JP4412750B2 - 冷凍車 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に冷凍車のドア開放時における庫内温度の上昇を抑制するための改良構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
冷凍車においては、夏期に冷凍室のドアを開放すると、冷凍室内の冷気がドア開口部から外部へ逃げるとともに、高温外気が庫内へ流入して庫内温度が急上昇する。これに伴って、冷凍室内の商品温度が上昇するとともに、湿度の高い外気の流入により商品表面での結露が発生し、冷凍室内の商品の劣化が生じやすい。また、外気の流入により冷却ユニット内の蒸発器の着霜量も増大し、蒸発器の除霜運転時間が長くなるといった不具合を起こす。
【0003】
そこで、特開平5−213053号公報では、冷凍車のドア開放時に冷却ユニットからの冷風をドア開口部の上方から下方へ向けて吹き下ろして、エアカーテンを形成することにより、冷凍室内の冷気が外部へ逃げるのを防止するとともに、冷凍室内への外気流入を防止するものが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術のごとくドア開口部を上方から下方へ向けて冷風を吹き下ろして、エアカーテンを形成するものについて、本発明者らが実際に実験検討してみると、次のごとき問題が生じることが分かった。
すなわち、停車時に冷却ユニットの送風ファンが停止していても、冷凍室内の上部に装備された冷却ユニットで冷却された冷気が、空気の温度差による自然対流にて、上方から下方へ向かう流れが元々形成されている。これに加えて、エアカーテン形成のための冷風もドア開口部の上部から下方へと流れるので、自然対流による冷気の流れとエアカーテンのための冷風の流れとがラップし、冷風が庫内床面に衝突する。この庫内床面への衝突により冷風が庫外に流出しやすいことが分かった。
【0005】
そして、この庫内床面での冷風流出に伴って、ドア開口部の上部から外気が庫内に流入するので、庫内温度の上昇を十分抑制できない。その結果、冷凍室内の商品温度の上昇をきたし、商品の劣化を招く。
本発明は上記点に鑑みてなされたもので、冷凍車において、ドア開放時における冷風の外部への流出をより効果的に防止して、庫内温度の上昇を抑制することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1〜19記載の発明では、冷凍室(2)の外側で、冷凍室(2)のドア(3、4、33)により開閉される開口部(18、34)の下部に送風手段(19)を配置し、
送風手段(19)は庫外の外気雰囲気に開口して外気のみを吸い込む外気吸込口(20c、21c)を有し、
送風手段(19)は外気吸込口(20c、21c)から吸い込んだ外気のみを開口部(18、34)の下方から上方へ送風するように構成されており、
開口部(18、34)の上部は、吸入口を持たない開口縁部形状になっており、
ドア(3、4、33)の開放時には送風手段(19)を作動させて外気を開口部(18、34)の下方から上方へ向かって、更に、開口部(18、34)の上部の外側へ流して庫外の外気雰囲気に放出し、この下方から上方へ向かう外気流によりエアカーテンを形成することを特徴としている。
【0007】
このように、停車時に冷凍室(2)のドア(3、4、33)を開くと、送風手段(19)の作動によって、開口部(18、34)の下方から上方へ向かうエアカーテンが形成されるから、庫内の冷気はこのエアカーテンの流れに巻き上げられ、エアカーテンの流れの内側部に沿って冷気が上昇する。
従って、従来技術のように、庫内において、冷気が比重差による自然対流によって庫内床面に衝突して、庫外に流出しやすいという現象を防止でき、冷気の庫外への流出を効果的に阻止できる。これと同時に、外気の庫内への流入も防止できるので、ドア開放時における庫内温度の上昇を抑制できる。
【0008】
特に、請求項1記載の発明のように、送風手段(19)により外気を吸い込んで送風し、この外気の流れによりエアカーテンを形成すれば、庫内冷気の上昇流と庫外の外気雰囲気との間に、上方へ向かう外気のエアカーテン流が介在し、庫内冷気が外気雰囲気に直接、晒されることがないので、冷気の庫外への流出防止効果を一層高めることができる。
【0009】
また、エアカーテン形成用の送風手段(19)を外気雰囲気中に配設できるから、送風手段(19)の温度は外気に近似した温度となり、送風手段(19)が結露することがない。
本発明による送風手段は、具体的には、請求項2記載のごとく、開口部(18、34)の下部において開口部(18、34)の幅方向に沿って配置されたクロスフローファン(20、21)により構成したり、あるいは、請求項3に記載のごとく冷凍室(2)の床面(2a)の下方部外側に配置された遠心ファン(29、30)と、この遠心ファン(29、30)の送風する外気を開口部(18、34)の下部まで導き、開口部(18、34)の下部から上方へ向かって外気を吹き出す吹出ダクト(29d、30d)とから構成することができる。
【0010】
また、請求項5記載の発明では、冷凍用蒸発器(13)、および冷凍用蒸発器(13)に送風する冷凍用ファン(17)を有する冷却ユニット(130)を冷凍室(2)内天井部のうち、車両前方側の部位に配置し、冷凍室(2)の開口部(18)は車両後方側に配置し、
冷凍用ファン(17)の作動により冷却ユニット(130)から車両後方側へ向かって略水平方向に冷気が吹き出すようになっており、
冷凍用ファン(17)は停車時にドア(3、4)が開放されたときにも作動するようになっており、
さらに、冷凍室(2)内天井部のうち、車両後方側の部位に開口部(18、34)との間に所定距離(L0 )を隔ててカーテン状部材(31)を垂下させ、冷却ユニット(130)からの冷気がカーテン状部材(31)に吹き当たり、下方へ方向転換するようにしたことを特徴としている。
【0011】
これによると、停車時のドア開放時に、カーテン状部材(31)とその後方側に位置する開口部(18)との間の領域(距離L0 の領域)では、開口部(18)の下方から上方へ流れる空気流(エアカーテン)(▲1▼)の発生に伴って、下方から上昇する庫内冷気の循環流(▲2▼、▲2▼a)をスムースに形成できる。
すなわち、冷却ユニット(130)からの冷気の流れがカーテン状部材(31)の存在により上記庫内冷気の循環流に衝突する以前に、下方へ方向転換(矢印▲3▼)するので、庫内冷気の循環流(▲2▼、▲2▼a)に冷却ユニット(130)からの冷気流(▲3▼)が干渉することがない。この結果、停車時のドア開放時に、庫内冷気の外部への流出および外気の庫内への流入をより一層効果的に防止できる。
【0012】
請求項6記載の発明のように、カーテン状部材(31)の高さ(h)と冷凍室(2)の全高(H)との比率(h/H)が0.1〜0.3の範囲となるように、カーテン状部材(31)の高さ(h)を設定すれば、冷気の流れの下方への方向転換作用と、冷凍室(2)内での作業性確保とを良好に両立できる。
また、請求項7記載の発明のように、カーテン状部材(31)と開口部(18、34)との間の所定距離(L0 )と、冷凍室(2)の車両前後方向の全長(L)との比率(L0 /L)が0.2〜0.4の範囲となるように、所定距離(L0)を設定すれば、庫内冷気の循環流形成のための空間の確保と、冷却ユニット(130)からの冷気により直接冷却される商品冷却空間の確保との両立のために好ましい。
【0013】
また、請求項8記載の発明のように、送風手段(19)を冷凍室(2)の床面(2a)の下方部外側に配置するとともに、送風手段(19)の空気吸い込み側に吸い込み空気から水を分離する屈曲通路を持つ吸込ダクト(36)を配置すれば、送風手段(19)を床下のデッドスペースに設置することができ、車両への搭載性がよいとともに、外気中の水分、あるいは道路上の水分が送風手段(19)に吸い込まれるのを防止できる。
【0014】
また、請求項9記載の発明のように、送風手段(19)の空気吹出側に吹出ダクト(29d、30d)を配置し、この吹出ダクト(29d、30d)に下方への突出部(29f、30f)を設けるとともに、この突出部(29f、30f)の下部に排出穴(29g、30g)を設ければ、吹出ダクト(29d、30d)の部分にて外気中の水分、塵埃等を分離して排出できる。
【0015】
また、請求項10記載の発明では、送風手段(19)によって送風される外気を開口部(18、34)に沿って吹き出す吹出開口(29e、30e)を有し、この吹出開口(29e、30e)における外気の吹出気流速度のうち、庫内側の吹出気流速度(vi)に比して庫外側の吹出気流速度(vo)が大となるように、外気の吹出気流速度に速度勾配を設定することを特徴としている。
【0016】
これによると、外気の庫内侵入抑制と外気吹出気流への庫内冷気の引き込み抑制の両立を効果的に図ることができ、その結果、停車時に冷凍装置の作動を停止していても、ドア開放後の庫内ピーク温度および庫内平均温度(時間平均)をともに従来装置のレベルから大幅に改善できる。
請求項11記載の発明のように、吹出開口(29e、30e)に備えたエアガイド(39)により、上記した外気の吹出気流速度の速度勾配を設定することができる。
【0017】
また、請求項12記載の発明のように、吹出開口(29e、30e)の入口部に、送風手段(19)によって送風される外気を吹出開口(29e、30e)に向けて方向転換させる方向転換手段(29h、30h)を配置し、この方向転換手段(29h、30h)により、上記した外気の吹出気流速度の速度勾配を設定することができる。
【0018】
また、請求項13記載の発明では、送風手段(19)によって送風される外気を開口部(18、34)に沿って吹き出す吹出開口(29e、30e)を有し、この吹出開口(29e、30e)から吹き出された吹出気流が冷凍室(2)の床面(2a)の高さに上昇したとき、吹出気流の主流が庫内側にずれるようにしたことを特徴としている。
【0019】
また、請求項14記載の発明では、送風手段(19)によって送風される外気を開口部(18、34)に沿って吹き出す吹出開口(29e、30e)を有し、この吹出開口(29e、30e)から吹き出された吹出気流が冷凍室(2)の床面(2a)の高さに上昇したとき、この床面(2a)の高さにおける庫内側の気流速度(vi′)を庫外側の吹出気流速度(vo′)より大きくしたことを特徴としている。
【0020】
また、請求項15記載の発明では、送風手段(19)によって送風される外気の吹出気流が冷凍室(2)の床面(2a)の高さに上昇した後、微小角度だけ庫内側に向かって流れ、開口部(18、34)の上下方向の中間部位から吹出気流が庫外側へ向かって次第に湾曲して流れるようにしたことを特徴としている。
本発明者の実験検討によると、上記請求項13〜15記載の発明のようにしても、外気の庫内侵入抑制と外気吹出気流への庫内冷気の引き込み抑制の両立を効果的に図ることができ、ドア開放後の庫内温度の上昇を効果的に抑制できることが分かった。
【0021】
また、請求項16記載の発明のように、開口部(18、34)の上部に送風手段(19)によって送風される外気の吹出気流の拡散流のうち、冷凍室(2)内の冷気に温度が近い空気を冷凍室(2)内側へ偏向させるエアガイド(40)を設ければ、ドア開放時における庫内冷気の外部への流出を効果的に防止できる。
また、請求項17記載の発明では、冷凍用蒸発器(13)および冷凍用蒸発器(13)に送風する冷凍用ファン(17)を有する冷却ユニット(130)を冷凍室(2)内天井部のうち、車両前方側の部位に配置し、冷凍室(2)の開口部(18)は車両後方側に配置し、冷凍用ファン(17)の作動により冷却ユニット(130)から車両後方側へ向かって略水平方向に冷気が吹き出すようになっており、停車時にドア(3、4)が開放されたときには、冷凍用ファン(17)を逆回転させることにより、冷凍室(2)内天井部の車両後方側から空気を冷却ユニット(130)内に吸い込んで、この吸い込み空気を冷凍室(2)内の車両前方側の下方へ吹き出すようにしたことを特徴としている。
