JP4416680B2 - 直噴式ディーゼルエンジンの燃焼室構造 - Google Patents

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Description

本発明は、直噴式ディーゼルエンジンの燃焼室構造に関するものである。
従来より、自動車のディーゼルエンジン等では、排気側から排気ガスの一部を抜き出して吸気側へと戻し、その吸気側に戻された排気ガスでエンジン内での燃料の燃焼を抑制させて燃焼温度を下げることによりNOxの発生を低減するようにした、いわゆる排気ガス再循環(EGR:Exhaust Gas Recirculation)を採用したものがある。
図12は排気ガスを再循環する機構を備えたディーゼルエンジンの一例を示すもので、ここに図示しているディーゼルエンジン1においては、排気ガス2が流通する排気通路3と吸気通路4との間がEGRパイプ5により接続されており、このEGRパイプ5の途中に備えたEGRバルブ6を介し排気ガス2の一部を吸入空気7と一緒に再循環してディーゼルエンジン1の気筒内に送り込み、該気筒内での燃焼温度を下げてNOxの低減化を図るようにしてある。
また、ディーゼルエンジン1の各気筒の天井部に、燃料(軽油)を気筒内に噴射する多孔式のインジェクタ8が装備されていると共に、ピストン9の頂面には、燃焼室の大半を成すように窪むキャビティ10が凹設されており、該キャビティ10の内周面に対し前記インジェクタ8の先端部から燃料が放射状に噴射されて圧縮行程終期の高い気筒内温度により自己着火するようになっている。
前記キャビティ10の詳細は図13に示す通りであり、キャビティ10の開口の外縁部を成す入口リップ部11と、該入口リップ部11から緩やかなS字カーブを描くように下降して前記入口リップ部11より半径方向外側へ張り出すリエントラント部12と、該リエントラント部12から半径方向内側へ向かう緩やかな曲面を成す外側曲面部13と、該外側曲面部13の下端部全周からピストン中心Oに向け扁平な円錐状を成すセンターコーン14とを備えて前記キャビティ10が形成されるようになっている。
また、図12のディーゼルエンジン1におけるインジェクタ8の噴射作動については、エンジン制御コンピュータ(ECU:Electronic Control Unit)を成す制御装置15からの燃料噴射指令8aにより制御されるようになっており、圧縮上死点近辺で前記インジェクタ8に燃料噴射指令8aを出力して燃料を噴射せしめるようにしてある。
また、この制御装置15には、アクセル開度をディーゼルエンジン1の負荷として検出するアクセルセンサ16(負荷センサ)からのアクセル開度信号16aや、ディーゼルエンジン1の機関回転数を検出する回転センサ17からの回転数信号17aなどが入力されており、各種のエンジン制御を実行するべくディーゼルエンジン1の運転状態が常に監視されるようになっている。
尚、図12中における18はクランクシャフト、19は排気ポート、20は排気弁、21は吸気ポート、22は吸気弁を示しており、該吸気弁22及び前記排気弁20は、図示しないエンジン駆動のカムシャフトに備えたカムによりプッシュロッドやロッカーアームを介して各気筒毎の行程に応じた適切なタイミングで開弁操作されるようになっている。
この種の直噴式ディーゼルエンジンの燃焼室構造に関連する先行技術文献情報としては、例えば、下記の特許文献1や特許文献2等が既に提案されている状況にある。
特開平6−212973号公報 特開平7−150944号公報
しかしながら、図12に示す如き従来の直噴式ディーゼルエンジンにおいて、排気ガス2の再循環によりNOxの低減化を図ることは、気筒内での燃焼不良により黒煙を発生してしまうこととトレードオフの関係にあるので、大幅なNOxの低減化を実現するべく単純に排気ガス2の再循環量を増やしてしまうと、黒煙の発生や燃費の悪化等といった問題を招いてしまうことになる。
