JP4430440B2 - 固体電解コンデンサ用陽極体の製造方法 - Google Patents
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すなわち、バインダーを混合した弁作用金属の粉末を加圧成形する工程と、該成形体を焼結する工程とを有する固体電解コンデンサ用陽極体の製造方法において、
加圧成形する工程が、第1のバインダーにて第1の弁作用金属粉末を造粒後、陽極リード2を植立して加圧成形する第1の工程と、該成形体を、第2のバインダーにて第2の弁作用金属粉末を造粒した造粒粉末で覆い加圧成形する第2の工程とからなり、弁作用金属粉末に対する第1のバインダーの混合率が、3.0〜30.0wt%であり、第2のバインダーの混合率が0.1〜3.0wt%であることを特徴とする固体電解コンデンサ用陽極体の製造方法である。
また、陽極リード2を植立する第1の加圧成形に使用する弁作用金属粉末4のバインダー量を相対的に多くし、固体電解質母液が含浸しにくい陽極体内部の空孔率を均一に高くすることで、容量出現率を増加させ、tanδ値、ESR値を低減することができる。
よって、固体電解コンデンサ製造過程または製造後のストレスによる、漏れ電流増加が抑えられる。
さらに、液状バインダーだけを使用すると、弁作用金属粉末3を均一にコーティングでき、焼結体内部に偏りのない均一な空孔が形成されるため、弁作用金属の密度バラツキもなく、部分的な機械的強度低下も起こらない。
このように、漏れ電流、tanδ、ESR各特性において、レベル/バラツキとも優れ、容量出現率が高く、かつ耐熱試験においても漏れ電流値が安定した固体電解コンデンサ用陽極体を得ることができる。
本発明による固体電解コンデンサ用陽極体を以下のようにして作製した。
まず、1〜400μm程度の粒度分布を有する、弁作用金属であるタンタル粉末3に、弁作用金属重量に対して10.0wt%のポリビニルアルコールを水に溶解した液状バインダー(第1のバインダー)を混合し、造粒粉末4を得た。
また、同様の粒度分布を有するタンタル粉末3に、弁作用金属重量に対して、1.0wt%のポリビニルアルコールを水に溶解した液状バインダー(第2のバインダー)を混合し、造粒粉末5を得た。
更に、この陽極体を0.1wt%リン酸溶液中で18V化成し、酸化タンタル皮膜を形成し、その上に固体電解質層として二酸化マンガン層、陰極引出層としてカーボン層および銀ペースト層を順次形成して、タンタル固体電解コンデンサ素子を得た。
そして、このコンデンサ素子の陽極リード2を、溶接により陽極端子に接続するとともに、陰極層を導電性塗料により陰極端子に接続した後、外装樹脂を施すことによりチップ形タンタル固体電解コンデンサを作製した。
表1に示すように、液状バインダー量を弁作用金属重量に対して1.0〜40.0wt%の範囲で混合して造粒粉末4とし、また、液状バインダー量を弁作用金属重量に対して0.05〜5.0wt%の範囲で混合して造粒粉末5とし、上記実施例1と同様にして、造粒粉末4による第1の加圧成形、造粒粉末5による第2の加圧成形、加熱処理、焼結、化成、組立てを行い、実施例3、4、7、8、比較例2、5、6、9のチップ形タンタル固体電解コンデンサを作製した。
表1に示すように、液状バインダー量を弁作用金属重量に対して3.0wt%で混合して造粒粉末4とし、また、液状バインダー量を弁作用金属重量に対して10.0wt%で混合して造粒粉末5とし、上記実施例1と同様にして造粒粉末4による第1の加圧成形、造粒粉末5による第2の加圧成形、加熱処理、焼結、化成、組立てを行い、比較例1のチップ形タンタル固体電解コンデンサを作製した。
実施例1と同様、1〜400μm程度の粒度分布を有するタンタル粉末3に、弁作用金属重量に対して3.0wt%のポリビニルアルコールを水に溶解した液状バインダーを混合し、造粒粉末6を得た。
次に、固形バインダー7として弁作用金属重量に対して3.0wt%で、粒径200μm以下のポリビニルアルコールを、上記造粒粉末6と混合した。
実施例1と同様、1〜400μm程度の粒度分布を有するタンタル粉末3に、弁作用金属重量に対して10.0wt%のポリビニルアルコールを水に溶解した液状バインダーを混合し、造粒粉末4を得た。
図8は漏れ電流値(定格電圧印加、1分後)、図9は120Hzでの容量出現率、図10はtanδ値、図11は100kHzでのESR値を比較した結果である。
また、図12は耐熱試験(260℃、10秒エアーリフロー×3回)前後の漏れ電流値の変化を比較した図である。
図3に示すとおり、従来例1の成形体1では固形バインダー6が弁作用金属粉末6に対し比重が極端に小さいため、両者の混合粉末を金型で成形すると、固形バインダー7は上方向に、弁作用金属粉末6は下方向に偏り、空孔が不均一な分散状態になっている。
また、従来例1では、図2に示すとおり、空孔が全体に均一な分散状態になっている。
一方、実施例1では、図1に示すとおり、焼結体内部と外周部で、空孔がそれぞれ均一な分散状態になっている。
図4〜6では上記バインダーの分散状態がバインダー除去後そのままの形になっている。
実施例1、従来例1、2とも固体電解質母液が含浸される空孔が形成されているが、その状態は各々異なる。