【0022】
これによれば、ドア開放時における庫内冷気を冷凍用ファン(17)の逆送風により効果的に冷却ユニット(130)側へ還流できるので、ドア開放時における庫内冷気の外部への流出を効果的に防止できる。
また、請求項18記載の発明では、停車時にドア(3、4、33)が開放されたときに、ドア(3、4、33)開放後の経過時間に応じて、送風手段(19)の風量を制御する制御手段(S108、S109、S110、S111、S101)を備えることを特徴としており、さらに、請求項19記載の発明では、制御手段(S108、S109、S110、S111、S101)は、少なくとも外気温に応じて風量を補正することを特徴としている。
【0023】
これによれば、ドア開放後の経過時間や外気温の変化に対応して外気吹出気流の風量(速度)を適切に制御できる。
【0026】
なお、本明細書において「冷凍」という用語は、庫内(冷却対象空間)を0°C以下に冷却(冷凍)する場合だけでなく、庫内(冷却対象空間)を0°Cより高い温度域、例えば、プラス数度程度の低温域に冷却する(冷蔵)する場合をも含む用語として用いている。従って、本明細書でいう冷凍車および冷凍装置は、冷凍機能および冷蔵機能の少なくとも一方を発揮するものを意味している。
【0027】
また、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1〜図4は本発明の第1実施形態を示すもので、冷凍車1はその運転室後方部に冷凍室(冷凍庫)2が設けられており、冷凍室2には冷凍食品等の商品が積み込まれる。冷凍室2の後部には、その内部に冷凍物を搬入したり、冷凍室2内の冷凍物を搬出するための2つの開閉ドア3、4が設けられている。
【0029】
そして、冷凍車1には、図1に示すように車両前方部に周知の冷凍サイクル装置5が搭載されている。この冷凍サイクル装置5は、冷媒を高温高圧に圧縮して吐出する圧縮機6を有し、この圧縮機6は、周知のごとく電磁クラッチ7(図2参照)を介して車両走行用エンジン8によって駆動される。
この圧縮機6にて高温高圧に圧縮されたガス冷媒は凝縮器9に流入する。この凝縮器9は、図1に示すように車両床下の部位において車両の走行風を受けやすい位置に設置されており、この走行風と電動式の凝縮用ファン10(図2)により送風される冷却風とによって、内部のガス冷媒を冷却して凝縮させる。この凝縮器9の冷媒出口側にレシーバー11を設け、このレシーバー11にて凝縮後の冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離するとともに、液相冷媒を貯留する。
【0030】
そして、このレシーバー11の出口側には、このレシーバー11からの液相冷媒を減圧する減圧装置(本実施形態では温度式膨張弁)12を設け、この減圧装置12で減圧された低圧の気液2相冷媒を冷凍用蒸発器13にて蒸発させる。この冷凍用蒸発器13の出口側と圧縮機6の吸入側との間にはアキュムレータ14が設けてある。このアキュムレータ14は、冷凍用蒸発器13を通過した冷媒の気液分離を行って、液相冷媒を貯留し、気相冷媒を圧縮機6側へ送り出すものである。
【0031】
また、冷凍サイクル装置5において、圧縮機6の吐出側と、減圧装置12の下流側で、冷凍用蒸発器13の上流側の部位との間を直接連通するホットガスバイパス流路15が設けられ、このホットバイパス流路15は蒸発器13の除霜用のものであって、その途中には流路を開閉する電磁弁(弁手段)16が設置されている。
【0032】
冷凍用蒸発器13は、冷媒の蒸発潜熱により冷凍室2内の空気を冷却するものであって、図1に示すように冷凍室2内の車両前方側の上方部位に設置されている。そして、冷凍室2内には、冷凍用蒸発器13に向かって送風する電動式の冷凍用ファン17(図2)が蒸発器13に隣接して設けられている。この冷凍用ファン17は、冷凍室2内の庫内空気を吸い込み、冷凍用蒸発器13を通過させ冷却した後、再度冷凍室2内に冷風を送風するものである。
【0033】
具体的には、図1おいて、冷凍用蒸発器13の下方側に庫内空気の吸込口が設けられ、冷凍用蒸発器13の車両後方側の側面に庫内への吹出口が設けられ、蒸発器13で冷却された冷気は庫内の車両後方側へ向かって略水平方向に吹き出す。冷凍用蒸発器13、冷凍用ファン17等により冷却ユニット130が構成されている。
【0034】
次に、本発明の特徴とするドア3、4の開口部に設けるエアカーテン構造を説明すると、図3は冷凍車1の冷凍室2の後部に設置される開閉ドア3、4部分の詳細図であり、開閉ドア3、4を開くことにより冷凍室2の後部には冷凍物の搬入、搬出のための開口部18が形成される。
そして、開口部18の下方側、すなわち、冷凍室2の外部で、開閉ドア3、4の下方位置に、本発明によるエアカーテン形成のための送風機(送風手段)19が設置されている。この送風機19は、開口部18の下部において開口部18の幅方向に沿って配置された2つのクロスフローファン20、21から構成されている。このクロスフローファン20、21は、周知のごとく多翼形の円筒状ファン(羽根車)20a、21aを回転させると、ファン軸に直角な断面内を空気が通り抜けるものである。
【0035】
具体的には、各クロスフローファン20、21は図4の断面図に示すように多翼形のファン20a、21aをケーシング20b、21b内に回転自在に収容している。このケーシング20b、21bには外気を吸い込む外気吸込口20c、21cが車両後方に向かって開口しているとともに、ファン20a、21aの送風空気(外気)を吹き出す吹出ダクト20d、21dが上方に向かって開口している。吹出ダクト20d、21dは開口部18の幅方向に沿って幅方向のほぼ全長にわたって形成してある。
【0036】
また、ケーシング20b、21bの左右の側方部にはファン20a、21aを回転駆動するモータ20e、21eが設置されている。各クロスフローファン20、21のケーシング20b、21bは図示しない適宜の取付手段を介して冷凍車1の車体に保持固定されている。本例ては、以上の構成により、送風機19により外気を開口部18の下方から上方に向けて送風することによりエアカーテンを形成するようにしてある。
【0037】
次に、電気制御部の概要について説明すると、図2において、制御装置22は、マイクロコンピュータ等のコンピュータ手段を含んで構成されるものであって、入力端子からの入力信号に基づいて予めプログラムされた所定の演算処理を行って、上記冷凍サイクル装置5の作動を制御するものである。制御装置22の入力端子には、以下に述べるセンサ、スイッチ等が接続される。
【0038】
除霜解除センサ23は冷凍用蒸発器11の冷媒出口における冷媒配管表面温度を検出する。庫内温度センサ24は冷凍室2内温度(庫内温度)を検出する。温度設定器25は冷凍室2内の庫内設定温度を乗員の手動操作にて設定するもので、例えば、─10℃〜─20℃の範囲で任意に庫内設定温度が変更可能となっている。冷凍運転スイッチ26は乗員の手動操作にて冷凍サイクル装置5の運転、停止の信号を出すものである。エンジン運転スイッチ27はエンジン8の運転、停止に応じた信号を出すものである。
【0039】
また、冷凍室2の後部の開口部18の周縁部には開閉ドア3、4の開閉と連動して開閉されるドアスイッチ28が設置されている。
一方、制御装置22の出力端子には、電磁クラッチ7、凝縮用ファン10、冷凍用ファン17、電磁弁16、エアカーテン形成用の送風機19等が接続されている。
【0040】
次に、上記構成において作動を説明すると、車両走行時には、車両エンジン8から電磁クラッチ7を介して圧縮機6に動力が伝達されて、圧縮機6が作動するとともに、ファン10、17が作動状態となり、冷凍サイクル装置5が運転状態となる。冷凍用蒸発器13で冷却された冷気は冷凍用ファン17により冷凍室2内に吹き出して庫内の商品(冷凍物)を冷却する。冷凍用蒸発器13へのホットガスバイパスによる除霜作動は周知であるので、説明を省略する。
【0041】
一方、庫内の商品の搬入搬出を行うために、停車する場合は、車両エンジン8からの排気ガス排出の弊害を避けるために、車両エンジン8を通常、停止する。これにより、圧縮機2は停止され、冷凍サイクル装置5は停止状態となる。このとき、庫内の冷却ユニット130の冷凍ファン17も停止する。
そして、冷凍室2の後部の開閉ドア3、4を開くと、これに連動してドアスイッチ28がオン状態になるので、制御装置22により送風機19のモータ20e、21eに通電され、2つのクロスフローファン20、21が作動する。ここで、開閉ドア3、4の開放により形成される開口部18の下部において、開口部18の幅方向全長にわたって2つのクロスフローファン20、21が配設してあるので、開口部18の幅方向全長にわたって下方から上方に向かう外気の流れ(矢印▲1▼)が形成される。
【0042】
このとき、この下方から上方に向かう外気流▲1▼の形成により、庫内の冷気は図3の破線矢印▲2▼に示すように外気流に巻き上げられ、外気流▲1▼の内側部に沿って冷気は上昇する。そして、開口部18の上部において冷気▲2▼は庫内へ戻されるとともに、外気流▲1▼は開口部18の上部の外側を上方へ流れる。
庫内において、冷気は比重差による自然対流によって庫内下部へ向かい、庫内床面に衝突して、庫外に流出しやすいのであるが、本実施形態によると、下方から上方に向かう外気流▲1▼のエアカーテンによって、庫内冷気▲2▼を開口部18の内側で上方へ巻き上げることができるので、冷気の庫外への流出を効果的に阻止できる。これと同時に、外気の庫内への流入も防止できるので、ドア開放時における庫内温度の上昇を効果的に抑制できる。
【0043】
特に、本実施形態では、外気を用いてエアカーテンを形成しているので、庫内冷気の上昇流と庫外の外気雰囲気との間に、上方へ向かう外気流が介在し、庫内冷気が外気雰囲気に直接、晒されることがないので、冷気の庫外への流出防止効果をより一層高めることができる。
また、エアカーテン形成用の送風機19を開口部18の下部において庫外に配設しているから、送風機19の温度は外気と同等の温度となる。そのため、送風機19で外気が冷却されて、結露するという不具合が発生せず、結露に起因する送風機19の作動不良等が発生しない。
【0044】
なお、エアカーテン形成用送風機19として、消費電力の小さい専用の送風機を設定することにより、エンジン停止時における車載バッテリの過放電防止に対しても有効に対応できる。
そして、冷凍室2の後部の開閉ドア3、4を閉じると、これに連動してドアスイッチ28がオフ状態になるので、制御装置22により送風機19の2つのクロスフローファン20、21が停止する。
【0045】
図5は本発明による、ドア開放時における庫内温度の上昇抑制効果を示す実験結果であり、縦軸に庫内平均温度をとり、横軸には、庫内平均温度が一旦、所定温度(図5の例では−20°C)まで冷却された後における経過時間をとっている。
図5において、Aは上記第1実施形態による庫内平均温度の変化を示し、B〜Dは本発明に対する比較例の庫内平均温度の変化を示す。比較例Dは、冷凍車の停車時にも車両エンジン8の運転を継続して、冷凍サイクル装置5の運転を継続させる場合であり、従って、ドア開放時の庫内温度の上昇幅を小さく抑えることができ、かつ、ドア閉鎖後、直ちに庫内温度が低下するので、庫内温度を再度、速やかに低下させることができる。
【0046】
これに対し、比較例Bは、冷凍車の停車時に車両エンジン8の運転を停止するとともに、ドア3、4の開口部18にエアカーテンを全く形成しない場合である。従って、比較例Bによると、ドア開放時の庫内温度の上昇幅が最大になるので、冷凍車の走行が再開されて、車両エンジン8および冷凍サイクル装置5の運転が再開された後における庫内温度の低下に時間がかかる。
【0047】
