JP4409207B2 - 変速機制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車の自動変速装置に利用する。本発明は自動変速装置によるシフトダウン制御の改良に関する。本発明は、運転者が操作するブレーキ・ペダルの踏み込み量を入力情報の一つとして取り込み、ブレーキ・ペダルが踏まれたときに、これを運転者が車両の減速を指示する情報であるとして利用し、自動変速装置のシフトダウン制御を実行する制御論理に関する。
【0002】
ここで「自動変速装置」とは、運転者による直接的な変速機の転換操作がなくとも、エンジン回転に関する情報およびアクセル開度に関する情報を入力情報として、演算制御により段階的に設定された変速ギヤの組み合わせを選択制御する装置をいう。この「自動変速装置」には、入力情報にしたがって変速ギヤの選択を自動的に実行する変速装置であって、操作により変速ギヤを選択するための変速レバーが装備され、あるいは操作によりクラッチを開閉するためのクラッチ・ペダルが装備され、運転者がこれらを操作することにより、制御装置により自動的に実行される制御に割り込み、操作による変速操作を行うことができるように構成された、いわゆる半自動形の変速装置をもその範疇に含む。
【0003】
【従来の技術】
貨物自動車あるいはバスなどの商用車にも、自動変速装置が広く利用されるようになった。商用車では、貨物の積載状態あるいは乗客の搭乗者数などにより車両重量が大きく変動するので、あらゆる条件で自動的な変速動作が運転者を満足させるように設計することは実質的に困難である。とくに商用車の運転者は運転を職業として運転操作に熟練している者が多く、すべての変速動作を自動変速装置の制御に頼るのではなく、自らの意志により変速ギヤを選択し、あるいはクラッチ・ペダルを操作することにより、こまかい運転操作をすることができる装置が好まれる。このため、変速動作に伴いクラッチが油圧制御により自動的に接断されるように構成されている装置でも、クラッチ・ペダルを設けて、自動的な制御に割り込み制御を行うことにより、運転者の操作によりクラッチを切り、あるいは半クラッチ状態に制御することができるように構成された装置が広く普及することになった。
【0004】
このような装置では、その多くが変速レバーは、N(ニュートラル)、D(ドライブ)、R(リバース)のレンジが設けられ、この他にUPおよびDOWNの指示操作ができるようになっている。変速レバーのシフト状態の一例は、後から説明する本発明実施例装置の参照図面である図1の左端に示されている。すなわち変速レバーがD(ドライブ)位置に操作設定されているときには、変速制御装置の自動的な制御により、その時点のエンジン回転およびアクセル・ペダルの開度の情報から最適なギヤ比が選択設定される。
【0005】
このような変速制御装置を備えた車両では、定常的な走行状態では、変速レバーをD(ドライブ)位置に設定し、変速ギヤの選択は自動的に実行される。すなわち車速およびエンジン負荷の状態に応じて、演算により適正な変速ギヤを選択設定して走行する。このとき多くの制御装置ではその制御論理が、その時点のアクセル開度に対応して、エンジンの燃料効率が最も良くなるように選択される。このとき、アクセル・ペダルが解放され、ブレーキ・ペダルが踏まれると、車速が低下することによりエンジン回転速度が低下し、変速ギヤの変更が行われる場合がある。しかしこれはブレーキ・ペダルの操作を直接に変速ギヤの変更要因とするものではない。
【0006】
また従来例装置ではABS(アンチロック・ブレーキ・システム)が装備されている車両では、ABSの作動中は、変速ギヤの変更を一時的に禁止する装置が知られている。これはABSが作動するような急制動の状態にあるときには、車軸はエンジン回転軸に連結しておくことが安全であるからである。このような一時的な禁止制御は、自動変速装置のギヤ選択制御の論理とは原則的に無関係である。
【0007】
