JP4418589B2 - 酢酸ブチル及び酢酸イソブチルを製造する方法及び装置 - Google Patents
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Description
(技術分野) 本発明は、接触反応型分離装置内においてエステル化と反応生成物の分離とを共に行う塔を用いた化学反応を伴う蒸留によって、酢酸をブタノールとエステル化させる酢酸ブチル合成方法に関する。また本発明は、接触反応型分離装置内においてエステル化と反応生成物の分離とを共に行う塔を用いた接触蒸留法により、酢酸をイソブチルアルコールとエステル化させる酢酸イソブチル合成方法に関する。また本発明は、前記方法を実施する装置に関する。
【0002】
(背景技術) 酢酸ブチルはブタノールと酢酸との反応により製造され、この反応によって酢酸ブチルの他に水が生成する。この反応は可逆反応であり、反応を加速するために酸性触媒が使用される。硫酸等の鉱酸、また最近はイオン交換樹脂(EP066059、DE3636754)、沸石類、更には所謂超酸類がこの目的に利用される。
【0003】
最新の方法(Petrochemia 1985,25,99)によれば、殆ど平衡な組成が反応器内で得られ、その後、生成混合物は蒸留塔を用いて蒸留され、ブタノール−酢酸ブチル−水からなる三相系共沸混合物の組成に近い組成を持つ混合物が分離される。上記の形で全ての酢酸ブチルを蒸留するには反応水の量は十分ではなく、したがって追加水を加える必要がある。したがって、その後に処理するべき廃水量は増加し、このことが当該技術における公知方法の主な欠点の一つになっている。前記工程は大抵の場合統合される。すなわち合成は蒸留塔リボイラー内で直接行われる。異相共沸混合物における水相からの有機相の分離は、その後に別の蒸留塔内で有機相を蒸留してブタノールから酢酸ブチルを分離するための条件を整えるものであり、該蒸留塔からブタノール、微量希釈水及び小量の酢酸ブチルを含む混合物が留出物として回収される。通常98質量%に到達する純度の酢酸ブチルをボトム生成物として回収する間、前記オーバーヘッド生成物を循環させる。未反応ブタノールを酢酸ブチルから分離することは、混合物が極端に非理想的な性質であることから非常に難しい。ブタノール、酢酸ブチル及び水が最小沸点を持つ三相系共沸混合物を構成するのみならず、ブタノールと水、同様にブタノールと酢酸ブチルとが二相系共沸混合物を形成する。第一の蒸留塔から分離された水相は、別の蒸留塔を使用して更に蒸留される。溶解したブタノールと酢酸ブチルとが留出物として分離され、この混合物はプロセスに戻される。エステル化反応混合物成分の複雑な分離は、現在最新の方法における主な欠点である。また触媒として鉱酸を使用する上記方法においては別な欠点として深刻な腐食の問題もある。
【0004】
別種の酢酸ブチル合成として、二つの領域に分割され、イオン交換触媒で充填された蒸留塔−反応器内で反応を実施することが可能である(CN1107136A)。塔頂部(ヘッド)には分縮器が配される。蒸気は分縮器内で一部凝縮され、留出物は水相と有機相とに分離されずに上部反応領域に戻される。このことが反応平衡に悪影響を与え、前記機構の顕著な欠点となっている。塔頂部に組み込まれた分縮器内で凝縮されない蒸気は、外部凝縮器内で凝縮され、凝縮液は有機相から水相を分離した後に塔供給部へ戻されるため、塔上部に低沸点不純物が蓄積する問題が未解決のままである。生成物は反応器底部(ボトム)から回収される。最高純度は前記特許(CN1107136A)によれば高々95乃至98質量%である。
【0005】
酢酸イソブチルは、イソブチルアルコールと酢酸との反応によって製造され、この反応により酢酸イソブチルの他に水が生成する。この反応は可逆反応であり、反応を加速するために酸性触媒が使用される。硫酸等の鉱酸、また最近は固体酸性触媒がこの目的のために使用され、これに関しては例えばCZ191357及びCZ279562に記載されている。これら触媒はイオン交換樹脂類、沸石類、所謂固体超酸類等であってもよい。
【0006】