比較例Cは、特開平5−213053号公報に基づくドア開放時に冷凍室の開口部を上方から下方へ向けて冷風を吹き下ろして、エアカーテンを形成する場合であり、庫内床面から冷気が外部へ流出しやすいので、本発明の実施形態Aに比して、ドア開放時の庫内温度の上昇幅が大きくなってしまう。そのため、比較例Cはドア開放時に庫内温度が5°Cまで上昇する。
【0048】
一方、本発明の第1実施形態Aは、ドア開放時の庫内温度の上昇幅が比較例Dと同等であり、庫内温度が0°C付近まで上昇するだけである。このため、20分停車してから、20分走行すると、庫内温度を比較例Dと同等レベル(−18.5°C)まで低下させることができる。因みに、比較例Cによると、同一条件で、庫内温度が−17.0°C付近までしか低下させることができないので、第1実施形態Aよりも庫内温度が高くなり、ドア開閉の繰り返しにより商品温度が次第に高くなっていく。
【0049】
(第2実施形態)
なお、上述の第1実施形態では、エアカーテン形成用の送風機19として2つのクロスフローファン20、21を使用しているが、送風機19として他の種類のファン、例えば、シロッコファンやターボファン等の遠心ファンを使用することもできる。
【0050】
第2実施形態は図6、7に示すように送風機19として遠心ファン(シロッコファン)29、30を用いており、この遠心ファン29、30は周知のごとく軸方向から空気を吸込み、径方向の外方へ空気を送風するものである。第2実施形態では、冷凍室2の床面2aの下方部外側に2個の遠心ファン(シロッコファン)29、30を並列配置している。
【0051】
この遠心ファン29、30は、円筒状の多翼ファン29a、30aをスクロールケーシング29b、30b内に回転可能に収容するとともに、この多翼ファン29a、30aを1つの共通のモータMにより回転駆動する。スクロールケーシング29b、30bの側面には外気を吸い込む外気吸込口29c、30cが車両の左右側方に向かって開口している。
【0052】
また、スクロールケーシング29b、30bの吹出側には多翼ファン29a、30aの送風空気(外気)を開口部18の下部まで導く吹出ダクト29d、30dが配置してある。この吹出ダクト29d、30dの先端には、多翼ファン29a、30aの送風空気(外気)を開口部18の下部から上方へ向かって吹出す吹出開口29e、30eが開口している。
【0053】
この吹出開口29e、30eは開口部18の幅方向に沿って幅方向のほぼ全長にわたって形成してある。なお、遠心ファン29、30のスクロールケーシング29b、30bは図示しない適宜の取付手段を介して冷凍車1の車体に保持固定されている。
(第3実施形態)
図8〜10は第3実施形態を示しており、第3実施形態では、前述の第1実施形態に対して、冷凍室2内天井部のうち、開閉ドア3、4(開口部18)に近接した車両後方側の部位から下方へ垂下するカーテン状部材31を設置している。
【0054】
第3実施形態において、冷凍室2内天井部のうち、車両前方側に冷却ユニット130が配置され、この冷却ユニット130には冷凍用蒸発器13の下方側に庫内空気の吸込口が設けられ、冷凍用蒸発器13の車両後方側の側面に庫内への吹出口が設けられており、蒸発器13で冷却された冷気が冷凍用ファン17(図2)により庫内の車両後方側へ向かって略水平方向に吹き出すようになっている。この点は第1実施形態と同じある。
【0055】
カーテン状部材31は上記冷却ユニット130からの冷気を吹き当てて、下方へ方向転換させるものであり、そのため、カーテン状部材31の高さhはある程度の高さが必要であり、例えば、高さh=300mm程度である。また、カーテン状部材31とドア開口部18との間には、後述の循環流形成のために、所定距離L0 が設定してあり、この所定距離L0 は例えば900mmである。
【0056】
図10は第3実施形態による各部の寸法関係を示す図であり、冷凍室2の全高H=1600mmで、冷凍室2の車両前後方向の全長L=2950mmであり、冷凍室2の車両左右方向の全幅D=1700mmである。このカーテン状部材31は柔軟性のある樹脂で成形して、冷凍室2内に使用者が入ったときに使用者の頭部がカーテン状部材31に接触しても、使用者の頭部への損傷が発生しにくくしてある。
【0057】
第3実施形態では、第1実施形態と異なり、停車時のドア開放時には、ドアスイッチ28のオンにより冷却ユニット130の冷凍用ファン17も作動させる。この冷凍用ファン17の作動により、冷却ユニット130から庫内の車両後方側へ向かって庫内冷気が略水平方向に吹き出すのであるが、その際、この庫内冷気が図9の矢印▲3▼に示すようにカーテン状部材31に吹き当たって下方へ方向転換する。そのため、カーテン状部材31とその後方側に位置するドア開口部18との間の領域(距離L0 の領域)では、外気流▲1▼のエアカーテンによって下方から上昇する庫内冷気▲2▼が、庫内天井部で前方側に進み下降するという循環流▲2▼aをスムースに形成できる。
【0058】
つまり、冷却ユニット130からの庫内冷気の流れがカーテン状部材31の存在により庫内冷気の循環流▲2▼aに衝突する以前に、下方へ方向転換(矢印▲3▼)するので、外気流▲1▼のエアカーテンによる、庫内冷気の循環流▲2▼aに冷却ユニット130からの庫内冷気流▲3▼が干渉することがない。この結果、停車時のドア開放時に、庫内冷気の外部への流出および外気の庫内への流入を、第1実施形態よりも一層効果的に防止できる。
【0059】
前述した図5の実験結果のA′は第3実施形態によるもので、第1実施形態の実験結果Aよりドア開放時の庫内温度上昇を効果的に抑制できるので、比較例D(冷凍車の停車時にも車両エンジン8の運転を継続して、冷凍サイクル装置5の運転を継続させる場合)よりもさらに、ドア開放時の庫内温度上昇を小さくできる(−20°Cから−5°Cへの僅少な上昇)ことを確認できた。
【0060】
なお、図5の実験に用いたカーテン状部材31の具体的寸法例は、図10の通りである。本発明者らの実験検討によると、カーテン状部材31の高さhは冷気流れへの下方への転換作用のためには大きい程よいが、その反面、高さhを大きくすると、冷凍室2内での商品出し入れの作業性が悪化するので、カーテン状部材31の高さhは、冷凍室2の全高Hとの比率(h/H)が0.1〜0.3の範囲となるように設定することが好ましい。
【0061】
また、カーテン状部材31とドア開口部18との間の所定距離L0 は前記循環流▲2▼aの形成のために必要であるが、この所定距離L0 を必要以上に大きくすると、冷却ユニット(130)からの冷気により直接冷却される商品冷却空間を減少させるので、本発明者らの実験検討によると、所定距離L0 は、冷凍室2の車両前後方向の全長Lとの比率(L0 /L)が0.2〜0.4の範囲となるように設定することが好ましい。
【0062】
但し、冷凍室2内の商品搭載量が少ない場合は、冷凍室2内の前方側(冷却ユニット130側)に商品を寄せるので、これに合わせてカーテン状部材31を冷凍室2内の前方側に移動させるようにしてもよい。すなわち、カーテン状部材31を適宜の取付機構にて脱着可能に冷凍室2の天井部に取り付けて、冷凍室2内に搭載される商品の量に応じた適切な位置にカーテン状部材31の取付位置を移動するようにしてもよい。
【0063】
(第4実施形態)
図11は第4実施形態であり、前述の図6、7に示す第2実施形態をより具体化したものである。遠心ファン29、30と吹出ダクト29d、30dとの配置関係は第2実施形態の図6と同じであるので、説明を省略する。
第2実施形態に対する第4実施形態の相違点は、第1に、遠心ファン29、30の吹出ダクト29d、30dの出口側に下方へ突出(垂下)した下方突出部29f、30fを形成して、この下方突出部29f、30fの最下端部に排出穴29g、30gを開けている。
【0064】
この下方突出部29f、30fは、遠心ファン29、30によって送風される外気中に含まれる水、塵埃等を、空気との重力差を利用して外気から分離するためのものであって、この下方突出部29f、30fにて分離された水、塵埃等は最下端部の排出穴29g、30gから外部へ排出するようになっている。これにより、ドア3、4の開放時に水、塵埃等を巻き込んだまま、エアカーテン形成用の外気が吹き出すのを防止できる。
【0065】
また、第2の相違点としては、吹出ダクト29d、30dを冷凍室2の断熱床面2aと平行に配置するとともに、吹出ダクト29d、30d内の空気流れ方向の前方側壁面29h、30hを所定の傾斜角度θ1 を持った傾斜壁面としている。これにより、前方側の傾斜壁面29h、30hにて吹出ダクト29d、30d内を送風されてきた外気の送風方向を曲げて、略垂直方向に上方へ外気を吹き出すようにしてある。
【0066】
また、第3の相違点としては、吹出ダクト29d、30dの先端において、ドア開口部18の幅方向に沿って形成される吹出開口29e、30eを車体側に元々備えられている車体側補助フレーム32に開口させている。この車体側補助フレーム32は、車体構造の補強、車体構造の外観美向上のための化粧等を目的として設置されている。また、ドア3、4がスライド式の場合は、補助フレーム32がドアスライド用のレール設置のために利用される。
【0067】
このような車体側補助フレーム32を利用して、エアカーテン形成用の外気の吹出部である吹出開口29e、30eを形成することにより、吹出開口29e、30eを車体本来の外形寸法内に構成できることになる。その結果、冷凍室2内に作業者が乗り込む際などに、吹出開口29e、30e部を作業者が蹴飛ばすといった不具合が生じない。なお、断熱床面2aの端面とドア3、4との間にはシール用パッキンSが介在されている。
【0068】
(第5実施形態)
図12は第5実施形態であり、冷凍室2の後部の開閉ドア3、4の他に、冷凍室2の側面にもサイドドア33を設置する冷凍車に適用したものである。第5実施形態では、上記した第4実施形態の遠心ファン29、30、吹出ダクト29d、30d、吹出開口29e、30e等から構成されるエアカーテン装置(外気吹出ユニット)Z、Z1 を、冷凍室2後部の開閉ドア3、4の開口部18の下方、および冷凍室2側部のサイドドア33の開口部34の下方から床面2aの下方へかけて設置するようにしたものである。
【0069】
なお、サイドドア33はレール上を車両前後方向にスライドするスライド式のドアであり、35は作業者が冷凍室2内への乗降に用いる踏み台である。
(第6実施形態)
図13は第6実施形態であり、遠心ファン29、30への被水防止のための吸込ダクト36を設置している。この吸込ダクト36は遠心ファン29、30の外気吸込口29c、30cに外気を導く外気通路を車両上下方向に屈曲したラビリンス形状に形成するとともに、その入口部36aを下方へ向かって開口することにより、外気吸込口29c、30cに外気とともに水、雪等が吸い込まれるのを防止する。
【0070】
図14は、車両後部のエアカーテン装置Zにおける遠心ファン29、30の吸込ダクト36の具体例を示し、図14(a)は平面図で、図14(b)は正面図であり、下方へ向かって開口している入口部36aから吸入した外気をガイド板36bにより案内して、外気を屈曲させながら上方の遠心ファン29、30内に吸入させるようになっている。
【0071】
図15は、車両側部のエアカーテン装置Z1 における遠心ファン29、30の吸込ダクト36の具体例を示し、図15(a)は平面図で、図15(b)は正面図であり、下方へ向かって開口している2つの入口部36aから吸入した外気をガイド板36bにより案内して、外気を屈曲させながら遠心ファン29、30内に吸入させるようになっている。
【0072】
(第7実施形態)
図16は第7実施形態であり、吹出ダクト29d、30dの出口側(吹出開口29e、30eの直前の部位)に、樹脂製等のネット(網状体)からなる除塵フィルタ38を設置している。これにより、除塵フィルタ38の除塵作用にて、吹出開口29e、30eからの塵埃の吹き出しを防止できる。
