JP4421106B2 - Cdma通信容量を改善するための実用的な空間−時間無線方法 - Google Patents

Cdma通信容量を改善するための実用的な空間−時間無線方法 Download PDF

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Description

【0001】
発明の背景
発明の分野
本発明は受信通信システムに関連する。より詳細には本発明は空間領域を利用して無線通信性能を改善するための方法及びそのような方法を実施するための実用的なシステムに関連する。
【0002】
関連技術
無線通信に対する需要は増加しており、そのため割り当てられた周波数帯域をより有効に利用する、すなわち容量を増加して、利用可能な限られた帯域内で情報を伝送するための技術を開発することが必要となっている。従来の低容量無線通信システムでは、所定の周波数チャネルの1つにおいて全方向に信号を報知することにより、情報が基地局から加入者装置に伝送される。同様に、その周波数チャネルの1つにおいて類似の信号を報知することにより、加入者装置は基地局に情報を伝送する。そのシステムでは、周波数帯域を個別の細分した帯域からなる周波数チャネルに分割することにより、多数の使用者が個別にシステムにアクセスする。この技術は周波数分割多元接続(FDMA)として知られている。
【0003】
容量を増加するために商用の無線電話システムにより用いられる標準的な技術は、サービスエリアを空間的なセルに分割することである。一基地局のみを用いてエリア内の全使用者にサービスを提供するのではなく、一群の基地局を用いて個別の空間セルに別々にサービスを提供する。そのようなセルラーシステムでは、多数の使用者が異なる空間セルからシステムにアクセスすれば、多数の使用者が、相互に干渉することなく同じ周波数チャネルを再利用することができる。それゆえセルラー方式の概念は空間分割多重方式(SDMA)の簡単なものである。
【0004】
デジタル通信の場合には、さらに別の技術を用いて容量を増加することができる。そのような周知の技術の例としては、時分割多元接続(TDMA)及び符号分割多元接続(CDMA)がある。TDMAでは、データを個別のタイムスロットに割り当てることにより、数人の使用者が1つの周波数チャネルを共有することができる。CDMAは典型的なスペクトラム拡散技術であり、個々の信号を狭帯域の周波数チャネルに制限せず、全周波数スペクトル帯域に渡って拡散する。帯域を共有する信号は、異なる直交デジタル符号シーケンス、すなわち拡散信号を各信号に割り当てることにより識別される。CDMAは、理論的な解析、例えばAndrew J. Viterbi.著「CDMA Principles of Spread Spectrum Communications」及びVijay K. Garg共著「Applications of CDMA in Wireless/Personal Communications」に示されるように、当分野の種々の無線インタフェースの中でも最も将来有望な方法と考えられている。
【0005】
CDMAは有望ではあるが、電力制御の速度及び基地局間干渉のような実用上な問題により、CDMA実施の初期段階でシステムの有用性が著しく制限されていた。CDMA系システムの容量は、非常に正確な電力制御を行えるかに大きく依存しているが、移動通信の環境では、信号は非常に高速に変動するため、システムで制御するのが難しい場合がある。移動無線通信の環境は、不安定な信号伝搬、通信装置間の過酷な信号の減衰及び他の無線源による同一チャネル間干渉という特徴があり、問題となる。さらに、多くの市街地環境は非常に多くの反射体(例えば建造物)を含み、そのため信号は送信機から受信機に至るまで多重伝搬経路(マルチパス)に従って伝送する。そのようなマルチパス信号の個別の部分は打消し合うように干渉する異なる位相で到達するため、マルチパス伝送の結果により予測不可能な信号フェージングが生じるようになる。さらに、移動中の送信機の近辺(散乱ゾーン)の種々の要素(散乱体)からランダムな位相で反射される信号のマルチパス成分が結合して生成される高速フェージングは、無線通信における大きな問題であると見なされている。受信アンテナ端での打消し合うような結合により、レイリー分布に従った電力密度関数を有して時間変動する信号レベルが生成される。従って受信した電力には種々の時間において、送信した情報に著しい誤りを引き起こすようになる「深い点」或いはゼロ点が生じる(デジタル通信においては「バーストビット誤り」により特徴付けられる)。フェージングに加えて、電波が影となる領域にサービスを提供するために放射電力を増加される場合に、基地局間干渉によりシステム性能が著しく劣化する。
【0006】
最近の通信システムは適当な誤り訂正技術とともに、送信データをインターリーブし、かつ受信データをデインターリーブすることによりフェージングの影響を低減している。さらに、フェージングを軽減するために最もよく利用される方法として空間ダイバーシティがあり、例えば2つの十分に間隔をあけたアンテナ(10波長以上)で受信した信号は、受信電力対時間(電力/時間)関数において小さな相関しか持たない。それゆえ大部分のポイント−マルチポイント通信システムはフェージングの影響を低減するために空間ダイバシティ結合を利用する。大抵の場合、受信機は、より強い信号電力を有するアンテナを選択するか(アンテナ切替ダイバーシティ)或いは位相及び振幅の差を補償した後に2つのアンテナ出力を合成する(最大比合成)。
【0007】
スペクトル直接拡散シーケンスシステム(例えばIS−95)は時間ダイバーシティによりさらにフェージングを低減する。すなわち、マルチパスは信号帯域幅とその関連する自己相関関数に起因した時間により分離することができる。マルチパス成分が十分な時間間隔をおいて到達する場合、その電力/時間関数は相関がない。IS−95では、レイク受信機が複数の復調器(「フィンガ」)を備え、各復調器が異なる信号到達時間に割り当てられる。典型的な場合、復調チャネル数は基地局では4つである。到達する信号マルチパスが著しい遅延スプレッド(例えば数μsec)を有する場合には、システムは到来するマルチパス成分に異なる「フィンガ」を有効に割り当て、良好にフェージングを軽減することができる。しかしながら大抵の場合には、遅延スプレッドは時間ダイバーシティを行える程十分ではなく(特に郊外エリア)、大部分のフェージングの軽減はなおも空間ダイバーシティ及びコーディングにより行われる。現在の基地局はセクタ当たり2本のみのアンテナを用いているため、通常2個の「フィンガ」のみが動作する。
【0008】
最近では、さらに空間領域を利用して、無線システムの性能を向上することに重点が置かれている。SDMA技術は原理的に、CDMA系通信網の性能を著しく改善できることがわかっている。これらの技術は、精巧さ及び複雑さの度合いが異なる。現在提案されているアプローチは、簡単な反面あまり有効ではないか、或いは複雑で実用化が困難であるかのいずれかである。
【0009】
ある周知のSDMA技術は、基地局に一組の個別に制御される指向性アンテナを設け、それによりセルを個別のセクタに分割することであり、セクタはそれぞれ個別のアンテナにより制御される。その結果、システムの周波数再利用を改善でき、並びにまた同一チャネル間干渉を低減することができる。個別制御の指向性アンテナを用いる代わりに、この技術はコヒーレントに制御されたアンテナアレイを用いて実施することもできる。信号処理装置を用いて、アンテナ素子に加わる信号の相対的な位相を制御することにより、個別のセクタの方向に所定のビームを形成することができる。同様の信号処理を用いて、個別のセクタからのみ信号を選択的に受信することができる。しかしながらこれらの簡単なセクタ化技術は、比較的小さな容量改善しか与えられない。
【0010】
米国特許第5,563,610号は、CDMAシステムのマルチパスに起因する信号フェージングを軽減するための方法を開示する。受信した信号に故意に遅延を導入することにより、レイク受信機を用いて、無相関のフェージング信号成分をより良好に識別できるようになる。このダイバーシティ法はフェージングの影響を低減することができるが、空間領域を利用しておらず、直接システム容量を改善しない。さらにこのアプローチは、固定のビーム形状を用いて角度及び時間ダイバーシティを組み合わせており、ビーム出力のレベルが著しく異なるか、或いはビーム出力のレベルが同じようになるが、相関が高いかの何れかのため有効ではない。2つの信号部分が同様の方向から到達している場合には、その信号は1つのビーム中を通過するため識別することができない。一方その信号部分がビームの間で到達している場合には、レベルは同じになるが、相関が大きくなる。
【0011】
システム容量を著しく増加することができるより精巧なSDMA技術が提案されている。例えばGerlach等に付与された米国特許第5,471,647号及び米国特許第5,634,199号、並びにBarratt等に付与された米国特許第5,592,490号は、空間領域を利用することにより性能を改善する無線通信システムを開示する。ダウンリンクでは、基地局が各加入者装置の空間チャネルを決定し、そのチャネル情報を用いて、適応的にそのアンテナアレイを制御し、特別に狭帯域化されたビームを形成する。これらのビームは多数の経路に渡って情報信号を伝送し、その信号は最大限の強度で加入者装置に到達するようになる。またそのビームを選択して他の加入者装置にゼロレベルを配向し、同一チャネル間干渉を低減することもできる。アップリンクでは、基地局はそのチャネル情報を用いて受信した信号を空間的にフィルタリングし、アップリンク信号が最大限の選択度で受信され、かつ他の加入者装置により送信された信号から識別できるようにする。識別可能な指向性ビームによる選択的な電力供給により、基地局受信機における基地局間干渉及び搬送波対干渉波(C/I)を低減できる。
【0012】
適応的なビーム形成における最も大きな問題は、如何に迅速に無線チャネルを評価し、有効なビームを割当てられるかである。アップリンクでは、基地局アンテナアレイ端で受信された信号から空間チャネルを推定するための信号処理技術が知られている。これらの技術は従来通りに、信号共分散行列の反転或いは特異値分解を含む。しかしながらその計算は非常に複雑であるため、現在実用化されていない。これらの非常に複雑なアプローチはアレイ信号処理の理論を利用している。このアプローチはアップリンクチャネル(例えばマルチパス信号部分の到来角度及び到来時間)を推定し、空間−時間マッチドフィルタを形成して、最大限の信号供給を考慮する。その提案されている方法は信号共分散行列を計算し、その固有ベクトルを導出して、アレイ係数を決定することを含む。アレイ信号処理の基本的な問題は以下の式により定式化される。
【0013】
X=AS+N
ここでXはアンテナアレイ信号スナップショットの行列であり(各列が全アンテナ素子のスナップショットを組み込む)、Sは送信された信号行列である(各列が情報信号のスナップショットを組み込む)、Aはアンテナアレイ及びチャネル応答或いはアレイ多様体(array manifold)行列であり、Nは雑音行列である。主なアレイ信号処理の目的は、A及びSの統計値に基づいてSを推定することである、すなわち干渉及び熱雑音Nの存在時に全ての到来信号を正確に推定することである。この問題は数年来の広範な調査の主な目的となっている。2つの周知の推定アルゴリズムは、最尤シーケンス推定(Maximum Likelihood Sequence Estimation:MLSE)及び最小平均二乗誤差(MMSE)である。これらの技術を用いて、Sが定数モジュール(CM)或いは有限アルファベット(FA)のような既知の特性を有する信号を表す場合には、そのプロセスは、既知の信号の時間的構造の統計値を用いて実行することができる。アレイ多様体が既知の場合には、より速く収束させることができる。しかしながらこのプロセスは非常に計算上の負荷が重い。100台以上の移動局を同時に利用可能にする必要がある基地局では、その計算電力は現在の実用的なレベルを超過している。
【0014】
当分野において示される最も適応的なビーム形成方法(例えば米国特許第5,434,578号)は広範な計算リソースを必要とするが、アップリンク推定を広範に取り扱う。その内のいくつかはダウンリンク推定を取り扱うが、それはより難しい問題である。空間チャネルが周波数に依存しており、通常はアップリンク及びダウンリンク周波数が異なるため、アップリンクビーム形成技術は、ダウンリンク空間チャネル情報を導出し、システム容量を改善するだけの十分な情報を基地局に与えない。ダウンリンクチャネル情報を取得するための1つの技術は、加入者装置からのフィードバックを利用することである。しかしながら、要求されるフィードバック速度が、このアプローチの実用化を困難にしている。
【0015】
それゆえ、既知のアプローチにおいて上記制約を克服するビーム形成方法を用いて無線通信システムの容量を増加することが必要である。
【0016】
発明の概要
本発明は、計算上、複雑な処理を必要とせず、アップリンク及びダウンリンクの両方において空間領域を利用する無線通信のための方法を提供する。その方法は、実施の容易性を保持するとともに、アップリンク及びダウンリンクの両方において著しい容量の改善をもたらす。この目標は、低ビットカウント演算及び信号マルチパス構造を利用して、共分散行列処理を行うことなく実用化される。
【0017】
本発明による無線通信のための方法は、所定の疑似雑音シーケンスで直交シンボルを変調することにより得られるCDMA信号のような符号変調された信号を移動局から送信する過程を含む。その直交シンボルは直交した情報信号を表す。その後基地局アンテナアレイがN個の対応するアンテナ素子からN個の複素数値化した信号シーケンスを並列に受信する。その後N個の各信号シーケンスは疑似雑音信号と相関をとられ、共通の直交シンボルの1つに対応するN個の受信したシンボルを含むN個の受信した信号を逆拡散し、選択する。その後N個の受信したシンボルは同時に変換され、N個の複素数値化された変換器出力を取得し、その後その出力が一組の複素アレイ較正ベクトルと集合的に相関をとられ、その信号についての空間的な情報を取得する。各アレイ較正ベクトルは、基地局に対して所定の方向に発信する較正信号に対するアンテナアレイの応答を表す。上記ステップは、同一移動局に対応する多数の信号成分についての空間的な情報(到来角度(AOA)、到来時間(TOA)及び移動局に対する距離)を取得するために繰り返される。その後この空間的な情報を用いて、後続する複素数値化された信号シーケンスを空間的にフィルタリングする。その後フィルタリングされた信号を復調して、元の情報信号からシンボルを取得する。
