JP4422261B2 - 窓障子用ラッチ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、排煙窓等の窓障子のラッチ装置に関し、特にワイヤ−等を介してはなれた場所から操作するようにした窓障子用ラッチ装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
排煙窓等は、天井部に設けられ、該窓のラッチ装置に連絡するワイヤ−等を吊り下げておき、該ワイヤ−を引っ張ってラッチ装置のロックを解除して開放するよう構成されている。このワイヤ−等は、排煙窓の設置場所により該排煙窓の右側若しくは左側に吊り下げられ、それに応じてラッチ装置は窓障子の右側用、左側用にそれぞれ別に作らなければならず、2種類のラッチ装置を用意しなければならないので経済的でなく、また現場での作業が混乱する原因ともなっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の解決課題は、排煙窓等の窓障子のようにワイヤ−等を引いて解除操作するラッチ装置において、窓障子の右側、左側のいずれに取付けても使用できるようにした窓障子用ラッチ装置を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、窓枠に設けたロックピンに係合する係合爪を有するロックプレ−トを基板に枢着し、該基板に上記ロックプレ−トをロック位置に保持するよう該ロックプレ−トの掛止部に係合するストップピンを有する従動プレ−トを形成し、該従動プレ−トを上記ストップピンが上記掛止部から外れる解放位置と上記ロック位置の間で移動するよう移動可能に設け、上記従動プレ−トを上記ロック位置に向けて付勢すると共に上記ロックプレ−トを掛止部が上記ストップピンに係合する方向に付勢し、上記基板に静止位置とその両側の操作位置に移動可能にスライドプレ−トを設け、該スライドプレ−トに上記操作位置にスライドプレ−トを移動させるよう操作部材を連結し、上記スライドプレ−トを一方の操作位置へ移動したとき上記従動プレ−トに当接して該従動プレ−トを上記解放位置へ移動させるよう上記スライドプレ−トに押圧部を形成し、上記スライドプレ−トを他方の操作位置へ移動したとき該スライドプレ−トに一端が当接して回動され他端が上記従動プレ−トに当接して該従動プレ−トを上記解放位置へ移動させるよう上記基板にリリ−スプレ−トを枢着した窓障子用ラッチ装置が提供され、上記課題が解決される。
【0005】
【発明の実施の形態】
排煙窓等の窓障子は、使用場所に応じて窓枠の室内側に倒れる内倒し式と室外側に倒れる外倒し式があるが、図1〜図4図には、内倒し式の実施例が示されている。図1においては、窓障子(1)は、室内側(図1の前方側)に内倒し式に開くように図示を省いたヒンジで窓枠(2)に枢着され、窓障子(1)の左側にラッチ装置(3)を取付け、窓障子(1)を閉じた際受け(4)を介して窓枠(2)に設けたロックピン(5)が該ラッチ装置内に入り込み、該装置内に設けたロックプレ−トに係合してロック位置に保持され、該ロックプレ−トを解放位置に操作することにより窓障子が開くように構成されている。
【0006】
上記ラッチ装置(3)は、上下方向を逆にすることにより窓障子(1)の右側、左側のいずれ側にも取付けできるようにした基板(6)と、上記ロックピン(5)を受け入れることができるよう図において後方側に開口する開口部(7)を形成した蓋板(8)でほぼ直方体に作られ、上記基板(6)に設けた軸(9)に上記ロックプレ−ト(10)を枢着し、該プレ−ト(10)を座金(11)を介して抜け止めしてある。該ロックプレ−ト(10)は、上記ロックピン(5)に係合するよう受溝(12)を形成した係合爪(13)と、後記するストップピン(14)に係合して該ロックプレ−ト(10)をロック位置に保持するための掛止部(15)を有し、ばね(16)により該掛止部(15)がストップピン(14)に係合する方向に付勢されている。なお、該ばね(16)は上記軸(9)に装着したト−ションばねが用いられ、一端(17)を上記ロックプレ−ト(10)のばね受け(18)に支持させ、他端(19)を基板(6)に設けたばね受け(20)に支持させてあり、基板(6)にはロックプレ−ト(10)の回動を制限するようストッパ−(21)が設けられている。