【0073】
また、第7実施形態では、吹出ダクト29d、30dの下方突出部29f、30fの一部を蝶番37a等により開閉可能な蓋部材37として構成し、この蓋部材37を開くことにより、下方突出部29f、30fに溜まった塵埃等を除去して、下方突出部29f、30f内の清掃ができるようにしてある。
また、必要に応じて、上記除塵フィルタ38に抗菌および脱臭等の機能を持った浄化機能を有するものとすれば、下方突出部29f、30fに水、塵埃等が溜まった際でも、吹出開口29e、30eから吹き出す外気の異臭発生を防止できる。また、遠心ファン29、30の吸込ダクト36の入口部36aに除塵フィルタを設置してもよい。
【0074】
(第8実施形態)
第8実施形態は、ドア開放時における庫内平均温度(時間平均温度)をより一層低下させることを狙ったものである。まず、最初に、第8実施形態の案出の前提となる、本発明者らの実験的知見に基づいて説明する。
本発明者らの実験検討によると、エアカーテン装置(外気吹出ユニット)Z、Z1 による外気流のエアカーテン形成の効果については、図17(a)に示すように、最適な吹出気流速度および吹出気流角度θが存在することが判明した。ここで、吹出気流速度とは、吹出開口29e、30eから吹き出す外気の吹出気流速度v(m/s)であり、また、吹出気流角度θは吹出開口29e、30eから吹き出す外気のドア開口部18の面に対する吹出角度であって、吹出気流の方向がドア開口部18の面と平行な場合、すなわち、車両上方へ向かって垂直である場合を吹出気流角度θ=0°とし、吹出気流の方向が庫内側(冷凍室2側)へ傾く場合を+側の角度とし、吹出気流の方向が庫外側(外気空間側)へ傾く場合を−側の角度としている。
【0075】
図17(a)の実験結果から理解されるように、ドア開放時における庫内ピーク温度を低下させる最適な吹出気流速度vは6m/s近傍であり、また、最適な吹出気流角度θは、θ=0°で、吹出気流の方向が車両上方へ向かって垂直である場合である。なお、庫内ピーク温度はドア開放後、1分経過時点における測定温度である。
【0076】
このように、最適な吹出気流速度vが存在する理由は、吹出気流速度vが高いときは、図17(b)の上段に示すように、外気流▲1▼に引き込まれる冷気▲2▼の量が増加し、これにより、外気とともに庫外へ放出される冷気量が増加するためと考えられる。一方、吹出気流速度vが低いときは、図17(b)の下段に示すように、外気流▲1▼によるエアカーテンがドア開口部18、34の上部まで十分形成されず、その結果、ドア開口部18、34の上部から庫内へ侵入する外気▲4▼の量が増加するためと考えられる。
【0077】
そして、ドア開口部18、34における外気流▲1▼と冷気流▲2▼の挙動について、さらに詳細に検討したところ、上記した最適な吹出気流速度vでもって外気流▲1▼を吹出開口29e、30eから吹き出してエアカーテンを形成する場合でも、ドア開口部18、34の上部においては、図18に示すように、外気流▲1▼の速度低下とともに、外気流▲1▼の流れが拡散して、その一部が庫内に流入して庫内平均温度(時間平均温度)を上昇させる原因となることが判明した。なお、図18はドア開放後、1分経過後の状態である。
【0078】
図19(a)、(b)、(c)は、従来の停車時にも常にエンジンを作動させる(冷凍サイクル装置5も常に作動)方式a、従来の停車時にはエンジンを停止させる(冷凍サイクル装置5も停止)方式bと、本発明による停車時にはエンジンを停止させ、ドア開放時には外気によるエアカーテンを形成する方式cとの比較を示す実験結果であり、ドア開放に伴って上昇する庫内ピーク温度は、図19(a)、(b)に示すように、本発明方式cが従来方式a、bに比較して大幅に改善できる。
【0079】
これに対して、庫内平均温度(時間平均温度)については、図19(a)、(c)に示すように、本発明方式cは従来方式bよりは大幅に改善できるものの、従来方式aに比較すると、若干悪化する。この庫内平均温度(時間平均温度)の悪化理由は、図18に示すドア開口部18、34の上部にて外気流▲1▼の一部が庫内に流入するためである。
【0080】
そこで、第8実施形態においては、図17に示す実験的知見に着目して、外気流▲1▼の吹出気流速度vに庫内側と庫外側とで、速度勾配を付けることにより、庫内平均温度(時間平均温度)を従来方式aと同等レベルまで改善できることを見出した。
すなわち、図20は第8実施形態による外気流▲1▼の吹出気流速度vの速度勾配設定の考え方を示すもので、吹出開口29e、30eにおける庫内側の吹出気流速度viを小さくすることにより、外気流に引き込まれる庫内冷気の量を低減すると同時に、庫外側の吹出気流速度voを大きくすることにより、ドア開口部18、34の上部における庫内への外気流入を防止できるようにしたものである。
【0081】
このことについて具体的に説明すると、エアカーテン装置(外気吹出ユニット)Z、Z1 の吹出開口29e、30eに、庫外側の吹出外気流を絞るエアガイド39を配置して、吹出開口29e、30eにおける庫外側の吹出気流速度voを庫内側の吹出気流速度viよりも大きく(vo>vi)している。例えば、vo=6m/sとし、vi=3m/sとする。
【0082】
図21は、第8実施形態による庫外側吹出気流速度voと庫内側吹出気流速度viとの速度勾配設定の作用効果を示すもので、ドア開口部18、34の下部では、庫内側吹出気流速度viの低下により外気流に引き込まれる庫内冷気の量を低減することができる。
そして、吹出開口29e、30eからの吹出気流が上昇する過程において、吹出気流の速度分布は次のごとくなる。すなわち、吹出開口29e、30eからの吹出気流のうち吹出速度の高い主流部分は吹出開口29e、30e直後では庫外側に位置しているが、その後、コアンダ効果等(後述の第14実施形態参照)により床面2aの高さまで上昇すると、吹出気流の主流部分は庫内側へずれるとともに、主流部分の庫外側では周囲からの巻き込みにより速度の低い部分が広く分布した速度分布(後述の図41、42参照)になる。
【0083】
これに伴って、吹出気流の圧力分布は主流部分の庫内側の圧力(全圧)が高くて庫外側の圧力(全圧)が低くなる。このような圧力分布の影響を吹出気流が受けることにより、吹出気流が上昇する過程で、ドア開口部18、34の上下方向の中間部位から主流部分が次第に庫外側(外気側)へ湾曲した流れ形態を示す。
しかも、庫外側の吹出気流については吹出速度を十分高くしても、外気流に引き込まれる庫内冷気量の増加という弊害を発生しないので、庫外側の吹出気流の吹出速度viを十分大きくすることにより、吹出気流範囲をドア開口部18、34の上部側へ至っても狭くすることが可能となる。
【0084】
以上のように、庫外側の吹出気流が上昇するにつれて外気側(庫外側)へ湾曲した流れ形態となることと、ドア開口部18、34の上部側でも吹出気流範囲が狭いこととが相まって、ドア開口部18、34の上部における庫内への外気流入を効果的に防止できる。
図22は、ドア開放後、1分経過時点における庫内ピーク温度を縦軸にとり、横軸に吹出開口29e、30eにおける庫外側の吹出気流速度voと庫内側の吹出気流速度viとの速度比=vi/voをとったものであり、図中のθは吹出気流のドア開口部18、34の面に対する傾斜角度である。
【0085】
この実験結果から理解されるように、速度比vi/vo=0.5、傾斜角度θ=+5°(庫内側へ吹出気流の吹出方向を5°傾けること)にすることにより、庫内ピーク温度を最も低下できることが分かった。なお、図22の実験では、図20に示す吹出開口29e、30eの幅寸法c=20〜50mm、断熱床面2aの端面の垂直壁部2cの高さ寸法a=幅寸法cの約1.3倍、また、垂直壁部2cの上端位置から寸法bだけ庫内側へ凹んだ位置から上方へ延びる垂直壁部2dの高さ寸法d=30mm、また、垂直壁部2cと垂直壁部2dとの間の凹み長さb=30mmとしている。吹出開口29e、30eからの吹出風量は、420m3 /hである。
【0086】
図23は上記した最適な速度比vi/vo=0.5、傾斜角度θ=+5°を設定した第8実施形態の効果を示すもので、図23(a)はドア開放後における庫内平均温度の推移を示しており、吹出気流速度に速度勾配をつけていない第1〜第7実施形態に対して、第8実施形態はより一層庫内平均温度を低下させることができる。そして、外気の庫内侵入熱量の低減効果(熱負荷低減効果)については、図23(b)に示すように、76%をも低減できることが分かった。なお、吹出気流の傾斜角度θはエアガイド39により調整できる。
【0087】
また、外気の庫内侵入熱量の低減効果が大きいことはとりもなおさず、庫内への外気水分の侵入低減効果が大きいことを意味しており、この結果、車両走行時のエンジン作動時(冷凍サイクル装置5の作動時)における冷却ユニット130の蒸発器13に付着する霜の量を低減でき、除霜運転のインターバルを長くすることができる。
【0088】
更に、庫内壁面温度上昇を極めて僅少値に抑えることができるので、庫内壁の蓄冷量を維持することができる。従って、車両走行時のエンジン作動時(冷凍サイクル装置5の作動時)における庫内クールダウンスピードを早めることができる。
以上の効果が総合される結果、第8実施形態によると、停車時にエンジン停止(冷凍サイクル装置5の停止)を行っても、庫内平均温度(時間平均)を停車時にエンジンを常に作動させて、冷凍サイクル装置5を常に作動させる従来方式aと同等レベルまで引き下げることが可能となった。
【0089】
図24は、前述の図19に対応する実験結果を示す図であって、第8実施形態c′によると、停車時にエンジンを常に作動させる従来方式aに対して、庫内ピーク温度を大幅に低減できると同時に、庫内平均温度(時間平均)をも従来方式aと同等以上に改善できることを確認できた。
なお、第8実施形態による吹出気流速度の速度勾配を図20の例では、吹出開口部29e、30eにエアガイド39を配置することにより設定しているが、このエアガイド39を廃止しても、吹出気流速度の速度勾配の設定は可能である。
【0090】
例えば、図25に示すように、吹出ダクト29d、30d内を流れる外気の流れ方向Fに対して略直交する関係で前方側壁面29h、30hを配置して、外気の流れ方向を直交状に方向転換することにより、この直交状曲げ部の内側部sに位置する庫内側の吹出気流速度viを失速させ、逆に、直交状曲げ部の外側に位置する庫外側の吹出気流速度voを上昇させることができる。そして、この速度vi、voの比率は前方側壁面(方向転換手段)29h、30hの傾斜角度θ1 および下記の寸法L1 、L2 により調整することができる。
【0091】
図39はこの寸法L1 、L2 等を図示する図であって、図11と同様の図である。図39において、前方側壁面(方向転換手段)29h、30hの上方に位置する前側垂直壁面29iの長さL1 、後側垂直壁面29jの長さL2 、および前方側壁面29h、30hの傾斜角度θ1 の調整により、直交状曲げ部の内側部sの気流の失速の程度を調整して、速度比vi/vo=0.5、気流の傾斜角度θ=+5°を設定することができる。
【0092】
(第9実施形態)
第9実施形態は、第8実施形態と同様に、ドア開放時における庫内平均温度(時間平均温度)をより一層低下させることを狙ったものであり、その実現手段を第8実施形態とは異にしている。
第9実施形態は、前述の図17に示す実験的知見、すなわち、吹出気流速度vが高いときは庫内冷気の庫外への流出が発生するものの、吹出外気の庫内流入が少ないという点に着目してなされたものである。このため、第9実施形態では、ドア開放時に、外気流によるエアカーテンを形成する際に、外気の吹出気流速度vを高くすると同時に、図26、27に示すように、ドア開口部18、34の上部の拡散気流のなかで、庫内冷気と温度が近い低温空気部分のみをエアガイド40により積極的に庫内側へ偏向(還流)させるようにしたものである。
【0093】
