JP4425400B2 - 作業装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば表面実装装置において部品を吸着させた吸着ヘッドを昇降作動させて基板に対し装着する際にその装着対象である基板を認識させたり、あるいは、産業用ロボットにおいて先端に部品を把持させたアームを移動させて治具上の他の部品等に搭載する際に搭載対象である上記他の部品等を認識させたりするために用いられる作業装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の作業装置として、表面実装分野において吸着ヘッドに吸着させた部品の吸着ヘッドに対する保持状態を撮像手段により画像認識させて吸着位置のずれを検出するようにしたものが知られている(例えば特許第2810579号公報参照)。このものは、吸着ヘッドに吸着された部品の像を複数の反射ミラー、ハーフミラー及び誘導用中継ミラー群を介して撮像手段に取り込み、所定位置との比較により吸着位置のずれを検出し、その吸着位置ずれに応じて装着動作時に吸着ヘッドの基板に対する位置を補正するようにしている。
【0003】
また、上記表面実装分野においては、吸着ヘッドに吸着させた部品を基板に対し装着する際に、装着対象の基板に設けられた基板マーク(フィデューシャルマーク)を認識させる手段として、カメラが通常用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の撮像手段による認識技術は、吸着ヘッドに吸着された部品もしくは基板に設けられた基板マークの如く予め定められた距離を隔てた位置に固定的に存在する平面を認識対象とするものであるため、認識対象の位置が種々変化する場合には適用し得ないことになる。このため、撮像手段の活用は特定条件が成立する場合だけに限られ、汎用性に欠けるものであった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、作業装置に設けられた撮像手段に汎用性をもたせて幅広い活用を図り得るようにすることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、先端に部品を着脱可能に保持して少なくとも一軸方向に進退作動されて作業対象に対し上記部品の装着を行う作業手段と、この作業手段を進退作動させる進退手段と、上記作業対象の特定部位を撮像する撮像手段と、上記一軸方向に対する上記特定部位との上記撮像手段の相対位置を変更する位置変更手段と、上記作業手段を一軸方向に移動可能に支持するフレームと、このフレームを一軸方向に位置変更可能に支持する支持体とを備え、上記進退手段は上記作業手段を上記フレームに対して一軸方向に所定ストローク進退作動させるように構成され、上記撮像手段は上記フレームに固定され、上記位置変更手段は上記フレームを上記支持体に対して一軸方向に移動させるように構成されているものである。
【0007】
この本発明の装置によると、作業対象自体の上記一軸方向の設置位置が種々に変化することになっても、あるいは、作業対象の位置は固定でも撮像対象である特定部位が部品の種類等によって変ることによりその特定部位の上記一軸方向の相対位置が種々に変化することになっても、あるいはまた、作業対象の上にある部品を装着した後にその装着部品を作業対象として新たな部品を装着する場合のように作業対象自体が変ることにより上記一軸方向に対する相対位置が種々に変化することになっても、これらの一軸方向位置の変化に応じて位置変更手段により撮像手段の相対位置を変更させることにより、撮像手段の焦点合わせを行うことが可能になる。このため、作業対象の特定部位の認識を明確に行うことができ、また、必要に応じ、焦点合わせのための位置変更量に基づいて進退作動手段による作業手段の進退作動量を変更設定することにより、部品を確実に作業対象に対し移動させて装着等の作業を行い得ることになる。これにより、撮像手段の幅広い活用が可能となり、汎用性を付与し得ることなる。
【0008】
また、本発明の装置によると、位置変更手段により撮像手段の位置変更を行うと、作業手段も撮像手段と同期して一軸方向に移動されることになる。このため、認識対象である作業対象の一軸方向位置が変更されても、上記位置変更により撮像手段が作業対象に対し焦点合わせされると、それに応じて作業手段の一軸方向位置をも同時に変更させることが可能になり、作業対象に対する作業手段の位置合わせが容易になる。
【0009】