そこで、本発明者は、図13に示す如き既存の燃焼室構造に関し、燃料噴霧の拡散状況に着目して鋭意研究を続けたところ、図14(圧縮上死点)のように、リエントラント部12に向けて噴射された燃料は、図15(クランク角6゜)や図16(クランク角12゜)に示す如く、リエントラント部12に衝突し、その燃料噴射で生じた空気の流れが外側曲面部13に沿いセンターコーン14まで下降して半径方向内側へ折り返される一方、図17(クランク角18゜)に示す如く、その上方で燃料噴射後半の半径方向外側へ向かう空気流れが残存していることにより、図18(クランク角30゜)の如きキャビティ10内で再循環する大きな渦が形成され、この結果、図19(クランク角40゜)のように、燃料噴霧の大半がキャビティ10内に留まり、ここに燃料の濃い領域が局所的に形成されて黒煙が発生し易くなっているという事実を見いだした。尚、図14〜図19中にFで示す線図は、噴射燃料の濃度別分布の拡散状況を模式的に示したものであり、内側の分布領域ほど燃料の濃度が濃いことを示している。
そして、キャビティ10内から積極的にスキッシュエリアS(キャビティ10周囲のピストン9の頂面と気筒天井部23との間の領域)に燃料噴霧を向かわせることによって、燃料の拡散性を向上し且つ気筒の内周側よりも酸素が多い外周側(体積が大きい分だけ酸素も多い)で良好に燃焼させて黒煙発生を抑制する技術を創案するに到ったが、前述の特許文献1や特許文献2等は、燃料と空気の混合性ばかりに注目したものとなっていて、キャビティ10内からスキッシュエリアSへの積極的な燃料の拡散を実現し得るようにはなっていなかった。
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、排気ガスの再循環量を増やしても黒煙の発生や燃費の悪化を極力回避し得るようにした直噴式ディーゼルエンジンの燃焼室構造を提供することを目的としている。
本発明は、ピストン頂面に燃焼室の大半を成すように窪むキャビティを備え、該キャビティの内周面に気筒天井部の中心から燃料を放射状に噴射して自己着火せしめる直噴式ディーゼルエンジンの燃焼室構造であって、キャビティの半径方向中途部にて該キャビティの底面から半径方向外側へ向けて反るように立ち上がる折り返し部を全周に亘り形成すると共に、該折り返し部の上端部全周からピストン中心に向け扁平な円錐状を成すセンターコーンを形成し、該センターコーンの外縁部と前記折り返し部の上端部とによるエッジ部が成す角度を鋭角とし、更に、キャビティの開口の外縁部を成す入口リップ部と、該入口リップ部から緩やかなS字カーブを描くように下降して前記入口リップ部より半径方向外側へ張り出すリエントラント部と、該リエントラント部から半径方向内側へ向かう緩やかな曲面を介してキャビティの底面に連続する外側曲面部とを備え、しかも、前記キャビティの底面から立ち上がる折り返し部の下端部における曲率半径が外側曲面部の曲率半径よりも小さく、前記折り返し部の周囲を取り囲むキャビティの底面が半径方向に直線状を成すように形成され、前記入口リップ部の径寸法がピストン径の40〜70%の寸法範囲で設定され、前記センターコーンの径寸法がピストン径の20〜40%の寸法範囲で設定され、垂直線に対する前記折り返し部の半径方向外側への反り角が0゜より大きく60゜より小さい角度範囲で設定され、該折り返し部の反り角よりも、水平線に対するセンターコーンの勾配角の方が小さくなるように構成したことを特徴とするものである。
而して、気筒天井部の中心からキャビティの内周面に向け放射状に燃料噴射を行うと、その燃料噴霧により押し出された空気の流れがキャビティの内周面に当り、該内周面からキャビティの底面に下降して半径方向内側へ折り返し、その半径方向中途部にある折り返し部により半径方向外側に向かう上昇流となるが、この上昇流は継続中の燃料噴霧による空気の流れに行き当たって再循環されることになり、斯かる一連の空気の流れによりキャビティの内周面と底面と折り返し部に囲まれた領域に大きな渦が形成されて燃料噴射が終了するまで持続されることになる。
他方、折り返し部に沿う上昇流がエッジ部を超える際には、該エッジ部の上側で前記上昇流による圧力降下が起こって急激にセンターコーン側へ向かう流れが引き起こされるが、このセンターコーン側へ向かう流れは、燃料噴射の終了に伴い燃料噴霧による空気の流れが消失し且つその際にピストンが膨張行程を迎えて下降することで縦方向に引き伸ばされ、前記の渦とは逆向きの渦を形成することになる。
