JP4424154B2 - 映像補正装置 - Google Patents

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Description

本発明は、映像補正装置に関する。
映像信号を表示するディスプレイには種々のものがあり、それぞれのディスプレイ間では3原色の色度点がばらついている。また、同じ種類のディスプレイであっても、個々のディスプレイで色度点がばらついている。さらに、撮像装置により生成された映像信号においても、撮像装置の3原色のばらつきや撮像条件の違いにより、色調(色相または彩度)や階調(輝度)のずれが発生する。そこで、色相,彩度,輝度の補正が必要となる場合がある。
ところで、ベースバンド映像信号としては、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色信号と、輝度信号(Y)及び2つの色差信号(R−Y,B−YまたはPb,Pr)とのいずれかが用いられる。ディスプレイに表示する信号は、R,G,Bの3原色信号があるが、色相や彩度を補正する場合には、3原色信号よりも色差信号の方が処理が容易であるので、色相や彩度の補正処理を施す信号としては一般的に色差信号が用いられる。なお、3原色信号と、輝度信号及び色差信号とは、線形マトリクス演算によって相互に容易に変換することができる。
従来の色相と彩度の補正処理の一例として、以下の(1)式、(2)式に示す演算処理がある。(1),(2)式において、R−Y,B−Yは補正前の色差信号、r−y,b−yは補正後の色差信号、A1,A2は係数である。周知のように、2つの色差信号は、直交する2つの軸よりなる平面(色差平面)で表される。(1),(2)式中のT1,T2は色差平面における補正角度である。
(b-y)=A1×cos(T1)×(B-Y)+A1×sin(T2)×(R-Y) …(1)
(r-y)=-A2×sin(T1)×(B-Y)+A2×cos(T2)×(R-Y) …(2)
(1),(2)式において、係数A1,A2が異なる場合には、色差信号r−y,b−yの振幅(彩度)を個別に設定することができる。角度T1,T2が異なる場合には、色差信号R−Y,B−Yの回転角度が異なるので、色相を不均一に補正することができる。係数A1,A2及び角度T1,T2がそれぞれ同一であれば彩度及び色相を一様に補正することができる。いずれにしても、(1),(2)式による補正処理では、2つの色差信号を軸とする色差平面上の全域が変化することになる。
他の従来例である、特定の範囲の色相や彩度を補正する色補正回路として、特開平10−145805号公報(特許文献1)、特開2001−128189号公報(特許文献2)に開示されたものが知られている。
(1),(2)式による従来の補正処理においては、色相全体が補正されてしまうため、特定の色相領域である色差平面上の特定の角度領域のみ色相や彩度を補正することができない問題点があったが、上記の特許文献2には、この問題点を回避する補正処理が開示されている。この色補正処理によれば、特定の角度領域のみを補正領域として設定し、その補正領域内の画素の色相や彩度を補正することができる。しかしながら、この色補正処理においては、2つの等色相線で囲まれた角度領域内のすべての画素の色相をその2つの等色相線の中心の等色相線に対して直交する方向に補正し、すべての画素の彩度を中心の等色相線に対して平行な方向に補正してしまっていた。このため、補正領域としての角度領域が大きくなると、中心の等色相線近傍では色相や彩度が正しく補正されるものの、中心の等色相線から離れた領域では色相や彩度を十分には補正することができず、広い角度領域を補正領域とするにはなお改良が必要であった。
また特許文献2の従来例では、色相や彩度を補正することができるものの、色相や彩度の補正に併せて輝度信号(階調)を補正することができない技術的課題もあった。さらに、輝度信号を補正すると彩度が見掛け上変化するので、輝度信号の補正に併せて彩度も補正すべきであるが、輝度信号の補正に伴って変化する彩度を補正することができない技術的課題もあった。
このような技術的課題に鑑みて、本願出願人の出願に係る特願2003−319482号の明細書には、補正領域を広い角度領域とした場合でも、色相や彩度を正しく補正することができる映像補正装置が提案されている。それによれば、補正利得調整手段によって、赤色領域や黄色領域における肌色に近い部分の補正利得を弱め、赤色領域や黄色領域におけるそれぞれの色の補正が肌色に及ぼす影響を軽減することができる。
しかしながら、この提案されている映像補正装置では、特に肌色と黄色、または肌色と赤色の補正領域が重なる場合に、肌色の補正を行うか否かの判定は、肌色の補正領域に入力映像信号が入っているかいないかの2値と色の濃淡が所定の固定値より大きいか小さいかの2値で行っているため、肌色領域を補正する補正利得と赤色または黄色領域を補正する補正利得の差が大きい時、補正領域の差が大きく出てしまい、これにより実際の映像信号で画面を見ると色の段差が出てしまい、全体的にノイズのように見えることがあるという技術的課題が残されていた。また入力信号が低輝度、低彩度の場合において、中高輝度、中高彩度の補正に比べて補正範囲や効果が大きくなってしまい、入力信号の補正領域の違いにより、補正結果に差が出て画面上では色の段差が出てしまい、全体的にノイズのように見えることがあるという技術的課題も残されていた。
特開平10−145805号公報 特開2001−128189号公報
