JP2007180075A - 固体電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】陽極体から突出する陽極リード線を持たない構造とすることで、外装体積に対する静電容量の大きい固体電解コンデンサ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】弁作用金属粉末を加圧成形、焼結して得られた陽極体の表面に、酸化皮膜層、固体電解質層および陰極引出層が順次形成されたコンデンサ素子を有する固体電解コンデンサ10であって、タンタル等の第1の弁作用金属の粉末よりなる陽極体(多孔質部21)と、その少なくとも一辺部に備えられた非多孔質部20であって、ニオブ等、第1の弁作用金属より融点の低い他の弁作用金属の粉末、または、多孔質陽極体21を形成するものより粒径の微細な第1の弁作用金属の粉末よりなるものと、並びに、非多孔質部20の表面を少なくとも被覆して形成された陽極端子部12bと、を含むものとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体電解コンデンサおよびその製造方法に係り、小型大容量化を可能とする固体電解コンデンサの構造、および製造方法に関するものである。
従来より用いられている、タンタル等の弁作用金属粉末を用いたコンデンサ素子11は、図5に示すように、陽極リード線1を埋設した構造となっており、このリード線1を陽極引出部位としていることから、当該部位の全てを除去することができない。そのため、図8に示すように、1)コンデンサ素子11の陰極引出層5と陽極リード線1を左右一対の陽極、陰極リードフレーム8a、8bと各々接続したのち、その全体を合成樹脂等からなるモールド9で外装した構造とするか、または2)合成樹脂により簡易外装を施す構造とされていた(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記構造の固体電解コンデンサでは、コンデンサ素子11を1)陰極引出層5および陽極リード線1の全体を含んだ状態で、上記のように合成樹脂等からなるモールド9で外装するか、または2)陽極リード線1を含んだ状態で合成樹脂等により被覆するため、陽極リード線1を含む分、体積効率が低い、すなわち、外装体積に対するコンデンサ素子の静電容量が小さくなるという問題があった。
この体積効率を高める手法として、コンデンサ素子の陽極材料として用いる弁作用金属(タンタル等)の粉末を多孔質状に焼結して得たチップ片の一端面に、金属粒子を隙間無く固めた非多孔質部を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
ここで、タンタル等の弁作用金属粉末からなる一般的な固体電解コンデンサの製造工程について、添付の図5〜8を参照しながら説明すると、1)タンタル等からなる弁作用金属粉末を加圧により所定の形状に成形すると同時に、陽極リード線1をこの加圧成形体に埋設させる第一工程、2)得られた加圧成形体を、高真空下で焼結して物理的結合を得、陽極体2とする第二工程、3)図6に例示する態様で行われる陽極酸化(後述)により陽極体2表面に誘電体となる酸化皮膜層3を形成し、化成体2’を得る第三工程、4)図7に例示する通り、化成体2’を硝酸マンガン水溶液等の第2の処理液(後述)中に浸漬することや、導電性高分子を重合する工程を通じて、酸化皮膜層3上に導電性物質(固体電解質層4)を形成する第四工程、5)導電性物質と外部端子を低抵抗で接続するための陰極引出層5を形成する第五工程、6)外部端子(8a,8b等)との接合および合成樹脂等による外装を行なう第六工程からなる(図8参照)。
なお、図5は従来例に係る固体電解コンデンサのコンデンサ素子の側面図、図6は従来例に係る固体電解コンデンサを製造するにあたり、陽極体にリン酸水溶液等の第1の処理液で酸化皮膜層を形成する処理を行っている状態を示す図、図7は図6に示す処理後、さらに、硝酸マンガン等の第2の処理液を利用して固体電解質層を形成する処理を行っている状態を示す図、図8は従来例に係る固体電解コンデンサ(50)の側断面図である。
図6に示すように、一般に、酸化皮膜層3は、陽極リード線1のある一定の高さTまで形成される(例えば、特許文献2参照)。このとき、加圧成形体から陽極リード線1表面にかけて酸化皮膜層3が形成されていることより、陽極リード線1の先端側である陽極側と、二酸化マンガンや導電性高分子からなる固体電解質層4たる陰極側とは確実に絶縁される。
