JP4421421B2 - 柱状構造物の構築方法および吊込み治具 - Google Patents

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Description

本願発明は、中空構造を有する鉄筋コンクリート製の柱状構造物を構築する方法および吊込み治具に関するものである。
一般に、鉄筋コンクリート製の橋脚等のように、コンクリートの表面近傍に複数の主鉄筋が配置されてなる柱状構造物においては、例えば「特許文献1」に記載されているように、所定高の施工区間毎に配筋およびコンクリート打設を行うことにより、その構築が行われるようになっている。
また、この「特許文献1」に記載された橋脚のように中空構造を有する鉄筋コンクリート製の柱状構造物においては、その周壁の外周面近傍および内周面近傍に複数の主鉄筋が配置された構成となっているが、その際、周壁の外周面近傍に配置される主鉄筋については、該周壁の肉厚方向に所定間隔をおいて2列で配置されることもある。
特開平10−82019号公報
このように周壁の外周面近傍に複数の主鉄筋が2列で配置された柱状構造物においては、これら各列の間に、周壁に沿って水平方向に延びる複数の配力鉄筋が上下方向に所定間隔をおいて配置されることが多い。
このような場合には、上記各列の間の非常に狭い空間に配力鉄筋を配置する必要があるため、配力鉄筋を上記空間に1本ずつ吊り下げることにより、あるいは、配力鉄筋をその軸方向に沿って上記空間に差し込むことにより、その配置を行うことを余儀なくされている。
しかしながら、前者の方法では作業性が非常に悪く、また、後者の方法でも、柱状構造物の周囲に設置された組立用足場の幅は限られているので、長尺の配力鉄筋をその軸方向に沿って上記空間に差し込む作業を行うことは容易でない、という問題がある。
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、中空構造を有する鉄筋コンクリート製の柱状構造物を構築する工程において、配力鉄筋を配置する際の作業効率を高めることができる柱状構造物の構築方法を提供することを目的とするものである。
本願発明は、所定の吊込み治具を用いることにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
すなわち、本願発明に係る柱状構造物の構築方法は、
中空構造を有する鉄筋コンクリート製の柱状構造物であって、周壁の外周面近傍に複数の主鉄筋が該周壁の肉厚方向に所定間隔をおいて2列で配置されるとともに、上記各列の間に上記周壁に沿って水平方向に延びる複数の配力鉄筋が上下方向に所定間隔をおいて配置されてなる柱状構造物を、所定高の施工区間毎に配筋およびコンクリート打設を行うことにより構築する、柱状構造物の構築方法において、
上記柱状構造物における施工済みコンクリートの上面に、上記複数の主鉄筋を配置する工程と、
所定本数の上記配力鉄筋を、施工完了時の配置と略同様の配置で、所定の吊込み治具に取り付ける工程と、
上記所定本数の配力鉄筋が取り付けられた吊込み治具を、上記各列の間に吊り込む工程と、
この吊込みが完了した吊込み治具から上記各配力鉄筋を取り外して所定位置に配置する工程と、を含み、
上記吊込み治具として、鉄筋支持部を有する複数の支持鋼材が上下方向に直列に配置された状態で互いにピン結合されてなる複数の多関節鋼材を用い、
上記吊込み治具に対する上記各配力鉄筋の取付けを、上記複数の多関節鋼材が略水平方向に延びるように該吊込み治具を横向きに配置した状態で行い、
上記各多関節鋼材として、側端面に斜め上方へ向かって開放する略U字状の凹部が形成された複数の山形鋼を背中合わせで交互に配置してなる多関節鋼材を用いる、ことを特徴とするものである。
上記「柱状構造物」は、中空構造を有する鉄筋コンクリート製のものであれば、その具体的な形状は特に限定されるものではなく、例えばその水平断面形状としては、矩形、多角形、円形等が採用可能である。また、この「柱状構造物」の種類は特に限定されるものではなく、例えば、橋梁の橋脚や主塔あるいはタワー等が採用可能である。
