JP4418430B2 - スルホンアミド含有インドール化合物の製造方法 - Google Patents

スルホンアミド含有インドール化合物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、血管新生阻害作用を有する抗腫瘍剤として有用なスルホンアミド含有インドール化合物の製造方法に関する。
血管新生阻害作用を有する抗腫瘍剤として有用なスルホンアミド含有インドール化合物が特許文献1において報告されており、N−(3−シアノ−4−メチル−1H−インドール−7−イル)−3−シアノベンゼンスルホンアミドをはじめとするスルホンアミド含有インドール化合物およびその製造方法が開示されている。
国際公開第00/50395号パンフレット
前記文献に記載のスルホンアミド含有インドール化合物製造方法の特徴として次の点が挙げることができる。
(1)ホルミル化反応の生成物を単離した上でシアノ化反応を行っており、2つの反応(ホルミル化及びシアノ化)を別々の工程として実施しており、収率の向上を図る上で障壁となる可能性がある。
(2)アミノインドール誘導体とスルホニルクロリド誘導体の反応に用いる溶媒はテトラヒドロフランであるが、テトラヒドロフランは過酸化物が生成しやすいため濃縮には適していない。
(3)反応後の抽出工程において大量の有機溶媒および水を加える必要があり、抽出工程で生成物析出しやすいという問題がある。
これらの点を考慮すると、前記文献に記載のスルホンアミド含有インドール化合物の製造方法は工業的な製造方法として満足いくものではない。したがって、本発明の目的は、これらの課題を解決した、スルホンアミド含有インドール化合物の有用な製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記事情に鑑み精力的に研究を重ねた結果、
(1)ホルミル化反応およびシアノ化反応の2つの反応をワンポットで行うこと、および
(2)アミノインドール誘導体とスルホニルクロリド誘導体の反応溶媒・抽出溶媒を変更すること
などにより、製造工程の短縮化および安定化が達成されることなどを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、以下の[1]〜[3]を提供する。
[1]式
(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、C1−4アルキル基またはハロゲン原子を意味する。)で表される化合物(3a)と、式A−SOCl(式中、Aはシアノフェニル基、アミノスルホニルフェニル基、アミノピリジル基、アミノピリミジル基、ハロゲノピリジル基またはシアノチオフェニル基を意味する。)で表わされる化合物と、を塩基存在下、水および酢酸C1−6アルキルエステルの混合溶媒中で反応させることを特徴とする、式
(式中、A、RおよびRは前記定義と同意義である。)で表わされる化合物(5a)の製造方法。
[2]式
(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、C1−4アルキル基またはハロゲン原子を意味する。)で表わされる化合物(1a)と、オキシハロゲン化リンまたはチオニルクロライドと、をジメチルホルムアミド中で反応させ、その後その反応液にさらにヒドロキシルアミン塩酸塩を加えて反応させ、式
(式中、RおよびRは前記定義と同意義である。)で表わされる化合物(2a)を得、次いで、化合物(2a)を還元反応に付し、式
(式中、RおよびRは前記定義と同意義である。)で表わされる化合物(3a)を得、次いで、化合物(3a)と式A−SOCl(式中、Aはシアノフェニル基、アミノスルホニルフェニル基、アミノピリジル基、アミノピリミジル基、ハロゲノピリジル基またはシアノチオフェニル基を意味する。)で表わされる化合物と、を塩基存在下、水および酢酸C1−6アルキルエステルの混合溶媒中で反応させることを特徴とする、式
(式中、A、RおよびRは前記定義と同意義である。)で表わされる化合物(5a)の製造方法。
[3]Rがメチル基であり、Rが水素原子であり、かつAが3−シアノフェニル基である前記[1]または[2]記載の製造方法。
ホルミル化後に反応処理(ホルミル化化合物の単離等)をせずに続いてシアノ化を行うことにより、反応が1工程短くなり、収率も改善される。
また、反応溶媒を濃縮の際に危険性のあるテトラヒドロフランから、水および酢酸C −6アルキルエステルの混合溶媒に変更することにより以下のメリットが得られる。(1)濃縮操作時の安全性が確保でき、(2)生成物の析出を回避でき、(3)反応溶媒が抽出溶媒を兼ねるため抽出時総容量が削減できる。