しかるに、体積効率を高める手法として、上記特許文献2に記載された技術を適用するためには、上記第二工程において、陽極体2の一端面に非多孔質部を設ける工程を別途挿入する必要があり(レーザー照射等による部分加熱。同文献[0016]参照)、費用と時間の点でロスが大きいと言う問題があった。
実開昭53−72161号公報 特許第3294362号公報
本発明は、上記課題を解決するもので、新規工程を別途挿入しなくても体積効率のよい固体電解コンデンサ、およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく種々検討を行った結果、本願発明者は以下の手段を採用することにより前述
の課題を解決可能なことを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本願発明者は、1)上記第一工程において、例えばタンタルのような第1の弁作用金属の粉末よりなる陽極体表面の少なくとも一辺部に、例えばニオブのようなタンタルよりも融点の低い他の弁作用金属の粉末、または、より微細なタンタル弁作用金属のように、より焼縮みの大きい弁作用金属粉末を配することで、
2)続く第二工程での焼結処理により、タンタルよりも低融点の他の弁作用金属またはより微細なタンタル弁作用金属を、最初に加圧成形したタンタル弁作用金属の粉末よりなる陽極体の部位よりも大きく焼き縮ませて多孔性を失わせ、それにより、3)第四工程における導電性物質(固体電解質層)の形成に際し、当該部位が導電性物質または導電性物質前駆体の含浸を受けないことから、当該部位を陽極引出し部としてそのまま利用し得ることを見い出し、本発明を完成した。
上記課題を解決可能な本発明の固体電解コンデンサは、(1)弁作用金属粉末を加圧成形、焼結して得られた陽極体の表面に、酸化皮膜層、固体電解質層および陰極引出層が順次形成されたコンデンサ素子を有する固体電解コンデンサであって、
第1の弁作用金属の粉末よりなる多孔質陽極体と、前記多孔質陽極体の少なくとも一辺部に備えられた非多孔質部であって、該非多孔質部が前記第1の弁作用金属より融点の低い他の弁作用金属の粉末、または、前記多孔質陽極体を形成するものより粒径の微細な第1の弁作用金属の粉末からなる非多孔質部と、前記非多孔質部の表面を少なくとも被覆して形成された陽極端子部と、を含むことを特徴とするものである。
また、上記課題を解決可能な本発明の固体電解コンデンサの製造方法は、(2)弁作用金属粉末を加圧成形、焼結して得られた陽極体の表面に、酸化皮膜層、固体電解質層および陰極引出層が順次形成されたコンデンサ素子を有する固体電解コンデンサの製造方法であって、
多孔質陽極体となる第1の弁作用金属の粉末を加圧成形する工程と、前記多孔質陽極体の少なくとも一辺部に、非多孔質部となる前記第1の弁作用金属より融点の低い他の弁作用金属の粉末、または、前記多孔質陽極体を形成するものより粒径の微細な第1の弁作用金属の粉末を、前記多孔質陽極体と共に加圧成形する第二次加圧成形工程と、前記第二次加圧成形工程後の成形体を焼結することにより前記他の弁作用金属の粉末、または、前記多孔質陽極体を形成するものより粒径の微細な第1の弁作用金属の粉末の多孔性を消失させて非多孔質部を得る工程と、得られた前記非多孔質部の表面を被覆して陽極端子部を形成する工程と、を含むことを特徴とするものである。
ここで、(3)前記第1の弁作用金属の粉末がタンタルからなり、前記他の弁作用金属の粉末がニオブからなることが好ましい。
本発明によれば、外装時におけるコンデンサ素子の体積効率が高い固体電解コンデンサの提供が可能となる。それゆえ、従来よりも外装体積に対する静電容量の大きい固体電解コンデンサを提供することができる。
また、本発明の方法によれば、新規工程を追加することなく、外装時におけるコンデンサ素子の体積効率が高い固体電解コンデンサ及びその製造方法を提供できる。
以下、添付図面に基づき、本発明に係る固体電解コンデンサ及びその製造方法の一実施形態について説明する。図1は、本発明に係る固体電解コンデンサの一実施形態を示し、(a)が側断面図、(b)が積層状態を示す拡大図である。図2は、第三工程の一例であって、焼結した陽極体に第1の処理液で酸化皮膜層を形成する処理を行っている状態を示す図であり、図3は第四工程の一例であって、図2に示す酸化皮膜層の形成処理後、さらに第2の処理液で固体電解質層を形成するための含浸処理を行っている状態を示す図であり、図4は第2の処理液で固体電解質層を形成する他の方法による処理工程を示す図である。
