JP4407237B2 - 非水系電解液及びそれを用いる非水系電解液二次電池 - Google Patents
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Description
リチウム二次電池用の電解液は、リチウム塩などの電解質と、有機溶媒とからなる。有機溶媒は、高い誘電率を有すること、酸化電位が高いこと、及び電池中で安定であることが要求される。これらの要求を一つの溶媒で達成するのは困難なので、リチウム二次電池の電解液の有機溶媒としては、例えば炭酸エチレン、炭酸プロピレン等の環状炭酸エステル類またはγ−ブチロラクトン等の環状カルボン酸エステル類などの高誘電率溶媒と、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル等の鎖状炭酸エステル類またはジメトキシエタン等のエーテル類などの低粘度溶媒を組み合わせて使用している。
例えば、特許文献1及び特許文献2には、特定のホスホン酸エステル、ホスフィン酸エステルを有機溶媒中に5〜100重量%含有させることにより、電池の性能に悪影響を及ぼすことなく電解液に難燃性を持たせることが記載されている。そして、実施例によれば、炭酸エステル類あるいは鎖状エーテルとこれらのリン酸化合物とを重量比で2:1又は1:1で混合した有機溶媒に、LiPF6を溶解してなる電解液を用いた二次電池は、1
00サイクル目の容量維持率が数%〜十数%の低下に止まることが示されているが、電池の高温特性に関しては記載がない。
即ち、本発明の要旨は、電解質、下記一般式(1)で表されるホスフィン酸エステル構造を複数有する化合物及びこれらを溶解する非水系有機溶媒からなる非水系電解液であって、下記一般式(1)で表される化合物の含有量が、非水系電解液の全重量に対して、0.01重量%以上、2.5重量%以下であることを特徴とする二次電池用非水系電解液に存する。
また、本発明の別の要旨は、リチウムを吸蔵・放出可能な負極及び正極、上記二次電池用非水電解液からなることを特徴とする非水系電解液二次電池に存する。
本発明に係る二次電池用非水系電解液の主成分は、常用の二次電池用非水系電解液と同じく、電解質およびこれを溶解する非水系有機溶媒である。
電解質としてはリチウム塩を用いる。リチウム塩としては、この用途に用い得ることができるものであれば特に制限はないが、例えば、以下のものが挙げられる。
1)無機リチウム塩:LiAsF6、LiPF6、LiBF4等の無機フッ化物塩、LiC
lO4、LiBrO4、LiIO4等の過ハロゲン酸塩。
2)有機リチウム塩:LiB(C6H5)4等の有機ホウ酸リチウム塩、LiCH3SO3等
のアルカンスルホン酸塩、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2等のパーフ
ルオロアルカンスルホン酸イミド塩、LiCF3SO3等のパーフルオロアルカンスルホン酸塩。
非水系電解液中の電解質の濃度は、通常0.5モル/リットル以上、好ましくは0.75モル/リットル以上であり、通常2.5モル/リットル以下、好ましく1.5モル/リットル以下である。電解質の濃度が高すぎても低すぎても電導度の低下が起き、電池特性が低下する恐れがある。
電解液の非水系有機溶媒に環状カーボネートが含まれる場合、好ましい比率は、5体積%から55体積%、さらに好ましくは15体積%から50体積%である。
電解液の非水系有機溶媒に鎖状カーボネートが含まれる場合、好ましい比率は、2体積%から85体積%、さらに好ましくは5体積%から85体積%である。
好ましい有機溶媒の組合せとその体積比率としては、以下のものが挙げられる。
1.環状カーボネート+鎖状カーボネート(15〜40:60〜85)
2.環状カーボネート+環状エステル (20〜50:50〜80)
3.環状カーボネート+環状エステル+鎖状カーボネート (20〜50:50〜80:2〜20)
4.環状エステル+鎖状カーボネート (70〜98:2〜30)
5.環状エステル (単一溶媒)
環状カーボネート類としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等が挙げられる。鎖状カーボネート類としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等が挙げられる。環状エーテル類としては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等が挙げられる。鎖状エーテル類としては、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン等が挙げられる。環状エステル類としては、γ-ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等が挙げられ
る。鎖状エステル類としては、酢酸メチル、プロピオン酸メチル等が挙げられる。
物を含有する。
