JP4409812B2 - 時計用接着組成物、およびこれを用いた時計 - Google Patents

時計用接着組成物、およびこれを用いた時計 Download PDF

Info

Publication number
JP4409812B2
JP4409812B2 JP2002237401A JP2002237401A JP4409812B2 JP 4409812 B2 JP4409812 B2 JP 4409812B2 JP 2002237401 A JP2002237401 A JP 2002237401A JP 2002237401 A JP2002237401 A JP 2002237401A JP 4409812 B2 JP4409812 B2 JP 4409812B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
melting point
adhesive composition
cas
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002237401A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004075832A (ja
Inventor
祐司 赤尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Citizen Holdings Co Ltd
Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Holdings Co Ltd
Citizen Watch Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Citizen Holdings Co Ltd, Citizen Watch Co Ltd filed Critical Citizen Holdings Co Ltd
Priority to JP2002237401A priority Critical patent/JP4409812B2/ja
Publication of JP2004075832A publication Critical patent/JP2004075832A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4409812B2 publication Critical patent/JP4409812B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機械式時計に使用する接着組成物およびこれを使用した時計に関し、特に機械式時計のひげゼンマイおよび爪石の固定に用いる時計用接着組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
時計にはゼンマイの力を利用して駆動する機械式時計と、電池を装着し、電力によって駆動する電子式時計とがある。
【0003】
機械式時計には、駆動源となるゼンマイが装着されており、この力は2番車、3番車、ガンギ車を介してアンクルへ伝達される。アンクルは、左右に振れる構造をとっており、ガンギ車から力を受け取る際に左右均等に受け取れるよう、ガンギ車との接点に爪石と呼ばれる部品(材質は貴石と呼ばれるサファイヤ、ルビ−を使用しており近年ではアルミナで作られた人工ルビーなども使用されている。)が左右1つづつ、合計2個具備されている。さらにこの爪石は、均等に力を受け取れるように調整するため、爪石の位置を調整できるようにできている。
【0004】
アンクルに伝達された力はテンプと呼ばれる部品に伝達される。
テンプは、天真、振り座、天輪、ひげ玉、鋼鉄製のひげゼンマイ、ひげ持ちとからなっている。構造としては、回転可能な天真に、振り座、天輪、ひげ玉がつけられている。アンクルからの力は振り座に伝達され、結果として天真が回転するようになっている。天真に取り付けられているひげ玉にはひげゼンマイが固定されており、ひげゼンマイのもう一方の末端はひげ持ちに固定されている。ひげ持ちは、適正な位置で固定できるようになっている。
【0005】
テンプはひげゼンマイの性質を利用して天真を中心として回転するようにできており回転の速度が時計の歩度となる。歩度を調整するには、ひげゼンマイの末端を固定しているひげ持ちを移動させることによって調整できるように構成されている。
【0006】
アンクルと爪石との固定、ひげゼンマイとひげ持ちとの固定にはそれぞれ、ラックと呼ばれる熱を加えると溶融する接着剤を用いている。ラックは昆虫から採取してえられる樹脂である。ラックを使用している理由は、常温では硬い固形物で、加熱すると溶融して柔らかくなって一度固定した部品を移動させるなどして調整できるためである。本出願人はラックを機械式時計を提案してから今日までずっと使用し続けている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし従来のようなラックを用いると、安定供給するために、昆虫の飼育の課題がある。また、量を増やそうと思っても供給が追いつかない課題がある。また、加熱したときに異臭を放ち、密閉した環境で使用するには課題がある。