【0007】
上記ストップピン(14)は、従動プレ−ト(22)に設けられている。該従動プレ−ト(22)は、長溝(23),(23)にガイドピン(24),(24)を挿入することにより基板(6)に移動可能に取付けられ、上記のようにストップピン(14)が上記ロックプレ−ト(10)の掛止部(15)に係合するロック位置と該ストップピン(14)が掛止部(15)から外れる解放位置の間で基板に沿って移動する。なお、該従動プレ−ト(22)には、上記ロックプレ−ト(10)の回動を案内するよう案内板(25)を設けてあり、ばね受け(26)と基板(6)に設けたばね受け(27)間にコイルばね等のばね(28)を設けることにより上記ロック位置に向けて付勢されている。
【0008】
上記基板(6)には、長溝(29),(29),(29)にガイドピン(30),(30),(30)を挿入することにより該基板に沿って移動するようスライドプレ−ト(31)が設けられている。該スライドプレ−ト(31)は、図に示す静止位置と該静止位置を中心としてその両側に存する操作位置に移動可能であり、ワイヤ−等の操作部材(32)を連結部(33)に連結し、該操作部材(32)によりいずれか一方に引張ることにより引張方向側の上記操作位置に移動される。なお、上記連結部(33)は、図においては、ねじ(34)で圧着するワイヤ−ホルダ−(34)をスライドプレ−ト(31)の両端部に設けてあるが、中央部に1ヶ所設けるようにしてもよい。また、上記スライドプレ−ト(31)には、上記軸(9)を挿通させる孔(36)が形成され、基板(6)には上記ねじ(34)の先端が当らないよう孔(37),(37)が設けられている。
【0009】
上記スライドプレ−ト(31)は、上記操作位置の一方の操作位置、すなわち上記静止位置からみて上記従動プレ−トの解放位置側に対応する一方の操作位置へ移動したとき、該従動プレ−ト(22)の端部(38)に当接して該従動プレ−ト(22)を解放位置へ移動させるよう押圧部(39)を形成してある。
【0010】
また、上記スライドプレ−ト(31)を他方の操作位置へ移動したときにも上記従動プレ−ト(22)を解放位置側へ移動できるようリリ−スプレ−ト(40)が設けられている。該リリ−スプレ−ト(40)は、基板(6)に突設した軸(41)に枢着され、座金(42)を介して抜け止めされており、一端(43)が上記スライドプレ−ト(31)に突設したピン(44)に当接可能であり、他端(45)が上記従動プレ−ト(22)のピン(46)に当接可能に設けられている。この構成により、上記スライドプレ−ト(31)が他方の操作位置、すなわち上記静止位置からみて上記従動プレ−トの解放位置側と反対方向の操作位置に移動したとき、上記リリ−スプレ−ト(40)の上記他端(45)がスライドプレ−ト(31)の移動方向と反対方向へ回動することにより、上記スライドプレ−トの移動方向を転換して上記ピン(44),(46) を介して上記従動プレ−ト(22)に伝え、該従動プレ−ト(22)を解放位置へ移動する。なお、上記基板(6)には、該リリ−スプレ−ト(40)の回動を阻止しないよう逃げ孔(47)を形成してあり、また所定範囲で回動するようストッパ−(48)が設けられている。
【0011】
上記基板(6)の前方側の取付部(49)に形成した取付孔(50)にねじ(51)を通して上記ラッチ装置(3)は窓障子(1)の側面に取付けられるが、この際上記蓋板(8)側が窓枠側に位置するように適宜反転させて窓障子の右側、左側のいずれ側に取付けてもよい。このようにして取付けたラッチ装置(3)は、上記スライドプレ−トに連結したワイヤ−等の操作部材(32)を引張ると、スライドプレ−ト(31)は静止位置からいずれかの操作位置に移動され、上記従動プレ−ト(22)を解放位置へ移動することができる。したがって、閉鎖状態の窓障子(1)は、ロックプレ−ト(10)がロックピン(5)から外れて開口される。また、開口状態から窓障子(1)を閉鎖すると、上記ロックプレ−ト(10)の係合爪(13)にロックピン(5)が係合し、ロックプレ−ト(10)は窓障子の移動に伴って回転し、掛止部(15)が従動プレ−ト(22)のストップピン(14)に係合して、ロックされる。
