JP4407191B2 - 光学活性ハロゲノヒドロキシプロピル化合物およびグリシジル化合物の製造法 - Google Patents

光学活性ハロゲノヒドロキシプロピル化合物およびグリシジル化合物の製造法 Download PDF

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本発明は医薬、農薬等の合成中間体として有用な光学活性1−ハロゲノ−2−ヒドロキシプロピル化合物および光学活性グリシジル化合物の製造法に関する。
エピハロヒドリンから1−ハロゲノ−2−ヒドロキシプロピル化合物を経てグリシジル化合物へ導くことを基盤とする製造法は、古くから様々に報告されている。
しかしながら、その殆どは、ラセミ体のエピハロヒドリンをラセミ体のグリシジル化合物に導く方法に関するものであり、光学活性体のエピハロヒドリンを光学活性体のグリシジル化合物に導く方法に関する報告例は数少ない。その理由の一つとしては、エピハロヒドリン上の活性位である1位のハロゲノメチレン位と3位のエポキシ環末端位に顕著な活性の差がなく、扱いにくいことが挙げられる。
つまり、下記反応式に示すように、求核種との反応において理論上ではa経路による求核反応が優先し、[I]または[II]を選択的に与えるとされているが、実際、この選択性は完全でなく、b経路による反応を経て[III]を副生し、結果として目的生成物[II]の光学純度が低下する。
反応式
Figure 0004407191
(上記式において、X'はハロゲン原子、Nu’は求核種の残基である。)
上記の問題を克服するための手法も幾つか検討されており、例えば、(i)光学活性エピハロヒドリンと4−カルバモイルメチルフェノールとを含水溶媒中、水酸化アルカリおよび第4級アンモニウム塩存在下で反応させる方法(特許文献1参照)、(ii)光学活性エピハロヒドリンとベンジルアルコールとを三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体存在下で反応させる方法(特許文献1参照)などが挙げられるが、いずれも原料であるエピハロヒドリンに比べて生成物であるグリシジル化合物の光学純度が1〜2%程度低下しており、依然、改良の余地が残されている。
また、光学活性エピクロロヒドリンと水とを光学活性コバルト(III)錯体存在下で反応させた後、炭酸カリウムで処理する方法(特許文献2参照)によれば、光学活性グリシドールを高光学純度で得ることができるが、この方法により反応を行なうには、原料であるエピクロロヒドリンの立体異性体ごとに特定の立体配置をもつ高価な光学活性コバルト(III)錯体触媒を調製して使用しなければならず、煩雑であるのみならず、非経済的である。
特公平6−37482号公報 Heterocycles,31, 1715 (1990) J. Am. Chem. Soc. 124, 1307 (2002)
本発明は、従来技術の上記問題点に鑑み、光学活性エピハロヒドリンから、その光学純度を損なうことがなく、かつ高収率で光学活性1−ハロゲノ−2−ヒドロキシプロピル化合物および光学活性グリシジル化合物を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは上記の問題点を解決すべく種々検討を重ねた結果、後記式で示されるノンキラルな金属錯体触媒(2)を用いることによって、高収率かつ高光学純度で光学活性1−ハロゲノ−2−ヒドロキシプロピル化合物および光学活性グリシジル化合物を製造する新たな方法を見出し本発明を完成するに至った。
本発明はすなわち、下記式(1)
Figure 0004407191
(式中、Xはハロゲン原子を意味する。)
で表される光学活性エピハロヒドリンに、下記式(2)
Figure 0004407191
(式中、nは0、1または2の整数を意味し、Y1、Y2およびY3は、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、アシル基、またはアルコキシカルボニル基を意味し、また、Y1とY2、あるいはY2とY3は、互いに一緒になり、それらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよく、Aは対イオンを意味し、そしてMは金属イオンを意味する。)
で表される金属錯体触媒存在下、下記式(3)
Figure 0004407191
(式中、Nuは置換基を有するヘテロ原子を意味し、そしてQは水素原子または置換基を有するケイ素原子を意味する。)
で表される求核剤を反応させて、下記式(4)
Figure 0004407191
(式中、XおよびNuは前掲と同じものを意味する。)