図1(a)は、本発明に係る固体電解コンデンサの一実施形態を示す側断面図であり、本実施形態では、タンタル、またはニオブ金属粉末を適宜利用して陽極体を製造し、その後、いくつかの工程を経て固体電解コンデンサを完成させる。
同図(b)に積層状態が拡大して示されている通り、本実施形態に係るタンタル固体電解コンデンサ1は弁金属としてタンタル粉末を使用し、成形、焼結後、その陽極体2の表面に、化成処理によって誘電体(絶縁体)となる酸化皮膜層3を形成し、その外側に固体電解質層4(二酸化マンガンや導電性高分子からなる)を陰極として備える。
続いて、一般的な固体電解コンデンサと同様に、本実施形態の陰極でもある固体電解質層4の上に、カーボン層、銀層からなる陰極引出層5を順次形成し、その一部から陰極端子12aを引き出している。固体電解コンデンサ10の外装としては、樹脂ディップ、樹脂モールド、金属ケース等様々な形態があるが、本実施形態では陰極引出層5の上にさらに外装樹脂6を形成する構成としている。
また、本実施形態では、加圧成形されたタンタル弁作用金属の粉末よりなる多孔質陽極体の少なくとも一辺部に、上記タンタル弁作用金属より融点の低い弁作用金属の粉末、またはより微細なタンタル弁作用金属の粉末を配し、焼結により、上記一辺部を非多孔質化している。これにより、この非多孔質部20は、固体電解質層4を形成する際に用いる硝酸マンガン等の第2の処理液、または重合処理液等が含浸しないため、陰極が形成されない。
したがって、本実施形態の構成によれば、第三工程を経たのち、陽極リード線に代えて、新たにこの非多孔質化された部分20を陽極引出部とすることが可能となる。
なお、当初、陽極体2には陽極リード線1が埋設されるが、本実施形態では後工程で切断される(図1(a)参照)。製造工程の詳細は、下記の実施例にて詳述する。
以下に、非多孔質部を形成する材質が1)ニオブ粉末である場合(実施例1)、2)多孔質陽極体を形成する粉末よりも粒径の細かいタンタル粉末である場合(実施例2)、に分けて本発明に係る固体電解コンデンサおよびその製造方法を説明する。併せて、上記実施例1及び2に対応する比較例を挙げて説明し、本発明の効果を、これら三者を用いて具体的に比較検討する。
(実施例1)
まず、本発明の実施例1について説明する。本実施例は、多孔質陽極体[図1で符号2で示される部位]を形成する材質(第1の弁作用金属)がタンタル粉末、そして非多孔質部[図1で符号20で示される部位]を形成する材質が他の弁作用金属となるニオブ粉末である例である。
[製造工程の説明]
(1)第一工程−加圧成形体の製造方法
はじめに、本実施例の陽極体の材料として、30,000μF・V/g(=30kCV)のタンタル粉末を使用した。本実施例では、この弁作用金属粉末に成形性を高めるためのバインダーを0.5wt%混合して加圧成形用の造粒粉を作製した。本工程では、この造粒粉を用いて第一次加圧成形を行う。こののち、成形金型の上端面のみを開放して該開放口よりニオブ粉末を供給後、閉口して第二次加圧成形を行う。これにより、陽極リード線1を埋設した陽極体2を得た。
なお、第1の弁作用金属であるタンタルの好ましいCV値の範囲は約30,000CV〜約200,000CVである。また、非多孔質部20を構成する他の弁作用金属であるニオブの好ましい粒径の範囲は約1μm〜約15μmである。
(2)第二工程−陽極体の製造方法
上記(1)の第二次加圧成形体を高真空下(約10−3Pa以下)、1,475℃で20分焼結することにより、タンタル、ニオブ並びに双方の金属粉同士の物理的結合を得ると同時に、より大きく焼き縮ませることで多孔性を失ったニオブ粉末部位(非多孔質部20)を有する陽極体2を得た(以下では焼結後の加圧成形体を陽極体2と記す)。
(3)第三工程−誘電体酸化皮膜層の形成
前記(2)で得た陽極体2の表面に酸化皮膜層3を形成すべく、陽極酸化により誘電体として機能する酸化物層を形成した。このとき用いる陽極酸化用電解質液(第1の処理液。以下では化成液と記す)として1.0vol%のリン酸水溶液を使用した。
本実施例では、本工程を図2に示す様な態様で実施した。このとき、陽極体2は、容器C内に満たされた第1の処理液(化成液)F中に、陽極リード線1の一部を除き完全に浸漬される。陽極酸化は、この化成液を40℃に保ち、陽極体1個当たりの電流密度を35mA/個、到達電圧を12.1Vに設定して行った。そして、陽極酸化電圧が12.1Vに達した後、4時間電圧印加状態を保持して酸化皮膜層3を形成した(以下では陽極酸化を得た陽極体2を化成体2’と記す)。