酢酸イソブチル製造に関する最新の方法によれば、ほぼ平衡な組成が反応器内で達成し、この組成は反応成分の出発モル比に依存する。その後、生成混合物は、蒸留塔を用いて蒸留され、イソブチルアルコール−酢酸イソブチル−水からなる三相系共沸混合物の組成に近い組成を持つ混合物が分離される。上記の形で全ての酢酸イソブチルを蒸留するには反応水の量は十分ではなく、したがって追加水を混合物に加える必要がある。したがってその後に処理されるべき廃水量が増加し、このことが当該技術における公知方法の主な欠点の一つとなっている。前記工程は大抵の場合統合される。すなわち合成は蒸留塔リボイラー内で直接行われる。異相共沸混合物の水相から有機相を分離した後、続いて別の蒸留塔内で有機相を蒸留してイソブチルアルコールから酢酸イソブチルを分離することが可能である。異相共沸混合物から分離された有機相は、イソブチルアルコール、酢酸イソブチル及び幾分かの水を含んでいる。イソブチルアルコール、残水及び小量の酢酸イソブチルは、続く蒸留によって前記有機相から分離される。このように得られたオーバーヘッド生成物は、純粋な酢酸イソブチルがボトム生成物として回収される間、エステル化工程へ戻される。未反応のイソブチルアルコールを酢酸イソブチルから分離することは、混合物の非理想的性質の程度が大きいことから非常に難しい。イソブチルアルコール及び酢酸イソブチルは二相系共沸混合物を形成し、更に水と共に最小沸点の三相系共沸混合物も形成する。第一の塔の蒸留により分離された水相は、別の蒸留塔を用いて更に蒸留され、溶解したイソブチルアルコール及び酢酸イソブチルが塔頂部から分離され、混合物はプロセスに戻される。エステル化反応混合物成分の複雑な分離は、上記最新方法の主な欠点である。また、触媒として鉱酸を使用する上記方法においては別な欠点として、深刻な腐食問題がある。
【0007】
(発明の開示)
酢酸ブチルの製造方法:
本発明によれば、固体酸性触媒の存在下で酢酸をブタノールとエステル化させる酢酸ブチルの製造方法は、酢酸及びブタノールを、モル比1:1から1:10、触媒の体積単位当たりの供給全量0.1乃至10 h-1として、三つの領域からなり反応及び蒸留を行う系内に導入し、反応領域内にて反応を行うと同時に異なる沸点を持つ混合物の蒸留分離を行い、上部及び下部の分離領域にて蒸留による混合物の分離のみを行い、すなわち最小沸点三相系共沸混合物を形成する成分の分離を上部分離領域で行い、上記混合物の揮発性混合物は、5乃至80℃で冷却した後、水相と有機相とに分離し、該有機相を上部分離領域に還流し、還流された有機相に対する原料比を1:1から1:20とし、該還流を分離された有機相の全量の60乃至100%とし、酢酸ブチルを高沸点ボトム生成物として回収することにある。
【0008】
この方法によれば、酢酸及びブタノールを反応領域又は上部分離領域に導入できる。この方法によれば、代替的に、酢酸及びブタノールは系内へ別々に導入することが可能であり、酢酸は反応領域又は上部分離領域へ導入され、ブタノールは反応領域又は下部分離領域へ導入される。更にこの方法によれば、ブタノール全量の1乃至99%が酢酸との混合物として系の反応領域又は上部分離領域へ導入され、これと同時にブタノールの99乃至1%が反応領域又は下部分離領域へ独立に導入される。
【0009】
好適な態様において、該方法は酢酸とブタノールとのモル比が1:1から1:1.3の間、触媒体積単位当たりの供給流が0.5乃至5 h-1、有機相還流に対する原料流の比が1:2から1:7の間で、分離された有機相の全体積の90乃至99%を還流させて実施される。系に供給された酢酸又は酢酸とブタノールとの混合物は、酢酸ブチル及び/又は水も含んでいる。したがって、例えば未反応のブタノール及び酢酸の他に最大で平衡濃度の酢酸ブチル及び水を含んでなるブタノール−酢酸混合物部分転化生成物を供給することが可能である。
【0010】
本発明による方法は、三つの領域からなる塔を構成要素とする装置内で有利に実施することができ、この装置において塔の中央部分に位置してなる反応領域は、蒸留段に載せるか、あるいは液相及び気相の向流中の両相の間と同様に、液相と触媒粒子との間に良好な接触を確実にするそれ自体公知の他の方法によって、該反応領域に固定された固体酸性触媒を含み、例えば触媒は、充填材の構造を形成する二層の不活性多孔質材料の間に固定することにより、内部チャネル構造を持つ構造充填材内に埋設することができ、下部及び上部分離領域は、不活性構造充填材、一般的な塔充填材又は蒸留段を含み、ブタノール供給管は閉鎖弁を介して酢酸供給管に接続され、合流供給が反応領域又はこの領域の上側へ導入され、第二のブタノール供給分岐管は同じく閉鎖弁を装備しており反応領域又はこの領域の下側へ接続され、リボイラーが塔底部に接続され、酢酸ブチル回収ラインはリボイラー又は塔底部から導かれ、塔の上部末端を形成する塔頂部は蒸気管により凝縮器に接続され、凝縮ラインは凝縮器から分離器まで導かれ、該分離器の上部には還流管及び還流されない有機相用の回収管が接続され、水相管は分離器の下部に接続されてなる。
【0011】
可能な一構成において、ブタノール供給閉鎖及び制御弁は閉じられ、連結管閉鎖及び制御弁は開かれており、別の構成においては、ブタノール供給閉鎖及び制御弁は開かれ、管接続閉鎖及び制御弁は閉じられる。更に別の構成においては両方の閉鎖及び制御弁が開かれる。
