JP4413989B1 - 熱機関用再生器およびこの再生器を用いたスターリングエンジン - Google Patents

熱機関用再生器およびこの再生器を用いたスターリングエンジン Download PDF

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Abstract

【課題】流体の摩擦抵抗が低減された熱機関用再生器を提供する。
【解決手段】熱機関における、高温空間から流入する高温気体の熱を受けて蓄積し、低温空間から流入する低温流体に熱を提供するための、積層された多数枚の金属網11を有する再生器10であって、この金属網11が、互いに平行な多数本の縦素線13Vと、この縦素線13Vに直交する互いに平行な多数本の横素線13Hとから構成されており、前記金属網11が、順次同一方向に一定角度ずつ回転した状態で積層されている。
【選択図】図2

Description

本発明は熱機関用再生器およびこの再生器を用いたスターリングエンジンに関する。さらに詳しくは、スターリングエンジン等の熱機関において、作動流体のエンタルピーを授受するために用いられる再生器、および、この再生器を用いたスターリングエンジンに関する。
従来、スターリングエンジン、火力発電用のボイラー等において、熱交換器としての再生器が用いられている。この再生器は、高温流体からそれが持つエンタルピーの一部を受け取って蓄積し、その一部を低温流体に提供するものである。
特許文献1には、上述したスターリングエンジンの一例であるいわゆるβ形(単シリンダ・ディスプレーサ型)スターリングエンジンが開示されている。β形スターリングエンジンとは、単一シリンダ内の高温側作動空間(膨張空間と呼ぶ)と低温側作動空間(圧縮空間と呼ぶ)との容積割合を変えるためのピストン(ディスプレーサと呼ぶ)、および、全作動空間の容積を変えるためのピストン(出力ピストンまたは動力ピストンと呼ぶ)を備えたものである。
特許文献1のスターリングエンジンでは、上記膨張空間と圧縮空間とを連通する流体通路がシリンダの外周側に形成されている。この流体通路の上部は加熱手段を有する加熱部を構成しており、下部は冷却手段を有する冷却部を構成している。この加熱部と冷却部との間に再生器が装備されている。この再生器は、中央部にシリンダが配置されるべき空間が形成された円筒状を呈しており、アニュラ形再生器と呼ばれる。
このスターリングエンジンの動作時には、ヘリウム等の作動流体が加熱部、再生器および冷却部を通って膨張空間と圧縮空間とを往復する。作動流体が膨張空間から圧縮空間へ移動するときに、再生器は、加熱部を通過した後の高温流体からエンタルピを受け取って蓄積する。逆に作動流体が圧縮空間から膨張空間へ移動するときに、再生器は放熱し、冷却部を通過した後の低温流体にこの熱を提供する。この作動流体の往復の流れによってディスプレーサと動力ピストンとが一定の位相差で往復動し、それぞれに連結された別個の駆動ロッド(出力ロッド)を介して動力が取り出される。
再生器としては種々の形式のものが採用されうる。再生器に要求される機能から、通気性と伝熱性に優れた金属製の多孔質体が多用される。とくに、多数枚の金属製網を積層したものが用いられる。上記特許文献1に開示されたスターリングエンジンの再生器にも、この積層金属製網が用いられている。この金属製網は、互いに平行な多数本の縦素線と、この縦素線に直交する互いに平行な多数本の横素線とから構成されている。素線同士の間隔は縦横ともにほぼ一定である。
従来、再生器の能力向上を目指して様々な工夫が試みられている(特許文献2、特許文献3、特許文献4を参照)。一方、この再生器用の金属製網を積層するに際して、網目の方向については特別の知見はない。たとえば、いずれの金属製網も素線の方向を同一にするというようなルール、慣習および実績はない。
特開平06−294349号公報 特開平10−227255号公報 特開2007−270789号公報 特開平07−260380号公報