で表される光学活性1−ハロゲノ−2−ヒドロキシプロピル化合物を位置選択的に製造する方法、並びに、続いて該化合物に塩基性試剤を作用させて下記式(5)
Figure 0004407191
(式中、Nuは前掲と同じものを意味する。)
で表される光学活性グリシジル化合物を製造する方法を含む、光学活性1−ハロゲノ−2−ヒドロキシプロピル化合物および光学活性グリシジル化合物の製造法に関する。
本発明を実施することにより、原料である光学活性エピハロヒドリンの光学純度を保持しつつ高収率で、光学活性1−ハロゲノ−2−ヒドロキシプロピル化合物または光学活性グリシジル化合物を製造することができる。
発明を実施するための好ましい形態
以下、本発明を更に詳細に説明する。
まず、光学活性エピハロヒドリン(1)に、金属錯体触媒(2)存在下、求核剤(3)を反応させて、光学活性1−ハロゲノ−2−ヒドロキシプロピル化合物(4)を得る工程について以下に説明する。
式(1)において、Xが、塩素原子または臭素原子である光学活性エピハロヒドリンが好ましく用いられる。
式(2)の金属錯体触媒において、Yが水素原子であり、YおよびYが、互いに一緒になり、それらが結合する炭素原子と共に、例えば置換基を有していてもよいベンゼン環、シクロヘキセン環などの環を形成する該金属錯体触媒が好ましく、そして特に好ましい金属錯体触媒は、下記式(6)で示される。
Figure 0004407191
(式中、nは0、1または2の整数を意味し、Z1、Z2、Z3およびZ4は、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、直鎖、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のアルキルオキシ基、置換もしくは無置換のアラルキルオキシ基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基を意味し、また、Z1とZ2、Z2とZ3、あるいはZ3とZ4は、互いに一緒になり、それらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよく、Aは対イオンを意味し、そしてMは金属イオンを意味する。)
上記式(6)において、Z1、Z2、Z3およびZ4は、例えば、水素原子、フッ素原子、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子、ニトロ基、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、2,2−ジメチルプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−へプチル、n−ヘキシルなどの炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐アルキル基、シクロペンチル、シクロヘキシルなどの炭素数3〜7の環状アルキル基、トリフルオロメチル、パーフルオロ−tert−ブチルなどの置換アルキル基、ベンジル、4−メチルベンジル、クメニルなどの置換もしくは無置換のアラルキル基、フェニル、4−メチルフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルなどの置換もしくは無置換のアリール基、メトキシ、エトキシ、tert−ブトキシ、トリフルオロメトキシ、パーフルオロ−tert−ブトキシなどの置換もしくは無置換のアルキルオキシ基、ベンジルオキシ、4−メチルベンジルオキシなどの置換もしくは無置換のアラルキルオキシ基、フェノキシ、4−メチルフェノキシなどの置換もしくは無置換のアリールオキシ基が挙げられる。また、Z1とZ2、Z2とZ3、あるいはZ3とZ4は、互いに一緒になり、それらが結合する炭素原子と共に、例えば、ベンゼン環、シクロヘキセン環などの環を形成してもよい。また、該環は置換基を有していてもよい。
〜Zにおける好ましい基は、Z1、Z2、Z3、Z4がいずれも水素原子、Z1、Z2、Z3が水素原子であり、そしてZ4がtert−ブチル基、あるいはZ1およびZ3が水素原子であり、そしてZ2およびZ4がtert−ブチル基である。
また、該金属錯体触媒を、ポリマー、シリカゲル、アルミナ、ゼオライトなどの不溶性担体に、エーテル結合やメチレン鎖を介して固定化して用いることも好ましい例の1つである。