【0012】
ブタノールと酢酸とを装置の異なる点に別々に供給する他、上記供給管構成によれば、ブタノール又は少なくともその一部を酢酸との混合物として反応領域又は上部分離領域内の一点に供給し、場合により独立供給ラインによって追加ブタノールを、ブタノール−酢酸混合物供給点より下に位置する反応領域又は下部分離領域内の点に供給することが可能である。普及型の公知混合装置を使用してブタノール−酢酸混合物を別個に用意し、この混合物を反応領域又は上部分離領域へ供給し、二つの供給ラインを繋ぐことなく追加ブタノールを反応領域又は下部分離領域に供給することにより同様の効果が得られる。
【0013】
記述から解るように、本発明は、普及型の固体酸性触媒を含む反応領域を有し、その一方で該反応領域の上下に不活性分離領域を有してなる蒸留塔を用いる接触蒸留法により、十分量の酢酸ブチルを有利に製造しうるという発見に基づいている。上記分離領域は、蒸留塔に沿う出発混合物及び生成物両者の最適濃度分布の確立に寄与するものである。結果として、反応領域において反応性混合物の最高濃度が得られ、その結果、装備の高生産性、触媒の最適利用、並びに高い生成物品質を達成できる。本発明による最適条件下では、リボイラーから回収される乾燥酢酸ブチルの純度は99質量%を超える。
【0014】
酢酸イソブチルの製造方法:
公知方法の前記欠点は、本発明による酢酸イソブチルの製造方法により克服され、該製造方法は、酢酸及びイソブチルアルコールをモル比1:1から1:10、且つ、触媒の体積単位当たりの全供給量として表した量0.1乃至10 h-1で、成分の蒸留により同時に消失する固体酸性触媒の存在下で系内に導入し、この系において反応及び蒸留分離を三つの領域で行い、反応領域においては反応を進行させると同時に、異なる沸点を持つ成分の蒸留による分離を進行させ、二つの分離領域においては、蒸留による成分の分離のみを進行させ、反応の副生物として生成した水は低沸点共沸混合物として系から留出させ、その後、留出物を5乃至80℃まで冷却し、前記水を留出物の有機部分から分離して系から回収し、一方で、留出物の有機成分を還流し、酢酸供給が反応領域内又はこの領域の上側、すなわちイソブチルアルコール入口よりも高所に位置する点に導入されるように、またイソブチルアルコール供給が反応領域又はその下側に導かれるように酢酸及びイソブチルアルコールの供給を系内に導き、系に入る反応物の供給量と還流された有機相との比を1:1から1:20とし、還流を分離された有機相の全量の50乃至100%とし、酢酸イソブチルを高沸点ボトム生成物として分離することからなる。イオン交換樹脂、例えば酸性度が1乃至10meq (ミリ当量)H+/gの範囲にある硫酸化スチレン−ジビニルベンゼン共重合体(ジビニルベンゼンが1乃至25%)を触媒として使用することができる。異なるタイプのイオン交換物質、沸石類、又は一般に知られる他の酸性触媒も同様に使用することができる。
【0015】
好適な態様において、該方法は酢酸とイソブチルアルコールとのモル比が1:1から1:1.5の間、触媒体積単位当たりの供給流が0.5乃至5 h-1、還流された有機相に対する供給流の比が1:2から1:7の間で、分離された有機相の全体積の80乃至99%を還流させて実施される。純粋な酢酸の代わりに酢酸とイソブチルアルコールとの部分転化混合物を供給することが可能であり、したがって、アセトン含有供給流は酢酸イソブチル及び/ 又は水及び/ 又は小量の未反応イソブチルアルコールを含む場合もある。
【0016】
本発明による方法は、三つの領域からなる塔を構成要素とする装置内で有利に実施され、塔の中央部分に位置してなる反応領域は固体酸性触媒を含んでなり、好適な一態様において該触媒は充填材の構造を形成する不活性多孔質材料からなる二つの層の間に固定されて内部チャネル構造を持つ公知種類の構造充填材内に固定化されてなり、下部及び上部分離領域は、不活性構造充填材、一般的な塔充填材又は蒸留段を含んでなり、酢酸供給管は反応領域の上部又はこの領域より上側へ導入され、一方イソブチルアルコール供給管は反応領域の下部又はこの領域より下側に接続され、塔底部はリボイラーを具設してなり、酢酸イソブチル回収ラインはリボイラー又は塔底部から導出され、塔の上部は留出蒸気を凝縮器へ導入する蒸気管を備えたヘッド(塔頂部)を設けてなり、凝縮ラインが凝縮器から分離器まで導かれ、分離器の下部には水相管が接続され、分離器の上部には、還流ラインと、留出物のうち還流されない有機部分を回収する管とが接続されてなる。
【0017】