また、ラックを使用した場合、接着にとまどって時間が長くなるとラックが流れてしまい、不要の部位に付着して不良品となってしまう場合がある。また、加熱温度が低すぎると取り扱い性が著しく低下し、逆に高すぎると柔らかすぎて接着しにくい課題を有している。
【0008】
また、特開2000−297268に記載されている様なエポキシ等の熱硬化性接着剤を使用すると、臭いは解決できるが、再加熱して溶融しないことから、摩耗等の経時劣化により再調整しなくてはならない部品に使用した場合に調整できないといった課題がある。
【0009】
そこで本発明の目的は、従来の課題に鑑み、時計生産に見合った加熱条件で、溶融可能で、固定力に優れ、更に安定供給できる接着剤を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の要旨は以下のとおりである。
少なくとも、接着温度(S)と、融点(T)との関係が下記の条件を満たす第1、第2の樹脂からなることを特徴とする時計用接着組成物を用いる。
第1の樹脂 S−53℃>=T1(第1の樹脂の融点)>=S−75℃
第2の樹脂 S−40℃>=T2(第2の樹脂の融点)>S−53℃
【0011】
また、第1の樹脂と第2の樹脂はフェノール樹脂とポリアミド樹脂の組み合わせであることを特徴とし、または、ポリアミド樹脂の含有量が35wt%以上65wt%以下であることを特徴とし、または、更に接着温度(S)と、融点(T)との関係が下記の条件を満たす第3の樹脂(フェノール樹脂)を1wt%以上5wt%以下で添加してなることを特徴とする。
第3の樹脂 S−20℃>=T3(第3の樹脂の融点)>=S−30℃
【0012】
また、第1の樹脂の融点が93℃以上96℃以下で、第2の樹脂の融点が98℃以上102℃以下であることを特徴とする時計用接着組成物を用いて、時計用部品の固定をすることで解決できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、実施例を基にさらに詳しく説明する。
【0014】
まず、接着方法について説明する。
接着方法としては、時計用接着組成物(以後接着組成物と記す)を塗布しやすい形状の発熱体がある。発熱体の先端部は金属でできており、はんだごてのこて先の様な円錐状の形状をしている。発熱体の温度調整は任意にできるようになっている。本出願人の使用する発熱体は、常温から300℃の範囲で調整できるようになっており、通常280℃の温度に調整して使用している。
【0015】
この発熱体を加熱する。続いて発熱体を、接着部位を有する部品(金属製)の接着したい部位の近くに接触させ部品を加熱する。このとき接着したい部位の温度(接着温度)は約150℃に上昇する。つづいて、加熱した部品に接着組成物を接触させて、接着組成物を加熱溶融させ、所定量の接着組成物を塗布する。つぎに発熱体を部品から分離して接着組成物を塗布した部品を冷却(発熱体を分離したことで温度は低下する)させ、接着工程を終了する。接着組成物の温度も低下して接着組成物は固体となり、この結果部品は固定される。
【0016】
接着温度は、接着組成物の特性によって取り扱いしやすい温度に設定できるが、温度が高すぎると部品が熱膨張したり、変色したりするため、150℃が最も最適で、前後10℃の範囲に設定することが好ましい。
この方法で、ひげ持ちにひげゼンマイを接着する工程と、アンクルに2つの爪石を接着している。
【0017】
次に、接着した部品の再調整の仕方を説明する。
一度接着した部品を再調整するには、接着済みの部品に発熱体を接触させる。加熱が進み接着組成物が溶融するのを待つ。接着組成物が溶融したら、部品の調整を行う。調整が終了したら発熱体を部品より分離して、冷却し再調整を終了する。
【0018】
本発明の接着組成物は、熱可塑性を有しており接着温度のような150℃前後の高温では溶融して液体となり、時計を使用する温度、例えば常温の様な低温では固体となる性質を有している。
接着工程および調整で、注意を要する点としては、接着組成物の塗布量と、接着組成物の付着する範囲によって時計性能が変化するため、塗布状態が適正になっている事が重要である。
【0019】
また、接着組成物としては、量産に耐えるように使用温度で遅滞なく溶融する性質が必要であり、また逆に発熱体を分離したら遅滞なく固化する性質が必要である。
更に、加熱温度が多少変わっても流動性が余り変化せず、安定して作業できる性質が必要である。
この他、本発明の目的でもある安定供給のために、市場で多く使用されている汎用の熱可塑性樹脂を使用することが望まれる。
【0020】
接着組成物に使用できる材料について説明する。
この目的にあった接着組成物の材料としては、例えば次の材料等が挙げられる。
アイオノマー(三井・デュポンポリケミカル:CAS 25608−26−8、67892−74−4)、イソブチレン無水マレイン酸コポリマー(クラレ:CAS 26426−80−2)、AAS(アクリロニトリルアクリレートスチレンプラスチック)(宇部サイコロン、日立化成、三菱レイヨン:CAS 26299−47−8)、AES(アクリロニトリルエチレンスチレン)(テクノポリマー、日本エイアンドエル)、AS(アクリロニトリルスチレンプラスチック)(旭化成、日本エイアンドエル、ノバポリマー、三菱化学:CAS 9003−54−7)。
