JP4407383B2 - ポリプロピレン系積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、合成紙用途に使用されるポリプロピレン系積層体に関する。詳しくは結晶性ポリプロピレン樹脂を主成分とする、隠蔽性に優れたポリプロピレン系積層体に関する。
不透明で隠蔽性のあるポリプロピレン樹脂のフィルムやシートは強度が強く破れ難いとか、水に濡れても破れないといった利点を利用して、印刷を施して、屋外ポスター、洗剤等のボトルのラベル、冷凍食品用のラベルやステッカーといった用途に使用される。これらの用途では、紙の代替に使用されることが多く、紙が持っているような不透明性を付与する必要がある。一般に熱可塑性樹脂を用いたフィルムやシートはそのままでは透明であるため、白色顔料を配合する方法や、樹脂中にボイドを発現させる方法によって不透明性を付与する方法がとられている(例えば、特許文献1及び2参照)。
しかし、上記のような方法で得られた不透明なフィルムやシートは通常の紙のような不透明性は付与されているものの、両面印刷を施して窓に貼ると裏の図柄が透けてしまうといった問題点や、柄のある壁に貼ると壁の柄が透けてしまい、印刷効果を損なうといった問題点があり、用途によっては不透明性が完全ではなかった。
このような裏写りを防止するために、フィルムの厚さを厚くするといった方法もとられるが、コスト的に不利になるといった問題点や、曲面に貼るとはがれやすくなってしまうといった問題点があった。
特公昭63−24632号公報 特公昭63−117043号公報
本発明は、両面に印刷しても裏写りがすることなく、また、柄のある壁等に貼っても柄が透けることなく、良好な印刷効果が得られるポリプロピレン系積層体を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、それぞれ結晶性ポリプロピレン樹脂を主成分とする組成物からなり、80%以上の不透明度を有する表層(A)及び表層(C)が、隠蔽層(B)を介して(A)、(B)、(C)の順に貼り合せられた、少なくとも3層からなり、不透明度が99%以上であり、かつ少なくとも片面の白色度が70%以上であるポリプロピレン系積層体により課題が解決されることを見出し、その知見に基づいて本発明を完成した。
本発明は以下の構成を有する。
(1)それぞれ結晶性ポリプロピレン樹脂を主成分とする組成物からなり、80%以上の不透明度を有する表層(A)及び表層(C)が、隠蔽層(B)を介して(A)、(B)、(C)の順に貼り合せられた、少なくとも3層からなり、不透明度が99%以上であり、かつ少なくとも片面の白色度が70%以上であるポリプロピレン系積層体。
(2)表層(A)及び表層(C)の少なくとも一方が、結晶性ポリプロピレン樹脂に、軟化点(環球法)160℃〜200℃のジシクロペンタジエン系石油樹脂及び/または無機充填剤粉末が4〜70重量%配合された組成物を、面積倍率5倍以上に延伸して得られた空洞含有単層延伸フィルムである前記(1)項記載のポリプロピレン系積層体。
(3)表層(A)及び表層(C)の少なくとも一方が、結晶性ポリプロピレン樹脂に、軟化点(環球法)160℃〜200℃のジシクロペンタジエン系石油樹脂及び/または無機充填剤粉末が4〜70重量%配合された組成物からなる基層フィルムの少なくとも一方の面に、結晶性ポリプロピレン樹脂の組成物からなるスキン層フィルムを積層した後、面積倍率5倍以上に延伸して得られた空洞含有積層延伸フィルムであることを特徴とする前記(1)項記載のポリプロピレン系積層体。
(4)隠蔽層(B)が、黒、濃色の青、濃色の緑、及び濃色の茶色から選ばれた少なくとも1色のグラビアインクのベタ印刷によって形成された前記(1)〜(3)項のいずれか1項記載のポリプロピレン系積層体。
本発明のポリプロピレン系積層体は隠蔽性に優れ、両面印刷した場合や印刷したものを窓等に貼った場合にも裏写りすることがなく、ポスター、ステッカー、粘着ラベルといった用途に好適に使用できる。