上記本発明の基本的な特徴から明らかであるが、本発明によれば平衡転化の場合より高い、実質100%に近い出発成分の酢酸イソブチル転化率を得ることが可能である。反応生成物すなわち酢酸イソブチル及び水を出発成分すなわち酢酸及びイソブチルアルコールから分離することが分離領域の主な機能であり、酢酸イソブチルを高沸点ボトム生成物として連続的に分離し、主にイソブチルアルコールと酢酸イソブチルとを含む留出物有機相から分離した後に系から回収されるべき揮発性三相系異相共沸混合物の形で留出物として水を分離する間、出発成分を反応領域に戻すものである。有機相は全部又は一部が還流される。有機相還流に対する供給された出発成分の量比は、1:1から1:20であり、還流は分離された有機相の全量の50乃至100%に相当する。
【0018】
出発成分すなわち酢酸及びイソブチルアルコールは、等モル比で供給されるか、全ての酢酸を転化するためにイソブチルアルコールが僅かに過剰に使用される。本発明による方法が大気圧下で実施されるならば、以下の温度分布が確立され、すなわちリボイラーにおいて110乃至120℃、塔頂部において87乃至104℃となる。本発明による方法は減圧下においても実施できる。イソブチルアルコールは酢酸入口の下側に導入される。最も一般的には、イソブチルアルコールは反応領域より下側又は反応領域の下部に導入され、酢酸は前記領域よりも上側又は前記領域上部に導入される。
【0019】
塔頂部から留出した蒸気は凝縮して混合物をもたらし、この混合物は80乃至5℃で冷却された後、水相と有機相とに分離される。有機相の全量又は大部分は、塔頂部へ戻される。溶解したイソブチルアルコール及び酢酸イソブチルを含んでいる水相は取出される。溶解したアルコール及びエステルは水相からストリップ除去してプロセスへ戻すことができる。所望の反応生成物である乾燥酢酸イソブチルは温度110乃至120℃でリボイラーから回収される。生成物の純度は、系に導入された出発成分の量及びモル比に依存し、また触媒と出発成分との量比並びに触媒活性にも依存する。得られた生成物は市場品質であるか、更に蒸留を必要とせずにこのレベルまで品質を向上させることが容易である。
【0020】
(図面の簡単な説明) 図1は、本発明による酢酸ブチルの製造方法を実施する装置を示している。該装置は、三つの領域を含んでなる塔1からなり、固体触媒を含んでなる反応領域2は塔1の中央部分に位置してなり、下部分離領域3及び上部分離領域4は、構造充填材、一般的な塔充填材又は蒸留段で充填されてなり、酢酸供給管5は、閉鎖及び制御弁21を具備してなるライン9によりブタノール供給管6と接続してなり、供給ライン7は反応領域2又はこの領域の上端より上に導入され、ブタノール供給ライン6は独立ブタノール入口8に接続されており、この入口8も閉鎖及び制御弁22を具備してなり、反応領域2又はこの領域より下に導入される。リボイラー11は塔1の底部(ボトム)10と接続してなり、酢酸ブチル回収ライン12はリボイラー11又は塔底部10から導出されてなり、塔頂部13は蒸気流ライン14により凝縮器15に接続してなり、凝縮器15は凝縮物流ライン16によって相分離器17と接続してなり、水相流ライン18は分離器17の下部に接続してなり、還流管19及び有機相流ライン20は分離器17の上部に接続されてなる。
【0021】
本発明による方法は、上記装置を用いて以下のように実施される。すなわち酢酸供給5及びブタノール供給6は、統合されて合流供給ライン7によって反応領域2に導入されるか、独立に塔1に導入される。したがってブタノール入口ライン6は酢酸供給管5に導入されるか、供給点8を介して反応領域2あるいはこの領域より下側に直接導入され、後者の場合、両経路は弁21によって分離される。酢酸ブチルはライン12を介してリボイラー11あるいは塔底部10から回収される。水、酢酸ブチルの一部及び未反応ブタノールを含む留出蒸気は、塔頂部13から凝縮器15を通過し、最終的に分離器17へ至る。水相はライン18により取出され、有機相は完全又は部分的に、ライン19により塔1の上部分離領域4より上側に戻される。有機成分の一部は回収される。
【0022】
図2は、本発明による酢酸イソブチルの製造方法を実施する装置を示している。該装置は、三つの領域を含んでなる塔1からなり、固体触媒を含んでなる反応領域2は塔1の中央部分に位置してなり、下部分離領域3及び上部分離領域4は、構造充填材、一般的な塔充填材又は蒸留段で充填されてなり、酢酸供給管5は反応領域2の上部に接続され、イソブチルアルコール供給管26は反応領域2の下部に接続され、塔1の下部は塔底部27で終端し、該塔底部27はリボイラー28に接続され、このリボイラー11に酢酸イソブチル回収ライン29が接続されてなり、塔の上部は塔頂部210で終端し、蒸気流ライン211が塔頂部210と凝縮器212とに接続され、該凝縮器212は凝縮流ライン213によって分離器214と接続しており、水相流ライン215は分離器214の下部に接続され、還流ライン216及び還流されない有機相回収ライン217は分離器214の上部に接続されてなる。
