧力差が生じるため、クラック等の内部に残る空気が膨張してクラック等の外部に排除されやすくなる。さらにクラック等の内部に空気が残った場合でも、その空気の圧力は下がっているため、本実施の形態と同様に、大気圧復帰工程において導電性液体111によってクラック等の内部から排除される。
また、本実施の形態ではセラミック素子の一例として検出ユニット10を用いて説明したが、ヒータユニット30に対して同様の検査を行ってもよい。この場合、ヒータユニット30内の導電パターン32は1パターンであり電極端子33と電極端子34とは導通されているので、電極端子33と浴槽110に設けられた電極端子112との間の絶縁抵抗値を測定し、クラック等の有無について検査を行えばよい。そして、センサ素子としては、検出ユニットおよびヒータユニットのそれぞれを接着する前に検査を行い、正常品と判別されたもの同士を組み合わせてセンサ素子を形成するとよい。
また、導電性液体111に電圧を印加するため浴槽110内に電極端子112を設けたが、浴槽110を導電性の金属等で形成し、浴槽110自体を電極として利用してもよい。
窒素酸化物、酸素および炭化水素、あるいは特定のガス濃度などを検出する各種ガスセンサや、温度センサ、アクチュエータ等のセラミック素子のクラック等の有無の検査法として利用できる。
センサ素子1の模式的な構成を示す模式断面図である。 減圧室100内に検出ユニット10を入室させる様子を示す図である。 浴槽110に満たされた導電性液体111に検出ユニット10を浸した状態を示す図である。 クラック等の有無の検査を行う様子を示す図である。 クラック等の有無の検査を行う様子を示す図である。
10 検出ユニット
11,15,19,20 セラミック基材
12,13,16,17 導電パターン
22,23,24,112 電極端子
100 減圧室
111 導電性液体

Claims (3)

  1. 外部と絶縁された少なくとも一つの導電パターンが内部に形成されたセラミック素子に、クラックが存在するか否かを検査するセラミック素子の検査方法であって、
    前記セラミック素子を減圧室に入室させる入室工程と、
    前記セラミック素子が入室された前記減圧室内の気圧を減圧する減圧工程と、
    前記減圧工程の実施後に、前記セラミック素子が入室された前記減圧室内に配設されている導電性液体に前記セラミック素子を浸す浸漬工程と、
    前記減圧工程および前記浸漬工程の実施後に、前記減圧室内の気圧を大気圧に復帰する気圧復帰工程と、
    前記セラミック素子の前記導電パターンと、前記導電性液体と接触する電極との間に電圧を印加し、両者間の抵抗値を測定することで、前記セラミック素子にクラックが存在するか否かを検査する検査工程と
    を備えたことを特徴とするセラミック素子の検査方法。
  2. 互いに絶縁された少なくとも二つの導電パターンが内部に形成されたセラミック素子に、クラックが存在するか否かを検査するセラミック素子の検査方法であって、
    前記セラミック素子を減圧室に入室させる入室工程と、
    前記セラミック素子が入室された前記減圧室内の気圧を減圧する減圧工程と、
    前記減圧工程の実施後に、前記セラミック素子が入室された前記減圧室内に配設されている導電性液体に前記セラミック素子を浸す浸漬工程と、
    前記減圧工程および前記浸漬工程の実施後に、前記減圧室内の気圧を大気圧に復帰する気圧復帰工程と、
    前記セラミック素子の前記導電パターンのうち、検査を行う被検査導電パターン間に電圧を印加し、両者間の抵抗値を測定することで、前記セラミック素子にクラックが存在するか否かを検査する検査工程と
    を備えたことを特徴とするセラミック素子の検査方法。
  3. 互いに絶縁され、外部とも絶縁された少なくとも二つ以上の導電パターンが内部に形成されたセラミック素子に、クラックが存在するか否かを検査するセラミック素子の検査方法であって、
    前記セラミック素子を減圧室に入室させる入室工程と、
    前記セラミック素子が入室された前記減圧室内の気圧を減圧する減圧工程と、
    前記減圧工程の実施後に、前記セラミック素子が入室された前記減圧室内に配設されている導電性液体に前記セラミック素子を浸す浸漬工程と、
    前記減圧工程および前記浸漬工程の実施後に、前記減圧室内の気圧を大気圧に復帰する気圧復帰工程と、
    前記セラミック素子の前記導電パターンのうちの検査を行う被検査導電パターン間に電圧を印加する一方、前記被検査導電パターンの少なくとも1つと前記導電性液体に接触する電極の間とのそれぞれに電圧を印加し、各者間の抵抗値をそれぞれ測定することで、前記セラミック素子にクラックが存在するか否かを検査する検査工程と
    を備えたことを特徴とするセラミック素子の検査方法。
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