JP4415516B2 - 筒内噴射式内燃機関の制御装置 - Google Patents

筒内噴射式内燃機関の制御装置 Download PDF

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、筒内噴射式内燃機関の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば自動車用の内燃機関として、燃焼室に直接燃料を噴射供給する筒内噴射式のものが知られている。
【0003】
こうした内燃機関の低温始動時においては、燃焼室内に噴射された燃料が霧化されにくく液状燃料のままとなり易いことから、燃焼室内に液状燃料が存在した状態で燃料の燃焼が行われることがある。この場合、燃焼室内の液状燃料が燃焼時の熱により焦げ付き、内燃機関からの排気に黒煙が含まれるようになるおそれがあった。
【0004】
そこで、例えば特開平11−324778号公報に示されるように、燃料燃焼時の燃焼室内に内燃機関の排気を存在させ、これにより燃料燃焼時の燃焼温度を低下させて液状燃料の焦げ付きを抑制するとともに、排気の熱により燃焼室の温度を上昇させて液状燃料の霧化を促進することも考えられる。このように、燃焼室内での液状燃料の焦げ付きを抑制するとともに同燃料の霧化を促進することで、黒煙の発生を抑制することができるようになる。
【0005】
なお、燃料燃焼時の燃焼室内に内燃機関の排気を存在させる手法としては、同機関における吸気バルブのバルブタイミングを可変とするバルブタイミング可変機構を油圧制御し、吸気バルブのバルブタイミングを最遅角状態から進角させる進角制御を行うという手法があげられる。即ち、このように進角制御によって吸気バルブのバルブタイミングを最遅角状態から進角させると、その進角量が大となるほど同吸気バルブと排気バルブとのバルブオーバラップが大きくなり、燃料燃焼時の燃焼室内には前回の燃料燃焼時に生じた排気が多量に残留するようになるのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、内燃機関の停止過程においては、バルブタイミング可変機構を作動させるための作動油の油圧が低下するとともに同機構に吸気バルブの開閉駆動に伴う反力が働くため、バルブタイミング可変機構が吸気バルブのバルブタイミングを最遅角状態へと遅角させる側に作動することとなる。
【0007】
しかしながら、内燃機関の低温始動に際して上述した進角制御が開始された後に同機関が停止され、更に再始動が行われるような場合には、その再始動が開始されるまでに吸気バルブのバルブタイミングが最遅角状態まで戻り切らないというおそれがある。
【0008】
こうしたことの原因としては、
・バルブタイミング可変機構を作動させるための作動油が機関運転によって暖められて低粘度になる前に内燃機関が停止されたため、再始動開始までにバルブタイミング可変機構が吸気バルブを最遅角状態とする位置(基準位置)へと戻りきらない、
・バルブタイミング可変機構を作動させるための作動油として適したものよりも高い粘度の作動油が用いられているため、再始動開始までにバルブタイミング可変機構が上記基準位置へと戻りきらない、
等々の原因が考えられる。
【0009】
そして、上記再始動時までに吸気バルブのバルブタイミングが最遅角状態まで戻りきっていない場合には、この再始動時において燃焼室のガス中に存在する排気の量が過度に多くなる。その結果、燃焼室内の酸素が良好な燃料の燃焼を得る上で不足して空燃比が過度にリッチになり、内燃機関の始動不良が生じるおそれがあった。
【0010】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、再始動時等の始動不良を抑制することのできる筒内噴射式内燃機関の制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、燃料燃焼時の燃焼室内のガスに含まれる排気の量を調整する調整手段を備える筒内噴射式内燃機関に適用され、同調整手段はその作動位置が第1の所定位置から第2の所定位置までの間で変更されるものであり、前記内燃機関の低温始動の際に前記調整手段を油圧によって前記第1の所定位置から前記ガス中の排気量を増加させる側である前記第2の所定位置側に作動させる排気増量制御を実行する筒内噴射式内燃機関の制御装置において、機関停止時における前記調整手段の作動位置と前記第1の所定位置との差である作動量を算出し、この作動量に基づいて機関始動時の燃料噴射量を減量補正する補正手段を備えた。
【0012】
内燃機関の始動時において、調整手段が燃料燃焼時の燃焼室内のガスに含まれる排気の量を増加させる側から上記所定位置に戻りきっていない場合、上記ガス中の排気量が適正値よりも多くなる。そのため、同燃焼室内の酸素が良好な燃料の燃焼を得る上で不足し、内燃機関の空燃比が過度にリッチになる。しかし、上記構成によれば、内燃機関の始動に際し、前記調整手段における所定位置から上記ガス中に含まれる排気量を増加させる側への作動量に基づき燃料噴射量が減量補正されるため、当該排気量の過多に伴い空燃比が過度にリッチになって始動不良が生じるのを抑制することができる。
【0013】
なお、上記調整手段における所定位置からの前記ガス中の排気量を増加させる側への作動量としては、内燃機関の停止過程で求められるものや、内燃機関の始動過程で求められるものを採用することができる。また、機関始動からの燃料噴射量の減量補正については、上述した作動量が大であるほど減量補正量を大きくすることが好ましい。
【0014】
請求項2記載の発明では、燃料燃焼時の燃焼室内のガスに含まれる排気の量を調整する調整手段を備える筒内噴射式内燃機関に適用され、同調整手段はその作動位置が第1の所定位置から第2の所定位置までの間で変更されるものであり、前記内燃機関の低温始動の際に前記調整手段を油圧によって前記第1の所定位置から前記ガス中の排気量を増加させる側である前記第2の所定位置側に作動させる排気増量制御を実行する筒内噴射式内燃機関の制御装置において、機関停止時における前記調整手段の前記作動位置と前記第1の所定位置との差である作動量を算出し、この作動量に基づいて前記調整手段が前記第1の所定位置付近まで戻っていないと判断されるときには、機関始動時の燃料噴射量を減量補正する補正手段を備えた。
請求項3記載の発明では、請求項1又は2に記載の筒内噴射式内燃機関の制御装置において、前記補正手段は、機関停止時に前記作動量を算出し、その後の機関始動時に同作動量に基づく前記減量補正を行うものとした。
請求項4記載の発明では、請求項1又は2に記載の筒内噴射式内燃機関の制御装置において、前記補正手段は、機関始動時に前記作動量を算出し、その後に同作動量に基づく前記減量補正を行うものとした。
【0015】
内燃機関の始動時において、調整手段が所定位置に戻りきっていない状態での排気増量制御の実行に伴い空燃比が過度にリッチになることは、燃料噴射量の減量補正によって抑制されるため、その空燃比のリッチによる始動不良は抑制されるようになる。
【0016】
請求項5記載の発明では、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発明において、前記補正手段は、前記内燃機関の始動開始後に燃料燃焼が行われたことを条件に前記燃料噴射量の減量補正を開始するものとした。
【0017】
初回の燃料燃焼時には燃焼室内に排気が存在することがないため、同排気量の過多に伴う酸素不足により空燃比が過度にリッチになる可能性は低い。上記構成によれば、始動開始後における初回の燃料噴射で必要のない燃料噴射量の減量補正が行われ、これによって燃料噴射量が不足して始動不良に繋がるのを回避することができる。
【0018】
請求項6記載の発明では、請求項5記載の発明において、前記補正手段は、前記内燃機関の始動開始後に同機関の各気筒全てで初回の燃料燃焼が行われたことを条件に前記燃料噴射量の減量補正を開始するものとした。
【0019】
上記構成によれば、各気筒における始動開始後の初回の燃料噴射で必要のない燃料噴射量の減量が行われ、これによって燃料噴射量が不足して始動不良に繋がるのを回避することができる。
【0020】
請求項7記載の発明では、請求項1〜のいずれか一項に記載の発明において、前記燃料噴射量の減量補正量の初期値は、前記調整手段の前記作動量に基づき可変とされるものとした。
【0021】
燃料燃焼時の燃焼室内のガス中に存在する排気の量は前記調整手段の作動量に基づき変化するため、同作動量に応じて燃料噴射量の減量補正量の初期値を可変とすることで、その減量補正を適切に行うことができる。
【0022】
なお、燃料噴射量の減量補正量の初期値については、上述した作動量が大であるほど大きくすることが好ましい。
請求項8記載の発明では、請求項1〜のいずれか一項に記載の発明において、前記燃料噴射量の減量補正量の初期値は、ピストン温度に基づき可変とされるものとした。
【0023】
内燃機関の空燃比に影響を及ぼす燃焼室の内壁面への燃料付着量、及び同付着燃料の気化量はピストン温度に応じて変化するため、同ピストン温度に応じて燃料噴射量の減量補正量の初期値を可変とすることで、その減量補正を適切に行うことができる。
【0024】
なお、上記ピストン温度については、始動が行われる直前の機関運転での運転実行時間に基づき推定したり、当該機関運転の実行中における積算吸入空気量や積算燃料噴射量等に基づき推定することが考えられる。更に、こうしたピストン温度の推定に際し、前回の機関運転から今回の機関始動までの機関停止時間を加味してもよい。
【0025】
請求項9記載の発明では、請求項7又は8記載の発明において、前記燃料噴射量の減量補正量は、時間経過に伴い前記初期値から徐々に少なくされるものとした。
【0026】
上記構成によれば、燃料噴射量の減量補正量が急に「0」になることによってトルクショック等の不具合が生じるのを防止することができる。
請求項10記載の発明では、請求項1〜のいずれか一項に記載の発明において、前記補正手段は、前記内燃機関の始動開始から所定時間が経過しても始動完了していないときには前記燃料噴射量の減量補正を停止するものとした。
【0027】