すなわち、血管新生阻害作用を有する抗腫瘍剤として有用なスルホンアミド含有インドール化合物のより有用な製造方法を提供することができる。
以下、本発明の内容について詳細に説明する。
本明細書において、化合物の構造式が便宜上一定の異性体を表すことがあるが、本発明には化合物の構造上生ずる全ての、幾何異性体、不斉炭素に基づく光学異性体、立体異性体、互変異生体などの総ての異性体および異性体混合物を含み、便宜上の式の記載に限定されるものではない。
また化合物は塩を形成してもよく、その無水物、水和物または溶媒和物も総て本発明に含まれる。さらに、特に明示しない限り、化合物は結晶であっても非結晶であってもよく、結晶形に関しても特に限定されるものではない。
本明細書において用いる「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子を意味する。
本明細書において用いる「C1−4アルキル基」とは、炭素数1〜4個の脂肪族炭化水素から任意の水素原子を1個除いて誘導される一価の基である、炭素数1〜4個の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基を意味し、具体例としては、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基などをあげることができ、好ましくは、メチル基をあげることができる。
本明細書において用いる「シアノフェニル基」とは、シアノ基を1個有するフェニル基を意味し、具体的には、2−シアノフェニル基、3−シアノフェニル基または4−シアノフェニル基をあげることができ、好ましくは、3−シアノフェニル基をあげることができる。本明細書において用いる「アミノスルホニルフェニル基」とは、アミノスルホニル基を有するフェニル基を意味する。本明細書において用いる「アミノピリジル基」とは、アミノ基を有するピリジル基を意味する。本明細書において用いる「アミノピリミジル基」とは、アミノ基を有するピリミジル基を意味する。本明細書において用いる「ハロゲノピリジル基」とは、ハロゲン原子を有するピリジル基を意味する。本明細書において用いる「シアノチオフェニル基」とは、シアノ基を有するチオフェニル基を意味する。
次に本発明に係る製造方法について述べる。
(各式中、R、RおよびAは前記定義と同意義である。)
(工程A)
化合物(1a)をホルミル化反応に付し、その後その反応溶液を処理することなく同一反応容器にてシアノ化反応を行い、化合物(2a)を得る工程である。
ジメチルホルムアミドに−10〜10℃でオキシハロゲン化リンまたはチオニルクロライドを加え、同温で10分〜1時間攪拌する。その後、化合物(1a)のジメチルホルムアミド溶液を0℃で加え、10〜60℃で30分〜3時間加熱攪拌する。この操作により、(1a)の化合物はホルミル化される。次に、その反応溶液にヒドロキシルアミン塩酸塩のジメチルホルムアミド溶液を、内温80℃以上にならないよう加え、その後10〜60℃で30分〜3時間加熱攪拌する。反応終了後、所望により通常の処理、中和処理、抽出、精製によって化合物(2a)を得ることができる。
オキシハロゲン化リンとしては、オキシ臭化リンまたはオキシ塩化リンなどがあげられるが、好ましくはオキシ塩化リンである。
オキシハロゲン化リンは、化合物(1a)に対してモル比で1〜3倍用いることができる。ヒドロキシルアミンは、化合物(1a)に対してモル比で1〜3倍用いることができる。なお本工程の出発物質としての化合物(1a)は、WO00/50395号記載の製造方法によって合成することができる。
精製方法としては、例えばシリカゲルまたは吸着樹脂等を用いるカラムクロマトグラフィーによる精製や適当な溶媒からの再結晶による精製を用いることができる。
(工程B)
化合物(2a)を還元反応に付し、化合物(3a)を得る工程である。ニトロ基をアミノ基に変換するのに一般的に用いられる還元反応であればかまわないが、還元反応として好ましくは、水素雰囲気下、接触還元触媒存在下で行う接触還元反応である。
具体例としては、化合物(2a)の反応溶液に接触還元触媒を加え、1〜5気圧の水素雰囲気下、30分〜24時間反応を行う。反応終了後、所望により通常の処理、濾過、活性炭処理、抽出、精製によって化合物(3a)を得ることができる。