【0023】
本発明による方法は、上記装置を用いて以下のように実施される。すなわち酢酸供給5は、上部分離領域4の下部又は反応領域2の上部に導入され、一方、イソブチルアルコール供給26は下部分離領域3の上部又は反応領域2の下部に導入され、反応により生成する酢酸イソブチルはライン29を介してリボイラー28あるいは塔底部27から回収され、水、酢酸イソブチルの一部及び未反応イソブチルアルコールを含む留出蒸気は、塔頂部210から凝縮器212を通過し、最終的に分離器214へ至り、この分離器214で、水が有機混合物から分離され、該有機相は完全又は部分的に塔1に戻される。有機相の一部は回収することができる。
【0024】
(発明を実施する態様)
(実施例1)
本発明による方法を実施するために使用した装置を、図1に模式的に示す。大気圧下で運転する蒸留塔1は、三つの領域からなる。蒸留塔1の中央部に反応領域2を設け、その下には下部分離領域3、一方反応領域2の上には上部分離領域4を設けた。リボイラー11を塔底部10に接続し、凝縮器15を塔頂部13及び分離器17に接続した。
【0025】
反応領域2は酸性イオン交換樹脂33gを含む活性充填材で充填した。下部分離領域3及び上部分離領域4は両方とも、一般的な塔充填材である固有径4mmのバールサドルで充填した。分離領域3及び4の長さは0.5mとした。
【0026】
本発明方法は以下のように実施した。
酢酸供給7を反応領域2より上、ブタノール供給8を反応領域2より下に導入した。これら出発成分をどちらも速度0.3モル/hで供給した。蒸気14は塔頂部13から凝縮器15まで通した。凝縮した液体を16を介して凝縮器15から相分離器17まで輸送した。反応水は5 g/hの量で相分離器17から水相18として回収し、一方、蒸留した共沸混合物の有機相は19を介して蒸留塔1に戻した。粗製酢酸ブチルはリボイラー11内に一定の滞留量を確保する速度でリボイラー11から12を介して回収した。この方法において転化率は92%であり、ライン12を介して回収した生成物は、90.9質量%の酢酸ブチルを含んでいた。
【0027】
(実施例2)
酢酸とブタノールとの等モル混合物を、実施例1に記載の装置内に速度40.3 g/hで導入した。ブタノールを2.2 g/hで、ライン8によって反応領域2より下側に導入した。有機留出物を5.5 g/hでライン20によって回収した。酢酸ブチル94.5質量%を含む生成物を32 g/hでリボイラー11から回収した。
【0028】
(実施例3)
容積が50dm3 のリボイラー11と、凝縮器15及び相分離器17を具備してなる蒸留塔1とからなる装置により、ブタノールの酢酸とのエステル化を実施した。反応蒸留塔1は、酸性イオン交換樹脂710gをH+の形で含む構造充填材KATAPAK(登録商標)Sで充填した反応領域2からなり、下部3及び上部4分離領域は双方とも、構造充填材CY(登録商標)で充填し、各領域の効率を理論段数20に等しいものとした。酢酸43.3質量%、ブタノール56.6質量%を含む混合物を、1.21 kg/h で、反応領域2と上部分離領域4との境界に供給ライン7を介して導入した。凝縮器15内で凝縮された蒸気14、すなわち温度が35℃であった凝縮物16を分離器17内で水相と有機相とに分離した。水相は18を介して回収し、有機相の全量は14を介して塔頂部13へ戻した。純度96.01質量%の酢酸ブチルをリボイラー11から12を介して、速度1.05 kg/h で回収した。
【0029】
(実施例4)
装置及び方法は双方とも実施例3に記載のものと同様である。供給流7は酢酸14.16質量%、ブタノール20.74質量%、酢酸ブチル57.32質量%及び水7.8質量%を含んでいた。供給速度は2.20 kg/h とした。この組成の混合物は、酸性イオン交換樹脂を充填した普及型の反応装置内で酢酸−ブタノール混合物を予め一部転化することにより得た。酢酸0.06質量%及びブタノール0.25質量%を含む純度99.4質量%の酢酸ブチルをリボイラー11から12を介して、速度1.91 kg/h で回収した。
【0030】
(実施例5)
酢酸15.1質量%、ブタノール19.2質量%、酢酸ブチル55.84質量%及び水9.9質量%を含む混合物を、1.92 kg/h で、供給ライン7によって、実施例3に記載の蒸留塔内に導入した。留出物から有機相を0.0418 kg/h で、ライン20によって回収した。純度99.5質量%の酢酸ブチルを1.62 kg/h で、リボイラー11から回収した。ガスクロマトグラフ法では、この生成物中に酢酸は検出されなかった。