式(2)または式(6)の金属錯体触媒においてAで示される対イオンとしては、例えば、ナイトレート、フルオリド、クロライド、ブロマイドなどのハロゲン原子、ペンタフルオロ−tert−ブトキシドなどの置換アルコキシド、ペンタフルオロフェノキシド、2,4,6−トリニトロフェノキシドなどの置換アリールオキシド、アセテート、n−ブチレート、トリフルオロアセテート、トリクロロアセテートなどの置換もしくは無置換のアルキルカルボネート、フェニルアセテート、4−ニトロフェニルアセテート、3,5−ジフルオロフェニルアセテートなどの置換もしくは無置換のアラルキルカルボネート、ベンゾエート、ペンタフルオロベンゾエート、2,4−ジニトロベンゾエートなどの置換もしくは無置換のアリールカルボネート、メタンスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、(±)−カンファースルホネートなどの置換もしくは無置換のアルキルスルホネート、ベンゼンスルホネート、p−トルエンスルホネート、3−ニトロベンゼンスルホネートなどの置換もしくは無置換のアリールスルホネートが挙げられる。好ましい対イオンは、アセテート、n−ブチレート、(±)−カンファースルホネート、メタンスルホネート、p−トルエンスルホネート、およびトリフルオロメタンスルホネートである。
式(2)または式(6)の金属錯体触媒において、Mで示される金属イオンは、特に限定されるものではなく、例えば、アルミニウムイオン、チタンイオン、バナジウムイオン、クロムイオン、マンガンイオン、鉄イオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、銅イオン、亜鉛イオン、モリブデンイオン、ルテニウムイオン、ロジウムイオン、タングステンイオンなどが挙げられ、好ましくはバナジウムイオン、クロムイオン、マンガンイオン、鉄イオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、モリブデンイオン、ルテニウムイオン、またはタングステンイオンである。また、各々の金属イオンは、(II)〜(IV)のいずれかの酸化状態に相当する。特に好ましくはクロムイオン(III)、コバルトイオン(III)である。
なお、例えば、コバルト(III)錯体は、下記式(8)
Figure 0004407191
(式中、n、Z1、Z2、Z3およびZ4は、式(6)と同じものを意味する。)
で表されるコバルト(II)錯体を、前掲のAで示される電子吸引性置換基に水素原子が結合したものに相当する酸試剤の存在下、適当な溶媒中、室温で空気酸化することにより容易に調製することができる。
この際、酸試剤の使用量はコバルト(II)錯体に対して1〜10当量、好ましくは1〜2当量である。また、コバルト(II)錯体は、公知の反応、すなわち、アルキルジアミン類1当量とサリチルアルデヒド類2当量とをカップリングして得られるサレン配位子と酢酸コバルト(II)四水和物とを混合する錯体形成反応から容易に調製することができる。
その他の本発明に用いられる金属錯体は、公知の方法で容易に調製することができる。
本発明における金属錯体触媒の使用量は、光学活性エピハロヒドリンに対して0.1〜10モル%、好ましくは1〜5モル%である。また、コバルト(III)錯体については、前掲した方法にてコバルト(II)錯体から空気酸化した後、その溶液を精製せずにそのまま反応に用いることもできる。さらに、金属錯体触媒の単独使用で本反応を進行させることが充分に可能であるが、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリイソブチルアミン等の嵩高い3級アミンを0.1〜100モル%量添加すると反応が促進される。
式(3)の求核剤においてNuで示される置換基は、置換基を有するヘテロ原子ならば、特に限定されることはなく、例えば、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、窒素原子、リン原子、または砒素原子などのヘテロ原子に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のアルキルカルボニル基、置換もしくは無置換のアラルキルカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールカルボニル基などが置換したものが挙げられる。また、Qで示される置換基としては、水素原子、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリルなどの直鎖もしくは分岐のアルキルシリル基が挙げられる。
好ましい求核剤は、下記式(7)で示される。
Figure 0004407191
(式中、Rは、水素原子、直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、直鎖、分岐もしくは環状のアルキルカルボニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアラルキルカルボニル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のアリールカルボニル基を意味する。)