(4)第四工程−固体電解質層の形成
上記(3)で得た化成体2’のタンタルよりなる多孔質部21(陽極体2における非多孔質部20を除く部分)に、陽極に対応する対向電極として、固体電解質層4を、本実施例では、3,4−エチレンジオキシチオフェンを含むモノマー溶液に含浸させ、ポリエチレンジオキシチオフェンからなる導電性高分子を重合により形成した。化成体2’上に形成された固体電解質層4の様子は、図1に示されている。
(5)第五工程−陰極引出層の形成
同様に、上記(4)の固体電解質層4を形成後の多孔質部21に、カーボン、銀からなる陰極引出層5を形成した。この様子も、図1に示されている。
(6)第六工程−外部端子の形成・外装
上記(5)の陰極引出層5を形成後のコンデンサ素子における、非多孔質部20側の端面の酸化皮膜をレーザーで除去(図1参照。研磨によっても可能)後、図1に示す様に、素子の陽極側端面と、対向する陰極側端面を除く部位を合成樹脂からなる被覆材により被覆した。その後、陽極リード線1を根元より切断し、被覆材により被覆されない両端面を錫メッキ、半田にて被覆して陰極及び陽極端子部12a、12bを形成し、最終的に図1に示す様な側断面形状をもつ固体電解コンデンサ10を得た。
(実施例2)
上記実施例1において非多孔質部20を形成するために用いたニオブ粉末を、100,000CV/g(=100kCV)のタンタル粉末としたこと以外は、実施例1と同一の材料、工程からなる固体電解コンデンサ10を作製した。本実施例において、非多孔質部20を形成するために用いたタンタル粉末は、多孔質部21を形成するタンタル粉末よりも微細なものである。
なお、本例の様に非多孔質部20を第1の弁作用金属と同一の金属からなるものとした場合、その好ましいCV値の範囲は約100,000CV〜約250,000CVである。
(比較例1)
次に、従来例として、上記実施例1に係る陽極体2の作製に用いた造粒紛を用いて図8に示す構造の固体電解コンデンサ50を作製した。このとき、陽極リード線1を埋設した陽極体2の大きさが実施例1と同一となる様に作製し、これを実施例1と同条件で化成(陽極酸化)を行って化成体2’とした。その後、本明細書でも背景技術の欄で図5〜8を参照しながら説明した従来周知の手法により、図8に示す構造の固体電解コンデンサ50を作製した。
(三者の比較)
上記した通り、本発明によれば、外装時におけるコンデンサ素子の体積効率が高い固体電解コンデンサの提供が可能となる。そこで、その効果を具体的に表すべく、上記実施例1、実施例2および比較例1で作製した固体電解コンデンサの単位外装体積に対する静電容量の大きさの比較検討を行った。表1に、実施例1、実施例2および比較例1で作製した固体電解コンデンサの単位外装体積に対する静電容量の大きさを示す。
Figure 2007180075
本発明によれば、タンタル弁作用金属粉末よりなる陽極体2の少なくとも一辺部に、1)タンタルよりも融点の低い弁作用金属である他の弁作用金属(実施例1ではニオブ)、または2)多孔質部21を形成する粉末より微細なタンタル弁作用金属(実施例2)という、より焼縮みの大きい弁作用金属の粉末を配することで、続く高温での焼結処理工程により、1)タンタルよりも低融点のニオブ弁作用金属、もしくは2)より微細なタンタル弁作用金属を焼き縮ませて多孔性を失わせることができる。
このとき、得られた非多孔質部20は、第三工程の後に続く導電性物質(固体電解質層4)の形成工程においても、導電性物質前駆体(第2の処理液等)の含浸を受けない。よって、本発明の構成では、従来の陽極リード線に代えて、新たにこの非多孔質部20を直接陽極引出部とすることが可能となる。
このように、陽極リード線を被覆するための体積が不要であることから、実施例1、実施例2における外装体積は、比較例1の外装体積と比較して小さく、表1からも明らかな通り、本発明によれば、結果的に外装体積に対する静電容量の大きい固体電解コンデンサが得られることがわかる。
[変形例]
以上、本発明につき、数例を用いて具体的に説明したが、本発明は上記各構成に何ら限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記各例では、固体電解質層4を導電性高分子を重合することにより形成したが、固体電解質層4を二酸化マンガンからなるものとしても良い。このとき、固体電解質層4は、図3及び図4に示すとおり、非多孔質部20を除く陽極体2の多孔質部21に対して硝酸マンガン水溶液等の第2の処理液Sを含浸し、その後熱分解する工程により形成することが出来る。