【0018】
直交シンボルは有限シンボルアルファベットから選択される。好適な実施例では、有限アルファベットは64個以下のシンボルを含み、その較正ベクトルは1或いは2ビット+符号実数部及び1或いは2ビット+符号虚数部を有する複素数値化された成分を含む。そのビット数は必要に応じて増やすことができる。この簡単な表現により、計算上複雑な乗算を用いることなく加算を用いて相関を計算することができる。一実施例では、微小時間だけ離隔した信号部分を有するまで(すなわち1チップ未満の時間広がりを有するまで)、相関ステップは、移動局から多数の信号成分についての空間的な情報を生成する。本発明の別の実施例は、多数の信号成分の時間及び角度情報を追跡する過程を含む。一実施例では、周知の振幅及びゼロ位相を有するアナログ信号(すなわち、「探査(sounding)」信号)が、基地局の送信及び受信チャネルに挿入される。その後信号は各チャネル出力において復号化され、位相及び振幅が判定される。測定された位相及び振幅データを用いて、アンテナ較正データ(アレイ多様体マトリックス)を補正し、それにより一部、温度変化、構成部品劣化、送受信電力等に起因するマルチチャネル受信及び送信システムにおける位相及び振幅不整合を解消する。
【0019】
さらに本発明はアップリンクから確定された多数の信号成分についての空間的な情報に従って空間的にフィルタリングされたダウンリンク情報信号を与える。その空間的なフィルタリングは、移動局についての空間的な情報に基づいて、移動局を1つのビームに割り当てる過程を含む。この空間的な情報は、移動局についての方向及び距離に関する情報を含む。ダウンリンクビームは、近接した移動局が広帯域のビームに割り当てられ、遠方の移動局が狭帯域のビームに割り当てられるように、重畳した広帯域及び狭帯域ビームからなる動的に適応的な一組のビームである。ダウンリンクビーム幅は、アップリンク信号AOA分布(多数のシンボルを収集したもの)及び必要なら距離に基づいて決定される。通常AOAの広がりは距離に関係し、移動局が離れるほどAOAの広がりが小さくなるため、AOAの広がりは上記のように用いることができる。そのビームの組は、システム性能を最適化するために、その基地局によりサービス提供される全移動局の空間情報の統計値に基づいて変更される。一実施例では、複数(2〜4)の狭帯域ビーム(2〜3°)が広開口アンテナアレイ内で形成され、散乱ゾーンを網羅し、高速(レイリー)フェージングの影響を最小限にする。広開口アンテナアレイ内のビーム出力間の相関が小さい(約0.7以下)ものとすると、広開口アレイにより、全般的に同じ方向の多数の狭帯域ビームは、低相関重みベクトルを用いて構成することができる。ビームの幅及び方向は、到来信号の角度の広がりを評価することにより、詳細には到来角度のヒストグラムのピーク値及び広がり、すなわち分散を確定することにより判定される。好適な実施例では、ダウンリンクビームの送信は、3ビット+符号実数部及び3ビット+符号虚数部を有する複素数値化された要素を含むビーム形成情報に従って実行される。CDMA IS−95のための好適な実施例では、ダウンリンクトラフィックビームが所定の移動局に割り当てられ、一方オーバヘッドビームは3セクタ或いは6セクタ基地局に関して保持される。トラフィックビームとパイロットビームとの間では小さな位相が保持され、移動局における復調性能の劣化を防ぐ。
【0020】
いくつかの実施例では、パイロット信号は、ワイドバンドCDMA通信システム用の移動局から基地局のアンテナアレイまで送信される信号に符号多重化される。基地局は、到来信号のパイロット信号を、基地局で生成された一連の遅延パイロット信号と相関をとる。これらの相関値はアンテナアレイ多様体行列と空間的に相関をとられ、信号到来角度(AOA)及び到来時間(TOA)ヒストグラムが生成される。この生成されたヒストグラムを用いて、所望の散乱ゾーンに配向されるアップリンクビーム及びダウンリンクビームを形成するために「最適な」AOA及びTOAを確定する。空間的な相関のために、実際の信号の代わりにパイロット信号を用いれば、より簡単な通信システムになる。多くの場合には、AOAヒストグラムは、アレイ応答ベクトル(全アンテナアレイ素子の電気的な振幅及び位相を含む)とアレイ多様体行列との間の空間的な相関から作成される。アレイ多様体を知ることは、より遠距離の信号間の角度広がりを比較的小さくするために有用である。
【0021】
また本発明は上記方法を実施するCDMA基地局も提供する。その基地局は、N個のアンテナ素子を有するアンテナアレイと、N個の到来信号を生成するためにN個のアンテナ素子に結合するN個一組からなる受信機とを備える。また基地局は、N個の到来信号から1つの移動局に対応するN個の逆拡散された信号を生成するためにN個の受信機に接続されるN個一組からなる逆拡散器も備える。N個一組からなるシンボル変換器がN個の逆拡散器に接続され、逆拡散された信号から素数値化された出力を生成する。N個のシンボル変換器に接続された空間相関器は、その複素数値化された出力を格納されたアンテナ較正データと相関をとり、移動局に関連する多数の信号部分に対するビーム形成情報を生成する。好適な実施例では、アレイ較正データは、ビット+符号虚数部及びビット+符号実数部として表される複素数値化されたアレイ応答要素からなる。空間相関器及びN個の受信機に接続された受信ビーム形成器は、ビーム生成情報に従ってN個の到来信号を空間的にフィルタリングする。受信ビーム形成器に接続されたレイク受信機(或いは他の等価の受信機)は、その空間的にフィルタリングされた信号から情報信号を生成する。一実施例では、基地局は、空間相関器及び受信ビーム形成器に接続される追跡器も備える。追跡器は多数の信号部分を追跡し、受信ビット形成器の性能を最適化する。
【0022】
好適な実施例では、基地局は、空間相関器に接続される送信ビーム形成器も備える。送信ビーム形成器はビーム形成情報に従って空間ビームを生成し、システム容量を増加する。空間ビームは、狭帯域ビームが重畳する広帯域ビームの位相に整合するように狭帯域ビームと重畳する広帯域ビームとを含む一組の動的に計算されたダウンリンクビームである。空間ビームは、より遠方の移動局が狭帯域ビームに割り当てられ、より近接した移動局が広帯域ビームに割り当てられるように選択される。
【0023】
一実施例では、基地局は送信及び受信ビーム形成器の組とN個の送信機及び受信機の組との間に接続される、補償信号源及び補償検出器を備える。補償信号源は、既知の振幅、ゼロ位相のアナログ「探査」信号を送信チャネルに挿入し、一方補償検出器はその探査信号を復号化し、測定された位相及び振幅データを累積し、そのデータを用いて位相及び振幅の不整合データを補正する。
【0024】
発明の詳細な説明
以下の詳細な説明は例示のために多数の仕様を含むが、当業者には、以下の詳細な説明に対する多くの変更例及び変形例が本発明の範囲内で実施可能であることは理解されよう。従って以下に本発明の好適な実施例が記載されるが、それは本発明の普遍性を損なったり、また制限したりするものではない。
【0025】
図1は、本発明による基地局のシステム構造の全体図である。基地局はN個のアンテナ素子を有する受信アンテナアレイ10を備える。本実施例では、そのシステムは送信用の別のアンテナアレイ15も備える。しかしながら、アンテナ切換器を用いて、当分野において周知のように、そのアレイを結合することもできる。本実施例は、ビーム形成に必要とされる実効放射電力(ERP)を与えるために、一素子当たり非常に低い電力しか必要としないため、低コストの切換器及びアンテナフィルタを用いることができる。アンテナ素子数Nは約16であることが好ましい。
【0026】
N個の各アンテナ素子は、対応するN個一組からなる従来通りの受信機101の1つに接続される。各受信機は到来信号の周波数をダウンコンバートし、その信号をデジタル化して、I及びQ(同相及び直交)信号成分を有する受信信号を生成する。本実施例では、受信機は、共通の局部発振器104によりコヒーレントに同調され、位相及び振幅データの両方を測定できるようにして、任意の所与の時点で、複素数値化された成分を有するN次元の受信信号ベクトルを生成する。別法では、固定周波数の較正信号が、受信信号と同時に全受信チャネルに挿入され、受信機間の位相及び振幅差を連続的に推定することを可能にする。較正信号は拡散されないため受信信号と区別でき、またその積分を非常に長くできるため極めて低いレベルにすることができる。所定の適切な受信機の設計は米国特許第5,309,474号に記載されている。
【0027】
N個の受信機101から受信した信号ベクトルは、L個一組からなるチャネル推定値11及び対応するL個一組からなる受信機バンク14に供給される。各チャネル推定値11及び対応する受信機バンク14を用いて、1つの移動局からチャネルを推定して信号を受信する。従って基地局により同時にサービス提供可能な移動局の最大数はLである。好適な実施例ではLは少なくとも100ある。推定器11は、構造及び動作原理のいずれにおいても互いに同一である。同様に受信機バンク14も同一である。従って以下の説明は、1つの移動局のチャネルを推定し、その信号を受信するように機能する1つの推定器11及び対応する受信機バンク14に限定される。
【0028】
好適な実施例では、チャネル推定値11はN個一組からなる逆拡散器102、対応するN個一組からなる高速アダマール変換器(FHT)及び空間相関器105を備える。逆拡散器102は、例えば米国特許第5,309,474号に詳細に記載される従来通りの符号相関器である。N個の逆拡散器はそれぞれ、IS−95 CDMA標準規格に従って、受信信号ベクトルの1つの成分を関連する移動局に割り当てられた疑似雑音(PN)符号シーケンスと相関をとる。各符号相関器或いは逆拡散器102は可変の時間オフセット(同じバンクの他の符号相関器と同期する)を用いて、少なくとも1PNチップ周期差で到達するマルチパス部分を分離する。時間オフセットは繰返し推定することにより、例えば符号時間オフセットを設定し、そのシンボル長のサンプルを収集して、ここで記載したプロセスを実行することにより決定される。その結果はCIRバッファ(以下に記載する)であり、そのピーク値は異なる信号経路のTOAを表す。以下の説明は、1つのマルチパス部分の処理について議論する。分離可能な全てのマルチパス部分は同様に処理される。
【0029】
各逆拡散器102は1つのアンテナ端で受信した1つの移動局に対応する逆拡散信号を出力する。その逆拡散信号は高速アダマール変換器(FHT)103に供給される。本発明において用いられるFHTは従来のFHT(例えば米国特許第5,309,474号に記載される)と同じであるが、本発明のFHTは入力の複素位相情報を保持している点が異なる。言い換えると、標準的なFHT出力は大きさに変換されるが、本発明において用いられるFHTは複素数値を出力し、それにより位相及び振幅データの両方を保存している。本実施例の各FHTは64個の複素出力を有しており、その大きさは、逆拡散信号が所定のシンボルアルファベットの64個の各シンボルと相関がある度合いを表す。好適な実施例では、シンボルアルファベットは64個一組からなる直交ウォルシュシンボルである。
【0030】
アンテナアレイ10において受信された所与のシンボルの場合(IS−95では、シンボル周期は約208μsecである)、N個のアンテナ素子端で受信された信号は、個別に、かつ同時にN個の各受信機101、逆拡散器102及びFHT103を通過し、その間信号の相対位相情報を保持している。N個のFHT103の集合体は共に、複素要素からなるN×64信号行列Bを生成する。Bの各列は空間応答ベクトルと呼ばれるN次元のベクトルであり、そのN個の成分はN個のアンテナ素子端で受信された信号と1つのウォルシュシンボルとの相関を表す。行列Bは、ウォルシュシンボルと時間同期された後、列毎に空間相関器105に供給される。
【0031】
図4を参照して以下に詳細に説明するように、空間相関器105は信号行列Bをアレイ較正行列Aと相関をとる。行列Aは、位相及び振幅対角度に対してアンテナアレイを較正することによりオフラインで取得される。その相関により、一組の所定の方向と一組の所定のシンボルとの両方とアンテナ端で受信された信号との相関を表す相関行列Cが生成される。行列Cの解析から、相関器105は信号の到来角(AOA)と、波形及び信号レベルの「純度」に比例するスカラ値(AOA品質)とを生成する。そのデータはコントローラ106に転送され、コントローラ106はこのデータを用いて、この特定の信号部分に対して最適なアップリンクビーム係数を決定する。典型的には、この全プロセスは、当分野で周知のように、符号及び予想されたTOAに対する「サンプリング周期の開始」時間を設定することにより4つの最も強いマルチパス部分に対して実行される。さらに、到来時間(TOA)及びAOA確実性データが生成され、各信号部分に対するビーム形成情報を含む空間的なマッチドフィルタを生成することができる。AOAの結果は、多数の到来する情報シンボルに対して上記プロセスを繰り返すことにより収集される。このデータを用いて、全ての個々の信号部分に対して最も予想されるAOA及びAOA分布を計算するためのAOAヒストグラムを生成する。AOAはビーム方向情報を与え、AOA分布はビーム幅情報を与える。上記のチャネル推定値11の機能は、その基地局により処理されている他の移動局に対する全ての他のチャネル推定値と同時に実行される。
【0032】
コントローラ106は、各ビーム推定器11からビーム形成情報を受信する。従ってコントローラ106は全移動局からの全信号部分に関する空間情報を取得する。その後コントローラ106は係数の形でその情報を受信バンク14にダウンロードし、受信バンク14はチャネル推定値11からの空間情報を用いて、移動局からの信号の受信を改善する。各受信バンク14はビーム形成器112を備えており、1つの移動局に関連する信号部分に配向される狭帯域ビームを形成する。その強い信号部分が選択的に検出されるため、ビーム形成器は、マルチパス成分を含む到来信号のための良好に整合した空間フィルタを生成する。ビーム形成器112は、空間的にフィルタリングされた信号を、従来のIS−95レイク受信機113(米国特許第5,309,474号に記載される)の4つのフィンガに供給する。しかしながら、ビーム変換器出力は当業者には周知の他のタイプの受信機にも供給できることを注意されたい。上記空間フィルタリングプロセスの結果、搬送波対干渉波(C/I)は従来のCDMAシステムより著しく改善される。C/Iの改善は、存在するアンテナビーム(約100〜120°)に対する形成された有効なビーム幅(約10〜30°)間の比についてである。AOA及びTOAデータは中央コントローラ120に転送され、そこでシステムが最適なダウンリンクビーム形状を決定できることにも注目されたい。ダウンリンクプロセスは図4の説明の一部として後に議論される。