【0031】
(実施例6)
装置は実施例3乃至5の場合と同一である。酢酸13.16質量%、ブタノール21.58質量%、酢酸ブチル56.52質量%及び水8.72質量%を含む混合物を2.80 kg/h で、供給ライン7により導入した。留出物から有機相を0.0642 kg /h で、ライン20により回収した。純度99.2質量%の酢酸ブチルを2.39 kg/h で、リボイラー11から回収した。ガスクロマトグラフ法では、この生成物中に酢酸は検出されなかった。
【0032】
(実施例7)
ブタノール17.9質量%、酢酸14.5質量%、酢酸ブチル58.4質量%及び水9.4質量%を含む混合物を、供給ライン7により、実施例3乃至6に記載のものと同一構造の装置へ、供給速度1.85 kg/h で導入した。同時に、ブタノールを29.6 g/hで、ライン8により反応領域2と下部分離領域3との間に導入した。塔頂部圧力は600 mbar であった。留出物の有機相は、速度0.02 kg/h でライン20により回収した。酢酸ブチル99.3質量%、酢酸0.5質量%、酢酸ブチル0.2質量%を含む生成物を、1.56 kg/h でリボイラー11から回収した。
【0033】
(実施例8)
本発明による酢酸イソブチルの製造方法を実施するために使用した装置を図2に模式的に示す。大気圧下で連続運転する接触蒸留塔1は、三つの領域に分割した。蒸留塔1の中央部には反応領域2を設け、この反応領域2の下には下部分離領域3、上には上部分離領域4を設けた。リボイラー28を塔底部27に接続し、凝縮器212を塔頂部210及び分離器214に接続した。
【0034】
反応領域2は酸性イオン交換樹脂33gを含む活性充填材で充填した。下部分離領域3及び上部分離領域4は双方とも、一般的な塔充填材である固有径4mmのバールサドルを充填した。分離領域3及び4の長さは0.5mmとした。
【0035】
本発明方法は以下のように実施した。
イソブチルアルコールを26を介して下部分離領域3に供給し、酢酸を上部分離領域4に5を介して導入した。前記出発成分はどちらも速度0.3 mol/hで導入した。蒸気は塔頂部212から211を介して凝縮器212に通した。凝縮物は凝縮器212から213を介して分離器214まで輸送した。反応により生成した水は、速度4.9 g/hで、分離器214から水相215として回収し、共沸混合物から分離した有機相の全量を216を介して蒸留塔に戻した。粗製酢酸イソブチルを33 g/hで、リボイラー28から酢酸イソブチルライン29を介して回収した。この態様において転化率は92%であった。
【0036】
(実施例9)
容積が50dm3 であるリボイラーと、凝縮器212及び相分離器214を具備してなる接触蒸留塔1 とからなる装置を用いてイソブチルアルコールの酢酸とのエステル化を実施した。反応蒸留塔1は、酸性イオン交換樹脂710g をH+の形で含む構造充填材KATAPAK(登録商標)Sで充填した反応領域2を設けてなり、下部3及び上部4分離領域は、各領域の効率が理論段数10に対応するように双方とも構造充填材で充填した。酢酸は5を介して、0.55 kg/h の量で反応領域2に供給し、一方、イソブチルアルコールは0.75 kg/h で、26を介して下部分離領域3の上端に導入した。反応により生成した水は分離器214から215を介して回収し、有機相は216を介して蒸留塔1に戻し、有機相の一部(37 g/h)は留出物217として回収した。粗製酢酸イソブチルを29を介して回収することにより、リボイラー28内で一定滞留量を維持した。この生成物は、酢酸0.1質量%、イソブチルアルコール4.8質量%を含んでいた。
【0037】
(実施例10)
装置及び方法は実施例2に記載のものと同様である。下部分離領域3及び上部分離領域4どちらも、効率が理論段数20に等しい構造充填材で充填した。酢酸は、0.65 kg/h の量で系内に導入し、イソブチルアルコール供給量は1.02 kg/h とした。分離器214から回収した水相の量は0.172 kg/h であり、分離器214内で分離された有機相は、速度9.0 kg/h で塔頂部210へ戻し、一方、この相の0.43 kg/h を217を介して回収した。純度99質量%の酢酸イソブチルをリボイラー28から、1.07 kg/h の量で回収した。
【0038】
(実施例11)
蒸留塔構成は実施例9及び10に記載のものと同様である。相違点は下部分離領域の効率が理論段数15に等しく、一方上部分離領域4の効率が理論段数25に等しい点である。出発成分はどちらも、実施例10と同様に同一速度で系内に供給した。純度98.9質量%の酢酸イソブチルをリボイラー28から1.072 kg/h の量で回収した。