【0021】
ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレンプラスチック)(旭化成、宇部サイコロン、日本エイアンドエル、東レ、三菱レイヨン、テクノポリマー等:CAS 9003−5609)、ACS(アクリロニトリルクロリネーテッドポリエチレンスチレンプラスチック)(旭化成)、エチレン酢酸ビニルコポリマー(東ソー、三井・デュポンポリケミカル、日本ユニカー、旭化成、住友化学:CAS 24937−78−8)、エチレン酢酸ビニル塩化ビニルグラフトポリマー(新第一塩ビ、徳山積水、太陽塩ビチッソ:CAS 25085−46−5)、エチレンビニルアルコールコポリマー(日本合成化学、クラレ:CAS 26221−27−2)、ノルボルネン樹脂(JSR:CAS 123322−60−1)。
【0022】
ポリアセタール(ポリプラスチック、旭化成、三菱エンジニアリングプラスチックス:CAS 30846−29−8)、ポリアミド6(宇部興産、東レ、ユニチカ、東洋紡績、三菱エンジニアリングプラスチック、バイエル、鐘紡、帝人、大日本インキ化学:CAS 25038−54−4)、ポリアミド66(旭化成、宇部興産、昭和電工、東レ、三菱エンジニアリングプラスチックス、アイシーアイジャパン、バイエル、ユニチカ:CAS 32131−17−2)、ポリアミド610(東レ、BASFエンジニアリングプラスチック:CAS 9008−66−6)、ポリアミド612(デュポン:CAS 24936−74−1)、ポリアミド11(エルフ・アトケム・ジャパン:CAS 25587−74−1)、ポリアミド12(宇部興産、ダイセル・ヒュルス、東レ:CAS 24937−16−4)。
【0023】
共重合ポリアミド(宇部興産、東レ、旭化成:CAS 24993−04−2)、ポリアミドMXD6(三菱エンジニアリングプラスチックス:CAS 25718−70−1)、ポリアミド46(ディーエスエムジェイエスアールエンジニアリングプラスチックス)、メトキシメチル化ポリアミド(鉛市化学、大日本インキ化学、帝国化学産業)、耐熱ポリアミドガラス繊維強化プラスチック(三井化学:CAS 25776−72−1)、ポリアリレート(ユニチカ)、熱可塑性ポリイミド(三井化学:CAS 105218)、ポリエーテルイミド(日本ジーイープラスチックス:CAS 61128−46−9)、ポリエーテルエーテルケトン(ビクトレックス・エムシー)、ポリエチレン(旭化成、出光石油化学、チッソ石油化学、東ソー:CAS 9002−88−4)。
【0024】
ポリエチレンオキサイド(住友精化、名成化学:CAS 25322−68−3)、ポリエチレンテレフタレート(帝人、東レ、三井化学、鐘淵化学、日本エステル、旭化成:CAS 25038−59−9)、ポリエチレンナフタレート(帝人:CAS 24968−11−4)、ポリ塩化ビニリデン(旭化成、呉羽化学、三菱化学BASF:CAS 9002−85−1)、ポリ塩化ビニル(日本ゼオン、鐘淵化学、信越化学、呉羽化学、チッソ、三菱化学:CAS 9002−86−2)、ポリカーボネート(帝人化成、日本ジーイープラスチックス、三菱エンジニアリングプラスチックス、出光石油化学:CAS 25971−63−5)、ポリ酢酸ビニル(電気化学、日本合成化学、積水化学:CAS 9003−20−7)。
【0025】
ポリスチレン(旭化成、電気化学、三菱化学、出光石油化学、日本ポリスチレン:CAS 9003−53−6)、ポリサルホン(CAS 25154−01−2)、ポリエーテルサルホン(住友化学:CAS 79293−56−4)、ポリパラビニルフェノール(日本曹達、丸善石油化学:CAS 24979−70−2)、ポリアリルアミン(日東紡績:CAS 30551−89−4)、ポリビニルアルコール(クラレ、日本合成化学、電気化学、信越化学:CAS 9002−89−5)、ポリビニルエーテル(BASF:CAS 9003−09−2)、ポリビニルブチラール(積水化学、電気化学、日本モンサント:CAS63148−65−2)。
【0026】
ポリフェニレンエーテル(日本ジーイープラスチックス、旭化成、三菱エンジニアリングプラスチックス:CAS 25667−40−7、25190−64−1、25667−40−7)、ポリフェニレンサルファイド(東レ、東ソー・サスティール、呉羽化学、トープレン:CAS 9016−75−5、32027−35−3)、ポリブタジエン(JSR:CAS 9003−17−2)、ポリブチレンテレフタレート(日本ジーイープラスチックス、クラレ、大日本インキ化学、帝人、東レ、ポリプラスチックス:CAS 26062−94−2)、ポリプロピレン(出光石油化学、浮島ポリプロ、宇部ポリプロ、グランドポリマー、住友化学:CAS 9003−07−0)、ポリメチルペンテン(三井化学:CAS 68413−03−6)、ポリメチルメタクリレート(旭化成、クラレ、住友化学、三菱レイヨン:CAS 9011−14−7)、フェノール樹脂(松下電工、住友ベークライト:CAS 9003−35−4、67785−03−9)等が挙げられる。
【0027】
また、前記の熱可塑性樹脂をあらかじめ混合した樹脂や、製造時に共重合させた樹脂などを使用することができる。
【0028】