そして、これら二つの逆向きの渦によりスキッシュエリア(キャビティ周囲のピストン頂面と気筒天井部との間の領域)に向かう強い流れが形成され、これにより燃料と空気の混合気が、キャビティの底部や中心部で局所的に燃料の濃い領域を生じることなく、酸素が多く存在しているスキッシュエリア(気筒の外周側の方が内周側よりも体積が大きい分だけ酸素も多い)へ良好に拡散される結果、煤の再酸化が促進されて黒煙の発生が著しく抑制されることになる。
また、本発明においては、キャビティの開口の外縁部を成す入口リップ部と、該入口リップ部から緩やかなS字カーブを描くように下降して前記入口リップ部より半径方向外側へ張り出すリエントラント部と、該リエントラント部から半径方向内側へ向かう緩やかな曲面を介してキャビティの底面に連続する外側曲面部とを備えているので、リエントラント部に向けた燃料噴射で生じた空気の流れが外側曲面部により円滑に半径方向内側へ折り返され、その半径方向中途部にある折り返し部により効果的に半径方向外側に向かう上昇流が形成されることになる。
更に、この上昇流を良好に形成するに際しては、キャビティの底面から立ち上がる折り返し部の下端部における曲率半径が外側曲面部の曲率半径よりも小さくなっているので、半径方向内側へ折り返される空気の流れの勢いが削がれることなく折り返し部の下端部まで導かれることになる。
また、折り返し部の周囲を取り囲むキャビティの底面が半径方向に直線状を成すように形成されているので、この直線状の底面部分を助走路として半径方向内側へ向かう空気の流れをストレートに導いて折り返し部の下端部にぶつけることが可能となる。
尚、入口リップ部の径寸法はピストン径の40〜70%の寸法範囲で設定し、センターコーンの径寸法はピストン径の20〜40%の寸法範囲で設定すると良く、また、垂直線に対する折り返し部の半径方向外側への反り角を0゜より大きく60゜より小さい角度範囲で設定し、更には、垂直線に対する折り返し部の半径方向外側への反り角よりも、水平線に対するセンターコーンの勾配角の方が小さくなるようにすると良い。
上記した本発明の直噴式ディーゼルエンジンの燃焼室構造によれば、キャビティの底部や中心部で局所的に燃料の濃い領域が生じることを未然に回避することができると共に、酸素が多く存在しているスキッシュエリアへ燃料を積極的に拡散させて良好に燃焼させることもできるので、黒煙の発生や燃費の悪化を極力回避しながら排気ガスの再循環量を既存の直噴式ディーゼルエンジンで実現できなかったレベルまで増加することができ、従来よりも優れたNOxの低減効果を得ることができるという優れた効果を奏し得る。
以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1〜図11は本発明を実施する形態の一例を示すもので、図12及び図13と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
先に図12で説明した直噴式ディーゼルエンジン1に関し、本形態例においては、図1に示す如く、ピストン9の頂面に凹設されているキャビティ10の半径方向中途部に、該キャビティ10の底面27から半径方向外側へ向けて反るように立ち上がる折り返し部24を全周に亘り形成すると共に、該折り返し部24の上端部全周からピストン中心Oにかけては、扁平な円錐状を成すセンターコーン25を形成し、該センターコーン25の外縁部と前記折り返し部24の上端部とによるエッジ部26が成す角度が鋭角(直角より小さい角度)となるように構成してある。
ここで、燃料が噴射されるキャビティ10の内周面の形状は、先に図13で説明した従来のキャビティ10と同様であり、キャビティ10の開口の外縁部を成す入口リップ部11と、該入口リップ部11から緩やかなS字カーブを描くように下降して前記入口リップ部11より半径方向外側へ張り出すリエントラント部12と、該リエントラント部12から半径方向内側へ向かう緩やかな曲面を介してキャビティ10の底面27に連続する外側曲面部13とにより構成されている。
また、キャビティ10の底面27から立ち上がる折り返し部24の下端部における曲率半径は、リエントラント部12から前記キャビティ10の底面27にかけての曲面の曲率半径よりも小さくなっており、折り返し部24の周囲を取り囲むキャビティ10の底面27は、ピストン9の頂面と平行な平坦面となっていて半径方向に直線状を成すように形成されている。
ただし、キャビティ10の底面27が半径方向に直線状を成すように形成するにあたっては、必ずしもピストン9の頂面と平行な平坦面とする必要はなく、ピストン中心Oに向けて下り勾配や上り勾配を成す錐状又は擂り鉢状の形状を採用することも可能である。
尚、入口リップ部11の径寸法D1がピストン径D0の40〜70%の寸法範囲で設定されていると共に、センターコーン25の径寸法D2はピストン径D0の20〜40%の寸法範囲で設定されている(図2参照)。
また、垂直線に対する折り返し部24の半径方向外側への反り角αは0゜より大きく60゜より小さい角度範囲で設定されており(図3参照)、この折り返し部24の反り角αよりも、水平線に対するセンターコーン25の勾配角βの方が小さくなるようにしてある(図4参照)。
而して、このように燃焼室構造を構成した場合に、図5(圧縮上死点)のように、気筒天井部23の中心からキャビティ10のリエントラント部12に向け放射状に燃料噴射を行うと、図6(クランク角6゜)のように、その燃料噴霧により押し出された空気の流れがリエントラント部12に当り、該リエントラント部12から下降して外側曲面部13により円滑に半径方向内側へ折り返され、その半径方向中途部にある折り返し部24により半径方向外側に向かう上昇流となるが、図7(クランク角12゜)のように、この上昇流は継続中の燃料噴霧による空気の流れに行き当たって再循環されることになり、斯かる一連の空気の流れによりキャビティ10の内周面と底面27と折り返し部24に囲まれた領域に大きな渦が形成されて燃料噴射が終了するまで持続されることになる。
この際、特に本形態例においては、キャビティ10の底面27から立ち上がる折り返し部24の下端部における曲率半径が、リエントラント部12から底面27にかけての外側曲面部13の曲率半径よりも小さくしてあるので、半径方向内側へ折り返される空気の流れの勢いが削がれることなく折り返し部24の下端部まで導かれることになり、しかも、折り返し部24の周囲を取り囲むキャビティ10の底面27が半径方向に直線状を成すように形成されているので、この直線状の底面部分を助走路として半径方向内側へ向かう空気の流れをストレートに導いて折り返し部24の下端部にぶつけることが可能となる。
また、折り返し部24に沿う上昇流がエッジ部26を超える際には、該エッジ部26の上側で前記上昇流による圧力降下が起こって急激にセンターコーン25側へ向かう流れが引き起こされるが、このセンターコーン25側へ向かう流れは、図8(クランク角18゜)のように、燃料噴射の終了に伴い燃料噴霧による空気の流れが消失し且つその際にピストン9が膨張行程を迎えて下降することで縦方向に引き伸ばされ、図9(クランク角30゜)のように、前記の渦とは逆向きの渦を形成することになる。
そして、これら二つの逆向きの渦によりスキッシュエリアS(キャビティ10周囲のピストン9の頂面と気筒天井部23との間の領域)に向かう強い流れが形成され、図10の(クランク角40゜)ように、燃料と空気の混合気が、キャビティ10の底部や中心部で局所的に燃料の濃い領域を生じることなく、酸素が多く存在しているスキッシュエリアS(気筒の外周側の方が内周側よりも体積が大きい分だけ酸素も多い)へ良好に拡散される結果、煤の再酸化が促進されて黒煙の発生が著しく抑制されることになる。尚、図5〜図10中にFで示す線図は、噴射燃料の濃度別分布の拡散状況を模式的に示したものであり、内側の分布領域ほど燃料の濃度が濃いことを示している。
従って、上記形態例によれば、キャビティ10の底部や中心部で局所的に燃料の濃い領域が生じることを未然に回避することができると共に、酸素が多く存在しているスキッシュエリアSへ燃料を積極的に拡散させて良好に燃焼させることもできるので、黒煙の発生や燃費の悪化を極力回避しながら排気ガス2(図12参照)の再循環量を既存の直噴式ディーゼルエンジン1で実現できなかったレベルまで増加することができ、従来よりも優れたNOxの低減効果を得ることができる。