本発明は、再生器に他の構成部材を加える必要なく、従来公知の金属製網を用いたとしても性能の向上が実現された熱機関用再生器を提供すること、および、この再生器を用いたスターリングエンジンを提供することを目的としている。
本発明の熱機関用再生器は、
熱機関における、高温空間から流入する高温気体の熱を受けて蓄積し、低温空間から流入する低温流体に熱を提供するための、積層された多数枚の金属製網を有する再生器であって、
前記金属製網が、円状もしくは円環状であり、互いに平行な多数本の縦素線と、この縦素線に直交する互いに平行な多数本の横素線とから構成されており、
前記金属製網が、上下に隣接する金属製網の縦素線同士および横素線同士が交差するように、順次同一方向に一定角度ずつ回転変位した状態で、荷重を加えられて積層されている。
かかる構成により、本発明の再生器は、金属製網の積層体を複雑な経路で貫通する流体流路が確保され、積層体を通過する流体に対する摩擦抵抗が小さいものとなる。すなわち、流体摩擦係数が小さくなる。
前記角度を、10度以上であり且つ80度以下の範囲から選択される角度とすることができる。
前記角度が、30度以上であり且つ60度以下の範囲から選択される角度とすることができる。
前記角度を、30度、45度および60度のうちのいずれか一の角度とすることができる。
本発明のスターリングエンジンは、
作動流体用の膨張空間と、作動流体用の圧縮空間と、前記各空間を画するピストンと、前記膨張空間と圧縮空間とを連通する流体通路に装着された再生器とを備えており、この再生器が、上述したうちのいずれか一の熱機関用再生器から構成されている。
前述した本発明の再生器を備えているため、その優れた作用効果である流体摩擦係数の低下が図られ、その結果、スターリングエンジンの機関効率が向上する。
本発明の熱機関用再生器によれば、他の構成部材を加える必要なく、材料として従来公知の金属製網を用いたとしても作動流体に対する流路抵抗が小さくなり、その結果、伝熱特性も向上する。その結果、この再生器を使用した熱機関の機関効率も向上する。
本発明に係る再生器が適用されたスターリングエンジンの一実施形態を示す縦断面図である。 図1のスターリングエンジンにおける再生器の充填物たる金属製網の積層体を示す斜視図である。 図3(a)は再生器を構成する金属製網の積層体の一部分を拡大して示す平面図であり、図3(b)は図3(a)の側面を示すB−B線断面図であり、図3(c)は図3(a)の正面を示すC−C線断面図である。 順次同一方向に30度ずつ回転させて積層したときの各金属網の同一部分を示しており、nを1から始まる正の整数として、図4(a)は3n−2枚目(たとえば一枚目)、図4(b)は3n−1枚目(たとえば二枚目)、図4(c)は3n枚目(たとえば三枚目)の金属網を示す平面図である。 金属製網の積層方向が異なる複数の再生器について、その流体摩擦の摩擦係数をレイノルズ数について整理して示すグラフである。 本発明の実施形態に係る再生器を用いたスターリングエンジンと、比較例に係る再生器を用いたスターリングエンジンとの機関効率を対比したグラフである。
以下に、図面を参照しながら、本発明に係る再生器およびこの再生器を用いたスターリングエンジンそれぞれの一実施形態を説明する。
図1に示すスターリングエンジン1は、背景技術の欄で説明したと同様のいわゆるβ形スターリングエンジンである。すなわち、単一シリンダ2内の上部に摺動自在のディスプレーサ3によって仕切られた膨張空間4と、下部にディスプレーサ3と動力ピストン5とによって画された圧縮空間6とを備えている。ディスプレーサ3には動力ピストン5を貫通して延びるディスプレーサロッド3aが取り付けられており、動力ピストン5には独自の出力ロッド5aが取り付けられている。これらのディスプレーサロッド3aおよび出力ロッド5aはたとえばクランクシャフト(図示せず)に連結されている。ディスプレーサ3と動力ピストン5とが一定の位相差を持って往復動することにより、ディスプレーサロッド3aおよび出力ロッド5aに連結されたクランクシャフトが回転させられる。