接着組成物に使用する樹脂の最適な融点について説明する。
接着組成物に使用する樹脂の融点としては、発熱体を部品に接触させ、接着部位が加熱されたときの温度(接着温度)よりも低いことが必要である。接着温度と、樹脂の融点との関係を変化させて最適な値があるか実験を行ったところ、接着温度(S)と、樹脂の融点(T)には次のような関係があった。
【0029】
S>=T>S−30℃のときは、樹脂が10秒以内で溶解せず接着できなかった。(量産に適する接着所要時間は、10秒以内、好ましくは5秒以内でこれを超えると、生産性に問題が発生することはもちろん、固定するためにピンセット等で位置を決めて支えている部品がずれてしまったり、位置決めをしている部品や接着部品の温度が更に上昇し部品が変質したりしてしまう等の問題があり使用できない。)
S−30℃>=T>S−50℃の範囲では樹脂は溶けて接着できるが、溶融するまでに時間がほぼ10秒かかり、発熱体を部品から分離して冷却し固定するまでの時間を含めると10秒以上接着時間が必要となり量産には使用できない。
【0030】
S−50℃>=T>50℃の場合には樹脂は2秒から7秒程度の時間で溶融した。しかし、溶融した樹脂が流れて広がってしまい、接着剤をつけてはいけない部位まで広がり不良品となってしまった。
【0031】
50℃>=Tの場合には樹脂は直ちに溶融したが、融点が低すぎるため使用中に日光にさらされると温度が上昇し接着組成物が溶融し部品が取れてしまう問題が発生し、使用に耐えない。
【0032】
以上のことから、融点が接着温度よりも低い樹脂を単独で使用した場合、いずれの融点を有する樹脂を用いても使用できないことが判った。
【0033】
しかし、本出願人は、鋭意検討した結果、目的を達成するために、接着温度と融点の関係が、少なくとも接着温度(S)と、融点(T)との関係が下記の条件を満たす第1、第2の樹脂を組み合わせることによって目的を達成できることを見いだした。
第1の樹脂 S−53℃>=T1(第1の樹脂の融点)>=S−75℃
第2の樹脂 S−40℃>=T2(第2の樹脂の融点)>S−53℃
【0034】
前記の組成にすることにより、溶解するまでの時間が2秒から7秒程度の良好で、かつ溶融した樹脂が流れて接着剤をつけてはいけない部位まで広がることなく接着することができる。
【0035】
接着組成物の最適な材料について説明する。
時計部品を接着するには、部品の接着強度は25g以上(これ以下では時計を落下させると部品が取れてしまうことがある)必要である。また、長期に時計を使用しても接着状態が変化しないようにするため、耐湿性(温度40℃で相対湿度が95%で1000時間放置しても変化が無いこと)が求められる。
【0036】
このため、第1の樹脂と、第2の樹脂の材料としては、前記の各種の材料を用いることが出来るが、特に第1の樹脂としてフェノール樹脂(CAS:9003−35−4)と、第2の樹脂として6、66、610、12ポリアミド樹脂の共重合体(CAS:55398−96−4)との組み合わせが、最も組み合わせとして適していることが判った。
【0037】
上記の組み合わせが適した理由は、以下のように考えられる。
樹脂の性質としては、前述のポリアミド樹脂は耐湿性に弱いが、接着強度は25g以上の大きい特性を有する。一方、前述のフェノール樹脂は耐湿性は良好だが、接着強度が25g以下で弱いといった結果であった。しかし、2つの材料を混合することによって耐湿性(温度40℃で相対湿度が95%で1000時間放置しても変化が無いこと)も良好で、かつ接着強度も25g以上の良好な材料を得ることが出来る。
【0038】
第1の樹脂と第2の樹脂の適正な配合比率としては、樹脂全体に対して第2のポリアミド樹脂が35wt%以上65wt%以下が好ましく、特に35wt%以上45wt%以下が最も好ましい。
第2の樹脂の比率が35wt%未満の様に少なくなると、溶解するまでの時間が長くなり、接着強度が低下するため使用に耐えなくなる。逆に65wt%以上になると接着中に樹脂が流れてしまい使用に耐えない。このため、第2の樹脂の最適な配合比率は35wt%以上65wt%以下が好ましく、特に35wt%以上45wt%以下が最も好ましい。
【0039】
接着組成物の常温での硬度を高めるためには、更に融点の高い第3の樹脂を加えることが出来る。第3の樹脂は、耐湿性を考慮してフェノール樹脂が良く、接着温度(S)と、融点(T)との関係が下記の条件を満たすことが好ましい。
第3の樹脂(フェノール樹脂)の添加量は、1wt%以上5wt%以下の範囲で添加できる。
第3の樹脂 S−20℃>=T3(第3の樹脂の融点)>=S−30℃添加量が多すぎると、樹脂が溶解するまでの時間がかかり、接着強度も下がってしまうので最大5wt%以下で添加できる。
【0040】
樹脂の最適な融点について説明する。
接着温度は、温度が高すぎると部品が熱膨張したり、変色したりする。低すぎると使用できる接着剤の融点も低くなる。接着温度としては、125℃以上(200℃以下が好ましいが、取り扱い性を考慮すれば、150℃が最も最適で、前後10℃の範囲に設定することが最も好ましい。
接着温度が125℃以下になると、第1の接着剤の融点が50℃以下となるため使用できない。
【0041】
