JP4419540B2 - 脈波検出装置 - Google Patents
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ところで、当該脈波検出装置の外部から照射された光(以降、外部光とも称す)が生体の皮膚を介して受光手段に受光される経路としては、図6(a)に示すように、皮膚表面と皮膚内部の伝播が挙げられる。このうち、皮膚表面の伝播は、遮光板と生体の皮膚との間に形成された隙間から外部光が入射し、遮光板と生体の皮膚との間で反射を繰り返しながら受光手段に到達するものである。
このようにすると、遮光板と生体の皮膚との間に形成された隙間から入射した外部光が遮光板に当たると、外部光は塗装された部分に吸収されるため、外部光が受光手段に受光されることを抑制できる。
また、遮光板の前記外側表面上には、該外側表面が鏡面でないと見做すことができる程度の凹凸が形成されているようにするとよい。
この皮膚内部の伝播を抑制するために、本発明では、脈波検出装置を生体の皮膚に固定した際に該皮膚に窪みを生じさせる複数の遮光凸部を備えるとともに、その複数の遮蔽凸部を、皮膚の内部を伝播する外部光が受光手段に到達する経路に沿って該経路を2重以上に遮るように、遮光板の外側表面上に配置している。
しかも、本発明では、皮膚内部を伝播する外部光が受光手段に到達するまでの経路上に多くの遮光凸部が配置されるので、外部光が受光手段に受光されることを更に抑制できる。
その上、本発明では、複数の遮光凸部は、互いの配置間隔がランダムになるように配置されている。よって、皮膚内部を伝播する外部光の経路上に、配置間隔が外部光の周波数の整数倍に一致していない遮光凸部が、確実に配置されるので、外部光が受光手段に受光されることを抑制できる。
また、請求項2に記載の脈波検出装置では、脈波検出装置を生体の皮膚に固定した際に皮膚に窪みを生じさせる複数の遮光凸部を、皮膚の内部を伝播する外部光が受光手段に到達する経路に沿って該経路を2重以上に遮るように、遮光板の外側表面上に配置している。
このように構成された脈波検出装置によれば、皮膚に窪みを生じさせる程度に遮光凸部が皮膚を押圧することにより、皮膚内部を伝播する外部光の経路上に遮光凸部が立ちはだかるために、遮光凸部に当たった外部光は四方に散乱し、外部光が受光手段に受光されることを抑制できる。
しかも、本発明では、皮膚内部を伝播する外部光が受光手段に到達するまでの経路上に多くの遮光凸部が配置されるので、外部光が受光手段に受光されることを更に抑制できる。
その上、本発明では、遮光凸部は、始端部と終端部とを有する突条で構成されている。よって、突条の端部間に形成される空隙を介して、脈波検出装置と生体の皮膚との間の隙間にある空気と、脈波検出装置の外部の空気とが、突条の端部間に形成される空隙を介して循環することができる。
つまり、脈波検出装置と皮膚とが密着している部分で起こりやすくなる蒸れを抑制できる。
このように構成された脈波検出装置によれば、透光板から最も離れた位置に配置された遮光凸部を構成する突条において、その端部間に形成された空隙から入射した外部光の経路上に遮光凸部が配置されるので、外部光が受光手段に受光されることを抑制できる。
また、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の脈波検出装置において、更に、請求項4に記載のように、前記遮光凸部の材質は、当該脈波検出装置を前記生体の皮膚に固定した際に、前記遮光凸部が前記生体の皮膚と隙間なく接触する程度に柔軟な特性を有するようにするとよい。
このように構成された脈波検出装置によれば、皮膚内部を伝播する外部光が受光手段に到達するまでの経路上に確実に遮光凸部が配置されるので、外部光が受光手段に受光されることを更に抑制できる。
まず、本発明の脈波検出装置を適用した脈波検出装置1を、図1に基づいて説明する。
本実施形態の脈波検出装置1は、人体の脈拍数を検出する装置であり、図1に示すように、発光素子として赤外LED21と緑色LED23を備えるとともに、受光素子としてフォトダイオード(PD)25を備えた脈波センサ3と、赤外LED21と緑色LED23とに対して、それぞれ異なるタイミングで光を照射させるための駆動信号を出力することにより脈波センサ3を駆動する駆動回路5と、脈波センサ3からの信号を処理するとともに駆動回路5を制御するデータ処理装置7とから構成されている。尚、駆動回路5とデータ処理装置7とは、脈波検出装置本体9の筐体内に収容されている。
以下に、脈波を検出するために赤外LED21と緑色LED23を用いる理由について説明する。
このうち、皮膚表面を伝播する外部光は、光を吸収する色で塗装された遮光板31の表面にて、図6(b)に示すように、その一部が吸収される。
さらに、皮膚内部を伝播する外部光については、遮光板31の表面上に形成された凸部33が皮膚を押圧することにより、図6(c)に示すように、皮膚内部を伝播する外部光の経路上に凸部33が立ちはだかるために、凸部33に当たった外部光は散乱する。