【0033】
別の実施例では、コントローラ106は広開口アンテナアレイ内に狭帯域ビーム(典型的には2〜3°の幅)を割り当て、フェージングを軽減するために散乱ゾーンの異なるセクタを網羅する。移動局送信機10周囲の典型的な散乱ゾーンは、約30〜100波長大の半径を有する円で描かれる。(非常に大きな建造物或いは山のような)その近辺の大きな反射体は、(スペクトル拡散受信機により)時間的に識別可能なマルチパス伝搬を生成する二次的な散乱ゾーンを形成し、それゆえ多数の散乱ゾーンを与えるようになる。従来の空間ダイバーシティでは、信号は空間内の異なる点において収集され、その空間内で到来するマルチパスは異なる位相で実現されている。従って1つのアンテナが打消し合う結合状態を示す場合に、他のアンテナが所望の強め合う結合状態を示す確率が高い。
【0034】
異なる放射源から放射される一連のエネルギーを識別できるほど十分に狭帯域化したビームを形成するとともに、そのビームを概ね同じ方向に配向することにより、マルチパス伝搬から生じるフェージングは大きく低減されるようになる。広開口アレイを用いる場合、種々のビーム形成器に対してアレイ重み係数を変更して、アレイ内のビームを変更することができる。狭帯域ビームがアンテナアレイにおいて形成される場合であっても、干渉が他の動作中の全加入者装置のエネルギーの和であるため、高グレージングローブ(grading lobe)はCDMAの場合に著しい問題としては考えられず、またクレージングローブが非常に狭い性質を有しているため、それらはほとんど排除される。
【0035】
ビーム幅が、散乱ゾーンの大きさに対して十分に狭い場合には、異なるマルチパス発生源の集団が各ビームに関係し、それゆえそのビームの電力/時間関数は他のビームと相関がないであろう。散乱ゾーンは典型的には5〜10°の角度にあるが、基地局からの距離及びエリアの特性のような要因に基づいて、大きさを変更することができる。5〜10°の散乱ゾーンの場合、3〜6°のビーム幅により他のビームを十分な識別できる。典型的なレイク受信機は4つのアンテナビームを受け取ることができるため、本実施例は同時に無相関の電力/時間関数処理を与える。図2及び図3に示されるようなシミュレーション結果は、この方法の有効度が現在の空間ダイバーシティ法と非常に似ていることを示す。
【0036】
小散乱ゾーン或いは遠方の加入者装置に関連する小角の広がり状態(例えば2〜3°)の場合、2〜4の狭帯域ビーム(例えば幅が3〜6°)は、散乱ゾーンを覆うために少しだけ重畳して(例えば角度が5〜10°)連続的に配列される。図2は、この配列に対する累積確率密度関数(PDF)或いは累積分布関数(CDF)を示しており、その関数は所与のシステムにより受信されたシンボル振幅の電力分布を表している。4つの曲線は種々のシステムの場合のCDFを表す。左側の実線からなる曲線50は標準的な空間ダイバーシティを用いるシステムのものであり、破線からなる曲線51は散乱ゾーンの中央部に配向された1つのビームを用いるシステムを表し、一点鎖線からなる曲線52は、マルチパスが変動することによりに変化するAOAを迅速に追跡する1つのビームを用いるシステムを表し、右側の実線からなる曲線53は本実施例のマルチビーム配列を用いるシステムを表す。CDF曲線の形状からわかるように、マルチビーム配列の有効度は、非常に高い処理電力を必要とし、標準的な空間ダイバーシティである1つの追跡ビームの有効度と類似である。ただし横軸は相対利得を表しており、種々のタイプ並びにまた数のアンテナ素子等を用いる場合には変更することができる。
【0037】
角度の広がりが大きくなる場合、ビーム間の角度の分離度も大きくなり、それによりビーム幅も拡大する。しかしながらビームの数は同じままである。ビーム角は、異なる散乱ゾーンのセクタをサンプリングするために広げられる。さらに、ビーム幅も大きくなるが、アンテナアレイの大きさにより制限される。図3は、図2と同じシステムを用いるが、より広い角度の広がり(10°)を有するCDFを表しており、角度の広がりが大きくなる(大部分は移動局と基地局との間の距離が小さいことによる)と、マルチビーム配列を用いるフェージング軽減の有効度も大きくなる。その散乱ゾーン視認角の広がりに対応して角度の広がりが大きくなる場合、各ビームをより広く離れたエリアを網羅するように配向できるため、ビーム出力間の相関は低くなる。ビーム出力間の相関は低くなるため、ダイバーシティ効果或いはフェージング軽減に関して改善が見られる。上記議論は「Mobile Cellular Telecommunications」(William C.Y. Lee著)に記載されている。
【0038】
上記及び以下に詳細に記載される到来角/時間の推定は、1つの散乱ゾーン及び多数の散乱ゾーンの両方を取り扱うことができる。角度の広がりは、到来角のサンプルのヒストグラム処理により即時に判定することができる。大きな散乱ゾーンによりフェージングが生じる場合、到来角度の結果(AOAサンプル)は分布の変動が大きくなる(そしてAOA結果の分散により推定することができる)。しかしながら、主なAOAはヒストグラムの重心で推定することができる。ヒストグラムの重心は、ローパスフィルタ(例えばハミング、レイズドコサイン等)を介してヒストグラムを「平滑化」し、「平滑化」されたヒストグラムの最大点を見つけることにより決定される。
【0039】
このように上記実施例では、広開口アレイの多数の狭帯域ビームの配列により、指向性アンテナアレイに対する多数のビームによりフェージングを軽減することができるが、それはビームが全散乱ゾーンを「覆い」、それゆえ無相関のマルチパス結合を与えることができないため、適度なビーム幅(例えば10°以上)ではダイバーシティが実現されないためである。
【0040】
好適な実施例はIS−95系構造を用いているが、上記プロセスは、有限アルファベット或いはトレーニングシーケンスを用いる任意の無線プロトコルで実施することができる。例えばGSMシステムでは、トレーニングシーケンスが全無線バーストにおいて利用できる。そのトレーニングシーケンスが既知であるため、受信機に到来した信号と格納されたトレーニングシーケンスとの間の相関は、上記と同じ結果を生み出すであろう(周波数誤差がシーケンス長に対して大きすぎない場合)。逆拡散器102及びFHT103は、この場合にトレーニングシーケンス相関器(コンボルバ)に置き換えられる。トレイニングシーケンスに対して1つの可能性しか存在しないため、好適な実施例においてアダマール変換器により行われるように多数の可能性に対して試みる必要はない。本発明とともに用いるためのトレーニングシーケンスを利用するシステムは本記載の後の部分においてより詳細に議論される。
【0041】
図4は空間相関器105の細部を示す。本実施例では空間相関器は独立型のユニットである。しかしながら、本ユニットと現在のIS−95レイク受信機の実施形態とが機能的に重複しているため、空間相関器はレイク受信機と一体化することができる。好適な実施例はIS−95(M相変調を利用するアップリンク)に適しているが、有限アルファベット(制限されたシンボル数)或いはトレーニングシーケンスの何れかを有する任意の信号にも同じ考えを利用することができる。既知の信号構造を用いることにより、簡単なアレイ応答ベクトルの決定が容易になり、複雑な共分散行列の計算及び解析を行う必要がない。それゆえこのアプローチはGSM及びTDMA無線インタフェースにも利用することができる。
【0042】
信号行列Bの列(すなわちFHTからの空間応答ベクトル)はマルチプレクサ(MUX)206を通り、その後ランダムアクセスメモリ(RAM)203に格納されているアレイ較正行列Aの列と相関をとられる。理論的には、相関プロセスは、較正或いはアレイ多様体行列Aの共役転置行列(エルミート行列)を信号行列Bと掛け合わせることにより実行される。その結果が相関行列C=AHBである。ただし重要なことは、全てが互いに数学的に等価であることであれば、この理論計算はこの異なる方法でも実施できることである。較正行列Aはアレイ多様体行列としても知られており、アンテナ試験範囲のアンテナアレイ応答を測定することにより生成される。Aの各列は、所定の方向の組の1つにおけるアンテナアレイ応答を表す。例えばAの360列はそれぞれ、そのアレイからの360方向の1つにおけるN個のアンテナアレイ素子の応答を表すN次元のベクトルである。行列Cの計算では、これらの360個のベクトルは信号行列Bの64個の列と空間的に相関をとられ、306×64要素の行列が生成される。ここで要素i・jはi番目の角度方向においてj番目シンボルで受信した信号の相関を表す。
【0043】
好適な実施例では、いかなる乗算も用いることなく行列乗算を実施可能にする独自の簡単な較正テーブル表現を用いることにより、相関は非常に効率的に実行される。較正テーブル行列Aの複素数値化された各エントリは、実数部及び虚数部の両方がそれぞれ2ビットだけで表されるように量子化される。より詳細には、各部分は2ビット、すなわち1数値ビット及び1符号ビットにより、(0,0)=−0、(0,1)=+0、(1,0)=−1、(1,1)=+1と表される。それゆえ各複素数値化されたエントリは4ビットで表される。この簡単な量子化方式で低下した分解能は、アレイ素子数を、その時点の基地局アレイに対して約2倍まで増加することにより補償される。この簡単なビット+符号データ構造により、行列の列間のベクトル内積は、複素加算器204を用いて計算されるようになる。従来の実施形態では、ベクトル内積はN個一組の乗算器を必要とするであろう。それゆえ本発明の技術は、空間相関演算の実施形態を大幅に簡単にする。
【0044】
較正或いはアレイ多様体行列Aの複素数値化されたエントリは、温度変化、システム構成部品劣化、送受信電力の変動等の要因から予測不可能な変化を受ける送受信チャネルのアナログ部分により誤差が生じる場合もある。チャネルの位相及び振幅応答を測定することにより、受信及び送信チャネルの状態を知ることができ、それによりアレイから所与の方向におけるN個のアンテナアレイ要素の応答を表す、行列Aのエントリを補正することができる。信号チャネルの位相及び振幅応答の測定は「探査」動作、すなわちチャネルへのアナログ信号の挿入(チャネル周波数及び振幅応答に一致した特性を有する信号)及びチャネル出力における信号振幅及び位相の判定を必要とする。
【0045】
アナログ或いはTDMA基地局の場合には、探査信号の挿入は進行中のデータ伝送と干渉する場合がある。探査信号が低くなる場合には、その探査の精度が劣化するであろう。CDMA通信は、探査の精度を損なうことなく、また主要データ信号と干渉することなく、全データ流内に探査信号を「埋め込む」ことができる。データ信号が符号拡散されているため(IS−95等)、その探査信号は、変調されていないか或いは符号拡散されているかのいずれかであり、そのデータ信号に対して統計的な直交性を有している。チャネル出力の「マッチドアキュームレータ」(一致した逆拡散符号を用いる)は探査信号をコヒーレントに復号化することができ(位相及び振幅を判定するために)、一方検出器出力(位相及び振幅においてランダムに分布している)に対するデータ信号の寄与は無効にされる。測定された位相及び振幅データを用いて、アナログチャネル応答を補正して、マルチチャネル送受信システムにおける位相及び振幅不整合をなくすことができる。
【0046】
図5に示されるこの方法の一実施例では、補償回路501及び502が、N個の送信機109と送信バンク12(図1)との間に、またN個の受信機101とチャネル推定値11(図1)との間にそれぞれ接続される。補償信号源回路501は送信(TX)及び受信(RX)チャネルに挿入される探査信号を与える。補償信号源回路501の定数発生器A503は、試験送信機504に定数値Aを与え、試験送信機504に既知の振幅及びゼロ位相からなる信号を供給する。補償信号源回路501の定数発生器B505は、定数値Bを、チャネル応答評価のために選択された送信機109の1つに供給する。
【0047】
受信チャネルを補償するために、試験送信機504の出力は、周波数変換器モジュール(FCM)506を用いてRXモジュールと一致するように周波数変換される、すなわちその送信機とRXモジュールとの間の位相及び振幅差をなくす。これは、これらの値を測定し、その後行列計算中にその値を補償することにより実行することができる。FCM506は、等位相及び振幅電力デバイダ507を介して探査信号を全受信チャネルに挿入する。N個一組からなる結合器508はそれぞれ、探査信号を、受信アンテナアレイ10からの対応するアンテナ素子と結合する。その後N個の各結合器508からの信号は、ダウンコンバージョンのために関連するN個の受信機101の1つに供給され、I及びQ信号成分を有するデジタル信号を生成する。その後N個の信号の組は、図1のチャネル推定値11及び受信バンク14への入力のような受信バス上に配置することができる。
【0048】
評価時の受信した出力或いはチャネル(デジタル出力)は選択され、定数発生器A´509から生成された信号により乗算される。定数発生器A´509からの信号は定数発生器A503に等しくされ、受信したデータ信号から探査信号を復号化或いは逆拡散する。その際デジタル値(I及びQ)は補償検出器アキュームレータ510により累積される。その累積プロセス時間は、チャネル応答変動速度(非常に低いものと想定される)及びアキュームレータ510のレジスタの大きさによってのみ制限される。それゆえ累積プロセスは、評価時に受信チャネル上の信号混合物から探査信号を抽出するだけの十分に長い積分時間を与える。探査信号は、チャネルの全信号エネルギーに対して−30dBであることができる。探査信号をコヒーレントに複合化することにより、探査信号の位相及び振幅を測定して、その特定の受信チャネルの位相及び振幅応答を判定することができる。例えば、RXのI及びQサンプルは所定の積分時間に渡って直接累積される。I及びQデータは測定されたチャネルの振幅及び位相の両方を含む。
【0049】
全受信チャネルの位相及び振幅応答がわかるまで、上記手順が各受信チャネルに対して繰り返される。その後各チャネルに対するチャネル補償応答は「補償ベクトル」を形成するために結合され、補償ベクトルを用いて測定或いは操作済のデータの振幅及び位相を補正することができる。RAM203(図4)に格納された較正行列Aのエントリは、補償ベクトルの対応する行ベクトル(複素ベクトル)で行列Aの各行を割ることにより補正することができる。この動作の結果、較正行列が補正され、全受信チャネルにおける誤差が解消される。
【0050】