上記「所定本数」の具体的な本数は特に限定されるものではなく、例えば、一施工区間分の本数あるいは一施工区間分の本数よりもやや少ない本数等に設定することが可能である。
上記「吊込み治具」は、複数の配力鉄筋を施工完了時の配置と略同様の配置で取付可能な構造を有するものであれば、その具体的な構成は特に限定されるものではない。ここで「施工完了時の配置と略同様の配置」とは、配力鉄筋相互間における上下方向の間隔が施工完了時の間隔と略同じ値に設定されていることを意味するものである。
上記構成に示すように、本願発明に係る柱状構造物の構築方法は、施工済みコンクリートの上面における周壁の外周面近傍に、複数の主鉄筋を周壁の肉厚方向に所定間隔をおいて2列で配置する一方、これら各列の間に配置されるべき所定本数の配力鉄筋を、施工完了時の配置と略同様の配置で所定の吊込み治具に取り付けた後、この吊込み治具を上記各列の間に吊り込み、この吊込み治具から各配力鉄筋を取り外して所定位置に配置するようになっているので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、吊込み治具を上記各列の間に吊り込んだ時点で、所定本数の配力鉄筋は各々その配置予定位置の近傍に一括して配置されることとなるので、この吊込み治具から各配力鉄筋を取り外して所定位置に配置する作業は、極めて簡単にこれを行うことができる。しかも、この配置作業は、複数箇所において同時に行うことも可能である。
また、これら所定本数の配力鉄筋を吊込み治具に取り付ける作業については、これを柱状構造物付近の地面等において行うことができるので、その取付作業を効率良く行うことができる。
このように本願発明によれば、中空構造を有する鉄筋コンクリート製の柱状構造物を構築する工程において、配力鉄筋を配置する際の作業効率を高めることができる。しかも、吊込み治具は次の施工区間での施工にも転用することができるので、経済性を十分に確保した上で上記作用効果を得ることができる。
上記構成において、吊込み治具に対する各配力鉄筋の取付けを、該吊込み治具を横向きに配置した状態で行うようにすれば、その取付けを組立用足場を用いることなく直接行うことができ、これにより取付作業を一層効率良く行うことができる。
上記「吊込み治具」の具体的な構成が特に限定されないことは上述したとおりであるが、この吊込み治具として、鉄筋支持部を有する複数の支持鋼材が上下方向に直列に配置された状態で互いにピン結合されてなる複数の多関節鋼材を用いるようにすれば、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、上記所定本数の配力鉄筋の各々を、複数の多関節鋼材において互いに同じ高さ位置に固定された支持鋼材の鉄筋支持部に架け渡すことにより、これら各配力鉄筋を所定の高さ位置において水平方向に延びるように位置決めした状態で吊込み治具に取り付けることができる。したがって、各多関節鋼材における各支持鋼材の鉄筋支持部の位置を、配力鉄筋の施工完了時における高さ配置に対応した位置に設定しておけば、吊込み治具から各配力鉄筋を取り外して所定位置に配置する作業を容易に行うことができる。また、各配力鉄筋を跨ぐようにして複数の幅止め鉄筋を配置した場合においても、吊込み治具を吊り上げることにより、これら幅止め鉄筋との干渉を生じることなく、その撤去を容易に行うことができる。
この場合において、吊込み治具は、各々独立した複数の多関節鋼材の集合体として用いるようにしてもよいが、この吊込み治具として、複数の多関節鋼材が水平方向に所定間隔をおいて共通の吊り梁に吊下げ支持されてなる治具を用いるようにすれば、複数の多関節鋼材を所定の位置関係に維持した状態で一括して吊り下げることができ、これにより複数の多関節鋼材の吊込みを容易に行うことができる。
また、上記各多関節鋼材として、側端面に斜め上方へ向かって開放する略U字状の凹部が形成された複数の山形鋼を背中合わせで交互に配置してなる多関節鋼材を用いるようにすれば、簡単かつコンパクトな構成で、各配力鉄筋の支持を確実に行うことができる。
ところで、上記「吊込み治具」は、上述したような中空構造を有する鉄筋コンクリート製の柱状構造物を構築する際の配力鉄筋の吊込みに適しているが、これ以外にも、所定間隔をおいて2列で配置された略鉛直方向に延びる複数の鉄筋における上記各列の間に、水平方向に延びる複数の鉄筋を吊り込む場合一般において、これを使用することが可能である。
