JP4429041B2 - 複合成形品の製造方法と製造装置及び複合成形品 - Google Patents
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従来、この種の複合成形品の製造方法としては、雄型と雌型のいずれか一方又は双方のキャビティ面に該キャビティ面に沿う形に予め成形した表皮フィルム又はシートを装着後、型締めを行い、発泡性樹脂粒子の充填と該粒子の加熱発泡処理を行って表皮付き発泡樹脂成形品を製造する方法において、キャビティ面に装着した表皮フィルム又はシートをキャビティ内圧力を上昇させることによりキャビティ面に更に密着させる工程を備えることを特徴とする表皮付き発泡樹脂成形品の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献2には、インサート品等の取付具に関して記載されているが、その構造等の詳細については記載されていない。
一般に、シートを成形型内に正確に位置決めして固定するには手間がかかり、また型内発泡の際にシートがずれやすく、良品の製造が難しい問題がある。
また、予めシートを成形し、これを成形型内に入れて熱可塑性樹脂発泡粒子を充填して型内成形する従来技術では、シートを別に成形するために余分な製造工程が必要であり、製造に手間と時間がかかる問題がある。
本発明の製造方法において、雄型の周縁部から突出してその先端で雌型に取り付けた枠材を押圧し、雄型と雌型の間隔に応じて進退する複数の押圧ピンによって枠材を押圧してシートを枠材に固定することが好ましい。
本発明の製造方法において、枠材が複合成形品を他部に取り付ける際に用いる固定用枠材であることが好ましい。
本発明の製造装置において、雄型の周縁部から突出してその先端で雌型に取り付けた枠材を押圧し、雄型と雌型の間隔に応じて進退する複数の押圧ピンが設けられた構成とすることが好ましい。
本発明の製造装置において、枠材が複合成形品を他部に取り付ける際に用いる固定用枠材であることが好ましい。
また、軟化したシートを雄型の凸部で押圧して成形し、さらに発泡粒子の型内成形の際に生じる圧力でシートを成形しているので、綺麗な外観の表皮が得られると共に、複雑な形状の複合成形品の製造が可能となる。
また、雄型の周縁部から突出してその先端で雌型に取り付けた枠材を押圧し、雄型と雌型の間隔に応じて進退する複数の押圧ピンが設けられた構成とすることで、シートの固定力を高めることができ、シート成形時のシートのずれを確実に防止することができる。
図1〜7は、本発明に係る複合成形品の製造方法の一例を説明するための図であり、図1は雌型4の取付部7に、シート2を張設した枠材5を取り付けた状態を示す成形型1の要部断面図、図2は本発明の方法に用いる枠材5の要部断面図、図3は雄型3の押圧ピン13で枠材5を固定した状態を示す成形型1の要部断面図、図4は型締めと同時に雄型3で加熱したシートを成形した状態を示す成形型1の要部断面図、図5は型内発泡成形して複合成形品を製造する状態を示す成形型1の要部断面図、図6は本発明の製造方法で得られる複合成形品の一例を示す斜視図、図7はその複合成形品を天井材として取り付けた状態を示す要部断面図である。
これらの図中、符号1は成形型、2はシート、3は雄型、3Aは凸部、4は雌型、5は枠材、6はシート係止部、7は取付部、8は取付片、9は係止爪、10は支持凸部、11はカバー取付部、11Aは突起、12は収納部、13は押圧ピン、14はキャビティ、15は熱可塑性樹脂発泡成形品、16は複合成形品、17は表皮、18は壁、19は化粧カバーである。
また、雄型3の周縁部から突出してその先端で雌型3に取り付けた枠材5を押圧し、雄型3と雌型4の間隔に応じて進退する複数の押圧ピン13が設けられた構成とすることで、シート2の固定力を高めることができ、シート成形時のシート2のずれを確実に防止することができる。
次いで、成形型1を熱可塑性樹脂発泡粒子の融着温度以上に蒸気加熱して型内発泡成形し、図5に示すように、熱可塑性樹脂発泡成形品15の表面にシート2からなる表皮が積層されるとともにその縁に枠材5が接合されてなる複合成形品を製造する。