始動時における燃料噴射量の減量補正が過剰に行われた場合には内燃機関が始動しにくくなる。しかし、上記構成によれば、内燃機関が始動しにくいときには燃料噴射量の減量補正が停止されるため、過剰な燃料噴射量の減量補正により内燃機関の始動性が低下するのを抑制することができる。
【0028】
請求項11記載の発明では、燃料燃焼時の燃焼室内のガスに含まれる排気の量を調整する調整手段を備える筒内噴射式内燃機関に適用され、同調整手段はその作動位置が第1の所定位置から第2の所定位置までの間で変更されるものであり、前記内燃機関の低温始動の際に前記調整手段を油圧によって前記第1の所定位置から前記ガス中の排気量を増加させる側である前記第2の所定位置側に作動させる排気増量制御を実行する筒内噴射式内燃機関の制御装置において、機関停止時における前記調整手段の作動位置と前記第1の所定位置との差である作動量を算出し、この作動量が所定値よりも大であるときには、同調整手段を前記第1の所定位置側に制御する制御手段を備えた。
【0029】
内燃機関の始動時において、調整手段が燃料燃焼時の燃焼室内のガスに含まれる排気の量を増加させる側から上記所定位置に戻りきっていない場合、上記ガス中の排気量が適正値よりも多くなる。そのため、同燃焼室内の酸素が良好な燃料の燃焼を得る上で不足し、内燃機関の空燃比が過度にリッチになる。しかし、上記構成によれば、このような状況のときに調整手段が所定位置側に制御され、上記ガス中の排気量が少なくされるため、当該排気量の過多に伴い空燃比が過度にリッチになって始動不良が生じるのを抑制することができる。
【0030】
請求項12記載の発明では、燃料燃焼時の燃焼室内のガスに含まれる排気の量を調整する調整手段を備える筒内噴射式内燃機関に適用され、同調整手段はその作動位置が第1の所定位置から第2の所定位置までの間で変更されるものであり、前記内燃機関の低温始動の際に前記調整手段を油圧によって前記第1の所定位置から前記ガス中の排気量を増加させる側である前記第2の所定位置側に作動させる排気増量制御を実行する筒内噴射式内燃機関の制御装置において、機関停止時における前記調整手段の前記作動位置と前記第1の所定位置との差である作動量を算出し、この作動量に基づいて前記調整手段が前記第1の所定位置付近まで戻っていないと判断されるときには、同調整手段を前記第1の所定位置側に制御する制御手段を備えた。
請求項13記載の発明では、請求項11又は12に記載の筒内噴射式内燃機関の制御装置において、前記制御手段は、機関停止時に前記作動量を算出し、その後の機関始動時に同作動量に基づく前記調整手段の制御を行うものとした。
請求項14記載の発明では、請求項11又は12に記載の筒内噴射式内燃機関の制御装置において、前記制御手段は、機関始動時に前記作動量を算出し、その後同作動量に基づく前記調整手段の制御を行うものとした。
【0031】
内燃機関の始動時において、調整手段が所定位置に戻りきっていない状態での排気増量制御の実行に伴い空燃比が過度にリッチになることは、調整手段の所定位置側への制御によって抑制されるため、その空燃比のリッチによる始動不良は抑制されるようになる。
【0032】
請求項15記載の発明では、請求項11〜14のいずれか一項に記載の筒内噴射式内燃機関の制御装置において前記制御手段は、機関始動時に前記調整手段を前記第1の所定位置側に制御するとき、前記調整手段が前記第1の所定位置側の所定の作動位置に復帰するまで燃料噴射を停止するものとした。
【0033】
上記構成によれば、燃料噴射が一時的に停止されて燃焼室内の掃気が行われるため、燃焼室内に多量の排気が存在する状態での燃料の燃焼が行われることはなくなる。従って、燃料燃焼時の燃焼室内に存在するガス中の排気量が過多になり、それに伴い空燃比が過度にリッチになって始動不良に繋がるのを的確に抑制することができるようになる。
【0034】
請求項16記載の発明では、請求項2又は12に記載の筒内噴射式内燃機関の制御装置において、前記調整手段が前記第1の所定位置付近まで戻っていないとの判断は、前記調整手段における前記作動量が所定値よりも大であることに基づきなされるものとした。
【0035】
上記構成によれば、内燃機関の始動に際して、調整手段が上記所定位置付近まで戻っていないことを、上記作動量に基づき的確に判断することができる。
なお、上記調整手段における所定位置からの前記ガス中の排気量を増加させる側への作動量としては、内燃機関の停止過程で求められるものや、内燃機関の始動過程で求められるものを採用することができる。
【0036】
請求項17記載の発明では、請求項2又は12記載の発明において、前記調整手段が前記第1の所定位置付近まで戻っていないとの判断は、当該調整手段の油圧制御に用いられる作動油の粘度が高いと推定されることに基づきなされるものとした。
請求項18記載の発明では、請求項1〜17のいずれか一項に記載の筒内噴射式内燃機関の制御装置において、機関停止から次の機関始動時までの期間において前記調整手段の作動制御が行われない条件のもとで前記作動量が算出されるものとした。
請求項19記載の発明では、燃料燃焼時の燃焼室内のガスに含まれる排気の量を調整する調整手段を備える筒内噴射式内燃機関に適用され、同機関の低温始動の際に前記調整手段を油圧によって所定位置から前記ガス中の排気量を増加させる側に作動させる排気増量制御を実行する筒内噴射式内燃機関の制御装置において、前記内燃機関の始動に際し、前記調整手段における前記所定位置からの前記ガス中の排気量を増加させる側への作動量が所定値よりも大であるときには、同調整手段を前記所定位置側に制御する制御手段を備え、同制御手段は、前記内燃機関の始動に際し、前記調整手段を前記所定位置側に制御するとき、前記調整手段が前記所定位置側の所定の作動位置に復帰するまで燃料噴射を停止するものとした。
請求項20記載の発明では、燃料燃焼時の燃焼室内のガスに含まれる排気の量を調整する調整手段を備える筒内噴射式内燃機関に適用され、同機関の低温始動の際に前記調整手段を油圧によって所定位置から前記ガス中の排気量を増加させる側に作動させる排気増量制御を実行する筒内噴射式内燃機関の制御装置において、前記内燃機関の始動に際し、前記調整手段が前記ガス中の排気量を増加させる側から前記所定位置付近まで戻っていないと判断されるときには、同調整手段を前記所定位置側に制御する制御手段を備え、同制御手段は、前記内燃機関の始動に際し、前記調整手段を前記所定位置側に制御するとき、前記調整手段が前記所定位置側の所定の作動位置に復帰するまで燃料噴射を停止するものとした。
請求項21記載の発明では、燃料燃焼時の燃焼室内のガスに含まれる排気の量を調整する調整手段を備える筒内噴射式内燃機関に適用され、同機関の低温始動の際に前記調整手段を油圧によって所定位置から前記ガス中の排気量を増加させる側に作動させる排気増量制御を実行する筒内噴射式内燃機関の制御装置において、前記内燃機関の始動に際し、前記調整手段が前記ガス中の排気量を増加させる側から前記所定位置付近まで戻っていないと判断されるときには、機関始動開始からの燃料噴射量を減量補正する補正手段を備え、前記調整手段が前記所定位置付近まで戻っていないとの判断は、前記調整手段における前記所定位置からの前記ガス中の排気量を増加させる側への作動量が所定値よりも大であることに基づきなされるものとした。
請求項22記載の発明では、燃料燃焼時の燃焼室内のガスに含まれる排気の量を調整する調整手段を備える筒内噴射式内燃機関に適用され、同機関の低温始動の際に前記調整手段を油圧によって所定位置から前記ガス中の排気量を増加させる側に作動させる排気増量制御を実行する筒内噴射式内燃機関の制御装置において、前記内燃機関の始動に際し、前記調整手段が前記ガス中の排気量を増加させる側から前記所定位置付近まで戻っていないと判断されるときには、同調整手段を前記所定位置側に制御する制御手段を備え、前記調整手段が前記所定位置付近まで戻っていないとの判断は、前記調整手段における前記所定位置からの前記ガス中の排気量を増加させる側への作動量が所定値よりも大であることに基づきなされるものとした。
【0037】
上記構成によれば、内燃機関の始動に際し、調整手段が上記所定位置付近まで戻っていないことを、上記推定される作動油の粘度に基づき的確に判断することができる。
【0038】
なお、上記作動油の粘度が高いか否かの推定については、前回の機関運転における排気増量制御が行われてからの機関運転時間が所定時間よりも短かったか否かに基づき行うことがことが考えられる。
【0047】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を自動車用の筒内噴射火花点火式多気筒エンジンに適用した第1実施形態を図1〜図10に従って説明する。
【0048】
図1に示されるエンジン1においては、吸気通路2から燃焼室3へと吸入される空気と、燃料噴射弁4から燃焼室3内に噴射供給される燃料とからなる混合気に対して、点火プラグ5による点火が行われる。この点火プラグ5の点火時期はイグナイタ5aによって調整される。そして、この点火により燃焼室3内の混合気が燃焼すると、そのときの燃焼エネルギによりピストン6が往復移動し、燃焼後の混合気は排気として排気通路7に送り出されるようになる。
【0049】
また、ピストン6の往復移動は、コネクティングロッド8によってエンジン1の出力軸であるクランクシャフト9の回転へと変換される。そして、クランクシャフト9が回転すると、その回転に対応した信号がクランクポジションセンサ10から出力される。また、上記のようにエンジン1が駆動されるときには冷却水によってエンジン1が冷却されるが、その冷却水の温度は水温センサ36によって検出される。
【0050】
吸気通路2において、その上流部分には燃焼室3に吸入される空気の量(吸入空気量)を調節すべく開閉動作するスロットルバルブ11が設けられ、スロットルバルブ11よりも下流には吸気通路2内の圧力(吸気圧)を検出するためのバキュームセンサ12が設けられている。上記スロットルバルブ11の開度(スロットル開度)は、自動車の運転者によって操作されるアクセルペダル13の踏込量(アクセル踏込量)に応じて調整される。なお、アクセル踏込量はアクセルポジションセンサ14によって検出され、スロットル開度はスロットルポジションセンサ15によって検出される。
【0051】