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
図1は、本願発明の一実施形態に係る柱状構造物の構築方法の対象となる橋脚20を備えた橋梁10を示す図であって、同図(a)が側面図、同図(b)がそのb方向矢視図である。
同図に示すように、この橋梁10はエクストラドーズド橋であって、その橋脚20は、大口径深礎22の上面から橋桁24まで延びる高さ100m程度の柱状構造物として構築されている。そして、この橋脚20の上端部には、1対の主塔26が橋桁24を挟むようにして構築されており、これら各主塔26と橋桁24との間には複数の斜材28が緊張配置されている。
橋脚20は、断面矩形状の中空構造を有する鉄筋コンクリート製の構造物であって、橋軸と直交する鉛直面内においては12m程度の一定幅で形成されているが、橋軸を含む鉛直面内においては上方へ向けて12mから5mまで徐々に幅が狭まるようにテーパ状に形成されている。
図2は、橋脚20のコンクリート内部における配筋構造を示す、図1(b)のII-II 線断面詳細図であり、図3は、図2のIII-III 線断面詳細図である。
これらの図に示すように、この橋脚20は、1対の鉛直壁部20Aと1対の傾斜壁部20Bとにより上記矩形状の箱形断面を構成している。これら各鉛直壁部20Aおよび各傾斜壁部20Bの幅は、いずれも1.2m程度の値に設定されている。そして、この橋脚20におけるコンクリート32の外周面32aおよび内周面32bの近傍には、複数の主鉄筋34、36が周方向に所定間隔をおいて配置されている。その際、コンクリート32のかぶり厚は150mm程度の値に設定されている。また、各傾斜壁部20Bにおける外周面32aの近傍には、主鉄筋34に対して150mm程度内側に位置するようにして、複数の主鉄筋38が配置されている。
これら3種類の主鉄筋34、36、38は、いずれも長さ6m程度の異形鉄筋で構成されている。その際、主鉄筋34、38としては、大径の異形鉄筋(例えばD51)が用いられており、一方、主鉄筋36としては、やや大径の異形鉄筋(例えばD38)が用いられている。また、主鉄筋34は、150mm程度の比較的狭いピッチで配置されており、一方、主鉄筋36、38は、300mm程度の比較的広いピッチで配置されている。これら主鉄筋34、36、38は、各傾斜壁部20Bにおいては、鉛直方向に対して傾斜壁部20Bの傾斜角度分だけ傾斜した方向に延びるように配置されている。
そして、この橋脚20においては、主鉄筋34を囲むようにして複数の帯鉄筋40が配置されており、また、主鉄筋36の内周側には該主鉄筋36に沿って複数の帯鉄筋42が配置されており、これら帯鉄筋40、42を跨ぐようにして複数の幅止め鉄筋44が配置されている。さらに、各鉛直壁部20Aには、上記複数の帯鉄筋40の150mm程度内側に、該鉛直壁部20Aに沿って水平方向に延びる複数の配力鉄筋46が配置されるとともに、上記複数の帯鉄筋42の150mm程度内側(すなわち外周側)に、該鉛直壁部20Aに沿って水平方向に延びる複数の配力鉄筋48が配置されている。一方、各傾斜壁部20Bには、主鉄筋38の外周側に該主鉄筋38に沿って延びる複数の配力鉄筋52が配置されている。
その際、各帯鉄筋40、42および各配力鉄筋46、48、52は、上下方向に150mm程度のピッチで互いに同じ高さ位置に配置されている。
また、各帯鉄筋42および各配力鉄筋46、48、52は、長短2本の鉄筋が重ね継手により結束された状態で一直線状に延びており、その両端のフックにおいて主鉄筋34および帯鉄筋40に係止されている。
この橋脚20は、所定高(具体的には6m程度)の施工区間(図3において2点鎖線で示す部分)毎に配筋およびコンクリート打設を行うことにより構築されるようになっている。
図4、5および6は、傾斜壁部20Bにおける主鉄筋34、36、38、帯鉄筋40、42および配力鉄筋52の配筋工程を、図2のIII-III 線断面の位置において示す図である。