以下に、本発明を詳しく説明する。
本発明のポリプロピレン系積層体を構成する表層(A)及び表層(C)は、それぞれ結晶性ポリプロピレン樹脂を主成分とする組成物からなり、不透明度(JIS P 8149に従って測定)が80%以上、好ましくは85%以上である。該不透明度が80%以上であることによって、本発明のポリプロピレン系積層体は、99%以上の不透明度、及び70%以上の白色度(JIS P 8123に従って測定)が達成されやすくなり、隠蔽性に優れ、両面印刷した場合や印刷したものを窓等に貼った場合の裏写りも解消されやすくなる。
尚、本発明において主成分とは、最も多い成分をいう。
本発明において、表層(A)及び表層(C)の少なくとも一方は、結晶性ポリプロピレン樹脂に、軟化点(環球法)160℃〜200℃のジシクロペンタジエン系石油樹脂及び無機充填剤粉末の少なくとも一方が合計量で4〜70重量%、好ましくは両方が合計量で10〜70重量%配合された組成物から得られた単層未延伸フィルムシートを、面積倍率5倍以上に延伸して得られた空洞(微細なボイド)含有単層延伸フィルムであることが好ましい。ジシクロペンタジエン系石油樹脂及び/または無機充填剤粉末の配合量が、上記の範囲であれば、得られる空洞含有単層延伸フィルムまたは空洞含有積層延伸フィルムは、未延伸フィルムシートを延伸する時に破断が頻繁に発生し加工安定性に劣るといった問題点もなく、表層(A)及び表層(C)に適した高い不透明度を有する。
本発明において、表層(A)及び表層(C)の少なくとも一方は、結晶性ポリプロピレン樹脂に、ジシクロペンタジエン系石油樹脂及び無機充填剤粉末の少なくとも一方が合計量で4〜70重量%、好ましくは両方が合計量で10〜70重量%配合された組成物から得られた単層未延伸フィルムシートを基層としその少なくとも片面に結晶性ポリプロピレン系樹脂の組成物からなるスキン層フィルムを積層した積層未延伸フィルムシートを、面積倍率5倍以上に延伸して得られる空洞(微細なボイド)含有積層延伸フィルムであることが好ましい。ジシクロペンタジエン系石油樹脂及び/または無機充填剤粉末の配合量が、上記の範囲であれば、得られる空洞含有積層延伸フィルムは、未延伸フィルムシートを延伸する時に破断が頻繁に発生し加工安定性に劣るといった問題点もなく、表層(A)及び表層(C)に適した高い不透明度と優れた表面平滑性を有する。
本発明において、表層(A)、表層(C)及びスキン層用の組成物に用いられる結晶性ポリプロピレン樹脂は、プロピレンの結晶性単独重合体、プロピレンとエチレンもしくは炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれる1種以上との二元以上の共重合体、またはそれらの混合物である。具体的には、沸騰n−ヘプタン不溶部を70重量%以上、好ましくは80重量%以上含有する結晶性ポリプロピレン、プロピレン成分を70重量%以上含有する結晶性エチレン−プロピレン共重合体、結晶性プロピレン−1−ブテン共重合体、結晶性プロピレン−1−ヘキセン共重合体、結晶性エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体等の結晶融点を有するプロピレン系共重合体が挙げられる。
尚、表層(A)、表層(C)及びスキン層に用いられる結晶性ポリプロピレン樹脂は、同一でも別々でもよい。
前記の結晶性ポリプロピレン樹脂のメルトマスフローレイト(JIS K 7210「プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」(試験温度230℃、公称荷重2.16kg)により測定、以下MFRという)は、0.5〜20g/10分が好ましく、0.5〜10g/10分がより好ましい。MFRが上記の範囲であれば、表層(A)、表層(C)、スキン層、及びポリプロピレン系積層体の形成が容易である。
前記の空洞含有単層延伸フィルムまたは空洞含有積層延伸フィルムに用いられるジシクロペンタジエン系石油樹脂は、軟化点(環球法)が160〜200℃であることが好ましい。
前記ジシクロペンタジエン系石油樹脂の軟化点(環球法)が上記の範囲であれば、結晶性ポリプロピレン樹脂への分散が良く、未延伸フィルムシートの延伸によって均一な空洞含有単層延伸フィルムが得られる。
前記の軟化点(環球法)160〜200℃のジシクロペンタジエン系石油樹脂としては、石油ナフサ等のスチームクラッキング等から得られるシクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、それらのアルキル置換体及びオリゴマー並びにそれらの混合物から選ばれる1種以上(以下、シクロペンタジエン系成分という)を主成分とする留分を重合させて得られる石油樹脂(HR)の中で、シクロペンタジエン系成分を50重量%以上含有し、その軟化点(環球法)が160〜200℃の範囲にある高分子で高軟化点の石油樹脂(HSHR)、並びに前記石油樹脂(HR)の中でシクロペンタジエン系成分を50重量%以上含有するものを、バナジウム、ニッケルもしくはコバルト等の金属またはその酸化物等の触媒を用いて、溶剤の存在下で、温度150〜300℃、水素圧1〜150MPaの条件下で水素化して得られる軟化点(環球法)160〜200℃、ヨウ素価20以下の水素化ジシクロペンタジエン系石油樹脂(HGHR)またはそれらの混合物が挙げられる。
前記の無機充填剤粉末としては、平均粒径が0.01〜20μm、好ましくは0.01〜10μm、更に好ましくは0.1〜5μmの炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン、及びシリカ等が挙げられる。中でも、コスト面からは炭酸カルシウムが有利であり、不透明度を高めるためには酸化チタンが好適である。これらは単独でも2種類以上を併用してもよく、例として炭酸カルシウムと酸化チタンの併用が挙げられる。
前記表層(A)、表層(C)及びスキン層用の組成物には、必要に応じてポリプロピレンに添加することが公知の各種添加剤、例えばフェノール系やチオエーテル系ないし燐系の加工安定剤・酸化防止剤、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド等の潤滑剤、顔料、発泡剤、ポリマー添加剤としてポリエチレン類やエチレン−プロピレンゴム等を本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
前記表層(A)、表層(C)及びスキン層用の組成物は、結晶性ポリプロピレン樹脂及び添加剤を通常のブレンダーまたはミキサーで攪拌混合し調合して得られる。また、更に一般的な押出機を用いて溶融混練してペレットにすることもできる。
表層(A)及び表層(C)の少なくとも一方が空洞含有単層延伸フィルムの場合、結晶性ポリプロピレン樹脂の組成物から未延伸単層フィルムシートを得る方法としては、Tダイ押出成形法やインフレーション押出成形法等の公知の方法が例示できる。また、表層(A)及び表層(C)の少なくとも一方が空洞含有積層延伸フィルムの場合、結晶性ポリプロピレン樹脂の組成物から未延伸の積層フィルムシートを得る方法としては、ダイス内で溶融樹脂が複層化される共押出成形法、押出成形された基層フィルムの上に更にスキン層フィルムを重ねる押出ラミネート成形法等の公知の積層加工方法が用いられる。
前記の未延伸フィルムシートから延伸フィルムを得るための延伸方法並びに延伸条件は格別限定されない。すなわち、一軸延伸でも二軸延伸でもよいが、好ましくは二軸延伸である。また、公知の一軸もしくは二軸延伸機のいずれも使用することができる。
延伸条件は使用する延伸機により異なるが、組成物中の石油樹脂の軟化点以下の温度にし、面積倍率5倍以上に延伸することが好ましい。尚、二軸延伸の場合は、面積倍率9倍以上が好ましい。
また、二軸延伸機の場合、同時延伸方式でも逐次延伸方式でもよい。
本発明のポリプロピレン系積層体は、不透明度が99%以上かつ白色度が70%以上である。不透明度が99%以上であるため、ポリプロピレン系積層体は、隠蔽性に優れ、隠蔽層の色が印刷を施す表面に透けることがなく、両面印刷した場合や印刷したものを窓等に貼った場合にも裏写りすることがない。また、白色度が70%以上であるため、積層体面が灰色がかって印刷効果が損なわれることもない。
本発明のポリプロピレン系積層体において、隠蔽層(B)は表層(A)と表層(C)とに挟まれた層であり、ポリプロピレン系積層体に印刷を施した場合の裏写りを完全に防止する機能を有する。隠蔽層(B)を形成するための方法としては、グラビア印刷、オフセット印刷、またはシルクスクリーン印刷等の方法によるベタ印刷、アルミニウム蒸着、着色フィルムの積層等が挙げられるが、コスト面からグラビア印刷でのベタ印刷が有利である。特に隠蔽性を付与するためには黒、濃色の青、濃色の緑、濃色の茶色等がインク厚さを薄くできるので有利である。
尚、本発明において濃色とは、ポリプロピレン系積層体に99%以上の不透明度を付与できる程度の濃い色であるが、マンセル明度が4以下の色が好ましい。
本発明のポリプロピレン系積層体は、表層(A)及び表層(C)、並びに隠蔽層(B)の少なくとも3層が(A)、(B)、(C)の順に貼り合せられて形成される。例えば、表層(A)の片面にグラビア印刷によって濃色のインクからなる隠蔽層(B)を形成し、更に隠蔽層(B)の上に表層(C)を貼り合わせる方法が例示される。貼り合せる方法としては、ドライラミネート法、押出ラミネート法等が挙げられる。
表層(A)、表層(C)、隠蔽層(B)及びポリプロピレン系積層体の厚さは特に限定されず、ポリプロピレン系積層体の用途に応じて適宜選択されるが、表層(A)と表層(C)はそれぞれ25〜250μm、隠蔽層(B)は0.1〜10μm、ポリプロピレン系積層体は50〜500μmが一般的である。
本発明においては、表層(A)と隠蔽層(B)との接着性、及び表層(C)と隠蔽層(B)との接着性を向上させるために、表層(A)及び表層(C)の隠蔽層(B)と接する面に対してコロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理等の公知の表面処理を行なうことができる。
また、ポリプロピレン系積層体の表面に対して、印刷用インクの接着性を向上させるために、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理等の公知の表面処理やインク受像層の塗工等を行っても良い。
更に、ポリプロピレン系積層体には、必要に応じてラミネート、加飾のためのエンボス等の二次加工を施すことができる。
以下、実施例及び比較例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるべきものではない。尚、以下の実施例及び比較例で用いた評価方法は下記の通りである。
(1)不透明度(JIS P 8138)
デジタルハンター・白色度計((株)東洋精機製作所製)にて不透明度を測定した
(2)白色度(JIS P 8123)
デジタルハンター・白色度計((株)東洋精機製作所製)にて白色度を測定した。
(3)裏写り
片面印刷品の印刷面から蛍光灯をあてて、目視で状態を観察し下記の基準で評価した。
○ :裏面の模様がまったく見えない。
× :裏面の模様が見える。
(実施例1)
[フィルム用組成物作成]
積層フィルムの基層フィルム用組成物として、n−ヘプタン不溶部を96%含有するMFRが2g/10分の結晶性ポリプロピレン粉末に対して、フェノール系酸化防止剤BHT(商品名)を0.2重量%、ステアリン酸カルシウム0.1重量%、軟化点172℃のジシクロペンタジエン系石油樹脂(以下、DCPDという)4重量%、及び炭酸カルシウム(平均粒径1.5μm)4重量%を、ヘンシェルミキサー(商品名)に投入し混合攪拌した後、同方向回転型二軸押出機に供給し240℃で溶融混練してストランドとして押出し、これを冷却カットしてペレット状の基層フィルム用組成物を得た。
積層フィルムのスキン層フィルム用組成物として、MFR1.5g/10分、エチレン濃度が8%でブロック指数が0.8%のプロピレン−エチレンブロック共重合体粉末に、フェノール系酸化防止剤BHT(商品名)を0.2重量%、ステアリン酸カルシウム0.1重量%を、ヘンシェルミキサー(商品名)に投入し攪拌した後、同方向回転型二軸押出機に供給し240℃で溶融混練してストランドとして押出し、これを冷却しカットしてペレット状のスキン層フィルム用組成物を得た。
[空洞含有積層延伸フィルムの作成]
多層Tダイを備えた3種3層フィルム押出装置(押出機は、口径65mmφ中間層用単軸押出機が1台、口径50mmφの表層用単軸押出機が2台)及びテンター法二軸延伸機を用いて、前記の基層フィルム用組成物を中間層用単軸押出機に、前記のスキン層フィルム用組成物を表層用単軸押出機に供給し、Tダイ温度240℃で溶融して共押出を行い、表面温度30℃の鏡面冷却ロールで急冷して、スキン層/基層/スキン層、の順に、厚さ比1:3:1で積層された、合計の厚さが3mmの2種3層の未延伸フィルムを得た。得られた未延伸フィルムを縦延伸機に導き加熱ロール間で140℃の温度で5倍延伸し、次にテンター内温度160〜210℃で横方向に8倍延伸した後、巻き取り、合計の厚さが70μmの空洞含有積層延伸フィルムを得た。
[隠蔽層の印刷]
前記空洞含有積層延伸フィルムの片面に、格子型の175線、版深24μmのグラビアロールを使用してラミオールマークIII 黒(サカタインクス(株)製)を5g/m2(ウェット)塗工した後、乾燥炉で乾燥して隠蔽層を設けた。
[貼り合せ]
セイカボンドA−154−21(大日精化(株)製)とセイカボンドC−88(大日精化(株)製)を1:1(重量比)に混合し、更にその混合液と酢酸エチルを3:7(重量比)に混合して張り合わせ用接着剤を調合した。この接着剤を格子型の110線、版深95μmのグラビアロールを使用して、前記空洞含有積層延伸フィルムの片面に11g/m2(ウェット)塗工した後、乾燥炉で乾燥した後、圧着ロールを用いて前記の隠蔽層を設けた空洞含有積層延伸フィルムの隠蔽層面と張り合わせ、得られたポリプロピレン系積層体サンプルを評価試験に供した。評価結果を表1に示した。
(実施例2)
[単層フィルム用樹脂組成物作成]
単層フィルム用樹脂組成物として、n−ヘプタン不溶部を96重量%含有するMFRが2g/10分の結晶性ポリプロピレン粉末に、フェノール系酸化防止剤BHTを0.2重量%、ステアリン酸カルシウム0.1重量%、軟化点172℃のジシクロペンタジエン系石油樹脂(以下、DCPDという)4重量%、及び炭酸カルシウム(平均粒径1.0μm)4重量%をヘンシェルミキサー(商標)に投入し混合攪拌した後、同方向回転型二軸押出機に供給し240℃で溶融混練してストランドとして押出し、これを冷却しカットしてペレット状の組成物を得た。
[空洞含有単層延伸フィルム作成]
Tダイを備えたフィルム押出機(押出機は、口径65mmφ単軸押出機)及びテンター法逐次二軸延伸機を用いて、前記の組成物を各押出機に供給し、Tダイ温度240℃で溶融押出を行ない、表面温度30℃の鏡面冷却ロールで急冷して未延伸シートを得た。得られた未延伸シートを縦延伸機に導き加熱ロール間で140℃の温度で5倍延伸し、次にテンター内温度160〜210℃で横方向に8倍延伸した後、巻取り、厚さが80μmの空洞含有延伸フィルムサンプルを得た。
[隠蔽層の印刷]
前記空洞含有単層延伸フィルムの片面に、格子型の175線、版深24μmのグラビアロールを使用してラミオールマークIII 黒(サカタインクス(株)製)を5g/m2(ウェット)塗工した後、乾燥炉で乾燥して隠蔽層を設けた。
セイカボンドA−154−21(大日精化(株)製)とセイカボンドC−88(大日精化(株)製)を1:1(重量比)に混合し、更にその混合液と酢酸エチルを3:7(重量比)に混合して張り合わせ用接着剤を調合した。この接着剤を格子型の110線、版深95μmのグラビアロールを使用して、前記空洞含有単層延伸フィルムの片面に11g/m2(ウェット)塗工した後、乾燥炉で乾燥した後、圧着ロールを用いて前記の隠蔽層を設けた空洞含有単層延伸フィルムの隠蔽層面と張り合わせ、得られたポリプロピレン系積層体サンプルを評価試験に供した。評価結果を表1に示した。
(実施例3、4)
隠蔽層のグラビアインクの色を表1のように変えた以外は実施例1に記載の方法に従ってポリプロピレン系積層体を作成した。評価結果を表1に示した。グラビアインクとしては、ダークブルーはマンセル明度3のラミオールマークIII ダークブルー(サカタインクス(株)製)を、また、ダークグリーンはマンセル明度3のラミオールマークIII ダークグリーン(サカタインクス(株)製)を使用した。
(実施例5、6、7)
表層(A)及び(C)用の組成物の配合及び厚さを表1のごとく変更した以外は実施例1に記載の方法に従って、ポリプロピレン系積層体作成した。
(比較例1)
表層(A)及び(C)用の組成物の配合を表1のごとく変更した以外は実施例1に記載の方法に従って、ポリプロピレン系積層体作成した。
(比較例2)
表層(A)及び(C)用の組成物の配合を表1のごとく変更し、隠蔽層を設けなかったこと以外は実施例1に記載の方法に従って、ポリプロピレン系積層体作成した。
(比較例3)
表層(A)及び(C)用の組成物の配合とグラビアインクの色を表1のごとく変更した以外は実施例1に記載の方法に従って、ポリプロピレン系積層体作成した。
以 上
Figure 0004407383
本発明のポリプロピレン系積層体は、ポスター、ステッカー、粘着ラベルとして利用可能である。

Claims (2)

  1. それぞれ結晶性ポリプロピレン樹脂を主成分とする組成物からなり、80%以上の不透明度を有する表層(A)及び表層(C)が、隠蔽層(B)を介して(A)、(B)、(C)の順に貼り合せられた、少なくとも3層からなり、不透明度が99%以上であり、かつ少なくとも片面の白色度が70%以上であるポリプロピレン系積層体であり、表層(A)及び表層(C)の少なくとも一方が、結晶性ポリプロピレン樹脂に、軟化点(環球法)160℃〜200℃のジシクロペンタジエン系石油樹脂及び/または無機充填剤粉末が4〜70重量%配合された組成物を、面積倍率5倍以上に延伸して得られた空洞含有単層延伸フィルムであり、隠蔽層(B)が、黒、濃色の青、濃色の緑、及び濃色の茶色から選ばれた少なくとも1色のグラビアインクのベタ印刷によって形成されたポリプロピレン系積層体
  2. それぞれ結晶性ポリプロピレン樹脂を主成分とする組成物からなり、80%以上の不透明度を有する表層(A)及び表層(C)が、隠蔽層(B)を介して(A)、(B)、(C)の順に貼り合せられた、少なくとも3層からなり、不透明度が99%以上であり、かつ少なくとも片面の白色度が70%以上であるポリプロピレン系積層体であり、表層(A)及び表層(C)の少なくとも一方が、結晶性ポリプロピレン樹脂に、軟化点(環球法)160℃〜200℃のジシクロペンタジエン系石油樹脂及び/または無機充填剤粉末が4〜70重量%配合された組成物からなる基層フィルムの少なくとも一方の面に、結晶性ポリプロピレン樹脂の組成物からなるスキン層フィルムを積層した後、面積倍率5倍以上に延伸して得られた空洞含有積層延伸フィルムであり、隠蔽層(B)が、黒、濃色の青、濃色の緑、及び濃色の茶色から選ばれた少なくとも1色のグラビアインクのベタ印刷によって形成されたポリプロピレン系積層体。
    以 上
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