エンジン1において、吸気通路2と燃焼室3との間は吸気バルブ20の開閉動作によって連通・遮断され、排気通路7と燃焼室3との間は排気バルブ21の開閉動作によって連通・遮断される。そして、吸気バルブ20及び排気バルブ21は、クランクシャフト9の回転が伝達される吸気カムシャフト22及び排気カムシャフト23の回転に伴い開閉動作するようになる。吸気カムシャフト22の近傍には、同シャフト22の回転位置を検出するためのカムポジションセンサ24が設けられている。
【0052】
また、吸気カムシャフト22には、クランクシャフト9の回転に対する吸気カムシャフト22の相対回転位相を変更することで、吸気バルブ20のバルブタイミング(開閉タイミング)を変更するバルブタイミング可変機構25が設けられている。このバルブタイミング可変機構25には、進角側油路26及び遅角側油路27が接続されている。そして、これら油路26,27は、オイルコントロールバルブ(OCV)28、並びに、供給通路29及び排出通路30を介して、エンジン1のオイルパン31内に繋がっている。
【0053】
上記供給通路29には、クランクシャフト9の回転に伴って駆動されるオイルポンプ32が設けられている。また、上記OCV28は、互いに逆方向に働くコイルスプリング33及び電磁ソレノイド34の付勢力よって切換動作し、供給通路29及び排出通路30と進角側油路26及び遅角側油路27との接続状態を変更する。
【0054】
即ち、OCV28は、電磁ソレノイド34の消磁状態においては、遅角側油路27と供給通路29とを連通するとともに、進角側油路26と排出通路30とを連通する。この場合、オイルパン31内のオイル(作動油)がオイルポンプ32により遅角側油路27へ送り出されるとともに、進角側油路26内にあったオイル(作動油)がオイルパン31内へ戻される。このとき、バルブタイミング可変機構25には遅角側油路27を通じてオイルが供給される。これにより、バルブタイミング可変機構25は、クランクシャフト9に対する吸気カムシャフト22の相対回転位相を遅角させるよう油圧により作動される。その結果、吸気バルブ20のバルブタイミングが遅角側に変化するようになる。
【0055】
また、電磁ソレノイド34が励磁されたときには、遅角側油路27と排出通路30とが連通するとともに、進角側油路26と供給通路29とが連通する。この場合、オイルパン31内のオイルがオイルポンプ32により進角側油路26に送り出されるとともに、遅角側油路27内にあったオイルがオイルパン31内へ戻される。このとき、バルブタイミング可変機構25には進角側油路26を通じてオイルが供給される。これにより、バルブタイミング可変機構25は、クランクシャフト9に対する吸気カムシャフト22の相対回転位相を進角させるよう油圧により作動される。その結果、吸気バルブ20のバルブタイミングが進角側に変化するようになる。
【0056】
次に、本実施形態のエンジン制御装置の電気的構成について説明する。
この制御装置は、エンジン1を運転制御すべく自動車に搭載された電子制御装置35を備えている。
【0057】
この電子制御装置35は、イグナイタ5a、燃料噴射弁4、及びOCV28等を駆動制御する。また、電子制御装置35には、クランクポジションセンサ10、バキュームセンサ12、アクセルポジションセンサ14、スロットルポジションセンサ15、カムポジションセンサ24、及び水温センサ36といった各種センサからの検出信号が入力される。更に、電子制御装置35は、上記各種センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAMや、エンジン1の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリであるバックアップRAM等を備えている。
【0058】
電子制御装置35は、クランクポジションセンサ10、スロットルポジションセンサ15、バキュームセンサ12、及びアクセルポジションセンサ14からの検出信号に基づき、エンジン回転速度NE、吸気圧PM、アクセル踏込量ACCP、スロットル開度TAを求める。そして、電子制御装置35は、最大機関負荷に対する現在の負荷割合を示す値である負荷率KLを、エンジン回転速度NEと、スロットル開度TA、アクセル踏込量ACCP、及び吸気圧PMなどエンジン1の吸入空気量に関係するパラメータとに基づき算出する。
【0059】
電子制御装置35は、エンジン回転速度NEや負荷率KLといったエンジン1の運転状態に応じて、点火時期制御、燃料噴射量制御、及び吸気バルブ20のバルブタイミング制御など、エンジン1の各種運転制御を実行する。
【0060】
次に、エンジン1の低温始動時など、排気中に黒煙が含まれる機関状態のときに同黒煙の発生を抑制する手順について図2を参照して説明する。
図2は、吸気バルブ20のバルブタイミングを制御して燃料燃焼時の燃焼室3内のガスに含まれる排気の量(内部EGR量)を調整し、上記黒煙の発生を抑制する黒煙抑制ルーチンを示すフローチャートである。この黒煙抑制ルーチンは、電子制御装置35を通じて例えば所定クランク角毎の角度割り込みにて周期的に実行される。
【0061】
黒煙抑制ルーチンにおいては、エンジン1の始動開始後であれば(S101:YES)、燃焼室3の温度を推定した値である推定温度Tの算出が行われる(S102)。
【0062】
実際の燃焼室3の温度は、エンジン1の一回の燃焼サイクル毎に、同燃焼サイクルで消費される燃料量に対応した分だけ上昇するようになる。この燃料量は、エンジン1の燃料噴射量制御を行う際に用いられる燃料噴射量の指令値、即ち負荷率KL及びエンジン回転速度NE等から求められる最終燃料噴射量Qfin に対応した値となる。
【0063】
従って、ステップS102の処理では、今回の燃焼サイクルにおける燃焼室3の温度上昇分を、最終燃料噴射量Qfin に変換係数Kを乗算することによって算出し、この「Qfin ・K」という値を前回のS102の処理で算出された推定温度Tに加算することにより、今回の推定温度Tが算出されることとなる。なお、上記変換係数Kは、エンジン1の一回の燃焼サイクルで消費(燃焼)される燃料量(最終燃料噴射量Qfin )を、その燃焼による燃焼室3の温度上昇量という単位に変換するためのものである。
【0064】
また、エンジン1の始動開始後に最初にステップS102の処理が実行されるときには、推定温度Tの算出に用いられる前回の推定温度Tとして、エンジン1の冷却水温から算出される初期温度が採用される。この初期温度は、水温センサ36の検出信号から求められるエンジン1の冷却水温が高くなるほど、高い値となるように算出されるものである。
【0065】
このように燃焼室3の推定温度が算出された後、推定温度Tが黒煙発生の可能性のある温度範囲である所定値a2以下であるか否かが判断される(S103)。そして、肯定判定であれば、燃料燃焼時の燃焼室3内のガスに含まれる排気により黒煙の発生を抑制すべき状況である旨判断され、吸気バルブ20のバルブタイミングの進角制御が実行される(S104)。この処理では、吸気バルブ20のバルブタイミングを最遅角状態よりも進角側に制御してバルブオーバラップを生じさせることにより、燃料燃焼時の燃焼室3内のガスに含まれるエンジン1の排気の量(内部EGR量)を増量側に調整する。
【0066】
この排気によって燃焼室3の温度が上昇させられると、燃焼室3内に噴射供給された燃料が霧化されずに液状燃料のままとなることは抑制される。更に、燃料燃焼時の燃焼室3内に存在する排気により燃料の燃焼温度が低下するため、燃焼室3内の液状燃料が燃焼熱によって焦げ付くことも抑制される。このようにして、燃焼室3内の液状燃料を少なくしつつ、燃料が燃焼するときの燃焼温度を低下させることで、液状燃料が焦げ付くことによる黒煙の発生を抑制することができるようになる。
【0067】
一方、ステップS103で否定判定がなされた場合には、上述した黒煙発生の抑制を実行する必要はない旨判断され、通常のバルブタイミング制御が実行される(S105)。
【0068】
上述したバルブタイミング進角制御(S104)や通常のバルブタイミング制御(S105)は、電子制御装置35を通じて算出・設定されるデューティ比Dに基づき、OCV28の電磁ソレノイド34に対する印可電圧をデューティ制御することによって実現される。即ち、こうしたデューティ制御によってバルブタイミング可変機構25に働く油圧が制御され、この油圧制御に基づく同機構25の作動により吸気バルブ20のバルブタイミングが調整されるようになる。
【0069】
ここで、通常のバルブタイミング制御及びバルブタイミング進角角制御について個別に詳しく説明する。
[通常のバルブタイミング制御]
通常のバルブタイミング制御では、負荷率KL及びエンジン回転速度NEなどエンジン1の運転状態に応じて、吸気バルブ20のバルブタイミングの進角量が調整される。この進角量とは、バルブタイミングが最遅角状態となったときを基準として、同バルブタイミングがどの程度進角した状態にあるかを示す値である。言い換えれは、進角量とは、バルブタイミング可変機構25が吸気バルブ20のバルブタイミングを最遅角状態とするときの位置(基準位置)から、同バルブタイミングを進角させる側へのバルブタイミング可変機構25の作動量ということになる。
【0070】
そして、通常のバルブタイミング制御における上記バルブタイミングの進角量の調整は、負荷率KL及びエンジン回転速度NEに応じて設定される目標進角量θtに対し、カムポジションセンサ24の検出信号から求められる実進角量θrが近づくよう、デューティ比Dを変化させることによって行われる。
【0071】
このデューティ比Dが「0%」に設定されたときには、バルブタイミング可変機構25に対して遅角側油路27を通じたオイル供給が行われ、これにより吸気バルブ20のバルブタイミングが最遅角状態となるようバルブタイミング可変機構25が作動するのは上述した通りである。これに対し、デューティ比Dが「100%」に設定されたときには、バルブタイミング可変機構25に対して進角側油路26を通じたオイル供給が行われ、これにより吸気バルブ20のバルブタイミングが最進角状態となるようバルブタイミング可変機構25が作動することとなる。
【0072】
従って、通常のバルブタイミング制御におけるデューティ比Dは、実進角量θrが目標進角量θtよりもバルブタイミング進角側の値であるときには「0%」寄りの値に設定され、実進角量θrが目標進角量θtよりも遅角側の値であるときには「100%」寄りの値に設定される。このように、デューティ比Dを実進角量θr及び目標進角量θtに基づき変化させることで、実進角量θrが目標進角量θtに近づけられ、吸気バルブ20のバルブタイミングがエンジン1の運転にとって最適なタイミングとされる。