シリンダ2の外周には流体が流れるチャンバ7が形成されている。シリンダ2の上端には、膨張空間4と前記チャンバ7とを連通するパイプ8が設けられている。このパイプ8に近接した位置に、パイプ8内のヘリウム等の作動流体を過熱するためのヒータ9aが設置されている。このパイプ8とヒータ9aとが加熱部9を構成している。チャンバ7内の上部には再生器10を構成する充填物たる金属製網(以下、金属網という)11の積層体110が充填されている。この再生器10は、その中央にシリンダ2を配置するための空洞10a(図2参照)を有するアニュラ形である。チャンバ7内における再生器10の下方には冷却液12aが循環する冷却部12が形成されている。この冷却部12は前記圧縮空間6に連通している。
前記ディスプレーサ3が下降するとき、それによって圧縮空間6が圧縮される。圧縮空間6内の低温作動流体は冷却部12を通り、ついで再生器10において熱を受け取って昇温し、さらに加熱部9で加熱される。このように加熱されて膨張した作動流体は膨張空間4に送り込まれる。ディスプレーサ3は下死点に達した後上昇に転じ、膨張空間4内の高温作動流体は加熱部9を通って再生器10に至る。そこで金属網11の積層体110は高温作動流体からエンタルピを受け取って蓄積する。このように再生器10で冷却された作動流体は冷却部でさらに冷却されてから圧縮空間6に流入する。
図2には再生器10の充填物である円環状の金属網11の積層体110が示されている。この金属網11は、互いに平行な多数本の縦素線13Vと、この縦素線13Vに直交する互いに平行な多数本の横素線13Hとから構成されている。図3(a)も併せて参照すれば明らかなように、縦横ともに素線同士の間隔はほぼ一定であるため、縦素線13Vと横素線13Hとによって正方形の開口14が形成されている。また、金属網11は、外径dmが約0.05〜0.2mm程度の素線を、素線径の2.5倍程度の寸法のピッチpt で平織りすることによってによって形成されている。もちろん、前記寸法に限定されることはない。
金属網11は、積層するに際して、一枚目の素線方向を基準にして順次同一方向に一定角度ずつ回転した状態で積層されている。具体的には、図2の積層体110では、一枚目の金属網の縦素線を基準に、二枚目の金属網の縦素線の方向が一枚目の金属網の縦素線から45度回転した位置となるように積層されている。三枚目の金属網は、二枚目の金属網の縦素線から同一方向にさらに45度回転した位置となるように積層されている。この金属網の回転はもちろんその図心を回転中心としている。この回転角度は45度に限定されない。たとえば、30度であってもよく、60度であってもよく、その他の角度であってもよい。しかし、縦素線13Vと横素線13Hとが直交しているため、90度回転させた場合は実質的に回転させていないことと同じであるため、実施形態には含めない。
図4は、順次同一方向に30度ずつ回転させて積層したときの各金属網11の同一部分を示したものである。図4(a)は3n−2枚目(たとえば一枚目)の金属網11、図4(b)は3n−1枚目(たとえば二枚目)の金属網11、図4(c)は3n枚目(たとえば三枚目)の金属網を示している。ここで、nは1から始まる正の整数である。このような素線方向で積層される。なお、順次同一方向に30度ずつ回転させた積層体は、順次同一方向に60度ずつ回転させた積層体と平面視で同一に見えるが、素線13V、13Hの重なり状態および開口14の重なり状態を三次元で見れば異なるものである。これは、たとえば15度と75度とを比べた場合にも当てはまる。すなわち、α度回転の積層体と、90度−α度回転の積層体とは、作動流体の流路の形状が異なるものであると言える。この流路は、主として多数枚の金属網の開口14が少なくとも部分的にでも重なり合って形成されるものである。ここで、α度とは0度以上90度未満であって、45度を除く角度である。
また、上記したように順次同一方向に一定角度ずつ回転した状態で積層された積層体は、各金属網の回転角度を0度または90度の整数倍として積層した積層体、すなわち、素線方向を全て同一にして積層した積層体(これら全てを、回転させないで積層した積層体ともいう)とは、作動流体の流路の形状が大きく異なると推測できる。この点については後述する。