上記発明において、上記位置変更手段は、上記撮像手段の位置変更量を調節して上記作業対象の特定部位に対する上記撮像手段の焦点合わせを行うように構成すればよく、これにより撮像手段が上記特定部位に対し自動的に焦点距離の位置に位置変更されることになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1は、本発明の第1もしくは第2の実施形態として本発明を作業装置の一例である表面実装装置に適用した場合の概略平面図である。
【0012】
同図において、基台1上には基板搬送用のコンベア2が配置され、このコンベア2上を実装対象としてのプリント基板3(二点鎖線で示す)が搬送され、所定の実装位置で停止するようになっている。
【0013】
上記コンベア2の側方には、部品供給部4が配置されている。この部品供給部4は多数列のテープフィーダ4aを備えており、各テープフィーダ4aは、IC、トランジスタ、コンデンサ等のチップ部品(以下、単に「部品」という)を所定間隔おきに収納、保持したテープをリールから部品取出し部へ導出し、後述のヘッドユニット5により部品がピップアップされるにつれてラチェット式の繰出し機構によりテープを間欠的に繰り出すようになっている。
【0014】
上記基台1の上方には、部品装着用のヘッドユニット5が装備され、このヘッドユニット5はX軸方向(コンベア2の配設方向)及びY軸方向(平面上でX軸と直交する方向)に移動させることができるようになっている。
【0015】
詳しくは、基台1上にはY軸方向に延びる一対のレール6が延設されており、このレール6上にヘッドユニット支持部材7が架設されている。ヘッドユニット支持部材7はナット部8を介してボールねじ軸9と螺合して、このボールねじ軸9はY軸サーボモータ10の回転軸と接続されており、Y軸サーボモータ10の駆動によりボールねじ軸9を介してヘッドユニット支持部材7をY軸方向に移動させるようになっている。また、ヘッドユニット支持部材7はX軸方向に延びるガイド部材11を有し、ヘッドユニット5がそのガイド部材11に沿って移動可能とされている。そして、X軸モータ12の駆動により、上記ガイド部材11と平行に配置されたボールねじ軸13(図3参照)を介してヘッドユニット5をX軸方向に移動させるようになっている。
【0016】
上記の全体構成を前提として、本発明の第1実施形態に係るヘッドユニット5aの構成を、図2の正面図及び図3の一部省略側面図を参照しつつ次に説明する。
【0017】
両図において、ヘッドユニット5aは、支持体としてのヘッドユニット本体15と、このヘッドユニット本体15に対し一軸方向としてのZ軸方向(上下方向)に昇降可能に支持されたフレーム16とを備えており、このフレーム16に対し部品を着脱可能に吸着保持するための作業手段としての吸着ヘッド20と、基板3の特定部位を撮像して認識するためのカメラ40(撮像手段)とが支持され
ている。
【0018】
上記フレーム16は、上記ヘッドユニット本体15に固定された位置変更手段及び進退手段の一部としての全体上下動用サーボモータ21により上記ヘッドユニット本体15に対し昇降作動されるようになっている。つまり、上記全体上下動用サーボモータ21によりフレーム16が昇降作動されると、上記吸着ヘッド20とカメラ40との双方が一括に昇降作動されるようになっている。
【0019】
具体的には、上記ヘッドユニット本体15には上下方向に延びるガイド部22(図3参照)及びボールねじ軸23が固定されており、一方、上記フレーム16には上記ボールねじ軸23に螺合されたナット部24と上記ガイド部22に案内される図外の被ガイド部とが設けられている。そして、上記ボールねじ軸23は上記サーボモータ21の回転軸と接続されており、サーボモータ21によって上記ボールねじ軸23がZ軸回りに回転駆動されることにより、上記フレーム16がZ軸方向に昇降作動されるようになっている。
【0020】
上記吸着ヘッド20としては、本実施形態では4本の吸着ヘッド20,20,…(図2参照)がX軸方向に並べて配設されている。そして、各吸着ヘッド20は上記フレーム16に固定された進退手段としてのエアシリンダ25(図3参照)によりZ軸方向に個別に昇降作動され、かつ、回転用サーボモータ26(図2参照)により各吸着ヘッド20が回転作動されるようになっている。
【0021】