【0073】
[バルブタイミング進角制御]
バルブタイミング進角制御では、始動開始後に吸気バルブ20のバルブタイミングが一度も最進角に達したことがない場合、デューティ比Dが「100%」に設定され、これにより吸気バルブ20のバルブタイミングが最進角状態となるようバルブタイミング可変機構25が作動することとなる。そして、吸気バルブ20のバルブタイミングが一度でも最進角に達すると、推定温度Tに基づき算出される目標進角量θtに実進角量θrが近づくよう、デューティ比Dが算出されるようになる。
【0074】
この目標進角量θtは、例えば推定温度Tが高くなるほど小さい値として算出される。これは、推定温度Tが高くなるほど、燃焼室3内に噴射供給される燃料のうち霧化されずに液状燃料となるものが少なくなり、吸気バルブ20のバルブタイミングを進角側に調整して燃料燃焼時の燃焼室3内に存在する排気の量(内部EGR量)を多くしなくても、黒煙の発生を抑制できるようになるためである。
【0075】
ところで、エンジン1の停止過程において、通常はバルブタイミング可変機構25に供給されるオイルの圧力(油圧)低下や、吸気バルブ20の開閉駆動に伴う反力がバルブタイミング可変機構25に働くことにより、同可変機構25が吸気バルブ20のバルブタイミングを最遅角とする側(基準位置側)に戻されることとなる。
【0076】
しかし、エンジン始動時にバルブタイミング進角制御が行われてから比較的早期にエンジン1が停止した場合には、バルブタイミング可変機構25が基準位置まで戻りきらないことがある。この原因としては、オイルが暖められて低粘度になる前にエンジン1が停止してしまうことや、オイルとして高い粘度のものが用いられているといったことが考えられる。
【0077】
そして、バルブタイミング可変機構25が基準位置まで戻りきっていない状態でエンジン1の再始動が行われると、吸気バルブ20のバルブタイミングが最遅角状態よりも進角した状態で燃料噴射が開始されることとなる。こうした状況下での燃料燃焼が行われると、燃料燃焼時に燃焼室3内に存在するガス中の排気量(内部EGR量)が適正値よりも過度に多くなることから、燃焼室3内の酸素が燃料燃焼を良好に行う上で不足することとなる。このため、エンジン1の空燃比が過度にリッチになって始動不良にも繋がりかねない。
【0078】
そこで本実施形態では、低温始動開始時に吸気バルブ20の進角量が所定値aよりも大であるか否か、即ちバルブタイミング可変機構25が内部EGR量増量側の位置から基準位置付近まで戻っていない状態か否かを判断する。そして、吸気バルブ20の進角量が所定値aよりも大であって、バルブタイミング可変機構25が基準位置付近まで戻っていない旨判断されたときには、エンジン1の始動中及び始動完了直後の燃料噴射量を減量補正する。
【0079】
このように燃料噴射量を減量補正することにより、上述した内部EGR量の過多に伴う酸素不足が生じたとき、エンジン1の空燃比が過度にリッチになること、及び同空燃比のリッチに伴い始動不良を招くことが抑制されるようになる。
【0080】
次に、上記燃料噴射量の減量補正を行うべきか否かを判断するための始動制御変更フラグF1の設定手順について、始動制御変更フラグ設定ルーチンを示す図3のフローチャートを参照して説明する。この始動制御変更フラグ設定ルーチンは、電子制御装置35を通じて例えば所定時間毎の時間割り込みにて周期的に実行される。
【0081】
始動制御変更フラグ設定ルーチンにおいては、エンジン運転中に現在の実進角量θrがバックアップRAMの所定領域に進角量θoff として記憶される(S201)。従って、エンジン1が停止してから始動開始するまでの間は、エンジン停止時点の実進角量θrが進角量θoff として記憶された状態になる。
【0082】
そして、エンジン1の始動開始時には(S202:YES)、上記進角量θoff が所定値aよりも大であるか否かが判断される(S203)。ここで肯定判定であって、バルブタイミング可変機構25が基準位置付近まで戻りきっていない状態である旨判断されると、始動制御変更フラグF1が「1(実行)」に設定される(S204)。
【0083】
このように始動制御変更フラグF1が「1(実行)」に設定されると、始動中及び始動完了直後における燃料噴射量の減量補正の実行が指示されることとなる。なお、「1(実行)」に設定された始動制御変更フラグF1は、エンジン1の停止時に「0(非実行)」にリセットされる。
【0084】
次に、始動中及び始動完了後の燃料噴射量制御を行う際の燃料噴射量の指令値である最終燃料噴射量Qfin の算出手順について、最終燃料噴射量算出ルーチンを示す図4〜図7のフローチャートを参照して説明する。
【0085】
最終燃料噴射量算出ルーチンにおいては、エンジン1が始動中である旨判断されると(S301(図4):YES)、エンジン始動中に用いられる最終燃料噴射量Qfin の算出が行われる(S303〜S315(図5、図6))。また、エンジン1が始動完了した状態にある旨判断されると(S302(図4):YES)、エンジン始動完了後に用いられる最終燃料噴射量Qfin の算出が行われる(S316〜S324(図7))。
【0086】
まず、エンジン始動中に用いられる最終燃料噴射量Qfin の算出手順について図5及び図6に基づき説明する。
ここでは、冷却水温に基づく始動時噴射量Qstの算出(S303(図5))、及び、上述したエンジン始動中での燃料噴射量の減量補正に用いられる補正係数K1の算出・設定(S304〜S314(図5、図6))が順次行われる。そして、これら始動時噴射量Qst、補正係数K1、及びその他の補正係数A1に基づき、以下の式(1)から最終燃料噴射量Qfin が算出されるようになる(S315(図6))。
【0087】
Qfin =Qst・A1・K1 …(1)
こうして最終燃料噴射量Qfin が算出されると、それに対応した量の燃料が燃焼室3内に噴射されるよう、燃料噴射弁4が電子制御装置35を通じて駆動制御される。
【0088】
上記補正係数K1は、始動制御変更フラグF1が「1(実行)」ではなく(S304:NO)、上述したエンジン始動中での燃料噴射量の減量補正を実行する必要がない旨判断されたときには、「1.0」に設定される(S311)。このように補正係数K1が「1.0」に設定されているときには、エンジン始動中での燃料噴射量の減量補正が実行されることはない。
【0089】
上記始動制御変更フラグF1が「1(実行)」である場合には(S304:YES)、始動開始からの燃料噴射回数が気筒数以上であるか否か、即ち始動開始後に全ての気筒で燃料燃焼が行われたか否かが判断される(S305)。ここで否定判定であれば、補正係数K1は上記と同じく「0」に設定される(S311)。これは、各気筒における初回の燃料燃焼時には、内部EGR量がほぼ「0」であるため、内部EGR量の過多に伴う酸素不足により空燃比が過度にリッチになる可能性が低く、「F1=1」ではあっても上述したエンジン始動中での燃料噴射量の減量補正を行う必要がないためである。
【0090】
また、ステップS305で肯定判定がなされると、始動開始からの燃料噴射回数が気筒数と等しいか否か、即ち次回の燃料噴射が全ての気筒での燃料燃焼が行われた後における初回のものであるか否かが判断される(S306)。ここで肯定判定であれば、上述した進角量θoff 、及びピストン温度に基づき補正係数K1の初期値K01が算出され(S307)、この初期値K01が補正係数K1として設定される(S308)。
【0091】
初期値K01の算出に用いられるピストン温度は、始動開始時におけるピストン温度の推定値であって、その始動が行われる直前のエンジン運転での運転実行時間や、そのエンジン運転の実行中における積算吸入空気量や積算燃料噴射量等に基づき推定されるものである。更に、こうしたピストン温度の推定に際し、前回のエンジン運転から今回のエンジン始動までのエンジン停止時間を加味すれば、その推定を一層的確に行うことができるようになる。
【0092】
ステップS307で算出された初期値K01は、図8に示されるように進角量θoff を一定とした条件下ではピストン温度が所定値となったときに最小となるよう同ピストン温度の変化に応じて変化する。従って、進角量θoff を一定とした条件下ではピストン温度が上記所定値となったとき、エンジン始動中での燃料噴射量の減量補正量が最大となるのである。なお、上記のような初期値K01のピストン温度に応じた変化は、ピストン温度が高いほど燃焼室3の内壁面への噴射燃料の付着量が少なくなるが、同内壁面に付着した燃料の気化量は多くなるという特性を考慮してのものである。
【0093】
また、初期値K01は、ピストン温度を一定とした条件下では進角量θoff が大となるほど小さくなる。これは、進角量θoff が大となるほど内部EGR量が過多になり、酸素不足による空燃比のリッチ側への移行が進みやすくなるのを抑制するためである。
【0094】
一方、ステップS306で否定判定がなされ、次回の燃料噴射が全ての気筒での燃料燃焼が行われた後における二回目以後のものである旨判断されると、前回の最終燃料噴射量Qfin の算出で用いられる補正係数K1に所定値bを加算したものが新たな補正係数K1として設定される(S309)。続いて当該補正係数K1が「1.0」で上限ガードされる(S310)。
【0095】
以上のように補正係数K1の算出・設定が行われた後、始動開始から所定時間が経過したか否か、即ち始動開始から所定時間が経過しても始動が完了していない状態にあるか否かが判断される(S312(図6))。ここで肯定判定であれば、エンジン始動中での燃料噴射量の減量補正が過剰に行われている旨判断され、始動制御変更フラグF1が「0(非実行)」にされるとともに(S313)、補正係数K1が「1.0」に設定される(S314)。このように補正係数K1が「1.0」に設定されることで、エンジン始動中での燃料噴射量の減量補正が停止され、その減量補正が過剰なものであるときにエンジン1の始動性が低下することは抑制される。
【0096】
続いてエンジン1が始動完了した後に用いられる最終燃料噴射量Qfin の算出手順について図7に基づき説明する。