図5には、異なる回転角度で積層した金属網積層体の摩擦係数を比較したグラフが示されている。このグラフは試験によって得られた結果を示すものである。試験は、日本機会学会論文集(B編)48巻435号(昭和57年11月発行)における第2207頁〜2216頁「再生器マトリックスの流動損失」に記述された手順に沿って行った。
グラフの横軸にレイノルズ数Reをとり、縦軸に実験値から得られた各積層体の摩擦係数fをとっている。摩擦係数fは(1)式によって求められる。
f = 2・ΔP/ρ・u2・N (1)
ここで、ΔPは積層体を流れる流体の圧力損失(Pa)、ρは流体の密度(kg/m3)、uは流体の平均流速(m/秒)、Nは金属網11の枚数である。
上記平均流速uは(2)式によって求められる。
u = u0/β (2)
ここで、u0 は流体の積層体に至る前の平均流速であり、β = (L/pt )2であり、Lおよびpt は図3(a)に示すように、それぞれ金属網の目開きおよびピッチである。また、レイノルズ数Reは(3)式によって求められる。
Re = u・dm/μ (3)
ここで、dmは金属網11の素線径(m)、μは流体の動粘性係数(m2/秒)である。
グラフ中の各測定値を示す記号●は回転角が0度の積層体、記号▲は回転角が30度の積層体、記号○は回転角が45度の積層体、記号◆は回転角が60度の積層体、記号×は回転角を定めずにランダムに積層したものを示している。回転角が0度の積層体およびランダムに積層した積層体を比較例として挙げている。
実験に供した積層体の仕様はいずれのものも以下のとおりである。
ピッチpt ・・・・・0.36mm
素線径dm・・・・・0.16mm
金属網の枚数N・・・48枚
金属網の材質・・・・ステンレス鋼
実験に使用した試験流体の条件は以下のとおりである。
流体の種類・・・・・空気(定常流)
流体の温度・・・・・常温(20°C ± 15°C)
平均流速u0 ・・・・0.5〜1.5m/秒
図5から分かることは、金属網を順次同一方向に一定角度ずつ回転させて積層した積層体(▲、○、◆)は、回転させないで積層した積層体(●)に比べて、全レイノルズ数の範囲にわたって摩擦係数fが大幅に低下していることである。また、回転角を定めずにランダムに積層した積層体(×)に比べても、全レイノルズ数の範囲にわたって摩擦係数fが低下していることは一目瞭然である。
回転させないで積層した積層体の摩擦係数fが極めて高くなっているのは、以下の理由からであると推測できる。すなわち、全金属網の素線方向が同一である場合、上下に隣接した金属網の素線同士は、交差するのではなく図3(b)および図3(c)に示すように長手方向に沿って重なり合うか、または平行になる。平行になる場合は、上下に隣接した金属網の素線がちょうど当該金属網の開口14に位置することになって開口14を大きく塞ぐ結果となる。また、重なり合う場合には、積層する際に加えられる荷重の反作用により、互いに金属網の面内方向に素線同士が押し退け合って上記平行状態となるように金属網全体が相対的に滑る可能性がある。そして、多くの開口14を大きく塞いでしまう事態が生じる。いずれの場合にも、流路の全断面積が小さくなり、摩擦係数fが極めて高くなると考えられる。
一方、回転角を定めずにランダムに積層した積層体では、積層された多数枚の金属網のうち部分的に上記回転角0度の状態になることもあり、また、流路が途中で閉塞される可能性も大きい。
これに比べて、同一方向に順次一定角度回転させて積層した場合、開口14が上下に整列することによって連続した流路を確保することができると考えられる。
以上の試験結果およびその考察から、金属製網11を順次同一方向に一定角度ずつ回転した状態で積層した積層体は、回転させずに積層した積層体および回転角等の決まりを定めずにランダムに積層した積層体と比較して、摩擦係数が低下するという有意な効果が認められる。また、30度、45度、60度の各回転角には限らず、明確に回転変位されていると認められる角度、たとえば10度、15度、75度、80度等の角度においても同等の優れた効果が得られると推測できる。