このエアガイド40はドア開口部18、34の上部に設置されるもので、具体的には、図28(a)に示す湾曲形状(円弧形状)のエアガイド面40aを有するもの、あるいは図28(b)に示すような直線状の傾斜面からなるエアガイド面40bを有するもので構成できる。図28の2bは冷凍室2の天井部である。このエアガイド40の高さGは、冷凍室2内へ乗降する作業者の作業性の悪化を抑制するために、300mm以下が好ましく、より具体的には、200mm程度がよい。
【0094】
なお、図29(a)に示すエアガイド40近傍Kの平均温度(ドア開口部18、34の幅方向の平均温度)は、図29(b)に示すように、吹出気流速度vの上昇に応じて低下する傾向にある。これは、ドア開口部18、34の下方から上方に向かって吹き出した外気流がドア開口部18、34の上部で自由噴流となって拡散するが、吹出気流速度vの上昇に応じてこの拡散の程度が小さくなって、吹出外気の庫内流入が少なくなるとともに、吹出気流速度vの上昇に応じてドア開口部18、34下部での内気の引き込み量が増大するからである。
【0095】
そして、エアガイド40の設置によって、ドア開口部18、34上部の拡散気流のなかで、庫内冷気と温度が近い低温空気部分のみを積極的に庫内側へ偏向(還流)させることができるのである。
吹出気流速度vについては、図29(b)の実験結果から、所定速度以上、例えば、6m/s以上に設定することが好ましい。
【0096】
本発明者らが上記図28(b)に示すエアガイド40として、傾斜角度θ2 =30°、高さG=200mmのものを冷凍車に設置して実験したところ、ドア開放後の庫内平均温度(時間平均)が、図19(a)、(c)に示す「−12.6°C」から「−13.1°C」まで低下することを確認できた。
(第10実施形態)
第10実施形態は、第8、第9実施形態と同様に、ドア開放時における庫内平均温度(時間平均温度)をより一層低下させることを狙ったものであり、その実現手段をさらに別の手段に変更している。
【0097】
第10実施形態では、第9実施形態と同様に、吹出気流速度vが高いときは庫内冷気の庫外への流出が発生するものの、吹出外気の庫内流入が少ないという実験的知見に着目してなされたものである。このため、第10実施形態では、ドア開放時に、外気流によるエアカーテンを形成する際に、外気の吹出気流速度vを高くすると同時に、冷却ユニット130の冷却ファン17を逆回転させて、ドア開口部18、34の上部の拡散気流のなかで、庫内冷気と温度が近い低温空気部分のみを積極的に庫内側へ還流させるようにしたものである。
【0098】
図30は冷却ユニット130の概略配置構成を示す断面図で、冷凍サイクル装置5の通常の作動時(庫内冷却時)には、実線矢印に示すように、冷却ファン17の作動より下部の吸込口130aから庫内空気を吸い込み、蒸発器13で冷却した後、吹出口130bから庫内の車両後方側へ向かって吹き出すようになっている。なお、冷却ファン17はモータ17aにより回転駆動される軸流ファンである。
【0099】
これに対し、ドア開放時には、冷却ファン17を逆回転させることにより、破線矢印に示すように、吹出口130bから庫内空気を吸い込み、蒸発器13を通過した後、吸込口130aから庫内下方へ吹き出す。
図31は第10実施形態による庫内全体の空気流れ、および外気流によるエアカーテン部の流れを示す図であり、この図31から理解されるように、車両後部のドア開口部18の上部の拡散気流のなかで、庫内冷気と温度が近い低温空気部分のみを冷却ファン17の逆送風によって積極的に庫内側へ還流させることが可能となり、この結果、ドア開放時における庫内平均温度(時間平均温度)を効果的に低下できる。
【0100】
図32は第10実施形態による冷却ファン17の逆回転を実施するための電気回路構成を示すものであり、図32では第10実施形態の作動に関係する部分のみ図示し、他の部分の図示は省略している。図32において、図2と同一部分は同一符号を付している。
冷凍サイクル装置5の通常の作動時(庫内冷却時)には、冷凍運転スイッチ26が投入されており、制御装置22に車載の電源バッテリ41から電源が供給され、ファン駆動リレー42に通電し、そのリレー接点42aを閉じる。一方、ドアスイッチ28はドア3、4、33が閉じているときは図示のように開放されているので、第1ドアスイッチリレー43に通電されない。
【0101】
そのため、第1ドアスイッチリレー43のリレー接点43aか開放されており、エアカーテン用の送風機19のモータ20e、21e、M、およびこのモータ20e、21e、Mに並列接続された第2ドアスイッチリレー44、45、46に通電されない。そのため、エアカーテン用の送風機19のモータ20e、21e、Mが停止しているとともに、第2ドアスイッチリレー44〜46の各リレー接点44a〜46aは図示の開状態または閉状態にある。
【0102】
これにより、冷却ユニット130の冷却ファン17のモータ17aには、上記の閉状態にあるリレー接点42aおよび常閉タイプのリレー接点45aを通して、電源電圧が印加されて、モータ17aは通常の回転方向で回転して、図30の実線矢印に示すように、下部の吸込口130aから庫内空気を吸い込み、蒸発器13で冷却した後、吹出口130bから庫内の車両後方側へ向かって吹き出す。
【0103】
これに反し、停車時にドア3、4、33が開放されると、ドアスイッチ28が閉状態となるので、第1ドアスイッチリレー43に通電され、そのリレー接点43aが閉状態になる。これにより、エアカーテン用の送風機19のモータ20e、21e、Mに通電され、送風機19が作動するので、外気がドア開口部18の下方から上方へ送風される。これと同時に、第2ドアスイッチリレー44〜46に通電され、各リレー接点44a〜46aの開閉状態が図示の状態と逆の状態に反転する。また、このとき、制御装置22はファン駆動リレー42への通電を遮断し、そのリレー接点42aを開状態に復帰させる。また、第2ドアスイッチリレー45はリレー接点45aを開状態にする。
【0104】
その結果、冷却ユニット130の冷却ファン17のモータ17aには、閉状態となったリレー接点44aおよびリレー接点46aを通して電源電圧が供給され、その電圧印加方向が逆転するので、モータ回転方向も逆転する。これにより、図30の破線矢印に示すように、吹出口130bから庫内空気を吸い込み、蒸発器13を通過した後、吸込口130aから庫内下方へ吹き出す。
【0105】
(第11実施形態)
第11実施形態は、エアカーテン用の送風機19として遠心ファン29、30を用いた場合における吹出風速分布の均一化を図るための改良に関するものである。図33は前述した第2実施形態、第4実施形態等で採用している遠心ファン29、30と吹出ダクト29d、30dとの配置関係を有する車両後部のエアカーテン装置Zにおいて、吹出ダクト29d、30dの吹出開口29e、30eから吹き出す外気吹出気流の風速分布を均一化するガイド部材47〜49を示している。この例では、吹出ダクト29d、30dの吹出開口29e、30eの中央部から遠心ファン29、30を車両幅方向の片側にオフセット配置している。
【0106】
上記ガイド部材は、具体的には、遠心ファン29、30からの吹出空気を車両幅方向(左右方向)に分流する分流ガイド47と、吹出開口29e、30eの直前の下方部に配置され、分流ガイド47の左側に分流された空気の上側への方向転換量を調整する開口ガイド48と、吹出開口29e、30eの下方部に配置された複数枚(図示の例は6枚)の立ち上げガイド49との組み合わせから構成されている。
【0107】
図34は前述した第5実施形態(図12)に示す車両側部のエアカーテン装置Z1 において、遠心ファン29、30からの吹出空気の風速分布の均一化を図るものである。この例では、吹出ダクト29d、30dの吹出開口29e、30eの中央部に遠心ファン29、30を配置している。そのため、吹出ダクト29d、30dの吹出開口29e、30eから吹き出す外気吹出気流の風速分布を均一化するガイド部材として、遠心ファン29、30からの吹出空気を車両前後方向に分流する複数枚(図示の例は6枚)の分流ガイド47と、吹出開口29e、30eに配置された複数枚(図示の例は6枚)の立ち上げガイド49との組み合わせから構成されている。
【0108】
(第12実施形態)
第12実施形態は、エアカーテン用の送風機19の制御に関するものである。図35は第12実施形態の制御のために用いられるセンサ類等の設置場所を示すもので、庫内温度センサ24は冷却ユニット130の吸込口130a(図30参照)に設置されて庫内空気温度を検出する。外気温センサ50は冷凍車1の最前部に設置されて、外気温を検出する。風速センサ51は、ドア開口部18、34のそれぞれ上部に設置されて停車時にドア開口部18、34上部付近に加わる横風の風速を検出する。ドアスイッチ28は前述した通りのものである。
【0109】
さらに、冷凍車1の運転室内の冷凍操作盤52には、図2に図示した冷凍運転スイッチ26、温度設定器25の他に、エアカーテン用のシーズンスイッチ53、スタンバイスイッチ54等が設置されている。シーズンスイッチ53は夏期のごとくエアカーテン形成が必要な場合に乗員の手動操作により投入されるものである。ここで、シーズンスイッチ53の代わりに、外気温センサを設けて、外気温が所定温度(例えば、30°C)以上のとき、エアカーテン形成の作動(エアカーテン用の送風機19の作動)を自動的に行わせるようにしてもよい。
【0110】
また、スタンバイスイッチ54は、夜間停車時等に商用電源(交流電源)を電源として冷凍サイクル装置5を作動させて、庫内を冷却するスタンバイ作動を行うためのスイッチである。このスタンバイ作動のためには、冷凍サイクル装置5にエンジン駆動の圧縮機6の他に、電動圧縮機(図示せず)を並列に備え、この電動圧縮機をスタンバイスイッチ54の投入により商用電源(交流電源)を電源として作動させればよい。図35に示すセンサ、スイッチ類の信号は図2に示す制御装置22に入力される。
【0111】
次に、第12実施形態の制御を図36のフローチャートにより説明すると、図36の制御ルーチンはエンジン運転スイッチ27(図2)がオフされて、車両エンジン8が停止され、停車状態になるとスタートする。そして、まず、ステップS100にてシーズンスイッチ53の投入有無が判定される。冬期のように外気温が低いときは、ドア開口部18、34にエアカーテンの形成の必要がないので、冷凍車の乗員によりシーズンスイッチ53がオフされている。従って、ステップS100の判定はNOとなり、ステップS101に進み、送風機19(遠心ファン29、30またはクロスフローファン20、21)を停止状態として、送風機19の風量=0とする。
【0112】
夏期の場合には、ドア開口部18、34にエアカーテンを形成する必要があるので、冷凍車の乗員によりシーズンスイッチ53が作動状態にされている。そのため、ステップS100の判定はNOとなり、ステップS102に進み、スタンバイスイッチ54の投入有無が判定される。スタンバイスイッチ54の投入時はステップS101に進み、送風機19の風量=0とする。すなわち、スタンバイ作動時は、夜間(低外気温)であり、騒音防止および車載バッテリ保護の観点から、エアカーテンを形成しないのである。但し、スタンバイ作動時にも必要に応じてエアカーテンを形成してもよい。
【0113】
また、スタンバイスイッチ54が投入されていないとき(未作動状態)のときは、ステップS103、S104、S105に進み、それぞれ、外気温、庫内温度、横風の風速を検出する。
次に、ステップS106にてドア3、4、33の開状態が判定されると、ステップS107でタイマーがスタートし、次のステップS108にてタイマー時間tが10秒以下(t≦10秒)であると判定されると、ステップS109に進み、送風機19の風量W1 を設定する。この風量W1 はt≦10秒の間継続される。ここで、送風機19の風量W1 を設定する具体的手段としては、周知のごとく送風機駆動用モータ20e、21e、Mへの印加電圧を調整したり、あるいは送風機駆動用モータ20e、21e、Mへの印加パルス幅変調制御(PWM制御)を行えばよい。