ここでは、エンジン回転速度NE及び負荷率KLに基づく基本燃料噴射量Qbse の算出(S316)、並びに、上述したエンジン始動完了直後での燃料噴射量の減量補正に用いられる補正係数K2の算出・設定(S317〜S323)が順次行われる。そして、これら始動時噴射量Qst、補正係数K2、及びその他の補正係数A2に基づき、以下の式(2)から最終燃料噴射量Qfin が算出されるようになる(S324)。
【0097】
Qfin =Qst・A1・K1 …(2)
こうして最終燃料噴射量Qfin が算出されると、それに対応した量の燃料が燃焼室3内に噴射されるよう、燃料噴射弁4が電子制御装置35を通じて駆動制御される。
【0098】
上記補正係数K2は、始動制御変更フラグF1が「1(実行)」ではなく(S317:NO)、上述したエンジン始動完了直後での燃料噴射量の減量補正を実行する必要がない旨判断されたときには、「1.0」に設定される(S323)。このように補正係数K1が「1.0」に設定されているときには、エンジン始動完了直後での燃料噴射量の減量補正が実行されることはない。
【0099】
上記始動制御変更フラグF1が「1(実行)」である場合には(S317:YES)、次回の燃料噴射が始動完了後において初回のものであるか否かが判断される(S318)。ここで肯定判定であれば、上記進角量θoff 及び上記ピストン温度に基づき補正係数K2の初期値K02が算出され(S319)、この初期値K02が補正係数K2として設定される(S320)。
【0100】
上記のように算出される初期値K02は、図9に示されるように進角量θoff を一定とした条件下ではピストン温度が所定値となったときに最小となるよう同ピストン温度の変化に応じて変化する。従って、進角量θoff を一定とした条件下ではピストン温度が上記所定値となったとき、エンジン始動中での燃料噴射量の減量補正量が最大となるのである。また、初期値K02は、ピストン温度を一定とした条件下では進角量θoff が大となるほど小さくなる。
【0101】
なお、このように進角量θoff 及びピストン温度の変化に対し初期値K02を変化させるのは、進角量θoff 及びピストン温度の変化に対し初期値K01を図8に示されるように変化させるのと同じ理由による。
【0102】
一方、ステップS318で否定判定がなされ、次回の燃料噴射が始動完了後において二回目以後のものである旨判断されると、前回の最終燃料噴射量Qfin の算出で用いられる補正係数K2に所定値cを加算したものが新たな補正係数K2として設定される(S321)。続いて当該補正係数K1が「1.0」で上限ガードされる(S322)。
【0103】
最後に、エンジン1の始動中及び始動完了直後における燃料噴射量の減量補正態様について、図10のタイムチャートを併せ参照して総括する。
エンジンの始動開始時にバルブタイミング可変機構25が基準位置まで戻りきっておらず、内部EGR量が過多になるおそれのある場合、各気筒での初回の燃料燃焼が実行されるまでは(タイミングT1)、補正係数K1が「1.0」に設定されて通常どおりの始動時燃料噴射が行われる。
【0104】
そして、各気筒での初回の燃料燃焼が実行された後における初回の燃料噴射では、補正係数K1が初期値K01に設定されてエンジン始動中での燃料噴射量の減量補正が開始される。この開始時における燃料噴射量の減量補正量は、上記初期値K01が進角量θoff 及びピストン温度に応じて図8に示されるように変化することから、同じく進角量θoff 及びピストン温度に応じて変化することとなる。このエンジン始動中での燃料噴射量の減量補正の開始以後は、補正係数K1が所定周期毎に所定値bずつ「1.0」側に近づけられ、燃料噴射量の減量補正量が徐々に少なくされる。
【0105】
こうしたエンジン始動中での燃料噴射量の減量補正が行われているとき、エンジン1の始動が完了すると、エンジン始動中での補正係数K1による燃料噴射量の減量補正に代えて、エンジン始動完了直後での補正係数K2による燃料噴射量の減量補正が実行されるようになる。
【0106】
即ち、「1.0」であった補正係数K2が初期値K02に設定されてエンジン始動完了直後での燃料噴射量の減量補正が開始される。この開始時における燃料噴射量の減量補正量は、上記初期値K02が図9に示されるように進角量θoff 及びピストン温度に応じて変化することから、同じく進角量θoff 及びピストン温度に応じて変化することとなる。このエンジン始動完了直後での燃料噴射量の減量補正の開始以後は、補正係数K2が所定周期毎に所定値cずつ「1.0」側に近づけられ、燃料噴射量の減量補正量が徐々に少なくされる。
【0107】
以上のように、エンジン1の始動中及び始動完了直後において燃料噴射量の減量補正を行うことで、始動開始時にバルブタイミング可変機構25が基準位置に戻りきっておらず、内部EGR量の過多に伴う酸素不足が生じたとしても、その酸素不足に起因して空燃比が過度にリッチになることは抑制される。
【0108】
また、エンジン始動中であって、始動開始から所定時間が経過した時点(タイミングT2)で未だ始動完了していない場合、エンジン始動中での燃料噴射量の減量補正が過剰に行われている旨判断され、補正係数K1が「1.0」に設定される。これにより、エンジン始動中での燃料噴射量の減量補正が停止され、過剰な燃料噴射量の減量補正によるエンジン始動性の低下が抑制される。更に、この場合には、エンジン始動完了後において補正係数K2が「1.0」のままに維持される。これにより、エンジン始動完了直後における燃料噴射量の減量補正も停止され、その減量補正の無駄な実行が抑制されることとなる。
【0109】
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)エンジン1の始動時において、バルブタイミング可変機構25が基準位置付近まで戻りきっていない場合、内部EGR量が過度に多くなって良好な燃料の燃焼を得る上で酸素が不足し、エンジン1の空燃比が過度にリッチになるおそれがある。しかし、エンジン1の始動に際し、進角量θoff が所定値aよりも大であって、バルブタイミング可変機構25が基準位置付近まで戻りきっていない旨判断されるときには、燃料噴射量の減量補正が実行されるようになる。この燃料噴射量の減量補正により、上記内部EGR量の過多に伴い空燃比が過度にリッチになって始動不良が生じるのを抑制することができる。
【0110】
(2)エンジン始動中での燃料噴射量の減量補正は、始動開始後に各気筒全てで初回の燃料燃焼が行われたことを条件に開始される。従って、内部EGR量がほぼ「0」である初回の燃料燃焼時に、必要のない燃料噴射量の減量補正が行われ、これによって燃料噴射量が不足して始動不良に繋がるのを回避することができる。
【0111】
(3)エンジン始動中及びエンジン始動完了直後での燃料噴射量の減量補正量の初期値(初期値K01,K02に対応)は、進角量θoff が大きいほど大となるように可変とされる。この進角量θoff に応じて内部EGR量は変化するため、上記のように減量補正量の初期値を可変とすることで、その減量補正を内部EGR量の過多に起因する空燃比のリッチを抑制する上で適切に行うことができるようになる。
【0112】
(4)また、上記減量補正量の初期値は、ピストン温度に基づき可変とされるようにもなる。このピストン温度が変化すると、エンジン1の空燃比に影響を及ぼす燃焼室3の内壁面への燃料付着量、及び同付着燃料の気化量が変化することとなる。従って、上記のように減量補正量の初期値を可変とすることで、その減量補正を燃焼室3の内壁面への燃料付着量、及び同付着燃料の気化量に応じて適切に行うことができる。
【0113】
(5)エンジン始動中及びエンジン始動完了直後での燃料噴射量の減量補正量は、その補正が開始されてから徐々に少なくされる。従って、当該減量補正量が急に「0」になることによってトルクショック等の不具合が生じるのを防止することができる。
【0114】
(6)エンジン始動中での燃料噴射量の減量補正が実行されているとき、始動開始から所定時間が経過しても始動完了していない旨判断されると、その燃料噴射量の減量補正が停止される。従って、エンジン始動中での燃料噴射量の減量補正によってエンジン1が始動しにくくなっていたとしても、その旨を的確に判断して上記減量補正を停止することができ、エンジン1の始動性が当該減量補正によって低下するのを抑制することができる。
【0115】
(7)また、上記のように始動開始から所定時間が経過しても始動完了していない旨判断されたときには、エンジン始動完了直後での燃料噴射量の減量補正も停止されるため、その減量補正の無駄な実行を抑制することもできる。
【0116】
なお、本実施形態は、以下のように変更することもできる。
・エンジン始動中及びエンジン始動完了直後での燃料噴射量の減量補正で、減量補正量を所定時間毎に徐々に少なくしたが、例えば燃料噴射が行われる毎に徐々に少なくすることも可能である。
【0117】
・上記減量補正量の初期値を、進角量θoff とピストン温度との両方に応じて可変としたが、それらの一方だけに応じて可変としたり、或いは固定値としたりしてもよい。
【0118】
・エンジン始動中での燃料噴射量の減量補正のみを行うようにしてもよい。
・エンジン始動開始後における各気筒での初回の燃料噴射では減量補正を行わないようにしたが、これに代えて各気筒での初回の燃料噴射から減量補正を行うようにしてもよい。
【0119】
・エンジン始動中での燃料噴射量の減量補正が行われているときであって始動完了が遅いときには、その減量補正を停止するようにしたが、こうした減量補正停止処理を必ずしも行う必要はない。
【0120】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を図11に基づき説明する。
本実施形態では、始動制御変更フラグF1の設定に用いられる進角量をエンジン1の始動時に求めるようにした点が第1実施形態と異なっている。
【0121】
図11は、本実施形態の始動制御変更フラグ設定ルーチンを示すフローチャートである。この始動制御変更フラグ設定ルーチンにおいては、始動開始された後であって(S403:YES)、実進角量θrの算出が可能なほどエンジン回転が安定している旨判断されたとき(S402:YES)、カムポジションセンサ24からの検出信号に基づき実進角量θrが算出される(S403)。
【0122】
また、エンジン1の始動開始後において、実進角量θrの算出が可能なほどエンジン回転が安定するまでの間は(S402:NO)、燃料噴射弁4からの燃料噴射が禁止される(S406)。このように燃料噴射を禁止することで、燃料燃焼に伴いエンジン回転が不安定になるのを抑制し、クランキングによる安定したエンジン回転を行って速やかに上記実進角量θrの算出を完了することができるようになる。
【0123】
この実進角量θrの算出が行われた後、実進角量θrが所定値aよりも大きいか否かが判断され(S404)、肯定判定であれば始動制御変更フラグF1が「1(実行)」に設定される。そして、「F1=1」とされることにより、エンジン始動中及びエンジン始動完了直後での燃料噴射量の減量補正が行われるようになる。
【0124】
この実施形態においても、第1実施形態に記載した(1)〜(7)と同様の効果が得られるようになる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を図12に基づき説明する。
【0125】
本実施形態では、始動制御変更フラグF1の設定を行う際におけるバルブタイミング可変機構25が基準位置付近まで戻りきっていないか否かの判断を、同可変機構25を作動させるためのオイルの粘度が高いか否かに基づき行うようにした点が第1実施形態と異なっている。
【0126】
図12は、本実施形態の始動制御変更フラグ設定ルーチンを示すフローチャートである。この始動制御変更フラグ設定ルーチンにおいては、始動開始時(S501:YES)に、前回のエンジン運転でバルブタイミング進角制御が開始された後のエンジン運転時間tが所定値d未満であるか否かが判断される(S502)。この運転時間tが長くなるほどバルブタイミング可変機構25を作動させるためのオイルが加熱されて粘度が低くなるという特性があることから、ステップS502で肯定判定がなされるときには同オイルの粘度が高いと推定することができる。
【0127】
そして、オイル粘度が高いと推定されると(S502:YES)、バルブタイミング可変機構25が基準位置付近まで戻りきっていない旨判断され、始動制御変更フラグF1「1(実行)」に設定される(S503)。このように「F1=1」とされることにより、エンジン始動中及びエンジン始動完了直後での燃料噴射量の減量補正が行われるようになる。
【0128】
始動制御変更フラグ設定ルーチンにおいて、ステップS504以降の処理は、今回のエンジン運転でのバルブタイミング進角制御が開始された後のエンジン運転時間tを、次回のエンジン始動の際に用いるべく算出・記憶するためのものである。
【0129】
この一連の処理においては、上記バルブタイミング進角制御中であるときに所定時間毎にカウンタCのカウントアップが行われる(S504,S505)。そして、エンジン1の停止時に(S506:YES)、カウンタCのカウント値に変換係数hを乗算したものがエンジン運転時間tとしてバックアップRAMの所定領域に記憶される(S507)。この変換係数hは、カウンタCのカウント値を時間という単位に変換するためのものである。
【0130】
こうして記憶されたエンジン運転時間tは次回のエンジン始動の際に用いられることとなる。なお、カウンタCは、エンジン運転時間tの記憶が完了した後、クリアされて「0」になる(S508)。
【0131】
この実施形態では、オイル粘度が高いと推定されることに基づき、エンジン始動時にバルブタイミング可変機構25が基準位置付近まで戻りきっていない旨判断することができるとともに、第1実施形態に記載した(1)〜(7)と同様の効果が得られるようになる。
【0132】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態を図13に基づき説明する。
本実施形態は、始動制御変更フラグF1が「1(実行)」であるとき、エンジン始動中及びエンジン始動完了直後での燃料噴射量の減量補正を実行する代わりに、バルブタイミング可変機構25を基準位置側に制御するようにしたものである。このようにバルブタイミング可変機構25を制御することで、エンジン1の始動時における内部EGR量の過多が抑制され、それに起因する空燃比のリッチも抑制されるようになる。
【0133】
図13は、上記のようにバルブタイミング可変機構25を制御するための始動制御ルーチンを示すフローチャートである。この始動制御ルーチンは、電子制御装置35を通じて例えば所定時間毎の時間割り込みにて周期的に実行される。
【0134】
始動制御ルーチンにおいては、始動制御変更フラグF1が「1(実行)」でなければ(S601:NO)、通常どおりバルブタイミング進角制御が実行されるとともに、第1〜第3実施形態のような燃料噴射量減量補正の行われない通常の燃料噴射量制御が実行される(S604、S605)。
【0135】
一方、始動制御変更フラグF1が「1(実行)」であれば、エンジン始動時にバルブタイミング可変機構25が基準位置付近まで戻りきっていない旨判断され、実進角量θrが一度も所定値e未満になっていないことを条件に、デューティ比Dが「0%」に設定される(S602、S603)。
【0136】
従って、始動制御変更フラグF1が「1(実行)」である場合には、実進角量θrが一度でも所定値e未満になるまではデューティ比Dが「0%」に固定され、バルブタイミング可変機構25が基準位置側に制御される。このときには通常の燃料噴射量制御が実行されるが(S605)、上記バルブタイミング可変機構25の基準位置側への制御により内部EGR量の過多が抑制されるため、それに伴う空燃比のリッチも抑制される。その後、実進角量θrが所定値e未満になると、以後はステップS602で肯定判定がなされるようになり、通常のバルブタイミング進角制御が実行されることとなる。
【0137】
この実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(8)エンジン1の始動時にバルブタイミング可変機構25が基準位置付近まで戻りきっていない旨判断される場合には、同可変機構25が基準位置側に制御される。このため、同可変機構25が基準位置付近まで戻りきっていないことに伴い内部EGR量が過多になり、それに起因して空燃比が過度にリッチになって始動不良が生じるのを抑制することができる。
【0138】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態を図14に基づき説明する。
本実施形態は、始動制御変更フラグF1が「1(実行)」であるとき、第4実施形態のようにバルブタイミング可変機構25を基準位置側に制御し、更に当該制御が行われている間は燃料噴射を停止するようにしたものである。このように燃料噴射を一時的に停止することで燃焼室3内の掃気が行われるため、内部EGR量が過多の状態で燃料燃焼が行われることはなくなる。従って、この状態での燃料燃焼が行われて空燃比が過度にリッチになり、エンジン1の始動不良に繋がるのを的確に抑制することができるようになる。
【0139】
図14は、上記のようにバルブタイミング可変機構25を制御するとともに、燃料噴射を停止するための始動制御ルーチンを示すフローチャートである。この始動制御ルーチンは、第4実施形態の始動制御ルーチン(図13)におけるステップS603以降の処理に相当する処理(ステップS703〜S706)のみが第4実施形態と異なっている。
【0140】
本実施形態の始動制御ルーチンにおいては、始動制御変更フラグF1が「1(実行)」であれば(S701:YES)、エンジン始動時にバルブタイミング可変機構25が基準位置付近まで戻りきっていない旨判断され、実進角量θrが一度も所定値e未満になっていないことを条件に、燃料噴射が停止されるとともにデューティ比Dが「0%」に設定される(S702〜S704)。
【0141】
このようにデューティ比Dが「0%」に設定されることで、バルブタイミング可変機構25が基準位置側に制御される。その後、実進角量θrが所定値e未満になると、以後はステップS702で肯定判定がなされるようになり、通常の燃料噴射量制御及びバルブタイミング進角制御が実行されることとなる(S705、S706)。
【0142】
この実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(9)エンジン1の始動時にバルブタイミング可変機構25が基準位置付近まで戻りきっていない旨判断される場合には、同可変機構25が基準位置側に制御され、当該制御が行われている間は燃料噴射が停止される。この燃料噴射の停止により燃焼室3内の掃気が行われ、内部EGR量が過多の状態で燃料燃焼が行われることはなくなる。従って、この状態での燃料燃焼が行われて空燃比が過度にリッチになりエンジン1の始動不良に繋がることは抑制される。
【0143】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態を図15に基づき説明する。
本実施形態は、エンジン1の停止に際して、バルブタイミング可変機構25が基準位置付近まで戻ってから、同エンジン1を停止開始するようにしたものである。このようにすれば、エンジン1の始動時に、バルブタイミング可変機構25が基準位置付近まで戻りきっていないという状況が生じるのを回避することができる。
【0144】
図15は、上記のようにエンジン1を停止させるためのエンジン停止ルーチンを示すフローチャートである。このエンジン停止ルーチンは、電子制御装置35を通じて例えば所定時間毎に時間割り込みにて周期的に実行される。
【0145】
エンジン停止ルーチンにおいては、エンジン停止指令がなされたとき(S801:YES)、デューティ比Dが「0%」に設定される(S802)。これによりバルブタイミング可変機構25が基準位置側へと制御される。そして、実進角量θrが所定値f未満になり(S803:YES)、バルブタイミング可変機構25が基準位置付近まで戻った旨判断されると、エンジン1の停止が開始されることとなる(S804)。
【0146】
この実施形態によれば、以下に示す効果が得られる。
(10)バルブタイミング可変機構25が基準位置付近まで戻りきっていないという状況でエンジン始動が行われることはなくなるため、こうした状況下でエンジン始動のための燃料噴射が行われることに伴い、空燃比が過度にリッチになって始動不良が生じるのを防止することができる。