【0012】
図5,図6には、外倒し窓式の実施例が示されている。図に示すようにその構成は本質的に上記内倒し式の実施例と同じであるので、該当個所には同一の符号を付してあり、詳細な説明は省略するが、窓枠(2)に受け(4)を介して取付けられるロックピン(5)が窓枠(2)の外方に位置しているので、窓障子(1)に取付ける基板(6)の取付部(50)は窓障子方向に屈曲して延出している。また、ロックピン(5)がラッチ装置(3)の前方側から該ラッチ装置内に進入するから蓋板(8)の開口部(7)は前方に開口し、ロックプレ−ト(10)は、従動プレ−ト(22)の前方に位置し、従動プレ−ト(22)の解放位置が図2に示す実施例とは逆方向に位置し、スライドプレ−ト(31)やリリ−スプレ−ト(40)の形状、取付位置等も上記実施例とは多少相違しているが、その作用等は上記実施例と実質的に同じである。
【0013】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成され、ロックピンに係合するロックプレ−トを解放位置とロック位置に制御する従動プレ−トを基板に移動可能に設け、該基板に静止位置とその両側の操作位置に移動するようスライドプレ−トを設け、一方の操作位置へ移動したとき上記従動プレ−トを押圧して解放位置へ移動するようスライドプレ−トに押圧部を形成し、かつ該スライドプレ−トを他方の操作位置へ移動したときその移動を方向を転換して伝えるリリ−スプレ−トを設け、該リリ−スプレ−トによって上記従動プレ−トを解放位置へ移動するようにしたので、上記スライドプレ−トに取付けたワイヤ−等の操作部材によって該スライドプレ−トをいずれ側の操作位置に移動させてもロックプレ−トのロックを解放することができ、したがって窓障子の右側でも左側でも同じラッチ装置を使用することができ、複数の装置を用意しなくてもよいから経済的であり、また現場での取付作業も混乱することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示し、内倒し式の場合の窓枠、窓障子等の関係を示す説明図。
【図2】蓋板を外した正面図。
【図3】断面図。
【図4】分解斜視図。
【図5】外倒し式の場合の窓枠、窓障子等の関係を示す説明図。
【図6】蓋体を外した正面図。
【符号の説明】
1 窓障子 2 窓枠 3 ラッチ装置 5 ロックピン 6 基板
10 ロックプレ−ト 13 係合爪 14 ストップピン 15 掛止部
22 従動プレ−ト 31 スライドプレ−ト 32 操作部材 39 押圧部
40 リリ−スプレ−ト
Claims (1)
- 窓枠に設けたロックピンに係合する係合爪を有するロックプレ−トを基板に枢着し、該基板に上記ロックプレ−トをロック位置に保持するよう該ロックプレ−トの掛止部に係合するストップピンを有する従動プレ−トを形成し、該従動プレ−トを上記ストップピンが上記掛止部から外れる解放位置と上記ロック位置の間で移動するよう移動可能に設け、上記従動プレ−トを上記ロック位置に向けて付勢すると共に上記ロックプレ−トを掛止部が上記ストップピンに係合する方向に付勢し、上記基板に静止位置とその両側の操作位置に移動可能にスライドプレ−トを設け、該スライドプレ−トに上記操作位置にスライドプレ−トを移動させるよう操作部材を連結し、上記スライドプレ−トを一方の操作位置へ移動したとき上記従動プレ−トに当接して該従動プレ−トを上記解放位置へ移動させるよう上記スライドプレ−トに押圧部を形成し、上記スライドプレ−トを他方の操作位置へ移動したとき該スライドプレ−トに一端が当接して回動され他端が上記従動プレ−トに当接して該従動プレ−トを上記解放位置へ移動させるよう上記基板にリリ−スプレ−トを枢着した窓障子用ラッチ装置。
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