最低な条件、最適な接着温度で接着する場合には、第1の樹脂にフェノール樹脂(CAS:9003−35−4)を用い、融点は95℃に設定し、第2の樹脂は6、66、610、12ポリアミド樹脂の共重合体(CAS:55398−96−4)を用い、融点は100℃に設定することが好ましい。
【0042】
次に、本発明の時計用接着組成物を用いた時計について説明する。
本発明の時計は、本発明の接着組成物を時計部品のどれかに使用したものである。
例えば、従来の技術で説明しているアンクルと爪石との固定や、ひげゼンマイとひげ持ちとの固定部分に使用した例が挙げられる。
【0043】
以下具体的な実施例を基に詳しく説明する。
【0044】
接着組成物として、融点が異なる複数のフェノール系樹脂と、融点の異なる複数の6、66、610、12ポリアミド樹脂の共重合体を用意した。
用意した樹脂の融点は、S−80℃、S−75℃、S−60℃、S−55℃、S−53℃、S−50℃、S−40℃、S−35℃、S−20℃(Sは150℃または、170℃を指す)である。
【0045】
更に接着組成物として、融点がS−80℃、S−75℃、S−60℃、S−55℃、S−53℃、S−50℃、S−40℃、S−35℃、S−20℃(Sは150℃または、170℃を指す)のフェノール樹脂と、融点がS−80℃、S−75℃、S−60℃、S−55℃、S−53℃、S−50℃、S−40℃、S−35℃、S−20℃(Sは150℃または、170℃を指す)のポリアミド樹脂をそれぞれ同量を1種づつ組み合わせて、それぞれ150℃で加熱ニーダーを用いて20分間混合して162種類の接着組成物を作成した。
【0046】
(実施例1から16)
接着温度(S)を150℃と170℃の2条件で、融点がS−53℃、S−55℃、S−60℃、S−75℃のフェノール樹脂と、S−40℃、S−50℃の6、66、610、12ポリアミド樹脂の共重合体とを混合して得られた接着組成物を用いて、シチズン製機械式時計#82のアンクルと爪石との固定と、ひげゼンマイとひげ持ちとの固定とを行った。
【0047】
この結果、いずれの場合も10秒以内で樹脂が不要な部分に流れ出すことなく、接着強度25g以上で良好に接着が出来た。また、この時計を40℃で相対湿度95%の環境下で1000時間放置する耐湿試験を実施したところいずれの場合も接着強度および外観に変化はなく良好に動作した。
【0048】
(実施例17から32)
接着温度(S)を150℃と170℃の2条件で、融点がS−53℃、S−55℃、S−60℃、S−75℃の6、66、610、12ポリアミド樹脂の共重合体と、S−40℃、S−50℃のフェノール樹脂とを混合して得られた接着組成物を用いて、シチズン製機械式時計#66のアンクルと爪石との固定と、ひげゼンマイとひげ持ちとの固定とを行った。
【0049】
この結果、いずれの場合も10秒以内で樹脂が不要な部分に流れ出すことなく、接着強度25g以上で良好に接着が出来た。また、この時計を40℃で相対湿度95%の環境下で1000時間放置する耐湿試験を実施したところいずれの場合も接着強度および外観に変化はなく良好に動作した。
【0050】
(比較例1から36)
接着温度(S)を150℃と170℃の2条件で、融点がS−80℃、S−75℃、S−60℃、S−55℃、S−53℃、S−50℃、S−40℃、S−35℃、S−20℃(Sは150℃または、170℃を指す)のフェノール樹脂と6、66、610、12ポリアミド樹脂の共重合体をそれぞれ単独で用いて、シチズン製機械式時計#82のアンクルと爪石との固定と、ひげゼンマイとひげ持ちとの固定とを行った。
【0051】
この結果、接着温度(S)が150℃と170℃のいずれの場合でも、融点がS−20℃のフェノール樹脂と6、66、610、12ポリアミド樹脂をそれぞれ単独で用いた場合は樹脂が溶解するまでに10秒以上に時間がかかり量産に使用できなかった。(量産にしよう出来る接着時間は10秒以内でなくてはならない)。(比較例1から4)
【0052】
融点がS−35℃、S−40℃のフェノール樹脂とポリアミド樹脂をそれぞれ単独で用いた場合は溶解は8.5秒から9.5秒で溶解したが、発熱体を部品から分離して冷却固定するまでに3秒要したので、いずれの場合も接着時間が10秒を超えてしまい使用には耐えなかった。(比較例5から12)
【0053】
融点がS−50℃、S−53℃、S−55℃、S−60℃、S−75℃、S−80℃のフェノール樹脂とポリアミド樹脂をそれぞれ単独で用いた場合は溶解は2秒から7秒で溶解し、接着時間は10秒以内であったが、接着組成物が部品上に広がりすぎ不良品となってしまった。(比較例13から36)
【0054】
(比較例36から53)
接着温度(S)を150℃と170℃の2条件で、融点がS−80℃、S−35℃、S−20℃(Sは150℃または、170℃を指す)のフェノール樹脂と、融点がS−80℃、S−35℃、S−20℃(Sは150℃または、170℃を指す)の6、66、610、12ポリアミド樹脂の共重合体とを混合して得られた接着組成物を用いて、シチズン製機械式時計#82のアンクルと爪石との固定と、ひげゼンマイとひげ持ちとの固定とを行った。
【0055】
この結果、それぞれの場合に於いて、接着組成物が流れて不良になるか、接着時間が10秒以上となり、いずれの場合も良好な結果は得られなかった。
【0056】