本発明は上述のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、複数の補正領域を重ねて設定した場合でも、それぞれの補正領域における補正が他の補正領域に及ぼす影響を軽減し、映像に破綻のないよう処理することができる映像補正装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、映像信号の画素の色信号成分である第1及び第2の色差信号の一方を第1の軸とし、前記第1及び第2の色差信号の他方を第1の軸と直交する第2の軸としたとき、前記第1及び第2の軸がなす色差平面上における少なくとも第1及び第2の角度領域を第1及び第2の補正領域として設定し、前記第1及び第2の補正領域内それぞれの映像信号を補正する映像補正装置において、入力画素それぞれの前記色差平面上における第1の色差信号成分と第2の色差信号成分とがなす角度を算出する角度算出手段と、前記映像信号の画素の色相と彩度と輝度の内の少なくとも1つを補正するための第1の補正領域に対応する第1の補正利得及び第2の補正領域に対応する第2の補正利得を求める第1及び第2の補正関数を、前記角度算出手段によって算出した入力画素それぞれの角度をパラメータとして算出し、前記補正領域外では前記補正利得を0とし、前記補正領域内では前記第1及び第2の補正関数に基づいて前記第1及び第2の補正利得を算出する前記第1及び第2の補正領域毎に設けられた第1及び第2の補正利得算出手段と、前記入力画素それぞれの前記色差平面上における前記第1の色差信号成分と前記第2の色差信号成分とがなすベクトルの大きさを表すベクトル長を算出するベクトル長算出手段と、前記入力画素それぞれの輝度信号成分と前記ベクトル長とを用いて、前記入力画素それぞれの色信号成分の濃淡の程度を検出する濃淡検出手段と、前記濃淡検出手段の出力と前記第1の補正利得算出手段の算出する第1の補正関数の値とを乗算する第1の乗算手段と、前記第1の乗算手段の出力する積値から予め設定されている外部パラメータを減算して第1の補正値を得る第1の減算手段と、1から前記第1の減算手段の出力する第1の補正値を引くことで第2の補正値を得る第2の減算手段と、前記第1の減算手段の出力する第1の補正値によって前記第1の補正利得を調整して出力する第1の補正利得調整手段と、前記第2の減算手段の出力する第2の補正値によって前記第2の補正利得を調整して出力する第2の補正利得調整手段と、前記第1及び第2の補正利得算出手段が出力し、前記第1及び第2の補正利得調整手段により調整された後の第1及び第2の補正利得を用いて前記第1及び第2の補正領域内それぞれの映像信号を補正する映像補正処理手段とを備えたものである。
請求項2の発明は、請求項1の映像補正装置において、前記ベクトル長算出手段の出力に対して予め設定されている外部パラメータによって低彩度における補正範囲の閾値を設定するセレクタと、前記セレクタの出力に前記第1の補正関数の値を乗算する第2の乗算手段と、前記セレクタの出力に前記第2の補正関数の値を乗算する第3の乗算手段とを備え前記第1の補正利得調整手段は、前記第1の減算手段の出力する第1の補正値と前記第2の乗算手段の出力する積値とを乗算して得られる第3の補正値によって前記第1の補正利得を調整し前記第2の補正利得調整手段は、前記第2の減算手段の出力する第2の補正値と前記第3の乗算手段の出力する積値とを乗算して得られる第4の補正値によって前記第2の補正利得を調整することを特徴とするものである。
本発明の映像補正装置によれば、複数の補正領域を重ねて設定した場合でも、それぞれの補正領域における補正が他の補正領域に及ぼす影響を軽減することができる。また本発明によれば、低輝度、低彩度における補正が画面全体に及ぼす影響を少なくすることができる。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。図1に示す映像補正装置において、入力端子1,2にはそれぞれ色差信号R−Y,B−Yが入力され,この色差信号R−Y,B−Yは角度算出部4に入力される。入力端子3には輝度信号Yが入力され、この輝度信号Yは輝度・色差ガンマ処理部19に入力される。色差信号R−Y,B−Y及び輝度信号Yは、補正の対象となっている映像信号の画素毎に順次入力される。なお、補正の対象となっている映像信号が3原色信号の場合には、線形マトリクス演算によって予め3原色信号を色差信号R−Y,B−Y及び輝度信号Yに変換して、角度算出部4や輝度・色差ガンマ処理部19に入力する。
図3に示すように、色差信号R−Y,B−Yにおける色差信号の一方(例えばB−Y)を横軸、色差信号の他方(例えばR−Y)を横軸に直交する縦軸としたとき、色差信号R−Y,B−Yは色差平面にて表される。この色差平面のR−Y軸とB−Y軸との交点を中心とする回転方向は色相を表し、半径方向は彩度を表す。映像信号の各画素の色信号成分は色差信号R−Y,B−Yで表され、各画素は色差平面上のいずれかに位置する。また、赤、黄、緑等の色は色差平面上のいずれかに位置し、それぞれの色はB−Y軸からの角度θで表すことができる。
角度算出部4は、一例として図2に示すような処理によって、入力画素それぞれの図3の色差平面上でなす角度を算出する。図2では、角度算出部4での角度算出処理をフローチャートにて図示しているが、角度算出部4での角度算出処理はソフトウェア、ハードウェアのいずれで実現してもよい。図2において、ステップS401にて、入力画素それぞれの色差信号R−Y,B−Y成分の符号より色差平面上の第何象限に位置しているかを検出する。ステップS402にて、色差信号R−Y,B−Y成分それぞれの絶対値の大きい方をA、小さい方をBとして算出する。
そして、ステップS403にて、B/Aより角度T1を検出する。この角度T1は、ステップS402の処理より明らかなように、0〜45°となる。角度T1は、折れ線近似やROMテーブルによって算出することができる。ステップS404にて、Aが|R−Y|であるか、即ち、|R−Y|>|B−Y|であるか判定する。|R−Y|>|B−Y|でなければ、角度T1はそのまま角度Tとなる。|R−Y|>|B−Y|であれば、ステップS405にて、T=90−T1を算出する。これによって、tan−1((R−Y)/(B−Y))が求められる。ステップS403において検出する角度T1を0〜45°としているのは、tan−1((R−Y)/(B−Y))のカーブは45°を超えると急激に勾配が大きくなり、角度の算出に不適であるからである。
さらに、ステップS406にて、ステップS401にて検出した象限のデータを用いて第2象限か否か判定し、第2象限であれば、ステップS407にて、T=180−T1を算出する。第2象限でなければ、ステップS408にて、第3象限か否か判定し、第3象限であれば、ステップS402にて、T=180+T1を算出する。第3象限でなければ、ステップS410にて、第4象限か否か判定し、第4象限であれば、ステップS411にて、T=360−T1を算出する。そして最終的に、ステップS412にて、入力画素それぞれの図3の色差平面上でなす角度Tを出力する。
以上の処理により、入力された色差信号R−Y,B−Yの色差平面上での角度を0〜360°の範囲で求めることができる。ステップS404〜S411は、ステップS403にて検出した角度T1を角度Tに補正する処理である。また、ステップS404〜S411では、角度T1を第1〜第4象限に応じて補正していることが分かる。このとき、第1象限では、|R−Y|>|B−Y|であるか否かによっても、角度T1から角度Tへの補正処理が異なっている。