【0039】
(産業上の利用性)
本発明は化学工業分野で利用することができる。生成物は、主に塗料及び被覆剤製造業における溶剤として、また製薬工業、バイオテクノロジー及び他の産業分野における抽出溶剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による酢酸ブチルの製造方法を実施する装置の模式図。
【図2】 本発明による酢酸イソブチルの製造方法を実施する装置の模式図。
Claims (24)
- 固体酸性触媒存在下で酢酸をブタノールとエステル化すると共に混合成分を蒸留分離する酢酸ブチル製造方法において、酢酸とブタノールとを、モル比1:1から1:10、触媒の体積単位当たりの全供給量0.1乃至10h−1として系内に導入し、この系内において反応と蒸留による分離とを三つの領域において行うものであり、反応領域にて反応を行うと同時に、異なる沸点を持つ複数成分の蒸留による分離を行い、一方、上部及び下部分離領域にて蒸留による複数成分の分離を行い、すなわち揮発性留分を上部分離領域にて分離し、蒸留塔の塔頂部で回収された揮発性留分を、蒸気流ラインにより塔頂部に接続された凝縮器に供給して凝縮し、得られた凝縮液を5乃至80℃で冷却した後、その凝縮液を相分離器に供給して水相と有機相とに分離し、該有機相を反応に戻すものとし、戻した有機相に対する供給比を1:1から1:20とし、還流を分離された有機相の全量の60乃至100%とし、酢酸ブチルを高沸点ボトム生成物として回収することを特徴とする方法。
- 酢酸及びブタノールを混合物として系内に導入することを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 酢酸を系の反応領域又は上部分離領域に導入し、ブタノールを系の反応領域又は下部分離領域に導入することにより酢酸及びブタノールを別々に系内に導入することを特徴とする請求項1に記載の方法。
- ブタノールの1乃至99%を酢酸との混合物として反応領域又は上部分離領域に導入し、同時に原料ブタノールの99乃至1%を反応領域又は下部分離領域に別に導入することを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 酢酸及びブタノールをモル比1:1から1:1.3において系内に導入することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
- 触媒体積単位当たりの出発成分全供給速度が0.5乃至5h−1の範囲にあることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
- 有機相還流量に対する供給量の比が1:2から1:7までの範囲にあることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
- 還流量が、留出物から分離された有機相の全量の90乃至99%に相当することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。
- 系内に導入された酢酸又は酢酸とブタノールとの混合物が、酢酸ブチル及び/又は水も含んでなることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。
- 三つの領域を含んでなる塔(1)からなり、この塔(1)の中央部に位置してなる反応領域(2)が固体触媒を含んでなり、下部分離領域(3)及び上部分離領域(4)が不活性構造充填材、通常の塔充填材又は蒸留段を含んでなり、ブタノール供給管(6)が、閉鎖及び制御弁(21)を具備してなる連結管(9)により酢酸供給管(5)に接続されてなり、供給ライン(7)が反応領域(2)又はこの領域より上側に導入され、一方、ブタノール供給ライン(6)は閉鎖及び制御弁(22)を具備してなる独立入口(8)を具備してなり、塔(1)の下部はリボイラー(11)を具設してなる塔底部(10)で終端し、酢酸ブチル回収ライン(12)が該リボイラー(11)又は塔底部(10)から導出され、塔(1)上部を終端させる塔頂部(13)が蒸気流ライン(14)により塔頂部から分離された凝縮器(15)に接続されてなり、凝縮物ライン(16)が凝縮器(15)から分離器(17)まで通じており、この分離器の下部から水相管(18)が導出され、分離器の上部からは還流管(19)と、還流されない有機相用の回収管(20)とが導出されてなることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法を実施する装置。
