JP4411850B2 - 生物脱リン方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、嫌気好気法により生物的に脱リンを行う生物脱リン方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
リンを含む廃水を活性汚泥による生物処理を行う活性汚泥処理工程では、原水中の有機物の分解とともにリンが減少する。微生物の物質代謝において、リンは、ATPや、核酸(DNA,RNA)にも含まれており、菌体合成に必要な要素の一つである。通常、活性汚泥には約2.3%前後のリンが存在しており、菌体合成に伴い、リンの除去が期待される。しかし、活性汚泥処理におけるリンの除去量は、汚泥の平均滞留時間が一定であれば、通常、排水中の有機物質濃度にほぼ比例することから、リンの除去量には限りがある。
【0003】
一方、ある特定の条件下では、菌体の構成や代謝に必要なリンの摂取以外に、多量のリンが菌体内に蓄積され、これらの活性汚泥に占めるリン濃度は6〜8%にも達することがある(過剰摂取(luxury uptake)現象)。即ち、活性汚泥の環境を嫌気性条件にして、強制的にリンを放出させた汚泥は、その後のリンの摂取量が著しく増加する。
【0004】
この過剰摂取現象を利用した生物脱リン装置にあっては、原水が流入する嫌気槽に返送汚泥を導入して汚泥からリンを放出させ、このリン欠乏汚泥を含む原水を好気処理して汚泥にリンを過剰に摂取させて脱リンを図るようにしている。
【0005】
このような生物脱リン装置にあっては、リンは汚泥中に取り込まれ、余剰汚泥と共に水中から分離されるのであるが、発生する汚泥量が多いという欠点がある。
【0006】
そこで、返送汚泥の一部を嫌気滞留槽に滞留させてリンを放出させた後、固液分離処理し、固形分を可溶化して汚泥を減容するようにした生物脱リン装置が提案された(特開平11−188383号公報)。
【0007】
図4は同号公報の脱リン装置の系統図であり、リンを含有する原水1を生物学的脱リン活性汚泥処理工程2の嫌気槽3に導入し、それとともに沈殿槽5からの返送汚泥8およびオゾン酸化槽18から流出するオゾン酸化汚泥19を投入させ、同工程2の嫌気槽3及びそれにつながる好気槽4においてBOD除去と脱リン菌へのリン吸収を行わせる。同工程における汚泥の一部を沈殿槽5へ送り、沈殿槽5での上澄水は処理水6として取り出し、また沈殿した沈殿汚泥7の大部分は、返送汚泥8として嫌気槽3にリサイクルされる。
【0008】
前記沈殿汚泥7からその一部を分岐し、分岐汚泥9として汚泥嫌気滞留槽10に流入させ、ここで嫌気性条件で滞留させることにより、リン含有汚泥からリンを吐き出させる。汚泥嫌気滞留槽10の汚泥は、次に膜分離槽11によって固液分離された後、固液分離で得た分離汚泥13がオゾン酸化槽18に導かれ、オゾンにより酸化分解し可溶性有機物を溶出する。このオゾン酸化槽18で生成するオゾン酸化汚泥19を生物学的脱リン活性汚泥処理工程2の嫌気槽3に返送した後、好気槽4に流入させ、オゾン酸化汚泥(微生物による生分解性が向上している)19を微生物によって炭酸ガスと水に分解する。
【0009】
このように原水のBOD除去にともなって増殖した活性汚泥は、汚泥嫌気滞留槽10、オゾン酸化槽18、生物学的脱リン活性汚泥処理工程2を循環することによって炭酸ガスおよび水に分解され、系外に排出すべき余剰汚泥はほぼゼロになる。
【0010】
なお、活性汚泥がオゾンにより酸化分解される結果、オゾン酸化汚泥19には可溶性有機物(BOD)が豊富に含まれているので、これを嫌気槽3に添加すると、脱リン菌からのリン吐き出しを活発に起こさせることが出来る。またオゾン酸化槽18での汚泥のオゾン酸化にあたり、汚泥をあらかじめ汚泥嫌気滞留槽10で嫌気的に滞留させると、汚泥の可溶化率が向上する。
【0011】