図6には、前述した複数種の金属網積層体をそれぞれ再生器として用いたスターリングエンジンの機関効率が比較されている。この機関効率は、1999年7月30日、山海堂、「スターリングエンジンの理論と設計」の第4章の記述の基づいた数値計算によって得られたものである。具体的には、同一のスターリングエンジンに、前述した回転角が0度の積層体、回転角が30度の積層体、回転角が45度の積層体、回転角が60度の積層体、従来用いられている回転角を定めないランダムな積層体をそれぞれ再生器として組み込んだものを供試体0、供試体30、供試体45、供試体60および供試体RDとした。供試体0および従来技術の供試体RDは比較例である。
図示のごとく、摩擦係数の異なる再生器を用いれば、その熱機関の機関効率も大きく異なってくることが分かる。機関効率とは、当該熱機関に入力されるエネルギと出力されるエネルギとの比率(出力を入力で除したもの)である。比較例である供試体RDの機関効率を100とした場合、供試体30の機関効率比は103.1、供試体45の機関効率比は102.7、供試体60の機関効率比は102.4となった。換言すれば、比較例RDと比べると、他の三つの供試体30、45、60では、船舶や車両等の走行体に用いた場合、燃料比率(いわゆる燃費)が3%ほど向上することになる。一方、供試体0による機関効率は供試体RDのそれより低い99.4であった。
前述した再生器10はアニュラ形を例にとったが、アニュラ形には限定されず、キャニスタ形等であってもよい。
以上説明した実施形態は、スターリングエンジンを例にとっている。しかし、本発明はスターリングエンジンには限定されない。たとえば、火力発電用のボイラーにおける再生器にも適用可能である。さらに、空調分野における換気用再生器(新鮮気と排気との熱交換)にも適用可能である。
本発明によれば、他の構成部材を加えることなく、材料として従来公知の金属製網を用いることによっても、作動流体に対する流路抵抗が小さくなり、伝熱特性も向上する。したがって、既存の再生器の性能向上を目指した改良としても有用である。
1 … スターリングエンジン
2 … シリンダ
3 … ディスプレーサ
4 … 膨張空間
5 … 動力ピストン
6 … 圧縮空間
7 … チャンバ
8 … パイプ
9 … 加熱部
10 … 再生器
11 … 金属網
12 … 冷却部
13 … 素線
14 … 開口
110 … (金属網の)積層体

Claims (5)

  1. 熱機関における、高温空間から流入する高温気体の熱を受けて蓄積し、低温空間から流入する低温流体に熱を提供するための、積層された多数枚の金属製網を有する再生器であって、
    前記金属製網が、円状もしくは円環状であり、互いに平行な多数本の縦素線と、この縦素線に直交する互いに平行な多数本の横素線とから構成されており、
    前記金属製網が、上下に隣接する金属製網の縦素線同士および横素線同士が交差するように、順次同一方向に一定角度ずつ回転変位した状態で、荷重を加えられて積層されている、熱機関用再生器。
  2. 前記角度が、10度以上であり且つ80度以下の範囲から選択される角度である請求項1記載の熱機関用再生器。
  3. 前記角度が、30度以上であり且つ60度以下の範囲から選択される角度である請求項2記載の熱機関用再生器。
  4. 前記角度が、30度、45度および60度のうちのいずれか一の角度である請求項3記載の熱機関用再生器。
  5. 作動流体用の膨張空間と、作動流体用の圧縮空間と、前記各空間を画するピストンと、前記膨張空間と圧縮空間とを連通する流体通路に装着された再生器とを備えており、
    この再生器が、請求項1〜4のうちのいずれか一の項に記載の熱機関用再生器である、スターリングエンジン。
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