次に、データ処理装置7は、脈波センサ3から得られた受光信号を増幅する検出回路11と、検出回路11からの信号を処理して脈波の検出等の各種の演算処理を行うマイクロコンピュータ(以下、マイコンと称す)13とを備えている。
即ち、赤外LED21及び緑色LED23から照射された光の内、ヘモグロビンに吸収される光は僅かであり、これにより受光信号に現れる脈拍成分の変化を、マイコン13が備えるA/D変換器13dにおいて検出可能とするために増幅が必要となる。本実施形態では1000倍程度の増幅が必要である。
上記ノイズA及び上記ノイズBに起因する受光信号の電圧変動の周波数は脈拍成分に比べて十分低く、これらのノイズに起因する電圧変動は短時間では小さい。このため、CPU13aは、所定時間範囲(例えば10秒間)毎に、その所定時間内における受光信号の電圧変動を解析することにより、上記ノイズA及び上記ノイズBに起因する電圧変動分を、現時点のD/AポートPDA1,PDA2の出力値に対して調整する。これにより、上記ノイズA及び上記ノイズBに対応した分の直流成分信号が、補正部43から出力される。つまり、上記所定時間ごとに直流成分信号の電圧値を調整する。
さらに、S60にて、赤外LED21を発光させるとともにA/DポートPAD1に入力した信号の電圧値のデータを取得し、当該外部光調整処理を終了する。
また、赤外LED21及び緑色LED23が発光を停止している時に外部受光信号を検出するので、赤外LED21または緑色LED23から照射される光の影響を受けることなく外部光を検出することができる。
例えば、上記実施形態においては、遮光板31の皮膚と接触する側の表面が、光を吸収する色で塗装されているものを示した。しかし、遮光板31の材質を、光を吸収する特性を有するもの(例えば、樹脂やゴム)にしてもよい。このようにすれば、遮光板31と皮膚との間に形成された隙間から入射した外部光が遮光板に当たると、外部光は遮光板31に吸収されるため、外部光がPD25に受光されることを抑制できる。
また、上記実施形態においては、凸部33に空隙35が形成されているものを示した。しかし、凸部33は、環状、つまり空隙35がない形状をしていてもよい。
Claims (5)
- 生体に対して光を照射する発光手段と、
前記発光手段から照射された光の反射光を少なくとも受光する受光手段と、
前記発光手段の光の照射側に配置され、光を透過する透光板と、
前記透光板の端面を覆い、光を遮光する遮光板と、
を備え、前記透光板及び前記遮光板における、前記発光手段及び前記受光手段が位置する側とは反対側となる外側表面を、前記生体の皮膚に接触させて当該装置を固定することにより、前記生体の脈波を検出する脈波検出装置であって、
前記遮光板は、当該脈波検出装置の外部から照射された光が前記生体の皮膚を介して前記受光手段に受光されるのを、阻止するように構成されるとともに、
当該脈波検出装置を前記生体の皮膚に固定した際に該皮膚に窪みを生じさせる複数の遮光凸部を備え、
当該複数の遮光凸部は、前記皮膚の内部を伝播する外部光が前記受光手段に到達する経路に沿って該経路を2重以上に遮るように、前記遮光板の前記外側表面上に配置されるとともに、
前記複数の遮光凸部は、互いの配置間隔がランダムになるように配置されていることを特徴とする脈波検出装置。 - 生体に対して光を照射する発光手段と、
前記発光手段から照射された光の反射光を少なくとも受光する受光手段と、
前記発光手段の光の照射側に配置され、光を透過する透光板と、
前記透光板の端面を覆い、光を遮光する遮光板と、
を備え、前記透光板及び前記遮光板における、前記発光手段及び前記受光手段が位置する側とは反対側となる外側表面を、前記生体の皮膚に接触させて当該装置を固定することにより、前記生体の脈波を検出する脈波検出装置であって、
前記遮光板は、当該脈波検出装置の外部から照射された光が前記生体の皮膚を介して前記受光手段に受光されるのを、阻止するように構成されるとともに、
当該脈波検出装置を前記生体の皮膚に固定した際に該皮膚に窪みを生じさせる複数の遮光凸部を備え、
当該複数の遮光凸部は、前記皮膚の内部を伝播する外部光が前記受光手段に到達する経路に沿って該経路を2重以上に遮るように、前記遮光板の前記外側表面上に配置されるとともに、
前記遮光凸部は、始端部と終端部とを有する突条で構成されることを特徴とする脈波検出装置。 - 前記複数の遮光凸部の内で前記透光板から最も離れた位置に配置された遮光凸部を構成する突条の端部間に形成された空隙と、前記透光板とを結ぶ直線上に、少なくとも1つの遮光凸部が配置されていることを特徴とする請求項2に記載の脈波検出装置。
- 前記遮光凸部の材質は、当該脈波検出装置を前記生体の皮膚に固定した際に、前記遮光凸部が前記生体の皮膚と隙間なく接触する程度に柔軟な特性を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の脈波検出装置。
- 前記遮光凸部は、前記透光板を取り巻くように配置されることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の脈波検出装置。
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