以上説明した角度算出部4での角度算出処理は、色差信号R−Y,B−Yがなす角度を0〜45°の範囲で角度T1として算出し、この角度T1をそれぞれの象限に応じて補正して、色差信号R−Y,B−Yがなす角度を0〜360°の範囲のTとして算出している。
入力された映像信号がノイズを多く含む場合には、角度算出に用いる色差信号R−Y,B−Y、即ち、角度算出部4に入力される色差信号R−Y,B−Yに対してローパスフィルタをかけ、ノイズを低減させることが好ましい。このようにすると、色差信号R−Y,B−Yの角度を正しく算出することができる。
図1に戻り、角度算出部4より出力された角度Tは、補正利得算出部51,52,…,5nに入力される。ここでは、補正利得算出部をn個設けているが、補正利得算出部は1または任意の複数個である。この補正利得算出部は、色相や彩度を補正する領域の数に応じて設けるものである。よって、色差平面上の1つの角度領域である特定の色のみ補正する場合には、補正利得算出部は1つでよいということになる。補正利得算出部51〜5nは全て同一の構成である。
ここで、補正利得算出部51〜5nの機能について説明する。図3において、L0,L1,L2は、B−Y軸とR−Y軸との交点より伸びる等色相線であり、等色相線L0,Ll,L2の角度はそれぞれθ,θ,θである。等色相線L0は補正の中心線であり、等色相線L1,L2で囲まれた角度θ〜θの範囲が色相や彩度または輝度を補正する補正領域である。θ〜θは任意に設定することができる。但し、θ<θ<θである。
等色相線L0,L1がなす角度(θ−θ)と等色相線L0,L2がなす角度(θ−θ)は同一でなくてもよいが、同一であることが好ましい,等色相線L0,Llがなす角度と等色相線L0,L2がなす角度を同一にする場合には、角度θからの補正角度Rを設定して、θ−Rをθ、θ+Rをθとすればよい。なお、色差平面上で複数の補正領域を設ける場台には、等色相線L0〜L2と同様な等色相線を複数の角度位置で設定すればよい。
補正利得算出部51〜5nには、それぞれの補正領域を決める角度θ,θ,θ、あるいは角度θとRが入力される。図1では、補正利得算出部51〜5nそれぞれに供給する各部をθ,θ,θと、その角度θ,θ,θをθ01,θ11,θ21〜θ0n,θ1n,θ2nと区別している。そして角度θ01〜θ0nを総称して角度θ、角度θ11〜θ1nを総称して角度θ、角度θ21〜θ2nを総称して角度θとする。なお、補正領域は重ねて設定することも可能である。
補正利得算出部51〜5nの機能について、図4を用いてさらに説明する。図3の等色相線L1よりも角度の大きい部分を示す関数をFL1とし、これをC言語にて表すと、
FL1=T-θ1
if(FL1<0) FL1=0; …(3)
となる。この(3)式は、図4(A)に示す特性となる。
同様に、図3の等色相線L2よりも角度の小さい部分を示す関数をFL2とし、これをC言語にて表すと、
FL22-T;
if(FL2<0) FL2=0; …(4)
となる。この(4)式は、図4(B)に示す特性となる。
補正利得算出部51〜5nは、次の(5)式に基づいて、映像(色相、彩度、輝度)を補正するための第1の補正関数M12を生成する。
M12=Min(FL1,FL2); …(5)
第1の補正関数M12は、(3)式で示されるFL1と(4)式で示されるFL2との小さい方を選択するものであり、図4(C)に示すように角度θに頂点を有する三角形状の特性となる。第1の補正関数M12の特性としては、三角形状に限定されることはなく、上限値を設けて台形状にしたり、余弦関数状にしてもよい。なお、第1の補正関数M12は、補正範囲外である角度θ,θの外側を0とすることが必要である。
また、同様に、図3の等色相線L0よりも角度の大きい部分と小さい部分とを示す関数をFL0とし、これをC言語にて表すと、
FL00-T; …(6)
となる。この(6)式は、図4(D)に示す特性となる。
補正利得算出部51〜5nは、次の(7)式に基づいて、映像(色相、彩度、輝度)を補正するための第2の補正関数M012を生成する。
M012=Min(FL0,FL1);
M012=Max(M012,-FL2); …(7)
第2の補正関数M012は、(6)式で示されるFL0と(3)式で示されるFL1との小さい方を選択し、さらに、これで得たM012と−FL2との大きい方を選択するものである。このようにして得た第2の補正関数M012は、図4(E)に示すように、角度θと角度θとの中央部に正の頂点を有する上に凸の三角形状と、角度θと角度θとの中央部に負の頂点を有する下に凸の三角形状とを合わせた特性となる。第2の補正関数M012も、補正範囲外である角度θ,θの外側を0とすることが必要である。
ところで、θ=θ−R,θ=θ+Rとしたとき、角度算出部4で算出された角度Tは0〜360°の値であり、角度θや角度θが0°または360°を跨ぐ場合には、角度の値に不連続が生じる。そこで、補正利得算出部51〜5nは、上記の(3),(4),(6)式で用いる角度TをC言語にて表す次の(8)式によって予め補正しておく。なお、(8)式中の>=は≧を意味している。
if(T-θ1>=360) T=T-360;
if(θ2-T>=360) T=T+360; …(8)
この(8)式により、角度θや角度θが0°または360°を跨ぐ場合であっても、角度θ〜θの範囲内に角度Tが含まれるとき、角度Tを連続的な値に補正して、角度θ〜θの範囲内で角度Tの値の不連続が生じないようにすることができる。よって、図4(C),(E)に示す第1、第2の補正関数M12,M012を正しく生成することができる。
以上のようにして、本実施の形態では、角度θを中心とする補正領域として、θ=θ−R,θ=θ+Rとしたとき、補正角度Rを180°近傍まで、即ち、θ±180°の補正領域を設定することができる。
補正利得算出部51〜5nには、角度θ,θ,θの他、係数p1,p2,s1,y1,clが入力される。係数p1,p2は、後述する色相補正利得を可変するための係数であり、係数s1は、後述する彩度補正利得を可変するための係数である。係数ylは、後述する輝度ガンマ補正利得を可変するための係数であり、係数c1は、後述する彩度ガンマ補正利得を可変するための係数である。補正利得算出部51〜5nに入力する係数p1,p2,s1,y1,c1は、補正利得算出部51〜5nに対して全て同一である必要はない。係数p1,p2,s1,y1,c1を補正利得算出部51〜5nに対して個々に設定すると、複数の補正領域での映像の補正の程度を異ならせることができる。