実施例1から32および比較例1から53の結果から、接着温度と融点の関係が、少なくとも接着温度(S)と、融点(T)との関係が下記の条件を満たす第1の樹脂と、第2の樹脂(フェノール樹脂と、ポリアミド樹脂)とを組み合わせることによって目的を達成できることが判った。
第1の樹脂 S−53℃>=T1(第1の樹脂の融点)>=S−75℃
第2の樹脂 S−40℃>=T2(第2の樹脂の融点)>S−53℃
【0057】
(実施例33から96および比較例54から85)
接着温度(S)を150℃と170℃の2条件で、融点がS−53℃、S−55℃、S−60℃、S−75℃のフェノール樹脂と、融点がS−40℃、S−50℃の6、66、610、12ポリアミド樹脂の共重合体とを混合して、ポリアミド樹脂含有率が、30wt%、35wt%、40wt%、45wt%、55wt%、60wt%の接着組成物を得た。この接着組成物を用いてシチズン製機械式時計#82のアンクルと爪石との固定と、ひげゼンマイとひげ持ちとの固定とを行った。
【0058】
この結果、ポリイミド樹脂が35wt%以上55wt%の接着組成物の場合はいずれの場合も10秒以内で樹脂が不要な部分に流れ出すことなく、接着強度25g以上で良好に接着が出来た。特に35wt%から45wt%の範囲では接着強度が50g以上となり最大値を示した。また、この時計を40℃で相対湿度95%の環境下で1000時間放置する耐湿試験を実施したところいずれの場合も接着強度および外観に変化はなく良好に動作した。(実施例33から96)
【0059】
ポリイミド樹脂の含有率が60wt%の接着組成物の場合はいずれの場合も10秒以内で樹脂が不要な部分に流れ出すことなく接着強度25g以上で接着できたが、40℃で相対湿度95%の環境下で1000時間放置する耐湿試験を実施したところ接着強度が25g以下に低下し、使用には耐えなかった。(比較例54から69)
【0060】
ポリイミド樹脂の含有率が30wt%の接着組成物の場合はいずれの場合も10秒以内で樹脂が不要な部分に流れ出すことなく接着できたが、接着強度が25g以下となってしまって、使用には耐えなかった。(比較例70から85)
【0061】
以上のことから、ポリアミド樹脂の含有量は、35wt%以上65wt%以下が好ましく、特に35wt%から45wt%の範囲が最適であることが判った。
【0062】
(実施例97から100比較例86から97)
融点が95℃のポリアミド樹脂を40wt%、融点が100℃のフェノール樹脂を60wt%の比率になるように、加熱ニーダーを用いて180℃で混合してベースの接着組成物を得た。
次に、前記、ベースの接着組成物に融点が140℃、130℃、120℃、115℃のフェノール樹脂とポリアミド樹脂をそれぞれ0.5wt、1wt%、5wt%、10wt%添加して加熱ニーダーを用いて接着組成物を得た。
【0063】
接着温度を150℃に設定して、前記の接着組成物を用いてシチズン製機械式時計#82のアンクルと爪石との固定と、ひげゼンマイとひげ持ちとの固定とを行った。
【0064】
この結果、融点が130℃、120℃のフェノール樹脂を1wt%、5wt%添加した物は、いずれの場合も10秒以内で樹脂が不要な部分に流れ出すことなく、接着強度25g以上で良好に接着が出来た。また、この時計を40℃で相対湿度95%の環境下で1000時間放置する耐湿試験を実施したところいずれの場合も接着強度および外観に変化はなく良好に動作した。更に接着部位をピンセットでつついたところ添加量が0.5wt%の物よりも傷つきにくく良好な結果を得た。(実施例97から100)
【0065】
融点が140℃のフェノール樹脂を加えた物はいずれの場合も接着時間がのび使用には耐えない。融点が115℃のフェノール樹脂を加えた物と、添加量が0.5wt%の場合はいずれの場合も、いずれも傷つきにくくならなかったので添加効果はなかった。フェノール樹脂を10wt%加えた場合は、溶解までに時間が10秒以上を要し、使用には耐えなかった。(比較例86から97)
【0066】
以上の結果から、第3の樹脂として融点がS−20℃以下S−30℃以上のフェノール樹脂を1wt%から5wt%の範囲で添加することにより、樹脂が硬くなり品質が向上することが判った。
【0067】
(実施例101から125)
接着温度が150℃において、融点が91℃、93℃、95℃、96℃、97℃のフェノール樹脂をそれぞれ60wt%と、融点が97℃、98℃、100℃、102℃、103℃のポリアミド樹脂をそれぞれ40wt%含有する接着組成物を作成し、シチズン製機械式時計#82のアンクルと爪石との固定と、ひげゼンマイとひげ持ちとの固定とを行った。
この結果、いずれの場合も良好に接着できたが、特に融点が93℃から96℃のフェノール樹脂と、融点が98℃から102℃のポリアミド樹脂を混合した接着組成物を使用したときが、接着強度も高く、接着時の流れ性も良く最適であった。
【0068】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、接着組成物に、接着温度と関係する融点をもつ2種類ないし3種類の樹脂を用いたので、加熱して接着を行う工程で、接着時間が短くまた、接着中に接着部位から流れ出なく、接着強度(固定力)に優れ、安定供給できる接着組成物を提供することが出来た。また、製造中の臭気もなくなった。