この配筋工程について説明する前に、この配筋工程に用いられる吊込み治具100の構成について説明する。
図7は、一施工区間分の本数の配力鉄筋52が取り付けられた吊込み治具100を、クレーン等で吊り上げた状態で示す、図4のVII 方向矢視図である。
同図に示すように、この吊込み治具100は、全く同様の構成を有する4本の多関節鋼材110と、これら4本の多関節鋼材110を水平方向に所定間隔をおいて吊下げ支持する吊り梁120とを備えた構成となっている。その際、各多関節鋼材110の上端部には、係止リング112を介して吊下げワイヤ114が係止されている。また、吊り梁120は、水平方向に延びるH形鋼で構成されており、その下面の4箇所には、吊下げワイヤ114を係止するためのブラケット120aが形成されるとともに、その上面の2箇所には、該吊り梁120をクレーン等で吊り上げるワイヤ102を係止するためのブラケット120bが形成されている。
図8(a)は、多関節鋼材110の構成を示す、図7のVIIIa部詳細図であり、同図(b)は、そのb方向矢視図である。また、図9は、図8(a)のIX部詳細図であり、図10は、図8(b)のX部詳細図である。
これらの図に示すように、多関節鋼材110は、鉄筋支持部130aを有する複数の支持鋼材130が上下方向に直列に配置された状態で互いにピン結合された構成となっている。その際、これら複数の支持鋼材130は、背中合わせで交互に配置された複数の山形鋼からなり、その鉄筋支持部130aは、山形鋼の側端面に斜め上方へ向かって開放するように形成された略U字状の凹部からなっている。その際、各支持鋼材130を構成する山形鋼は、その一辺の幅が40〜50mm程度の値に設定されている。
各支持鋼材130相互間のピン結合は、該支持鋼材130に形成されたボルト挿通孔130bにボルト132を挿通させてナット134で締め付けることにより行われている。その際、互いにピン結合された1対の支持鋼材130の回動運動を可能とするため、ナット134による締付けは適度な締付け力で行われており、また、この回動運動を円滑に行わせるため、両支持鋼材130間にはワッシャ136が介装されている。
次に、傾斜壁部20Bにおける主鉄筋34、36、38、帯鉄筋40、42および配力鉄筋52の配筋工程について説明する。
この配筋工程においては、まず、図4に示すように、施工済みコンクリート32の上面に、複数の主鉄筋34、36、38を配置する。その際、これら主鉄筋34、36、38は、施工済みコンクリート32の上面から上方へ突出している主鉄筋34、36、38に対して、カプラ50を用いて連結する。
次に、傾斜壁部20Bの外周面近傍に配置された主鉄筋34に対して、その外周側から一施工区間分の本数の帯鉄筋40を上下方向に150mm程度の間隔をおいて巻き付けるとともに、傾斜壁部20Bの内周面近傍に配置された複数の主鉄筋36に対して、その内周側から該主鉄筋36に沿って一施工区間分の本数の帯鉄筋42を上下方向に150mm程度の間隔をおいて配置する。
一方、一施工区間分の本数の配力鉄筋52を、施工完了時の配置(すなわち図3に示す配置)と略同様の配置で、吊込み治具100に予め取り付けておく。
この吊込み治具100に対する各配力鉄筋52の取付けは、図11(a)に示すように、橋脚20付近の地面2に各多関節鋼材110を横向きに配置した状態で行う。このとき、多関節鋼材110を構成する各支持鋼材130は、その鉄筋支持部130aが斜め上向きに形成された略U字状の凹部として構成されているので、多関節鋼材110を横向きに配置した状態でも、各配力鉄筋52の取付けを容易に行うことが可能である。その際、この取付作業を一層容易に行えるようにするため、各多関節鋼材110と地面2との間に枕材104を介装しておく。
このようにして一施工区間分の本数の配力鉄筋52の取付けが完了した吊込み治具100をクレーン等で吊り上げると、同図(b)に示すように、各多関節鋼材110は、その上端部に位置する支持鋼材130から順次起き上がって、その向きが水平方向から鉛直方向に変化する。このとき、各鉄筋支持部130aは、斜め上向きに形成された略U字状の凹部として構成されているので、各支持鋼材130の向きが変化しても、その鉄筋支持部130aから配力鉄筋52が脱落してしまうことはない。