具体的には、上記吸着ヘッド20は、中空のノズルシャフト27(図3参照)と、このノズルシャフト27をフレーム16に対し昇降可能かつ回転可能に支持するヘッドガイド部28と、上記ノズルシャフト27の下端に対し着脱可能に装着された吸着ノズル29とからなり、上記ノズルシャフト27の上端側部分がベアリング30を介して回転を許容した状態で上記エアシリンダ25のピストン31と一体のスリーブ部31aと結合されている。これにより、上記エアシリンダ25の前進側作動室にエア供給口25aからエアを供給すれば吸着ヘッド20が下降し、後退側作動室にエア供給口25bからエアを供給すれば吸着ヘッド20が上昇するようになっている。また、上記ピストン31には上記ノズルシャフト27内のエア通路(図示省略)と連通する連通路が形成され、負圧供給口32からその連通路及びエア通路を通して吸着ヘッド20に対し負圧もしくは正圧を切換可能に供給することにより、吸着ヘッド20において部品の吸着もしくは吸着した部品の切り離しが行われるようになっている。なお、上記の負圧もしくは正圧は図外の減圧装置及び加圧装置から切換弁の切換制御により上記負圧供給口32に供給されるようになっている。
【0022】
一方、上記回転用サーボモータ26(図2参照)の回転軸に連結されたプーリ26aと、フレーム16側に回転可能に軸支されたプーリ33との間には回転力伝達用のベルト34が巻掛けられ、上記回転用サーボモータ26の回転作動により上記プーリ33が回転され、このプーリ33を介して回転力が各ノズルシャフト27に伝達されることにより各吸着ヘッド20が回転作動されるようになっている。
【0023】
また、上記フレーム16には、カメラ40と、このカメラ40による撮像対象である基板3に向けて照明光を照射する照明装置41とが所定位置に固定されている。なお、図中40aはカメラ40が取り込んだ画像情報等を図外のコントロールユニットに対し出力したり、カメラ40に対し画像取込指令を入力させたりする入出力ラインである。
【0024】
以上の構成の第1実施形態では、ヘッドユニット5の各吸着ヘッド20により部品供給部から部品を吸着し、次いでヘッドユニット5をプリント基板上に移動させた後、全体上下動用サーボモータ21を作動させてカメラ40と上記部品の装着対象である基板の特定部位、例えば角部もしくは基板マークとの距離がカメラ40の焦点距離に合致するようにカメラ40のZ軸方向位置を変更させる。すなわち、上記カメラ40の焦点合わせ位置まで基板との相対位置を調節する。この位置調節に伴うフレーム16のZ軸方向位置の変更により各吸着ヘッド20も上記カメラ40と一緒に位置変更され、吸着ヘッド20の高さ位置が調整されることになる。そして、さらにエアシリンダ25を作動させて上記焦点距離に対応した所定ストロークだけ吸着ヘッド20を下降させることにより基板に対して部品を装着することができるようになる。
【0025】
また、上記のように基板に対して部品を装着した後、この部品に対しさらに別部品を装着するような場合は、吸着ヘッド20を上昇させ、ヘッドユニット5を部品の供給位置まで戻し、上記別部品を各吸着ヘッド20に吸着させて基板上方まで搬送してから、先に装着された部品の特定部位、例えば角部もしくは識別マーク等を認識対象として、再度、上記の処理を繰り返せばよい。すなわち、上記全体上下動用サーボモータ21の下降作動によりカメラ40が装着後の部品に対して焦点合わせされる位置までフレーム16を移動させ、これによって吸着ヘッド20の高さ位置を調整した上で、エアシリンダ25の作動により吸着ヘッド20を下降させればよい。このように、装着対象のZ軸方向位置が変化しても、カメラ40による認識を容易に行うことができる上に、上記装着対象に対して吸着ヘッド20による作業を効率よく行うことができる。
【0026】
図4及び図5は、本発明の第2実施形態に係るヘッドユニット5b及びカメラ取付部分を示す。この第2実施形態は図1に示す全体構成を前提とし、第1実施形態におけるヘッドユニット5aの大半の構成を共通としつつ、カメラ40が独立してZ軸方向への位置変更を可能としたものである。従って、第1実施形態の構成要素と同じ構成の要素については第1実施形態と同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0027】
このヘッドユニット5bにも第1実施形態と同様にフレーム16がヘッドユニット本体15に対し全体上下動用サーボモータ21により昇降可能に支持され、上記フレーム16に対し吸着ヘッド20,20,…が個別に昇降可能かつ回転可能に支持されている。なお、上記各吸着ヘッド20の個別昇降作動は図示を省略するが、第1実施形態と同様にエアシリンダ25(図3参照)により行われるようになっている。
【0028】
また、撮像手段としてのカメラ40が上記フレーム16に対しZ軸方向に昇降可能に支持され、位置変更手段としてのカメラ用サーボモータ42の回転作動により昇降作動されるようになっている。
【0029】
具体的には、図5に示すように上記フレーム16には上下方向に延びるガイド部43が固定され、ボールねじ軸44が軸受け部材45により定位置で回転自在に保持されている。一方、一端部46a側で上記カメラ40を保持する保持ブロック46がその他端部46b側で上記ガイド部43に嵌合されて上下方向にのみ移動するよう案内され、かつ、中間部位に内蔵されたナット部46cが上記ボールねじ軸44に螺合されている。