- ブタノール閉鎖制御弁(22)が閉じられ、連結管閉鎖及び制御弁(21)が開かれてなることを特徴とする請求項10に記載の装置。
- ブタノール閉鎖制御弁(22)が開かれ、連結管閉鎖及び制御弁(21)が閉じられてなることを特徴とする請求項10に記載の装置。
- ブタノール閉鎖制御弁(22)が開かれ、連結管閉鎖及び制御弁(21)も開かれてなることを特徴とする請求項10に記載の装置。
- 固体酸性触媒を反応領域(2)内で蒸留段上に固定することを特徴とする請求項10乃至13のいずれか一項に記載の装置。
- 向流中の液相と気相との間の接触と同様に、液相と触媒粒子との間の良好な接触を確実にするそれ自体公知の構造により触媒を反応領域内(2)に固定することを特徴とする請求項10乃至13のいずれか一項に記載の装置。
- 固体酸性触媒存在下で酢酸とイソブチルアルコールとをエステル化すると同時に蒸留によって複数成分を分離する酢酸イソブチル製造方法において、酢酸とイソブチルアルコールとを、モル比1:1から1:10、且つ、触媒の体積単位当たりの全供給量として表した量0.1乃至10h−1で別々に系内に導入し、この系内において反応と蒸留による分離とを三つの領域において行うものであり、反応領域にて反応を行うと同時に異なる沸点を持つ複数成分を蒸留により分離し、二つの分離領域にて蒸留による複数成分の分離を行い、反応の副生物として生成し、イソブチルアルコール及び酢酸イソブチルと共に低沸点共沸混合物を形成する水を系から留出させ、蒸留塔の塔頂部で回収された留出物を、蒸気流ラインにより塔頂部に接続された凝縮器に供給して凝縮し、得られた凝縮された留出物を5乃至80℃まで冷却した後、その凝縮された留出物を相分離器に供給して前記水を前記凝縮された留出物の有機部分から分離して系から回収し、一方、凝縮された留出物の有機成分を還流させ、酢酸供給が反応領域内又はこの領域より上側すなわちイソブチルアルコール入口よりも高所に位置する点に導入され、イソブチルアルコール供給が反応領域又はこの領域より下側に導入されるように酢酸及びイソブチルアルコールの供給を系内に導入し、導入される反応物の供給と還流される有機相との比を1:1から1:20とし、還流を分離された有機相の全量の50乃至100%とし、酢酸イソブチルを高沸点ボトム生成物として分離することを特徴とする方法。
- 酢酸とイソブチルアルコールとをモル比1:1から1:1.5において導入することを特徴とする請求項16に記載の方法。
- 触媒の体積単位当たりの出発成分全体の供給速度が0.5乃至5h−1の範囲にあることを特徴とする請求項16又は17に記載の方法。
- 有機相還流量に対する供給量の比が、1:2から1:7の範囲にあることを特徴とする請求項16乃至18のいずれか一項に記載の方法。
- 還流が、留出物から分離された有機相の全量の80乃至99%に相当することを特徴とする請求項16乃至19のいずれか一項に記載の方法。
- 系内に導入された酢酸が酢酸イソブチル及び/又は水及び/又はイソブチルアルコールも含んでなることを特徴とする請求項16乃至20のいずれか一項に記載の方法。
- 三つの領域を含んでなる塔(1)からなり、固体触媒を含んでなる反応領域(2)が前記塔(1)の中央部分に位置してなり、下部分離領域(3)及び上部分離領域(4)が構造充填材、通常の塔充填材又は蒸留段で充填され、酢酸供給管(5)が反応領域(2)の上部又はこの領域より上側に接続され、イソブチルアルコール供給ライン(26)が反応領域(2)の下部又はこの領域より下側に接続され、塔底部(27)が塔(1)の下部を終端させてなり、塔底部(27)はリボイラー(28)に接続されてなり、酢酸イソブチル回収ライン(29)がリボイラー(28)又は塔底部(27)に接続され、塔頂部(210)が塔の上部を終端させてなり、塔頂部(210)が蒸気流ライン(211)により塔頂部から分離された凝縮器(212)に接続され、該凝縮器は凝縮物流ライン(213)により分離器(214)に接続されてなり、還流ライン(216)と、還流されない有機相の回収流ライン(217)とが分離器(214)の上部に接続され、一方分離器下部には水相流ライン(215)が接続されてなることを特徴とする請求項16乃至21のいずれか一項に記載の方法を実施する装置。
- 固体酸性触媒(2)を反応領域(2)内で蒸留段上に固定することを特徴とする請求項22に記載の装置。
- 液相と気相との向流流れにおける両相の間、並びに、液相と触媒粒子との間で良好な接触を確実にする構造においてそれ自体公知の機構により固体酸性触媒を反応領域(2)に固定することを特徴とする請求項22に記載の装置。
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