一方、膜分離槽11からの固液分離水12に、リン化学的除去工程15において、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄などのリンと化学的に沈殿生成反応を起こす金属化合物を添加し、リンをヒドロキシアパタイトなどのリン酸カルシウム化合物、リン酸マグネシウムアンモン(MAP)、リン酸アルミニウム、又はリン酸鉄として沈降分離させ回収する。図4の場合、金属化合物として水酸化カルシウム14を用い、ヒドロキシアパタイト17を生じさせている。
【0012】
【特許文献1】
特開平11−188383号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
種々の研究の結果、図4に示す生物脱リン装置にあっては、汚泥嫌気滞留槽10において汚泥から液相へリンが放出されても、膜分離槽11からの分離汚泥13に該リンを含んだ液が随伴するため液相中に放出されたリンのうち相当部分が分離汚泥13と共に嫌気槽3に循環してしまい、リン除去効率が悪いことが認められた。
【0014】
本発明は、リンの除去効率が著しく高い生物脱リン装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の生物脱リン装置は、原水及び返送汚泥が流入する嫌気槽と、該嫌気槽からの混合液を好気的に処理する好気槽と、該好気槽からの流出液を固液分離する第1の固液分離手段と、該第1の固液分離手段で固液分離された汚泥の一部を前記返送汚泥として前記嫌気槽へ返送する手段と、該第1の固液分離手段で固液分離された汚泥の残部を嫌気性に保ちリンを放出させるリン放出手段と、該リン放出手段からの汚泥混合液を固液分離する第2の固液分離手段と、該第2の固液分離手段で分離された分離水からリンを除去するリン除去手段と、を備えた生物脱リン装置において、該リン放出手段は、導入された汚泥中のリンの大部分(好ましくは70%以上)を汚泥から放出させるものであり、前記リン放出手段は、汚泥に対し希釈用の水を添加する手段と、汚泥と添加された希釈用の水とを攪拌する攪拌手段を有し、前記リン放出手段と前記第2の固液分離手段とは共通の処理槽にて構成されており、該処理槽は、攪拌後の攪拌液を静置して上澄液と沈降分とに沈降分離し、該上澄液と沈降分とを個別に取り出す取出手段を備えていることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の生物脱リン方法は、かかる本発明装置によって原水を生物脱リン処理するものである。
【0017】
かかる本発明の生物脱リン装置及び方法によると、リン放出手段におけるリン放出量が多いので、嫌気槽に循環するリン量が少ない。これにより、効率良く脱リン処理を行うことができる。
【0018】
本発明では、リン放出手段において汚泥に対し希釈用の水を添加する。これにより、リン放出手段での液相が増量されるので、第2の固液分離手段で液相と共に系外に取り出されるリンの量が増加する。これにより、嫌気槽に循環されるリンの量が著しく減少する。
【0019】
本発明においては、この汚泥と希釈用の水とを攪拌混合する。また、この攪拌後の液を静置して上澄液と沈降分とに沈降分離し、上澄液は系外に取り出し、沈降分に対し改めて希釈用の水を添加して攪拌混合し、この工程を1回以上繰り返すようにしてもよい。これにより、汚泥が希釈用の水で1回以上リンスされることになり、リン放出手段にて汚泥から放出されたリンの大部分が系外に取り出される。また、汚泥からリンを十分に放出させることができる
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。図1は参考例に係る生物脱リン装置の系統図である。
【0021】
この参考例は、前記図4の生物脱リン装置と大部分が共通であるので、相違点について説明する。
【0022】
この参考例においては、汚泥嫌気滞留槽10に攪拌機21が設けられている。また、この汚泥嫌気滞留層10に希釈水を供給する希釈水ライン22が設けられている。さらに、膜分離槽11からの分離汚泥13の一部を汚泥嫌気滞留槽10に供給するための返送ライン23が設けられている。
【0023】
図1のその他の構成は前記図4と同一であり、同一符号は同一部分を示す。
【0024】