近年販売されている車両には、自動変速装置にマニュアルモードを設け、これを操作により転換することができるように構成されたものがある。これは変速レバーにH(ホールド)位置を設けたものである。変速レバーをH(ホールド)位置に設定すると、その時点から以降マニュアルモードが解除されるまで、変速ギヤの選択は自動的な選択動作が禁止されて、運転者による変速レバーのUPまたはDOWNの操作指示にしたがうことになる。すなわち運転者がクラッチ・ペダルを踏むことなく、変速レバーをUP位置またはDOWN位置に操作すると、変速制御装置は自動的にエンジンに対する燃料供給量を下げ、クラッチを切り、変速ギヤを変速レバーの指示にしたがってシフトアップまたはシフトダウンして、変速ギヤが転換されたら自動的にクラッチをつなぐ動作が実行される。この変速動作が実行されている期間にわたり、アクセル・ペダルの踏み込み量に変化がなくとも、制御装置は、エンジンに対する燃料供給量をクラッチの接断にあわせて適正に調節するように制御を実行する。さらに、運転者が変速レバーをDOWN位置に短い間隔で2回操作すると、クラッチが切れている間に変速ギヤは2段シフトダウンされる。このような操作も可能である。
【0008】
このようなマニュアルモードは、実際に路上走行時においては、シフトダウンを行うときに有用である。すなわち車両を定常的に加速させる状態では、自動モードにしておけば、運転者がアクセル・ペダルを踏むことにより自動的にかつ合理的に変速ギヤが選択される。しかしシフトダウンによりエンジン・ブレーキを有効化する制御は、かならずしも自動的に適正に実行されるとは限らない。上記のように運転者による選択制御を可能にすることにより、とくに車速の減速時の変速ギヤの自動的な制御を補完していることになる。
【0009】
自動変速装置の入力情報にブレーキ・ペダルの踏み込み量を利用するものとして、特許文献1に開示されたものがある。この特許文献1には、その図5、図9および関連する説明に、運転者によるブレーキ・ペダルの踏み角を制御関数として速度制御に利用する旨の記載がある。
【0010】
【特許文献1】
特開平5−77662号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来例装置では、自動変速装置を制御するために運転者が与える入力情報として、原則的にアクセル・ペダルの踏み込み量を利用している。車両を加速させるときの入力情報としてはこれでよいが、車両を減速させるときの情報としてはこれのみでは必ずしも十分でない。運転者によるブレーキ・ペダルの操作情報は、運転者が車両を減速させようとしていることの情報であり、本願発明者はこれを積極的に自動変速装置の制御に利用することができないかを検討した。
【0012】
しかし自動変速装置が第n段のギヤを選択している状態で、ブレーキが踏まれたとすると、これを運転者による減速意思としてただちに第n−1段にシフトダウンしてよいということにはならない。たとえば運転者が車両を急停車させようとしているときに、自動的にいったんクラッチを切り変速機を変更する制御は合理的でない。
【0013】
本発明は、たんに車速(あるいはエンジン回転速度)とアクセル・ペダルの踏み込み量にしたがって、変速ギヤを選択するのではなく、運転者によるブレーキ・ペダルの操作情報を入力として、これを適正にシフトダウンの情報として利用する自動変速装置を提供することを目的とする。本発明は、シフトダウン制御を合理的に行うことができる自動変速装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ブレーキの操作情報を自動変速装置の入力情報として制御に利用するために、エンジン回転速度(ω)に対するブレーキ・ペダルの踏み込み量(β)をシフトダウンを実行するための制御マップとして利用するところに最大の特徴がある。
【0015】
すなわち本発明は、エンジン回転速度およびアクセル開度を含む情報を入力情報として変速ギヤを選択制御する変速機制御装置において、ブレーキ・ペダル踏み込み量を前記入力情報の一つとして取り込み、エンジン回転速度(ω)に対するブレーキ・ペダル踏み込み量(β)のマップを参照してシフトダウンを実行する制御論理を備えたことを特徴とする。
【0016】
前記制御論理は、アクセル・ペダルが解放されている状態で有効になるように設定することができる。また前記制御論理は、変速機レバー位置がD位置にあるときに有効になるように設定することができる。
【0017】
前記マップは、エンジン回転速度(ω)およびブレーキ・ペダル踏み込み量(β)を二次元入力情報とし、この二次元座標(ω、β)上に二つの変速ギヤの限界曲線が設定され、前記二次元入力情報が前記座標上で前記限界曲線をエンジン回転速度(ω)が大きい状態から小さい状態に越えるとき変速機をシフトダウン制御する二次元マップとすることが望ましい。
【0018】
そして前記マップの一例は、横軸にエンジン回転速度(ω)をとり、縦軸にブレーキ・ペダル踏み込み量(β)をとるとき、前記限界曲線は、点A(ω1 ,β1 )、点B(ω2 ,β2 )、点C(ω3 ,β3 )を通る曲線とすることができる。
ただし、ω1 は走行可能なエンジンの最低回転速度
ω2 はエンジンの中程度の回転速度
ω3 はエンジンのアイドリング回転速度
β1 はブレーキ・ペダルが実質的に踏み込まれていない踏み込み量
(β1 ≒0)
β2 はブレーキ・ペダルの中程度の踏み込み量
β3 はブレーキ・ペダルのほぼ最大踏み込み量
とする。図2を参照して後から詳しく説明する。
【0019】
本発明の装置も基本的に従来装置と同様に、変速機制御装置の変速ギヤを選択制御するための論理として、エンジン回転速度(ω rpm)に対してアクセル開度(α%)をとるマップ上に、シフトダウンを実行するための曲線を描いたマップが利用されている。入力情報にしたがって、エンジン回転速度に対してアクセル開度が大きくなりその曲線を越えたときに、シフトダウンの制御が実行される(一例として図3参照)。この制御論理は、アクセル・ペダルが解放されている領域では実質的に利用できない。本発明の装置は、このときブレーキ・ペダルが踏まれると、エンジン回転速度(または車速)(ω rpm)に対してブレーキ・ペダル踏み込み量(β%)をとるマップを制御論理として設定し、これを利用してシフトダウン制御を実行する。
【0020】
【発明の実施の形態】
はじめに図1を参照して、本発明を実施した自動変速装置の概要を説明する。この例は上記説明における半自動形の変速装置に係るものである。
【0021】
エンジン1の回転出力は、クラッチ2を介して変速装置3に伝達され、さらにプロペラ軸4から図外の車軸に伝達される。エンジン1の燃料噴射ポンプ5は、プログラム制御回路により構成されたエンジンECU6により制御される。この装置のクラッチ2はいわゆる機械式クラッチであり、その接断動作はクラッチ・アクチュエータ37により制御される。変速装置3はこの例では前進7段後退1段の機械式であり、シフト・ユニット7によりX−Y方向に制御される。このクラッチ・アクチュエータ37およびシフト・ユニット7は、エア・タンク8から供給される空気圧により制御される。クラッチ・アクチュエータ37に供給される空気圧は、クラッチ制御弁9により制御される。シフト・ユニット7には内部にX方向(シフト)およびY方向(セレクト)の制御弁が内蔵され、これらの制御弁を介してシフト・シリンダおよびセレクト・シリンダにそれぞれ空気圧が供給される。クラッチ制御弁9およびシフト・ユニット7に内蔵される制御弁は、プログラム制御回路により構成された変速機制御装置10により電気的に制御される。本発明はこの変速機制御装置10に実施されるものであり、その変速機制御装置10の制御論理を追加することにより実施される。
【0022】
クラッチ2は上記クラッチ・アクチュエータ37により制御されるほかに、クラッチ・ペダル11により駆動される油圧ポンプ12により、油圧系13を介して直接機械的に制御できるように構成されている。すなわち、このクラッチ2は接続状態にあるときに、運転席のクラッチ・ペダル11を踏むことにより、運転者が半クラッチを含む接断制御を行うことができる。このクラッチ・ペダル11によるクラッチ制御を利用して、運転者は車両が停止状態から発進するときに、自動クラッチの制御に頼らずに自らのクラッチ操作による制御を行うことができる。クラッチ・ペダル11によるクラッチ切断の動作は、変速機制御装置10によるクラッチ制御に優先する。一般にこのクラッチ・ペダル11によるクラッチ操作は発進時のみ、すなわち車速が零の状態から車両を発進させるときにのみ利用されることが多い。上で説明したように、この種の商用大型車両の運転者は一般に職業的な運転者であり、発進時にクラッチの接続状態を自らの左足で制御することをわずらわしいと感じることがない。むしろ発進時のローギヤにおける微妙なクラッチ制御を自ら所望のように行い、円滑な発進ができることからこの装置は運転者に好評である。そして、発進時に運転者の左足によりクラッチ制御を行うことにより、燃料消費量を節約し排気ガスの量を低減することができる。
【0023】
図1に示す構成の説明に戻って、クラッチ・ペダル11の操作に連動して、クラッチ・ペダル11が解放状態にあることを検出するクラッチ・スイッチ14、およびクラッチ・ペダル11が踏み込まれたことを検出するクラッチ・スイッチ15が設けられ、これらの検出出力は変速機制御装置10に取り込まれる。アクセル・ペダル16にはアクセル位置センサ17が設けられ、その出力はエンジンECU6に取り込まれる。
【0024】
運転席に設けられた変速レバー18の状態は変速機制御装置10に取り込まれる。この変速レバー18は、引き出し線により図1の左端に示すように、Nレンジ(ニュートラル位置)、Dレンジ(ドライブ位置)、Hレンジ(ホールド位置)およびRレンジ(後退位置)の四つの位置に設定することができる。ここでHレンジは、変速機制御装置10のシフト制御を運転者の操作により一時的に禁止するものであり、上で説明したマニュアルモードを設定するための操作位置である。
【0025】
この変速レバー18は、発進時にDレンジに設定すると、発進後のギヤ選択設定はすべて変速機制御装置10の制御により自動的に実行される。たとえば、変速レバー18をDレンジにシフトして車両を発進させると、車速零のときに2速が選択設定され、車両の発進後はその加速状態にしたがって、変速ギヤが自動的にシフトアップされてゆく。変速ギヤが転換されるつど、クラッチ2は変速機制御装置10の制御により切断および接続が繰り返されるとともに、それに同期してエンジン1に供給される燃料流量が加減される。
【0026】
さらに、この変速レバー18がH(ホールド)レンジにあるときに、レバーを上または下に操作することにより、運転者は自動的なギヤ選択に対して、例外的なシフトアップまたはシフトダウンを指示することができる。この操作は、シフトアップあるいはシフトダウンに2回振ることにより、それぞれ2段シフトアップあるいはシフトダウンをすることができる。このときにも、クラッチ3は自動的に切断され、ギヤシフトが実行されて、クラッチ3が自動的に接続されるように制御されるし、燃料流量も自動的に加減される。
【0027】
車速情報はプロペラ軸4の回転を検出する車速センサ35から変速機制御装置10に取り込まれる。変速装置3の状態を検出するために、変速装置3にはカウンタシャフト回転センサ36が設けられ、この出力情報は変速機制御装置10に取り込まれる。変速機制御装置10は、エンジンECU6と通信バス34により接続されている。そしてエンジンECU6は同じく通信バス34を介して、モニタ・インターフェース20および運転席に配置された表示器21に接続されている。
【0028】
本発明実施例装置は、ブレーキ・ペダル22の踏み込み量情報を取込むところにその特徴がある。ブレーキ・ペダル22のストロークに連動するストローク・センサ23の検出出力は、変速機制御装置10に接続されている。ブレーキ・ペダル22に連動するブレーキ圧力シリンダ24の空気圧系は、よく知られているようにブレーキ制御系に接続される。ブレーキ制御系の構成については、よく知られている技術であり、本発明には直接に関係がないので、この図面に記載することを省略するとともにその説明も省略する。実用的には、ブレーキ・ペダル22の踏み込み量情報は、図外のブレーキ制御回路(ブレーキECU)から通信バスにより取得することが便利である。
【0029】
変速機制御装置10には、エア・タンク8の圧力センサ25の状態情報が取り込まれる。これはエア・タンク8の空気圧が低下したときに、非常バルブ26に制御信号を送出して、非常用空気圧27を利用するように構成したものであり、自動変速装置の信頼性を向上させたものである。このほかに、変速機制御装置10には、PTO(Power Take Off)装置の状態情報28、リターダ装置の状態情報29、ブレーキ制御系の状態情報30、排気ブレーキ制御系の状態情報31、ブレーキ圧力情報33などが取り込まれる。
【0030】
変速機制御装置10には運転席に配置された操作スイッチ38が接続され、変速機制御装置10には運転席に配置された警報ブザー39が接続される。変速機制御装置10には運転席に配置された非常操作端40の操作入力が取り込まれる。これらの操作スイッチ38、警報ブザー39、および非常操作端40は変速機制御装置10の動作が異常状態になったときに利用されるものである。これらは車両の路上故障を防止するために重要な要素であるが、これらの構成および作用についても本発明に直接関係がないので、ここではさらに詳しい説明を省略する。
【0031】
変速機制御装置10にはエンジンECU6からエンジン負荷率の情報が取り込まれる。エンジン負荷率は、エンジンのそのときの回転速度により出力可能な最大エンジン出力トルクに対するそのときのエンジン出力トルクの比として定義される。この演算はエンジンECU6で行われ、通信バス34を介して変速機制御装置10にも取り込まれ、変速ギヤの選択制御のための補助的な情報として利用される。
【0032】
ここで、変速機制御装置10の変速制御について説明すると、変速機制御装置10には、入力するエンジン回転速度(ω)の情報およびアクセル・ペダル16の位置センサ17の出力に現れるアクセル開度(α)の情報にしたがって、最適なギヤを選択するソフトウェアが設定されている。定常走行状態にあるとき、アクセル・ペダル16が大きく踏み込まれると、自動的にシフトダウンギヤを選択し設定する。図3にその制御マップの一例を示す。この制御マップは5速から4速へのシフトダウン制御を行うものであるが、1速からトップギヤまで(この例では第7速まで)、各ギヤのシフトアップまたはシフトダウンを制御するための制御マップが、変速機制御装置10にソフトウエアとして設定されている。
【0033】
本発明の特徴とするところは、図2に例示するようにエンジン回転速度(ω)に対するブレーキ・ペダルの踏み込み量(β)について、シフトダウンを制御するための制御マップを備えたところにある。シフト・レバーがDレンジにあり、アクセル・ペダルが解放されアクセル開度が実質的に零になったときに、この制御マップを利用してシフトダウンが実行される。
【0034】
図2に示す制御マップは、横軸にエンジン回転速度(ω)をとり、縦軸にブレーキ・ペダル踏み込み量(β)をとるとき、この座標軸上で、点A(ω1 ,β1 )、点B(ω2 ,β2 )、点C(ω3 ,β3 )を通過する曲線が描かれている。ここで、ω1 は走行可能なエンジンの最低回転速度、ω2 は中速程度のエンジン回転速度である。ω3 はエンジンのアイドリング回転速度となる。その性質から、
0<ω3 <ω1 <ω2
となる。β1 は零またはブレーキ・ペダルの踏み込み量のきわめて小さい値であり、β2 はブレーキ・ペダルの踏み込み量の中程度の値であり、β3 はブレーキ・ペダルがほとんど最大に踏み込まれた値である。すなわち、
0<β1 <β2 <β3
となる。エンジン回転速度とブレーキ・踏み込み量の関係が、この点A,B,Cを通る曲線の右側から左側に移動したときに、n速からn−1速へ変速機のシフトダウンが実行される。
【0035】
いま図2において、動作点P1 にあり変速機がn速に設定された状態で走行中に、緩やかにブレーキ・ペダルが踏まれて、車速が低下し、これに伴いエンジン回転速度が低下したものとする。このとき動作点がP1 からP2 に移動する。これは動作点が点A,B,Cを通る曲線を右から左へ通過したことであり、変速機はn速からn−1速へシフトダウンが実行される。
【0036】
また動作点P1 で走行中にブレーキ・ペダルが強く踏まれて、その動作点がP1 からP3 に移動したとする。このときには、二つの動作点P1 およびP2 を結ぶ線は、ほぼ垂直な直線になる。すなわちブレーキの効果により車速が低下する前に、曲線A−Bさらに同B−Cを横切ることになる。この場合にはシフト・ダウンは実行されない。運転者の意思は急ブレーキにより車両を急停車させようとするものであり、変速機のシフト・ダウンは実行しないことが合理的である。一般に変速機のシフト・ダウンには2分の1秒前後の動作時間がかかるものである。このマップ上でブレーキペダルの動きが早い場合は、動作点が曲線を越えたときにただちにシフトダウンを起動するのではなく、n速を保持する。つまり、ブレーキペダルの変化量(%/sec)が、規定値以下、規定値以上の場合は変速マップを無視するように構成することがよい。
【0037】