事実、本発明者による検証実験によれば、図11にグラフで示す通り、λ(空気過剰率;EGR率を上げるほど空気過剰率は下がる)に対する排気ガス2の光不透過率(燃焼不良により生じた黒煙による排気ガス2の汚染度を光の不透過率で評価した排気煙濃度の代用値)を、従来の燃焼室構造を採用した場合と本発明の燃焼室構造を採用した場合とで比較したところ、異なる回転数で実施した何れの実験結果においても、本発明の燃焼室構造を採用した場合の方が排気ガス2の光不透過率が低い、即ち、同じEGR率で排気再循環を実行した時(同じλの時)の黒煙による排気ガス2の汚染度が低いことが確認されている。
尚、本発明の直噴式ディーゼルエンジンの燃焼室構造は、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明を実施する形態の一例を示す断面図である。 入口リップ部及びセンターコーンの径寸法に関する説明図である。 折り返し部の反り角の角度範囲に関する説明図である。 折り返し部の反り角とセンターコーンの勾配角との関係を示す説明図である。 本形態例の圧縮上死点での燃焼噴射状況を示す断面図である。 本形態例のクランク角6゜での燃焼噴射状況を示す断面図である。 本形態例のクランク角12゜での燃焼噴射状況を示す断面図である。 本形態例のクランク角18゜での燃焼噴射状況を示す断面図である。 本形態例のクランク角30゜での燃焼噴射状況を示す断面図である。 本形態例のクランク角40゜での燃焼噴射状況を示す断面図である。 本発明者による検証実験の結果を示すグラフである。 排気ガスを再循環する機構を備えたディーゼルエンジンの概略図である。 図12のキャビティの詳細を示す断面図である。 従来の圧縮上死点での燃焼噴射状況を示す断面図である。 従来のクランク角6゜での燃焼噴射状況を示す断面図である。 従来のクランク角12゜での燃焼噴射状況を示す断面図である。 従来のクランク角18゜での燃焼噴射状況を示す断面図である。 従来のクランク角30゜での燃焼噴射状況を示す断面図である。 従来のクランク角40゜での燃焼噴射状況を示す断面図である。
符号の説明
1 ディーゼルエンジン
9 ピストン
10 キャビティ
11 入口リップ部
12 リエントラント部
13 外側曲面部
23 気筒天井部
24 折り返し部
25 センターコーン
26 エッジ部
27 底面

Claims (1)

  1. ピストン頂面に燃焼室の大半を成すように窪むキャビティを備え、該キャビティの内周面に気筒天井部の中心から燃料を放射状に噴射して自己着火せしめる直噴式ディーゼルエンジンの燃焼室構造であって、
    キャビティの半径方向中途部にて該キャビティの底面から半径方向外側へ向けて反るように立ち上がる折り返し部を全周に亘り形成すると共に、該折り返し部の上端部全周からピストン中心に向け扁平な円錐状を成すセンターコーンを形成し、該センターコーンの外縁部と前記折り返し部の上端部とによるエッジ部が成す角度を鋭角とし、
    更に、キャビティの開口の外縁部を成す入口リップ部と、該入口リップ部から緩やかなS字カーブを描くように下降して前記入口リップ部より半径方向外側へ張り出すリエントラント部と、該リエントラント部から半径方向内側へ向かう緩やかな曲面を介してキャビティの底面に連続する外側曲面部とを備え、
    しかも、前記キャビティの底面から立ち上がる折り返し部の下端部における曲率半径が外側曲面部の曲率半径よりも小さく、前記折り返し部の周囲を取り囲むキャビティの底面が半径方向に直線状を成すように形成され、前記入口リップ部の径寸法がピストン径の40〜70%の寸法範囲で設定され、前記センターコーンの径寸法がピストン径の20〜40%の寸法範囲で設定され、垂直線に対する前記折り返し部の半径方向外側への反り角が0゜より大きく60゜より小さい角度範囲で設定され、該折り返し部の反り角よりも、水平線に対するセンターコーンの勾配角の方が小さくなるように構成したことを特徴とする直噴式ディーゼルエンジンの燃焼室構造。
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