式中、R1〜R2は、各々独立して、ハロゲン原子で置換されていても良い炭素数1〜8の鎖状もしくは環状アルキル基、又はハロゲン原子で置換されていても良いフェニル基を表す。なかでも好ましいのはハロゲン原子で置換されていても良い炭素数1〜8の鎖状アルキル基である。R1とR2は異なっていてもよいが、同じ基であることが好ましい。
ル基、n−オクチル基、2-エチルヘキシル基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基等が挙げられる。なかでも好ましいのは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基等のハロゲン原子で置換されていても良い炭素数1〜4の鎖状アルキル基である。炭素数が1〜2であると更に好ましい。
ハロゲン原子で置換されていても良いフェニル基としては、フェニル基、2-フルオロ
フェニル基、3-フルオロフェニル基、4-フルオロフェニル基等が挙げられる。
R1とR2がいずれもアルキル基の場合、これらは互いに結合して環構造を形成していても良い。その具体例としては、R1とR2とが連結して、P原子を含む5〜6員環を形成している場合、すなわちP原子がn−ブチレン基の1位及び4位、又はn−ペンチレン基の1位及び5位と結合して環を形成する場合等が挙げられる。
このホスフィン酸エステル化合物が正極あるいは負極のどちらに作用しているかは定かになっていないが、電極と反応し吸着することで効果が発現していると考えられるので、分子内により多くのホスフィン酸エステル基があれば、より強く吸着することが期待される。このため、Zは大きいほど化合物添加の効果が大きいと考えられるが、大きすぎると電解液へ溶解しにくくなるため溶解性を考慮して選択する。
O−C(=O)−O−R6’(R6およびR6’は、2価以上、Z価以下の炭化水素基であ
り、R6とR6’の価数の和はz+2となる。)などが挙げられ、好ましくは炭化水素基、より好ましいのは飽和炭化水素基、特に好ましいのは鎖状炭化水素連結基である。Lの炭素数は、通常2〜12、好ましくは2〜8である。
zが2のときの炭化水素基、すなわち、2価の炭化水素基としては、具体的には次のものが挙げられる。
(1)二価のホスフィネート化合物
1,2−エタンジオールビスホスフィネート類;1,2−エタンジオールビス(ジメチルホスフィネート)、1,2−エタンジオールビス(ジエチルホスフィネート)、1,2−エタンジオールビス(ジ−n−プロピルホスフィネート)、1,2−エタンジオールビス(ジイソプロピルホスフィネート)、1,2−エタンジオールビス(ジ−n−ブチルホスフィネート)、1,2−エタンジオールビス(ジイソブチルホスフィネート)、1,2
−エタンジオールビス(ジ−sec−ブチルホスフィネート)、1,2−エタンジオールビス(ジ−tert−ブチルホスフィネート)、1,2−エタンジオールビス[ビス(ト
リフルオロメチル)ホスフィネート)]、1,2−エタンジオールビス[ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスフィネート)]、1,2−エタンジオールビス[ビス(ペンタフルオロエチル)ホスフィネート)]等が挙げられる。
ルオロメチル)ホスフィネート)]、1,2−エタンジオールビス[ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスフィネート)]、1,2−エタンジオールビス[ビス(ペンタフルオロエチル)ホスフィネート)]等のホスフィネートがハロゲン原子で置換されていても
よいメチル基またはエチル基を有する、1,2−エタンジオールビスホスフィネート類が好ましい。
トリフルオロメチル)ホスフィネート)]、1,3−プロパンジオールビス[ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスフィネート)]、1,3−プロパンジオールビス[ビス(ペンタフルオロエチル)ホスフィネート)]等のホスフィネートがハロゲン原子で置換さ
れていてもよいメチル基またはエチル基を有する、1,3−プロパンジオールビスホスフィネート類が好ましい。
リフルオロメチル)ホスフィネート)]、1,4−ブタンジオールビス[ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスフィネート)]、1,4−ブタンジオールビス[ビス(ペンタフルオロエチル)ホスフィネート)]等が挙げられる。
ルオロメチル)ホスフィネート)]、1,4−ブタンジオールビス[ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスフィネート)]、1,4−ブタンジオールビス[ビス(ペンタフルオロエチル)ホスフィネート)]等のホスフィネートがハロゲン原子で置換されていても
よいメチル基またはエチル基を有する、1,4−ブタンジオールビスホスフィネート類が
が好ましい。
トリフルオロメチル)ホスフィネート)]、1,2−プロパンジオールビス[ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスフィネート)]、1,2−プロパンジオールビス[ビス(ペンタフルオロエチル)ホスフィネート)]等のホスフィネートがハロゲン原子で置換さ
