JP4420809B2 - 発熱具 - Google Patents

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Description

本発明は、被酸化性金属の酸化による発熱を利用した発熱具に関し、更に詳しくは、発熱終了後に生じる膨れが防止された発熱具に関する。
本出願人は先に、被酸化性金属の酸化発熱を利用した水蒸気発生具を提案した(特許文献1参照)。この水蒸気発生具は、水蒸気によって毛穴を開かせて顔の肌を効果的に洗浄するための美顔具や、水蒸気の吸引によって喉や鼻の粘膜を潤すスチームマスクとして好適に用いられる。この水蒸気発生具は、通気性を有する透湿性シートと、通気性を有しない非透湿性シートとを袋状に貼り合せてなる発熱体収容部内に被酸化性金属を収容した構造の面状発熱体を備えている。発熱体収容部における透湿性シートの透湿度は、前記の用途に鑑みて7000〜15000g/m2・24hという高い値に設定されており、それによって1cm2当り15分間で30mg以上という多量の水蒸気が放出されるようになっている。また数分ないし1時間程度の比較的短時間で水蒸気の発生が終了するようになっている。水蒸気発生中の前記面状発熱体は、水蒸気の発生に起因する内圧増加によってやや膨らんだ状態になるが、水蒸気の発生終了後は元の扁平な形状に戻る。従って、前記面状発熱体の膨らみについて特別な注意を払う必要はない。
内圧増加による破裂を防止することを目的とした保温具として、特許文献2に記載のものが知られている。この保温具は、外袋の内部に、ゲル状の蓄熱物質が液密に封入された内袋を封入してなるものである。外袋のシール部には、非接着部を設けて外袋の内部と外部を連通する通気部を形成している。これにより、内袋が破裂した場合に、蓄熱物質を外袋の内部に保持しつつ、膨張ガスのみが通気部を介して外部に排出されるようになっている。しかし、この保温具は水蒸気を発生するものではないので、水蒸気の発生に起因する内圧増加に関連するものではない。
国際公開WO03/103444パンフレット 特開2002−113032号公報
本発明の目的は、被酸化性金属の酸化による発熱を利用した発熱具において、発熱終了後に生ずる膨れを防止し得る発熱具を提供することにある。
本発明は、少なくとも一部に200〜2000g/m2・24hrの透湿度(JIS Z0208、40℃、90%RH)を有する通気性部位を備えた収容体内に、空気との接触により発熱可能な被酸化性金属を含む発熱材料が収容されており、
前記発熱材料は、発熱終了後の水分含量が10〜70重量%であり、
前記収容体は、通気性部位の面積が30〜600cm2であり、該収容体に、該収容体の内外を連通させる2000〜126000μm2の通気孔が設けられている発熱具を提供することにより前記目的を達成したものである。
本発明によれば、水蒸気発生後における発熱具の膨れが効果的に防止され、外観の印象が低下することが防止される。また、使用者に無用な不安感を与えることが防止される。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には本発明の発熱具の一実施形態の斜視図が示されている。図2は図1におけるII−II線断面図である。図1に示す発熱具1は扁平な矩形状であり、シート状の発熱材料としての発熱シート2及び該発熱シート2を収容する収容体3を備えている。後述するように、発熱シート2は繊維シートから構成されており、収容体3よりも一回り小さく形成されている。収容体3は扁平な袋状のものであり、複数のシート材の周縁を貼り合わせて、内部が空洞の袋状となされている。収容体3は少なくともその一部が透湿性を有する通気性部位となっている。
発熱シート2は、空気との接触により発熱可能なものである。この目的のために、発熱シート2は被酸化性金属、反応促進剤、繊維状物、電解質及び水を含んでいる。発熱シート2が空気と接触すると、該シート2に含まれている被酸化性金属の酸化反応が起こり熱が発生する。この熱によって発熱シート2に含まれている水が加熱されて所定温度の水蒸気となり、収容体3を通じて外部へ放出される。水蒸気は、収容体3のうち通気性部位から外部へ放出される。
本実施形態の発熱具1は、水蒸気の発生を伴う熱を、対象物、例えば人体に与えるために用いられる(具体的な用途については後述する)。本実施形態の発熱具1は、水蒸気発生の持続時間が長いことによって特徴付けられるものである。このような特徴を有する発熱具1は、これを人体の腰部や肩等に適用してこれらの部位を温めることで、全身の血行が促進され、末梢温度が上昇することが判明した。また加温をやめた後も数十分に亘り温度の上昇が持続することが判明した。これとは対照的に、水蒸気の発生量の少ない一般の使い捨てカイロで同部位を同温度条件で温めても前記の効果は観察されない。この理由を本発明者らが検討したところ、水蒸気の発生を伴う熱は熱伝導性が高く、人体の深部の温度を高め得ることが判明した。人体の深部の温度が高くなることで、温熱中枢が刺激され、それによって血管が拡張して血流が増加し、また末梢温度が上昇すると推定される。従って発熱具1は、これを適用した人体の部位の温度上昇や血行の改善のみならず、体全体の血行の改善や、指先等の末梢温度の上昇、冷え性の改善に効果的である。
前述の特徴を有する発熱具、即ち水蒸気発生の持続時間が長い発熱具を得るためには、主として被酸化性金属の使用量、発熱前の発熱シート2における水分含量、収容体3の通気性部位における透湿度等の値をコントロールすることが重要である。一般の使い捨てカイロは、発熱材料の組成及び収容体の構造が、積極的に水蒸気を発生させるようになっていないため、発熱材料に含まれる水分量は少ない。一方、本発明の発熱具は、水蒸気を積極的に発生させるものなので、発熱に必要な水分以外に水蒸気の原料となる水分を含んだ組成の発熱材料を有している。水分含量や透湿度等の値が適切にコントロールされた発熱具1においては、これを人体の皮膚に適用した場合、皮膚表面温度が38℃以上となる水蒸気の放出が好ましくは2時間以上、更に好ましくは5時間以上維持される。また、発熱シート2が空気と接触してから90分後の水蒸気の積算放出量が好ましくは1.4〜7.0mg/cm2、更に好ましくは2.2〜7.0mg/cm2となる(以下これを水蒸気放出特性という)。なお皮膚表面温度とは、接触型温度計、例えば熱電対によって測定された皮膚表面の温度をいう。
水蒸気放出特性における水蒸気の積算放出量は次の方法で測定される。
温度20℃、湿度40%RHとした容積54000cm3(縦30cmx横50cmx奥行き36cm)の密閉系内に、その内部に水蒸気が蒸散可能なように発熱具1を静置して発熱させる。そして、前記密閉系内の空気の湿度を湿度計で測定し、発熱開始後に発生する水蒸気の量を求める。そして90分後の積算値を積算放出量とする。
以上のような水蒸気放出特性を有する発熱具を用いて水蒸気を発生させ所定時間が経過すると、発熱具の温度が徐々に低下し、水蒸気の発生量が減少してくる。更に時間が経過すると、発熱が終了し水蒸気の発生が停止する。発熱具1をそのまま放置すると、発熱具1が徐々に膨らむ現象が観察される。この現象は、先に従来技術の項で述べた特許文献1に記載の水蒸気発生具では観察されなかった現象である。この現象の発生の原因を本発明者らが検討したところ、この現象は、短時間に多量の水蒸気が放出されるタイプの水蒸気発生具では起こらず、本発明のように長時間に亘って水蒸気が徐放されるタイプのものに特有の現象であることが判明した。また、この現象の発生の原因は、水蒸気発生の持続時間が長い発熱具を得るための主要因として先に列挙したもののうち、特に、発熱終了後に発熱シート2に残存している水分含量及び収容体3の通気性部位における透湿度に密接に関係していることが判明した。
具体的には、発熱終了後に発熱シート2に残存している水分含量が多いほど発熱具1の膨らみが顕著となる。具体的には、発熱終了後の発熱シート2の水分含量が10〜70重量%、特に20〜70重量%の場合に発熱具1の膨らみが顕著となる(20℃40%RHの環境下)。発熱終了後の発熱シート2の水分含量が10重量%未満の場合には、収容体3内に滞留する水蒸気の量が少ないので、収容体3は膨らまないか、たとえ膨らんだとしても問題にならないレベルであり、また短時間で膨らみが萎える。発熱シート2の水分含量は、発熱シート2の加熱残量から求めることができる。詳細には、発熱終了後の発熱シート2の重量と加熱残量との差を発熱終了後の発熱シート2の重量で除し、それに100を乗じた値が発熱シート2の水分含量(%)となる。加熱条件は105℃、40分間とする。加熱雰囲気は窒素ガスである。試料の重量は3〜10gとする。また、発熱終了後とは、発熱シート2の表面温度が室温または30℃以下になった時点をいう。
また、収容体3における通気性部位の透湿度(JIS Z0208、40℃、90%RH)が200〜2000g/m2・24hr、特に300〜2000g/m2・24hr、とりわけ500〜1200g/m2・24hrである場合に発熱具1の膨らみが観察される。透湿度が2000g/m2・24hr以下である場合には、収容体3内に滞留する水蒸気が十分に収容体3外へ放出されないので膨らみが生じるが、所望の温度を十分に持続させることができる。透湿度が200g/m2・24hr以上である場合には、発熱具1が膨らむが、所望の水蒸気放出特性を得ることができる。
なお、後述するように、本実施形態の収容体3における通気性部位である透湿性シート3aには通気孔6が設けられているが、該透湿性シート3aの透湿度を測定する場合には、該通気孔6の設けられていない部分を測定対象として選定する。
発熱具1が膨らむ原理は以下の通りであると本発明者らは推測している。図3(a)に示すように、容器の少なくとも一面は透湿性シートになっている。この透湿性シートを介して、気体の分圧差によりその気体が内外を移動し、圧力差を緩和する。透湿度は先に述べた通りであり、この範囲ではその緩和時間が有限の時間を有するため、次に述べる現象が生じていると考えている。水蒸気の発生が終了し室温近傍まで温度が低下した発熱具1においては、発熱シート2中に、水蒸気として揮散されなかった水分が多量に残存している。従って、収容体3内の水蒸気分圧PaH2Oは飽和水蒸気圧にほぼ等しくなっている。一方、収容体3外の水蒸気分圧PbH2Oは飽和水蒸気圧よりも低いことが通常である。水蒸気分圧とは別に、空気分圧に関しては、収容体3内の空気分圧PaAIRとPbAIRとはほぼ一致している。つまり、PaH2O>PbH2O、PaAIR≒PbAIRの状態になっている。従って、収容体3の内外での圧力を比較すると、PaH2O−PbH2Oの分だけ収容体3内の圧力の方が高くなっている。その結果、収容体3内の水蒸気分圧PaH2Oを下げる作用が働き収容体3が膨らむ。特に、収容体3外の水蒸気分圧PaH2Oが低い環境、例えば冬場など空気が乾燥している環境では、収容体3の内外での水蒸気分圧に大きな差が生じることから、収容体3の膨らみが顕著となる。
図3(b)は、この作用によって収容体3が膨らんだ状態を示している。この状態では、収容体3が膨らんだ分だけ収容体3内の水蒸気分圧PaH2Oが低下し、収容体3外の水蒸気分圧PbH2Oとほぼ一致するようになる。一方、空気分圧に関しては、収容体3が膨らんだ分だけ収容体3内の空気分圧PaAIRは低下している。収容体3外の空気分圧PbAIRに変化はない。つまり、PaH2O≒PbH2O、PaAIR<PbAIRの状態になっている。従って、収容体3の内外での空気分圧が釣り合う作用が働き、収容体3外から収容体3内に空気が取り込まれる。
図3(c)は、収容体3外から収容体3内に空気が取り込まれた状態が示されている。この状態においては、PaH2O≒PbH2O、PaAIR≒PbAIRの状態になっている。この状態は一時的なものであり長時間は持続しない。その理由は、収容体3内の発熱シート2に依然として多量の水が残存しているからである。詳細には、残存した水から水蒸気が発生して収容体3内の水蒸気分圧PaH2Oが上昇し、収容体3外の水蒸気分圧PbH2Oよりも高くなる(図3(d))。その結果、PaH2O>PbH2O、PaAIR≒PbAIRの状態、即ち図3(a)に示す状態に戻る。この状態変化が繰り返して起こり、発熱具1が限界まで膨らんでいく。
なお、発熱シート2が発熱して水蒸気が発生している最中は、収容体3内の水蒸気分圧は上昇するものの、収容体3内の酸素が酸化によって消費されてその分圧が概ねゼロになるので、収容体3内の全圧は収容体3外の全圧、即ち大気圧よりも低くなり(つまり負圧になり)、発熱体3が膨らむことはない。
以上の説明から明らかなように、水蒸気発生後の発熱具1の膨らみは、収容体3内での水蒸気分圧の大小に起因するものなので、膨らみ自体が人体へ健康上の害を及ぼすことはない。しかし、使用後に発熱具1が膨らむことで、健康上の害を及ぼすようなガス等が発生したとの無用の不安感を使用者に抱かせるおそれがある。また、発熱具1が膨らむことで外観の印象が低下するという弊害や、廃棄時に嵩張る等の環境面での問題もある。そこで、本実施形態の発熱具1においては、発熱具1がその使用後に膨らむことを防止する以下の工夫が施されている。
本実施形態の発熱具1においては、収容体3の内外を連通させる通気孔6が該収容体3に設けられている。本発明者らの検討の結果、通気孔6の大きさは極めて微小であっても膨らみ防止に十分な効果があることが判明した。具体的には、通気孔1の総面積は2000μm2(円相当直径で約50μmφ)〜126000μm2(円相当直径で約400μmφ)であれば十分であり、好ましくは8000μm2(円相当直径で約100μmφ)〜50000μm2(円相当直径で約250μmφ)、更に好ましくは9500μm2(円相当直径で約110μmφ)〜32000μm2(円相当直径で約200μmφ)である。通気孔6の面積が2000μm2以上で、126000μmφ以下であれば、通気孔6を通じての空気の流入が著しくなることはなく、発熱シート2の発熱特性及び水蒸気放出特性をコントロールできる。また、異常発熱も防止できる。更に、通気孔6を通じての粉漏れも防止できる。
本実施形態においては、通気孔6の個数は1個だが、面積の総和が前記範囲内であれば2個以上の通気孔を形成してもよい。尤も、多数の通気孔を設けた場合には1個当りの通気孔の面積が小さくなり、通気孔6を設けない場合と実質的に差異が生じない場合がある。この観点から、複数の通気孔を形成する場合、各通気孔の円相当直径は、50〜400μmΦ、特に100〜250μmΦ、とりわけ110〜200μmΦであることが好ましい。複数の通気孔を形成する場合、各通気孔の大きさは同じでもよく或いは異なっていてもよい。各通気孔の大きさが異なる場合、すべての通気孔の円相当直径が前記の範囲内であることが最も好ましいが、これに限られない。特に好ましい実施形態においては、前記の面積及び円相当直径を有する通気孔6を1個設けることが有利である。
通気孔1の面積は、例えばkeyence社製のマイクロスコープ(VH−8000)を用いて測定される。測定された面積から円相当直径が算出される。通気孔1が複数設けられている場合には、面積の総和から円相当直径を求める。
通気孔6の面積は、収容体3における透湿性を有する通気性部位の面積とも関係している。通気性部位の面積が30〜600cm2、特に40〜400cm2、とりわけ48〜250cm2である場合に、前記の範囲の面積を有する通気孔6を設けることで、発熱具1の膨らみ発生を効果的に防止できる。
前記の微小な通気孔6を形成する手段に特に制限はない。例えば、微小な孔を形成する手段として工業的に通常用いられている手段を用いることができる。そのような手段としては、例えばレーザ光の照射による穿孔や、先鋭な刃先を有する穿孔刃による穿孔、針状電極を用いた放電加工による穿孔などが挙げられる。レーザ光としてはCO2レーザ、YVO4レーザ、紫外線レーザなどを用いることができる。
図2に示すように、収容体3は、透湿性シート3aと難透湿性ないし非透湿性シート(以下、両者を総称して難透湿性シートという)3bとの周縁が互いに接合されて扁平な袋状に形成されている。つまり収容体3の一方の側が透湿性シート3aを有しており、他方の側が難透湿性シート3bを有している。透湿性シート3aは、発熱シート2から発生した水蒸気を通過させる。しかし難透湿性シート3bは水蒸気を通過させにくいか又は通過させない。つまり水蒸気は収容体3の一方の側、即ち透湿性シート3aの側からのみ外部へ放出される。
透湿性シート3aとしては、水蒸気及び空気は透過させるが水は透過させにくいフィルムが用いられる。透湿性シートとしては、炭酸カルシウムを練り込み延伸して作る微細孔型、繊維を漉くことによる抄紙型等が挙げられる。緻密性、内容物の漏れ防止性、温度制御等の理由により、微細孔型が主に用いられる。微細孔型の透湿性シートとしては、例えば微細孔を有するポリオレフィン系フィルムなどが挙げられる。なお前述した通り水蒸気は透湿性シート3aを通じて外部へ放出されることから、本実施形態の発熱具1は、透湿性シート3aの側が人体と対向するように装着される。そこで装着感を高める観点から、図1及び図2に示すように、透湿性シート3aの外面には風合いの良好なシート材料である不織布3cが配されている。従って、発熱具1の使用時には不織布3cが身体に対向することになる。透湿性シート3aと不織布3cとは、それらの周縁で接合されていても良いし、シート面内で部分的に接着されていても良い。なお、図2においては、通気孔6が設けられている透湿性シート3aが不織布3cによって覆われているが、このことは通気孔6を通じての水蒸気の流通を妨げるものとはならない。不織布3cの通気度及び透湿度は極めて高いからである。
透湿性シート3aの透湿度は先に述べた通りであり、また該シート3aの通気度は、8000〜15000s/100cm3であることが好ましく、8000〜12000s/100cm3であることが更に好ましい。通気度がこの範囲であれば、発熱具1の発熱温度を適切に制御することができ、また所望の発熱温度で所望の持続時間と適度な水蒸気量を得ることができる。なお、後述するように、本実施形態の収容体3における通気性部位である透湿性シート3aには通気孔6が設けられているが、該透湿性シート3aの通気度を測定する場合には、該通気孔6の設けられていない部分を測定対象として選定する。
一方、難透湿性シート3bとしては、水蒸気も水も透過させにくいフィルム、例えば微細孔を有しないポリオレフィン系フィルムやポリエステル系フィルムなどが用いられる。なお図2に示すように、難透湿シート3bの外面には、発熱具1の風合いを高めるために不織布3dがラミネートされている。不織布3dの外面に、必要に応じ粘着剤層(図示せず)が形成してもよい。その場合、粘着剤層は、発熱具1の使用時までは保護用の剥離紙(図示せず)によって保護しておく。
先に述べた通気孔6は、図2に示すように、透湿性シート3aに形成されていることが好ましい。この理由は次の通りである。本実施形態の発熱具1は、典型的には、透湿性シート3aの側を使用者の肌に対向させて用いられる。従って透湿性シート3aに通気孔6を設けておくことで、発熱具1の使用中に通気孔6が使用者の肌によって閉塞され、通気孔6を通じての収容体3内への空気の流入が抑制される。その結果、発熱具1の使用中における発熱シート2の発熱が安定化し、異常発熱等が起こることが防止される。それによって水蒸気の発生が安定化する。被酸化性金属を均一に発熱させるためには空気の供給を均一に行わねばならず、1箇所にでも過度に空気が流入する部位が存在すると、発熱温度の制御が不安定となり、異常発熱の原因となる。従って、本実施形態の発熱具1に設けられているような通気孔6を、透湿性を有する多孔性シートに形成することは、当該技術分野においては極力避けられてきた。
透湿性シート3aにおける通気孔6の形成位置に特に制限はないが、発熱具1の使用中に通気孔6を使用者の肌によって首尾よく閉塞させることを考慮すると、使用者の肌との密着が良好な位置、例えば透湿性シート3aの中央領域に通気孔6を形成することが好ましい。
先に述べた通り、発熱シート2は、被酸化性金属、反応促進剤、繊維状物及び電解質を含み且つ含水状態となっている。具体的には、本実施形態の発熱シート2は、被酸化性金属、反応促進剤及び繊維状物を含有する成形シートに、電解質水溶液を含有させて構成されている。本発明者らが検討したところ、これらの各種材料のうち、発熱具1の水蒸気放出特性に大きく影響する材料は、成形シートに含まれる被酸化性金属、反応促進剤及び繊維状物であることが判明した。詳細には、成形シートに含まれる被酸化性金属の量が好ましくは60〜90重量%、更に好ましくは70〜85重量%、反応促進剤の量が好ましくは5〜25重量%、更に好ましくは8〜15重量%、繊維状物の量が好ましくは5〜35重量%、更に好ましくは8〜20重量%であることが重要である。これらの材料の量が前述の範囲にあると、所望の水蒸気放出特性及び温度持続時間が期待できる。なお、後述するように、成形シートは好適には抄造によって得られるため、抄造工程における乾燥工程後の状態で5重量%以下の水分を含有する。
被酸化性金属に対する反応促進剤及び繊維状物それぞれの重量比も発熱具1の水蒸気放出特性に影響する。具体的には、発熱シート2において、被酸化性金属に対する反応促進剤の重量比は好ましくは0.08〜0.3であり、更に好ましくは0.09〜0.25である。また被酸化性金属に対する繊維状物の重量比は好ましくは0.08〜0.3であり、更に好ましくは0.09〜0.29である。これらの範囲内であれば、皮膚表面温度を38℃以上に向上させ且つ所望の水蒸気発生量を得ることが容易であり、発熱具1を収納したピロー袋を開封した後、目的とする温度への到達時間が短く、適度な温度の水蒸気を3時間以上提供することが容易となる。
発熱具1の水蒸気放出特性に影響する他の重要な要因としては、発熱シート2における電解質水溶液の濃度及び電解質水溶液の添加量が挙げられる。詳細には、発熱シート2における電解質水溶液の濃度は好ましくは1〜15重量%、更に好ましくは2〜10重量%である。電解質水溶液の濃度がこの範囲であれば、経済的に所望とする温度を得ることができる。また電解質水溶液は、成形シート100重量部に対して好ましくは30〜80重量部、更に好ましくは40〜70重量部添加される。この範囲であれば、所望とする温度の持続が達成され且つ水蒸気発生量が得られる。
発熱シート2に含まれる各材料の詳細について説明すると、被酸化性金属としては例えば、鉄、アルミニウム、亜鉛、マンガン、マグネシウム、カルシウム等の粉末や繊維が挙げられる。これらの中でも取り扱い性、安全性、製造コストの点から鉄粉が好ましく用いられる。被酸化性金属が粉末である場合その粒径は0.1〜300μmであることが、繊維状物への定着性、反応のコントロールが良好なことから好ましい。同様の理由により、粒径が0.1〜150μmものを50重量%以上含有するものを用いることも好ましい。
反応促進剤としては、水分保持剤として作用する他に、被酸化性金属への酸素保持/供給剤としての機能も有しているものを用いることが好ましい。例えば活性炭(椰子殻炭、木炭粉、暦青炭、泥炭、亜炭)、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛、ゼオライト、パーライト、バーミキュライト、シリカ等が挙げられる。これらの中でも保水能、酸素供給能、触媒能を有する点から活性炭が好ましく用いられる。反応促進剤の粒径は0.1〜500μmであることが、被酸化性金属と効果的に接触し得る点から好ましい。同様の理由により、0.1〜200μmのものを50重量%以上含有するものを用いることも好ましい。
繊維状物としては、天然又は合成の繊維状物を特に制限無く用いることができる。天然繊維状物としては、例えばコットン、カボック、木材パルプ、非木材パルプ、落花生たんぱく繊維、とうもろこしたんぱく繊維、大豆たんぱく繊維、マンナン繊維、ゴム繊維、麻、マニラ麻、サイザル麻、ニュージーランド麻、羅布麻、椰子、いぐさ、麦わら等の植物繊維が挙げられる。また羊毛、やぎ毛、モヘア、カシミア、アルカパ、アンゴラ、キャメル、ビキューナ、シルク、羽毛、ダウン、フェザー、アルギン繊維、キチン繊維、ガゼイン繊維等の動物繊維が挙げられる。更に、石綿等の鉱物繊維が挙げられる。一方、合成繊維状物としては、例えばレーヨン、ビスコースレーヨン、キュプラ、アセテート、トリアセテート、酸化アセテート、プロミックス、塩化ゴム、塩酸ゴム等の半合成繊維が挙げられる。またナイロン、アラミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアクリロニトリル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン等の合成高分子繊維が挙げられる。更に金属繊維、炭素繊維、ガラス繊維等を用いることもできる。また、これらの繊維の回収再利用品を用いることもできる。これらの中でも、被酸化性金属や反応促進剤との定着性、発熱シート2の柔軟性、酸素透過性、製造コスト等の点から、木材パルプ、コットン、ポリエステルが好ましく用いられる。繊維状物はその平均繊維長が0.1〜50mm、特に0.2〜20mmであることが、発熱シート2の強度確保及び繊維状物の水分散性の点から好ましい。
繊維状物は、そのCSF(カナダ標準濾水試験方法 JIS P8121)が、600ml以下であることが好ましく、450ml以下であることがより好ましい。これによって、繊維状物と被酸化性金属との定着性が良好になり、発熱シート2の発熱性を良好にすることができる。また、後述する裂断長を後述する範囲内に調整することが容易となり、その結果、発熱シート2からの被酸化性金属の脱落や、発熱シート2の機械的強度を適度に維持することができる。繊維状物のCSFは低い程好ましい。しかし通常のパルプ繊維のみを繊維状物として用い、これを原料として抄造を行うと、繊維状物以外の成分比率が低い場合、CSFが100ml未満であると濾水性が悪くなる傾向にあり、脱水が困難となって均一な厚みの発熱シートが得られないことがある。また、乾燥時にブリスター破れが生じたりする等の成形不良が生じることがある。これに対して発熱シート2においては、繊維状物以外の成分比率が比較的高いことから、濾水性も良好で均一な厚みの発熱シート2を得ることができる。また、CSFが低い程フィブリルが多くなるため、繊維状物と該繊維状物以外の成分との定着性が良好となり、高いシート強度を得ることができる。繊維状物のCSFの調整は、叩解処理などによって行うことができる。CSFの低い繊維と高い繊維とを混ぜ合わせ、CSFの調整を行っても良い。
電解質としては、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属又は遷移金属の硫酸塩、又はハロゲン化物等が挙げられる。これらの中でも、化学的安定性、生産コストに優れる点からアルカリ金属、アルカリ土類金属又は遷移金属の塩化物が好ましく用いられ、特に塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化第一鉄、塩化第二鉄が好ましく用いられる。
発熱シート2には、必要に応じ凝集剤、サイズ剤、着色剤、紙力増強剤、歩留向上剤、填料、増粘剤、pHコントロール剤、嵩高剤等、抄紙の際に通常用いられる添加物を特に制限無く添加することもできる。
発熱シート2の製造方法に特に制限はない。発熱シートは、被酸化性金属、反応促進剤及び繊維状物を含有する成形シートに、電解質水溶液を含有させてなるものであるから、先ず被酸化性金属、反応促進剤及び繊維状物を含む成形シートを形成し、この成形シートに電解質水溶液を添加することで発熱シートが得られる。成形シートの製造には例えば本出願人の先の出願に係る特開2003−102761号公報に記載の湿式抄造法や、ダイコーターを用いたエクストルージョン法を用いることができる。特に、製造コストや生産性の点から湿式抄造法を用いることが好ましい。湿式抄造法を行う場合には、円網抄紙機、長網抄紙機、短網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機などを用いることができる。抄造に用いられるスラリーは、被酸化性金属、反応促進剤、繊維状物及び水を含むものであり、その濃度は、0.05〜10重量%、特に0.1〜2重量%であることが好ましい。
抄造によって得られた成形シートは、抄造後における形態を保つ点や、機械的強度を維持する点から、含水率(重量含水率、以下同じ。)が70%以下、特に60%以下となるまで脱水させることが好ましい。抄造後の成形シートの脱水方法は、例えば吸引による脱水のほか、加圧空気を吹き付けて脱水する方法、加圧ロールや加圧板で加圧して脱水する方法等が挙げられる。
脱水後の成形シートは加熱乾燥によって乾燥されることが好ましい。加熱乾燥温度は、60〜300℃、特に80〜250℃であることが好ましい。乾燥後における成形シートの含水率は、20%以下、特に10%以下であることがより好ましい。成形シートの脱水及び/又は乾燥は、被酸化性金属の酸化抑制の観点から不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。尤も成形シートは酸化助剤となる電解質を含有していないので、必要に応じて通常の空気雰囲気下で成形を行うこともできる。このことは製造設備を簡略化し得る点から有利である。乾燥後の成形シートは被酸化性金属、反応促進剤及び繊維状物を含むものであり、被酸化性金属を好ましくは60〜90重量%、更に好ましくは70〜85重量%含み、反応促進剤を好ましくは5〜25重量%、更に好ましくは8〜15重量%含み、繊維状物を5〜35重量%、更に好ましくは8〜20重量%含む。
このようにして得られた成形シート(つまり含水前の状態の発熱シート2)はその1枚の厚みが0.1mm〜2mm、特に0.15〜1.5mmであることが、成形シートの機械的強度を維持しつつ成形シートが柔軟になり、発熱具1が身体の適用部位へフィットしやすくなる点から好ましい。同様の理由により成形シートは、その坪量が10〜1000g/m2であることが好ましく、50〜600g/m2であることがより好ましく、100〜500g/m2であることが更に好ましい。
成形シートは、そのままの状態で複数枚を重ねて使用してもよく、或いは1枚のシートを折りたたみ、折り畳まれた複数枚の成形シートを重ねて使用してもよい。この場合、発熱具1の使用中にシート間の位置ズレが起こることを防止するために、各シートをエンボス加工によって一体化することが好ましい。またシートに、前述の孔や切り込みを施すことによっても位置ズレが起こることを防止できる。発熱具1の面積に対する成形シートの重量比は、所望の温度持続が達成でき、フィット性が良好で、また製造上の問題が起こりにくい点から、好ましくは0.03g/cm2〜0.17g/cm2であり、更に好ましくは0.06g/cm2〜0.14g/cm2である。同様の理由により、被酸化性金属の単位面積あたりの重量の比は好ましくは0.02g/cm2〜0.14g/cm2であり、更に好ましくは0.04g/cm2〜0.12g/cm2である。
このようにして得られた成形シートに電解質水溶液を含有させて発熱シート2を得る。この工程は、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。電解質水溶液を含有させるには例えば、ノズルから直接吐き出しによる方法やスプレー塗工法、刷毛等で塗工する方法、電解質水溶液に浸漬する方法、グラビアコート法、リバースコート法、ドクターブレード法等が挙げられる。電解質水溶液における電解質の濃度及び電解質の水溶液の付与量は、得られる発熱シート2における電解質の量及び水の含有量が、先に述べた範囲となるように調整される。
得られた発熱シート2を収容体3内に収納して発熱具1となす。発熱具1は酸素バリア性の材料からなる包装袋内に密封されて、最終製品である発熱具入り包装袋となされることが好ましい。発熱具1の使用に際しては、包装袋から該発熱具1を取り出すことで、該発熱具1に含まれる被酸化性金属が空気中の酸素と反応し、発熱が始まると共に水蒸気が発生する。酸素バリア性の材料としては、例えばその酸素透過係数(ASTM D3985)が10cm3・mm/(m2・d・MPa)以下、特に2cm3・mm/(m2・d・MPa)以下であるようなものが好ましい。具体的にはエチレン−ビニルアルコール共重合体やポリアクリロニトリル等が挙げられる。
本実施形態の発熱具1は例えば人体の腰部や肩に装着されて使用されることで、体全体の血行改善、疲労回復、筋肉のコリ解消等の効果が得られる。発熱具1の使用形態の一例を図4に示す。発熱具1は身体装着用のベルト状フィッター5に固定されて使用される。フィッター5の中央部には、発熱具1を収容するためのポケット(図示せず)が形成されている。一方の先端部には面ファスナなどの止着部が設けられている。止着部は他方の先端部へ止着するようになされている。発熱具1の使用に際しては、先ず発熱具1をフィッター5のポケット内に収容する。このとき、発熱具1における透湿性フィルム側、即ち通気性・透湿性を有する側が使用者の身体に向くようにする。
前記実施形態においては発熱材料として発熱シート2を用いたが、これに代えて発熱粉体を用いることもできる。発熱粉体は、発熱シート2と同様に、被酸化性金属、反応促進剤、電解質及び水を含むものである。但し、発熱シート2は、これらの成分の他に繊維状物を含むのに対して、発熱粉体は、繊維状物に代えて保水材を含んでいる。保水剤としては、吸水性ポリマー、バーミキュライト、ケイ酸カルシウム、シリカゲル、アルミナ等が挙げられる。これらの中でも、保持性が高く、また生産性に優れる点から吸水性ポリマーを用いることが好ましい。
発熱粉体は、発熱シート2と同様に、水蒸気を発生させる事を主眼としているので、高含水状態であることが適している。発熱粉体の組成は、例えば被酸化性金属が30〜80重量%、活性炭等の反応促進剤が3〜25重量%、吸水性ポリマーやバーミキュライト等の保水剤が3〜25重量%、塩化ナトリウム等の電解質が0.3〜12重量%、水が20〜60重量%である。
本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態においては、通気孔6が収容体3における透湿性シート3aに形成されていたが、安定な状態で発熱して異常発熱が起こることの防止が予期できる場合は難透湿性シート3b側に通気孔を設けてもよい。
また前記実施形態においては、収容体3が透湿性シート3aと、難透湿性シート3bとを袋状に貼り合せたものから構成されていたが、これに代えて2枚の透湿性シートの周縁を接合して袋状に形成した収容体を用いてもよい。この場合には、収容体の各面から水蒸気が発生する。
前記実施形態の発熱具は、人体の腰部や肩に装着されて使用されることが深部温度の上昇の点から好ましいが、人体におけるこれら以外の部位、例えば首、肩、背中、腹部、肘、膝等に適用してもよい。更に、顔、身体の洗浄、除菌、メイク落とし等のスキンケア用途に適用してもよい。また人体に装着させる以外に、洗浄・除菌、ワックス徐放、芳香、消臭等の諸機能剤と組み合わせ、フローリング、畳み、レンジ周り、換気扇等のハウスケア用途、車等の洗浄、ワックスかけ等のカーケア用途にも適用することができる。
以下実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例に制限されるものではない。
〔実施例1ないし4及び比較例1ないし2〕
<スラリーの配合>
・被酸化性金属:鉄粉、同和鉄粉鉱業(株)製、商品名「RKH」、150g
・繊維状物:パルプ繊維(NBKP、スキーナ(株)製、商品名「スキーナ」、平均繊維長さ=2.1mm)、30g
・反応促進剤:活性炭、日本エンバイロケミカルズ(株)製、商品名「カルボラフィン」)、20g
・凝集剤:カルボキシメチルセルロースナトリウム(第一工業薬品(株)製、商品名「セロゲン」WS−C)0.5g、及びポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(星光PMC(株)製、商品名「WS4020」)0.5g