さらにこの動作点がP3 にある状態からさらに時間が経過して、車速が低下するに伴いエンジン回転速度が低下して動作点がP4 に達したものとする。すなわち、ブレーキ・ペダルが踏まれたまま車速が低下した状態である。そして車速がきわめて小さくなったときに、ブレーキ・ペダルが緩められたものとする。すなわちこの制御マップ上でその動作点がP4 からP5 に移動したときに、n速からn−1速へ変速機のシフトダウンが実行される。
【0038】
このように図2に例示する制御マップを利用して、運転者の意思にしたがうシフトダウン制御を行うことができる。このような制御マップをn速からn−1速へのシフトダウン、n−1速からn−2速へのシフトダウン、n−2速からn−3速へのシフトダウン等々について装備しておくことにより、自動変速装置の合理的なシフトダウン制御を実行することができる。
【0039】
図4に本発明実施例装置の制御に係る要部フローチャートを示す。すなわちシフトレバーがD位置にあり、アクセル・ペダルが解放され、ブレーキ・ペダルが踏まれると、その時点で選択されているギヤ比にしたがって、図2で説明した制御マップが設定され、シフトダウンが判定される。制御マップの上からこれがシフトダウン位置であるなら、その時点でシフトダウンが実行される。
【0040】
【発明の効果】
本発明により、運転者によるブレーキ・ペダルの操作情報を入力として、これを適正にシフトダウンの情報として利用することができる。本発明により、シフトダウン制御を合理的に行うことができる自動変速装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例装置のブロック構成図。
【図2】本発明実施例装置の制御マップ例。
【図3】アクセル・ペダルが踏まれている場合の制御マップ例。
【図4】本発明実施例装置の要部制御フローチャート。
【符号の説明】
1 エンジン
2 クラッチ
3 変速装置
4 プロペラ軸
5 燃料噴射ポンプ
6 エンジンECU
7 シフト・ユニット
8 エア・タンク
9 クラッチ制御弁
10 変速機制御装置
11 クラッチ・ペダル
12 油圧ポンプ
13 油圧系
14 クラッチ・スイッチ(上端)
15 クラッチ・スイッチ(下端)
16 アクセル・ペダル
17 アクセル位置センサ
18 変速レバー
19 ウインカ・スイッチ
20 モニタ・インターフェース
21 表示器
22 ブレーキ・ペダル
23 ストローク・センサ
24 ブレーキ圧力シリンダ
25 圧力センサ
26 非常バルブ
27 非常用空気圧
28 PTO装置情報
29 リターダ情報
30 アンチロック・ブレーキ装置の制御情報
31 排気ブレーキ制御系情報
32 ブレーキ状態情報
33 ブレーキ圧力情報
34 通信バス
35 車速センサ
36 カウンタシャフト回転センサ
37 クラッチ・アクチュエータ
38 操作スイッチ
39 警報ブザー
40 非常操作端

Claims (1)

  1. エンジン回転速度およびアクセル開度を含む情報を入力情報として変速ギヤを選択制御する変速機制御装置において、
    ブレーキ・ペダル踏み込み量を前記入力情報の一つとして取り込み、エンジン回転速度に対するブレーキ・ペダル踏み込み量のマップを参照してシフトダウンを実行する制御論理を備え
    前記マップは、エンジン回転速度(ω)およびブレーキ・ペダル踏み込み量(β)を二次元入力情報とし、この二次元座標(ω、β)上に二つの変速ギヤの限界曲線が設定され、前記二次元入力情報が前記座標上で前記限界曲線をエンジン回転速度(ω)が大きい状態から小さい状態に越えるとき変速機をシフトダウン制御する二次元マップであり、
    前記二次元マップの前記限界曲線は、点A(ω ,β )、点B(ω ,β )、点C(ω ,β )を通る曲線である
    ことを特徴とする変速機制御装置。
    ただし、ω は走行可能なエンジンの最低回転速度
    ω はエンジンの中程度の回転速度
    ω はエンジンのアイドリング回転速度
    β はブレーキ・ペダルが実質的に踏み込まれていない踏み込み量
    (β ≒0)
    β はブレーキ・ペダルの中程度の踏み込み量
    β はブレーキ・ペダルのほぼ最大踏み込み量
    とする。
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