同様の手順を用いて送信チャネルの補償も行う。補償信号源回路501の送信チャネルセレクタ511は、送信バンク12(図1)を起点とすることができる送信用バスから送信(TX)チャネルを選択する。定数発生器B505からの定数(その定数は非常に小さくてよい)が、補償対象の選択されたチャネルからの信号に加えられる。その定数信号は、定数発生器B505が定数発生器B´512に等しくなるように、正の値と負の値との間で変動する。その後生成された信号はN個一組からなる送信機109により変換され、N個一組からなるカプラー508に送信され、さらにパワーコンバイナ513で結合される。その結合された信号はFCM506により周波数変換され、その後試験受信機514によりダウンコンバートされ、デジタルI及びQ信号成分を生成する。SNR条件を劣化させる場合もあるが、その結合により全てパッシブ部品による装置が可能となり、アンテナアレイが鉄塔の最上部(それは容易にアクセスすることができない)に位置する場合に非常に重要となる。
【0051】
試験受信機514の出力は、定数発生器B´512から生成される信号と掛け合わされる。定数発生器B´509からの信号は定数発生器B505に等しくなり、送信チャネルからの探査信号を復号化或いは逆拡散する。上記の受信チャネルの相関と同様に、送信チャネルからの位相及び振幅応答を用いて、送信係数テーブル(図示せず)からの送信係数を補正することができる。従って図5の補償システムは、基地局の送信(TX)及び受信(RX)両方の選択に関するチャネル応答を評価する。
【0052】
ここで再び図4を参照すると、タイミング発生器201は空間相関器プロセスを、基地局パイロットタイミングから導出されるウォルシュシンボル周期(すなわちアダマール変換の終了時)に同期させる。N×64個の信号行列は、ある時点で複素加算器204に列ベクトルを与えるMUX回路206にラッチされる。各ベクトルに対して、複素加算器204は較正行列Aの全ての列の1つに対するベクトルの個々の相関を実行する。較正行列データが0、1或いは−1のみであるため、そのデータを複素加算器204に用いて、その行ベクトルの各要素を無効にするか、加算するか或いは減算するかの何れかを決定する。RAMアドレス発生器202は、ラッチされた各ベクトルと較正データの列の表現を同期させるために同じタイミング発生器201により駆動される。
【0053】
アレイ素子数Nにより相関行列の次元は変更されず、それはアルファベットにおける所定のシンボル数及び所定の角度方向の数によってのみ確定される。相関行列Cは空間相関RAM207に格納され、好適な実施例では簡単なシリアルコンパレータである最大値セレクタ205により処理される。空間相関器プロセスの最終的な結果は、選択された信号部分及び関連する「内積」値(確実性要因として用いられる)に対する最も予測されるAOAである。この結果は、以下に議論する事前に設定された閾値を横切った場合にのみコントローラ106(図1)に報告される。この閾値は、必要に応じて時間毎に更新される。閾値を横切った場合には、コントローラが信号部分TOAと関連する時間オフセットを登録する。この情報を用いて、基地局からの移動局の範囲を推定する。再帰プロセスを用いてある時点で2つ以上の最大値を特定することができる。相関行列の最大値を特定した後、隣接する行列要素は無視され(隣接する要素を無視することにより「ピーク値でない」値を選択する確率を最小限にする)、別の「ピーク値」サーチを実行する。この特徴により、(現存のレイク受信機において行われるように)時間だけでは区別することができないマルチパス部分を特定することができ、わずかな時間だけ拡散されたマルチパスのビーム形成受信を可能とする。このアプローチは、基地局に近接した移動局の通信において非常に有利である。
【0054】
閾値は、長い平均周期「ウインドウ」に渡って報告された結果、すなわちI及びQを平均することにより計算される。例えばK個の報告された結果はコントローラ106で累積され、この累積された結果をKで割る。報告された結果の大部分は非時間相関要素により生成されるため、その結果は「雑音状」になり、その平均を取ることにより、チャネルの雑音レベルを良好に推定することができる。チャネル雑音は動作中の移動局数の線形関数であるため、このレベルは上記のように時間毎に更新する必要がある。
【0055】
図6は、図1のアップリンクビーム形成器112を詳細に示す。この実施例では、アップリンクビーム形成器は単独のユニットとして表される。しかしながら非常にゲート数の少ないデバイスを形成することができる「ビット+符号」計算によりチャネル推定器11にビット形成器112を組み込むことができる。N個の基地局受信機101からの信号出力は、ビーム形成のために複素加算器604に供給される。IS−95のデータ速度は約10Mサンプル/秒であるため、複素加算器604は、現行技術を用いて1ベクトルデータサンプル当たり少なくとも4回のベクトル加算を実行することができる。ビーム形成器係数は上記のようなコントローラから係数RAM603にダウンロードされる。タイミング発生器601及びアドレス発生器602により、その係数は複素加算器604に「ローテーション」することができる。その係数を図4の空間相関器と関連して上記のように用いて、複素加算のみを用いて内積を形成する。ベクトルを加算した結果は、レイク受信機モデムにその結果を伝送するためにインタフェースユニット605に供給される。他の実施例では、任意の有限アルファベット或いはトレーニングシーケンスプロトコル系モデムを用いることができる。ビット形成器112の役割は、到来信号を空間的にフィルタリングし、特定の移動局の信号部分の既知の方向から到達する信号を優先的に選択することである。他の方向からの信号は減衰され、所望の信号の受信が改善される。
【0056】
図7はダウンリンクビームの空間分布の一例を示す。IS−95が非対称的なプロトコルであり、アップリンク周波数がダウンリンク周波数と少なくとも60MHz(セルラー)だけ異なるため、ダウンリンクマネージメントはアップリンクとは全く異なる。周波数の差により、アップリンク及びダウンリンクチャネルは無相関になる。統計的には同様であるが、アップリンク及びダウンリンクのAOA及びTOAは著しく異なる場合がある。それゆえ上記のように、ダウンリンクは、アップリンクにおいて収集されたデータに基づいて統計学的にのみ推定することができる。さらにダウンリンクは、関連する移動局に対するパイロット信号の報知を必要とする。その結果、個々のダウンリンクビームは不可能であり、「移動局群」ビームのみが実現可能である。それゆえダウンリンクアプローチは、アップリンクにおいて収集されたデータにより判定される広帯域及び狭帯域ビームの組み合わせに基づく。
【0057】
従って図1を参照すると、ビーム形成情報に従った空間ビームを生成するために、送信バンク12の送信ビーム形成器117は、チャネルコントローラ120を介して空間相関器105に接続され、AOA及びTOAデータを受信する。空間ビームは、狭帯域ビーム及び重畳する広帯域ビームを含む計算した一組のビームから選択され、そのビームでは狭帯域ビームが重畳する広帯域ビームと位相に関して一致している。ビーム形成器117は、従来のデジタルビーム形成器であり、信号サンプル(スカラーI及びQ)を受け取り、その値を重みベクトルと掛け合わせてベクトルを生成する。そのベクトルの各要素は個々のアンテナに入る信号のスカラー表現を含む。ルーチング回路116及びルーチング/加算回路115はデータ切替器であり、複数の送信機から到来する信号をビーム形成器117及び送信機109にルーチングする。ビーム形状は、基地局周囲の移動局分布により確定される。ダウンリンク信号の大部分が近隣の反射体から散乱され移動局に到達する基地局近辺の適当な通信範囲を確保するために、広帯域ビームが必要とされる。システムは広帯域ビーム701を調整し、基地局に近接した移動局に対する適当な通信範囲を確保する。狭帯域ビーム702は主に「遠方の」移動局を収容するために調整される。移動局の大部分は外側の通信領域に存在しているため、狭帯域ビームが大部分の移動局にサービスを提供するものと予測される。ダウンリンクビーム数を増加することにより、ソフターハンドオフが増加し、それにより容量の増加を無効にしてしまう。それゆえダウンリンクにおけるビームの割当ては非常に注意深く行われなければならない。
【0058】
ダウンリンク容量の増加は以下の式により推定することができる。
【数1】
Figure 0004421106
【数2】
Figure 0004421106
【0059】
ここで移動局の分布が一様であり、ソフターハンドオフを含む同時の送信チャネルの最大数であるQのイルミネーション(illumination)が最大であるものと仮定する。項Q*Pは、「広角(Wide Angle)」とよばれる大きな角度広がりを有する移動局の数である。Q*P/Nは狭帯域ビーム内の広角部分であり、全てソフターハンドオフであり、従ってオーバーラップしたセクタのイルミネーションに2度加わる。
【0060】
そのビームの組み合わせの結果として、X個の移動局が加えられる、すなわちX*Pの付加的な広角タイプが加えられる場合には、Q*P/Nは、上記Q*P/Nの場合と同じ規則に従っている。
【0061】
狭帯域ビーム空間では、Q(1−P)/N+X(1−P)/N個の移動局を取得できるが、オーバーラップにより生じる何回かのハンドオフのため、ファクタ1+Bだけそのイルミネーションの値を増加しなければならない。Bは全ユーザ数に対するハンドオフ中のユーザ数の比であり、それは実験的に確定される。より外側のセルに関連する移動局が狭帯域ビームを自然に選択するため、Bは非常に小さな値のままであることが可能である。
【0062】
図8は、20%で固定されたよりソフターハンドオフ確率が20%に固定されている場合に、狭帯域ビーム数及び広い角度広がりのマルチパスの確率/10の両方に対する容量増加比のグラフである。図9は、4つの狭帯域ビームの場合の、ハンドオフ確率/10及び広い角度広がりマルチパス確率/10の関数としての容量増加比のグラフである。図10は、可変ハンドオフ比及び4つの広帯域ビームに対する広い角度広がりのマルチパスの2つの場合のグラフである。図8−図10は、非アダプティブアレイ基地局に対する容量の改善を示す。
【0063】
上記解析に従えば、1つの広帯域ビーム内に4つの狭帯域ビームがある場合に対する容量の改善は約2である。移動局分布が不均一である場合には、さらに改善することができる。図11は異なる移動局の密度分散に対して予測される容量比のグラフである。この改善では、狭帯域ビーム端が、移動局の密度のピーク値を避けるために調整される必要がある。その端部は、例えば以下の図12に対する説明に従って調整することができる。この調整機能は、ビームを変化させるとともに、過剰なハンドオフを避けるために緩やかに行わなければならない。
【0064】
図12は、ダウンリンクビーム形成判定プロセスの流れ図である。移動局空間データが収集され、ブロック1200のメモリに格納される。その後このデータを用いて、そのデータをブロック1205の二次元のヒストグラムにソートすることにより、基地局周囲の移動局分布を評価する。ヒストグラム「ピーク値」は、以下のようにブロック1210において特定される。二次元「平滑化」フィルタが雑音性ヒストグラムの「スパイク」をなくすために実行され、通常の二次元「ピークサーチ」プロセスが利用される。M個のダウンリンクビームを形成することができるシステムの場合、M個の「ピーク値」がブロック1210にソートされる。移動局が関連するパイロット信号によりブロック1215においてソートされた後、M個の最も高いヒストグラムピーク値周囲の移動局数がブロック1220においてカウントされる。移動局カウント数は、ブロック1225においてM個の各ピーク値の場合に最も近いビームのパイロットカウントと比較される。その後ブロック1230において、移動局ピークカウント値がパイロット移動局カウント値と比較される。移動局ピークカウント値がパイロット移動局カウント値に近い場合には、ブロック1200において次の空間情報の組が格納される。しかしながら移動局ピークカウント値がパイロット移動局カウント値に近くない場合には、ブロック1235において最も近いビームがそのピーク値に向けてシフトされる。その後シフトされたビームのパイロットカウント値は、ブロック1225において他の移動局カウント値と比較される。こうして閉ループのプロセスがダウンリンクビームの境界を調整し、関連する移動局数を等しくする。ビームを狭帯域化することにより、ある移動局は異なるパイロットにハンドオフすることができ、関連するパイロットに対して選択された「ピーク値」に近い移動局のみが残される。このプロセスは、過剰なハンドオフを避けるために非常に緩やかに行われる。
【0065】
図13は、アンテナアレイ多様体(或いは較正)行列Aを生成するための装置を示す。アンテナアレイ1301は、アンテナ素子の集合体を組み込んでおり、ターンテーブル1304に接続される支柱に取り付けられる。コントローラ1306はターンテーブルに要求を出し、所定の角度ステップ或いはアレイ多様体Aの角度方向数で回転させる。ネットワークアナライザ1305が送信アンテナ1302を介して特定の角度を有するRF信号を送信し、その信号がアンテナアレイ1301により受信される。アンテナアレイ1301の素子で受信された信号は、当分野で周知のように、RF切替器1303を通り測定用ネットワークアナライザ1305にルーチングされる。好適な実施例では、アンテナアレイは円形であるが、本発明は任意のアレイ形状で実施することができる。この場合に各アンテナ素子に対して収集されたRF信号は以下のように表すことができる。
【数3】
Figure 0004421106
ただしAはアレイ多様体関数を表し、kは素子数であり、θは相対的な到来速度(RF信号源に対してそのアレイを回転することにより生成される)であり、Mは円形アレイの全アンテナ素子数であり、λはRF信号の波長である。そのデータは収集され、コントローラ1306に格納される。コントローラ1306はデータ記憶ユニットも含む。
【0066】
アレイ多様体情報を用いて、広い角度広がり及び予測不可能なマルチパスを有する高速フェージング環境において空間的な相関を介してマルチパス到来角(AOA)値及び係数をより正確に判定することができる。上記のように、空間処理は、空間的な相関を介してマルチパスを到来角(AOA)値及び係数を判定するために、IS−95系CDMA信号のアレイ応答ベクトル(全アンテナアレイ素子の電気的な振幅及び位相を含む)を推定する過程を含む。その後これらの係数を用いて複数のアンテナ出力を最適に結合する(ベースバンドへのダウンコンバージョンを用いる)。従ってアレイ応答ベクトルを正確に推定する能力はCDMAシステムでは重要な目的となる。しかしながら推定の精度はフェージング速度(移動する移動局により生じるドップラーシフト)により制限されるが、それはコヒーレントなデータを収集するための時間が、フェージング速度或いはドップラー速度が増加するのに応じて減少するためである。この問題はセルラーシステムが800MHz帯から1900MHz帯以上に移る場合にはより重大であり、その場合システムにおいてフェージング或いはドップラー速度が2倍以上まで増加するようになる。