次に、図4に示すように、一施工区間分の本数の配力鉄筋52が取り付けられた吊込み治具100を、クレーン等で吊り上げて傾斜壁部20Bにおける施工区間の上方位置まで移動させた後、これを吊り下ろして、その4本の多関節鋼材110を2列で配置された主鉄筋34と主鉄筋38との間に挿入することにより、吊込み治具100の吊込みを行う。
この吊込みの際、図7に示すように、各配力鉄筋46は、施工完了時よりもその全長を短くした状態で吊込み治具100に取り付けておく。すなわち、各配力鉄筋46を構成する2本の鉄筋を施工完了時よりも長い重ね代で結束しておく。そしてこれにより、各配力鉄筋46を鉛直壁部20Aの端部に位置する主鉄筋34および帯鉄筋40と干渉させてしまうことなく、吊込みを行うことができるようにしておく。
図5に示すように、2列で配置された主鉄筋34と主鉄筋38との間に挿入された各多関節鋼材110は、吊込み治具100を吊り下ろすことによって各列間を下降するが、その際、主鉄筋34、38は鉛直方向に対して傾斜壁部20Bの傾斜角度分だけ傾斜していることから、内周側に位置する主鉄筋38に沿って下降することとなる。
図6に示すように、吊込み治具100の吊込みは、その各多関節鋼材110の下端部が施工済みコンクリート32の上面近傍に到達する位置まで、吊込み治具100を吊り下ろすことにより完了するが、この吊込みが完了した吊込み治具100から、各配力鉄筋52を取り外して所定位置(すなわち図3に示す位置)に配置する。
同図に示す鉛直断面内においては、吊込み治具100の吊込みが完了した時点で、各配力鉄筋52は、すでに施工完了時の配置と略同じ位置に配置される。したがって、この吊込み完了後、各配力鉄筋52を、主鉄筋38に当接させるとともに、該配力鉄筋52を構成する2本の鉄筋の重ね代を短くする方向に移動させて、その両端のフックを鉛直壁部20Aの端部に位置する主鉄筋34および帯鉄筋40に係止することにより、その配置が完了することとなる。
このようにして一施工区間分の本数の配力鉄筋52の配置が完了した後、吊込み治具100を吊り上げて、各多関節鋼材110を主鉄筋34と主鉄筋38との間から撤去する。
以上詳述したように、本実施形態に係る柱状構造物の構築方法は、施工済みコンクリート32の上面に複数の主鉄筋34、36、38を配置する一方、一施工区間分の本数の配力鉄筋52を施工完了時の配置と略同様の配置で吊込み治具100に取り付けた後、この吊込み治具100を傾斜壁部20Bの外周面近傍に2列で配置された複数の主鉄筋34、38における各列の間に吊り込み、この吊込み治具100から各配力鉄筋52を取り外して所定位置に配置するようになっているので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、吊込み治具100を上記各列の間に吊り込んだ時点で、一施工区間分の本数の配力鉄筋52は各々その配置予定位置の近傍に一括して配置されることとなるので、この吊込み治具100から各配力鉄筋52を取り外して所定位置に配置する作業は、極めて簡単にこれを行うことができる。しかも、この配置作業は、複数箇所において同時に行うことも可能である。
また、これら各配力鉄筋52を吊込み治具100に取り付ける作業については、これを橋脚20付近の地面2において行うことができるので、その取付作業を効率良く行うことができる。
このように本実施形態によれば、中空構造を有する鉄筋コンクリート製の橋脚20を構築する工程において、配力鉄筋52を配置する際の作業効率を高めることができる。しかも、吊込み治具100は次の施工区間での施工にも転用することができるので、経済性を十分に確保した上で上記作用効果を得ることができる。
また本実施形態においては、吊込み治具100に対する各配力鉄筋52の取付けを、該吊込み治具100を横向きに配置した状態で行うようになっているので、その取付けを組立用足場を用いることなく直接行うことができ、これにより取付作業を一層効率良く行うことができる。