Claims (4)

  1. 少なくとも、融点(Tが下記の条件を満たす第1、第2の樹脂からなり、第1の樹脂がフェノール樹脂であり、第2の樹脂がポリアミド樹脂であり、ポリアミド樹脂の含有量が35wt%以上55wt%以下であることを特徴とする時計用接着組成物。
    第1の樹脂 97℃>=T1(第1の樹脂の融点)>=75
    第2の樹脂 110℃>=T2(第2の樹脂の融点)>97
  2. 更に、融点(T)が下記の条件を満たす第3の樹脂(フェノール樹脂)を1wt%以上5wt%以下で添加してなることを特徴とする請求項1に記載の時計用接着組成物。
    第3の樹脂 130℃>=T3(第3の樹脂の融点)>=120
  3. 第1の樹脂の融点が93℃以上96℃以下で、第2の樹脂の融点が98℃以上102℃以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の時計用接着組成物。
  4. 請求項1から請求項のいずれかに記載の時計用接着剤を時計部品の固定に用いたことを特徴とする時計。
JP2002237401A 2002-08-16 2002-08-16 時計用接着組成物、およびこれを用いた時計 Expired - Fee Related JP4409812B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002237401A JP4409812B2 (ja) 2002-08-16 2002-08-16 時計用接着組成物、およびこれを用いた時計