反応溶媒としては、テトラヒドロフランとメタノールの混合溶媒、酢酸エチルとメタノールの混合溶媒を用いることができ、好ましくは酢酸エチルとメタノール(1:1)の混合溶媒を用いることができる。接触還元触媒としては酸化白金または10%パラジウム−炭素を用いることができ、好ましくは10%パラジウム−炭素を用いることができる。接触還元触媒は、化合物(2a)に対して10〜500倍用いることができる。
精製方法としては、例えばシリカゲルまたは吸着樹脂等を用いるカラムクロマトグラフィーによる精製や適当な溶媒からの再結晶による精製を用いることができる。
(工程C)
化合物(3a)と化合物(4a)を反応させることにより、化合物(5a)を得る工程である。
化合物(3a)と化合物(4a)とを、塩基の存在下、水および酢酸C1−6アルキルエステルの混合溶媒中、20〜80℃で反応を行う。反応終了後、所望により通常の処理、中和、活性炭処理、抽出、精製によって化合物(5a)を得ることができる。
化合物(4a)はWO00/50395号記載の製造方法によって合成することができる。化合物(4a)の量は、化合物(3a)に対してモル比で0.8〜1.3倍であるが、好ましくは化合物(3a)に対して1.1倍である。
反応溶媒は、酢酸C1−6アルキルエステルと水の体積比が4:1〜1:4である混合溶媒を用いることができるが、好ましくは酢酸C1−6アルキルエステルと水の体積比が2:1である混合溶媒を用いることができる。酢酸C1−6アルキルエステルとは、酢酸とC1−6アルコールとが結合したエステル化合物を意味するが、具体例としては、酢酸メチルまたは酢酸エチルであり、好ましくは酢酸メチルである。
塩基は、ピリジン、トリエチルアミン、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムなどを用いることができる。当該塩基として好ましくはピリジンをあげることができる。この塩基の量は、化合物(3a)に対してモル比で0.8〜1.3倍であるが、好ましくは化合物(3a)に対してモル比で1.2倍である。
以下の実施例により本発明を詳細に且つ具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1A:3−シアノ−4−メチル−7−ニトロ−1H−インドールの合成
ジメチルホルムアミド740mLに0℃でオキシ塩化リン235mL(2.52mol)を加え、その後、0℃で0.5時間攪拌した。次いでこの反応溶液中に4−メチル−7−ニトロ−1H−インドール370g(2.10mol)(WO00/50395号)のジメチルホルムアミド溶液(1110mL)を0℃で加え、60℃で2時間加熱攪拌した。
次に、この反応液中にヒドロキシルアミン塩酸塩292g(4.20mol)のジメチルホルムアミド溶液(1850mL)を内温80℃以上にならないように滴下し、60℃で40分間加熱攪拌した。反応混合液に氷冷下で氷水11.1Lを加え、さらに終夜撹拌した。析出した結晶を濾取し、水洗した。結晶を水11.1Lに懸濁し、この懸濁液に1N水酸化ナトリウム溶液を加えてpH7に調整した後、結晶を濾取、水洗し、標記化合物412gを得た(収率:97.6%)。
HPLC分析により、得られた化合物がWO00/50395号記載の3−シアノ−4−メチル−7−ニトロ−1H−インドールであることを確認した。
(HPLC条件)
移動相:CHCN/HO/70%HClO=500/500/1(v/v/v)
流速:1.0mL/分
検出:UV(254nm)
カラム:YMC−Pack Pro C18 250×4.6mm
実施例2A:7−アミノ−3−シアノ−4−メチル−1H−インドールの合成
実施例1Aで得た3−シアノ−4−メチル−7−ニトロ−1H−インドール400g(1.99mol)を酢酸エチル6Lとメタノール6Lの混合液に懸濁し、10%パラジウム−炭素40gの存在下、常温4気圧で水素添加した。触媒を濾別した後、濾液を活性炭処理し、濃縮し、粗結晶を得た。外温60℃にて粗結晶を1,2−ジメトキシエタン6Lに溶解した後、水12Lを滴下した。結晶の析出を確認後、氷冷下1.5時間攪拌し、濾過し、結晶を水(1L)で2回洗浄した。この結晶を50℃で16時間通風乾燥することにより標記化合物289gを得た(収率:84.8%)。
HPLC分析により、得られた化合物がWO00/50395号記載の7−アミノ−3−シアノ−4−メチル−1H−インドールであることを確認した。
(HPLC条件)
移動相:CHCN/HO/70%HClO=400/600/1(v/v/v)
流速:1.0mL/分
検出:UV(282nm)
カラム:YMC−Pack Pro C18 250×4.6mm