本実施の形態では、色相や彩度の補正だけでなく、輝度信号も補正する。さらに、輝度信号を補正すると、彩度が見掛け上変化するので、輝度信号の補正に併せて彩度も補正する。後述するように、本実施の形態では、輝度信号の補正は、輝度信号にガンマカーブの特性を持たせるものである。また、輝度信号の補正に併せた彩度補正も、色差信号に輝度補正と同じガンマカーブの特性を持たせるものである。従って、本実施の形態では、輝度信号の補正をYガンマ、輝度信号の補正に併せた彩度補正をCガンマと称することとする。
補正利得算出部51〜5nは、上記のように生成した第1、第2の補正関数M12,M012と、入力された各係数p1,p2,s1,y1,c1とを用いて、次の(9)〜(12)式に示す補正利得算出式P(T),S(T),Gy(T),Gc(T)に基づいて、補正利得P,S,Gy,Gcを生成する。Pは色相の利得を補正するために用いる色相補正利得、Sは彩度の利得を補正するために用いる彩度補正利得、GyはYガンマの利得を補正するために用いるYガンマ補正利得、GcはCガンマの利得を補正するために用いるCガンマ補正利得である。
P(T)=pl×M012+p2×M12; …(9)
S(T)=sl×M12; …(10)
Gy(T)=y1×M12; …(11)
Gc(T)=cl×M12; …(12)
図4にて説明したように、第1、第2の補正関数M12,M012は、角度算出部4にて算出された角度Tをパラメータとする関数であるので、(9)〜(12)式に示す補正利得算出式は、角度Tをパラメータとする関数となる。図4(C)に示す第1の補正関数M12は、補正領域の中心角度θである等色相線L0に近付くほど補正量が大きくなる特性を有し、補正領域内の画素を一方向に補正する特性を有するものである。
一方、図4(E)に示す第2の補正関数M012は、等色相線L0上では補正量が0となり、等色相線L0と等色相線L1,L2とのそれぞれの中央で補正量が最大となる特性を有する。また、等色相線L0と等色相線L1とで挟まれた角度領域と、等色相線L0と等色相線L2とで挟まれた角度領域では、補正方向が逆の特性を有するものである。係数p1,p2,s1,y1,c1は、第1、第2の補正関数M12,M012の振幅を可変して、補正利得算出式P(T),S(T)、Gy(T),Gc(T)によって生成される補正利得P,S,Gy,Gcの程度を適宜に設定するためのものであることが分かる。
さらに、(9)式の色相補正利得算出式P(T)による補正利得の算出について説明する。(9)式の第1項であるpl×M012は、図5(A)に示すように、補正領域内の色相を等色相線L0に向かって(またはその逆方向に)シフトするものである。これは、第2の補正関数M012の特性より明らかである。このとき、後述する理由により、等色相線L0と等色相線L1とで挟まれた角度領域内と等色相線L0と等色相線L2とで挟まれた角度領域内のそれぞれの画素の色度点は、実質的に、互いに逆方向に回転移動される。
また、(9)式の第2項であるp2×M12は、図5(B)に示すように、補正領域内の色相を一方向にシフトするものである。第1の補正関数M12の特性より明らかなように、等色相線L0に近付くほどシフト量が多くなる。このとき,後述する理由により、等色相線L0と等色相線L1とで挟まれた角度領域内と等色相線L0と等色相線L2とで挟まれた角度領域内のそれぞれの画素の色度点は、実質的に、互いに同一方向に回転移動される。
この(9)式による色相の補正は、角度θ〜θで囲まれた補正領域内のみで行われ、補正領域外では補正の影響が全く及ばない。
本実施の形態では、第1、第2の補正関数M12,M012を生成して、(9)式の補正利得算出式P(T)によって色相補正利得Pを生成するよう構成している。図5(B)の機能を色差平画上で隣接して2つ設け、色相を互いに逆方向にシフトさせることによって、図5(A)の機能と等価となる。従って、第2の補正関数M012を生成することなく、第1の補正関数M12のみで(9)式と等価の補正利得算出式を得ることができる。このように構成する場合には、第2の補正関数M012の生成は不要となる。
上記の(10)〜(12)式に示すように、彩度、Yガンマ、Cガンマの補正利得を算出するための補正利得算出式S(T),Gy(T),Gc(T)では、第1の補正関数M12を用いている。この(10)〜(12)式による彩度、Yガンマ、Cガンマの補正も、角度θ〜θで囲まれた補正領域内のみで行われ、補正領域外では補正の影響が全く及ばない。
図1において、補正利得算出部51〜5nの出力であり、上記の(9)〜(12)式に示す補正利得算出式P(T)〜Gc(T)によって生成された色相、彩度、Yガンマ、Cガンマの補正利得をそれぞれPi,Si,Gyi,Gci(i=1〜n)とする。なお、図1では、Pi,Si,Gyi,Gciを単にP,S,Gy,Gcと記載している。補正利得算出部51〜5nより出力された補正利得Si,Pi,Gyi,Gciは、それぞれ、累和器6〜9によって累和(総和)される。累和器6〜9の出力をそれぞれΣSi,ΣPi,ΣGyi,ΣGciとする。
入力された画素の色度点がいずれかの補正領域に含まれていれば、後段の演算処理によって、色差信号R−Y,B−Y及び輝度信号Yに対して補正利得Si,Pi,Gyi,Gciを用いた補正が施される。本実施の形態では、補正利得算出部が複数個あっても、即ち、色差平面上で複数の補正領域を設定した場合であっても、それぞれの補正利得Si,Pi,Gyi,Gciを累和しているので、後段の色差信号R−Y,B−Y及び輝度信号Yに対する補正演算処理の回路構成が簡略化される。入力された画素の色度点が複数の補正領域に含まれていれば、補正利得は和となり、入力された画素の色度点がいずれの補正領域にも含まれていなければ、補正利得は0となる。
乗算器10と加算器13とインバータ14には、入力端子1に入力された色差信号R−Yが入力され、乗算器11,15と加算器18には、入力端子2に入力された色差信号B−Yが入力される。インバータ14の出力は、乗算器16に入力される。累和器6より出力された補正利得ΣSiは、乗算器10,15に入力される。乗算器10は色差信号R−Yに補正利得ΣSiを乗算して出力し、乗算器15は色差信号B−Yに補正利得ΣSiを乗算して出力する。累和器7より出力された補正利得ΣPiは、乗算器11,16に入力される。乗算器11は色差信号B−Yに補正利得ΣPiを乗算して出力し、乗算器16は色差信号R−Yをインバータ14によって反転したものに補正利得ΣPiを乗算して出力する。