【0067】
さらに周波数分割多重(FDD)システムを用いる場合、順方向リンク(基地局から移動局への送信)及び逆方向リンク(移動局から基地局への送信)が異なる搬送波周波数或いは帯域を占めるが、時間は重複する。順方向リンク周波数と逆方向リンク周波数との間の差が2つのリンクのフェージング間の相関を低減しており、それにより空間ダイバーシティは逆方向リンクの場合にのみ用いることができ、順方向リンクでは用いることができない。すなわち順方向リンクアレイ係数に対するアレイ応答ベクトル推定は正確に判定することができない。
【0068】
アレイ応答ベクトル推定に対する種々の方法が提案されており、その内のいくつかはアンテナアレイに衝当する信号の時間及び空間構造の知識の度合いにより特徴付けられる。信号の時間構造を知るには(それは既知のトレーニングシーケンス、パイロット信号、定エンベロープ等を必要とする)、MMSE(最小平均二乗誤差)、CM(Constant Modulo)等のようなアルゴリズムを必要とし、そのアルゴリズムは「ブラインド」或いは「ハーフブラインド」推定技術と呼ばれることもある。ブラインド技術は、信号の時間構造及びアンテナアレイ多様体についの予め取得した情報を用いないが、一方ハーフブラインド技術は時間構造を利用することができる。これらのブラインド法の主な利点は、特に干渉源の数が大きい場合(典型的にはCDMAの場合)に、収束のためにかかる積分時間が長いことである。通常干渉源の数が大きい場合、特定の干渉源を無効にすることに基づいて解の有効度が低下する。さらに逆方向リンクで専用のパイロット信号を用いる場合には、逆方向リンクの容量損失を最小限にするために、パイロット信号の電力を低くする必要がある。しかしながらコヒーレントな復調の場合には、十分な基準信号品質を確保するために、低電力のパイロット信号はより長い積分時間を必要とする。また未知或いは変動する信号の到来時間(TOA)は連続的な「時間サーチ」を必要とし、それゆえ各時間推定時に遅い収束プロセスを示す。CDMAタイプのシステムの場合、信号タイミングは、復調が行われる前に再生されなければならない。それゆえサーチプロセスは一連の推定により行われ、その推定を介して、システムは基準相関シーケンスの時間を変更し、その後到来信号と相互相関している(例えばIS−95C或いはcdma2000)。マッチドフィルタにより推定が行われる場合(W−CDMA)、サンプリング点を調整する必要がある。各推定にかかる時間は迅速なサーチを可能にするために短くなければならない(その点において十分な信号対雑音比がない場合もあるため、その判定は、空間的な処理前に行うことができないものと仮定する)。
【0069】
上記種類のアルゴリズムは信号の統計的な性質を利用する。しかしながらそのアルゴリズムはそのアレイの空間的な性質(すなわちアレイ多様体)を全く利用しない。アレイ応答ベクトルは、広い角度広がり及び予測不可能なマルチパス構造を有する環境においてアレイ多様体から著しくはずれるようになるが、アレイ多様体の部分的な知識であたっても、必要なデータ積分時間を著しく低減し、計算プロセスを著しく速くすることができる。アレイ多様体情報により、異なるアンテナ出力間の関係の知識を利用する空間領域での厳密なデータ処理は、時間及び空間における同時の二次元平均処理を容易にすることができる。
【0070】
上記のように周波数分割多重(FDD)システムでは、2つのリンク間の周波数差に起因して、逆方向リンクアレイ応答ベクトルにおける係数と順方向リンクにおける理想的なアレイ応答係数との間の統計的な関係のみが存在する。それゆえ順方向リンク送信係数を判定するためには、移動局での受信電力指示のフィードバックとともに何れかの推定プロセスが実行されなければならない。初期順方向リンク推定を用いない電力フィードバック法は非常に遅いか、或いは典型的な移動局の可変のシャドウィング及び高速フェージング状態のため全く収束しない場合がある。
【0071】
しかしながらアレイ多様体の情報を有効に利用することにより、信号対干渉比(SIR)を改善するための重みベクトル係数の判定を促進することができる。従ってCDMAネットワーク容量は著しく改善されるようになる。地方、郊外及び市街地のような大部分の環境では、基地局に近接した送信源は非常に多くの広い角度のマルチパス(時間及び空間的に連続した分布を有する)を形成する。これはアレイ応答ベクトルをアレイ多様体から「遠ざける」。すなわちアレイ応答ベクトルとアレイ多様体との間のユークリッド距離を増加するであろう。しかしながら遠方の移動局は、時間及び空間的により離散した分布を与える、すなわち時間的に識別可能な信号経路がより小角の広がりを有する。大部分の加入者装置がセル周縁部に存在する(それは容量上最も大きな問題である)ため、測定されたアレイ応答ベクトルの最も近いアレイ多様体を探すことによりアレイ重み係数ベクトルを推定するアレイ多様体支援型推定(MAE)は非常に実用的になる。
【0072】
移動局が基地局に接近するに従ってアレイ多様体情報の有効性は低下するが、全セルに対してSIRは著しく改善される。
【0073】
CDMA復調器は、到来時間(TOA)サーチ機構、及びIS−95系システム(例えば Andrew J. Viterbi, CDMA Principles of Spread Spectrum Communicationsに議論される)の場合には高速アダマール変換器(FHT)に基づく複数の復調チャネル、或いは他のシステム(例えばCDMA2000、W−CDMA及びUTRAN)の場合にはPSK復調チャネルを含む。各復調チャネルは一般的に選択されたアンテナに接続され、サーチ機構により判定されたTOAに調整される。全復調チャネルの生成信号が、性能と複雑さとの釣合いを考慮して、(コヒーレント或いは非コヒーレント結合で)互いに加えられる。コヒーレント結合は、最大限に強め合う結合(重みベクトル)を確保するために、結合される全要素間の関係を判定する必要がある。非コヒーレント結合は、全ての結合された要素を二乗することにより行われ、それにより結合された要素間の位相を排除して潜在的な打消し合うような結合をなくすようにする。非コヒーレント結合は実施するのが単純かつ容易であるが効率が悪く、一方コヒーレント結合は潜在的により効率的であるが、複雑なサーチを必要とする。十分な(すなわち弁別可能な)TOA広がりが存在する場合(CDMAの場合にはそれはチップレートの逆数であり、IS−95の場合それはチップ持続時間、すなわち800msecである)、複数の復調チャネルは、大部分のセルラー基地局により用いられる標準的な空間ダイバーシティを改善することができる時間ダイバーシティを実現する。
【0074】
上記のように、複数の復調チャネルからの生成信号は、システム性能を改善するための空間処理の一部として重みベクトルを計算することにより線形に結合することができる。信号対雑音比の改善は、10*logMに達することができる。ただしMはアンテナ素子数である。
【0075】
アンテナアレイにおける有効な信号結合は、結合するために用いられる重みベクトル(係数)を推定するための能力に部分的に依存する。
【0076】
P = WT・V
ここでPは結合プロセスの結果を示すスカラー値であり、Wは重みベクトルであり、Vはアレイ応答ベクトルである。
【0077】
結合係数を高速に推定することは、ドップラー速度の逆数の4分の1より小さいチャネルコヒーレンシー時間中に重みベクトルを推定するという目標に近づくためには不可欠である。簡単なアプローチでも、フェージングチャネル内のマルチパスプロファイルを推定するためにアンテナアレイを用いて、さらビーム形成のためのデータを処理して、高速フェージング状態にあるCDMA復調プロセスを改善することができる。逆方向及び順方向リンクの両方のアレイ係数の推定においてアレイ多様体を利用することにより、CDMA復調プロセスは、フェージングチャネル内のマルチパスプロファイルを推定するためにアンテナアレイを用いて、さらビーム形成のためのデータを処理して、高速フェージング状態において改善することができる
マルチパスプロファイルは、マルチパス電力対AOA及びTOAの二次元の分布関数として定義することができる。信号がアンテナアレイ端に到達する場合に、アンテナ出力はアレイ応答ベクトルと呼ばれる1つのベクトルに収集される。信号の到来角度を進めることにより形成されるアレイ応答ベクトル(二次元或いは三次元空間にある)を収集することによりアレイ多様体が生成される。全アンテナアレイがアレイ多様体により特徴付けられる。アレイ多様体はM次元のベクトル空間内のトレースである。ただしMは上記と同様にアンテナ素子数である。
【0078】
非マルチパス状態(すなわち理想的な波形状態)の場合、アレイ応答ベクトルはアレイ多様体上の点と「接触している」、すなわちユークリッド距離がゼロである。マルチパスが存在する場合、アレイ応答ベクトルは全ての到来するマルチパス波形の線形な結合である。この場合には、アレイ応答ベクトルはアレイ多様体から「離散している」、すなわちユークリッド距離が増加している。アレイ多様体とアレイ応答ベクトルとの間の距離は、マルチパスレベル、マルチパス角度の広がり及び干渉電力の関数として統計的に増加する。干渉は熱雑音及び他の到来する送信信号を加算した和を含む。多数のランダムに分布する要素を有する場合には、アレイ多様体からアレイ応答ベクトルまでの距離はガウス分布を有するものと想定される。ガウス分布ではその平均値がアレイ多様体自体の値上にあり、その分散は上記要素に関連する。ユークリッド距離が増加すると、角度の広がりも増加する。熱雑音及び他の送信干渉が、積分及び逆拡散(CDMA)により概ね低減できるものと仮定すると、アレイ応答ベクトルとアレイ多様体との間に大きな距離を生成する主な要因は、マルチパスレベルと角度の広がりである。
【0079】
空間相関器動作は以下の演算により表すことができる。
【0080】
Ω=VH・A
ただしVはアレイ応答ベクトルであり(Hはエルミート行列を示す)、Aはアレイ多様体行列(θにより表される列を有する)である。Aの各行はアレイ多様体の1つの要素を表しており、Aの各列はアレイ多様体の1つの角度を表す。空間相関器動作の結果は、全ての所与の可能な角度(アレイ多様体指数、θ)の場合に、アレイ応答ベクトルとアレイ多様体との間の相関のレベルに対応する大きさを有する値からなるベクトルΩである。最も大きなΩ要素の大きさをソートすることは、最も適した到達可能な値(重みベクトルWがアレイ多様体上に存在する場合に理論的な最大値が発生する)を選択すること、すなわちアレイ多様体に接触する点を有することを意味する。角度の広がりがアレイビーム幅より大きい場合(アレイビーム幅は当分野では周知の問題である)、上記プロセスはレイリーフェージングを受けた信号源(その結合電力は一定である)を含む角度セクター内の移動するビームとして示すことができ、所与の時点でその最大値をサーチする。セクターが大きくなると、サンプリング母集団も大きくなり、大きな電力値を見つける確率も高くなる。
【0081】
上記全ての動作は線形であるため、到来信号の相対的な振幅及び位相の両方が保持される(選択されたθにおけるΩ)。それゆえこのプロセスは非コヒーレントな復調(例えばM相)及びコヒーレントな位相復調(すなわちPSK)方式の両方において利用することができる。パイロット支援型或いはコヒーレントな復調では、各信号経路(レイクフィンガ)の相対的な位相の推定をより高速に行うことができ、それゆえ高速フェージング環境下でより正確に行うことができるため、レイク受信機における復調効率が改善され、コヒーレントなフィンガ結合がより正確になる。
【0082】
マルチパスプロファイルを作成するために、空間処理を用いてAOA値を推定する。図14は、信号AOA値を推定するための非コヒーレントな変調信号伝送(IS−95逆方向リンク)用の2D CDMA復調器の1つの可能な実施例を示す。図14では、IS−95系システム用の多様体支援型空間復調器の1つの「フィンガ」(復調チャネル)が示される。このタイプの復調器は復調プロセスを改善するためにアレイ多様体の情報(安定した環境、すなわち散乱源のない環境において生成される)を利用する。この場合には、到来するアレイ応答ベクトルはアレイ多様体行列に対して相互相関をとられ、「拡大鏡(magnifying glass)」効果を与える。システムは空間的相関を実行後にのみ信号を「検索する」(「拡大鏡」)が、それはその場合にのみ雑音対信号比が任意の判定を行うのに十分な値となるためである。完全なMADの実施形態は、複数のMAD「フィンガ」(少なくとも2つであり、最小限の時間ダイバーシティを可能にする)を含む。記載されるMADフィンガは、時間サーチ及び復調の両方を実行することができる。
【0083】
信号のI及びQ成分はM個の素子を有するアンテナアレイから供給される。M個のアンテナアレイ素子の出力はベースバンド周波数にダウンコンバートされ、デジタル化される。その後M個の信号は、各信号が符号発生器1405からの適当なロングコード及びショートコードと掛け合わされる際に、M個の並列な相関チャネルに沿って逆拡散される(上記或いはAndrew J. Viterbi, CDMA Principles Of Spread Spectrum Communicationsに記載されている)。逆拡散後、信号は高速アダマール変換器(FHT)1410のバンクに入力される。M個のFHTの複素数値化された出力は、その後M個のマルチプレクサ1415に供給され、その出力を64個(IS−95の場合)の可能なアレイ応答ベクトル(可能なシンボル当たり)に多重化し、個別に空間相関器1420に供給される。空間相関器は、64個の対象の各アレイ応答ベクトルに対して上記の空間相関器動作を実行する。各アレイ応答ベクトルは、アレイ多様体の256個のベクトルと、上記の空間動作に従う空間相関器1420において相互相関をとられるが、ベクトルの数は他の数であってもよい。シンボル当たり必要とされる潜在的な複素乗算及び累積(MAC)動作の数(256個の可能な角度及びM=16アンテナ素子を仮定する)は、
NN=M*64*ANGLE_RANGE
=16*64*256
=262,100