【0030】
そして、上記ボールねじ軸44はフレキシブルジョイント47を介して上記サーボモータ42の回転軸42aと接続されている。これにより、上記サーボモータ42によって上記ボールねじ軸44がZ1軸回りに回転駆動されると、フレーム16に対してカメラ40が昇降作動されるようになっている。
【0031】
なお、照明装置41はブラケット48を介して上記保持ブロック46に連結されて、上記カメラ40の昇降作動と共に昇降されるようになっている。
【0032】
以上の構成の第2実施形態では、基板もしくはこの基板に装着後の部品の特定部位、例えば角部や識別マークを付した部位を認識対象として、上記サーボモータ42の作動によりカメラ40を上記認識対象に対する焦点合わせ位置までZ軸方向に変更する処理を、フレーム16の昇降作動もしくはエアシリンダ25による各吸着ヘッド20の個別昇降作動とは独立して単独で行うことができるようになる。これにより、認識対象のZ軸方向位置の如何を問わず、かつ、全体上下動用サーボモータ21やエアシリンダ25の作動制御の如何を問わずに、カメラ40の合焦位置への位置変更を単独で実施することができるようになる。
【0033】
なお、本発明は上記第1及び第2実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記第1及び第2実施形態では、表面実装装置に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず、例えばロボットアーム等の作業装置に本発明を適用するようにしてもよい。
【0034】
また、上記実施形態では、カメラ40を焦点合わせ位置まで位置変更してその焦点距離を基準として各種作動制御に利用する場合を説明したが、これに限らず、部品等に例えば黒色の識別マークを付しておき、この識別マークを認識対象として識別マークの画像検出の有無により部品の有無、すなわち、その部品が装着済みか否かを把握する用途に用いるようにしてもよい。
【0035】
さらに、進退手段もしくは位置変更手段として各種のアクチュエータを採用することができ、サーボモータ以外の他形式のモータや、エアシリンダ以外の他の流体シリンダ等を用いてもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の作業装置によれば、作業対象自体の位置、もしくは、その作業対象の特定部位の位置が一軸方向に対し種々に変化したとしても、それに応じて位置変更手段により撮像手段の相対位置を変更させることにより、その認識対象を確実に認識することができるようになる。これにより、撮像手段の活用の途を広げて汎用性に富むものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を表面実装装置に適用した第1及び第2実施形態の全体平面図である。
【図2】 第1実施形態のヘッドユニットの正面図である。
【図3】 図2の一部を省略しかつ一部を切欠いた状態で示す側面図である。
【図4】 第2実施形態のヘッドユニットの図2相当図である。
【図5】 図4のカメラ部分についての一部省略側面図である。
【符号の説明】
15 ヘッドユニット本体(支持体)
16 フレーム
20 吸着ヘッド(作業手段)
21 全体上下動用サーボモータ(位置変更手段、進退手段)
25 エアシリンダ(進退手段)
40 カメラ(撮像手段)
42 カメラ用サーボモータ(位置変更手段)
Claims (2)
- 先端に部品を着脱可能に保持して少なくとも一軸方向に進退作動されて作業対象に対し上記部品の装着を行う作業手段と、この作業手段を進退作動させる進退手段と、上記作業対象の特定部位を撮像する撮像手段と、上記一軸方向に対する上記特定部位との上記撮像手段の相対位置を変更する位置変更手段と、上記作業手段を一軸方向に移動可能に支持するフレームと、このフレームを一軸方向に位置変更可能に支持する支持体とを備え、上記進退手段は上記作業手段を上記フレームに対して一軸方向に所定ストローク進退作動させるように構成され、上記撮像手段は上記フレームに固定され、上記位置変更手段は上記フレームを上記支持体に対して一軸方向に移動させるように構成されていることを特徴とする作業装置。
- 上記位置変更手段は、上記撮像手段の位置変更量を調節して上記作業対象の特定部位に対する上記撮像手段の焦点合わせを行うように構成されていることを特徴とする請求項1記載の作業装置。
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