加算器12は乗算器10,11の出力を加算し、加算器13は色差信号R−Yと加算器12の出力とを加算する。加算器13の出力は補正後の色差信号R−Yである。加算器17は乗算器15,16の出力を加算し、加算器18は色差信号B−Yと加算器17の出力とを加算する。加算器18の出力は補正後の色差信号B−Yである。
以上の乗算器10,11及び加算器12,13は、次の(13)式を演算処理し、乗算器15,16とインバータ14と加算器17,18は、次の(14)式を演算処理していることが分かる。(13)式により補正した色差信号R−Yが得られ、(14)式により補正した色差信号B−Yが得られる。
ΣPi×(B-Y)+ΣSi×(R-Y)+(R-Y) …(13)
-ΣPi×(R-Y)+ΣSi×(B-Y)+(B-Y) …(14)
入力された画素の色度点は、図3で説明したように、(B−Y),(R−Y)で表される。その色度点を図3の色差平面の原点からのベクトルと考えると、そのベクトルに直交するベクトルは、−(R−Y),(B−Y)となる。従って、(14)式と(13)式の第1項の−ΣPi×(R−Y),ΣPi×(B−Y)は、補正の対象となっている画素の色度点のベクトルに直交する方向への色相補正成分を表していることが分かる。また、(14)式と(13)式の第2項のΣSi×(B−Y),ΣSi×(R−Y)は、補正の対象となっている画素の色度点のベクトルと同一方向への補正、即ち、彩度補正成分を表していることが分かる。
従って、本実施の形態では、色相補正においては、補正領域内の画素それぞれの色度点を、R−Y軸とB−Y軸との交点と補正領域内の画素それぞれとを結ぶそれぞれの等色相線と直交方向に移動させることとなる。よって、色相は、補正領域内全体で実質的に回転移動する。また、彩度補正においては、補正領域内の画素それぞれの色度点を、R−Y軸とB−Y軸との交点と補正領域内の画素それぞれとを結ぶそれぞれの等色相線と平行方向(等色相線上で彩度を大きくする方向または小さくする方向のいずれか)に移動させることとなる。よって、本実施の形態では、補正領域としての角度領域を大きく設定した場合であっても、色相や彩度を意図した通りに正しく補正することが可能となる。
以上のようにして,乗算器10,11及び加算器12,13の第1の回路ブロックと、乗算器15,16とインバータ14と加算器17,18の第2の回路ブロックとで、色差信号R−Y,B一Yと補正利得ΣPi,ΣSiとを演算することにより、色相及び彩度補正を施した色差信号R−Y,B−Yを生成している。これらの第1の回路ブロックと第2の回路ブロックは、色相及び彩度を補正する補正手段として動作している。加算器13,18より出力された色相及び彩度補正が施された色差信号R−Y,B−Yは、輝度・色差ガンマ補正部19に入力される。
ところで、上述した(13),(14)式による色差信号R−Y,B−Yの補正は、R−Y軸とB−Y軸との交点と補正領域内の画素それぞれとを結ぶそれぞれの等色相線と直交方向に移動させるものである。補正量(移動量)が小さい場合には、補正領域内の画素は実質的に回転方向に移動するとみなすことができる。しかしながら、補正量が大きい場含には、補正領域内の画素は回転方向に移動するとみなすことはできない。画素が等色相線と直交方向に大きく移動すると、彩度も変化することになる。
このような理由から、補正量を大きくする場合には、補正領域内の画素それぞれの色度点を、色差平面上の回転方向に移動させることが好ましい。画素の色度点を色差平面上の回転方向に移動させるための式は次の(15),(16)式で表すことができる。(15〉式により補正した色差信号R−Yが得られ、(16)式により補正した色差信号B−Yが得られる。
(1+ΣSi)×sin(ΣPi)×(B-Y)+(1十ΣSi)×cos(ΣPi)×(R-Y) …(15)
(1+ΣSi)×cos(ΣPi)×(B-Y)-(1十ΣSi)×sin(ΣPi)×(R-Y) …(16)
この(15),(16)式をそのまま用いてもよいが、(15),(16)式における正弦関数と余弦関数を次の(17),(18)式のように近似してもよい。(17),(18)式によれば、ΣPiがπ/2ラジアンまでの範囲で極めて良好に近似し、実用上十分といえる。
sin(ΣPi)=ΣPi-(ΣPi)3/6.6 …(17)
cos(ΣPi)=1-(ΣPi)2/2.2 …(18)
補正領域内の画素の色度点を色差平面上の回転方向に移動させる場合には、垂算器10,11及び加算器12,13の第1の回路ブロックと、乗算器15,16とインバータ14と加算器17,18の第2の回路ブロックの部分を、(15),(16)式を実現するための回路構成に置き換えればよい。勿論、(15),(16)式をソフトウェアで実現してもよい。
図1において、輝度・色差ガンマ補正部19には、上記のように入力端子3に入力された輝度信号Yと、累和器8,9より出力された補正利得ΣGyi,ΣGciが入力される。輝度・色差ガンマ補正部19には、図6に示すように、次の(19)式で示す補正関数を備えている。
G(X)=X1/1.5-X …(19)
輝度・色差ガンマ補正部19は、輝度信号Y及び色差信号R−Y,B−Yに対してガンマ補正を施すものであり、(19)式におけるX(図6の横軸)は、輝度信号Yや色差信号R−Y,B−Yの値となる。映像信号にガンマ補正を施す場合、表示デバイス(ディスプレイ)に応じて最適な特性が異なる。(19)式は一例であり、輝度・色差ガンマ補正部19での補正特性は、(19)式に限定されるものではない。
輝度・色差ガンマ補正部19は、補正利得ΣGyiと補正関数G(X)とを乗算し、この乗算結果を輝度信号Yに加算する。即ち、次の(20)式の演算処理を行う。
Y+G(X)×ΣGyi …(20)
ここで、補正利得ΣGyiは、図6に示す補正関数G(X)の振幅を可変する係数であることが分かる。
このような輝度信号Yのガンマ補正によって輝度が変化すると、彩度も変化して、彩度を補正する必要が生じる。そこで、輝度・色差ガンマ補正部19は、入力される色差信号R−Y,B−Yもガンマ補正する。輝度・色差ガンマ補正部19は、色差信号R−Y,B−Yそれぞれに補正利得ΣGciと補正関数G(X)と1/Xを乗算し、この乗算結果を色差信号R−Y,B−Yそれぞれに加算する。即ち、次の(21),(22)式の演算処理を行う。