Rで示される基の具体例としては、例えば、水素原子、メチル、エチル、イソプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどの直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、ベンジル、3−ブロモベンジル、4−メトキシベンジルなどの置換もしくは無置換のアラルキル基、フェニル、トリル、4−フルオロフェニル、2−アリルオキシフェニルなどの置換もしくは無置換のアリール基、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ピバロイルなどの直鎖もしくは分岐のアルキルカルボニル基、フェニルアセチル、2−ブロモフェニルアセチルなどの置換もしくは無置換のアラルキルカルボニル基、ベンゾイル、2,4,6−トリメチルベンゾイル、4−フェニルベンゾイルなどの置換もしくは無置換のアリールカルボニル基が挙げられる。
求核剤の使用量は、光学活性エピハロヒドリン(1)に対して0.5〜2.0当量、好ましくは0.8〜1.2当量である。
本反応を行う際に使用される溶媒としては、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルなどのエーテル系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンなどの塩素系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、アセトン、2−ブタノンなどのケトン系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルなどの非プロトン性極性溶媒、またはこれらの混合溶媒などが挙げられ、好ましくはテトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテルなどのエーテル系溶媒である。これらの溶媒の使用量は特に制限はない。また、本反応は無溶媒でも行うことが可能である。
本反応は、−80℃〜溶媒の還流温度の範囲で行なわれ、好ましくは−50〜50℃、さらに好ましくは0〜30℃で行なわれる。また、常圧でも加圧下でもよい。
反応終了後、反応液は特に処理を施さないで次の工程に使用できる。また、抽出、水洗操作後、過剰の溶媒を減圧下留去し、残渣を蒸留、再結晶、シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどの精製処理を施すことにより、目的物である光学活性1−ハロゲノ−2−ヒドロキシプロピル化合物(4)を得ることもできる。
次に、前工程で得られた光学活性1−ハロゲノ−2−ヒドロキシプロピル化合物(4)を、塩基試剤存在下、閉環反応に付し、光学活性グリシジル化合物(5)を得る工程について説明する。
使用できる塩基試剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムベンジルオキシド、ナトリウムフェノキシド、カリウムtert−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの水素化アルカリ金属、ナトリウムアミド、マグネシウムアミドなどのアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属アミド、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンなどのアミン類が挙げられる。ただし、置換基Nu中にカルボニル基を含む式(4)で示される化合物については、加水分解されるため前掲のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物は使用できない。
塩基試剤の使用量は、光学活性1−ハロゲノ−2−ヒドロキシプロピル化合物(4)に対して1当量以上であり、好ましくは1.1〜2.0当量である。
なお、塩基試剤の単独使用で本反応を進行させることが充分に可能であるが、4−ジメチルアミノピリジン、15−クラウン−5、18−クラウン−6などのクラウンエーテル、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウムなどのヨウ化アルカリ金属塩、臭化ナトリウム、臭化カリウムなどの臭化アルカリ金属塩などの試薬を0.1〜10モル%量添加すると反応が促進される。