実施例3A:N−(3−シアノ−4−メチル−1H−インドール−7−イル)−3−シアノベンゼンスルホンアミドの合成
実施例2Aで得た7−アミノ−3−シアノ−4−メチル−1H−インドール5.0g(29mmol)および3−シアノベンゼンスルホニルクロリド6.48g(32mmol)[CAS No.56542−67−7]を酢酸メチル150mLに懸濁し、次いで水75mL、ピリジン2.83mL(35mmol)を加えて2時間40分攪拌した。反応液に濃塩酸0.73mL(9mmol)を加えた後、分液し、有機層を水75mL、エタノール17.5mLの混液で洗浄した。有機層に活性炭を加えて45〜50℃で30分攪拌した後、濾過し濃縮した。こうして得られた粗結晶に2−ブタノール96mLおよび水24mLを加えて、75℃で溶解させた後、約10℃/時間で7℃まで徐冷し、終夜攪拌した。析出した結晶を濾取し、2−ブタノール10mLずつで2回洗浄し、標記化合物の結晶8.17g(乾燥前の重量)を得た。さらに、この結晶を70℃で2時間減圧乾燥することにより7.54gの結晶を得た。
HPLC分析により、得られた化合物がWO00/50395号記載のN−(3−シアノ−4−メチル−1H−インドール−7−イル)−3−シアノベンゼンスルホンアミドであることを確認した。
(HPLC条件)
移動相:CHCN/HO/70%HClO=500/500/1(v/v/v)
流速:1.0mL/分
検出:UV(282nm)
カラム:YMC−Pack Pro C18 250×4.6mm
実施例1A〜3Aとの比較のために、WO00/50359の記載に基づいて参考例1A〜3Aを行い、WO00/50359の記載に準じて参考例4Aを行った。
参考例1A:3−ホルミル−4−メチル−7−ニトロ−1H−インドールの合成
ジメチルホルムアミド12mL(154mmol)に、窒素雰囲気下0℃でオキシ塩化リン1.5mL(16.1mmol)を加え、同温で20.5時間撹拌した。4−メチル−7−ニトロ−1H−インドール2.0g(11.4mmol)のジメチルホルムアミド溶液(20mL)を0℃で加え、90℃で21時間加熱撹拌した。反応液に氷冷下で1N水酸化ナトリウム水溶液100mLを加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮乾固した。残渣にtert−ブチルメチルエーテルとヘキサンの混液を加え、結晶を濾取し、標記化合物2.23gを得た(収率95.8%)。
H−NMR(DMSO−d)δ(ppm):2.90(3H,s),7.21(1H,d,J=8.4Hz),8.11(1H,d,J=8.4Hz),8.39(1H,s),10.01(1H,s),12.71(1H,br s)。
参考例2A:3−シアノ−4−メチル−7−ニトロ−1H−インドールの合成
参考例1Aで得た3−ホルミル−4−メチル−7−ニトロ−1H−インドール2.21g(10.8mmol)をジメチルホルムアミド100mLに溶解し、ヒドロキシルアミン塩酸塩900mg(13.0mmol)とピリジン1.05mL(13.0mmol)を加えた。60℃で40分間加熱撹拌した後、反応液に氷冷下で1,1’−カルボニルジイミダゾール(53.9mmol)を加えた。60℃でさらに30分間加熱撹拌した後、反応液にトリエチルアミン3.0mL(21.5mmol)を加え、同温でさらに1時間加熱撹拌した。反応混合液に氷冷下で氷水50mLを加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮乾固した。残渣にtert−ブチルメチルエーテルとヘキサンの混液を加え、結晶を濾取し、標記化合物1.95gを得た(収率89.7%)。
H−NMR(DMSO−d)δ(ppm):2.78(3H,s),7.22(1H,d,J=8.0Hz),8.14(1H,d,J=8.0Hz),8.41(1H,s),12.76(1H,br s)。
参考例3A:7−アミノ−3−シアノ−4−メチル−1H−インドールの合成
参考例2Aで得た3−シアノ−4−メチル−7−ニトロ−1H−インドール12.6g(62.6mmol)をテトラヒドロフラン100mLとメタノール100mLの混液に懸濁し、酸化白金430mg(1.87mmol)の存在下、常温3気圧で水素添加した。触媒を濾別し、濾液を濃縮乾固した後、残渣にtert−ブチルメチルエーテルとヘキサンの混液を加え、結晶を濾取し、標記化合物10.7gを得た(収率99.8%)。
H−NMR(DMSO−d)δ(ppm):2.47(3H,s),5.07(2H,s),6.34(1H,d,J=7.6Hz),6.64(1H,d,J=7.6Hz),8.10(1H,s),11.70(1H,br s)。