(R-Y)+(R-Y)×G(X)×ΣGci/X …(21)
(B-Y)+(B-Y)×G(X)×ΣGci/X …(22)
この(21),(22)式で(R−Y)×G(X)×ΣGci,(B−Y)×G(X)×ΣGciをXで割っているのは、彩度の増減比率を輝度の増減比率に合わせるためである。Xが例えば0.1以下のような小さな値のときには、動作が不安定となったり、低輝度でのS/Nが悪くなるおそれがある。そこで、動作の安定性や低輝度でのS/Nを良くするため、Xの最小値を0.1に制限することが好ましい。このようにして、輝度信号のガンマ処理に応じて彩度の補正(Cガンマ)を行うことができる。
輝度・色差ガンマ補正部19より出力されたYガンマが施された輝度信号Yは、出力端子22より出力され、Cガンマが施された色差信号R−Y,B−Yはそれぞれ出力端子20,21より出力される。輝度信号Yと色差信号R−Y,B−Yを3原色信号に戻す必要がある場合には、線形マトリクス演算によって3原色信号に変換すればよい。
以上の構成により、入力端子1〜3に入力された色差信号R−Y,B−Yと輝度信号Yは、予め設定した補正領域内のみ、色相や彩度を補正することができ、さらにこの補正に加えて、Yガンマ、Cガンマを施すことができる。本実施の形態では、色相、彩度、Yガンマ、Cガンマの全てを補正する場合について説明したが、これらの内の任意の1つの要素のみ補正したり、任意の組み合わせで補正してもよい。但し、YガンマとCガンマは組とすることが好ましい。
以上説明した本実施の形態では、乗算器10,11及び加算器12,13の第1の回路ブロックと、乗算器15,16とインバータ14と加算器17,18の第2の回路ブロックとによる色相や彩度の補正は、輝度信号Yの値には無関係である。輝度信号Yの値に応じて色相や彩度の補正量を異ならせてもよい。輝度信号Yの値に応じて色相や彩度の補正量を異ならせるには、補正利得算出部51〜5nに入力する係数p1,p2,s1を輝度信号Yの値に応じて変化させればよい。
輝度信号Yの値に応じて係数slを変化させて、彩度の補正量を異ならせる場合の特性の一例を図7に示す。横軸は輝度信号Yであり、縦軸は係数s1である。この特性は、低い輝度で彩度を下げ、高輝度で彩度を上げるようにしたものである。係数s1を変化させるための手段としては、一例として、図8に示すようなテーブルを用いることができる。図8において、テーブル31には、種々の値を有する係数s1が記憶されている。テーブル31には輝度信号Yの値がアドレスとして入力され、テープル31は入力された輝度信号Yの値に応じて係数s1を出力する。輝度信号Yの値に応じて係数p1,p2を変化させる場合も同様である。
このように輝度信号Yの値に応じて色相や彩度を変化させると、補正領域内の映像は、図9に示すように3次元的に補正されることになる。図9において、輝度信号Yの値を示すY軸は、R−Y軸、B−Y軸よりなる色差平面に直交する。図9中のY0,Y1,Y2はそれぞれ等輝度平面を示している。図9に示す丸数字1は、輝度信号Yの値には無関係に、白丸で示す画素の色相及び彩度を黒丸で示す位置へと補正した場合を概念的に示している。図9に示す丸数字2は、輝度信号Yの値に応じて、白丸で示す画素の色相及び彩度を黒丸で示す位置へと補正した場合を概念的に示している。
さらに、図9に示す丸数字3は、丸数字1の補正に加えて、Yガンマ、Cガンマを施した場合を概念的に示している。図9に示す丸4数字は、丸数字2の補正に加えて、Yガンマ、Cガンマを施した場合を概念的に示している。
ところで、図1においては、本実施の形態の構成をハードウェアの如く記載しているが、ソフトウェア(コンビュータプログラム)にて実現してもよいことは勿論である。本発明は、本発明の構成を集積回路としたり、本発明のステップを含むプログラムやこのプログラムを記録した記録媒体としてもよい。記録媒体は、CD−R0M等の光ディスク及びこれ以外のディスクを含む任意の媒体でよい。これは、次の第2の実施の形態に対して同様である。
以上の説明より明らかなように、映像補正方法やコンビュータに映像補正を実行させるための映像補正プログラムは、以下のステップを含む。まず、第1のステップとして、入力画素それぞれの色差平面上における色差信号R−Y,B−Y成分がなす角度を算出する角度算出ステップを含む。
第2のステップとして、角度算出ステップによって算出された入力画素それぞれの角度をパラメータとして、補正領域外では映像信号の画素の色調、彩度、Yガンマ、Cガンマを補正するための補正利得を0とし、補正領域内で所定の補正利得を生成する補正利得算出式に基づいて、補正領域内の画素の色相,彩度,Yガンマ,Gガンマを補正するための補正利得を算出する補正利得算出ステップを含む。
色差平面上に補正領域を複数設定した場合には、第3のステップとして、複数の補正領域それぞれの補正利得を累和する累和ステップを含む。補正領域が1つのみであれば、この累和ステップは必要ない。第4のステップとして、色差信号R−Y,B−Yと色相、彩度の補正利得とを演算することによって、補正領域内の画素の色相、彩度を補正する補正ステップを含む。
さらに、第5のステップとして、Yガンマの補正利得を所定の補正関数に乗算したものを輝度信号Yに加算して輝度信号Yを補正(Yガンマ補正〉すると共に、色差信号R−Y,B−YそれぞれにCガンマでの補正利得とその補正関数とを乗算したものを色差信号R−Y,B−Yそれぞれに加算して、色差信号R−Y,B−Yを補正(Cガンマ補正)するステップを含む。
なお、第1〜第3のステップは、この順で行われることが必要である。第4のステップと第5のステップは同じタイミングで行われてもよく、時間的にどちらが前後であってもよい。
ところで、本発明は,色度点のばらつきや撮像装置に起因した映像のばらつきを補正するためだけでなく、特定の色を意図的に補正する目的で用いることもできる。例えば、芝生や木の緑色を黄色や茶色に変色させて、映像の季節感を変化させることができる。このように、本発明は、映像の特定の色の色相や彩度や輝度(階調)を任意に可変できるので、種々の日的に用いることが可能となる。また、本実施の形態では、色差信号をR−Y,B−Yとして説明したが、色差信号はR−Y,B−Yに限定されるものではなく、色差信号Cb,Crであってもよい。