れていてもよいメチル基またはエチル基を有する、1,2−プロパンジオールビスホスフィネート類がが好ましい。
リフルオロメチル)ホスフィネート)]、1,2−ブタンジオールビス[ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスフィネート)]、1,2−ブタンジオールビス[ビス(ペンタフルオロエチル)ホスフィネート)]等が挙げられる。
ルオロメチル)ホスフィネート)]、1,2−ブタンジオールビス[ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスフィネート)]、1,2−ブタンジオールビス[ビス(ペンタフルオロエチル)ホスフィネート)]等のホスフィネートがハロゲン原子で置換されていても
よいメチル基またはエチル基を有する、1,2−ブタンジオールビスホスフィネート類が好ましい。
リフルオロメチル)ホスフィネート)]、1,3−ブタンジオールビス[ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスフィネート)]、1,3−ブタンジオールビス[ビス(ペンタフルオロエチル)ホスフィネート)]等が挙げられる。
ルオロメチル)ホスフィネート)]、1,3−ブタンジオールビス[ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスフィネート)]、1,3−ブタンジオールビス[ビス(ペンタフルオロエチル)ホスフィネート)]等のホスフィネートがハロゲン原子で置換されていても
よいメチル基またはエチル基を有する、1,3−ブタンジオールビスホスフィネート類が好ましい。
1,2,3−プロパントリオールトリスホスフィネート類;1,2,3−プロパントリオールトリス(ジメチルホスフィネート)、1,2,3−プロパントリオールトリス(ジエチルホスフィネート)、1,2,3−プロパントリオールトリス(ジ−n−プロピルホスフィネート)、1,2,3−プロパントリオールトリス(ジイソプロピルホスフィネート)、1,2,3−プロパントリオールトリス(ジ−n−ブチルホスフィネート)、1,2,3−プロパントリオールトリス(ジイソブチルホスフィネート)、1,2,3−プロパントリオールトリス(ジ−sec−ブチルホスフィネート)、1,2,3−プロパントリオールトリス(ジ−tert−ブチルホスフィネート)、1,2,3−プロパントリオールトリス[ビス(トリフルオロメチル)ホスフィネート)]、1,2,3−プロパントリオールトリス[ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスフィネート)]、1,2,3−プロパントリオールトリス[ビス(ペンタフルオロエチル)ホスフィネート)]等が挙げられる。
リフルオロメチル)ホスフィネート)]、1,2,3−ブタントリオールトリス[ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスフィネート)]、1,2,3−ブタントリオールト
リス[ビス(ペンタフルオロエチル)ホスフィネート)]等が挙げられる。
リフルオロメチル)ホスフィネート)]、1,2,4−ブタントリオールトリス[ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスフィネート)]、1,2,4−ブタントリオールト
リス[ビス(ペンタフルオロエチル)ホスフィネート)]等が挙げられる。
(3)4価のホスフィネート化合物1,2,3,4−ブタンテトラオールテトラキスホスフィネート類;1,2,3,4−ブタンテトラオールテトラキス(ジメチルホスフィネート)、1,2,3,4−ブタンテトラオールテトラキス(ジエチルホスフィネート)、1,2,3,4−ブタンテトラオールテトラキス(ジ−n−プロピルホスフィネート)、1,2,3,4−ブタンテトラオールテトラキス(ジイソプロピルホスフィネート)、1,2,3,4−ブタンテトラオールテトラキス(ジ−n−ブチルホスフィネート)、1,2,3,4−ブタンテトラオールテトラキス(ジイソブチルホスフィネート)、1,2,3,4−ブタンテトラオールテトラキス(ジ−sec−ブチルホスフィネート)、1,2,3,4−ブタンテトラオールテトラキス(ジ−tert−ブチルホスフィネート)、1,2,3,4−ブタンテトラオールテトラキス[ビス(トリフルオロメチル)ホスフィネー
ト)]、1,2,3,4−ブタンテトラオールテトラキス[ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスフィネート)]、1,2,3,4−ブタンテトラオールテトラキス[ビス(ペンタフルオロエチル)ホスフィネート)]等が挙げられる。
ト)]、1,2,3,4−ブタンテトラオールテトラキス[ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスフィネート)]、1,2,3,4−ブタンテトラオールテトラキス[ビス(ペンタフルオロエチル)ホスフィネート)]等のホスフィネートがハロゲン原子で置換さ