この参考例においても、リンを含有する原水1を生物学的脱リン活性汚泥処理工程2の嫌気槽3に導入し、それとともに沈殿槽5からの返送汚泥8およびオゾン酸化槽18から流出するオゾン酸化汚泥19を投入させ、同工程2の嫌気槽3及びそれにつながる好気槽4においてBOD除去と脱リン菌へのリン吸収を行わせる。同工程における汚泥の一部を沈殿槽5へ送り、沈殿槽5での上澄水は処理水6として取り出し、また沈殿した沈殿汚泥7の大部分は、返送汚泥8として嫌気槽3にリサイクルされる。
【0025】
前記沈殿汚泥7からその一部を分岐し、分岐汚泥9として汚泥嫌気滞留槽10に流入させ、ここで嫌気性条件で滞留させることにより、リン含有汚泥からリンを吐き出させる。汚泥嫌気滞留槽10の汚泥は、次に膜分離槽11によって固液分離された後、固液分離で得た分離汚泥13がオゾン酸化槽18に導かれ、オゾンにより酸化分解し可溶性有機物を溶出する。このオゾン酸化槽18で生成するオゾン酸化汚泥19を生物学的脱リン活性汚泥処理工程2の嫌気槽3に返送した後、好気槽4に流入させ、オゾン酸化汚泥(微生物による生分解性が向上している)19を微生物によって炭酸ガスと水に分解する。
【0026】
一方、膜分離槽11からの固液分離水12に、リン化学的除去工程15において、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄などのリンと化学的に沈殿生成反応を起こす金属化合物を添加し、リンをヒドロキシアパタイトなどのリン酸カルシウム化合物、リン酸マグネシウムアンモン(MAP)、リン酸アルミニウム、又はリン酸鉄として沈降分離させ回収する。図1の場合、金属化合物として水酸化カルシウム14を用い、ヒドロキシアパタイト17を生じさせている。
【0027】
この参考例においては、汚泥嫌気滞留槽10に導入された汚泥(分岐汚泥9)に対し、希釈水がライン22から添加される。そして、攪拌機21によって汚泥と希釈水とは十分に攪拌、混合される。そのため、汚泥嫌気滞留槽10内において汚泥から液相中に放出されたリンは、従来よりも多量の液相と共に膜分離槽11へ送られ、固液分離処理される。そのため、膜分離槽11から固液分離されて取り出される固液分離水12の水量は従来よりも多量であり、この多量の水に随伴して従来よりも多量のリンが系外に取り出されることになる。このため、分離汚泥13に随伴してオゾン処理槽18へ送られるリンの量が従来に比べて減少する。しかも、この参考例にあっては、膜分離槽11で固液分離された分離汚泥の一部をライン23によって汚泥嫌気滞留槽10に戻し、再度リン放出させる。
【0028】
このようなことから、この参考例によると、オゾン処理槽18を経て嫌気槽3へ循環されるリンの量が従来例に比べて著しく少なく、固液分離水12と共に系外に取り出されるリンの量が従来例に比べて著しく多い。そのため、生物脱リン装置全体としてのリン除去効率が著しく優れたものとなる。
【0029】
図2は本発明の実施の形態に係る生物脱リン装置の系統図、図3は図2の生物脱リン装置の汚泥嫌気滞留槽10の動作説明図である。
【0030】
この実施の形態でも、汚泥嫌気滞留槽10に攪拌機21が設けられると共に、希釈水の供給用ライン22が設けられている。
【0031】
この実施の形態では、この汚泥嫌気滞留槽10が汚泥の沈降分離槽としての機能も備えているので、膜分離槽11は省略され、沈降濃縮による固液分離の上澄液が固液分離水12として該汚泥嫌気滞留槽10から取り出され、そのままリン化学的除去工程15へ送られるようになっている。
【0032】
この固液分離水の送給用のラインに弁12aが設けられている。前記希釈水供給用のライン22に弁22aが設けられている。また、分岐汚泥9の導入用のラインに弁9aが設けられている。さらに、分離汚泥13をオゾン処理槽18へ送るためのラインに弁13aが設けられている。
【0033】
図2のその他の構成は図1と同一であり、同一符号は同一部分を示している。
【0034】
次に、この汚泥嫌気滞留槽10の作動方法について図3を参照して説明する。
【0035】
まず、図3(a)の通り、弁9a,22aを開とすることにより、空になっていた汚泥嫌気滞留槽10に分岐汚泥9と希釈水とを導入する。所定量の汚泥及び希釈水を導入した後、弁9a,22aを閉とする。
【0036】
次に、図3(b)の通り攪拌機21を回転させて汚泥と希釈水とを攪拌し、汚泥から液相中へリンを放出させる。次いで、図3(c)の通り、攪拌機21を停止し、液を静置して汚泥を沈降させる。
【0037】
次いで、図3(d)の通り、弁12aを開き、上澄液を汚泥嫌気滞留槽10から取り出し、リン化学的除去工程15へ送る。上澄液を排出した後、汚泥を汚泥嫌気滞留槽10から取り出しても良いが、好ましくは上記の図3(b)〜(e)の工程をさらに1回以上繰り返す。即ち、図3(d)において上澄液を取り出した後、弁12aを閉じ、図3(e)の通り弁22aを開いて所定量の希釈水を汚泥嫌気滞留槽10に供給した後、弁22aを閉める。その後、図3(b)に戻り、攪拌を行う。
【0038】
図3(b)〜(e)の工程を所定回数繰り返し、十分に汚泥からリンが放出した後、図3(d)の上澄液取出工程に続いて弁13aを開き、沈降汚泥を取り出し、この汚泥をオゾン処理槽18へ送る。図2の生物脱リン装置のその他の工程は前記図1の生物脱リン装置と同一である。
【0039】
この図2,3の生物脱リン装置においても、分岐汚泥9からリンが十分に放出された後、汚泥がオゾン処理槽18を経て嫌気槽3へ戻されるので、生物脱リン装置の脱リン効率が著しく優れたものとなる。
【0040】
なお、図3の汚泥処理はバッチ式であるが、汚泥嫌気滞留槽を2個以上併設することにより、生物脱リン装置全体として連続的に運転を行うことができる。
【0041】
上記いずれの実施の形態でも、汚泥嫌気滞留槽10において汚泥中のリンの70%以上を汚泥から分離してリン化学的除去工程へ送ることができる。
【0042】
汚泥嫌気滞留槽10においては、約20℃の温度に保ち、汚泥滞留時間を48時間以上とするか、又は約30℃の温度に保ち汚泥滞留時間を24時間以上とすることが好ましい。
【0043】
希釈水としては、当然ながらリンを全く含まないか、又はリン濃度の低い水が用いられる。
【0044】
図3では汚泥嫌気滞留槽10は沈降濃縮方式となっているが、浮上分離方式とされてもよい。
【0045】
本発明では、汚泥嫌気滞留槽10からオゾン処理槽18へ送られる汚泥に対し希釈水を添加してもよい。
【0046】
本発明では、好気槽4に代えて、結合酸素(硝酸イオン又は亜硝酸イオン)を与える無酸素槽(図示せず)を設けてもよい。その場合、結合酸素は外部から硝化液を加える。結合酸素を与える無酸素槽は、酸素ガスを与える代わりに結合酸素を与える点で好気的であることに変わりはない。
【0047】
また、嫌気槽と好気槽の間に脱窒素槽(無酸素槽)を設けて、好気槽の混合液を脱窒素槽に循環供給してもよい。
【0048】
リン化学的除去工程15では、MAP反応塔などの晶析装置のほか、凝集分離装置などを用いることができる。
【0049】
また、オゾン処理槽18の代りに、汚泥を熱的あるいは機械的に可溶化するよう構成されたものを採用してもよい。
【0050】
以下に実験例について説明する。
【0051】
1及び図4に示す構成の生物脱リン装置により原水として合成廃水をそれぞれ処理した。
【0052】
4L(リットル)の嫌気槽3と4Lの好気槽4とからなる8Lの処理装置が使用されている。本実験では、酢酸、酢酸ナトリウムおよびペプトンからなる合成基質が有機基質として使用された。リン酸カリウムがリン源として使用され、その他の微量成分(Ca 2+ ,Mg 2+ ,Fe 2+ )が原水に添加された。原水中の酢酸塩のCOD濃度とペプトンのCOD濃度はそれぞれ約100mg/Lに維持された。原水中のリン/酢酸塩COD比は1/30に維持された。
【0053】
図1,4のいずれの生物脱リン装置においても、良好な生物学的脱リン処理が行われ、流出水の平均リン濃度は1mg/lより低かった。SS濃度が5000mg/lであり約7%のリン含有量を有する生物学的リン含有汚泥が汚泥嫌気滞留槽10に供給された。この汚泥嫌気滞留槽10内のSRTは20℃において2日間以上に保持された。この脱リン装置内の可溶性リン濃度は250〜300mg/lの範囲であった。これらのシステムの性能の比較を表1に示す。
【0054】
【表1】
Figure 0004411850
【0055】
上記実験結果からわかるように、汚泥嫌気滞留槽10へ希釈水を添加することにより、嫌気槽3に再循環される可溶性リンの量が10%に減少し、リン回収率が90%にまで改善された。また、膜分離槽11流出水中のリン濃度が著しく減少し、その分だけ膜分離槽11流出水の流量が多くなった。
【0056】
上記実験における汚泥濃縮係数は2であり、従ってリンの再循環を低減させるために大量の希釈水が必要であった。
【0057】
なお、図2,3の生物脱リン装置を同様にして運転したところ、汚泥濃縮係数10が達成された。濃縮係数が高いために、脱リンのときに少量の希釈水のみが必要とされた。しかし、濃縮後オゾン処理槽に供給される汚泥に対し希釈水を添加する必要があった。
【0058】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によると、効率良くリン除去を行うことができる生物脱リン方法及び装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例に係る系統図である。
【図2】 施の形態に係る系統図である。
【図3】 図2の汚泥嫌気滞留槽の作動図である。
【図4】 従来例に係る生物脱リン装置の系統図である。
【符号の説明】
3 嫌気槽
4 好気槽
5 沈殿槽(第1の固液分離手段)
10 汚泥嫌気滞留槽
11 膜分離槽(第2の固液分離手段)
18 オゾン処理槽
21 攪拌機
22 希釈水供給用ライン

Claims (5)

  1. 原水及び返送汚泥が流入する嫌気槽と、
    該嫌気槽からの混合液を好気的に処理する好気槽と、
    該好気槽からの流出液を固液分離する第1の固液分離手段と、
    該第1の固液分離手段で固液分離された汚泥の一部を前記返送汚泥として前記嫌気槽へ返送する手段と、
    該第1の固液分離手段で固液分離された汚泥の残部を嫌気性に保ちリンを放出させるリン放出手段と、
    該リン放出手段からの汚泥混合液を固液分離する第2の固液分離手段と、
    該第2の固液分離手段で分離された分離水からリンを除去するリン除去手段と、
    を備えた生物脱リン装置において、
    該リン放出手段は、導入された汚泥中のリンの大部分を汚泥から放出させるものであり、
    前記リン放出手段は、汚泥に対し希釈用の水を添加する手段と、汚泥と添加された希釈用の水とを攪拌する攪拌手段を有し、
    前記リン放出手段と前記第2の固液分離手段とは共通の処理槽にて構成されており、
    該処理槽は、攪拌後の攪拌液を静置して上澄液と沈降分とに沈降分離し、該上澄液と沈降分とを個別に取り出す取出手段を備えていることを特徴とする生物脱リン装置。
  2. 請求項1において、前記リン放出手段は、導入された汚泥中のリンの70%以上を汚泥から放出させるものであることを特徴とする生物脱リン装置。
  3. 請求項1又は2において、さらに、
    該第2の固液分離手段で分離された汚泥を可溶化する可溶化手段と、
    該可溶化手段で可溶化された汚泥を前記嫌気槽に返送する可溶化汚泥返送手段と、
    を有することを特徴とする生物脱リン装置。
  4. 請求項において、該可溶化手段に導入される汚泥に対し希釈用の水を添加する手段を備えたことを特徴とする生物脱リン装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の装置により原水を生物脱リン処理する方法であって、
    該処理槽に汚泥と希釈用の水とを導入して攪拌した後、沈降分離し、上澄液を該処理槽外に流出させた後、
    改めて希釈用の水を該処理槽に導入して攪拌し次いで沈降分離する工程を1回以上行うことを特徴とする生物脱リン方法。
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