参考例4A:N−(3−シアノ−4−メチル−1H−インドール−7−イル)−3−シアノベンゼンスルホンアミドの合成
参考例3Aで得た7−アミノ−3−シアノ−4−メチル−1H−インドール250g(1.46mol)をテトラヒドロフラン5L(20倍量)に懸濁し、ピリジン354mL(4.38mol)と3−シアノベンゼンスルホニルクロリド312g(1.55mol)を加えて、内温21〜34℃で攪拌した。30分後、原料の消失を確認した。
反応液に水2925mL(11.7倍量)、酢酸エチル5L(20倍量)及び濃塩酸730mLと水730mLとの混液(合計5.8倍量)を加えて分液した。さらに有機層を水2925mLで洗浄後、活性炭125gを加え、1時間撹拌した。セライトで濾過し、酢酸エチル1Lずつで2回洗浄した。濾液に水5L及び1N水酸化ナトリウム溶液100mLを加え、酢酸エチル1Lを追加して分液した。さらに有機層に水6Lと酢酸エチル2Lを加え分液した。この水層を酢酸エチル2Lで再度抽出し、両有機層を合わせて50℃で減圧濃縮し、さらに2−プロパノール1Lを加えて共沸濃縮して標記化合物(666g,乾燥前の重量)を得た。
(実施例1Aと参考例1A,2Aとの比較)
参考例1Aはホルミル化の工程であり、参考例2Aはホルミル基からシアノ基への変換の工程である。一方、実施例1Aではこのホルミル化反応の後、抽出、溶媒留去などの反応処理をせず、同一反応容器にてシアノ化反応を行っている(ワンポット反応)。
上記の通り、参考例1A、2Aでは収率が、95.8%および89.7%であり、2工程合計で収率85.8%である。これに対し、実施例1Aでは収率が97.6%である。このように、2つの反応(ホルミル化およびシアノ化)をワンポットで行うことにより、操作を簡略化するだけでなく、収率も向上させることができた。
(実施例3Aと参考例4Aとの比較)
実施例3Aおよび参考例4Aで使用した原料、反応溶媒、反応後に加えた1回目の抽出溶媒、目的物の量をそれぞれ表1および2に示す。各表の最下欄は、原料化合物(3b)1gあたりに換算した各量を表している。
参考例4Aの方法では、原料化合物(3b)1gあたりに必要な反応溶媒と抽出溶媒の合計容量は58.96mLであるのに対して、実施例3Aの方法では43.71mLである。
また、参考例4Aの方法では、反応・抽出を行う反応容器1Lあたり、化合物(3b)約16.96gを用いて反応を行うことができるのに対して、実施例3Aの方法では約22.88gを用いて反応を行うことができる。すなわち、実施例3Aの方法は、同じ反応装置でより多くの反応を行うことができ効率的である。より具体的には、実施例3Aの方法は比較例4Aの方法に比べて、1.4倍効率よく(反応容器1Lあたり5.92g多く)反応を行うことができる。
本発明のスルホンアミド含有インドール化合物の製造方法は、反応工程数が少なく、収率が高く、使用する溶媒の量も少なく、安全性にも優れている。したがって、抗腫瘍剤として有用なスルホンアミド含有インドール化合物の工業的な製造方法に適している。

Claims (2)


  1. (式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、C1−4アルキル基またはハロゲン原子を意味する。)で表わされる化合物(1a)と、オキシハロゲン化リンまたはチオニルクロライドと、をジメチルホルムアミド中で反応させ、その後その反応液にさらにヒドロキシルアミン塩酸塩を加えて反応させ、式
    (式中、RおよびRは前記定義と同意義である。)で表わされる化合物(2a)を得、
    次いで、化合物(2a)を還元反応に付し、式
    (式中、RおよびRは前記定義と同意義である。)で表わされる化合物(3a)を得、
    次いで、化合物(3a)と式A−SOCl(式中、Aはシアノフェニル基、アミノスルホニルフェニル基、アミノピリジル基、アミノピリミジル基、ハロゲノピリジル基またはシアノチオフェニル基を意味する。)で表わされる化合物と、を塩基存在下、水および酢酸C1−6アルキルエステルの混合溶媒中で反応させることを特徴とする、式
    (式中、A、RおよびRは前記定義と同意義である。)で表わされる化合物(5a)の製造方法。
  2. がメチル基であり、Rが水素原子であり、かつAが3−シアノフェニル基である請求項1記載の製造方法。
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