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002237401A JP4409812B2 (ja) 2002-08-16 2002-08-16 時計用接着組成物、およびこれを用いた時計

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004075832A JP2004075832A (ja) 2004-03-11
JP4409812B2 true JP4409812B2 (ja) 2010-02-03

Family

ID=32021165

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002237401A Expired - Fee Related JP4409812B2 (ja) 2002-08-16 2002-08-16 時計用接着組成物、およびこれを用いた時計

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4409812B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CH705420B1 (fr) * 2010-06-22 2017-03-15 Swatch Group Res & Dev Ltd Assemblage de pièce en matériau fragile.

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004075832A (ja) 2004-03-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101045262B1 (ko) 스텔스 다이싱용 반도체용 접착 조성물 및 이를 이용한 접착 필름
JP4409812B2 (ja) 時計用接着組成物、およびこれを用いた時計
US20030215981A1 (en) Solder compositions for attaching a die to a substrate
CN1771311B (zh) 热活化粘合剂
JP2013112697A (ja) 接着剤組成物、及びそれを用いた積層体、並びに二次電池
JP2017088782A (ja) 積層体および合同体・組み合わせの回収方法・半導体装置の製造方法
JPH01309206A (ja) 回路接続用接着剤組成物
JP2010006929A (ja) 接着剤組成物、接着用シート及びダイシング・ダイアタッチフィルム
JP2010180333A (ja) 接着剤組成物、接着用シート、ダイシング・ダイアタッチフィルム及び半導体装置
JP2017092333A (ja) 積層体および合同体・半導体装置の製造方法
WO1997016500A1 (en) Reactive hot melt composition, composition for preparation of reactive hot melt composition, and film-form hot melt adhesive
JP2001011409A (ja) ホットメルト接着剤組成物
JP2011151125A (ja) ダイシング・ダイアタッチフィルム、半導体装置、及びダイシング・ダイアタッチ方法
JP6579996B2 (ja) シート、テープおよび半導体装置の製造方法
JP4699620B2 (ja) 感光性接着フィルムおよびその用途ならびに半導体装置の製造方法
JP2016210837A (ja) 裏面保護フィルム、フィルム、半導体装置の製造方法および保護チップの製造方法
JP5057679B2 (ja) ホットメルト組成物
JP2005162998A (ja) 金型内接着用接着剤
JPH11513533A (ja) 半晶質の共重合体接着剤を使用した電子アセンブリ
JP2018081953A (ja) シート、テープおよび半導体装置の製造方法
JPH11189719A (ja) 電子部品封止用樹脂組成物およびその製造方法、ならびにこの電子部品封止用樹脂組成物を用いた封止電子部品
JPS63245484A (ja) 接着剤組成物
JPH08508526A (ja) 電子用途のための再使用可能ポリ(エチレン−ビニルアルコール)接着剤
JPH03242229A (ja) 中空糸膜モジュールの補修方法
JP2001262108A (ja) ホットメルト接着剤組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050615

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090727

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090811

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091008

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20091008

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091104

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091112

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4409812

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121120

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141120

Year of fee payment: 5

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees