JP4420184B2 - ガス置換包装方法及び装置 - Google Patents

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Description

この発明は、内容物が入れられたカップ、トレイ状等の容器の空間部分を不活性ガスによるガス置換をして封鎖するガス置換包装方法及び装置に関する。
従来、米飯、惣菜、麺類、飲料等の飲食品を容器に充填し封鎖して得られた包装体を常温であっても長時間に渡って保存可能とするには、包装体内部に残される酸素量を可及的に少なくして、飲食品の変質を防止することが必要である。そこで、内容物が充填された容器内のヘッドスペースに残される空気等の気体を窒素等の不活性ガスでガス置換するガス置換包装が用いられている。
ガス置換包装の一つとして、空間部を残して常温近傍の内容物が充填されたセミリジッド容器本体に、水蒸気を吹き込んで内容物の表面近傍のみを加熱し、次いで不活性ガスを吹き込んで、空間部における水蒸気と残存空気を不活性ガスで置換し、その後直ちに蓋部により容器本体を密封する密封容器の製造方法、或いは水蒸気と不活性ガスの混合気を吹き込んで内容物の表面近傍のみを加熱し、空間部における残存空気を混合気で置換し、その後直ちに蓋部により容器本体を密封する密封容器の製造方法が提案されている(特許文献1)。図3には、こうした従来のガス置換包装についてその要部の一例が示されている。チャンバ30は、内部が全体的に窒素ガスのような不活性ガス雰囲気下にあり、その前半にはスチームが噴射されるスチーム領域30aが形成されている。内容物入りの容器6は、受け台16に支持された状態で、コンベヤによってチャンバ30のスチーム領域30aに搬入される。容器6は、主としてスチームの供給を受けて、ヘッドスペース内の空気が置き換えられ、その後、窒素ガス雰囲気内を通過することによって、スチームの一部が窒素ガスに置き換えられる。チャンバ30を出た容器6は、封鎖ステーション34において、蓋材8によって開口部が覆われ、蓋材シールカット部35が蓋材8を開口部の周囲においてヒートシールして容器6を封鎖するとともに蓋材8を各容器6毎に切断する。
特開昭63−178918号公報(第3頁上左欄第9行〜第4頁上右欄第2行、図)
この密封容器の製造方法によれば、容器内の空間部は不活性ガス又は水蒸気と不活性ガスの混合気によって置換されるので、空間部に残る酸素量を微量とすることができる。また、内容物の表面のみを加熱した水蒸気は、潜熱を奪われて凝結し、水滴として内容物の表面に付着する。凝結水は不活性ガスの吹き込み後、密封までの短時間の間にも蒸発して水蒸気となり、容器の密封後、室温まで冷却される途中でこの水蒸気が凝縮して、容器内部を負圧にする。このとき、密封容器は、内容積が減少して内外の圧力バランスが釣り合う位置まで、通常、底壁や蓋部等の比較的撓みやすい部分が若干撓む。空間部の水蒸気量を比較的少なくすることで、商品価値を失うほど大きな収縮変形を生じさせないことを図っている。
充填・シール装置においては、ガス置換前にスチームを吹きかけることにより、密封して冷却した後にスチームが水滴等に凝縮することで容器内部の圧力を下げ、外気圧との圧力差によって蓋材を容器内部側に凹ませることが行われている。蓋材が凹むことにより、品質の劣化による容器の膨張がないことがアピールされる。蓋材が凹まず蓋がたるんだ状態より、凹んではいるが蓋が張った状態の方が、商品外観が良好と言える。また、内容物が米飯である場合には、米の表面がスチームによって殺菌され、かび等の菌が繁殖しにくくなる。更に、ヒートシールする前にスチームの噴射で容器を温めることにより、ヒートシールをより安定させることができる。
内容物が米飯等である場合にはスチームを大量に吹きかける必要があり、そのような場合には、スチームを吹きかけた容器を蓋材等で封鎖した後に、ヘッドスペース内を占めていたスチームが凝縮して大きな減圧を生じると、容器が大きく歪み外観を損なう等の不都合がある。また、このような容器包装体を大量に製造する製造現場ではスチームを大量に使用するので、スチームの工場内への漏れを完全に遮断することが困難であるため、工場内部が高温多湿となって細菌が繁殖しやすい環境になる。検品機が配置されている場合には、高温多湿の環境はコンピュータ機器の誤作動を引き起すおそれもある。従って、内容物入り容器へのスチームの吹きかけを実際の容器包装に適用することは、現実的には、困難であると考えられていた。更に、スチーム凝縮による容器内部の減圧により容器の封鎖前に外気が容器内に引き込まれる状況が生じると、ヘッドスペースに外気の酸素が入り酸素除去率が低下するが、この外気の容器内への引込み現象を完全に防止することが困難であるという問題もあった。
一方、容器については、従来、金属缶、ガラス瓶等の容器が使用されているが、軽量性、耐衝撃性、コスト等の観点からプラスチック製の容器が多くの用途に用いられている。金属缶やガラス瓶では容器壁を通しての酸素透過は実質的にゼロと考えてよいが、プラスチック製容器の場合には、容器壁を通じての酸素透過が無視し得ないオーダーで存在する。そのため、プラスチック製容器の容器壁を多層構造とし、特に中間層として、エチレン−ビニルアルコール共重合体等の酸素透過遮断性のある樹脂層と、酸素吸収性がある鉄系脱酸素剤が配合された樹脂層とを用いることが行われている(特許文献2参照)。しかしながら、鉄系脱酸素剤の酸素吸収性を活性化するためには水分の供給が欠かせないので、脱酸素剤配合樹脂層は、潮解性無機塩、潮解性有機化合物等の潮解性物質や、高吸水性樹脂のような吸水剤と組み合わせて用いられたり、包装装置に関連して、水分を与える特殊装置を必要とすることもある。
特開平7−309323号公報(段落[0005],[0013]〜[0018]、図1)
本発明者らは、上記の事情を考慮して、内容物入りの容器が、前記容器及び前記容器を支持する受け台が呈する横断面形状と略相似形の横断面形状を有するチャンバ内を搬送中に、前記容器内へのスチームの吹きかけとその後の不活性ガスによるガス置換を行い、前記チャンバ内を通過後に前記容器を封鎖することから成るガス置換包装方法、及び上記形状を有し前記容器が前記受け台に支持された状態で搬送手段によって内部を搬送されるチャンバ、前記チャンバに配設され前記チャンバ内を通過中の前記容器にスチームを吹きかけるスチーム噴射手段、前記チャンバにおいて前記スチーム噴射手段の後流に配設され前記チャンバ内を通過中の前記容器に不活性ガスを吹きかける不活性ガス噴射手段、及び前記チャンバの出口に続いて配設され前記容器を封鎖する封鎖手段から成るガス置換包装装置を提案している(特願2002−354366号)。
上記のガス置換包装方法及び装置によれば、チャンバからのスチームの流出や外気の侵入を防止しながら、効率的なガス置換を行うことが可能である。しかしながら、上記のチャンバは特殊形状を有しているために製作コストが高く、スチーム噴射手段、不活性ガス噴射手段、及び容器を搬送する搬送手段を組み込む必要がある等、設備コストが高くなるという問題点がある。
ガス置換包装においては、上述したような、冷却後に水蒸気の凝結による容器内部の減圧、米飯等の内容物の表面の殺菌、及び良好なヒートシールのための予備加熱等のスチームを吹きかけることにより得られる利点は捨て難い。そこで、内容物入りの容器へのスチームの吹付けに対して不活性ガスの吹付けを組み合わせることを考慮することにより、容器の空間部分へのスチームの吹きかけによる溶存酸素の低減、減圧による蓋材の外観改善と、不活性ガスによるヘッドスペース内の酸素除去とを、一層効率よく行う点で解決すべき点がある。
この発明の目的は、スチームの吹きかけによる利点を確保しながら、スチームを用いることに起因して工場内が高温多湿になることを回避し、且つ容器のヘッドスペース内の酸素除去を一層効率よく行うことを可能にするガス置換包装方法及び装置を提供することである。
上記課題を解決するため、この発明によるガス置換包装方法は、内容物入りの容器に対して、不活性ガスによるプレガス置換と、スチームの吹きかけと、不活性ガスによるガス置換とを順次行い、更にその後、前記容器に対して蓋材を密封封鎖することから成り、容器が搬送される搬送経路の上方に、上板と一対の側板からなる長手方向両端が開いたヘッダーを配置してガス置換空間を形成し、前記プレガス置換、前記スチームの吹きかけ及び前記ガス置換は、容器が前記ガス置換空間を搬送される中で行われ、前記容器の密封封鎖は前記容器が前記ガス置換空間を通過した後に行われることから成っている。
また、この発明によるガス置換包装装置は、内容物入りの容器に対して不活性ガスによるプレガス置換を行うためのプレ不活性ガス供給手段、前記プレガス置換がされた前記容器にスチームを吹きかけるスチーム噴射手段、前記スチームを吹きかけられた前記容器に対して不活性ガスによるガス置換を行うための不活性ガス供給手段、及び前記容器を蓋材で密封封鎖する封鎖手段から成り、容器が搬送される搬送経路の上方に、上板と一対の側板からなる長手方向両端が開いたヘッダーを配置してガス置換空間を形成し、前記プレ不活性ガス供給手段、前記スチーム噴射手段及び前記不活性ガス供給手段は、前記容器が搬送される前記ガス置換空間に関連して前記容器の搬送順に配設されており、前記封鎖手段は前記容器が前記ガス置換空間の出口に続いて隣接配置されていることから成っている。
このガス置換包装方法又はガス置換包装装置によれば、先ず、内容物入りの容器は、不活性ガスの環境下に置かれてプレガス置換が行われる。プレガス置換を行うことにより、容器内の酸素を含む空気は不活性ガスによって容器から追い出され容器内はその不活性ガスで置き換えられるので、容器のガス置換効率の向上に寄与することができる。プレガス置換が行われた容器にスチームが吹きかけられることにより、容器内部の気体はスチームによって置き換えられ、容器内にはスチームが充満する。内容物の表面は、高温のスチームによって殺菌される。スチームが吹きかけられた容器について、更に不活性ガスによるガス置換が行われる。スチームが吹きかけられた容器では、スチームが冷却されて一部凝縮を生じ、容器内部が減圧して外部空気を引き込む現象が生じる可能性があるが、ガス置換によってこうした外気引き込み現象を実質的に無くすことができる。容器内に充満したスチームの一部は不活性ガスで置換され、容器のヘッドスペース内の酸素除去を更に徹底させることができる。ガス置換が行われた容器は、蓋材によって密封封鎖される。スチームの吹きかけによる容器の加熱は、ヒートシールのための予備加熱として利用される。
このガス置換包装方法において、前記プレガス置換、前記スチームの吹きかけ及び前記ガス置換を前記容器がガス置換空間を搬送される中で行い、前記容器の密封封鎖を前記容器が前記ガス置換空間を通過した後に行うことが好ましい。また、このガス置換包装装置において、前記プレ不活性ガス供給手段、前記スチーム噴射手段及び前記不活性ガス供給手段を、前記容器が搬送されるガス置換空間に関連して前記容器の搬送順に配設し、前記容器の前記封鎖手段を前記ガス置換空間の出口に続いて隣接配置させることができる。
このガス置換包装方法又は装置によれば、容器を流れ方向に対して直角方向に一列に並べてガス置換空間を通すことにより、一つのガス置換空間で多数の容器の処理が可能となる。また、プレガス置換、スチームの吹きかけ及びガス置換を容器が搬送されるガス置換空間において行うことにより、ガス置換空間においてスチームを吹きかける前後において置換ガスの供給が行われることになるので、スチームが容器の搬送方向前後方向に漏れることが抑えられる。特に、スチームは、ガス置換部で供給される不活性ガスによって、容器搬出用の開口が形成されるガス置換空間の出口側に流れることが妨げられ、出口を通してスチームが外部環境に漏れるのを防止することができる。したがって、ガス置換空間からのスチーム漏れが管理しやすくなり、工場内が高温多湿になるのを防ぐことができる。スチームの吹きかけの後にガス置換を行っているので、内容物入り容器は、ガス置換空間を搬送される間に前後の二つの領域に渡って不活性ガスの雰囲気下となるので、トータルとして不活性ガスに長時間曝されることになり、特に内容物が米飯等の酸素を溶存酸素の状態で残すものである場合には、内容物内に残る酸素をより多く追い出し、溶存酸素の除去率を高めることができる。ガス置換空間の出口から漏れ出るとしてもその可能性のある気体は不活性ガスであり、スチームが漏れ出るとした場合に生じるような周囲環境を高温多湿にするということがない。また、スチーム供給量が少なくても密封後の容器が十分な減圧状態となる場合(例えば、ヘッドスペースが大きい場合など)、スチームが内容物に当たり内容物表面を加熱し、凝縮したときの体積減少分を前後から供給される不活性ガスにより補充されるため、ヘッダー下に外気を引き込むことはない。更に、ガス置換空間を出た容器はガス置換空間の出口に続いて配設されている封鎖手段によって封鎖されるが、封鎖完了までは短い時間であり、内容物表面から蒸発したスチームが容器内を満たすため、容器内気体の冷却はほとんどなくなり、過剰な減圧に起因した外気の容器内への引き込みを実質的に防止することができる。
この発明によるガス置換包装方法及び装置は、上記のように構成されているので、内容物表面の殺菌等のスチームを用いることの利点を享受しながら、プレガス置換及びスチーム吹き付け後のガス置換を行うことにより、容器内の酸素を含む空気を不活性ガスで置き換えて、容器のヘッドスペースの酸素を除去しガス置換効率の向上を果たすことができる。内容物が米飯等のように溶存酸素の状態で酸素を残すものである場合には、内容物を高温のスチームに曝すことによって酸素を外部に放出させることができるので、溶存酸素を一層低減させることが可能である。更に、容器が脱酸素剤を含む酸素吸収層を持つ場合には、高温のスチームを容器壁に当てることにより酸素吸収層に水分を供給して酸素吸収性を活性化することができる。また、容器内のスチームの一部が不活性ガスによって置換されるので、容器内に残るスチームは少量になり、そのスチームが凝縮しても、封鎖された容器内には過大な減圧が生じることはなく、適当な減圧によって封鎖後の容器の外観を保つことができる。また、容器の封鎖が蓋材等の包装材料のヒートシールで行われるときには、スチームによってヒートシールが予定されている部分が予備加熱され、良好なヒートシールを得ることができる。
プレガス置換、スチーム吹き付け、及びスチーム吹き付け後のガス置換をガス置換空間内で行う場合には、スチームの漏れに起因して周囲環境が高温多湿になることを防ぐことができる。即ち、ガス置換空間において、スチーム吹き付けの前後でプレガス置換及びガス置換を行うことにより、ガス置換空間からのスチームの漏れが管理しやすくなり、スチームが殆ど装置外に漏れないので、工場の室内環境の高湿度化を防ぐことができる。
以下、添付した図面に基づいて、この発明によるガス置換包装方法及び装置の実施例を説明する。図1はこの発明によるガス置換包装装置の側面概略図、図2は図1に示すガス置換包装装置のA−A断面図である。
図1に示すガス置換包装装置1は、容器への内容物の充填とその後の蓋材のシール工程に適用されており、ポリプロピレン等の熱溶着性又はその処理を施した合成樹脂製トレイ状容器6(一部にのみ符号を付す。以下、単に「容器6」と称す)に内容物としての米飯7(図2参照)を充填し、熱溶着性又はその処理を施した合成樹脂フィルムから成る蓋材8を容器6にヒートシールして米飯入りの容器包装体を製造する装置である。ガス置換包装装置1において、米飯7入りの容器6の内部は、窒素ガス等の不活性ガスでガス置換した状態で密封封鎖される。ガス置換包装装置1は、搬送方向で見て順に、容器移載・内容物充填ステーション2、スチームの吹きかけと置換ガスとして不活性の窒素ガスの吹きかけとを行うヘッダーステーション3、米飯7入りの容器6に蓋材8をヒートシールする封鎖ステーション4、及び蓋材8で封鎖された米飯7の包装体9を取り出す包装体取出しステーション5を備えている。
容器移載・内容物充填ステーション2は、容器6の移載部2aと、その下流側に位置し内容物である米飯7を充填する内容物充填部2bとを備えている。移載部2aにおいては図示しない容器供給機構によって容器6が受け台16(一部にのみ符号を付す)に供給される。受け台16に載せられた容器6には、内容物充填部2bにおいて内容物としての米飯7が充填される。容器移載・内容物充填ステーション2は、無菌の閉鎖空間内に形成するのが好ましい。その場合、ステーション2の内部には図示しない無菌空気供給源から無菌空気が供給されて、容器6はUVランプ(図示せず)で予め殺菌されて供給される。また、ステーション2から後続のヘッダーステーション3へのつなぎ部分は無菌を保つため、ステーション2の無菌領域がヘッダーステーション3を包含するようオーバーラップすることが好ましい。
ヘッダーステーション3は、米飯7入りの容器6にスチームと不活性ガスとしての窒素ガスとの吹きかけを行うステーションであり、上流側から順に、プレガス置換領域3a、スチーム領域3b及びガス置換領域3cが設けられている。図1ではヘッダーステーション3はコンパクトに描かれているが、プレガス置換領域3a、スチーム領域3b及びガス置換領域3cの各部ではガスに曝されて搬送される搬送区間は、ガス置換の実行のため相当の長さに設定される。ヘッダーステーション3においては、受け台16に支持された容器6が搬送される搬送経路の上方に、後述するヘッダー10が配設されている。したがって、ヘッダー10の下方には、容器6及び容器6を支持する受け台16との間において、各領域3a〜3cを包含するガス置換空間3dが形成されている。プレガス置換領域3a及びガス置換領域3cにおいては、それぞれ、ヘッダー10の上部に、例えば窒素ガスのような不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段26,28が設けられており、スチーム領域3bにおいては、ヘッダー10の上部にスチームを吹きかけるスチーム吹きかけ手段27が設けられている。なお、図示しないが、ヘッダー10には、ヘッダー10を100℃以上に加熱するヒータが備えられている。
ヘッダー10のうち、プレガス置換領域3aの入口近傍部10a、プレガス置換領域3aとスチーム領域3bとの接続部10b、スチーム領域3bとガス置換領域3cとの接続部10c、及びガス置換領域3cの出口近傍部10dには、搬送される容器6との間に形成される隙間を絞ることで、流路抵抗が大きいためスチームや窒素ガスなどのガスが通過し難い構造としたラビリンス部を形成することができる。ガス置換空間3bにおいては、プレガス置換領域3aとスチーム領域3bとの接続部10bの境界と、またスチーム領域3bとガス置換領域3cとの境界とに、それぞれ仕切りを用いることができる。なお、供給するスチーム量が少ない場合は、ラビリンス構造、仕切り等は不要である。
蓋封鎖ステーション4は、公知の構造を有するもので充分である。封鎖ステーション4は、材8が巻き取られた蓋材ロール12と、蓋材ロール12から繰り出された蓋材8を米飯7入りの容器6にヒートシールするとともに各容器6毎に蓋材8を切断する蓋材シールカット部13と、蓋材8を切断することで生じた蓋材余剰部8aを巻き取る余剰蓋材巻取り部14とを備えている。封鎖ステーション4には無菌性を保つため無菌空気を供給することができ、また、蓋材8はヒートシール前にUVランプ(図示せず)によって殺菌処理することができる。蓋材シールカット部13は、容器6が停止しているときに作動する上型のヒートブロックを備えており、前記ヒートブロックと受け台16との間に容器6と蓋材8とを挟み込んで加熱することによってヒートシールする。図示の例では、列をなす四つの容器6に対して同時に蓋材8がヒートシールされ且つ蓋材8がカットされる。蓋材8は容器6を覆う状態で容器6にヒートシールされ、米飯7の包装体9が製造される。封鎖された米飯7の包装体9は、包装体取出しステーション5において、製造ラインから取り出される。
上記の容器移載・内容物充填ステーション2、ヘッダーステーション3、封鎖ステーション4、及び包装体取出しステーション5の各ステーションは、搬送装置としてのコンベヤ15の上側走行部15dの搬送経路に沿って順に配置されている。コンベヤ15は、駆動スプロケット15a、従動スプロケット15b、及び駆動スプロケット15aと従動スプロケット15bとに巻き掛けられたチェーン15c(図2参照)から成る。図2に示すように、受け台16は、その両端部がチェーン15cに取り付けられているので、チェーン15cとともに移動し、容器6は受け台16に支持された状態で搬送される。受け台10は、その後、下側走行部15eを搬送される間に、洗浄・乾燥され、上側走行部15dに戻った位置で無菌空間ステーション2に搬入される。
ヘッダーステーション3には、図2に断面図として示すヘッダー10が配置されている。ヘッダー10は、平坦な上板20と、上板20に対して両端で固定された一対の側板21,21からなっており、全体としては長手方向両端が開いた細長い天蓋状の形状を有している。スチーム吹きかけ手段27は、各列の容器6に対応してスチームを噴出する複数の噴出口27aとして構成されているが、より容器6に接近してスチームを噴射可能なノズルとすることもできる。各列の容器6は、各噴出口27aの真下を通過するときにスチームの吹きかけを直接に受け、スチーム領域3bではスチーム環境の雰囲気下で搬送される。不活性ガス供給手段26,28は、ここでは詳細を示していないが、スチーム吹きかけ手段27と同様の構成とすることができる。ヘッダー10の前後方向は、受け台16で支持された状態の米飯7入りの容器6が搬入又は搬出される開口に形成されている。ヘッダー10自身の下方は開いているが、連なった受け台16とそれら受け台16に支持されている容器6とによって実質上閉じられている。
受け台16は、複数の容器6の本体部6aが入り込む支持孔16aが横方向に並んで形成された全体として矩形枠状の形状に形成されており、ヘッダー10下を通過可能であるとともに、ヘッダー10、側板21とともに、不活性ガス及びスチームを外気と遮断する実質的に閉鎖したガス置換空間3dを形成する。容器6は、その開口周囲に形成されているフランジ6bが受け台16に載せられることで受け台16に支持される。受け台16同士の連結部、及びヘッダー10と受け台16との間には僅かに隙間が形成されており、それらの隙間から不活性ガスやスチームが僅かに排出される。これらの気体は、図示しないが、ダクトやブロワ等を備えた適宜の回収手段によって回収可能であり、特にスチームの漏れによる周囲環境の高温多湿化を防止することができる。不活性ガスやスチームの消費量に合わせて、且つヘッダー10内を僅かに与圧に維持するために、不活性ガスとスチームの供給量が調節される。
本実施例の作動原理を説明すると、本実施例では、容器6及び容器6を支持する受け台16が、簡素な構造を有するガス置換空間3dで、スチームの吹きかけとその前後におけるガス置換とを組み合わせる点が特徴である。米飯7が充填された容器6が入口開口からヘッダー10下に搬入されると、ガス置換空間3dにおいては、先ず、プレガス置換領域3aにおいて不活性ガスである窒素ガスの供給を受けて不活性ガス雰囲気下でプレガス置換が行われ、次にスチーム領域3bにおいて容器6にはスチームが吹きかけられる。スチームの吹きかけ前において、容器6を窒素ガス雰囲気下に置くことにより、容器6内のヘッドスペース等に入り込んでいる外気が窒素ガスと置換される。米飯7入りの容器6がガス置換空間3dを走行する初期の段階でガス置換を行うことにより、酸素を含む外気を予め除くことができ、ガス置換効率を向上することができる。
プレガス置換とスチームの吹きかけが施された容器6は、その後、ヘッダー10下を搬送中にガス置換領域3cにおいて再度の窒素ガス雰囲気下に置かれる。スチームの吹きかけ後、そのままの状態でガス置換空間3dの外に出て蓋材8をヒートシールする場合には、ガス置換空間3dの出口開口を通じて搬出されてから蓋材8のヒートシールの完了までの間に、スチームの冷却が進行してスチームの一部が凝縮し、容器6内部が減圧して外部空気を引き込む現象が生じやすい。しかしながら、この実施例においては、ガス置換空間3dを出る前に再度、窒素ガスによるガス置換を行うので、容器6内で凝縮するスチーム量が少なくなって容器6内部が大きく減圧することが回避され、こうした外気引き込み現象を実質的に無くすことができる。その結果、封鎖ステーション4においては、外気の引き込みのない状態で蓋材8によって米飯7入りの容器6を封鎖することができる。また、容器6内のスチームの一部が窒素ガスに置き換わって、適度のスチームが容器6内に残るので、そのスチームが冷却に伴って凝縮することで封鎖後の容器に適度の負圧を与え、包装体9に見栄えの良い外観を確保することができる。
ガス置換空間3dにおいては、スチームを吹きかける前後のプレガス置換領域3aとガス置換領域3cとにおいて不活性ガスが供給されるので、容器の搬送方向前後におけるスチームの漏出が不活性ガスによって遮られる。また、スチーム領域3bのプレガス置換領域3aとガス置換領域3cとの接続部10b,10cに設けられているラビリンス部によって、スチームの漏れ防止効果を一層発揮させることができる。また、ガス置換空間3dの入口及び出口近傍部10a,10dでも、容器6とヘッダー10との間に形成される隙間を絞ってラビリンス部としているので、内部から窒素ガスの漏れを可及的に少なくするとするとともに、外気が内部に侵入するのも効果的に防止できる。なお、容器6の型換え(容器のサイズが変更)があるときには、装置としての変更はラビリンス部のみの変更で済むという利点がある。従って、スチームがヘッダー10の容器搬送方向前後の領域から周囲環境に漏れることを事実上、抑えることができる。更に、米飯7入りの容器6は、ガス置換空間3dを走行する間に前後二つのプレガス置換領域3aとガス置換領域3cとの領域において不活性ガスの吹きかけを受けるので、内容物は長い時間に渡って不活性ガスに曝され、溶存酸素の除去率を高めることができる。
上記、実施の態様では、ガス置換空間3dをヘッダー10とその下方を搬送される容器6及び受け台16とで形成したが、ガス置換空間は、それ以外にも、容器6が受け台16と共に内部を搬送可能とされるチャンバによって、そのチャンバ壁に囲まれる内部に形成することもできる。
表1には、ガス置換の方式と容器内ヘッドスペース残存酸素濃度(%)との関係を示すデータが示されている。ガス置換の形態は、(1)窒素ガスによるプレガス置換−スチーム吹きかけ−窒素ガスによるガス置換(23ゾーン)とした場合、(2)スチーム吹きかけ−窒素ガスによるガス置換(20ゾーン)とした場合、及び(3)生産時に窒素ガスの吹きかけのみの場合である。シール機は、いずれの場合も汎用機を用いて実験した。表1に掲げるように、(2)は、スチームの大量漏れが観測され、その分、スチームの大量供給が必要である。しかしながら、蓋や容器外観は非常に良好である。スチームを利用するので、シールの容易さが得られる。(3)は、現行でも採用されている方式であるが、スチームを使用しないので、スチーム漏れは当然に無いが、容器6の内部に適当な減圧が得られず蓋や容器外観に難点がある。また、シールの容易さも低下し、容器内ヘッドスペース残存酸素濃度も(2)の場合よりも高い。(1)は本発明による形態であるが、スチームの漏れ量は(2)の場合に比べて十分少なく、生産に影響を及ぼすことなく、容器6の内部に適当な減圧が得られるので、(2)の場合ほどではないが、十分良好な蓋や容器外観が得られる。また、(2)の場合と同様のシールの容易さが得られる。更に、容器内ヘッドスペース残存酸素濃度を、(2)の場合よりも更に低下させることができる。
Figure 0004420184
この発明によるガス置換包装装置の側面概略図である。 図1に示すガス置換包装装置のA−A断面図である。 従来のガス置換包装装置の一例を示す側面概略図である。
符号の説明
1 ガス置換包装装置 2 無菌空間ステーション
2a 移載部 2b 内容物充填部
3 ヘッダーステーション 3a プレガス置換領域
3b スチーム領域 3c ガス置換領域
3d ガス置換空間
4 封鎖ステーション 5 包装体取出しステーション
6 容器 6a 本体部 6b フランジ 7 米飯
8 蓋材 9 包装体
10 ヘッダー 10a 入口近傍部
10b,10c 接続部 10d 出口近傍部
12 蓋材ロール
13 蓋材シールカット部 15 コンベヤ
15a 駆動スプロケット 15b 従動スプロケット
15c チェーン
15d 上側走行部 15e 下側走行部
16 受け台
20 上板 21 側板
26,28 不活性ガス供給手段 27 スチーム噴射手段

Claims (2)

  1. 内容物入りの容器に対して、不活性ガスによるプレガス置換と、スチームの吹きかけと、不活性ガスによるガス置換とを順次行い、更にその後、前記容器に対して蓋材を密封封鎖することから成り、容器が搬送される搬送経路の上方に、上板と一対の側板からなる長手方向両端が開いたヘッダーを配置してガス置換空間を形成し、前記プレガス置換、前記スチームの吹きかけ及び前記ガス置換は、容器が前記ガス置換空間を搬送される中で行われ、前記容器の密封封鎖は前記容器が前記ガス置換空間を通過した後に行われることから成ることを特徴とするガス置換包装方法。
  2. 内容物入りの容器に対して不活性ガスによるプレガス置換を行うためのプレ不活性ガス供給手段、前記プレガス置換がされた前記容器にスチームを吹きかけるスチーム噴射手段、前記スチームを吹きかけられた前記容器に対して不活性ガスによるガス置換を行うための不活性ガス供給手段、及び前記容器を蓋材で密封封鎖する封鎖手段から成り、容器が搬送される搬送経路の上方に、上板と一対の側板からなる長手方向両端が開いたヘッダーを配置してガス置換空間を形成し、前記プレ不活性ガス供給手段、前記スチーム噴射手段及び前記不活性ガス供給手段は、前記容器が搬送される前記ガス置換空間に関連して前記容器の搬送順に配設されており、前記封鎖手段は前記容器が前記ガス置換空間の出口に続いて隣接配置されていることから成ることを特徴とするガス置換包装装置。
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