さらに本実施形態においては、吊込み治具100として、鉄筋支持部130aを有する複数の支持鋼材130が上下方向に直列に配置された状態で互いにピン結合されてなる4本の多関節鋼材110を用いるようになっているので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、一施工区間分の本数の配力鉄筋52の各々を、4本の多関節鋼材110において互いに同じ高さ位置に固定された支持鋼材130の鉄筋支持部130aに架け渡すことにより、これら各配力鉄筋52を所定の高さ位置において水平方向に延びるように位置決めした状態で吊込み治具100に取り付けることができる。その際、各多関節鋼材110における各支持鋼材130の鉄筋支持部130aの位置は、配力鉄筋52の施工完了時における高さ配置に対応した位置に設定されているので、吊込み治具100から各配力鉄筋を取り外して所定位置に配置する作業を容易に行うことができる。また、各配力鉄筋52を跨ぐようにして複数の幅止め鉄筋44が配置されるにもかかわらず、吊込み治具100を吊り上げることにより、その撤去を容易に行うことができる。
また本実施形態においては、吊込み治具100として、4本の多関節鋼材110が水平方向に所定間隔をおいて共通の吊り梁120に吊下げ支持されてなる治具を用いているので、これら4本の多関節鋼材110を所定の位置関係に維持した状態で一括して吊り下げることができ、これにより4本の多関節鋼材110の吊込みを容易に行うことができる。
特に本実施形態においては、鉛直方向に対して傾斜壁部20Bの傾斜角度分だけ傾斜した方向に2列で延びる主鉄筋34、38の間の狭い空間に、配力鉄筋52を配置するようになっているが、吊込み治具100は、その吊り梁120に4本の多関節鋼材110が吊下げ支持された構成となっているので、これら各多関節鋼材110をそのピン結合部分で適当に回動させることにより、これらに取り付けられた配力鉄筋52を上記各列の間に吊み込むことができる。
その際、各多関節鋼材110を構成する複数の支持鋼材130は、背中合わせで交互に配置された複数の山形鋼で構成されており、また、その鉄筋支持部130aは、山形鋼の側端面に斜め上方へ向かって開放するように形成された略U字状の凹部で構成されているので、簡単かつコンパクトな構成で、各配力鉄筋52の支持を確実に行うことができる。
しかも、このように各鉄筋支持部130aが斜め上向きに形成された略U字状の凹部として構成されていることから、本実施形態のように、吊込み治具100を横向きに配置した状態で、その各多関節鋼材110に対する各配力鉄筋52の取付けを行うようにした場合であっても、多関節鋼材110に対する各配力鉄筋52の取付けを容易に行うことができ、また、吊込み治具100をクレーン等で吊り上げたときに、各多関節鋼材110の支持鋼材130の向きが水平方向から鉛直方向に変化するにもかかわらず、その鉄筋支持部130aから配力鉄筋52が脱落してしまわないようにすることができる。
上記実施形態においては、吊込み治具100として4本の多関節鋼材110を備えたものを使用するものとして説明したが、これ以外の本数の多関節鋼材110を備えたものを使用することももちろん可能である。
また、上記実施形態においては、一施工区間分の本数の帯鉄筋40、42の配置が完了した後に、吊込み治具100の吊込みを行うものとして説明したが、これら帯鉄筋40、42を配置する作業と並行して吊込み治具100の吊込みを行うようにすることも可能である。
さらに、上記実施形態においては、鉛直方向に対して傾斜した方向に延びるように配置された主鉄筋34、38の間の狭い空間に、配力鉄筋52を配置する場合について説明したが、これら主鉄筋34、38が鉛直方向に延びるように配置されている場合においても、本実施形態と同様の構成を採用することにより本実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
ところで、上記実施形態において使用した吊込み治具100は、上記実施形態のように中空構造を有する鉄筋コンクリート製の橋脚20を構築する際の配力鉄筋52等の吊込みに特に適しているが、これ以外にも、所定間隔をおいて2列で配置された略鉛直方向に延びる複数の鉄筋における上記各列の間に、水平方向に延びる複数の鉄筋を吊り込む場合一般において、この吊込み治具100を使用することが可能である。
本願発明の一実施形態に係る柱状構造物の構築方法の対象となる橋脚を備えた橋梁を示す図であって、同図(a)は側面図、同図(b)はそのb方向矢視図 上記橋脚のコンクリート内部における配筋構造を示す、図1(b)のII-II 線断面詳細図 図2のIII-III 線断面詳細図 上記橋脚の傾斜壁部における主鉄筋、帯鉄筋および配力鉄筋の配筋工程を、図2のIII-III 線断面の位置において示す図(その1) 上記配筋工程を示す、図4と同様の工程図(その2) 上記配筋工程を示す、図4と同様の工程図(その3) 一施工区間分の本数の配力鉄筋が取り付けられた吊込み治具を、クレーン等で吊り上げた状態で示す、図4のVII 方向矢視図 上記吊込み治具を構成する多関節鋼材を示す図であって、同図(a)は図7のVIIIa部詳細図、同図(b)は、そのb方向矢視図 図8(a)のIX部詳細図 図8(b)のX部詳細図 上記吊込み治具に対する配力鉄筋の取付けおよび該吊込み治具の吊上げの様子を示す側断面図
符号の説明
2 地面
10 橋梁
20 橋脚
20A 鉛直壁部
20B 傾斜壁部
22 大口径深礎
24 橋桁
26 主塔
28 斜材
32 コンクリート
32a 外周面
32b 内周面
34、36、38 主鉄筋
40、42 帯鉄筋
44 幅止め鉄筋
46、48、52 配力鉄筋
50 カプラ
100 吊込み治具
102 ワイヤ
104 枕材
110 多関節鋼材
112 係止リング
114 吊下げワイヤ
120 吊り梁
120a、120b ブラケット
130a 鉄筋支持部
130b ボルト挿通孔
130 支持鋼材
132 ボルト
134 ナット
136 ワッシャ

Claims (3)

  1. 中空構造を有する鉄筋コンクリート製の柱状構造物であって、周壁の外周面近傍に複数の主鉄筋が該周壁の肉厚方向に所定間隔をおいて2列で配置されるとともに、上記各列の間に上記周壁に沿って水平方向に延びる複数の配力鉄筋が上下方向に所定間隔をおいて配置されてなる柱状構造物を、所定高の施工区間毎に配筋およびコンクリート打設を行うことにより構築する、柱状構造物の構築方法において、
    上記柱状構造物における施工済みコンクリートの上面に、上記複数の主鉄筋を配置する工程と、
    所定本数の上記配力鉄筋を、施工完了時の配置と略同様の配置で、所定の吊込み治具に取り付ける工程と、
    上記所定本数の配力鉄筋が取り付けられた吊込み治具を、上記各列の間に吊り込む工程と、
    この吊込みが完了した吊込み治具から上記各配力鉄筋を取り外して所定位置に配置する工程と、を含み、
    上記吊込み治具として、鉄筋支持部を有する複数の支持鋼材が上下方向に直列に配置された状態で互いにピン結合されてなる複数の多関節鋼材を用い、
    上記吊込み治具に対する上記各配力鉄筋の取付けを、上記複数の多関節鋼材が略水平方向に延びるように該吊込み治具を横向きに配置した状態で行い、
    上記各多関節鋼材として、側端面に斜め上方へ向かって開放する略U字状の凹部が形成された複数の山形鋼を背中合わせで交互に配置してなる多関節鋼材を用いる、ことを特徴とする柱状構造物の構築方法。
  2. 上記吊込み治具として、上記複数の多関節鋼材が水平方向に所定間隔をおいて共通の吊り梁に吊下げ支持されてなる治具を用いる、ことを特徴とする請求項1記載の柱状構造物の構築方法。
  3. 所定間隔をおいて2列で配置された略鉛直方向に延びる複数の鉄筋における上記各列の間に、水平方向に延びる複数の鉄筋を吊り込むための吊込み治具であって、
    鉄筋支持部を有する複数の支持鋼材が上下方向に直列に配置された状態で互いにピン結合されてなる複数の多関節鋼材と、
    これら複数の多関節鋼材を水平方向に所定間隔をおいて吊下げ支持する吊り梁と、を備えてなり、
    上記各多関節鋼材を構成する複数の支持鋼材が、背中合わせで交互に配置された複数の山形鋼からなり、
    上記鉄筋支持部が、上記山形鋼の側端面に斜め上方へ向かって開放するように形成された略U字状の凹部からなる、ことを特徴とする吊込み治具。
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