これは秒当たり262,100*5000=1.311*1010MAC動作に対応しており、ここでIS−95シンボルの持続時間が200msecであるため、その速度は5000Hzである。その後、空間相関器からの推定されたAOA出力は、以下のようにさらに処理を行うために用いることができる。
【0084】
最初に述べたように、十分な数のアンテナ素子が用いられる(すなわち6以上)場合には、Ωの大きさにおいて大きく情報を損なうことなく、アレイ多様体は非常に低い分解能或いは少ないビット数で表すことができる。ビット数を低減することにより、実際に乗算器が必要ではなくなり、メモリのサイズに関する要件が小さくなるため、ASICの実施形態は簡単になり、必要な処理速度を下げることができる。それゆえ上記プロセスは中間サイズのASICにおいて実現可能になる。
【0085】
図14Aに示される別の実施例では、「最大絶対値ソータ」1425が行列Ωの最大値を選択し(AOA及びウォルシュシンボル指数)、その結果空間器相関動作を行う。それは64×256サイズの行列である(Mは64であり、多様体構成テーブルの角度ステップ数は256である)。空間相関動作は数回繰り返される(その繰返しの数は利用可能なコヒーレンシー時間、すなわち5〜10の範囲の数で割ったドップラー周期に依存する)。その結果のAOA値の集団は、多様体行列の列を確定するために平均化される。列はアレイ多様体のベクトルを表す。この列は次に到来するウォルシュシンボルの重みベクトルに対する重みベクトルとして用いられる。この「次のシンボル」は64個の可能なアレイ応答ベクトルを含む行列を生成し、それは再び各M個の値を生成するために上記の選択された重みベクトルで掛け合わされる。このプロセスの残りの部分は、Andrew J. Viterbi, CDMA Principles of Spread Spectrum Communications, at page 100, Figure 4.7.に記載されるように周知である。
【0086】
図14及び図14AのFHTは標準的な複素アキュームレータ1505の代わりに用いることができる(図14の復調器に対して図15に示される)。上記内容は、パイロット信号(或いは既知の連続的なトレーニング信号)がコヒーレントな復調のために送信される信号に埋め込まれる場合には、先に参照した米国仮特許出願第60/077,979号(名称「Capacity Enhancement for W-CDMA System」)に議論される。コヒーレントな復調器或いはAOA推定器は、「The cdma2000 ITU-R RTT Candidate Submission produced by TR45.5 (TIA)」に記載されるようなcdma2000系のシステム或いは任意の他の連続パイロット或いはトレーニングシーケンスを挿入した復調方式において実施することができる。
【0087】
逆拡散チャネルの結果は、M値のアレイ応答ベクトルを形成するために互いにグループ化され、挿入されたパイロット信号或いはトレーニングシーケンスにおいて、非コヒーレントな推定のための64個の可能なシンボルの代わりに1つの可能なシンボルに対してのみサーチが実行される。この場合、データシンボルが既知であるため、計算の負荷は非常に軽くなる。従って潜在的なMAC動作の数は、16個のアンテナ素子或いは16値のアレイ応答ベクトルの場合、
NN=M*ANGLE_RANGE=16*256=4096
である。これは、毎秒4096*計算速度=4096*10000=4.096*107MAC動作に相当する。
【0088】
図16は、一般化されたCDMA AOA/MAG(Ωの大きさ)推定器の実施例を示す。図16では、IS−95(A、B、或いはC)、CDMA2000及びW−CDMA/UTRAN提案書に適した多様体支援型空間復調器の1つの「フィンガ」(復調チャネル)が示される。この実施例では、逆拡散機構は、ITUに対するW−CDMA(NTT/DOCOMO)及びUTRAN(ETSI/SMG)提案書に準拠するようになる。その提案書はITU第3版セルラーIMT−2000イニシアチブに対応する提案書である。現在のIS−95(A及びB)標準規格に対する主な相違点は、逆方向リンクにパイロット信号が存在することである。IS−95C及びcdma2000提案書は連続パイロット信号を用いているが、一方W−CDMAは均等に配置された短いバーストのパイロット信号を用いる。逆方向リンク構造の詳細は「CDG cdma2000 and ETSI/SMG & NTT DOCOMO W-CDMA UTRAN/ARIB proposal submitted to the ITU on June 1998」に与えられており、その全体を参照して本明細書の一部としている。
【0089】
受信信号のI及びQ成分はM個の素子を有するアンテナアレイに供給される。M個のアンテナ素子出力はベースバンド周波数にダウンコンバートされ、デジタル化される。その後M個の信号は上記のようにM個の並列のチャネルに沿って逆拡散される。W−CDMAの場合、逆拡散ブロック1605は、最初の移動局のアクセス段階の場合バイパスされることができる。W−CDMAの移動局のタイミングが確立されている場合、逆拡散ブロックは逆スクランブル処理のために用いることができる。cdma2000の場合、逆拡散器1605はCDG提案書に示唆されるように用いられる(ロングコード及びショートコードを含む)。上記ITUの提案書は、逆拡散についてさらに詳細な情報を与える。
【0090】
逆拡散ブロック1605の出力における次のステージは、W−CDMA或いはIS−95の場合にはM個のマッチドフィルタ1610のバンクを備え、cdma2000の場合にはM個のアキュームレータ1610のバンクを備える。マッチドフィルタを動作させ、W−CDMA及びUTRANにより提案されるような非連続的なパイロット信号を与えることができる、すなわちUTRAN及びW−CDMAにより示唆されるように、256ビットシーケンスのためにマッチドフィルタを利用して、結合された符号をスクランブルする。マッチドフィルタは到来信号シーケンスを予め格納されていたシーケンスと相関をとる。マッチドフィルタの出力は、上記のように以下の動作を用いてアレイ多様体行列の最も適した値を確定するために、空間相関器1615に供給される。
【0091】
Ω=VH・A
信号の到来時間は変動し、追跡される必要があるということに注意されたい。マッチドフィルタがトレーニングシーケンスに対する応答を生成する時間を判定するための能力は、低い信号対雑音比条件のため制限され、繰返し推定を行う必要がある(すなわちサンプリング時間を変更する)。これは非常に高速な空間相関データを必要とする空間相関後にのみ行うことができる。
【0092】
W−CDMAの場合、新しいアレイ応答ベクトルグループが0.625msec毎に生成される。時間的に識別可能なマルチパスの場合、いくつかのアレイ応答ベクトルがこの時間フレーム内に順次生成されることができる。時間の分離はマルチパスTOAの広がりに依存する。非常にマルチパスが多い環境では、L個の識別可能なマルチパス要素(例えば、L=3)まで存在することができる。空間相関ブロック(「拡大鏡」)前にはトレーニングシーケンスの厳密なタイミング及び位相は判定できないため、インクリメント可能な時間推定を実現するマッチドフィルタ出力の時間変動サンプリングが必要とされる(時間サーチ)。この推定は空間相関プロセスを必要とし、それゆえ空間相関プロセスが移動局を捕捉するためのサーチ時間を決定する。現在の空間相関値の設計では、毎秒200,000空間相関動作まで行うことができる。高速フェージング状態の場合、時間推定のための推定更新の速度は毎秒500,000回に達することもある(最大ドップラー速度より1000倍速い)。この場合、毎秒のMAC動作の数は、16素子のアンテナ或いは16値のアレイ応答ベクトル及び256個の可能な角度の場合に4096*500000*L=20.48*108*Lである。L=3の場合には、毎秒のMAC動作の数は6.144*109である。上記低ビットカウント数のアルゴリズムを利用することにより、現在のASIC技術を用いてこの速度を非常に速くすることができる。
【0093】
cdma2000の場合、逆拡散器の出力は、M値のアレイ応答ベクトルを形成するためにアキュームレータにおいて互いにグループ化され、挿入された連続的なパイロット信号の1つの可能なシンボルに対してサーチが実行される。この時間サーチはIS−95系システムの場合のサーチと同様である。異なるTOAマルチパスを利用可能にすることは、いずれかの1つのサーチャーを利用する(同じ空間相関器を用いるか、或いは図15に示される「フィンガ」を複製する)ことにより実行することができる。図14、図14A、図15及び図16は、1つの到来時間の経路を取り扱うための機構を示す。多数の到来時間の経路を取り扱う場合には、多数のモジュールが示される。別のモジュールを加える代わりに、異なる実施例では、全回路の大きさ及びコストを削減するために共通の回路を共有できる。
【0094】
一旦、例えば図14、図14A、図15或いは図16の空間相関器から、推定したAOAデータが利用可能になれば、受信機性能を改善するためにこのデータが処理される。それは3つの部分を含む。1)十分な利得を有するビームが到来信号に向かって形成されなければならない。2)空間ダイバーシティが与えられなければならない。3)ダウンリンクビームが構成されなければならない。
【0095】
復調器(図14、図14A、図15或いは図16)からのデータはAOAヒストグラムを形成するために収集される。移動局が変化する波形を与えるため(波形は多数の散乱体からの多数の到来波形の線形結合である)、AOAサンプルの連続的な累積により、AOAヒストグラムが構築できる。このヒストグラムは、主な散乱体の方向における「ピーク値」及び送信源の角度広がりに従う分布を有するであろう。AOAヒストグラムの大きな利点は、送信が非連続的(IS−95系CDMAシステムの場合のように)であっても、そのピーク値を識別できることである。AOAヒストグラムのピーク値及び分散を決定した後、ビームはそのピーク値に関連する方向に、ヒストグラムの分散に従った幅で形成することができる。1つのAOAピーク値の場合には、そのシステムは主な方向に対してオフセットされた多数のビームを形成することができる。そのアレイが十分に大きい場合には、種々のビームから導出された信号からの電力は低い相関を有することがわかる。この相関はアレイ多様体行列の種々の列の内積から導出される。大部分のCDMAシステムがレイク結合のある実施形態を使用するという事実を利用することにより、各レイクチャネルを異なるビームに接続することができる。この配列は上記のような最初の2つの成分、すなわち利得及びダイバーシティを実現する。
【0096】
AOAヒストグラム処理の別の特徴は、上記第3の部分であるダウンリンクビームを推定できることである。FDDシステムの場合には逆方向リンクと順方向リンクの周波数間に差があるが、良好な統計的な関係が存在する。それゆえ順方向リンクビームがヒストグラム分布に従う方向及び幅で生成される。新しい世代のシステムでは、パイロット信号は順方向リンクにおいても利用することができ、それゆえシステムの主なパイロットと順方向トラフィックチャネルとの間の位相コヒーレンシーを収容するために特別な努力は必要とされない。上記のようなIS−95系システムの場合、順方向リンク上でマッチド位相ビーム合成が利用される。
【0097】
図16Aに示される別の実施例では、図16の復調器と一体化することもできる位相ローテータ1620及び内積乗算器1625がさらに空間相関器1650からの結果を処理する。IS−95C/cdma2000及びW−CDMAのいずれの場合においても、アレイ応答ベクトル(或いはアレイ応答ベクトル群)は、遅延による誤りを最小限にするためにドップラー速度(或いはその小部分)により制限されるデータを時間に渡って積分することにより生成することができる。重みベクトル及び搬送波位相(PSK)を、復調及びビーム形成のために推定する必要がある。そのための時間は、ドップラー周期の小部分に等しいコヒーレンシー周期により制限される。信号対雑音比を改善する空間相関器により、これらの値を高速に判定することができる。空間相関器の結果は、アレイ多様体較正テーブル内の最も適した列に対する指針である。その結果の相関行列Ωの最大値の指標がその指針である。最大値(空間相関器処理の一部として選択される)の位相は搬送波回転位相である。空間相関器1615から生成される、行列の最大値の要素を含むアレイ多様体行列の選択された列(W)は、列Wをシフトするために位相ローテータ1620に供給される。そのシフト動作はWにej φを掛け合わせることにより行われる。ここで位相φは空間相関器合成ベクトルΩから選択された最大値からなる変数である。
【0098】
Ω=VH・A
その後シフトされた列W´は内積乗算器1625の乗算器バンクモジュール1630に供給される。内積乗算器は加算回路1635も含んでおり、重みベクトルW´が到来信号のアレイ応答ベクトルに位相調整され、PSK(位相シフトキーイング)復調結果を最大限にしているという違いはあるが、典型的なビーム形成動作を行う。乗算器バンクモジュールはビーム形成の場合に以下の動作を実行する。
【0099】
共役(φだけシフトされたAから選択された列(W*ej φ))T*アレイ応答ベクトル
この復調プロセスの効率は、アレイ多様体較正行列選択(すなわちAOA推定)の精度、回転位相推定の精度、角度広がりの量及びSIRのような種々の要因に依存する。図17及び図18は、同じ信号フェージング条件の場合の、標準的な2素子ダイバーシティアレイと上記のMADシステムとの間の性能比較を示す。図17はランダムなフェージングにおいてQPSK(4相位相シフトキーイング)MADを用いた結果を示す。図18は図17と同じフェージング条件の同じ結果を示すが、標準的なQPSK復調器を用いている。そのシミュレーション結果は、MAD系システムの場合、平均的に約6〜8dBの改善があることを示す。
【0100】
典型的な基地局の場合、同時の移動局セッションの数は100以上に達し、それは上記の毎秒のMAC動作数に100以上を掛け合わせる必要がある。このプロセスにおけるビット数を低減するための能力は、実用的なASICの実施形態において実現可能である。音声或いはデータチャネルはそれぞれ、上記動作を実行する空間相関器を配設される。その結果が空間的に改善された復調器である、すなわち各受信シンボルに対して、そのシステムは、全アンテナポートの出力を最も良好にコヒーレントに結合するようにサーチを行う。
【0101】