また、軟化したシート2を雄型3の凸部3Aで押圧して成形し、さらに発泡粒子の型内成形の際に生じる圧力でシートを成形しているので、綺麗な外観の表皮が得られると共に、複雑な形状の複合成形品の製造が可能となる。
この複合成形品16は、熱可塑性樹脂発泡成形品15の一面側にシート2からなる表皮17が積層されるとともにその縁に枠材5が接合された構造になっており、この表皮17側を意匠面として、例えば浴槽の天井材として用いられる。本発明において、複合成形品16の形状、寸法は特に限定されない。この複合成形品21の用途としては、例えばユニットバスの天井材等の住宅設備用部材、自動車の内装材(インストルメンタルパネル、ドアパネル、シートバックパネル、ステアリングホイール、取手等)、家具(椅子の座部等)、容器、内装材、壁面材等が挙げられるが、これらに限定されない。
図7に示す例では、枠材5の下方に突出して設けられた支持凸部10とカバー取付部11の間の凹部に壁18の上端部が嵌着されるように設計されている。したがって、前記複合成形品16(天井材)を壁18上端部に取り付けるには、壁18の上端に複合成形品16を載せ、枠材5の支持凸部10とカバー取付部11の間に壁18の上端を嵌め込んで、複合成形品16を押し下げた後、適所をボルトで締結する程度の簡単な作業で複合成形品16の取り付けを行うことができる。また、壁18の内面側の露出しているカバー取付部11は、突起11Aを用いて化粧カバー19を嵌め込んで外観上覆うことができる。
Claims (7)
- シート係止部を有する枠材の該シート係止部に熱可塑性樹脂シートの縁を係止して前記枠材に熱可塑性樹脂シートを張設し、成形型を構成する雄型と雌型のうち雌型に前記枠材を取り付け、該熱可塑性樹脂シートを加熱、軟化せしめた後、雄型と雌型を型締めし、雄型に設けられた凸部で前記熱可塑性樹脂シートを押圧することによって熱可塑性樹脂シートを型内成形すると共に、該シートを雄型側に接触させ、次いで雌型と熱可塑性樹脂シートの間に熱可塑性樹脂発泡粒子を充填し、次いで成形型を熱可塑性樹脂発泡粒子の融着温度以上の温度に加熱して型内成形し、熱可塑性樹脂発泡成形品の表面に熱可塑性樹脂シートからなる表皮が積層されるとともにその縁に枠材が接合されてなる複合成形品を製造することを特徴とする複合成形品の製造方法。
- 雄型の周縁部から突出してその先端で雌型に取り付けた枠材を押圧し、雄型と雌型の間隔に応じて進退する複数の押圧ピンによって枠材を押圧して熱可塑性樹脂シートを枠材に固定する請求項1に記載の複合成形品の製造方法。
- 枠材が複合成形品を他部に取り付ける際に用いる固定用枠材である請求項1又は2に記載の複合成形品の製造方法。
- 多数の蒸気穴が穿設された雄型と雌型を備え、これらを型締めした時に製造する複合成形品の外形と合致するキャビティが形成される成形型を備え、このキャビティ内に熱可塑性樹脂シートと熱可塑性樹脂発泡粒子を入れて熱可塑性樹脂発泡粒子の融着温度以上に加熱して複合成形品を型内成形により製造する複合成形品の製造装置において、
雌型に、シート係止部に熱可塑性樹脂シートの縁を係止して該シートを張設した枠材を着脱可能に取り付ける取付部が設けられたことを特徴とする複合成形品の製造装置。 - 雄型の周縁部から突出してその先端で雌型に取り付けた枠材を押圧し、雄型と雌型の間隔に応じて進退する複数の押圧ピンが設けられた請求項4に記載の複合成形品の製造装置。
- 枠材が複合成形品を他部に取り付ける際に用いる固定用枠材である請求項4又は5に記載の複合成形品の製造装置。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法により得られ、熱可塑性樹脂発泡成形品の表面に熱可塑性樹脂シートからなる表皮が積層されるとともにその縁に枠材が接合されてなることを特徴とする複合成形品。
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