JP4426162B2 - 口部材およびそれを備える薬液容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、中空針等の穿刺部材を栓体に刺し通す際の液漏れを防止するための口部材と、それを備える薬液容器とに関する。
【0002】
【従来の技術】
点滴や静脈注射等に用いられる輸液バッグ、輸液ボトル等の薬液容器は、一般に、ゴム、エラストマー等の弾性体からなる栓体によりも封止されてなる注入/排出部を備えている。かかる薬液容器の内容液を排出したり、他の薬液を注入したりする際には、中空針等の穿刺部材を上記栓体に刺し通す操作がなされる。
しかしながら、上記の栓体に穿刺部材を刺し通したときには、まれに栓体のコアリングによって穿刺部材に目詰まりが生じたり、栓体の切り屑が容器内に入りこんだりするおそれがある。そこで、例えば、穿刺可能なシートや薄膜によって封止された口部を備える薬液容器が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
ところで、医療用中空針等の一般的な穿刺部材は、例えば図10(a),(b) に示すように、その先端部分86を鋭くするために軸方向に対して斜めに切り欠いたものが一般的である。このような穿刺部材85は、先端の切欠面87の広い範囲にわたって開口部88が現れることとなる。
従って、図9に示すような穿刺部材導入部82と薄膜83とを備える口部材80に、上記の穿刺部材85をゆっくりと刺し通すと、穿刺部材85が完全に刺し通された状態(図10(b) )に至るまでに、口部材80の外部と内部とが穿刺部材85の中空部88を介して連通した状態(図10(a) 中に矢印を付した線で示す。)である程度の時間が経過することとなり、穿刺部材85先端の開口部87から液が漏れ出すという問題を招いてしまう。特に、薬液容器は、実際の医療現場においてその口部材を下向きにして吊り下げた状態で用いられることが多いことから、図10(a) に示す状態で液漏れを生じる可能性が高い。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−70336号公報(図1、段落〔0013〕)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、穿刺時の液漏れを防止することのできる口部材と、かかる口部材を備える薬液容器を得ることが求められている。
本発明の目的は、中空針等の穿刺部材を刺し通した状態で穿刺部材先端の開口部や、穿刺部材と栓体との隙間などから液が漏れたりするのを防止できる口部材と、当該口部材を口部に備える薬液容器とを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記課題を解決するための本発明に係る第1の口部材は、容器の口部に取り付けられてその注入/排出部を区画する口部材であって、略筒状の口部材本体および口部材本体から同芯状に外方へ突出する穿刺部材導入部ならびに穿刺部材導入部と口部材本体との境界部において、前記口部材本体の内部を封止する薄膜が一体に成形されてなる一体成形物と、前記薄膜よりも前記容器の口部側に配置され、前記一体成形物とは別材料で成形され、前記口部材本体の内部を封止する弾性体からなる栓体と、前記口部材本体内に嵌装され、前記栓体を固定する内枠体と、を備え、かつ、前記薄膜と前記栓体との間に空間が設けられていることを特徴とする。
【0007】
上記課題を解決するための本発明に係る第2の口部材は、容器の口部に取り付けられてその注入/排出部を区画する口部材であって、略筒状の口部材本体および口部材本体から同芯状に外方へ突出する穿刺部材導入部ならびに穿刺部材導入部と口部材本体との境界部において、前記口部材本体の内部を封止する第1の薄膜が一体に成形されてなる一体成形物と、前記口部材本体内に嵌装される内枠体と、前記内枠体に連設されて前記第1の薄膜よりも前記容器の口部側に配置され、前記口部材本体の内部を封止する第2の薄膜と、を備え、かつ、前記第1の薄膜と前記第2の薄膜との間に空間が設けられていることを特徴とする。
【0008】