本反応に使用できる溶媒は水溶性溶媒と非水溶性溶媒とに分けられ、水溶性溶媒としては、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルなどの非プロトン性極性溶媒、またはこれらの混合溶媒が挙げられ、非水溶性溶媒としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテルなどのエーテル系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンなどの塩素系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素系溶剤、またはこれらの混合溶媒が挙げられる。なお、これらの溶媒の使用量は特に制限はない。
非水溶性溶媒は、塩基性試剤を含む水溶液との二相系溶媒としても反応に使用することもできる。ただし、置換基Nu中にカルボニル基を含む式(4)で示される化合物については、加水分解されるため使用できない。水溶液として調製できる塩基性試剤としては、前掲したものの中で、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩が挙げられ、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウムである。また、二相系溶媒中での反応の場合、相関移動触媒を使用すると反応が著しく促進される。使用できる相関移動触媒としては、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド、メチルトリオクチルアンモニウムクロリド、テトラオクチルアンモニウムブロミド、N−ベンジルキニウムクロリドなどの4級アンモニウム塩、テトラブチルホスホニウムクロリド、テトラブチルホスホニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウムクロリド、テトラフェニルホスホニウムブロミド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロリド、ベンジルトリフェニルホスホニウムブロミドなどの4級ホスホニウム塩、12−クラウン−4、15−クラウン−5、18−クラウン−6などのクラウンエーテルが挙げられる。添加量は基質に対して0.1〜10モル%量が好ましい。
本反応は、−80〜50℃の範囲で行なわれる。ただし、非水溶性溶媒と塩基性試剤を含む水溶液との二相系溶媒を使用する場合は、凍結のおそれがあるため、0〜50℃の範囲で好ましく行なわれる。また、本反応は常圧でも加圧下でもよい。
反応終了後、抽出、水洗による分液操作、過剰の溶媒の減圧下留去、そして、残渣の蒸留、再結晶、シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどの精製処理を施すことにより、目的物である光学活性グリシジル化合物(5)を得ることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例において、ガスクロマトグラフィーによる定量分析とは内部標準法(内部標準物質:m−ジメトキシベンゼン)によるガスクロマトグラフィーを用いた生成物量の定量、ガスクロマトグラフィーによる光学純度分析とは光学活性キャピラリーカラム(G−TA/ジーエルサイエンス社製)を用いた光学純度の測定、高速液体クロマトグラフィーによる光学純度分析とは光学活性カラム(CHIRALCEL OD−H/ダイセル社製)を用いた光学純度の測定を意味する。
実施例1
(S)-3−クロロ−1,2−プロパンジオールの製造
N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)エチレンジアミナトコバルト(II)119mg(0.216mmol)とテトラヒドロフラン(以下THFと略記する。)2.0mLの混合液に、(±)−カンファースルホン酸60.3mg(0.260mmol)を加え、系内を空気で満たしつつ室温で1時間撹拌した。続いて、この溶液、すなわちコバルト(III)錯体のTHF溶液に、(S)-エピクロロヒドリン1.00g(10.8mmol,光学純度99%e.e.)、H2O 234μL(13.0mmol)を順次加え、室温で20時間撹拌した。反応終了後、反応液をガスクロマトグラフィーにて定量分析および光学純度分析した結果、標題の(S)-3−クロロ−1,2−プロパンジオールの生成量は1.14g(収率95.4%)であり、そして光学純度は99%e.e.であった。
実施例2
(R)-3−クロロ−1,2−プロパンジオールの製造