この空間的に改善された変調の有効度は、移動局が基地局から離れる程大きくなるが、それは距離が離れる程マルチパスの角度広がりが小さくなり、それ故アレイ応答ベクトルがアレイ多様体に近づくためである。アレイ応答ベクトルがアレイ多様体により近づく場合、マルチパスの角度の広がりが小さくなるため、信号AOA及び大きさ推定の精度が向上する。ネットワーク内で移動局の分布が均一であるものと仮定すると、大部分の移動局はセルラーセルのより外側の領域に存在する。さらに移動局が基地局から離れる程、通信を維持するのが困難になる。遠方の加入者装置は通信を維持するのが困難であるため、遠方の加入者装置に対する解決策はより優先度の高い問題である。従って基地局付近における精度の低下及び復調器効率の低下は許容しなければならない。
【0102】
図19はトレーニングシーケンスコンボルバを示す一実施例であり、それはいくつかの無線通信の標準構成において逆拡散器102及びFHT103の代わりに用いることができる。データレジスタ1902は、受信機のI及びQ出力幅と一致したワード帯域幅を有するファイフォ(FIFO)である。I及びQサンプルは、2つの相補的なフォーマットにおいてデータレジスタ1902を介してシフトされる。XORゲートを用いて、Iの最上位ビット及びQの最上位ビットを、トレーニングシーケンスレジスタ1903に格納されたトレーニングシーケンスのビットとを比較する。その結果生成されたXOR出力は加算器1901に供給され、それを用いて、データレジスタの各I及びQサンプルを加算するか、或いは減算するかを判定する。加算器の出力は、全てのサンプルサイクルの間に更新され、振幅閾値検出器1904の閾値と比較される。その閾値より大きい場合、I及びQ値は、後に上記の空間相関器に送出される信号応答ベクトルの成分として登録される。
【0103】
図20は、サーチ及び追跡機能(角度及び時間)を含む本発明の実施例を示す。角度追跡を追加することによりシステムの能力は向上し、全時間において受信ビームを効率的に配向する。追跡器2003がマルチパス部分を追跡する間に、上記のようにサーチャー2000が新しいマルチパス部分を捕捉する。本実施例の動作原理は図1に示した実施例と同様である。図1と比較した場合の主な相違点は、追跡器2003が加わることである。N個の受信機出力は同時にビーム形成器2012に供給される。コントローラ2001はビーム形成器2012に1つのみの情報をダウンロードするのではなく、追跡されるべき各信号部分に対する2つのビーム形成情報の組をダウンロードする。2つの組は、較正行列の2つの隣接する列に対応する。これにより、ビーム形成器は2つの角度的に隣接するビーム間で連続的に「トグル」することができる。
【0104】
ビーム形成器出力は当分野で周知の「アーリ/レイトゲート(Early/late gate)」モジュール2013に供給される。「トグル式」ビーム形成器及び「アーリ/レイトゲート」を組み合せる結果、レフトビーム/アーリタイム、ライトビーム/アーリタイム、レフトビーム/レイトタイム及びレフトビーム/レイトタイムに対応する4レベル値の形式をとる。追跡器は同時に4つのマルチパス部分を追跡するように設計されるため、その結果はマルチプレクサ2015を介してコントローラに報告される。コントローラ2001はビーム形成器及び「アーリ/レイトゲート」を管理し、ビーム形成器係数を変更し、ゲートクロックを前進/遅延するにより、同一レベルより大きい全ての4値を釣り合わせる。アーリレートに関連する値を等しくすることにより時間追跡が行われている間に、ライト及びレフトに関連する結果を等しくすることにより角度追跡が行われる。本実施例により、信頼性の高い追跡を行うだけの十分な積分が確保される。サーチャーが、追跡された出力より著しく高いレベルの出力を生成するマルチパス部分を見つけた場合に、その組の係数は完全に置き換えられる。本実施例では、各チャネルがその所有するダウンリンクビーム形成器2030に割り当てられる。本実施例が動作中の各チャネルに対して個別のビームを利用可能にすることにも注目されたい。
【0105】
図21は、図20に示されるチャネル推定器/追跡器/ビーム形成器を用いる基地局の全体図を示す。アンテナアレイ2100は、図1に示すような共通の局部発振器2104により全て駆動される受信機2101の組に接続される。受信機出力は複数のチャネル推定器/追跡器/ビーム形成器2105に供給するためにデータバス2110上に配置され、それぞれがBTSチャネル素子2106に複数の信号部分を供給する。素子2106はIS−95のレイク受信機/データ送信機である。チャネル素子はチャネル推定器/追跡器/ビーム形成器にダウンリンクデータを供給しており、それが加算ユニット2107にビーム形成後のデータを供給する。加算ユニットは加算したビーム形成後のデータを、共通の局部発振器2108により駆動されるBTS送信機2109に出力する。送信機出力は送信機アンテナアレイ2111を介して放射される。
【0106】
CDMA IS−95基地局に適用する場合、ダウンリンクに関する上記実施例はさらに「パイロット」を必要とする。これは、ネットワーク制御及びネットワークパイロット割当設計において若干の変更を必要する場合がある。以下の実施例は、トラフィックチャネルが関連する移動局端で配向された狭帯域ビームを介して個別に送信される間に、広帯域ビームを介してオーバーヘッドチャネル(パイロット、呼出及び同期)を報知することによりこの要件を軽減する。このアプローチは従来のBTSのソフターハンドオフプロファイルを変更せず、それゆえネットワークアーキテクチャにおいていかなる変更も必要としない。
【0107】
この提案された装置は、当分野では周知の精細なアレイビーム合成技術により容易になる。詳細には、ビームは移動局の散乱領域において位相が一致するように構成される。ビームの係数はパイロット信号とトラフィック信号との間で同一の波形になるように計算され、それゆえ移動局において現在のIS−95のコヒーレントが復調を可能とする。この「ビーム整合」は、最小二乗平均法に基づくビーム合成を用いる場合容易になる。このアプローチにより−10dBの点まで+/−10度の位相整合が可能となり、それは移動局においてコヒーレントな復調器の性能を劣化させないだけの十分な値である。
【0108】
個々のダウンリンクビームの係数は以下のように設定される。オーバーヘッドデータ(パイロット、同期及び呼出)は固定された、比較的広帯域のビームを介して送信される。ダウンリンクトラフィックデータビームは、方位誤差(アップリンクとダウンリンクとの間の相関の欠如による)を補償するために十分な幅のマージンを有するアップリンクチャネル推定器により測定されるような方位のラインと一致するように設定される。さらに相対的に広帯域のダウンリンクトラフィックビームを用いることにより著しく容量が改善されることにも注目されたい。
【0109】
基地局への距離が近づくと、角度の広がりが大きくなるため、BTSからの推定距離に基づいて狭帯域ビーム幅が推定される。この距離は、ビーム導波器により測定されるような時間遅延から導出される。
【0110】
上記アプローチは散乱領域(種々の散乱モデルが考慮される)の統計的なプロファイルに基づくため、そのシステムには例外が存在する。最初に、割り当てられたトラフィック狭帯域ビームが必要な幅より広くなり、順方向電力制御を行う際に、アップリンクにおいて報告されるフレーム抹消レート(error erasure rate)(ビットエラーレートと類似)に基づいて徐々に狭帯域化される。フレーム抹消レートが増加する場合には、トラフィックビームはそれに応じて広帯域化される。この方式は、アップリンクの到来角度(AOA)がダウンリンクAOAと非常に異なる状況も補償するであろう。
【0111】
上記実施例は現在のCDMA通信システムに対して本発明を用いる場合を示しているが、本発明の概念はシステム容量を増加するためのワイドバンドCDMA(W−CDMA)通信システムに用いることもできる。より詳細には、W−CDMAシステムはマルチパスの到来角(AOA)及び到来時間(TOA)を推定するために広開口アレイに配列される複数のアンテナとデジタル信号処理とを用いており、それによりシステム容量を増加するために、到来信号部分に向けたマルチアンテナビームの割当て及び調整可能なダウンリンクビームの割当てを可能にする。W−CDMAの仕様はまだ明確に定義されていないが、アップリンクのパイロット信号の存在のような、効率的なアダプティブアレイアンテナ技術の実施形態を与えるために用いることができるW−CDMAに関して認められた(例えばIS−665及びJ−STD−015の一部)仕様の主要部分が既に存在する。
【0112】
W−CDMA通信システムの容量の改善を実現するために、以下の方式が提案されている。その内容は、アップリンクチャネル推定、アンテナアレイ利得を改善するアップリンクのビーム形成、空間的な指向性及びフェージングの低減(ダイバーシティによる)及びアレイ利得及び空間指向性を改善するためのダウンリンクのビーム形成であり、それらは以下に議論されるであろう。
【0113】
上記のように、信号逆拡散及び高速アダマール変換器(FHT)を用いて、IS−95系CDMA信号のアレイ応答ベクトル(全アレイ素子に対する電気的な振幅及び位相)を推定し、空間相関によりマルチパスのAOA値の判定をすることができる。しかしながら、W−CDMAシステムの場合のアップリンクにおけるパイロットの存在は、W−CDMAとIS−95系CDMAシステムとの間の基本的な相違点であり、アップリンクチャネル推定のためのAOA及びTOA値を判定するためにパイロット信号を用いてアレイ応答ベクトル及びチャネルインパルス応答(CIR)を決定することができる。図22はW−CDMAアップリンク通信チャネルの可能な実施形態を示しており、それはCDG cdma2000提案書において定義され、記載されている。その提案書は1998年6月にITUに提出されたものである。
【0114】
アップリンクにおけるパイロットデータの存在により、トレーニングシーケンスの場合のようにアレイ応答ベクトルの推定が可能となる。正規のW−CDMA受信機は、パイロットデータ列の周期を仮定することにより、その復調器を到来するW−CDMA信号と同期させる。各推定は、到来信号サンプル数kを累積する過程と、そのサンプルをパイロットサンプルの内部で生成されたレプリカ数kと掛け合わせる(すなわち到来信号と生成されたレプリカ信号との間の内積)過程とを有する。そのパイロットのレプリカシーケンスは後続の推定及び相関プロセスを繰り返すために遅延される。パイロットのレプリカが到来信号と同期する場合、その結果生じたI及びQの大きさが最大になり、「ロック」状態を示す。上記累積プロセスを継続して、正確なパイロット、それゆえ搬送波位相を確定することができる。
【0115】
到来信号に対するパイロット部分は全時間に渡って存在するため、その積分時間は、移動局の動き(ドップラーシフト)及び受信機復調器で用いられる搬送波周波数の誤差によってのみ制限される。典型的な移動局速度の場合、ドップラーシフトは100Hz未満であり、周波数誤差は通常100Hzのオーダであるため、積分時間は数msecに及ぶことができ、それは典型的にはシンボル周期よりさらに長い。この機構は上記のIS−95ダウンリンクの復調と同様である。
【0116】
上記パイロット相関プロセスを用いる場合、図23に示されるような位相推定器2300を用いて搬送波の相対的な電気的位相を推定することができる。移動局から到来する信号は、パワーデバイダ2301により2系統に分割され、直交RF信号発生器2300から生成された信号と乗算され、I及びQ信号を生成する。各信号がベースバンドフィルタリンク及びデジタル化のために、それぞれベースバンドフィルタ2303及びアナログ/デジタル(A/D)コンバータ2304を通過した後、I及びQサンプル列は乗算−累積(MAC)及びスカラー回路2305に供給される。可変遅延回路2306を備えるパイロットシーケンス発生器からの上記のような遅延したパイロット符号シーケンスはA/Dコンバータ2304からのI及びQサンプル列と乗算され、加算され、スカラー化されてアレイ応答ベクトル内の信号要素を表すSUM(I)及びSUM(Q)量を生成する。遅延したパイロット符号シーケンスが到来信号シーケンスから2チップ周期以上異なる場合には、SUM(I)及びSUM(Q)値は小さくなる(パイロットシーケンスの自己相関関数に従う)。それゆえ到来信号のTOAの予想範囲に渡ってパイロットシーケンス発生器2306からの遅延値を変更することにより、位相推定器はチャネルインパルス応答(CIR)推定器として用いることができる。
【0117】
CIRは信号マルチパスのAOA値及びTOA値を正確に判定するのに不可欠である。アップリンクにおけるパイロット信号の存在を用いて、CIRを判定することができる。上記のように、SUM(I)及びSUM(Q)出力の大きさは、到来信号と内部で生成されたパイロットレプリカシーケンスとの間の時間差に依存する。SUM(I)及びSUM(Q)の和の二乗(すなわち[SUM(I)+SUM(Q)]2)を評価してCIRを測定する間に、従来のサーチャー(レイク受信機内)が内部で生成されたパイロットシーケンスの遅延量を変更する。
【0118】
図24は、最初に示したような空間相関を利用して通常のサーチプロセスを改善するためのシステム(W−CDMA BeamDirectorTM)を示す。受信アンテナアレイのアンテナ素子からの信号は、図23の位相推定器2300のようなN個の位相推定器からなる2つのバンクにおいて処理され、SUM(I)及びSUM(Q)信号成分が生成される。N個のSUM(I)及びSUM(Q)成分の組が、空間相関器2400によりアンテナアレイ較正行列と相関をとられ、上記図4に示されるような一組の所定の方向と一組の所定のシンボルとを有するアンテナアレイで受信された信号の相関を表す相関行列を生成する。空間相関器の結果はコントローラ2401により読み込まれ、CIRデータ(大きさ及びAOAのデータの両方)を生成する。図25は到来時間の関数としてのCIRデータの一例を示す。
【0119】
コントローラ2401はCIRデータを解析し、どのTOA値が位相推定器及び空間相関器の第1のバンクを含む「ハウスコール」セクション2402により用いられるべきかを判定する。「ハウスコール」セクション2402はサーチセクション2403と非常に類似であり、位相推定器及び空間相関器からなる他のバンクを備える。しかしながら「ハウスコール」セクションは、マルチパスTOA値としてCIRデータから判定されたTOA値に留まる。この機構により到来マルチパス部分のためのAOAデータを測定する際に、成功対試行比を高めることができる。
【0120】