上記課題を解決するための本発明に係る第3の口部材は、容器の口部に取り付けられてその注入/排出部を区画する口部材であって、略筒状の口部材本体および口部材本体から同芯状に外方へ突出する穿刺部材導入部ならびに穿刺部材導入部と口部材本体との境界部において、前記口部材本体の内部を封止する薄膜が一体に成形されてなる一体成形物と、前記口部材本体内に嵌装される内枠体と、前記内枠体に連設されて前記薄膜よりも前記容器の口部側に配置される略筒状または略漏斗状の可撓性を有する穿刺部材保持部と、を備え、かつ、前記薄膜と前記穿刺部材保持部との間に空間が設けられていることを特徴とする。
【0009】
上記第1、第2および第3の口部材は、従来の口部材と同様に、口部材本体の内部が薄膜(または第1の薄膜)によって封止されていることから、容器に収容された内容液を取り出したりする際には、まず、この(第1の)薄膜を穿刺部材で刺し通す操作が必要となる。
さらに、上記第1の口部材では薄膜よりも容器の口部側に栓体が、上記第2の口部材では第1の薄膜よりも容器の口部側に第2の薄膜が、それぞれ口部材本体を封止するように設けられていることから、容器に収容された内容液を取り出したりする際には、口部材本体の開口端における(第1の)薄膜を刺し通すだけでなく、第1の口部材ではその栓体に、第2の口部材ではその第2の薄膜に、それぞれ穿刺部材を貫通させる必要が生じる。
【0010】
第1および第2の口部材における口部材本体の(第1の)薄膜を貫通した穿刺部材の先端は、空間を通過して、第1の口部材では栓体に、第2の口部材では第2の薄膜に、それぞれ当接する。ここで、穿刺部材をさらに押入して、当該栓体または第2の薄膜を貫通させたときにも、(第1の)薄膜と、当該栓体または第2の薄膜との間には空間が設けられていることから、穿刺部材の先端で開口部が広い範囲にわたって現れていたとしても、(第1の)薄膜と、栓体または第2の薄膜とを跨いで容器内部と外部とが連通するという事態には至らない。それゆえ、上記第1および第2の口部材によれば、たとえ(第1の)薄膜に穿刺部材をゆっくり刺し通したとしても、液漏れの問題を生じることがない。
【0011】
一方、上記第3の口部材では、薄膜よりも容器の口部側において、可撓性を有する略筒状または略漏斗状の穿刺部材保持部が配置されていることから、容器に収容された内容液を取り出したりする際には、口部材本体の栓体を刺し通すだけでなく、穿刺部材を上記穿刺部材保持部内に貫通させる必要が生じる。
ここで、第3の口部材における口部材本体の薄膜を貫通した穿刺部材の先端は、薄膜と穿刺部材保持部との間の空間を通過して、穿刺部材保持部内に収納される。それゆえ、たとえ上記薄膜を穿刺部材の先端が貫通した状態になったとしても、そのことによって直ちに容器の内部とその外部(口部材の外部)とが連通することにはならず、液漏れの発生を防止することができる。
【0012】
また、穿刺部材の先端で開口部が広い範囲にわたって現れていたとしても、穿刺部材の構造上、その程度にはおのずと制限があること、さらに、上記薄膜と穿刺部材保持部との間には空間が設けられていることから、穿刺部材をさらに押入して穿刺部材保持部内を貫通させたとしても、薄膜と穿刺部材保持部とを跨いで容器内部と外部とが連通するという事態には至らない。
さらに、上記第1、第2および第3の口部材における栓体、第2の薄膜および穿刺部材保持部は、いずれも(第1の)栓体との間に空間を隔てて設けられていることから、これらに穿刺部材を貫通させたときに、穿刺部材を保持し、ぐらつきが生じるのを防止する効果を発揮する。なお、穿刺部材を保持する効果は、栓体、第2の薄膜または穿刺部材保持部の大きさや形状に拘わらず、(第1の)薄膜や、栓体、第2の薄膜または穿刺部材保持部を刺通可能な穿刺部材であれば、いずれの場合も同様に発揮される。
【0013】
それゆえ、本発明に係る第1、第2および第3の口部材によれば、たとえ栓体に穿刺部材をゆっくり刺し通したとしても液漏れの問題を生じることがなく、しかも、穿刺部材の径や口部材本体の径に拘わらず、穿刺時の液漏れを防止することができる
【0014】
口部材本体と、第1の口部材における栓体、第2の口部材における第2の薄膜、または第3の口部材における穿刺部材保持部とを一体成形によって形成したときには、本発明に係る口部材の製造方法を簡易なものとすることができる。
本発明の薬液容器は、口部に、本発明の口部材を備えることを特徴とする。
上記の薬液容器によれば、本発明に係る第1、第2および第3の口部材についての効果と同様に、たとえ口部材の薄膜(第2の口部材を備える場合は、その第1の薄膜)に穿刺部材をゆっくり刺し通したとしても液漏れの問題を生じることがなく、しかも、穿刺部材の径や口部材本体の径に拘わらず、穿刺時の液漏れを防止することのできる薬液容器を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の口部材およびそれを備える薬液容器について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
〔第1の口部材およびそれを備える薬液容器〕
本発明に係る第1の口部材の一実施形態を図1および図2に、本発明に係る薬液容器の一実施形態を図3に、それぞれ示す。
【0016】
図1に示す口部材10は、略筒状の口部材本体11および穿刺部材導入部12と、略円盤状の薄膜13および栓体14と、略筒状の内枠体15と、を備える。
口部材本体11と、それに連設する穿刺部材導入部12と、口部材本体11の内部に嵌装される内枠体15とは、第1の口部材10を容器の口部に取り付けた場合において、その注入/排出路を区画するものである。
薄膜13は、口部材本体11の内部を封止するものである。口部材本体11の内部がこの薄膜13によって封止されていることから、口部材10を備える容器から収容液を取り出したりする際には、まず、この薄膜13を穿刺部材で刺し通す操作が必要となる。
栓体14は、薄膜13よりも容器の口部側に配置されて、口部材本体31の内部を封止するものである。
【0017】
図2(a) は穿刺部材85を薄膜13に刺し通した状態を示す断面図であって、同図(b) は穿刺部材85を薄膜13と栓体14との双方に刺し通した状態を示す断面図である。
薄膜13を貫通した穿刺部材85の先端部分86は、図2(a) に示すように、まず、栓体14に突き当たる。この状態では穿刺部材85が薄膜13を貫通しているものの、穿刺部材85の先端部分86は栓体14を貫通した状態とはなっていない。ここで、栓体14は口部材本体11の内部を封止するものであることから、図2(a) に示す状態では口部材10の外部と内部(容器の内部側)とが連通しておらず、それゆえ、穿刺部材85の開口部88からの液漏れが防止される。
【0018】
穿刺部材85をさらに押入して、図2(b) に示すように、栓体14を貫通させたときには、口部材10の外部と内部(容器の内部側)とが連通した状態となることから、口部材10を備える容器からその収容液を取り出したりする操作を行なうことができる。
内枠体15は、口部材本体11内で栓体14が軸方向に摺動しないように固定するための部材であって、口部材本体11の内部に栓体14を配置した上で口部材本体11に嵌装される。内枠体15は口部材本体11内に嵌装させた状態で固定させるほか、口部材本体11と接着することによって固定させてもよい。
【0019】
穿刺部材導入部12を設けることによって、穿刺部材を挿入する際の操作性が良好なものとなる。また、穿刺部位導入部12の外周面に突起からなる掛止部12aを設けたときには、いわゆるルアーロック型の穿刺部材に対応させることができる。
図1に示す第1の口部材10には、口部材本体11の、容器の口部に接続される側に略円形状のフランジ部11aが設けられている。そこで、この口部材10を薬液容器20の口部21に取り付ける際には、例えば図3に示すように、フランジ部11aを容器本体22に対して直接固定させればよい。
【0020】
なお、第1の口部材10には、その使用後に、口部を下に向けた状態で穿刺部材85を穿刺部材導入部12から抜き去ったとしても、栓体14によって残液の漏出が防止できるという効果がある。
本発明に係る第1の口部材10およびそれを口部に備える薬液容器は、図1および図3に示すものに限定されるものではなく、前述の作用効果を損なわないものであれば、種々の設計変更を施すことが可能である。
【0021】
〔第2の口部材およびそれを備える薬液容器〕
本発明に係る第2の口部材の一実施形態を図4および図5に示す。
図4に示す口部材30は、略筒状の口部材本体31および穿刺部材導入部32と、略円盤状の第1の薄膜33および第2の薄膜34と、略筒状の内枠体35と、を備える。
口部材本体31と、それに連設する穿刺部材導入部32と、口部材本体31の内部に嵌装される内枠体35とは、第2の口部材30を容器の口部に取り付けた場合において、その注入/排出路を区画するものである。
【0022】
第1の薄膜33は、口部材本体31の内部を封止するものである。口部材本体31の内部がこの薄膜33によって封止されていることから、口部材30を備える容器から収容液を取り出したりする際には、まず、この薄膜33を穿刺部材で刺し通す操作が必要となる。
第2の薄膜34は内枠体35に連設されてなるものであって、第1の薄膜33よりも容器の口部側において口部材本体31の内部を封止するものである。
【0023】
図5(a) は穿刺部材85を第1の薄膜33に刺し通した状態を示す断面図であって、同図(b) は穿刺部材85を第1の薄膜33と第2の薄膜34との双方に刺し通した状態を示す断面図である。
第1の薄膜33を貫通した穿刺部材85の先端部分86は、図5(a) に示すように、まず、第2の薄膜34に突き当たる。この状態では穿刺部材85が第1の薄膜33を貫通しているものの、穿刺部材85の先端部分86は第2の薄膜34を貫通した状態とはなっていない。ここで、第2の薄膜34は口部材本体31の内部を封止するものであることから、図5(a) に示す状態では口部材30の外部と内部(容器の内部側)とが連通しておらず、それゆえ、穿刺部材85の開口部88からの液漏れが防止される。
【0024】
穿刺部材85をさらに押入して、図5(b) に示すように、第2の薄膜34を貫通させたときには、口部材10の外部と内部(容器の内部側)とが連通した状態となることから、口部材10を備える容器からその収容液を取り出したりする操作を行なうことができる。
内枠体35は、口部材本体31内に第2の薄膜34を配置するための部材であって、口部材本体31に嵌装される。内枠体35は口部材本体31内に嵌装させた状態で固定させるほか、口部材本体31と接着することによって固定させてもよい。
【0025】
図4に示す実施形態では、第2の薄膜を備える内枠体35を口部材本体31に嵌装することによって、口部材30内に2つの薄膜を形成しているが、口部材本体31内において所定の空間を隔てて第1の薄膜と第2の薄膜とを形成することができるのであれば、第2の薄膜を口部材本体に直接設けてもよい。この場合、内枠体は不要となる。
穿刺部材導入部32やその外周面の掛止部32aを設けたときの効果については、図1に示す第1の口部材10の場合と同様である。
【0026】
図4に示す第2の口部材30には、口部材本体31の、容器の口部に接続される側に略円形状のフランジ部31aが設けられている。そこで、この口部材30を薬液容器の口部に取り付ける際には、図1に示す第1の口部材10の場合と同様に、フランジ部31aを容器本体に対して直接固定させればよい。
本発明に係る第2の口部材30およびそれを口部に備える薬液容器は、前述のものに限定されるものではなく、前述の作用効果を損なわないものであれば、種々の設計変更を施すことが可能である。
【0027】
〔第3の口部材およびそれを備える薬液容器〕
本発明に係る第3の口部材の一実施形態を図6および図7に示す。
図6に示す口部材40は、略筒状の口部材本体41および穿刺部材導入部42と、略円盤状の第1の薄膜43と、略漏斗状の穿刺部材保持部44と、略筒状の内枠体35と、を備える。
口部材本体41と、それに連設する穿刺部材導入部42と、口部材本体41の内部に嵌装される内枠体45とは、第3の口部材40を容器の口部に取り付けた場合において、その注入/排出路を区画するものである。
【0028】
薄膜43は、口部材本体41の内部を封止するものである。口部材本体41の内部がこの薄膜43によって封止されていることから、口部材40を備える容器から収容液を取り出したりする際には、まず、この薄膜43を穿刺部材で刺し通す操作が必要となる。
穿刺部材保持部44は、略筒状の内枠体45に連設されて、薄膜43よりも容器の口部側に配置されるものであって、可撓性を有することを特徴とする。
【0029】
図7(a) は穿刺部材85を薄膜43に刺し通した状態を示す断面図であって、同図(b) は穿刺部材85を薄膜43と穿刺部材保持部44との双方に刺し通した状態を示す断面図である。
薄膜43を貫通した穿刺部材85の先端部分86は、図7(a) に示すように、まず、穿刺部材保持部44内に収納される。この状態では穿刺部材85が薄膜43を貫通しているものの、穿刺部材85の先端部分86は穿刺部材85の先端部分86は穿刺部材保持部44に取り囲まれた状態となっている。この穿刺部材保持部44は内枠体45に連設されたものであって、口部材本体41と内枠体44との間は封止されていることから、図7(a) に示す状態では口部材40の外部と内部(容器の内部側)とが連通しておらず、それゆえ、穿刺部材85の開口部88からの液漏れが防止される。
【0030】
穿刺部材85をさらに押入して、図7(b) に示すように、穿刺部材保持部44内を貫通させたときには、口部材40の外部と内部(容器の内部側)とが連通した状態となることから、口部材40を備える容器からその収容液を取り出したりする操作を行なうことができる。
内枠体45は、口部材本体41内に穿刺部材保持部44を配置するための部材であって、口部材本体41に嵌装される。内枠体45は口部材本体41内に嵌装させた状態で固定させるほか、口部材本体41と接着することによって固定させてもよい。
【0031】
図6に示す実施形態では、内枠体45を口部材本体41に嵌装することによって、口部材本体41内に穿刺部材保持部44を設けているが、口部材本体41内において所定の空間を隔てて薄膜と穿刺部材保持部とを形成することができるのであれば、穿刺部材保持部を口部材本体に直接設けてもよい。この場合、内枠体は不要となる。
穿刺部材導入部42やその外周面の掛止部42aを設けたときの効果については、図1に示す第1の口部材10の場合と同様である。
【0032】
図6に示す第3の口部材40には、口部材本体41の、容器の口部に接続される側に略円形状のフランジ部41aが設けられている。そこで、この口部材40を薬液容器の口部に取り付ける際には、図1に示す第1の口部材10の場合と同様に、フランジ部41aを容器本体に対して直接固定させればよい。
穿刺部材保持部は図6に示す形状に限定されるものではなく、薄膜43を刺し通した穿刺部材の先端部分86を保持し、その周囲を取り囲んだ状態とすることができるものであれば、例えば図8に示すように、漏斗状の裾部分を有しない穿刺部材保持部44’であってもよい。
【0033】
本発明に係る第3の口部材40およびそれを口部に備える薬液容器は、前述のものに限定されるものではなく、前述の作用効果を損なわないものであれば、種々の設計変更を施すことが可能である。
【0034】
〔口部材本体、外枠体および内枠体〕
口部材本体、穿刺部材導入部および内枠体は、例えば従来公知の種々のプラスチックを用いて形成することができる。特に熱可塑性樹脂を用いたときは、口部材本体等を射出成形によって簡易に形成することができる。
本発明の口部材を薬液容器の口部に適用する場合には、口部材等の形成用樹脂として、例えば医療器具用として許容された従来公知の種々のプラスチック(ポリマー、エラストマーを含む)を用いればよい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチルペンテン〔例えば、三井化学(株)の商品名「TPX」〕、ポリテトラフルオロエチレン等のポリオレフィン;エチレン−テトラシクロドデセン共重合体〔例えば、三井化学(株)の商品名「アペル」〕等のポリ環状オレフィン;ポリアセタール(POM);アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS);ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアリレート等のポリエステル;ポリフェニレンサルファイド(PPS)等のベンゼン系重合体等が挙げられる。
【0035】
〔栓体〕
栓体は、例えば従来公知の種々のゴムやエラストマーを用いて形成することができる。特に熱可塑性エラストマーを用いたときは、栓体を射出成形によって形成することができ、二色成形等の成形技術を採用することによりも、口部材本体と一体的に成形することができる。
栓体形成用のゴム/エラストマーとしては、薬液容器の口部用栓体として用いられている従来公知の種々の材料を用いることができる。具体的には、天然ゴム、シリコーンゴム等のゴムや、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー等の熱可塑性エラストマーが挙げられる。
【0036】
〔穿刺部材保持部〕
穿刺部材保持部は、口部材本体形成用の材料として例示したのと同様の、従来公知の種々のプラスチックを用いて形成することができる。特に熱可塑性樹脂を用いたときには、穿刺部材保持部を、射出成形によって口部材本体(または内枠体等)と一体的に、かつ簡易に形成することができる。
〔薄膜〕
薄膜は、口部材本体形成用の材料として例示したのと同様の、従来公知の種々のプラスチックを用いて形成することができる。特に熱可塑性樹脂を用いたときには、射出成形によって口部材本体(または内枠体等)と一体的に、かつ簡易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a) は本発明に係る口部材の一実施形態を示す断面図、(b) はその平面図である。
【図2】 (a) は図1に示す口部材10に中空針を刺し通す途中の状態を示す断面図、(c) は口部材10に中空針を完全に刺し通した状態を示す断面図である。
【図3】本発明に係る薬液容器の一実施形態を示す部分欠截正面図である。
【図4】本発明に係る口部材の他の実施形態を示す断面図である。
【図5】 (a) は図4に示す口部材30に中空針を刺し通す途中の状態を示す断面図、(b) は口部材30に中空針を完全に刺し通した状態を示す断面図である。
【図6】本発明に係る口部材のさらに他の実施形態を示す断面図である。
【図7】 (a) は図6に示す口部材40に中空針を刺し通す途中の状態を示す断面図、(b) は口部材40に中空針を完全に刺し通した状態を示す断面図である。
【図8】図6に示す口部材の設計変更例を示す断面図である。
【図9】従来の口部材の一例を示す断面図である。
【図10】図9に示す口部材80の薄膜83に穿刺部材85を刺し通した状態を示す断面図であって、(a) は穿刺部材を中途まで刺し通した状態を、(b) は穿刺部材を完全に刺し通した状態を、それぞれ示す。
【符号の説明】
10,30,40 口部材
11,31,41 口部材本体
12,32,42 穿刺部材導入部
13,43 薄膜
14 栓体
20 薬液容器
21 口部
22 容器本体
33 第1の薄膜
34 第2の薄膜
44 穿刺部材保持部
44’ 穿刺部材保持部
85 穿刺部材

Claims (4)

  1. 容器の口部に取り付けられてその注入/排出部を区画する口部材であって、
    略筒状の口部材本体および口部材本体から同芯状に外方へ突出する穿刺部材導入部ならびに穿刺部材導入部と口部材本体との境界部において、前記口部材本体の内部を封止する薄膜が一体に成形されてなる一体成形物と、
    前記薄膜よりも前記容器の口部側に配置され、前記一体成形物とは別材料で成形され、前記口部材本体の内部を封止する弾性体からなる栓体と、
    前記口部材本体内に嵌装され、前記栓体を固定する内枠体と、を備え、かつ、
    前記薄膜と前記栓体との間に空間が設けられていることを特徴とする、口部材。
  2. 容器の口部に取り付けられてその注入/排出部を区画する口部材であって、
    略筒状の口部材本体および口部材本体から同芯状に外方へ突出する穿刺部材導入部ならびに穿刺部材導入部と口部材本体との境界部において、前記口部材本体の内部を封止する第1の薄膜が一体に成形されてなる一体成形物と、
    前記口部材本体内に嵌装される内枠体と、
    前記内枠体に連設されて前記第1の薄膜よりも前記容器の口部側に配置され、前記口部材本体の内部を封止する第2の薄膜と、を備え、かつ、
    前記第1の薄膜と前記第2の薄膜との間に空間が設けられていることを特徴とする、口部材。
  3. 容器の口部に取り付けられてその注入/排出部を区画する口部材であって、
    略筒状の口部材本体および口部材本体から同芯状に外方へ突出する穿刺部材導入部ならびに穿刺部材導入部と口部材本体との境界部において、前記口部材本体の内部を封止する薄膜が一体に成形されてなる一体成形物と、
    前記口部材本体内に嵌装される内枠体と、
    前記内枠体に連設されて前記薄膜よりも前記容器の口部側に配置される略筒状または略漏斗状の可撓性を有する穿刺部材保持部と、を備え、かつ、
    前記薄膜と前記穿刺部材保持部との間に空間が設けられていることを特徴とする、口部材。
  4. 口部に、請求項1〜3のいずれかに記載の口部材を備えることを特徴とする、薬液容器。
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