上述したように、図1の補正利得算出部51〜5nにて設定する補正領域は部分的に重なっていてもよい。補正領域を重ねた場合には、上述した色相、彩度、Yガンマ、Cガンマの補正は1つの補正領域における補正がその1つの補正領域に部分的に重なった他の補正領域に影響を及ぼすこととなる。本発明を実際の製品に搭載した場合、補正領域を重ねて設定した方が好ましい場合もある。
図10は、複数の補正領域を重ねて設定した場合にそれぞれの補正領域における補正が他の補正領域に及ぼす影響を軽減するための好適な実施の形態を示している。図10に示す回路構成は、図1の回路構成に加えるように構成する。前述のように、図1における累和器6〜9は,補正利得算出部51〜5nより出力された補正利得P,S,Gy,Gcをそれぞれ累和する。図10に示す回路構成を図1の回路構成に加えた場合には、累和器6〜9には図10に示す回路によって置換または調整された補正利得P,S,Gy、Gcが入力される。累和器6〜9より後段の処理は前述の通りである。
図11は複数の補正領域を重ねて設定した場合の一例を色差平面にて示している。補正領域として肌色と赤色と黄色を考える。ここでは肌色とは一般的な日本人の肌色を指しており、図11の色差平面の125°近辺にある、赤色は110°近辺、黄色は160°近辺にある。図11に示すように、実線で囲んだ領域を肌色領域Aとして設定し、一点鎖線で囲んだ領域を赤色領域Bとして設定し、二点鎖線で囲んだ領域を黄色領域Cとして設定したとする。肌色領域Aと赤色領域Bとが一部で重なっており、肌色領域Aと黄色領域Cとが一部で重なっている。これらの3つの領域は、補正利得算出部51〜5nの内の3つを用いて設定する。
図10に示す映像補正装置は、色差信号R−Y,B−Yを入力して、色差信号R−Y,B−Yがなすベクトル長VCを算出するベクトル長算出部60、入力画素それぞれの輝度信号Yは外部パラメータと乗算して7段階にレベルを変える乗算器61、ベクトル長算出部60より出力されたベクトル長VCと先に述べたレベルを変化させた輝度信号Yを用いて色信号成分の濃淡の程度を検出する濃淡検出部62、この濃淡検出部62の出力にリミットを掛けるリミッタ63、このリミッタ63の出力と補正関数M12とを乗算する乗算器64、この乗算器64の出力値のレンジを調整するためのリミッタ65、外部パラメータとして与えられるPARA1をリミッタ65の出力から減算する減算器66、この減算器66の出力に対してリミットをかけ、領域Aの補正値(1)を得るリミッタ67、また減算器66の出力からこのリミッタ67の出力する補正値(1)を減算することで領域B,Cのそれぞれの補正値(2)を得る減算器68を備えている。
本実施の形態の映像補正装置はさらに、ベクトル長算出部60の出力VCにリミットを掛けるリミッタ71、このリミッタ71の出力に対して外部パラメータPARA2によって低彩度における補正範囲の閾値を設定するセレクタ72、このセレクタ72の出力に領域Aの補正範囲M12_sを乗算する乗算器73、この乗算器73の出力にリミットを掛け、領域Aの低彩度における補正値(3)を出力するリミッタ75を備え、また同じように、セレクタ72の出力を領域B,Cのそれぞれの補正範囲M12_x,M12_yと乗算する乗算器74、この乗算器74の出力にリミットを掛け、領域B,Cの低彩度におけるそれぞれの補正値(4)を得るリミッタ76を備えている。
本実施の形態の映像補正装置はさらに、リミッタ67の出力する領域Aの補正値(1)とリミッタ75の出力する低彩度における補正値(3)とを乗算して領域Aの全体の補正値(5)を得る乗算器77、この乗算器77の出力にリミットを掛けて領域Aにおける補正利得P,S,Gy,Gcの調整値を得るリミッタ78を備え、また、減算器68の出力する領域B,Cの補正値(2)とリミッタ76の出力する低彩度における補正値(4)を乗算して領域B,Cの全体の補正値(6)を得る乗算器79、この乗算器79の出力にリミットを掛けて領域B,Cにおける補正利得P,S,Gy,Gcの調整値を得るリミッタ80を備えている。
本実施の形態の映像補正装置はさらに加えて、リミッタ80の出力する領域B,Cにおける補正利得P,S,Gy,Gcの調整値を赤色領域、黄色領域の信号に乗算する乗算器81とその出力に対する1/limitの除算を行う除算器82、またリミッタ78の出力する領域Aにおける補正利得P,S,Gy,Gcの調整値を肌色領域の信号に乗算する乗算器83とその出力に対する1/limitの除算を行う除算器84を備えている。
次に、上記構成の映像補正装置による映像補正処理について説明する。ベクトル長算出部60には色差信号R−Y,B−Yが入力される。ベクトル長算出部60は、入力画素それぞれの色差平面上における色差信号R−Y,B−Yがなすベクトルの大きさを表すベクトル長VCを算出する。入力画素それぞれの輝度信号Yは乗算器61において図示の外部パラメータPARA3により7段階にレベルを変えることができ、これによりユーザーが望む輝度レベルの範囲で補正をすることができる。ベクトル長算出部60より出力されたベクトル長VCと先に述べたレベルを変化させた輝度信号Yは濃淡検出部62に入力される。濃淡検出部62は、Y/VCを算出することにより色信号成分の濃淡の程度を検出する。ここでは色が薄い(淡い)ほど濃淡検出部62の出力が大きくなるように設定されている。濃淡検出部62の出力はリミッタ63に入れられる。リミッタ63の出力と前述の(3)〜(5)式の補正関数M12_sより得られる値を乗算器64に入力する。乗算器64の出力はリミッタ65に入力され、値のレンジを調整する。
特定領域Aとその領域に接する2つの領域B,Cとの境の中心である値PARA1を外部パラメータとして与え、この外部パラメータの値とリミッタ65の出力とを減算器66に入力し、リミッタ67を通して領域Aの補正値(1)を得る。リミッタ67のリミット値からこの補正値(1)を減算器68で減算することで領域B,Cのそれぞれの補正値(2)を得る。
図12に領域Aを肌色、Bを赤色、Cを黄色とした概念図を示す。横軸に色の濃淡を表すY/VC、縦軸に領域の交わり具合を現す数値、リミッタ67のリミット値を任意に指定する。外部パラメータPARA1からの各領域の幅を広くすればするほど交わり加減がなだらかになり、領域の違いによる色補正段差が出にくくなる。しかし、広く取りすぎると色補正効果が薄れてしまうという弊害もあるので、設定を要する。