上記到来角度/到来時間の推定により、1つの散乱ゾーン及び多数の散乱ゾーンの両方を取り扱うことができる。角度の広がりは、到来角度のサンプルをヒストグラム処理することにより即時に判定することができる。大きな散乱ゾーンによりフェージングが生成される場合、到来角度の結果(AOAサンプル)は大きく変動しながら分布する(その変動はAOA結果の分散により推定することができる)。しかしながら主なAOAはヒストグラムの重心により推定することができる。ヒストグラムの重心は、ローパスフィルタ(例えばハミング、レイズドコサイン等)を通してヒストグラムを「平滑化」し、その「平滑化された」ヒストグラムの最大点を見つけることにより判定される。その後マルチパス散乱領域の大きさを、「平滑化された」ヒストグラムピーク値をヒストグラムデータ分布と比較することにより推定することができる。2つ以上の散乱ゾーンが存在し、それによりCIRデータに複数の「ピーク値」が生じる場合には、CIRのTOA値と関連する著しい各「ピーク値」に対して個別にヒストグラムプロセスが実行される。
【0121】
散乱ゾーンの大きさ(セクタ化された角度)とともに推定されたAOA値を用いて、アップリンクレイク受信機に信号伝送するアップリンクビーム形成器バンク2404の係数を判定する。レイク受信機数(フィンガ)は制限されるため、アップリンクビームの割当てを最適化し、レイク結合効率を最大限にする。例えば、1つのみの散乱ゾーンが特定される場合には、全ビームがその特定された散乱ゾーンを一様に覆うように配列される。多数の散乱ゾーンが特定される場合には、最初に全ての個々の散乱ゾーンが覆われ、その後残りの利用可能なビームが適用され、より支配的な散乱ゾーン内にダイバーシティを確実に与えるようにビームが割り当てられる。送信アンテナアレイに向かうダウンリンクビーム形成器2405の係数も、上記と同様にダウンリンクの原理に従ってコントローラからのCIRデータを用いて判定することができる。ビーム幅はアップリンクマルチパス分布から確定され、ビーム係数はマルチパス分布により確定されるような散乱ゾーンのイルミネーションを確保するように設定される。
【0122】
上記の種々の実施例から明らかなように、本発明はその範囲内に多くの変形例を含む。当業者には、本発明の範囲から逸脱することなく、さたに別の変更が上記実施例に加えられることも可能であることは理解されよう。従って本発明の厳密な範囲は、例示のために上記した実施例に限定されるものと見なされるべきではなく、添付の請求の範囲から決定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 基地局のシステム構造の全体図である。
【図2】 累積確率密度関数のグラフである。
【図3】 累積確率密度関数のグラフである。
【図4】 空間相関器の詳細図である。
【図5】 補償システムのブロック図である。
【図6】 アップリングビーム形成器の詳細図である。
【図7】 ダウンリンクビームの空間分布図である。
【図8】 容量増加比のグラフである。
【図9】 容量増加比のグラフである。
【図10】 容量増加比のグラフである。
【図11】 容量増加比のグラフである。
【図12】 ダウンリンクビーム形成判定プロセスの流れ図である。
【図13】 アンテナアレイ多様体(或いは較正)行列Aを生成するための装置のブロック図である。
【図14】 CDMA復調器のブロック図である。
【図14A】 CDMA復調器のブロック図である。
【図15】 CDMA復調器のブロック図である。
【図16】 CDMA復調器のブロック図である。
【図16A】 CDMA復調器のブロック図である。
【図17】 フェージング条件下でのグラフである。
【図18】 フェージング条件下でのグラフである。
【図19】 トレーニングシーケンスコンボルバのブロック図である。
【図20】 基地局のブロック図である。
【図21】 基地局のブロック図である。
【図22】 W−CDMAアップリンク系統のブロック図である。
【図23】 位相推定器のブロック図である。
【図24】 W−CDMA送受信機のブロック図である。
【図25】 CIRデータのグラフである。

Claims (37)

  1. 無線通信のための方法であって、
    所定の疑似雑音シーケンスによって元のシンボルを変調することにより得られた符号変調信号を移動局から送信する過程であって、前記元のシンボルが元の情報信号を表す、該送信過程と、
    N個のアンテナ素子から並列に受信されるN個の対応する複素数値化された信号シーケンスを基地局アンテナアレイで受信する過程と、
    前記移動局についての空間情報を取得するために前記N個の受信信号を一組の複素アレイ較正ベクトルと集合的に空間的に相関をとる過程であって、各アレイ較正ベクトルが、前記基地局に対して所定の方向に発信する較正信号に対するアンテナアレイの応答を表す、該空間相関過程と、
    対応する送信された情報信号を取得するために、前記空間情報に従って前記移動局から受信した後続の組のN個の複素数値化した信号シーケンスを空間的にフィルタリングする過程とを有することを特徴とする方法。
  2. 前記N個の組の受信信号からの信号成分の時間及び角度情報を追跡する過程をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記元のシンボルが64シンボル以下のシンボルアルファベットから選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 前記相関をとる過程が、1チップ未満の時間の広がりを有する多数の信号成分についての空間情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 前記多数の信号成分についての前記空間情報に従ってダウンリンク情報信号を空間的にフィルタリングする過程と、前記アンテナアレイから前記移動局に前記空間的にフィルタリングされたダウンリンク情報信号を送信する過程とをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 前記空間的にフィルタリングする過程が、前記移動局を計算されたビームに割り当てる過程と、前記ビームを生成する過程とを有することを特徴とする請求項に記載の方法。
  7. 前記アンテナアレイの前記N個のアンテナから受信されるシンボルの変換を計算する過程をさらに有し、前記計算が複素数値化された成分を有するN個のM次元のベクトルを生成し、Mがシンボルアルファベットの所定シンボル数であり、それにより次元MのN個の行ベクトルを含む行列Bを生成し、また前記空間的に相関をとる過程が行列積C=ABを計算する過程を含み、
    行列AのL個の各列が前記アレイに対するL個の所定の方向の1つにおける前記N個のアンテナアレイの応答を含むN次元のベクトルであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. 前記行列Aが1ビット+符号実数部及び1ビット+符号虚数部を有する複素数値化された要素を有し、それにより前記行列積計算が効率的に実行されることを特徴とする請求項に記載の方法。
  9. 前記移動局から発信した微小時間だけ離隔した信号部分のさらに別の空間方向を前記行列Cから判定する過程をさらに有することを特徴とする請求項に記載の方法。
  10. 前記受信過程が、N個のアンテナに結合されたN個の空中信号を個別に、かつ同時にデジタル化し、逆拡散し、アダマール変換する過程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  11. 前記相関をとる過程が、N個の受信した信号と1ビット+符号実数部及び1ビット+符号虚数部の形式をとる複素数値化された要素を有する前記アレイ較正テーブルの列との間のベクトルの内積を計算する過程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  12. 前記移動局を前記空間情報に基づいて計算されたダウンリンクビームに割り当てる過程をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  13. 前記計算されたビームが、異なる角度範囲からなる重畳するダウンリンクビームの動的に適応的な組の中から選択されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. 近接した移動局が広帯域ビームに割り当てられ、遠方の移動局が狭帯域ビームに割り当てられるように、前記割当てを行う過程がさらに距離の情報に基づいて行われることを特徴とする請求項12に記載の方法。
  15. N個のアンテナ素子を有するアンテナアレイ(10)と、
    N個の到来信号を生成するために前記N個のアンテナ素子に接続されるN個一組からなる受信機(101)と、前記N個の受信機(101)に接続されるN個一組からなる逆拡散器(102)であって、前記逆拡散器(102)が前記N個の到来信号から1つの移動局に対応するN個の逆拡散信号を生成する、該逆拡散器と、前記N個の逆拡散器(102)に接続されるN個一組からなるシンボル変換器(103)であって、前記変換器(103)が前記逆拡散信号から複素数値化された出力を生成する、該変換器とを備えるCDMA基地局であって、前記基地局がさらに、
    前記N個のシンボル変換器(103)に接続される空間相関器(105)であって、前記相関器(105)が前記複素数値化された出力を格納されたアレイ較正データと相関をとり、前記移動局に関連する多数の信号部分に対してビーム形成情報を生成する、該相関器と、
    前記空間相関器(105)及び前記N個の受信機(101)に接続される受信ビーム形成器(112)であって、前記受信ビーム形成器(112)が前記ビーム形成情報に従って前記N個の到来信号を空間的にフィルタリングする、該受信ビーム形成器と、
    前記受信ビーム形成器(112)に接続されるレイク受信機(113)であって、前記レイク受信機(113)が前記空間的にフィルタリングされた信号から情報信号を生成する、該レイク受信機とを備えることを特徴するCDMA基地局。
  16. 前記空間相関器(105)に接続される送信ビーム形成器(117)をさらに備え、前記送信ビーム形成器(117)が前記ビーム形成情報に従って空間ビームを生成することを特徴とする請求項15に記載の基地局。
  17. 前記空間ビームが狭帯域ビームとそれに重畳する広帯域ビームとを含む一組の計算されたビームから選択され、前記狭帯域ビームが前記重畳する広帯域ビームと位相において一致することを特徴する請求項16に記載の基地局。
  18. 前記空間相関器及び前記受信ビーム形成器に接続される追跡器をさらに備え、前記追跡器が前記多数の信号部分を追跡し、前記受信ビーム形成器の性能を最適化することを特徴とする請求項15に記載の基地局。
  19. 前記アレイ較正データがビット+符号虚数部及びビット+符号実数部として表される複素数値化されたアレイ応答要素を含むことを特徴とする請求項15に記載の基地局。
  20. パイロット信号を前記符号変調信号に符号多重化する過程をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  21. 前記パイロット信号を前記基地局により生成された遅延したパイロット信号と相関をとる過程をさらに有することを特徴とする請求項20に記載の方法。
  22. 前記相関データを用いて、到来角と到来時間のヒストグラムを形成し、所望の散乱ゾーンに配向されるアップリンクビームとダウンリンクビームとを形成する過程をさらに有することを特徴とする請求項21に記載の方法。
  23. 送信及び受信チャネル内に探査信号を挿入する過程をさらに有することを特徴とする請求項に記載の方法。
  24. 前記送信及び受信チャネルからの信号を前記探査信号と掛け合わせ、補償ベクトルを生成する過程をさらに有することを特徴とする請求項23に記載の方法。
  25. 振幅及び位相を補償するために前記補償ベクトルを用いて前記行列Aを調整する過程をさらに有することを特徴とする請求項24に記載の方法。
  26. 行列積Ω=VAを計算する過程をさらに有し、Aがアレイ多様体行列であり、Vがアレイ応答ベクトルであり、またさらに前記行列Ωのエントリを用いて到来角のヒストグラムを形成する過程を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  27. 前記ヒストグラムからのピーク情報及び分散情報を用いて、所望の幅及び方向を有するビームを形成する過程をさらに有することを特徴とする請求項26に記載の方法。
  28. より小さな角度広がりを有するより長い通信距離において前記行列Ωを使用することを特徴とする請求項26に記載の方法。
  29. 前記N個の受信信号の組が、形成されたN個の変換器出力であり、
    N個の信号シーケンスをそれぞれ疑似雑音シーケンスと同時に相関をとり、共通の前記元のシンボルの1つに対応するN個の受信したシンボルを含むN個の受信した信号を選択する過程と、
    N個の変換器出力を得るために前記N個の受信したシンボルを同時に変換する過程とを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  30. 前記空間的にフィルタリングする過程の前に前記受信過程、相関過程、変換過程及び空間相関過程を繰り返す過程をさらに有することを特徴とする請求項29に記載の方法。
  31. 前記元の情報信号からシンボルを取得するために前記空間的にフィルタリングされた後続の組を復調する過程をさらに有することを特徴とする請求項30に記載の方法。
  32. 広開口アンテナアレイ内に多数の狭帯域ビームを形成する過程をさらに有し、前記狭帯域ビームが所望の散乱ゾーンを覆うことを特徴とする請求項29に記載の方法。
  33. 前記狭帯域ビーム数が2〜4であることを特徴とする請求項32に記載の方法。
  34. 前記狭帯域ビーム幅が2〜3°の範囲にあることを特徴とする請求項32に記載の方法。
  35. 前記N個の各変換器出力が、受信したシンボルとシンボル文字の内のM個のシンボルとの間の相関を表すM個の複素数値化成分を有するベクトルを含むことを特徴とする請求項29に記載の方法。
  36. 前記較正ベクトルが1ビット+符号実数部及び1ビット+符号虚数部を有する複素数値化された成分を含み、また前記相関をとる過程が、前記較正ベクトルと前記N個の変換器出力との間のベクトル内積を加算のみを用いて計算する過程を含むことを特徴とする請求項29に記載の方法。
  37. 前記較正ベクトルが、2ビット+符号実数部及び2ビット+符号虚数部を有する複素数値化された成分を含み、前記相関をとる過程が前記較正ベクトルと前記N個の変換器出力との間のベクトル内積を加算のみを用いて計算する過程を含むことを特徴とする請求項29に記載の方法。
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