従来例1の焼結体8では、図6に示すとおり、空孔11が上方向に偏り、上部の機械的強度が弱い状態になっている。
また、従来例2では、図5に示すとおり、全体に均一な分散状態になっているが、焼結体全体の機械的強度が低下している。
一方、実施例1では、図4に示すとおり、焼結体内部と外周部で各々、空孔が均一に分散しており、焼結体外周部と陽極リード2の植立部の基部は空孔が少なく、固体電解コンデンサ形成過程または形成後のストレスに対して、強度が強くなっている。
従来例2では1種類の空孔径を有しているのに対し、実施例1では2種類の空孔径を有しており、焼結体内部と外周部に別々の空孔状態を形成していることが分かる。
従来例1は2種類の空孔径を有してはいるが、一方は固形バインダー7による極端に大きい空孔径であり、密度バラツキが大きいことが分かる。
図8に示すとおり、実施例1は従来例1、2よりレベル、バラツキとも良好な結果を示している。
実施例1では、固体電解コンデンサ形成過程のストレスに対して弱い焼結体外周部と、陽極リード2植立部基部の機械的強度が強くなり、漏れ電流が低レベルに抑えられていると考えられる。
図9〜11に示すとおり、実施例1は従来例1、2に比べ、レベル、バラツキとも良好な結果を示している。
実施例1では、固体電解質母液が含浸しやすくなるように焼結体内部に均一かつ十分な量の空孔が形成されていると考えられる。
図12に示すとおり、実施例1は、従来例1、2よりレベル、バラツキとも良好な結果を示した。
実施例1は、固体電解コンデンサ形成後のストレスに対して弱い焼結体外周部と、陽極リード2植立部基部の機械的強度が強くなり、漏れ電流が低レベルに抑えられていると考えられる。
造粒粉末4に使用する液状バインダーの量は、弁作用金属重量に対して3.0wt%未満であると、焼結体内部に形成される空孔が小さくなり、容量出現率、tanδ特性、ESR特性の改善効果が得られない。
また、弁作用金属重量に対して30.0wt%を超えると、加圧後の成形体の機械的強度が極端に弱くなり、チップ形固体電解コンデンサ形成後の漏れ電流が増大するため、造粒粉末4に使用する液状バインダーの量は弁作用金属重量に対して3.0〜30.0wt%の範囲であることが望ましい。
なお、造粒粉末4に使用する液状バインダーの量を弁作用金属に対して3.0wt%、造粒粉末5に使用する液状バインダーの量を弁作用金属に対して10.0wt%とし(比較例1)、上記実施例8と混合率の大小を逆にした場合、容量出現率、tanδ特性、漏れ電流特性が悪化しており、好ましくないことが分かる。
また、弁作用金属重量に対して3.0wt%を超えると、焼結体外周部の機械的強度が低下し、チップ形固体電解コンデンサ形成過程と形成後の漏れ電流特性改善効果が得られないため、造粒粉末5に使用する液状バインダーの量は弁作用金属重量に対して0.1〜3.0wt%の範囲であることが望ましい。
上記実施例における造粒粉末4,5の液状バインダーとして、ポリビニルアルコールを液状で使用したが、ポリビニルブチラール、アクリル系樹脂、安息香酸、樟脳を使用しても同様の効果が得られる。
また、上記実施例における造粒粉末4、5の液状バインダーはいずれもポリビニルアルコールを液状で使用したが、造粒粉末4の液状バインダーと造粒粉末5の液状バインダーをポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、アクリル系樹脂、安息香酸、樟脳のうち、2種類以上を組み合わせて使用しても同様の効果が得られる。
そして、上記実施例においてバインダーは液状で弁作用金属に混合したが、霧状で混合しても同様の効果が得られる。
2 陽極リード
3 弁作用金属粉末
4 液状バインダー10.0wt%の造粒粉末
5 液状バインダー1.0wt%の造粒粉末
6 液状バインダー3.0wt%の造粒粉末
7 固形バインダー
8 焼結体
9 空孔の多い焼結体部分
10 空孔の少ない焼結体部分
11 固形バインダーによる空孔
Claims (3)
- バインダーを混合した弁作用金属の粉末を加圧成形する工程と、該成形体を焼結する工程とを有する固体電解コンデンサ用陽極体の製造方法において、
加圧成形する工程が、第1のバインダーにて第1の弁作用金属粉末を造粒後、陽極リードを植立して加圧成形する第1の工程と、
該成形体を、第2のバインダーにて第2の弁作用金属粉末を造粒した造粒粉末で覆い加圧成形する第2の工程とからなり、
弁作用金属粉末に対する第1のバインダーの混合率が、3.0〜30.0wt%であり、第2のバインダーの混合率が0.1〜3.0wt%であることを特徴とする固体電解コンデンサ用陽極体の製造方法。 - 請求項1記載の第1および/または第2のバインダーが液状または霧状で、弁作用金属粉末と混合することを特徴とする固体電解コンデンサ用陽極体の製造方法。
- 請求項1記載のバインダーが、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、アクリル系樹脂、安息香酸、または樟脳であることを特徴とする固体電解コンデンサ用陽極体の製造方法。
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