れていてもよいメチル基またはエチル基を有する、1,2,3,4−ブタンテトラオールテトラキスホスフィネート類が好ましい。
一般式(1)で表される化合物は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。また、本発明を満たす限りにおいて、一般式(1)以外のホスフィン酸エステル化合物と混合して用いても良い。
本発明に係る二次電池用非水系電解液は、前述の非水系有機溶媒に、電解質、一般式(1)で表される化合物、及び必要に応じて他の助剤を溶解することにより調製することができる。非水系電解液の調製に際しては、非水系電解液の各原料は、予め脱水しておくのが好ましい。通常は、50ppm以下、好ましくは30ppm以下まで脱水する。非水系電解液に水が存在すると、水の電気分解、水と溶質との反応による、溶質の加水分解などが起こる可能性がある。脱水の手段は特に制限はないが、溶媒などの液体の場合はモレキュラーシーブ等で水を吸着除去すればよい。また、溶質などの固体の場合は分解が起きる温度以下で乾燥すればよい。
本発明に係るリチウム二次電池は、電解液以外は従来公知のリチウム二次電池と同様であり、通常、正極と負極とが本発明に係る非水系電解液を含んでいるセパレーターを介してケースに収納されている。従って、本発明に係る二次電池の形状は特に限定されるものではなく、シート電極及びセパレーターをスパイラル状にしたシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを組み合わせたインサイドアウト構造のシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを積層したコインタイプのいずれであってもよい。
金属複合酸化物、TiS、FeS等の遷移金属硫化物、SnO2、SiO2等の金属酸化物が挙げられる。中でもリチウム遷移金属複合酸化物、特にリチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムコバルトニッケル複合酸化物は、高容量と高サイクル特性とを両立させ得るので好適に用いられる。また、リチウム遷移金属複合酸化物は、コバルト、ニッケルまたはマンガンの一部をAl、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Li、Ni、Cu、Zn、Mg、Ga、Zr等の他の金属で置き換えることにより、その構造を安定化させることができるので好ましい。正極活物質は、単独で用いても、2種
以上を混合して用いてもよい。
結着剤の使用量は、活物質100重量部に対して通常0.1重量部以上、好ましくは1重量部以上であり、通常30重量部以下、好ましくは20重量部以下である。結着剤の量が少なすぎると電極の強度が低下する傾向にあり、逆に多すぎるとイオン伝導度が低下する傾向にある。
塗布により形成される活物質層の乾燥厚さは、通常1μm以上、好ましくは10μm以上、さらに好ましくは20μm以上、最も好ましくは40μm以上であり、通常200μm以下、好ましくは150μm以下、さらに好ましくは100μm以下である。薄すぎると均一塗布が困難になるだけでなく、電池の容量が小さくなる。一方、厚すぎるとレート特性が低下する。
される活物質層との結着効果を向上させるため、これら集電体の表面は予め粗面化処理しておくのが好ましい。表面の粗面化方法としては、ブラスト処理、粗面ロールによる圧延、研磨剤粒子を固着した研磨布紙、砥石、エメリバフ、鋼線などを備えたワイヤーブラシなどで集電体表面を研磨する機械的研磨法、電解研磨法、化学研磨法等が挙げられる。
非水系電解液は、これを高分子などのゲル化剤でゲル化して半固体状にして用いてもよい。半固体状電解質における上記非水系電解液の占める比率は、半固体状電解質の総量に対して、通常30重量%以上、好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは75重量%以上であり、通常99.95重量%以下、好ましくは99重量%以下、さらに好ましくは98重量%以下である。電解液の比率が大きすぎると、電解液の保持が困難となり液漏れが生じやすくなり、逆に少なすぎると充放電効率や容量の点で不十分となることがある。
(正極の製造)
コバルト酸リチウム(LiCoO2)90重量部、アセチレンブラック5重量部及びポ
リフッ化ビニリデン(以下「PVdF」ということがある)5重量部を混合し、N−メチルピロリドンを加えてスラリー状にした。これを厚さ20μmのアルミニウム箔の片面に塗布、乾燥し、さらにプレス機で圧延した。これからポンチで直径12mmの円板に打ち抜き、正極とした。
(負極の製造)
黒鉛(面間隔0.336nm)95重量部とPVdF5重量部とを混合し、N−メチルピロリドンを加えてスラリー状にした。これを厚さ20μmの銅箔の片面に塗布、乾燥し、さらにプレス機で圧延した。これから直径12mmの円板を打ち抜き、負極とした。
(リチウム二次電池の製造)
アルゴン雰囲気のドライボックス内で、CR2032型コインセルを使用して、リチウム二次電池を作成した。即ち、コイン型セル(正極缶)に正極を置き、その上に厚さ25μmの多孔性ポリエチレンフィルム(セパレーター)を置き、ポリプロピレン製ガスケットで押さえた。ガスケット上に負極を置き、更に厚み調整用のスペーサーを置いた。電解液を加え電池内に十分しみこませた後、コイン型セル(負極缶)を載せ、封口して電池とした。
正極活物質重量W(c)と負極の活物質重量W(a)の比率は、負極と正極との容量比Rqが1.1≦Rq≦1.2となるように、その重量を決定した。なお、容量比Rqは次式で求めた。
なお、Q(c)及びQ(a)は、正極または負極を作用極に、対極にリチウム金属を用い、上記の電池を組み立てるのに用いたのと同じ電解液を使用し、作用極と対極の間にセパレータを介した試験セルを作成して、可能な限り低い電流密度で初期充電条件(正極の上限電位あるいは負極の下限電位)まで、正極が充電(正極からのリチウムイオンの放出)できる容量をQ(c)、負極が放電(負極へのリチウムイオンの吸蔵)できる容量をQ(a)として求めた。
高温保存試験
得られたリチウム二次電池を室温下、1C(4.0mA)、4.2V上限の定電流定電圧法により充電し、電流値が0.05mAになった時点で充電を終了した。次いで、0.2Cで3.0Vまで放電した。
次いで、室温下、1C、4.2V上限の定電流定電圧法により充電し、電流値が0.05mAとなった時点で充電を終了した。この充電された電池を60℃で7日間保持したのち、室温まで冷却して放電容量を測定した。放電容量は数値が大きいほど高温保存における劣化が小さく、熱安定性が高いことを表す。
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の体積比3:7の混合溶媒に、1モル/リットルの濃度となるように六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)
を溶解させてベース電解液とし、これに1,4−ブタンジオールビス(ジエチルホスフィネート)を1重量%となるように加えて電解液とした。
得られた電解液を用いて、リチウム二次電池を作製し、高温保存試験を行った。結果を表−1および2に示す。
ベース電解液に1,4−ブタンジオールビス(ジエチルホスフィネート)を1重量%、ビニレンカーボネートを2重量%となるように添加した電解液を用いて、リチウム二次電池を作製し、高温保存試験を行った。結果を表−1に示す。
ベース電解液に1,4−ブタンジオールビス(ジエチルホスフィネート)を1重量%、ビニレンカーボネートを2重量%、シクロヘキシルベンゼンを2重量%となるように添加した電解液を用いてリチウム二次電池を作製し、高温保存試験を行った。結果を表−1に示す。
ベース電解液に1,4−ブタンジオールビス(ジエチルホスフィネート)を8重量%となるように添加した電解液を用いて、リチウム二次電池を作製し、高温保存試験を行った。結果を表−2に示す。
ベース電解液そのものを用いリチウム二次電池を作製し、高温保存試験を行った。結果を表−1および2に示す。
(比較例2)
ベース電解液にビニレンカーボネートを2重量%となるように添加した電解液を用いてリチウム二次電池を作製し、高温保存試験を行った。結果を表−1に示す。
ベース電解液にビニレンカーボネートを2重量%、シクロヘキシルベンゼンを2重量%となるように添加した電解液を用いてリチウム二次電池を作製し、高温保存試験を行った。結果を表−1に示す。
ベース電解液に1,4−ブタンジオールビス(ジエチルホスフィネート)を15重量%となるように添加した電解液を用いて、リチウム二次電池を作製し、高温保存試験を行った。結果を表−2に示す。
Claims (7)
- 二次電池用非水系電解液が、更に、過充電防止剤または被膜形成助剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の二次電池用非水系電解液。
- 非水系電解液の非水系有機溶媒が、鎖状カーボネートと環状エステルからなる群から選ばれるものと環状カーボネートの混合溶媒であることを特徴とする請求項1又は2に記載の二次電池用非水系電解液。
- 非水系有機溶媒が環状カーボネートを含む場合の非水系有機溶媒中の環状カーボネートの比率が5体積%から55体積%であり、非水系有機溶媒が鎖状カーボネートを含む場合の非水系有機溶媒中の鎖状カーボネートの比率が2体積%から85体積%であり、非水系有機溶媒が環状エステルを含む場合の非水系有機溶媒中の環状エステルの比率が50体積%から98体積%であることを特徴とする請求項3に記載の二次電池用非水系電解液。
- リチウムを吸蔵・放出可能な負極及び正極、並びに請求項1〜4のいずれかに記載の二次電池用非水電解液からなることを特徴とする非水系電解液二次電池。
- 正極が、リチウム遷移金属複合酸化物を含有することを特徴とする請求項5に記載の非水系電解液二次電池。
- 負極が、X線回折における格子面(002面)のd値が0.335〜0.340nmの炭素材料を主体とすることを特徴とする請求項5または6に記載の非水系電解液二次電池。
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