JP4428044B2 - 羽根車の製作方法、及び羽根車 - Google Patents

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本発明は、羽根車の製作方法及び羽根車に係り、特に、ターボ形流体機械に用いられる側板を備えた3次元羽根車の製作方法及び羽根車に関する。
ターボ形流体機械に用いられる側板を備えた遠心羽根車や斜流羽根車などの3次元羽根車と称される羽根車は、一般に、側板及び芯板のいずれか一方に羽根を形成して、羽根を形成しなかった方の板を羽根の側縁に溶接により接合するか、または、側板、芯板、及び羽根を別個に形成してそれぞれを溶接により接合することなどで製作されている。さらに、羽根車の別の製作方法として、芯板側に羽根を削り出し、側板の外側から電子ビーム溶接を行うことで芯板と一体に形成した羽根と側板とを接合することが提案されている(特許文献1)。また、この方法では、電子ビーム溶接では、羽根の厚さ方向に対して部分的な溶接となり未溶着部が残ることから、この未溶着部をロウ材で埋め、そのロウ材を溶かして羽根の付根にロウ材でフィレットを形成することが提案されている。
さらに、羽根車を回転軸に沿う方向で分割した形状の内輪部と外輪部とを鋳造と溶接により製作し、これら内輪部と外輪部とを溶接や、ボルトとナットにより接合して羽根車を製作することが提案されている(特許文献2)。また、羽根の一方の端縁から他方の端縁にかけて形成した羽根の接合面により羽根車を2分割した形状で、芯板と側板とに各々羽根の一部が形成された形状の部品を切削加工により形成し、この形成された各部品を、各々の羽根に設けられた接合面を当接させて拡散接合することにより羽根車を製作することが提案されている(特許文献3)。
国際公開番号WO96/22854号公報(第13−26頁、第4A、9A−9C図) 特開2001−115990号公報(第3−4頁、第5図) 特開平6−272696号公報(第4頁、第2、6図)
ところで、側板を備えた3次元羽根車では、溶接により製作する場合、側板と芯板と隣り合う羽根とで画成された空間、つまり流体の流路が、羽根のねじれや湾曲などから、溶接の工具などが入り難い形状となっている。このため、自動溶接装置などを用いて羽根と側板や芯板などとを自動溶接により溶接することは難しく、溶接作業は、ほとんど手作業で行われているのが現状である。さらに、工具などが入り難い部分で行った溶接による接合の強度などに対する信頼性を確保するため、溶接作業後に、表面欠陥の検査などが必要となっている。このように、従来は、手作業による溶接を行うことで側板を備えた3次元羽根車を製作していることから、製作コストの低減や製作期間の短縮などが難しい状況にある。したがって、製作コストの低減や製作期間の短縮などを行うため、側板を備えた3次元羽根車の製作の自動化が課題となっている。
一方、特許文献1のような、羽根車の外側から溶接できる電子ビーム溶接を用いた方法により羽根車を製作する方法であれば、羽根車の内側に溶接の工具などを挿入する必要がないため、自動化することも可能である。しかし、3次元的に曲がっている3次元羽根車の羽根に、一様なフィレットを形成するのは難しく、さらに、フィレットを形成できたとしても、一様でないフィレットでは、疲労強度は向上し難い。したがって、このような製作方法は、強度などに対する信頼性を確保し難く、検査も容易でないことから、実際には、3次元羽根車の製作方法として適用するのは難しい場合がある。
また、特許文献2のように内輪部と外輪部とに分割して製作する方法では、外輪部を溶接などで組み立てる際、羽根の形状によって溶接の工具などが入り難い部分ができる場合があることには変わりがなく、手作業による溶接でしか製作を行えない場合がある。
さらに、特許文献3のように、羽根の一方の端縁から他方の端縁にかけて形成した羽根の接合面により羽根車を2分割した形状の部品を形成する方法では、溶接や切削の工具などが入り難い部分ができないため、自動溶接機や自動旋盤などを用いることにより羽根車の製作を自動化できる。しかし、3次元羽根車のように羽根がねじれた形状の場合、羽根の一方の端縁から他方の端縁にかけて羽根のみに接合面を設けると、側板側に形成された羽根の接合面と芯板側に形成された羽根の接合面は、平面にはならず、屈曲または湾曲した面となる。このため、接合面を当接したときに接合面間に隙間や段差などが生じないように加工する必要が生じるため、加工精度の向上が必要となってしまう。さらに、この羽根の接合面を拡散接合する場合、3次元羽根車では、加圧による羽根の変形が生じてしまう恐れがある。したがって、このような羽根に設けた接合面で2つの部品を接合する方法の3次元羽根車への適用は難しい。
本発明の課題は、側板を備えた3次元羽根車の製作を自動化することにある。
本発明の羽根車の製作方法は、外形が切頭円錐状の芯板と、この芯板の外周面と間隔をおいて位置し、この芯板の外周面に対応する形状に形成されてこの芯板の外周面を囲む側板と、芯板と側板との間に形成された3次元形状を有する複数の羽根とを備えた羽根車の製作方法であり、芯板と側板とを通り、羽根車の回転軸に交わる方向の面で羽根車を分割した形状の2以上の羽根車部品を形成し、この形成した2以上の羽根車部品の少なくとも芯板と側板とに設けられた羽根車の回転軸に交わる方向の面を当接面とし、この各羽根車部品の少なくとも芯板と側板とに設けられた対応する当接面を当接して羽根車を組み立てることを特徴としている
このような製作方法とすれば、側板を備えた3次元羽根車であっても、羽根車を構成する側板と芯板とを通り回転軸に交わる方向の面で分割した形状の2以上の羽根車部品は、共に流路に溶接や切削の工具が入り難い部分ができないため、自動溶接機や自動旋盤などによる製作が行える。さらに、各羽根車部品の羽根の各羽根車部品を当接する側の端縁は、直線状となるため、加工精度の向上なども必要ない。したがって、側板を備えた3次元羽根車の製作を自動化できる。
この場合において、側板の当接面は、羽根車の回転軸に垂直な方向の平面で、羽根車のより縮径した側に位置し、芯板の当接面は、羽根車の回転軸に垂直な方向の平面で、羽根車のより拡径した側に位置し、各羽根車部品に形成された羽根のこの各羽根車部品を当接する側の端縁は、側板の当接面の羽根側周縁と、芯板の当接面の羽根側周縁とを結ぶテーパ状に形成する。
羽根の高さが高い高比速度3次元羽根車では、一平面で分割すると、羽根と芯板との連結部分が比較的短くなった羽根車部品や、芯板を含まない羽根車部品などを形成することになる場合がある。この場合、加工時にびびりが生じ易いため、機械加工が難しい場合がある。そこで、高比速度羽根車では、このような製作方法とすれば、羽根と芯板との連結部分が比較的短くなった羽根車部品や、芯板を含まない羽根車部品などにならずに済み、羽根の両端が側板と十分な長さの芯板とで支持された状態となり、加工時にびびりが生じ難いため、機械加工がし易くなる。さらに、各羽根車部品の羽根の各羽根車部品を当接する側の端縁は、テーパ状の直線であるため、加工精度の向上なども必要ない。したがって、高比速度羽根車でも製作を自動化できる。
さらに、溶接で各羽根車部品の形成を行う場合、溶接作業自体を自動化できても、ビード仕上げ、溶接後応力の除去や材料強度確保などのための熱処理工程などの手作業で行なわなければならない作業が必要となる。しかし、2以上の羽根車部品を、切削加工により形成すれば、自動旋盤などを用いて切削加工を自動化できる上、自動溶接機などにより自動で各羽根車部品を形成した場合でも必要となる手作業をなくすことができ、より自動化を促進できる。
また、各羽根車部品に形成された羽根の各羽根車部品を当接する側の端縁に当接面が設けられ、各羽根車部品に形成された羽根を、互いの羽根に設けた当接面を位置合わせして当接し、羽根車を組み立てる。さらに、各羽根車部品に形成された羽根の各羽根車部品を当接する側の端縁間に隙間を設け、各羽根車部品に形成された羽根を、互いの羽根の端縁を位置合わせし、芯板と側板とに設けられた対応する当接面を当接して羽根車を組み立てる。これにより、拡散接合などにより加圧しながら当接面を接合する場合、羽根の変形を確実に生じ難くできる。
また、2以上の羽根車部品に形成された羽根の各羽根車部品を当接する側の端縁の位置を周方向にずらすことにより、2以上の羽根車部品に形成された羽根の各羽根車部品を当接する側の端縁間に隙間が形成された状態で2以上の羽根車部品の対応する芯板と側板とに設けられた当接面を当接して羽根車を組み立てる。これにより、ターボ形流体機械の作動範囲を拡大できる。
さらに、2以上の羽根車部品に形成された羽根の各羽根車部品を当接する側の端縁の位置を、羽根車内の流体の流れに対して下流側に位置する羽根車部品の羽根ほど、羽根車の回転方向にずらした状態で2以上の羽根車部品の対応する芯板と側板とに設けられた当接面を当接して羽根車を組み立てる。これにより、ターボ形流体機械の作動範囲でも、特にサージマージンを拡大でき、性能を向上できる。
また、各羽根車部品の対応する当接面の対応する位置に穴を形成し、この穴に棒体を挿入し、かつ、2以上の羽根車部品をシャフトに固定して羽根車を組み立てる。このようにすれば、各羽根車部品の対応する当接面間を溶接やろう付け、または拡散接合などにより接合しなくても各羽根車部品から羽根車を組み立てることができるため、組み立て作業を簡素化できる。
さらに、2以上の羽根車部品の対応する当接面を当接させた状態で、この対応する当接面間を拡散接合及びろう付けの少なくとも方により接合して羽根車を組み立てる。これにより、羽根車の強度に対する信頼性を向上できる。
また、本発明の羽根車は、外形が切頭円錐状の芯板と、この芯板の外周面と間隔をおいて位置し、この芯板の外周面に対応する形状に形成されてこの芯板の外周面を囲む側板と、芯板と側板との間に形成された3次元形状を有する複数の羽根と備えた羽根車であり、芯板と側板とを通り回転軸に交わる方向の面で分割した形状の2以上の羽根車部品を、この各羽根車部品の少なくとも芯板と側板とに設けられた羽根車の回転軸に交わる方向の面を当接面とし、この当接面で各羽根車部品を当接させている構成とすることを特徴としている
この場合において、側板の当接面は、羽根車の回転軸に垂直な方向の平面で、羽根車のより縮径した側に位置し、芯板の当接面は、羽根車の回転軸に垂直な方向の平面で、羽根車のより拡径した側に位置し、各羽根車部品に形成された羽根のこの各羽根車部品を当接する側の端縁は、側板の当接面の羽根側周縁と、芯板の当接面の羽根側周縁とを結ぶテーパ状に形成されている構成とする。また、各羽根車部品に形成された羽根の各羽根車部品を当接する側の端縁が当接面となっており、各羽根車部品に形成された羽根を、互いの前記羽根に設けた当接面を位置合わせして当接している構成とする。
さらに、各羽根車部品に形成された羽根の各羽根車部品を当接する側の端縁間に隙間を有し、各羽根車部品に形成された羽根を、互いの前記羽根の端縁を位置合わせした状態で芯板と側板とに設けられた対応する当接面が当接されている構成とする。
また、2以上の羽根車部品に形成された羽根の各羽根車部品を当接する側の端縁の位置がずれていることにより、2以上の羽根車部品に形成された羽根の端縁間に隙間が形成されている構成とする。
さらに、2以上の羽根車部品に形成された羽根の各羽根車部品を当接する側の端縁の位置が、羽根車内の流体の流れに対して下流側に位置する羽根車部品の羽根ほど、羽根車の回転方向にずれている構成とする。
また、上記いずれかの羽根車と、この羽根車が連結されたシャフトとを備えた構成のターボ形流体機械のロータとする。このような構成のターボ形流体機械のロータとすれば、ロータの製作コストを低減できる。
本発明によれば、側板を備えた3次元羽根車の製作を自動化できる。
参考例1
以下、本発明の参考例として羽根車の基本形態を図1乃至図5を参照して説明する。図1は、羽根車の該略構成を示す回転軸方向での断面図である。図2は、羽根車の該略構成を示す分解斜視図である。図3は、羽根車の製作方法を説明する図であり、各羽根車部品の形成作業を示す図である。図4は、ノックピンを用いて位置合わせを行う場合の羽根車の組み立て方法を説明する図である。図5は、拡散接合で羽根車を組み立てる方法を説明する図である。
参考例の羽根車1は、ターボ形流体機械に用いられる一般的なステンレス鋼やクロム・モリブデン鋼、その他の鉄鋼材料などで形成されたものであり、図1に示すように、芯板3、側板5、そして芯板3と側板5との間に円周方向に配列された複数の羽根7を有する3次元羽根車である。
芯板3は、羽根車1の側方に向いた開口側から回転軸11に沿う方向に向いた開口側にかけて凹曲面を描きながら漸次縮径する切頭円錐状に形成されており、中央部には図1には図示していないシャフトが挿通される貫通穴9が形成されている。側板5は、芯板3の凹曲面に沿う形状に湾曲しながら羽根車1の側方に向いた開口側から回転軸11に沿う方向に向いた開口側にかけて漸次縮径する筒状に形成されている。側板5と芯板3との間隔は、羽根車1の側方に向いた開口側で狭く、回転軸11に沿う方向に向いた開口側で広くなっている。羽根7は、このような形状の芯板3と側板5との間に形成されており、図2に示すように、羽根車1の回転軸11に沿う方向に向いた開口側から側方に向いた開口側にかけて湾曲し、ねじれた状態で形成されている。
このような形状の本参考例の羽根車1は、図1及び図2に示すように、回転軸11に垂直に交わる2箇所の面で分割された3つの羽根車部品1a、1b、1cで構成されている。そして、各羽根車部品1a、1b、1cの対向する面が当接面13、15となっている。羽根車部品1a、1b、1cは、図3に示すように、別個に、例えばNC旋盤などを用いた切削加工により製作されている。なお、図1における当接面13は、図3における羽根車部品1aの芯板3、羽根7、そして側板5にかけて設けられた当接面13aと、羽根車部品1aの当接面13aに対応する形状の羽根車部品1bの芯板3、羽根7、そして側板5にかけて設けられた当接面13bとからなり、図1における当接面15は、羽根車部品1bの当接面13bと反対側の芯板3、羽根7、そして側板5にかけて設けられた当接面15aと、羽根車部品1bの当接面15aに対応するする形状の羽根車部品1cの芯板3、羽根7、そして側板5にかけて設けられた当接面15bとからなる。
このとき、羽根車1の回転軸11に沿う方向に向いた開口を有する羽根車部品1aでは、芯板3、側板5、そして羽根7の間の空間つまり流路となる部分を中ぐりで形成すると共に、芯板3及び側板5の流路面と羽根7とを形成する際、流路幅も広く、羽根7も他の部分に比べてねじれが少ない部分であるため、一面側から、例えば図3に矢印で示す方向のように切削工具17を羽根車部品1aの回転軸11に沿う方向に向いた開口側の羽根7の端縁19側から挿入して切削加工を行う。
一方、中間に位置する羽根車部品1bでは、羽根車部品1aに比べて流路が徐々に狭くなり、また、羽根7のねじれも大きくなってくるため、両面側から、つまり図3に矢印で示す方向のように切削工具17を羽根車部品1bの羽根車部品1a側に来る当接面13b側と、羽根車部品1bの羽根車部品1c側に来る当接面15a側との両側から挿入して切削加工を行う。また、側方に向いた開口を有する羽根車部品1cでも、羽根車部品1bに比べて流路がさらに狭くなり、また、羽根7のねじれや湾曲も大きくなってくるため、両面側から、つまり図3に矢印で示す方向のように切削工具17を羽根車部品1cの羽根車部品1b側に来る当接面15b側と、側方に向いた開口側の羽根7の端縁21側との両側から挿入して切削加工を行う。
ところで、本参考例の場合、1つの羽根車1は、3つの羽根車部品1a、1b、1cで構成されるため、3種類の形状の羽根車部品1a、1b、1cを切削加工することになる。このため、NC旋盤などを用いて加工を行う場合、NC加工のソフトが3つ必要になり、また、加工のためのセッティング回数が増えるなどのデメリットが考えられる。しかし、コンピュータ技術などの進歩により、最近では、羽根形状の3次元データ化が容易になっているうえ、それらのデータを用いたNC加工ソフトの作成の自動化も進んでいる。したがって、上記のようなデメリットは、溶接で加工する場合の溶接作業やビード仕上げが不要になること、自動溶接機などを用いた自動溶接に比べて機械加工の効率が高くなることなどに比べれば問題にはならない程度のものである。
このように切削加工で形成した羽根車部品1a、1b、1cは、各々の対応する当接面13a、13b、15a、15cで当接され、1つの羽根車1として組み立てられる。羽根車部品1a、1b、1cから羽根車1を組み立てる方法の1つとして、羽根車部品1a、1b、1cをシャフトに取り付けることによって行う方法がある。この場合、羽根車部品1a、1b、1cの周方向の位置、つまり、羽根7の位置を合わせるために有底穴を形成し、この有底穴に挿入可能なノックピンを用いる。すなわち、この方法では、図4に示すように、羽根車部品1aの当接面13aの芯板3部分に有底穴23を、羽根車部品1bの当接面13bの芯板3部分の、羽根車部品1a側の有底穴23に対応する部分に形成された穴に挿入され、羽根車部品1bの当接面13bから突出した状態にされた円柱状のノックピン25を設ける。
同様に、羽根車部品1bの当接面15aの芯板3部分に有底穴27を、羽根車部品1cの当接面15bの芯板3部分の、羽根車部品1b側の有底穴27に対応する部分に形成された穴に挿入され、羽根車部品1cの当接面15bから突出した状態にされた円柱状のノックピン29を設ける。なお、有底穴23の内径とノックピン25の外径、そして有底穴27の内径とノックピン29の外径は、各々同じ大きさに形成されており、ノックピン25が有底穴23に、そしてノックピン29が有底穴27に挿入されることで、がたが無い状態で羽根車部品1a、1b、1cが各々周方向に位置合わせされた状態、つまり羽根車部品1a、1b、1cの各々に形成された羽根7同士が位置合わせされた状態となる。
このような羽根車部品1a、1b、1cは、例えば羽根車部品1c、羽根車部品1b、そして羽根車部品1aの順で、互いの対応する当接面、つまり当接面15bと当接面15a、当接面13bと当接面13aが対向する状態で各々の貫通穴9にシャフト31の羽根車固定部31aを挿通し、当接面15bと当接面15a、当接面13bと当接面13aを当接させて行く。このとき、羽根車部品1cと羽根車部品1bは、ノックピン29を貫通穴27に挿入することで周方向の位置決めがされ、羽根車部品1bと羽根車部品1aは、ノックピン25を貫通穴23に挿入することで周方向の位置決めがされる。羽根車部品1c、羽根車部品1b、そして羽根車部品1aがシャフト31の羽根車固定部31aに装着された後、シャフト31の羽根車固定部31aの端面に形成されたねじ穴31bに、ねじ穴31bに対応するボルト33を螺合させ、シャフト31の羽根車固定部31aに羽根車部品1a、1b、1cを1体に羽根車1として組み立てて固定した状態とする。
このような組み立て方法では、遠心圧縮機や遠心送風機などといったターボ形流体機械のロータ35の組み立てと共に各羽根車部品1a、1b、1cから羽根車1を組み立てることができ、羽根車の組み立て作業を簡素化できる。組み立てた羽根車に強度上の問題が生じない用途に用いる羽根車やロータは、このような簡素化された方法で組み立てることができる。
一方、羽根車に強度の向上が要求される場合や、隙間腐食が懸念される用途に用いる羽根車及びロータでは、羽根車部品1a、1b、1cは、溶接やろう付け、または拡散接合などで互いの対応する当接面、つまり当接面13aと当接面13b、当接面15aと当接面15bを接合することになる。特に、遠心圧縮機などにおいて要求される圧力が比較的高く、強度をできるだけ向上することが必要な場合には、拡散接合により組み立てを行うことが望ましい。
拡散接合により組み立てを行う場合、各羽根車部品1a、1b、1cは、図5に示すように、側板5の外周面側の部分や芯板3の両端面側の部分などは成形を行わず、各羽根車部品1a、1b、1cを、仕上げ代37を残した円盤状の部材として、側板5の外周側などを除き、芯板3、側板5、そして羽根7の加工を行う。そして、この円盤状の各羽根車部品1a、1b、1cを、互いの対応する当接面、つまり当接面13aと当接面13b、当接面15aと当接面15bが当接し、各羽根車部品1a、1b、1cに形成された羽根7が連続するように位置を合わせた状態で、羽根車部品1c、羽根車部品1b、そして羽根車部品1aの順に積み重ね、さらに羽根車部品1a上に両面が平坦な円盤状の加圧治具39を載置し、真空炉の中に入れる。
これにより、図5において矢印で示すような方向の力で各羽根車部品1a、1b、1cが加温状態で加圧され、各羽根車部品1a、1b、1cの当接面13aと当接面13b、そして当接面15aと当接面15bとが拡散接合により接合される。各羽根車部品1a、1b、1cを接合して一体とした後、拡散接合を行う前に加工を行っていなかった仕上げ代37の部分を削り、側板5の外周面側、及び芯板3の両端部分を仕上げ、図1に示すような形状の羽根車1とする。
なお、加圧治具39で加圧するとき、羽根車部品1cでは、羽根車部品1a、1bと異なり、加圧による力がかかる方向に側板5、羽根7、芯板3が順に位置した状態となっているため、羽根車部品1a、1bに比べて羽根7に相対的に大きな力がかかり、羽根7が変形する恐れがある。したがって、拡散接合を行う場合、羽根車部品1cの側板5の仕上げ代37と、芯板3の仕上げ代37との間の空間、つまり側板5と芯板3との間の羽根7の端縁21よりも外側の空間に、側板5と芯板3との間の幅に応じた幅を有し、過剰な変形を防止するための環状部材41が設けられている。また、必要以上の圧力がかかることにより、羽根車部品1a、1b、1cの各々の羽根7部分で回転軸11方向に圧縮変形が生じるのを防止するための変形防止用の部材も使用される場合があるが、図5では省略している。
このように拡散接合で各羽根車部品1a、1b、1cから羽根車1を組み立てる場合、各羽根車部品1a、1b、1cの当接面13a、13b、15a、15bは全て平行な平面状であるため、加工は容易であり、各当接面13a、13b、15a、15bの面粗さをできるだけ小さくし、できるだけ滑らかな面に仕上げることができる。また、拡散接合では、面仕上げを滑らかにするほど、加圧力を小さくして接合できるので、接合における圧縮加圧による羽根7などの変形を低減できる。さらに、羽根7単独ではなく、羽根7は、芯板3、側板5と一体で削り出されているので、加熱下で加圧された状態でも羽根7に局所的に力がかかり難いことからも、羽根7の変形を低減できる。つまり、本参考例のように各羽根車部品1a、1b、1cで羽根車1を形成すれば、当接面13a、13b、15a、15bを滑らかに加工できるので、拡散接合で羽根車を組み立てる場合でも、比較的低圧による圧縮加圧で接合が行え、加圧による羽根の変形を低減できる。
ここで、芯板3と羽根7を一体で機械加工により削り出し、その後、溶接によって側板5を接合することで羽根車1を製作する場合、羽根7の側板5側の中間部分、つまり本参考例の羽根車部品1bに形成される羽根7の部分に相当する部分では、溶接の工具が羽根7と干渉して溶接し難い状態となる。また、側板5に羽根7を一体で削り出した場合は、芯板3と羽根7とを溶接することになる。この場合は、側板5と羽根7とを溶接する場合に比べると溶接は容易になると思われるが、羽根7の形状によっては、やはり羽根7中間部分での溶接が難しい状態となることが懸念される。さらに、側板5側に羽根7を一体で削り出す場合、羽根7との干渉を避けるために長いアームをもつ工具が必要となること、また、羽根7は一つの縁部で固定された状態である上、比較的薄いものであるため、加工ではびびりが生じやすく、機械加工であっても加工効率に問題が生じることなども懸念される。
これに対して、本参考例の羽根車の製造方法及び羽根車1では、芯板3や側板5を備えた3次元羽根車であっても、側板5と芯板3とを通り回転軸11に交わる方向の当接面13、15で分割した形状の羽根車部品1a、1b、1cによって羽根車1が構成されている。羽根車1を構成する羽根車部品1a、1b、1cには、側板5、芯板3、そしてねじれた羽根7で画成された流路に溶接や切削のための工具などが入り難い部分がないため、自動溶接機や自動旋盤などによる製作が行える。さらに、羽根7の当接面は平面となるため、当接面の密着性を向上するための加工精度の向上なども必要ない。したがって、側板を備えた3次元羽根車の製作を自動化できる。
特に、近年の機械的な技術やソフトウエアなどの進歩により、NC旋盤といった自動旋盤などにより3次元形状のものにたいする切削加工の自動化が可能になってきている。一方、溶接では、自動溶接機などを用いて溶接作業を自動化したとしても、ビード仕上げ、溶接後応力の除去や材料強度確保などのための熱処理工程などの手作業で行なわなければならない作業が必要となる。さらに、必要な強度を確保し、信頼性を確保するための溶接の表面欠陥の検査作業なども必要となる。したがって、切削加工で各羽根車部品を形成すれば、自動旋盤などを用いて切削加工を自動化できる上、溶接で製作した場合よりも手作業や検査作業などを減らしたり、簡素化することができ、より自動化を促進できる。加えて、自動化を促進できることにより、製作コストの低減や、製作期間の短縮などが可能となる。また、機械加工できることにより、羽根形成の精度を向上でき、さらに、羽根形成の精度の向上により性能のばらつきを少なくできる。
加えて、本参考例のような切削工具17の図示していないアームや、溶接に用いられる工具のアームなどを短くできること、また、羽根7が常に芯板3及び側板5に固定された状態となるため、薄い羽根を形成する場合でもびびりが生じ難いことなどから、加工効率を向上できる。
さらに、NC旋盤などの自動切削機械による機械加工では、溶接などの接合方法に比べて寸法精度を高めることができるため、羽根車の性能のばらつきを低減できる。加えて、このような機械加工で羽根7を削りだすため、羽根7の両縁の芯板3、側板5への連結部分、つまり溶接で形成する場合のフィレットに相当する部分の加工精度を溶接におけるフィレットに比べて向上できるため、羽根7と芯板3や側板5との連結部分の欠陥の低減や、羽根車の品質の向上などが可能となり、また、強度的限界設計にも寄与でき、強度信頼性を向上できる。さらに、溶接作業を行う場合に比べ、検査工程を簡素化できる。
さらに、本参考例の羽根車部品1a、1b、1cで構成された羽根車1をシャフト31に組み付けたターボ形流体機械のロータとすることにより、ロータとしての製作コストの低減や製作期間の短縮、また、品質の向上などが可能となる。
(実施形態
以下、本発明を適用してなる羽根車の実施形態について図6乃至図8を参照して説明する。図6は、本発明を適用してなる羽根車の該略構成を示す回転軸方向での断面図である。図7は、本発明を適用してなる羽根車の製作方法を説明する図であり、各羽根車部品の形成作業を示す図である。図8は、拡散接合で羽根車を組み立てる方法を説明する図である。なお、本実施形態では、参考例1と同一の構成などには同じ符号を付して説明を省略し、参考例1と相違する構成や特徴部などについて説明する。
本実施形態の羽根車が参考例1と相違する点は、参考例1の羽根車に比べて羽根の高さが高い、つまり羽根の端縁の幅が広い高比速度羽根車であること、参考例1の羽根車の当接面が平面的な形状であるのに対して、本実施形態の当接面は、段差を有した立体的な形状としたことなどにある。すなわち、本実施形態の高比速度羽根車である羽根車43では、図6に示すように、芯板3、側板5、そして芯板3と側板5との間に円周方向に配列された複数の羽根7を有する3次元羽根車としての構成は、参考例1と同じである。しかし、羽根車43は、高比速度羽根車であるため、側板5と芯板3との間隔は、参考例1よりも広く、羽根7の高さが高くなっている。
このような形状の本実施形態の羽根車43は、図6及び図7に示すように、回転軸11に垂直に交わる方向の1箇所の段差を有する当接面45で分割された2つの羽根車部品43a、43bで構成されている。羽根車部品43a、43bは、図7に示すように、別個に、例えばNC旋盤などを用いた切削加工により形成されている。図6における当接面45は、図7における羽根車部品43aの当接面45aと、羽根車部品43aの当接面45aに対応する形状の羽根車部品43bの当接面45bとからなる。
羽根車部品43aの当接面45aと、羽根車部品43bの当接面45bとは、各々、側板5の部分では、羽根車43の回転軸11に垂直な方向の平面で、当接面45aの芯板3側の部分、及び当接面45bの芯板3側の部分よりも、羽根車43のより縮径した側に位置している。芯板3の部分では、羽根車43の回転軸11に垂直な方向の平面で、当接面45aの側板5側の部分、及び当接面45bの側板5側の部分よりも、羽根車43のより拡径した側に位置している。
さらに、羽根車部品43aの当接面45aの羽根7の部分では、当接面45aの側板5の部分の羽根7側周縁と芯板3の部分の羽根7側周縁とを結ぶテーパ状の面となっている。したがって、羽根車部品43aの当接面45aでは、羽根7の部分のテーパ状の面を介して、芯板3の部分の面が側板5の部分の面よりも突出した状態に形成されている。また、羽根車部品43bの当接面45bの羽根7の部分では、当接面45bの側板5の部分の羽根7側周縁と芯板3の部分の羽根7側周縁とを結ぶテーパ状の平面となっている。したがって、羽根車部品43bの当接面45bでは、羽根7の部分のテーパ状の平面を介して、芯板3の部分の面が側板5の部分の面よりも凹んだ状態に形成されている。すなわち、羽根車部品43aの当接面45aと、羽根車部品43bの当接面45bとは、各々、互いに対応する形状の凸面と凹面とに形成されている。
羽根車部品43aと、羽根車部品43bとを切削加工により形成するとき、回転軸11に沿う方向に向いた開口を有する羽根車部品43aでは、芯板3、側板5、そして羽根7の間の空間つまり流路となる部分を中ぐりで形成すると共に、芯板3及び側板5の流路面と羽根7とを形成する際、流路幅も広く、羽根7も羽根車部品43bに比べてねじれや湾曲が少ない部分であるため、一面側から、例えば図7に矢印で示す方向のように切削工具17を羽根車部品43aの回転軸11に沿う方向に向いた開口側の羽根7の端縁19側から挿入して切削加工を行う。一方、側方に向いた開口を有する羽根車部品43bでは、羽根車部品43aに比べて流路が狭くなり、また、羽根7のねじれや湾曲も大きくなってくるため、両面側から、つまり図7に矢印で示す方向のように切削工具17を、羽根車部品43bの羽根車部品43a側に来る当接面45b側と、側方に向いた開口側の羽根7の端縁21側との両側から挿入して切削加工を行う。
羽根車部品43aと羽根車部品43bとを羽根車43に組み立てる場合、参考例1のように、有底穴とノックピンを用いた方法、溶接やろう付けなどにより接合する方法など必要な強度などに応じて様々な方法で組み立てることができるが、ここでは、拡散接合により組み立てる場合について説明する。拡散接合により組み立てを行う場合、各羽根車部品43a、43bは、図8に示すように、参考例1と同様、側板5外周面側の部分芯板3の両端面側の部分などは成形を行わず、各羽根車部品43a、43bを、仕上げ代37を残した部材として芯板3、側板5、そして羽根7の加工を行う。
そして、各羽根車部品43a、43bを、互いの対応する当接面、つまり当接面43aと当接面43bが当接し、位置を合わせた状態で、羽根車部品43b、そして羽根車部品43aの順に積み重ね、さらに羽根車部品43a上に加圧治具47を載置し、炉の中に入れる。このとき、本実施形態の羽根車部品43aは、羽根7の端縁19側の面のうち、芯板3の部分が凹んだ凹状になっている。このため、加圧治具47は、側板5の部分と芯板3の部分に当接できるように、芯板3に対応する部分が円盤状に突出した全体に凸形状の断面を有するものを用いている。
これにより、図8において矢印で示すような方向の力で各羽根車部品43a、43bが加圧された状態で加熱され、各羽根車部品43a、43bの当接面45aと当接面45bとが拡散接合により接合される。各羽根車部品43a、43bを接合して一体とした後、拡散接合を行う前に加工を行っていなかった仕上げ代37の部分を削り、側板5の外周面側、及び芯板の両端部分を仕上げ、図6に示すような形状の羽根車43とする。
このような本実施形態の高比速度羽根車である羽根車43では、参考例1のように、当接面が単一平面である場合には、羽根と芯板との連結部分が比較的短くなった羽根車部品や、芯板を含まない羽根車部品などを形成することになる場合がある。例えば、参考例1のように単一平面の当接面を形成した場合、当接面が羽根車43の回転軸11に沿う方向に向いた開口側の羽根7の端縁19に交わり、羽根7がこの端縁19で分割されてしまう場合がある。この場合、加工時にびびりが生じ易いため、機械加工が難しくなる場合がある。また、羽根7がこの端縁19で分割されてしまう場合、羽根7の位置合わせを行うための加工精度の問題や、拡散接合する場合に羽根が変形し易いなどの問題が生じる。
しかし、本実施形態の羽根車43は、互いに対応する形状の凸面と凹面とに形成された当接面45a、45bを有する羽根車部品43a、43bで形成されていることから、羽根車部品43a、43bは、羽根と芯板との連結部分が比較的短くなった羽根車部品や、芯板を含まない羽根車部品、つまり、当接面が羽根7の端縁19を通らず、羽根7が端縁19で分割された状態の羽根車部品になってしまうことが無い。したがって、羽根7の両端が側板5と十分な長さの芯板3とで支持された状態となり、加工時にびびりが生じ難いため、機械加工がし易くなり、自動溶接機や自動旋盤などによる製作が行える。すなわち、高比速度羽根車であっても、本実施形態の当接面45のような面形状とすれば、側板を備えた3次元羽根車の製作を自動化できる。
さらに、羽根7の位置合わせを行うための加工精度の問題や、拡散接合する場合に羽根が変形し易いなどの問題が生じない。また、羽根車部品43aと羽根車部品43bとを回転軸11に沿う方向に加圧して拡散接合する場合、羽根車部品43aの当接面45aの側板5部分や芯板3部分は、回転軸11に垂直な平面であるため、この部分で加圧変形の制御をすることにより、接合時に羽根7部分に過剰な変形が生じ難い。加えて、羽根車部品43aの当接面45aの羽根7の部分、そして羽根車部品43bの当接面45bの羽根7の部分は、共にテーパ状であるが平面であるため、当接面の密着性を向上するための加工精度の向上なども必要ない。
さらに、羽根車43の当接面45は、参考例1のような単一平面ではないが、当接面45のうち芯板3の部分、そして側板5の部分は、いずれも回転軸11に垂直、つまり拡散接合するときの加圧方向に対して垂直な平面であるから、拡散接合は、加圧冶具47のような加圧治具を用いることにより容易に行える。
加えて、羽根車43のような高比速度羽根車では、強度的に最も厳しい部位は、通常、羽根7の両端縁19、21の付根、つまり芯板3や側板5への連結部分であり、羽根車43の使用において羽根7の中間部分に作用する応力は相対的に低い。本実施形態のようにNC旋盤などにより切削加工した、羽根車部品43a、43bで形成された羽根車43では、この作用する応力が他の部分よりも大きい羽根7の端縁19、21の連結部分が、加工精度を向上でき、また、強度に対する信頼性を向上できる機械加工によって形成されるので、羽根車としての強度に対する信頼性を向上できる。
参考例2
以下、本発明を説明する他の参考例を図9乃至図12を参照して説明する。図9は、羽根車の該略構成を示す回転軸方向での断面図である。図10は、羽根車の該略構成を示し、各羽根車部品を分割した状態で示す回転軸方向での断面図である。図11は、拡散接合で羽根車を組み立てる方法を説明する図である。図12は、羽根車の各羽根車部品の羽根の対向する端縁間に設けた隙間の状態と流体の流れを説明する側板を省略した羽根車の一部分の模式図である。なお、本参考例では、参考例1び実施形態と同一の構成などには同じ符号を付して説明を省略し、参考例1び実施形態と相違する構成や特徴部などについて説明する。
参考例の羽根車が参考例1び実施形態と相違する点は、参考例1び実施形態の羽根車のように各羽根車部品の羽根の端縁に当接面を設けておらず、各羽根車部品の羽根の当接面側の端縁間に隙間を設けたことにある。すなわち、本参考例2の羽根車49では、図9に示すように、芯板3、側板5、そして芯板3と側板5との間に円周方向に配列された複数の羽根7を有する3次元羽根車としての構成は、参考例1と同じである。しかし、羽根車49では、羽根車49の回転軸11に沿う方向に向いた開口を有する羽根車部品49aに形成された羽根7の当接面13側の端縁7aと中間に位置する羽根車部品49bに形成された羽根7の当接面13側の端縁7bとの間、そして、羽根車部品49bに形成された羽根7の当接面15側の端縁7cと側方に向いた開口を有する羽根車部品49cに形成された羽根7の当接面15側の端縁7dとの間に、各々、隙間51、53が形成されている。
羽根車49を構成する3つの羽根車部品49a、49b、49cは、図10に示すように、参考例1と同様、別個に、例えばNC旋盤などを用いた切削加工により形成されている。このとき、本参考例2では、拡散接合により各羽根車部品49a、49b、49cを接合して羽根車49を組み立てるため、各羽根車部品49a、49b、49cは、仕上げ代37を残した円盤状の部材として、側板5の外周側などを除き、芯板3、側板5、そして羽根7の加工が行われる。
各羽根車部品49a、49b、49cの羽根7の加工において、羽根車部品49aに形成された羽根7の当接面13側の端縁7a、羽根車部品49bに形成された羽根7の当接面13側の端縁7bと当接面15側の端縁7c、そして、羽根車部品49cに形成された羽根7の当接面15側の端縁7dは、各羽根車部品49a、49bの当接面13となる芯板3及び側板5に形成された当接面13a、13b、各羽根車部品49b、49cの当接面15となる芯板3及び側板5に形成された当接面15a、15bよりも凹んだ状態で形成されている。また、これらの各羽根車部品49a、49b、49cの羽根7の端縁7a、7b、7c、7dと芯板3及び側板5との間は、凹状の曲面でつながった状態に加工され、強度が向上されている。
このように本参考例では、参考例1とは異なり、羽根車部品49aと羽根車部品49b間の当接面13は、羽根車部品49aの羽根車部品49b側の芯板3及び側板5の面からなる当接面13aと、羽根車部品49bの羽根車部品49a側の芯板3及び側板5の面からなる当接面13bとからなる。同様に、羽根車部品49bと羽根車部品49c間の当接面15は、羽根車部品49bの羽根車部品49c側の芯板3及び側板5の面からなる当接面15aと、羽根車部品49cの羽根車部品49b側の芯板3及び側板5の面からなる当接面15bとからなる。
各羽根車部品49a、49b、49cを各々拡散接合により接合して羽根車49に組み立てる場合、図11に示すように、参考例1と同様、仕上げ代37を残した円盤状の各羽根車部品49a、49b、49cを、互いの対応する当接面、つまり当接面13aと当接面13b、当接面15aと当接面15bが各々当接し、羽根7の端縁7a、7b、7c、7dが対向する位置になるように位置を合わせた状態で、羽根車部品49c、羽根車部品49b、そして羽根車部品49aの順に積み重ね、さらに羽根車部品49a上に円盤状の加圧治具39を載置し、真空炉の中に入れる。
そして、図11において矢印で示すような方向の力を加圧治具39に加えることで、各羽根車部品49a、49b、49cが加温状態で、矢印で示すような方向に加圧され、各羽根車部品49a、49b、49cの当接面13aと当接面13b、そして当接面15aと当接面15bとが拡散接合により接合される。このとき、羽根車部品49aの羽根7の端縁7aと羽根車部品49bの羽根7の端縁7b、そして、羽根車部品49bの羽根7の端縁7cと羽根車部品49cの羽根7の端縁7dは、図9及び図12に示すように、当接せず、隙間51、53が形成された状態となる。これにより、各羽根車部品49a、49b、49cの羽根7は、直接加圧されないため、変形が生じ難くなり、3次元羽根車の形状の精度を向上できる。
なお、本参考例でも参考例1と同様に、羽根車部品49cの側板5の仕上げ代37と、芯板3の仕上げ代37との間の空間、つまり側板5と芯板3との間の羽根7の端縁21よりも外側の空間に、側板5と芯板3との間の幅に応じた幅を有し、過剰な変形を防止するための環状部材41が設けられており、羽根車部品49cの羽根7に過度の圧力がかかるのを防止している。
各羽根車部品49a、49b、49cを接合して一体とした後、参考例1と同様に、拡散接合を行う前に加工を行っていなかった仕上げ代37の部分を削り、側板5の外周面側、及び芯板3の両端部分を仕上げ、図9に示すような形状の羽根車49とする。
このように本参考例の羽根車の製造方法及び羽根車49では、参考例1と同様に側板を備えた3次元羽根車の製作を自動化できるなどの効果が得られるのに加え、拡散接合のように各羽根車部品を羽根車に組み立てる際に加圧される場合などにおいて、羽根の変形を確実に生じ難くできる。
また、本参考例で示した羽根の端縁間に隙間を設ける方法や構成は、本参考例の形状の3次元羽根車に限らず、図13及び図14に示すように、実施形態で示したような本参考例の羽根車49よりも側板5と芯板3との間隔が広く、羽根7の高さが高くなっている羽根車55、つまり、高比速度羽根車にも適用できる。
なお、図14に示した羽根車55を形成する羽根車部品55aでは、実施形態の羽根車の相当する羽根車部品と異なり、羽根車部品55aの羽根の開口側の面、つまり端縁19側の面の芯板3の部分が凹んだ凹状にならないように、芯板3に連続する仕上げ代37を残している。したがって、羽根車55では、拡散接合などを行うとき、実施形態のように芯板に対応する部分が突出した全体に凸形状の断面を有する加圧治具を用いずに、参考例1や本参考例2で用いたような円盤状の加圧治具で加圧を行うことができる。
参考例3
以下、本発明を説明する他の参考例を図15乃至図18を参照して説明する。図15は、羽根車の各羽根車部品の羽根を流体の流れの方向に対して下流側の羽根車部品ほど羽根を羽根車の回転方向に順次ずらした場合の構成と、そのときの流体の流れを説明する羽根車の一部分の模式図である。図16は、作動範囲とサージマージンについて説明する図である。図17は、羽根車の羽根近傍の流体の流れを説明する模式図である。図18は、羽根車の各羽根車部品の羽根を流体の流れの方向に対して下流側の羽根車部品ほど羽根を羽根車の回転方向と逆方法に順次ずらした場合の構成と、そのときの流体の流れを説明する羽根車の一部分の模式図である。なお、本参考例では、参考例1、2及び実施形態1と同一の構成などには同じ符号を付して説明を省略し、参考例1、2及び実施形態1と相違する構成や特徴部などについて説明する。
参考例の羽根車が参考例1、2及び実施形態1と相違する点は、各羽根車部品の羽根の位置を、羽根車の周方向に所定の角度ずらして組み立てていることにある。すなわち、本参考例の羽根車57では、回転軸11方向での断面でみたときは、参考例2の図9に示したように、芯板3、側板5、そして芯板3と側板5との間に円周方向に配列された複数の羽根7を有する3次元羽根車としての構成は、参考例1と同じであり、参考例2と同様に、羽根7の端縁7aと端縁7b間、そして、端縁7cと端縁7d間に隙間が設けられている。しかし、羽根車57では、図15に示すように、羽根車57の回転軸11に沿う方向に向いた開口を有する羽根車部品57aに形成された羽根7の位置、中間に位置する羽根車部品57bに形成された羽根7の位置、そして、側方に向いた開口を有する羽根車部品57cに形成された羽根7の位置が羽根車57の周方向に所定の角度を有して順次ずれた状態になっている。
このような羽根車57は、参考例1及び参考例2と同様に、3つに分割した状態の羽根車部品57a、57b、57cを個別に加工し、これら3つの羽根車部品57a、57b、57cを拡散接合などにより接合して製作する。この3つの羽根車部品57a、57b、57cの接合の際、羽根車57では、羽根車部品57aに形成された羽根7、羽根車部品57bに形成された羽根7、そして、羽根車部品57cに形成された羽根7の順に、順次、各羽根車部品57a、57b、57cに形成された羽根7位置が、図15において矢印で示した羽根車57の回転方向Rの方向にずらした状態で接合をおこなっている。
ところで、本参考例の羽根車57では、流体は、図15において矢印で示した流体の流れFのように、羽根車部品57aの羽根7の端縁19側から流入し、羽根車部品57cの羽根7の端縁21側から流出するように流れる。したがって、このように組み立てられた羽根車57では、各羽根車部品57a、57b、57cに形成された羽根7の当接する側の端縁7a、7b、7c、7dの位置が、羽根車57内の流体の流れFに対して下流側に位置する羽根車部品57b、57cの羽根7ほど、羽根車57の回転方向Rの方向にずれた状態となっている。
これにより、図15及び図16に示すように、例えば羽根車57内の流体の流れFに対して上流側に位置する羽根車部品羽根57aの羽根7の端縁7a側から、この羽根車部品羽根57aの羽根7の端縁7aと下流側に位置する羽根車部品羽根57bの羽根7の端縁7bとの間の隙間51を通って、羽根車部品羽根57bの羽根7の負圧面59側に流れる吹き出し流れf1が生じる。
そして、この吹き出し流れf1が、羽根7の負圧面59によって、羽根7の負圧面59で生じる流体の流れFの剥離を抑制する。このように、吹き出し流れf1によって羽根7の負圧面59での流体の流れFの剥離や失速を抑制すると、図17に示すように、この羽根車57を用いたロータを備えたターボ形流体機械、例えば圧縮機などにおいて、作動範囲のうち、小流量側の作動範囲、つまり、設計点と最小流量となるサージ点との間の範囲であるサージマージンを拡大できる。したがって、3次元羽根車の性能、さらに、この3次元羽根車を用いたロータや、このロータを備えたターボ形流体機械の性能を向上できる。
一方、作動範囲のうち、大流量側の作動範囲、つまり、設計点以上の流量側の作動範囲を拡大する必要がある場合には、図18に示す羽根車61のように、図15に示した羽根車57とは逆に、3つの羽根車部品61a、61b、61cの接合の際、羽根車部品61aに形成された羽根7、羽根車部品61bに形成された羽根7、そして、羽根車部品61cに形成された羽根7の順に、順次、各羽根車部品61a、61b、61cに形成された羽根7位置が、図18において矢印で示した羽根車61の回転方向Rの方向と逆方向にずらした状態で接合をおこなう。このように組み立てられた羽根車61では、各羽根車部品61a、61b、61cに形成された羽根7の当接する側の端縁7a、7b、7c、7dの位置が、羽根車61内の流体の流れFに対して下流側に位置する羽根車部品61b、61cの羽根7ほど、羽根車61の回転方向Rの方向と逆方向にずれた状態となる。
これにより、図15に示した羽根車57とは逆に、例えば羽根車57内の流体の流れFに対して上流側に位置する羽根車部品羽根57aの羽根7の端縁7a側から、この羽根車部品羽根57aの羽根7の端縁7aと下流側に位置する羽根車部品羽根57bの羽根7の端縁7bとの間の隙間51を通って、羽根車部品羽根57bの羽根7の負圧面59とは反対側の面である圧力面側に流れる吹き出し流れf2が生じる。そして、この吹き出し流れf2によって、大流量側の作動範囲を拡大できる。
このように本参考例の羽根車の製造方法及び羽根車57、61では、参考例2と同様に側板を備えた3次元羽根車の製作を自動化でき、また、拡散接合のように各羽根車部品を羽根車に組み立てる際に加圧される場合などにおいて、羽根の変形を確実に生じ難くできるという効果が得られるのに加え、ターボ形流体機械の作動範囲を拡大できる。
さらに、本参考例の羽根車57では、各羽根車部品57a、57b、57cに形成された羽根7の当接する側の端縁7a、7b、7c、7dの位置が、羽根車57内の流体の流れFに対して下流側に位置する羽根車部品57b、57cの羽根7ほど、羽根車57の回転方向Rの方向にずれた状態となっている。このため、作動範囲のうちでも、特に問題となるサージマージンを拡大できる。
ところで、羽根が分割され、そして分割された羽根が順次羽根車の回転方向にずれた構成の羽根車は、例えば羽根を側板や芯板と一体にして削り出す製造方法の場合、加工工具の干渉のため製造が難しい。もし、できたとしても製造に多くの時間を要するうえ、また、その後の溶接作業も困難である。これに対して、本参考例の羽根車の製造方法では、羽根が分割され、そして分割された羽根が順次羽根車の回転方向にずれた構成により作動範囲を拡大できる羽根車を容易に作成することができる。
また、本参考例で示した2以上の羽根車部品に形成された羽根の各羽根車部品を当接する側の端縁の位置がずれていることにより、2以上の羽根車部品に形成された羽根の端縁間に隙間が形成されている構成は、実施形態1で示したような高比速度羽根車にも適用できる。
また、本参考例では、回転軸方向の断面で見たとき、各羽根車部品の羽根の対応する端縁間に隙間が形成された状態の羽根車を示した。しかし、各羽根車部品を当接する側の端縁の位置がずれていることにより、2以上の羽根車部品に形成された羽根の端縁間に隙間が形成されていれば、回転軸方向の断面で見たときに、各羽根車部品の羽根の対応する端縁間が空いている状態になっている必要はない。
また、本発明は、参考例1乃至3及び実施形態1の形状の羽根車に限らず、様々な用途の、側板を備えた様々な形状の3次元羽根車に適用することができる。
本発明を適用してなる羽根車の参考例1の該略構成を示す回転軸方向での断面図である。 本発明を適用してなる羽根車の参考例1の該略構成を示す分解斜視図である。 本発明を適用してなる羽根車の参考例1の製作方法を説明する図であり、各羽根車部品の形成作業を示す図である。 参考例1において、ノックピンを用いて位置合わせを行う場合の羽根車の組み立て方法を説明する図である。 参考例1において、拡散接合で羽根車を組み立てる方法を説明する図である。 本発明を適用してなる羽根車の実施形態の該略構成を示す回転軸方向での断面図である。 本発明を適用してなる羽根車の実施形態の製作方法を説明する図であり、各羽根車部品の形成作業を示す図である。 施形態において、拡散接合で羽根車を組み立てる方法を説明する図である。 本発明を適用してなる羽根車の参考例2の該略構成を示す回転軸方向での断面図である。 本発明を適用してなる羽根車の参考例2の実施形態の該略構成を示し、各羽根車部品を分割した状態で示す回転軸方向での断面図である。 拡散接合で羽根車を組み立てる方法を説明する図である。 本発明を適用してなる羽根車の参考例2における各羽根車部品二形成された羽根の対向する端縁間に設けた隙間の状態と流体の流れを説明する側板を省略した羽根車の一部分の模式図である。 本発明を適用してなる羽根車の参考例2における変形例の該略構成を示す回転軸方向での断面図である。 本発明を適用してなる羽根車の参考例2における変形例の該略構成を示し、各羽根車部品を分割した状態で示す回転軸方向での断面図である。 本発明を適用してなる羽根車の参考例3における各羽根車部品の羽根を流体の流れの方向に対して下流側の羽根車部品ほど羽根を羽根車の回転方向に順次ずらした場合の構成と、そのときの流体の流れを説明する羽根車の一部分の模式図である。 本発明を適用してなる羽根車の参考例3における羽根近傍の流体の流れを説明する模式図である。 作動範囲とサージマージンについて説明する図である。 本発明を適用してなる羽根車の参考例3における各羽根車部品の羽根を流体の流れの方向に対して下流側の羽根車部品ほど羽根を羽根車の回転方向と逆方法に順次ずらした場合の構成と、そのときの流体の流れを説明する羽根車の一部分の模式図である。
1 羽根車
1a、1b、1c 羽根車部品
3 芯板
5 側板
7 羽根
11 回転軸
13、15 当接面

Claims (14)

  1. 外形が切頭円錐状の芯板と、該芯板の外周面と間隔をおいて位置し、該芯板の外周面に対応する形状に形成されて該芯板の外周面を囲む側板と、前記芯板と前記側板との間に形成された3次元形状を有する複数の羽根とを備えた羽根車の製作方法であり、
    前記側板と前記芯板とを通り、羽根車の回転軸に交わる方向の面で羽根車を分割した形状の2以上の羽根車部品を形成し、該形成した2以上の羽根車部品の少なくとも前記側板と前記芯板とに設けられた羽根車の回転軸に交わる方向の前記面を当接面とし、
    前記側板の当接面は、羽根車の回転軸に垂直な方向の平面で、羽根車のより縮径した側に位置し、前記芯板の当接面は、羽根車の回転軸に垂直な方向の平面で、羽根車のより拡径した側に位置し、前記各羽根車部品に形成された前記羽根の該各羽根車部品を当接する側の端縁は、前記側板の当接面の前記羽根側周縁と、前記芯板の当接面の前記羽根側周縁とを結ぶテーパ状に形成され、
    前記各羽根車部品の少なくとも前記芯板と前記側板とに設けられた対応する前記当接面を当接して羽根車を組み立てることを特徴とする羽根車の製作方法。
  2. 前記2以上の羽根車部品は、切削加工により形成することを特徴とする請求項1に記載の羽根車の製作方法。
  3. 前記各羽根車部品に形成された羽根の前記各羽根車部品を当接する側の端縁に当接面が設けられ、前記各羽根車部品に形成された羽根を、互いの前記羽根に設けた当接面を位置合わせして当接して羽根車を組み立てることを特徴とする請求項1又は2に記載の羽根車の製作方法。
  4. 前記各羽根車部品に形成された羽根の前記各羽根車部品を当接する側の端縁間に隙間を設け、前記各羽根車部品に形成された羽根を、互いの前記羽根の端縁を位置合わせし、前記芯板と前記側板とに設けられた対応する前記当接面を当接して羽根車を組み立てることを特徴とする請求項1又は2に記載の羽根車の製作方法。
  5. 前記2以上の羽根車部品に形成された前記羽根の前記各羽根車部品を当接する側の端縁の位置を周方向にずらすことにより、前記2以上の羽根車部品に形成された前記羽根の前記各羽根車部品を当接する側の端縁間に隙間が形成された状態で前記2以上の羽根車部品の対応する前記芯板と前記側板とに設けられた当接面を当接して羽根車を組み立てることを特徴とする請求項1又は2に記載の羽根車の製作方法。
  6. 前記2以上の羽根車部品に形成された前記羽根の前記各羽根車部品を当接する側の端縁の位置を、羽根車内の流体の流れに対して下流側に位置する前記羽根車部品の羽根ほど、羽根車の回転方向にずらした状態で前記2以上の羽根車部品の対応する前記芯板と前記側板とに設けられた当接面を当接して羽根車を組み立てることを特徴とする請求項に記載の羽根車の製作方法。
  7. 前記各羽根車部品の対応する当接面の対応する位置に穴を形成し、該穴に棒体を挿入し、かつ、前記2以上の羽根車部品をシャフトに固定して羽根車を組み立てることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の羽根車の製作方法。
  8. 前記2以上の羽根車部品の対応する当接面を当接させた状態で、該対応する当接面間を拡散接合及びろう付けの少なくとも方により接合して羽根車を組み立てることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の羽根車の製作方法。
  9. 外形が切頭円錐状の芯板と、該芯板の外周面と間隔をおいて位置し、該芯板の外周面に対応する形状に形成されて該芯板の外周面を囲む側板と、前記芯板と前記側板との間に形成された3次元形状を有する複数の羽根と備えた羽根車であり、
    前記芯板と前記側板とを通り回転軸に交わる方向の面で分割した形状の2以上の羽根車部品を、該各羽根車部品の少なくとも前記芯板と前記側板とに設けられた羽根車の回転軸に交わる方向の前記面を当接面とし、
    前記側板の当接面は、羽根車の回転軸に垂直な方向の平面で、羽根車のより縮径した側に位置し、前記芯板の当接面は、羽根車の回転軸に垂直な方向の平面で、羽根車のより拡径した側に位置し、前記各羽根車部品に形成された前記羽根の該各羽根車部品を当接する側の端縁は、前記側板の当接面の前記羽根側周縁と、前記芯板の当接面の前記羽根側周縁とを結ぶテーパ状に形成されてなり、
    前記当接面で前記各羽根車部品を当接させていることを特徴とする羽根車。
  10. 前記各羽根車部品に形成された羽根の前記各羽根車部品を当接する側の端縁が当接面となっており、前記各羽根車部品に形成された羽根を、互いの前記羽根に設けた当接面を位置合わせして当接していることを特徴とする請求項9に記載の羽根車。
  11. 前記各羽根車部品に形成された羽根の前記各羽根車部品を当接する側の端縁間に隙間を有し、前記各羽根車部品に形成された羽根を、互いの前記羽根の端縁を位置合わせした状態で前記芯板と前記側板とに設けられた対応する前記当接面が当接されていることを特徴とする請求項9に記載の羽根車の製作方法。
  12. 前記2以上の羽根車部品に形成された前記羽根の前記各羽根車部品を当接する側の端縁の位置がずれていることにより、前記2以上の羽根車部品に形成された前記羽根の端縁間に隙間が形成されていることを特徴とする請求項9に記載の羽根車。
  13. 前記2以上の羽根車部品に形成された前記羽根の前記各羽根車部品を当接する側の端縁の位置が、羽根車内の流体の流れに対して下流側に位置する前記羽根車部品の羽根ほど、羽根車の回転方向にずれていることを特徴とする請求項12に記載の羽根車。
  14. 請求項乃至13のいずれか1項に記載の羽根車と、該羽根車が連結されたシャフトとを備えたターボ形流体機械のロータ。
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