【0114】
送風機19の風量W1 は、図37に示す制御マップにより決定される。この図37の制御マップは制御装置22を構成するマイクロコンピュータの記憶装置(ROM)に予め設定記憶されているものであって、横軸に示す外気温と庫内温度との差、および横風の風速に応じて、外気の吹出気流速度vが図示の特性となるように風量W1 を決定する。すなわち、外気温と庫内温度との差、および横風の風速が大きい程、風量W1 および外気の吹出気流速度vが増大するようになっている。
【0115】
そして、タイマー時間tが10秒を越えると、ステップS110からステップS111に進み、送風機19の風量W2 を設定する。この風量W2 は10秒<t≦60秒の間継続される。風量W2 は図38に示す制御マップにより決定される。図37と図38の比較から理解されるように、風量W1 >風量W2 の関係にあり、ドア開放直後のt≦10秒の間では、風量W2 (吹出気流速度v)を大きくして、エアカーテンによる、庫内冷気流出および外気侵入の抑制効果を増大させている。
【0116】
同様に、外気温が高い程、また、横風が大きい程、庫内冷気流出および外気侵入が生じやすいので、風量W2 (吹出気流速度v)を増加させている。
そして、ドア開放後のタイマー時間tが10秒を越えると、風量W1 より小さい風量W2 を設定して、外気の吹出気流速度vを低下させる。これは、ドア開放直後に比較して庫内冷気の流出しやすさが低下するからであり、風量W2 (吹出気流速度v)を低下させても庫内平均温度の上昇を招くことがない。
【0117】
さらに、ドア開放後のタイマー時間tが60秒を越えると、ステップS110からステップS101に進み、送風機19の風量=0とする。これにより、停車時(車両エンジン8の停止時)に、送風機19を長時間作動させることによる車載の電源バッテリ41が過放電することを未然に防止できる。
なお、ドアスイッチ28が故障すると、エアカーテンの形成作動が実施不能となるので、これの対策として、例えば、ドア開口部18、34付近に手動スイッチを付加して、ドアスイッチ28の故障時には、この手動スイッチを操作することにより、エアカーテンの形成作動を実施できるようにしてもよい。
【0118】
(第13実施形態)
図40は第13実施形態によるエアカーテン装置Z、Z1 の概略分解図であって、前述の図11の第4実施形態、図13〜図15の第6実施形態および図16の第7実施形態における遠心ファン29、30の吸込ダクト36、吹出ダクト29d、30d等から構成されるエアカーテン装置(外気吹出ユニット)Z、Z1 の変形例である。
【0119】
第13実施形態では、図40に示すように、吸込ダクト36内に遠心ファン29、30を収容するとともに、遠心ファン29、30の吹出側は吸込ダクト36の2つの開口部36cにより吹出ダクト29d、30d内に連通している。
そして、吸込ダクト36において遠心ファン29、30の底面から背面側に至る部位に、遠心ファン29、30を出し入れ可能な大きさを持ったL字形に屈曲した開口部36dを設けるとともに、この開口部36dをL字形に屈曲した蓋部材36eにより閉塞するようにしている。蓋部材36eは複数の取付穴36fに挿通するねじ等の締結手段により吸込ダクト36に対して脱着可能にしてあるので、この蓋部材36eの脱着のみで遠心ファン29、30を吸込ダクト36から容易に取り出すことができる。よって、吸込ダクト36ごとの取り外しの必要がないから、遠心ファン29、30のメンテナンス性を向上できる。
【0120】
また、吹出ダクト29d、30dにはその内部清掃用の蓋部材37(図16の蓋部材37に相当)が設けてある。本例の蓋部材37はねじ等の締結手段を挿通する複数の取付穴37bを有する山形の形状に形成してある。そして、この山形の蓋部材37に対応した開口部55が吹出ダクト29d、30dの下方突出部29f、30fから上方部にかけて設けてある。
【0121】
そして、この開口部55の周縁部に蓋部材37をねじ等の締結手段により脱着可能に取り付ける。従って、蓋部材37を取り外すことにより、下方突出部29f、30fに溜まった塵埃等を除去して、下方突出部29f、30f内を容易に清掃することができる。
(第14実施形態)
次に、本発明における外気吹出のエアカーテン形成による侵入熱量を最小化するための最適吹出気流条件について説明する。図41は外気吹出気流の速度分布状態を説明する図で、冷凍室2の床面2aの下方には吹出ダクト29d、30dが配置され、吹出ダクト29d、30dの吹出開口29e、30eから吹き出す吹出気流には、前述の第8実施形態のごとく速度勾配を設けている。
【0122】
すなわち、吹出開口29e、30eにおける庫外側の吹出気流速度voを庫内側の吹出気流速度viよりも大きく(vo>vi)している。具体的には吹出速度比vi/vo=0.5にしている。また、吹出気流の吹出方向を庫内側へ所定角度θだけ傾斜させている。具体的には、傾斜角度θ=+5°(庫内側へ吹出気流の吹出方向を5°傾けること)にしている。
【0123】
一般に、ダクトから吹き出された気流は周囲からの空気巻き込みにより拡散するが、図41の(x、y)=0の位置(ドア開口部18、34の下端、すなわち床面2aの高さ位置)において、庫内側では、冷凍室2の床面2aの断熱壁が存在しているため、空気の巻き込みができず、従って、気流速度=0となる。これに対し、庫外側では、y=0の位置をみると、巻き込みeにより気流が拡散することになる。
【0124】
ところで、吹出ダクト29d、30dからの吹出気流の吹出方向には上記した庫内側への微小な傾斜角度θが設けてあること、および、以下述べるコアンダ効果による気流曲げ作用が発生するため、y=0の位置における気流分布は速度分布の高い主流部分が庫内側へずれた形状となる。すなわち、y=0の位置における気流分布では、庫外側気流速度vo′に比して庫内側気流速度vi′が大となる。ここで、庫内側気流速度Vi′はy軸の高さ=0の部位において、吹出開口29e、30eの庫内側端部の延長線上の速度であり、また、庫外側気流速度Vo′はy軸の高さ=0の部位において、吹出開口29e、30eの庫外側端部の延長線上の速度である。
【0125】
次に、コアンダ効果による気流曲げ作用について説明すると、床面2aの断熱壁に、吹出開口29e、30eの直後から上方へ延びる高さa寸法の垂直壁部2cが形成されており、さらに、この垂直壁部2cの上端位置から寸法bだけ庫内側へ凹んだ位置から上方へ高さd寸法の垂直壁部2dが形成されている。この垂直壁部2c、2dによる階段状凹形状は、図45等に示すようにドア3、4、33の設置に伴って形成される。図中、cは吹出開口29e、30eの幅寸法である。
【0126】
このように、吹出開口29e、30eの直後の部位に、階段状の垂直壁部2c、2dを形成することにより、垂直壁部2cと吹出気流との間に摩擦による付着作用が発生し、この付着作用によって吹出気流が庫内側へ凹んだ垂直壁部2dに沿って流れようとし、その結果、吹出ダクト29d、30dからの吹出気流の主流方向が庫内側へずれることになる。
【0127】
次いで、この吹出気流の主流は、図42に示すように、ドア開口部18、34を上昇するにつれて、吹出気流の速度勾配による圧力分布の影響で、ドア開口部18、34の上下方向の中間部位から次第に庫外側へ湾曲状に方向を転換する。
この理由は、以下のごとくであると考えられる。すなわち、y軸の高さ=0以降の吹出気流の速度分布は、図41、42に示すごとく、主流の庫内側では速度勾配が大(急峻)となり、一方、主流の庫外側では速度勾配が小となり、速度の小さい部分が幅広く広がった、非対称な分布となる。これに伴って、主流の庫内側部位では気流の全圧(動圧+静圧)が大となり、主流の庫外側部位では気流の全圧(動圧+静圧)が小となる。主流の庫内側も庫外側も動圧と静圧の割合は同様であるので、主流の庫内側静圧>主流の庫外側静圧の関係となり、その結果、吹出気流の主流が図42のごとくドア開口部18、34の上下方向の中間部位から次第に庫外側へ湾曲することとなる。
【0128】
なお、冷凍室2内の庫内冷気は、庫外の外気に比して大幅に低温であり、庫外の外気に比して大幅に密度が大きいので、この密度差に起因する圧力差も吹出気流に作用する。これも、吹出気流の主流が庫外側へ湾曲する原因となる。
また、吹出気流の主流が庫外側へ湾曲する原因については、次のようにも説明できる。すなわち、吹出気流の速度分布が図41、42のごとく、主流の庫内側で速度勾配が大となり、庫外側では速度勾配が小となり、速度の小さい部分が幅広く広がった非対称な分布となるため、吹出気流に作用する剪断力について考えてみると、この剪断力は気流の速度差に比例する関係にあるため、低速度の部分が幅広く広がった庫外側で剪断力の総和が大となり、速度勾配の急峻な庫内側では剪断力の総和が小となる。このような剪断力の大小関係でもって、吹出気流の主流が庫外側へ湾曲する。
【0129】
以上のように、吹出気流が庫外側へ次第に湾曲状に方向を曲げる結果、吹出気流(外気)が庫内天井部の近傍で庫内へ流入することを良好に防止できる。なお、図42の破線▲1▼は吹出気流の庫内側の速度零のラインであり、▲2▼は吹出気流の庫外側の速度零のラインである。
図43は、図22と類似した実験データを示すもので、縦軸はドア開放時における庫内への侵入熱量をとっている。この侵入熱量は、外気の吹出気流に巻き込まれて庫外へ放出される冷気の熱量(すなわち、この冷気放出に伴って庫内へ流入する熱量)E1 と、吹出気流の外気が庫内へ流入することによる熱量E2 との合計で表すことができる。なお、図42には上記の両熱量E1 、E2 を模式的に示している。図43の実験では、吹出開口29e、30eからの外気吹出風量は420m3 /h、ドア開口部18、34の高さH2 =1.5mである。
【0130】
そして、図41においてy軸の高さ=0、すなわち、ドア開口部18、34の庫内床面における、庫内側の気流速度Vi′と庫外側の気流速度Vo′との速度比(Vo′/Vi′)を図43の横軸にとっている。
この図43に示すように、速度比(Vo′/Vi′)=0.5、吹出気流の吹出方向の傾斜角度θ=+2.5°において最も侵入熱量を低減できることが分かった。すなわち、図43において、線fはエアカーテンを形成せずに、ドアを単に開放しただけの場合であり、これに比較して、上記の最適気流条件を設定した場合はドア開放に伴う侵入熱量を76%低減できることを確認できた。
【0131】
図43に示す実験結果から、侵入熱量低減のための好ましい気流条件の範囲として、速度比(Vo′/Vi′)は0.3〜0.7の範囲、また、傾斜角度θ=0°〜5°の範囲である。
次に、図44は上記速度比(Vo′/Vi′)を所望範囲に設定するための、吹出開口29e、30eにおける庫内側吹出気流速度Viと庫外側吹出気流速度Voとの吹出速度比(Vo/Vi)を説明するものである。図44(a)、(b)の横軸は、図41に示した垂直壁部2cの高さ寸法aと吹出開口29e、30eの幅寸法cとの高さ比(a/c)をとっている。
【0132】
図44(b)は、最適速度比(Vo′/Vi′)=0.5を達成するための必要吹出速度比(Vo/Vi)を示している。この図44(b)から理解されるように、高さ比(a/c)が5より小さい領域では、必要吹出速度比(Vo/Vi)が1より大きくなる。つまり、庫内側吹出気流速度Viに比して庫外側吹出気流速度Voが大となる。なお、前述の図22の実験データは、庫内側吹出気流速度Vi(3m/s)に比して庫外側吹出気流速度Voを2倍(6m/s)にしているから、高さ比(a/c)=1.2近傍の条件下における測定値である。
【0133】
一方、高さ比(a/c)が5より大きい領域では、必要吹出速度比(Vo/Vi)が1より小さくなる。つまり、庫内側吹出気流速度Viに比して庫外側吹出気流速度Voが小さくなる。これは、a寸法の増大→コアンダ効果の増大→庫内側への気流曲げ量の過大という現象を抑制するためである。