一方で、ベクトル長算出部60の出力VCをリミッタ71に入力し、その出力をセレクタ72で外部パラメータPARA2によって低彩度における補正範囲の閾値を設定する。セレクタ72の出力に領域Aの補正範囲M12_sを乗算器73で乗算し、その出力をリミッタ75に入力することで、領域Aの低彩度における補正値(3)を得る。また同じように、セレクタの出力を領域B,Cのそれぞれの補正範囲M12_r,M12_yと乗算器74で乗算し、その出力をリミッタ76に入力することで領域B,Cの低彩度におけるそれぞれの補正値(4)を得る。
次に、得られた領域Aの補正値(1)と低彩度における補正値(3)を乗算器77で乗算することで、領域Aの全体の補正値(5)を得る。この値をリミッタ78でリミットした値は領域Aにおける補正利得P,S,Gy,Gcを調整するための調整値となる。また、得られた領域B,Cの補正値(2)と低彩度における補正値(4)を乗算器79で乗算することで、領域B,Cの全体の補正値(6)を得る。この値をリミッタ80でリミットした値は領域B,Cにおける補正利得P,S,Gy,Gcを調整するための調整値となる。
図13に低彩度階調補正の概念図を示す。横軸を色差ベクトルVCとし、縦軸に領域の交わり具合を表す数値、リミッタ75または76の値を任意に指定する。外部パラメータPARA2からベクトルVC方向に各領域に広く値を設定すれば、交わり加減がなだらかとなり、入力信号が低輝度、低彩度の場合において、補正効果の差による色の段差はなくなりノイズ感をなくすことができる。低輝度、低彩度においてはどの色領域に対しても補正効果の差が目立ってしまうので、どの色領域にも同様の補正装置を備えることが望ましい。
本映像補正装置による補正利得調整によって、赤色領域や黄色領域における肌色に近い部分の補正利得P,S,Gy,Gcが弱められる。従って、赤色領域や黄色領域におけるそれぞれの色の補正が肌色に及ぼす影響を軽減することができる。ある特定の領域とその領域に接する2つの領域について述べたが、特に有効なのは図11に示すように肌色の領域Aとそれに接する2つの領域、赤と黄色の領域B,Cの場合である。なお、これらの領域は任意に設定可能である。
本発明の1つの実施の形態のブロック図。 図1中の角度算出部4での具体的処理を示すフローチャート。 色差平面を示す図。 図1中の補正利得算出部51〜5nで用いる補正関数の説明図。 図4に示す補正関数の作用の説明図。 図1中の輝度・色差ガンマ処理部19で用いる補正関数の説明図。 輝度信号に応じて彩度補正利得の係数を可変する場合の変換特性例を示す図。 輝度信号に応じて彩度補正利得の係数を可変するための手段の一例を示すブロック図。 輝度信号に応じて色相・彩度補正利得の係数を可変する場合の作用の説明図。 本発明の第2の実施の形態のブロック図。 複数の補正領域を重ねて設定した場合の色差平面の一例を示す図。 複数の補正領域を重ねて設定する場合の各領域の補正関数の関係を示す説明図。 低彩度階調補正の概念図。
符号の説明
60 ベクトル長算出部
61,64,73,74,77,79 乗算器
62 濃淡検出部
63,65,67,71,75,76,78,80 リミッタ
70 低彩度階調補正部
81,83 乗算器(補正利得調整手段)
82,84 除算器(補正利得調整手段)

Claims (2)

  1. 映像信号の画素の色信号成分である第1及び第2の色差信号の一方を第1の軸とし、前記第1及び第2の色差信号の他方を第1の軸と直交する第2の軸としたとき、前記第1及び第2の軸がなす色差平面上における少なくとも第1及び第2の角度領域を第1及び第2の補正領域として設定し、前記第1及び第2の補正領域内それぞれの映像信号を補正する映像補正装置において、
    入力画素それぞれの前記色差平面上における第1の色差信号成分と第2の色差信号成分とがなす角度を算出する角度算出手段と、
    前記映像信号の画素の色相と彩度と輝度の内の少なくとも1つを補正するための第1の補正領域に対応する第1の補正利得及び第2の補正領域に対応する第2の補正利得を求める第1及び第2の補正関数を、前記角度算出手段によって算出した入力画素それぞれの角度をパラメータとして算出し、前記補正領域外では前記補正利得を0とし、前記補正領域内では前記第1及び第2の補正関数に基づいて前記第1及び第2の補正利得を算出する前記第1及び第2の補正領域毎に設けられた第1及び第2の補正利得算出手段と、
    前記入力画素それぞれの前記色差平面上における前記第1の色差信号成分と前記第2の色差信号成分とがなすベクトルの大きさを表すベクトル長を算出するベクトル長算出手段と、
    前記入力画素それぞれの輝度信号成分と前記ベクトル長とを用いて、前記入力画素それぞれの色信号成分の濃淡の程度を検出する濃淡検出手段と、
    前記濃淡検出手段の出力と前記第1の補正利得算出手段の算出する第1の補正関数の値とを乗算する第1の乗算手段と、
    前記第1の乗算手段の出力する積値から予め設定されている外部パラメータを減算して第1の補正値を得る第1の減算手段と、
    1から前記第1の減算手段の出力する第1の補正値を引くことで第2の補正値を得る第2の減算手段と、
    前記第1の減算手段の出力する第1の補正値によって前記第1の補正利得を調整して出力する第1の補正利得調整手段と、
    前記第2の減算手段の出力する第2の補正値によって前記第2の補正利得を調整して出力する第2の補正利得調整手段と
    前記第1及び第2の補正利得算出手段が出力し、前記第1及び第2の補正利得調整手段により調整された後の第1及び第2の補正利得を用いて前記第1及び第2の補正領域内それぞれの映像信号を補正する映像補正処理手段とを備えたことを特徴とする映像補正装置。
  2. 前記ベクトル長算出手段の出力に対して予め設定されている外部パラメータによって低彩度における補正範囲の閾値を設定するセレクタと、
    前記セレクタの出力に前記第1の補正関数の値を乗算する第2の乗算手段と、
    前記セレクタの出力に前記第2の補正関数の値を乗算する第3の乗算手段とを備え
    前記第1の補正利得調整手段は、前記第1の減算手段の出力する第1の補正値と前記第2の乗算手段の出力する積値とを乗算して得られる第3の補正値によって前記第1の補正利得を調整し
    前記第2の補正利得調整手段は、前記第2の減算手段の出力する第2の補正値と前記第3の乗算手段の出力する積値とを乗算して得られる第4の補正値によって前記第2の補正利得を調整することを特徴とする請求項1に記載の映像補正装置。
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