・水:工業用水、99800g
<抄紙条件>
前記スラリーを用い、傾斜型短網小型抄紙機によって、ライン速度7m/分で抄紙して湿潤状態の成形シートを作製した。
<脱水・乾燥条件>
フェルトで挟持して加圧脱水し、そのまま120℃の加熱ロール間にライン速度7m/分で通し、含水率が5重量%以下になるまで乾燥して成形シートを得た。
<電解質水溶液添加条件>
得られた成形シートを4枚重ね合わせてから、下記電解質水溶液を所定量含浸させて発熱シートを作製した。発熱シートの水分含量及び発熱シートにおける各成分の配合割合を表1に示す。
<電解液>
電解質:精製塩(NaCl)
水:工業用水
電解液濃度:5重量%
<収容体への収容>
図1及び図2に示す矩形の収容体3を製造した。透湿性シート3aとして、ポリエチレン製の透湿性フィルム((株)興人製のTSF−EU:透湿度900g/m2・24hr、通気度10000秒/100cm3)を用いた。難透湿性シート3bとして、スパンボンド不織布(ユニチカ(株)製のエルベス、坪量30g/m2)と低密度ポリエチレンフィルム(坪量34g/m2)とのラミネートを用いた。不織布3cとして、スパンボンド不織布(ユニチカ(株)製のエルベス、坪量30g/m2)を用いた。透湿性シート3aの面積は表2に示す通りであった。透湿性シート3aの中央部に針により貫通孔を形成した。孔の数及び円相当直径は表2に示す通りであった。この収容体の中に発熱シートを収容した。これにより、図1及び図2に示す発熱具を得た。
〔性能評価〕
各実施例及び各比較例で得られた発熱具について、発熱終了後の発熱シートの水分含量を、先に述べた方法で測定した。また発熱終了後の発熱具の膨らみを、以下の方法で評価した。更に温感及び粉漏れの有無を以下の方法で評価した。これらの結果を表2に示す。
〔発熱終了後の発熱具の膨らみ〕
発熱終了後の発熱具を、20℃50%RHの環境下に4時間放置した。その後、発熱具の高さを測定した。高さが1cm未満の場合には膨れ無しと判断し、1cm以上の場合は膨れありと判断した。
〔温感〕
20℃、40%RHの環境下にて、透湿面を肌側にして10名の被験者に発熱具を60分間適用し、適用中に体全体が温まる実感を「温まる、温まらない」で聞き取った。6人以上の被験者が温まると答えた場合を○、6人以上の被験者が温まらないと答えた場合を×とした。
〔粉漏れ〕
包装袋に入ったままで10回振動させ、開孔部付近から内容物が漏れ出ているか、漏れ出ていないかを調べた。10枚の試料のうち、6枚以上の試料で内容物が漏れた場合を×、6枚以上の試料で内容物が漏れ出ていない場合を○とした。
本発明の発熱具1の一実施形態を示す斜視図である。 図1におけるII−II線断面図である。 本実施形態の発熱具が発熱終了後に膨らむ原理を説明する説明図である。 図1に示す発熱具の使用形態の一例を示す図である。 図1に示す発熱具の使用状態を示す図である。
符号の説明
1 発熱具
2 発熱シート
3 収容体
5 ベルト状フィッター
6 通気孔

Claims (7)

  1. 00〜2000g/m2・24hrの透湿度(JIS Z0208、40℃、90%RH)を有する微細孔型の透湿性シート又は抄紙型の透湿性シートからなる通気性部位を備えた収容体内に、空気との接触により発熱可能な被酸化性金属を含む発熱材料が収容されており、
    前記発熱材料は、発熱終了後の水分含量が10〜70重量%であり、
    前記収容体は、通気性部位の面積が30〜600cm2であり、該収容体に、該収容体の内外を連通させる円相当直径で50μmΦ〜400μmΦの通気孔が設けられており、その総面積が2000〜126000μm 2 である発熱具。
  2. 前記発熱材料から発生した水蒸気が前記通気性部位を通じて前記収容体の外部へ放出するようになされており、該発熱材料が空気と接触してから90分後の水蒸気の積算放出量が1.4〜7.0mg/cm2である請求項1記載の発熱具。
  3. 前記発熱材料が、被酸化性金属、反応促進剤、電解質及び水を含む発熱シート又は発熱粉体からなる請求項1又は2記載の発熱具。
  4. 前記発熱シートが、60〜90重量%の被酸化性金属、5〜25重量%の反応促進剤及び5〜35重量%の繊維状物を含む成形シートに、該成形シート100重量部に対して、1〜15重量%の電解質を含む電解質水溶液が30〜80重量部含有されて構成されている請求項3記載の発熱具。
  5. 前記収容体が、前記の透湿度を有する透湿性シート及び難透湿性ないし非透湿性シートを互いに重ね合わせ、両シートの周縁を互いに接合させて袋状に形成されたものであり、前記透湿性シートに前記通気孔が形成されている請求項1ないしの何れかに記載の発熱具。
  6. 前記収容体における前記透湿性シートの側を使用者の肌に対向させて用いられる請求項5記載の発熱具。
  7. 前記通気孔の個数が1〜3である請求項1ないし6の何れかに記載の発熱具。
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