このように、吹出開口29e、30eにおける庫内側吹出気流速度Viと庫外側吹出気流速度Voとの吹出速度比(Vo/Vi)の最適値は、高さ比(a/c)に応じて広範に変化するが、y軸の高さ=0(すなわち、ドア開口部18、34の庫内床面高さ)における、庫内側の気流速度Vi′と庫外側の気流速度Vo′との最適速度比(Vo′/Vi′)についてみると、常に、庫内側の気流速度Vi′が大で、庫外側の気流速度Vo′が小という関係にある。
【0134】
(第15実施形態)
図45に示す冷凍東のように、ドア3、4(33)の下端部56の位置が吹出開口29e、30eの直後の位置まで垂下していて、垂直壁部2cの高さ寸法a1 が大きい場合と、図46に示す冷凍東のように、ドア3、4(33)の下端部56の位置が吹出開口29e、30eから寸法a3 だけ高い位置にあって、垂直壁部2cの高さ寸法a2 が小さい(a2 <a1 )場合がある。
【0135】
このような場合に、吹出ダクト29d、30dをそれぞれの冷凍車に対応して個々に形状を設定すると、コスト高を招く。そこで、第15実施形態では、ベースとなる吹出ダクト形状はすべての車両において共通とし、そして、上記寸法a3 に相当する高さを持つ補助ダクト57を吹出開口29e、30eに接続し、この補助ダクト57の上端部から遠心ファン29、30の送風外気を吹き出すようにしたものである。
【0136】
従って、車種等により車両側のドア構造が変わっても、補助ダクト57の装着により、エアカーテン用の外気の吹出位置をドア下端部56の位置に設定することが可能である。
ところで、補助ダクト57を単純に通路を延長するだけのダクト形状にした場合は、y=0の位置(庫内床面位置)で、前述の図43による最適速度比(Vo′/Vi′)=0.5が得られない。本発明者の検討によると、特に、高さ寸法a2 >55mmの場合はコアンダ効果の増大により吹出気流の主流が庫内床面位置で庫内側へ大きく曲がるようになる。
【0137】
また、高さ寸法a3 >50mmの場合は、ベースとなる吹出ダクト29d、30dの吹出開口29e、30eで一旦設定した吹出速度比(Vo/Vi)が高さ寸法a3 の補助ダクト57内を流れる間に消滅してしまう。つまり、Vo>Viでも、補助ダクト57の出口部ではVo≒Viとなってしまう。その結果、補助ダクト57から吹き出した気流は自然噴流として拡散し、庫内への侵入熱量低減効果が損なわれる。
【0138】
しかし、第15実施形態によると、図47に示すように、補助ダクト57の出口部にエアガイド58(図20のエアガイド39に相当)を設けて、庫内床面位置)における最適速度比(Vo′/Vi′)=0.5を確実に設定することができる。
なお、前述の図11の第4実施形態では吹出ダクト29d、30dの下方突出部29f、30fの最下端部に排出穴29g、30gを下方へ向けて開けているが、第15実施形態では図示するように下方突出部29f、30fの最下端部に排出穴29g、30gを車両内側(吹出ダクト29d、30dでの空気流れ方向と反対側)へ向けて開けている。
【0139】
ここで、排出穴29g、30gは、吹出ダクト29d、30dの下方突出部29f、30fの幅寸法(図45〜47の紙面垂直方向の幅寸法)の略全長にわたるスリット状の形状にして、排出穴29g、30gの開口面積を拡大している。その結果、遠心ファン29、30の送風外気の一部を常に排出穴29g、30gから排出させることができるので、遠心ファン29、30の送風外気中に含まれる水、塵埃等を下方突出部29f、30fに溜めることなく、排出穴29g、30gから空気流れとともにスムースに排出することができる。よって、水、塵埃等の排出効果を高めることができる。
【0140】
また、第15実施形態によると、下方突出部29f、30fの最下端部に排出穴29g、30gを車両内側へ向けて開けているので、排出穴29g、30gからの排出空気が吹出ダクト29d、30dの外側(図45〜47のダクト左側部位)に立つ冷凍車使用者に対して、その使用者から離れる方向へ吹き出す。従って、排出空気に含まれる水、塵埃等が冷凍車使用者に付着する恐れがなく、実用上有利である。
【0141】
(第16実施形態)
図48に示すように、本発明者らの実験検討によると、外気によるエアカーテン形成時における庫内への侵入熱量がドア開口部18、34の高さ寸法H2 (前述の図42参照)が1.3mを越えると、エアカーテンの外気吹出風量を増加しても侵入熱量の増加を招くことが分かった。つまり、ドア開口部高さH2 により熱侵入遮断効果に差が生じ、風量増加による熱侵入遮断効果の維持に限界があることが分かった。
【0142】
この原因としては、ドア開口部18、34の高さが高くなると、エアカーテンの外気吹出気流がドア開口部18、34の天井部に到達する以前に庫外側へ湾曲し、この庫外側への湾曲流れの上方から外気が庫内へ流入するという現象が発生するためであると考えられる。
なお、図48の実験条件として、吹出ダクト29d、30dの吹出開口29e、30eからの外気の吹出気流角度θ=+5°である。また、吹出開口29e、30eにおける庫内側吹出気流速度Vi=3m/sで、庫外側吹出気流速度Vo=6m/sであり、吹出速度比(Vo/Vi)=2である。
【0143】
そこで、熱侵入遮断効果を最大に発揮できる、吹出開口29e、30eにおける最適吹出速度比(VO /Vi )を実験的に求めたところ、図49に示す結果が得られた。すなわち、図49に示すように、最適吹出速度比(VO /Vi )はドア開口部高さH2 の増加とともに減少していくことが分かった。つまり、ドア開口部高さH2 の増加とともに庫内側吹出気流速度Vi と庫外側吹出気流速度VO との速度勾配を減少させることが熱侵入遮断効果の維持のために有効であることが分かった。
【0144】
このように、ドア開口部高さH2 の増加とともに庫内側吹出気流速度Vi と庫外側吹出気流速度VO との速度勾配を減少させることにより、ドア開口部高さH2 が高いときは外気吹出気流の庫外側への曲がりを減少して、ドア開口部18、34の天井部近傍まで外気吹出気流を到達させて、天井部近傍から庫内への外気流入を減少できる。この結果、ドア開口部高さH2 が高くなっても、熱侵入遮断効果を維持できる。
【0145】
なお、図49の実験条件として、吹出ダクト29d、30dの吹出開口29e、30eからの外気の吹出気流角度θ=+5°で、吹出風量=420m3 /hである。
(第17実施形態)
図12の第5実施形態および図17の第9実施形態のごとく冷凍室2の側部にサイド開口部34を設けるとともに、このサイド開口部34をスライド式のサイドドア33により開閉する場合には、図50に示すように、スライド式のサイドドア33の開度が小さい場合は、吹出ダクト29d、30dの吹出開口29e、30eから吹き出した外気がサイドドア33の内側面に衝突して、外気が庫内へ流入するという現象が起き、庫内への侵入熱量を増加させてしまう。
【0146】
本発明者らの実験検討によると、本発明による外気吹出のエアカーテンを形成する場合は、図51の▲1▼に示すように、庫内への侵入熱量がサイドドア33の開度が増加するに従って減少する。一方、本発明による外気吹出のエアカーテンを形成せず、単にサイドドア33を開くだけの場合は図51の▲2▼に示すように、庫内への侵入熱量がサイドドア33の開度が増加するに従って増加する。
【0147】
図51の特性▲1▼、▲2▼の交点はサイドドア33の開度≒1/3であるから、サイドドア33の開度≒1/3を検出するドア開度スイッチ(図示せず)を設け、このドア開度スイッチの信号に基づいてサイドドア33の開度が略1/3に到達した時点で、エアカーテン装置Z、Z1 のエアカーテン形成用送風機19を作動させる。
【0148】
これによれば、サイドドア33の開度が略1/3に到達する以前に、吹出外気がサイドドア33の内側面に衝突して、外気が庫内へ流入するという現象を防止して、外気による庫内への侵入熱量の増加を良好に抑制できる。
次に、図52はすべての実施形態に共通する本発明の利点を示す実験データであり、縦軸はドア開放時における庫内ピーク温度で、横軸はエアカーテン形成用送風機19の吸込口近傍の雰囲気温度であり、この吸込口近傍の雰囲気温度は停車時にはエンジン廃熱の影響を受けて50°C以上の高温に達する場合がある。図中、▲1▼はエアカーテンを形成せずに、単にドアを開放した場合であり、▲2▼は本発明において、吹出開口29e、30eにおける庫内側吹出気流速度Viと庫外側吹出気流速度Voとの速度勾配を設定しない場合(Vi=Voの場合)であり、さらに、▲3▼は本発明において、吹出開口29e、30eにおける庫内側吹出気流速度Viと庫外側吹出気流速度Voとの速度勾配を設定した場合(吹出速度比(Vo/Vi)=2の場合)である。
【0149】
図52における▲1▼〜▲3▼の比較から理解されるように、▲1▼に対して本発明による▲2▼、▲3▼が庫内ピーク温度の抑制のために格段と優れており、とりわけ、▲3▼による吹出気流に速度勾配を設定した場合は吸込口近傍の雰囲気温度の上昇にかかわらず、庫内ピーク温度をマイナスの低温域でほぼ一定に維持できるという、実用上極めて有利な性能を発揮できる。
【0150】
(他の実施形態)
なお、エアカーテン形成用送風機19の制御の変形例として、送風機19の作動によるエアカーテン形成後、所定の時間(例えば、10分間)は送風機19の作動を禁止するようにすれば、エンジン停止時におけるエアカーテン形成用送風機19の頻繁な作動を防止して、車載バッテリの過放電を未然に防止できる。
【0151】
また、上述の各実施形態では、いずれも、送風機19により外気を送風して、エアカーテンを形成しているが、庫内の冷気を送風機19により開口部18の下方から上方へ向かって送風して、エアカーテンを形成してもよい。
また、上述の各実施形態では、停車時に車両エンジン8を停止した状態でドア3、4を開く場合について説明したが、停車時に車両エンジン8を運転したままの状態でドア3、4を開く場合にも、本発明によるエアカーテンの形成により庫内温度の上昇抑制効果を発揮できることはもちろんである。
【0152】
また、第3実施形態において、カーテン状部材31を蝶番等の機構により回動可能に冷凍室2の天井部に支持させることにより、使用者の頭部がカーテン状部材31に当たったときは、カーテン状部材31が回動して、使用者の頭部の損傷を防止するようにしてもよい。
さらに、本発明の特徴の1つは、外気を吹き出してエアカーテンを形成することにあるから、外気の吹出方向を下方から上方への一方向に限定されるものではなく、上方から下方へと外気を吹出してエアカーテンを形成してもよい。
【0153】
また、本発明は冷凍車だけに限定されることなく、冷凍倉庫等の用途を含む冷凍装置一般に広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における冷凍車の全体構成を示す概略斜視図である。
【図2】図1の冷凍サイクル図である。
【図3】図1の冷凍車のドア部の斜視図である。
【図4】図3のクロスフローファン部断面図である。
【図5】本発明の効果を示すグラフである。
【図6】本発明の第2実施形態における冷凍車のドア部の斜視図である。
【図7】図6の遠心ファン部断面図である。
【図8】本発明の第3実施形態における冷凍車の全体構成を示す概略斜視図である。
【図9】図8の冷凍車のドア部の斜視図である。
【図10】第3実施形態における主要寸法関係を示す冷凍車の概略斜視図である。
【図11】本発明の第4実施形態における要部断面図である。
【図12】本発明の第5実施形態における冷凍車の全体構成を示す概略斜視図である。
【図13】本発明の第6実施形態における要部の概略断面図である。
【図14】(a)は第6実施形態における車両後部側の吸込ダクト部の概略平面断面図、(b)は同吸込ダクト部の概略正面断面図である。