【0147】
なお、本実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・バルブタイミング進角制御が実行されたときのみ、上記のようなエンジン1の停止を行うようにしてもよい。この場合、エンジン1を停止させるのに必要以上に時間がかかるようになるのを回避することができる。
【0148】
・エンジン1の停止指令後に実進角量θrが所定値f未満になったときエンジン1の停止を開始したが、これに代えて、エンジン1の停止指令後にバルブタイミング可変機構25が基準位置付近まで戻るのに必要な時間だけエンジン運転を続行し、その時間が経過してからエンジン1の停止を開始するようにすることも考えられる。
【0149】
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態を図16及び図17に基づき説明する。
本実施形態は、バルブタイミング進角制御が行われる低温始動時に、バルブタイミング可変機構25の作動を評価し、同機構25の作動が遅い旨判断されるときには、バルブタイミング進角制御を中止するものである。バルブタイミング可変機構25の作動が遅い旨判断された場合、バルブタイミング進角制御が行われると、その後におけるエンジン停止過程で同可変機構25が基準位置付近まで戻りきらない可能性が高い。しかし、上記のようにバルブタイミング進角制御を中止することで、こうした状況が生じることがないようにされる。
【0150】
図16は、本実施形態の黒煙抑制ルーチンを示すフローチャートである。この黒煙抑制ルーチンは、第1実施形態のもの(図2)に対して、ステップS904,S907の処理が追加されている。
【0151】
即ち、始動開始後に燃焼室3の推定温度Tが算出され(S901、S902)、この推定温度が所定値a2以下であって黒煙の発生を抑制すべき状況である旨判断されると(S903:YES)、バルブタイミング進角制御(S905)を中止すべきか否かの判断に用いられる進角制御中止フラグF2が「0(中止せず)」であるか否かが判断される。ここで否定判定がなされると、デューティ比Dが「0%」に設定され(S907)、これによりバルブタイミング可変機構25が基準位置側に制御され、バルブタイミング進角制御(S905)が中止されることとなる。
【0152】
なお、上記ステップS903で否定判定がなされ、黒煙発生の抑制を実行しなくてもよい状況である旨判断されると、通常のバルブタイミング制御が実行される(S906)。
【0153】
ここで、上記進角制御中止フラグF2の設定手順について、進角制御中止フラグ設定ルーチンを示す図17のフローチャートを参照して説明する。この進角制御中止フラグ設定ルーチンは、電子制御装置35を通じて所定時間毎の時間割り込みにて周期的に実行される。
【0154】
進角制御中止フラグ設定ルーチンにおいては、エンジン始動時であってバルブタイミング進角制御が開始されていること(S1001:YES)、及び進角制御中止フラグF2が「0(実行せず)」であること(S1002:YES)を条件に、バルブタイミング可変機構25の作動を評価するためのステップS1003,S1004の処理が実行される。
【0155】
このステップS1003,S1004の処理では、進角制御開始から所定時間が経過した時点での実進角量θrが所定値g未満であるか否か、即ち吸気バルブ20のバルブタイミングを進角させる側へのバルブタイミング可変機構25の作動が遅いか否かが判断される。そして、上記実進角量θrが所定値g未満であってバルブタイミング可変機構25の作動が遅い旨判断されると、進角制御中止フラグF2が「1(中止)」に設定される(S1005)。このように進角制御中止フラグF2が「1(中止)」に設定されると、図16に示される黒煙抑制ルーチンにてバルブタイミング進角制御が中止されるようになる。
【0156】
この実施形態では、以下に示す効果が得られるようになる。
(11)エンジン始動時に行われるバルブタイミング可変機構25の作動評価の結果として同作動が遅い旨判断されると、バルブタイミング進角制御が中止されるようになる。このため、エンジン停止過程において、バルブタイミング可変機構25の作動が遅いために基準位置まで戻りきらないという状況が生じるのを抑制することができる。そして、上記のような状況が生じることによって、エンジン始動時に内部EGR量の過多に伴い空燃比が過度にリッチになって始動不良が生じるのを抑制することができる。
【0157】
(12)バルブタイミング可変機構25がエンジン停止過程において基準位置まで戻りきらない状況が生じる原因としては、同機構25を作動させるためのオイルとして粘度の高いものが用いられているということも考えられる。こうした原因により上記のような状況が生じる場合であっても、その発生を抑制することができる。
【0158】
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態を図18及び図19に基づき説明する。
本実施形態は、エンジン始動時にバルブタイミング可変機構25を作動させるためのオイルを所定時間だけ加熱して同オイルの粘度を低くし、その粘度が高いことに起因して始動時に同可変機構25が基準位置付近まで戻りきっていないという状況が生じるのを抑制するものである。
【0159】
図18は、上記オイルを加熱するヒータ37の設置態様を示す略図である。このヒータ37は、供給通路29及び排出通路30の途中に設けられ、それら通路29,30を流れるオイルを加熱する。こうしたヒータ37によるオイルの加熱は電子制御装置35を通じて制御される。
【0160】
図19は、ヒータ37によるオイルの加熱を行うためのオイル加熱ルーチンを示すフローチャートである。このオイル加熱ルーチンは、電子制御装置35を通じて例えば所定時間毎の時間割り込みにて周期的に実行される。
【0161】
オイル加熱ルーチンにおいては、エンジン1の始動開始時(S1101:YES)にヒータ37によるオイルの加熱が開始され(S1102)、始動開始から所定時間が経過したとき(S1103:YES)にヒータ37によるオイルの加熱が停止される(S1104)。
【0162】
この実施形態では、以下に示す効果が得られるようになる。
(13)エンジン1の始動過程において、オイルが所定時間だけ加熱されて粘度低下が図られるため、低温始動時にバルブタイミング進角制御が開始された後に直ちにエンジン1が停止された場合などにおいて、オイル粘度が高いことに起因してバルブタイミング可変機構25がエンジン停止過程で基準位置まで戻りきらないという状況が生じるのを抑制することができる。そして、上記のような状況が生じることによって、エンジン始動時に内部EGR量の過多に伴い空燃比が過度にリッチになって始動不良が生じるのを抑制することができる。
【0163】
なお、本実施形態は例えば以下のように変更することもできる。
・エンジン始動過程で必ずオイルの加熱を行うようにする代わりに、バルブタイミング進角制御が実行されるときに限ってオイルの加熱を行うようにしてもよい。この場合、同進角制御が開始されたときにヒータ37によるオイルの加熱を開始し、その開始後に所定時間が経過した時点か、或いは実進角量θrが所定値に達した時点で、ヒータ37によるオイルの加熱を停止するというオイル加熱態様を採用することが考えられる。
【0164】
・エンジン始動過程でオイルの加熱を行う代わりに、エンジン停止過程で所定時間だけオイルの加熱を行うようにしてもよい。この場合も上記と同等の効果が得られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の制御装置が適用されるエンジンの全体構成を示す略図。
【図2】第1実施形態の黒煙抑制手順を示すフローチャート。
【図3】第1実施形態における始動制御変更フラグの設定手順を示すフローチャート。
【図4】最終燃料噴射量の算出手順を示すフローチャート。
【図5】最終燃料噴射量の算出手順を示すフローチャート。
【図6】最終燃料噴射量の算出手順を示すフローチャート。
【図7】最終燃料噴射量の算出手順を示すフローチャート。
【図8】進角量θoff 及びピストン温度の変化に対する初期値K01の変化を示すグラフ。
【図9】進角量θoff 及びピストン温度の変化に対する初期値K02の変化を示すグラフ。
【図10】エンジン始動開始後の時間経過に伴う初期値K01,K02の推移を示すタイムチャート。
【図11】第2実施形態における始動制御変更フラグの設定手順を示すフローチャート。
【図12】第3実施形態における始動制御変更フラグの設定手順を示すフローチャート。
【図13】第4実施形態でのエンジン始動時におけるバルブタイミング制御及び燃料噴射量制御手順を示すフローチャート。
【図14】第5実施形態でのエンジン始動時におけるバルブタイミング制御及び燃料噴射量制御手順を示すフローチャート。
【図15】第6実施形態でのエンジン停止手順を示すフローチャート。
【図16】第7実施形態における黒煙抑制手順を示すフローチャート。
【図17】進角制御中止フラグの設定手順を示すフローチャート。
【図18】ヒータの設置例を示す略図。
【図19】オイル加熱手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…エンジン、3…燃焼室、4…燃料噴射弁、10…クランクポジションセンサ、11…スロットルバルブ、12…バキュームセンサ、14…アクセルポジションセンサ、15…スロットルポジションセンサ、20…吸気バルブ、21…排気バルブ、24…カムポジションセンサ、25…バルブタイミング可変機構、28…オイルコントロールバルブ(OCV)、35…電子制御装置、36…水温センサ、37…ヒータ。

Claims (22)

  1. 燃料燃焼時の燃焼室内のガスに含まれる排気の量を調整する調整手段を備える筒内噴射式内燃機関に適用され、同調整手段はその作動位置が第1の所定位置から第2の所定位置までの間で変更されるものであり、前記内燃機関の低温始動の際に前記調整手段を油圧によって前記第1の所定位置から前記ガス中の排気量を増加させる側である前記第2の所定位置側に作動させる排気増量制御を実行する筒内噴射式内燃機関の制御装置において、