なお、固体電解質層4を形成する際、特に陽極リード線1は必要ないため、図4に示すとおり、陽極リード線1を除去した状態の陽極体2を非多孔質部20の辺りまで浸漬する態様の工程としても構わない。
また、第1の弁作用金属の粉末、または他の弁作用金属の粉末については、上記各例に記載の金属に限定されず、同等の効能を発揮し得る従来知られたもの、例えば、アルミニウムも第1の弁作用金属又は他の弁作用金属として使用し得る。
さらに、第1又は第2の処理液についても、上記実施例記載の処理液に限定されず、同等の効能を発揮し得る従来知られたもの、例えば、第1の処理液としては、アジピン酸、クエン酸、ホウ酸も使用でき、第2の処理液としては、チオフェン、ピロールまたはアニリンもしくはそれらの誘導体を含むモノマー溶液も使用し得る。
このように、本発明は上記各例に記載の構成に限定されるものではなく、当業者であれば、以上に開示された基本的技術思想及び教示に基づき、種々の変形例を想到出来る事は自明である。
以上に説明したとおり、本願発明は、陽極体から突出する陽極リード線を持たない構造とすることで、外装体積に対する静電容量の大きい固体電解コンデンサ及びその製造方法を提供する、新規かつ有用なるものであることが明らかである。
本発明に係る固体電解コンデンサの一実施形態を示す側断面図である。 焼結した加圧成形体に第1の処理液で酸化皮膜層を形成する処理を行っている状態を示す図である。 図2に示す処理後、さらに第2の処理液で固体電解質層を形成する処理を行っている状態を示す図である。 第2の処理液で固体電解質層を形成する別の処理工程を示す図である。 従来例に係る固体電解コンデンサのコンデンサ素子を示す側面図である。 従来例に係る固体電解コンデンサを製造するにあたり、焼結した加圧成形体に第1の処理液で酸化被膜層を形成する処理を行っている状態を示す図である。 図6に示す処理後、さらに第2の処理液で固体電解質層を形成する処理を行っている状態を示す図である。 従来例に係る固体電解コンデンサを示す側断面図である。
符号の説明
C 容器
F 第1の処理液
S 第2の処理液
E 電源
1 陽極リード線
2 陽極体
2’ 化成体
3 酸化皮膜層
4 固体電解質層
5 陰極引出層
6 外装樹脂
7 導電性接着剤
8a 陰極リードフレーム
8b 陽極リードフレーム
10 固体電解コンデンサ
11 コンデンサ素子
12a 陰極端子部
12b 陽極端子部
20 非多孔質部
21 多孔質部
50 従来例に係る固体電解コンデンサ

Claims (3)

  1. 弁作用金属粉末を加圧成形、焼結して得られた陽極体の表面に、酸化皮膜層、固体電解質層および陰極引出層が順次形成されたコンデンサ素子を有する固体電解コンデンサであって、
    第1の弁作用金属の粉末よりなる多孔質陽極体と、
    前記多孔質陽極体の少なくとも一辺部に備えられた非多孔質部であって、該非多孔質部が前記第1の弁作用金属より融点の低い他の弁作用金属の粉末、または、前記多孔質陽極体を形成するものより粒径の微細な第1の弁作用金属の粉末からなる非多孔質部と、
    前記非多孔質部の表面を少なくとも被覆して形成された陽極端子部と、
    を含むことを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 前記第1の弁作用金属の粉末がタンタルからなり、前記他の弁作用金属の粉末がニオブからなることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 弁作用金属粉末を加圧成形、焼結して得られた陽極体の表面に、酸化皮膜層、固体電解質層および陰極引出層が順次形成されたコンデンサ素子を有する固体電解コンデンサの製造方法であって、
    多孔質陽極体となる第1の弁作用金属の粉末を加圧成形する工程と、
    前記多孔質陽極体の少なくとも一辺部に、非多孔質部となる前記第1の弁作用金属より融点の低い他の弁作用金属の粉末、または、前記多孔質陽極体を形成するものより粒径の微細な第1の弁作用金属の粉末を、前記多孔質陽極体と共に加圧成形する第二次加圧成形工程と、
    前記第二次加圧成形工程後の成形体を焼結して非多孔質部を得る工程と、
    得られた前記非多孔質部の表面を被覆して陽極端子部を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
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