【図15】(a)は第6実施形態における車両側部側の吸込ダクト部の概略平面断面図、(b)は同吸込ダクト部の概略正面断面図である。
【図16】本発明の第7実施形態における要部の概略断面図である。
【図17】本発明者らの実験結果の説明図である。
【図18】本発明者らの別の実験結果の説明図である。
【図19】本発明者らの別の実験結果の説明図である。
【図20】本発明の第8実施形態における要部の概略断面図である。
【図21】本発明者らの別の実験結果の説明図である。
【図22】本発明者らの別の実験結果の説明図である。
【図23】本発明者らの別の実験結果の説明図である。
【図24】本発明者らの別の実験結果の説明図である。
【図25】第8実施形態の変形例の要部説明図である。
【図26】本発明の第9実施形態における庫内空気流れ形態を示す冷凍車全体の概略断面図である。
【図27】第9実施形態を示す冷凍車全体の概略斜視図である。
【図28】第9実施形態によるエアガイドの具体例を示す冷凍車要部の概略断面図である。
【図29】第9実施形態によるエアガイド部の平均温度と吹出気流速度との関係の説明図である。
【図30】本発明の第10実施形態を示す冷凍車要部の概略断面図である。
【図31】第10実施形態における庫内空気流れ形態を示す冷凍車全体の概略斜視図である。
【図32】第10実施形態における電気回路図である。
【図33】本発明の第11実施形態を示す車両後部側の吹出ダクト部の概略説明図である。
【図34】第11実施形態を示す車両側部側の吹出ダクト部の概略説明図である。
【図35】本発明の第12実施形態における冷凍車全体の概略斜視図である。
【図36】第12実施形態における制御フローチャートである。
【図37】第12実施形態における風量制御特性図である。
【図38】第12実施形態における別の風量制御特性図である。
【図39】図25に示す第8実施形態の変形例の具体的構成を図示する要部断面図である。
【図40】第13実施形態によるエアカーテン装置部の分解斜視図である。
【図41】第14実施形態による吹出気流の作用説明用の要部断面図である。
【図42】第14実施形態による吹出気流の作用説明用の要部断面図である。
【図43】第14実施形態による最適気流条件を示す実験データのグラフである。
【図44】第14実施形態による最適気流条件を実現するための必要吹出速度比を示す実験データのグラフである。
【図45】第15実施形態によるエアカーテン装置部の前提を説明する概略断面図である。
【図46】第15実施形態によるエアカーテン装置部を示す概略断面図である。
【図47】第15実施形態によるエアカーテン装置部を示す概略断面図である。
【図48】第16実施形態の前提を示す実験データのグラフである。
【図49】第16実施形態による最適吹出速度比とドア開口部高さとの関係を示す実験データのグラフである。
【図50】第17実施形態の前提を説明する断面図である。
【図51】第17実施形態によるサイドドア開位置と侵入熱量との関係を示す実験データのグラフである。
【図52】本発明による庫内ピーク温度抑制効果を示す実験データのグラフである。
【符号の説明】
2…冷凍室、3、4…ドア、13…冷凍用蒸発器、18…開口部、
19…エアカーテン形成用の送風機、20、21…クロスフローファン、
29、30…遠心ファン、31…カーテン状部材。
Claims (19)
- 車両に架装された冷凍室(2)と、
この冷凍室(2)に装備され、この冷凍室(2)内を冷却する冷凍用蒸発器(13)と、
前記冷凍室(2)に装備され、前記冷凍室(2)の開口部(18、34)を開閉するドア(3、4、33)とを備える冷凍車において、
前記冷凍室(2)の外側で前記開口部(18、34)の下部に送風手段(19)を配置し、
前記送風手段(19)は庫外の外気雰囲気に開口して外気のみを吸い込む外気吸込口(20c、21c)を有し、
前記送風手段(19)は前記外気吸込口(20c、21c)から吸い込んだ外気のみを前記開口部(18、34)の下方から上方へ送風するように構成されており、
前記開口部(18、34)の上部は、吸入口を持たない開口縁部形状になっており、
前記ドア(3、4、33)の開放時には前記送風手段(19)を作動させて前記外気を前記開口部(18、34)の下方から上方へ向かって、更に、前記開口部(18、34)の上部の外側へ流して庫外の外気雰囲気に放出し、この下方から上方へ向かう外気流によりエアカーテンを形成することを特徴とする冷凍車。 - 前記送風手段(19)は、前記開口部(18)の下部において前記開口部(18、34)の幅方向に沿って配置されたクロスフローファン(20、21)からなることを特徴とする請求項1に記載の冷凍車。
- 前記送風手段(19)は、前記冷凍室(2)の床面(2a)の下方部外側に配置された遠心ファン(29、30)と、この遠心ファン(29、30)の送風する外気を前記開口部(18、34)の下部まで導き、前記開口部(18、34)の下部から上方へ向かって外気を吹き出す吹出ダクト(29d、30d)とから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の冷凍車。
- 前記ドア(3、4、33)の開閉に応動するスイッチ手段(28)と、このスイッチ手段(28)の信号が入力され、前記ドア(3、4、33)の開放時に前記送風手段(19)を作動させる制御手段(22)とを備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の冷凍車。
- 前記冷凍用蒸発器(13)、および前記冷凍用蒸発器(13)に送風する冷凍用ファン(17)を有する冷却ユニット(130)を前記冷凍室(2)内天井部のうち、車両前方側の部位に配置し、
前記冷凍室(2)の開口部(18)は車両後方側に配置し、
前記冷凍用ファン(17)の作動により前記冷却ユニット(130)から車両後方側へ向かって略水平方向に冷気が吹き出すようになっており、
前記冷凍用ファン(17)は停車時に前記ドア(3、4)が開放されたときにも作動するようになっており、
さらに、前記冷凍室(2)内天井部のうち車両後方側の部位に、前記開口部(18)との間に所定距離(L0 )を隔ててカーテン状部材(31)を垂下させ、前記冷却ユニット(130)からの冷気が前記カーテン状部材(31)に吹き当たり、下方へ方向転換するようにしたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の冷凍車。 - 前記カーテン状部材(31)の高さ(h)と前記冷凍室(2)の全高(H)との比率(h/H)が0.1〜0.3の範囲であることを特徴とする請求項5に記載の冷凍車。
- 前記カーテン状部材(31)と前記開口部(18、34)との間の所定距離(L0 )と、前記冷凍室(2)の車両前後方向の全長(L)との比率(L0 /L)が0.2〜0.4の範囲であることを特徴とする請求項5または6に記載の冷凍車。
- 前記送風手段(19)が前記冷凍室(2)の床面(2a)の下方部外側に配置され、前記送風手段(19)の空気吸い込み側に吸い込み空気から水を分離する屈曲通路を持つ吸込ダクト(36)を配置したことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の冷凍車。
- 前記送風手段(19)の空気吹出側に吹出ダクト(29d、30d)を配置し、この吹出ダクト(29d、30d)に下方への突出部(29f、30f)を設けるとともに、この突出部(29f、30f)の下部に排出穴(29g、30g)を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の冷凍車。
- 前記送風手段(19)によって送風される外気を前記開口部(18、34)に沿って吹き出す吹出開口(29e、30e)を有し、
この吹出開口(29e、30e)における前記外気の吹出気流速度のうち、庫内側の吹出気流速度(vi)に比して庫外側の吹出気流速度(vo)が大となるように、外気の吹出気流速度に速度勾配を設定することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載の冷凍車。 - 前記吹出開口(29e、30e)に備えたエアガイド(39)により前記外気の吹出気流速度の速度勾配を設定することを特徴とする請求項10に記載の冷凍車。
- 前記吹出開口(29e、30e)の入口部に、前記送風手段(19)によって送風される外気を前記吹出開口(29e、30e)に向けて方向転換させる方向転換手段(29h、30h)を配置し、
この方向転換手段(29h、30h)により前記外気の吹出気流速度の速度勾配を設定することを特徴とする請求項10に記載の冷凍車。 - 前記送風手段(19)によって送風される外気を前記開口部(18、34)に沿って吹き出す吹出開口(29e、30e)を有し、
この吹出開口(29e、30e)から吹き出された吹出気流が前記冷凍室(2)の床面(2a)の高さに上昇したとき、前記吹出気流の主流が庫内側にずれるようにしたことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載の冷凍車。 - 前記送風手段(19)によって送風される外気を前記開口部(18、34)に沿って吹き出す吹出開口(29e、30e)を有し、
この吹出開口(29e、30e)から吹き出された吹出気流が前記冷凍室(2)の床面(2a)の高さに上昇したとき、この床面(2a)の高さにおける庫内側の気流速度(vi′)を庫外側の吹出気流速度(vo′)より大きくしたことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載の冷凍車。 - 前記送風手段(19)によって送風される外気の吹出気流が前記冷凍室(2)の床面(2a)の高さに上昇した後、微小角度だけ庫内側に向かって流れ、前記開口部(18、34)の上下方向の中間部位から前記吹出気流が次第に庫外側へ向かって湾曲して流れるようにしたことを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1つに記載の冷凍車。
- 前記開口部(18、34)の上部に前記送風手段(19)によって送風される外気の吹出気流の拡散流のうち、前記冷凍室(2)内の冷気に温度が近い空気を前記冷凍室(2)内側へ偏向させるエアガイド(40)を有することを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1つに記載の冷凍車。
- 前記冷凍用蒸発器(13)、および前記冷凍用蒸発器(13)に送風する冷凍用ファン(17)を有する冷却ユニット(130)を前記冷凍室(2)内天井部のうち、車両前方側の部位に配置し、
前記冷凍室(2)の開口部(18)は車両後方側に配置し、
前記冷凍用ファン(17)の作動により前記冷却ユニット(130)から車両後方側へ向かって略水平方向に冷気が吹き出すようになっており、
停車時に前記ドア(3、4)が開放されたときには、前記冷凍用ファン(17)を逆回転させることにより、前記冷凍室(2)内天井部の車両後方側から空気を前記冷却ユニット(130)内に吸い込んで、この吸い込み空気を前記冷凍室(2)内の車両前方側の下方へ吹き出すようにしたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の冷凍車。 - 停車時に前記ドア(3、4、33)が開放されたときに、前記ドア(3、4、33)開放後の経過時間に応じて、前記送風手段(19)の風量を制御する制御手段(S108、S109、S110、S111、S101)を備えることを特徴とする請求項1ないし17のいずれか1つに記載の冷凍車。
- 前記制御手段(S108、S109、S110、S111、S101)は、少なくとも外気温に応じて前記風量を補正することを特徴とする請求項18に記載の冷凍車。
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