    機関停止時における前記調整手段の作動位置と前記第1の所定位置との差である作動量を算出し、この作動量に基づいて機関始動時の燃料噴射量を減量補正する補正手段を備える
    ことを特徴とする筒内噴射式内燃機関の制御装置。
  2. 燃料燃焼時の燃焼室内のガスに含まれる排気の量を調整する調整手段を備える筒内噴射式内燃機関に適用され、同調整手段はその作動位置が第1の所定位置から第2の所定位置までの間で変更されるものであり、前記内燃機関の低温始動の際に前記調整手段を油圧によって前記第1の所定位置から前記ガス中の排気量を増加させる側である前記第2の所定位置側に作動させる排気増量制御を実行する筒内噴射式内燃機関の制御装置において、
    機関停止時における前記調整手段の作動位置と前記第1の所定位置との差である作動量を算出し、この作動量に基づいて前記調整手段が前記第1の所定位置付近まで戻っていないと判断されるときには、機関始動時の燃料噴射量を減量補正する補正手段を備える
    ことを特徴とする筒内噴射式内燃機関の制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載の筒内噴射式内燃機関の制御装置において、
    前記補正手段は、機関停止時に前記作動量を算出し、その後の機関始動時に同作動量に基づく前記減量補正を行う
    ことを特徴とする筒内噴射式内燃機関の制御装置。
  4. 請求項1又は2に記載の筒内噴射式内燃機関の制御装置において、
    前記補正手段は、機関始動時に前記作動量を算出し、その後に同作動量に基づく前記減量補正を行う
    ことを特徴とする筒内噴射式内燃機関の制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の筒内噴射式内燃機関の制御装置において、
    前記補正手段は、前記内燃機関の始動開始後に燃料燃焼が行われたことを条件に前記燃料噴射量の減量補正を開始する
    ことを特徴とする筒内噴射式内燃機関の制御装置。
  6. 請求項5に記載の筒内噴射式内燃機関の制御装置において、
    前記補正手段は、前記内燃機関の始動開始後に同機関の各気筒全てで初回の燃料燃焼が行われたことを条件に前記燃料噴射量の減量補正を開始する
    ことを特徴とする筒内噴射式内燃機関の制御装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の筒内噴射式内燃機関の制御装置において、
    前記燃料噴射量の減量補正量の初期値は、前記調整手段の前記作動量に基づき可変とされる
    ことを特徴とする筒内噴射式内燃機関の制御装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の筒内噴射式内燃機関の制御装置において、
    前記燃料噴射量の減量補正量の初期値は、ピストン温度に基づき可変とされる
    ことを特徴とする筒内噴射式内燃機関の制御装置。
  9. 請求項7又は8に記載の筒内噴射式内燃機関の制御装置において、
    前記燃料噴射量の減量補正量は、時間経過に伴い前記初期値から徐々に少なくされるものである
    ことを特徴とする筒内噴射式内燃機関の制御装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の筒内噴射式内燃機関の制御装置において、
    前記補正手段は、前記内燃機関の始動開始から所定時間が経過しても始動完了していないときには前記燃料噴射量の減量補正を停止する
    ことを特徴とする筒内噴射式内燃機関の制御装置。
  11. 燃料燃焼時の燃焼室内のガスに含まれる排気の量を調整する調整手段を備える筒内噴射式内燃機関に適用され、同調整手段はその作動位置が第1の所定位置から第2の所定位置までの間で変更されるものであり、前記内燃機関の低温始動の際に前記調整手段を油圧によって前記第1の所定位置から前記ガス中の排気量を増加させる側である前記第2の所定位置側に作動させる排気増量制御を実行する筒内噴射式内燃機関の制御装置において、
    機関停止時における前記調整手段の作動位置と前記第1の所定位置との差である作動量を算出し、この作動量が所定値よりも大であるときには、同調整手段を前記第1の所定位置側に制御する制御手段を備える
    ことを特徴とする筒内噴射式内燃機関の制御装置。
  12. 燃料燃焼時の燃焼室内のガスに含まれる排気の量を調整する調整手段を備える筒内噴射式内燃機関に適用され、同調整手段はその作動位置が第1の所定位置から第2の所定位置までの間で変更されるものであり、前記内燃機関の低温始動の際に前記調整手段を油圧によって前記第1の所定位置から前記ガス中の排気量を増加させる側である前記第2の所定位置側に作動させる排気増量制御を実行する筒内噴射式内燃機関の制御装置において、
    機関停止時における前記調整手段の作動位置と前記第1の所定位置との差である作動量を算出し、この作動量に基づいて前記調整手段が前記第1の所定位置付近まで戻っていないと判断されるときには、同調整手段を前記第1の所定位置側に制御する制御手段を備える
    ことを特徴とする筒内噴射式内燃機関の制御装置。
  13. 請求項11又は12に記載の筒内噴射式内燃機関の制御装置において、
    前記制御手段は、機関停止時に前記作動量を算出し、その後の機関始動時に同作動量に基づく前記調整手段の制御を行う
    ことを特徴とする筒内噴射式内燃機関の制御装置。
  14. 請求項11又は12に記載の筒内噴射式内燃機関の制御装置において、
    前記制御手段は、機関始動時に前記作動量を算出し、その後に同作動量に基づく前記調整手段の制御を行う
    ことを特徴とする筒内噴射式内燃機関の制御装置。
  15. 請求項11〜14のいずれか一項に記載の筒内噴射式内燃機関の制御装置において、
    前記制御手段は、機関始動時に前記調整手段を前記第1の所定位置側に制御するとき、前記調整手段が前記第1の所定位置側の所定の作動位置に復帰するまで燃料噴射を停止する
    ことを特徴とする筒内噴射式内燃機関の制御装置。
  16. 請求項2又は12に記載の筒内噴射式内燃機関の制御装置において、
    前記調整手段が前記第1の所定位置付近まで戻っていないとの判断は、前記調整手段における前記作動量が所定値よりも大であることに基づきなされる
    ことを特徴とする筒内噴射式内燃機関の制御装置。
  17. 請求項2又は12に記載の筒内噴射式内燃機関の制御装置において、
    前記調整手段が前記第1の所定位置付近まで戻っていないとの判断は、当該調整手段の油圧制御に用いられる作動油の粘度が高いと推定されることに基づきなされる
    ことを特徴とする筒内噴射式内燃機関の制御装置。
  18. 請求項1〜17のいずれか一項に記載の筒内噴射式内燃機関の制御装置において、
    機関停止から次の機関始動時までの期間において前記調整手段の作動制御が行われない条件のもとで前記作動量が算出される
    ことを特徴とする筒内噴射式内燃機関の制御装置。
  19. 燃料燃焼時の燃焼室内のガスに含まれる排気の量を調整する調整手段を備える筒内噴射式内燃機関に適用され、同機関の低温始動の際に前記調整手段を油圧によって所定位置から前記ガス中の排気量を増加させる側に作動させる排気増量制御を実行する筒内噴射式内燃機関の制御装置において、
    前記内燃機関の始動に際し、前記調整手段における前記所定位置からの前記ガス中の排気量を増加させる側への作動量が所定値よりも大であるときには、同調整手段を前記所定位置側に制御する制御手段を備え、同制御手段は、前記内燃機関の始動に際し、前記調整手段を前記所定位置側に制御するとき、前記調整手段が前記所定位置側の所定の作動位置に復帰するまで燃料噴射を停止する
    ことを特徴とする筒内噴射式内燃機関の制御装置。
  20. 燃料燃焼時の燃焼室内のガスに含まれる排気の量を調整する調整手段を備える筒内噴射式内燃機関に適用され、同機関の低温始動の際に前記調整手段を油圧によって所定位置から前記ガス中の排気量を増加させる側に作動させる排気増量制御を実行する筒内噴射式内燃機関の制御装置において、
    前記内燃機関の始動に際し、前記調整手段が前記ガス中の排気量を増加させる側から前記所定位置付近まで戻っていないと判断されるときには、同調整手段を前記所定位置側に制御する制御手段を備え、同制御手段は、前記内燃機関の始動に際し、前記調整手段を前記所定位置側に制御するとき、前記調整手段が前記所定位置側の所定の作動位置に復帰するまで燃料噴射を停止する
    ことを特徴とする筒内噴射式内燃機関の制御装置。
  21. 燃料燃焼時の燃焼室内のガスに含まれる排気の量を調整する調整手段を備える筒内噴射式内燃機関に適用され、同機関の低温始動の際に前記調整手段を油圧によって所定位置から前記ガス中の排気量を増加させる側に作動させる排気増量制御を実行する筒内噴射式内燃機関の制御装置において、
    前記内燃機関の始動に際し、前記調整手段が前記ガス中の排気量を増加させる側から前記所定位置付近まで戻っていないと判断されるときには、機関始動開始からの燃料噴射量を減量補正する補正手段を備え、前記調整手段が前記所定位置付近まで戻っていないとの判断は、前記調整手段における前記所定位置からの前記ガス中の排気量を増加させる側への作動量が所定値よりも大であることに基づきなされる
    ことを特徴とする筒内噴射式内燃機関の制御装置。
  22. 燃料燃焼時の燃焼室内のガスに含まれる排気の量を調整する調整手段を備える筒内噴射式内燃機関に適用され、同機関の低温始動の際に前記調整手段を油圧によって所定位置から前記ガス中の排気量を増加させる側に作動させる排気増量制御を実行する筒内噴射式内燃機関の制御装置において、
    前記内燃機関の始動に際し、前記調整手段が前記ガス中の排気量を増加させる側から前記所定位置付近まで戻っていないと判断されるときには、同調整手段を前記所定位置側に制御する制御手段を備え、前記調整手段が前記所定位置付近まで戻っていないとの判断は、前記調整手段における前記所定位置からの前記ガス中の排気量を増加させる側への作動量が所定値よりも大であることに基づきなされる
    ことを特徴とする筒内噴射式内燃機関の制御装置。
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