N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)エチレンジアミナトコバルト(II)119mg(0.216mmol)とテトラヒドロフラン2.0mLの混合液に、(±)−カンファースルホン酸60.3mg(0.260mmol)を加え、系内を空気で満たしつつ室温で1時間撹拌した。続いて、この溶液(コバルト(III)錯体のTHF溶液)に、(R)-エピクロロヒドリン1.00g(10.8mmol,光学純度99%e.e.)およびH2O 234μL(13.0mmol)を順次加え、室温で20時間撹拌した。反応終了後、反応液をガスクロマトグラフィーにて定量分析および光学純度分析した結果、標題の(R)-3−クロロ−1,2−プロパンジオールの生成量は1.12g(収率93.7%)であり、そして光学純度は99%e.e.であった。
実施例3
(R)-グリシジルフェニルエーテルの製造
N,N’−ジサリチリデンエチレンジアミナトコバルト(II)173mg(0.532mmol)とジクロロメタン13mLの混合液に、(±)−カンファースルホン酸148mg(0.638mmol)を加えて系内を空気で満たしつつ室温で1時間撹拌した後、反応液を減圧下濃縮乾固して黒褐色の粗コバルト(III)錯体を得た。続いて、tert−ブチルメチルエーテル5.0mLを加えて粗コバルト(III)錯体を分散させた後、(S)-エピクロロヒドリン2.50mL(31.9mmol,光学純度99%e.e.)およびフェノール2.50g(26.6mmol)を順次加え、窒素ガス雰囲気下、室温で24時間撹拌した。反応終了後、反応液にtert−ブチルメチルエーテル20mLを加えて希釈し、6%水酸化ナトリウム水10mL、飽和食塩水10mLにて順次洗浄し、有機層を減圧下濃縮して粗(S)-1−クロロ−3−フェノキシ−2−プロパノール5.75gを得た。
上記の粗(S)-1−クロロ−3−フェノキシ−2−プロパノール5.75gをイソプロパノール10mLに溶解し、氷冷下24%水酸化ナトリウム水6.64g(39.8mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応終了後、反応液にtert−ブチルメチルエーテル50mLを加えて希釈し、水20mL、飽和塩化アンモニウム水20mL、飽和食塩水20mLにて順次洗浄し、有機層を減圧下濃縮して粗(R)-グリシジルフェニルエーテル3.96gを得た。ガスクロマトグラフィーにて定量分析した結果、標題の(R)-グリシジルフェニルエーテルの生成量は3.80g(収率95.4%)であり、そして高速液体クロマトグラフィーにて光学純度分析した結果、光学純度は99%e.e.であった。
実施例4
(S)-グリシジルフェニルエーテルの製造
N,N’−ジサリチリデンエチレンジアミナトコバルト(II)173mg(0.532mmol)とジクロロメタン13mLの混合液に、(±)−カンファースルホン酸148mg(0.638mmol)を加えて系内を空気で満たしつつ室温で1時間撹拌した後、反応液を減圧下濃縮乾固して黒褐色の粗コバルト(III)錯体を得た。続いて、tert−ブチルメチルエーテル5.0mLを加えて粗コバルト(III)錯体を分散させた後、(R)-エピクロロヒドリン2.50mL(31.9mmol,光学純度99%e.e.)およびフェノール2.50g(26.6mmol)を順次加え、窒素ガス雰囲気下、室温で24時間撹拌した。反応終了後、反応液にtert−ブチルメチルエーテル20mLを加えて希釈し、6%水酸化ナトリウム水10mL、飽和食塩水10mLにて順次洗浄し、有機層を減圧下濃縮して粗(R)-1−クロロ−3−フェノキシ−2−プロパノール5.44gを得た。
上記の粗(R)-1−クロロ−3−フェノキシ−2−プロパノール5.44gをイソプロパノール10mLに溶解し、氷冷下24%水酸化ナトリウム水6.64g(39.8mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応終了後、反応液にtert−ブチルメチルエーテル50mLを加えて希釈し、水20mL、飽和塩化アンモニウム水20mL、飽和食塩水20mLにて順次洗浄し、有機層を減圧下濃縮して粗(S)-グリシジルフェニルエーテル3.80gを得た。ガスクロマトグラフィーにて定量分析した結果、標題の(S)-グリシジルフェニルエーテルの生成量は3.71g(収率93.0%)であり、そして高速液体クロマトグラフィーにて光学純度分析した結果、光学純度は99%e.e.であった。
実施例5
(R)-グリシジルフェニルエーテルの製造
N,N’−ジサリチリデンエチレンジアミナトコバルト(II)138mg(0.425mmol)とジクロロメタン10mLの混合液に、メタンスルホン酸33μL(0.510mmol)を加えて系内を空気で満たしつつ室温で1時間攪拌した後、反応液を減圧下濃縮乾固して黒褐色の粗コバルト(III)錯体を得た。続いて、tert−ブチルメチルエーテル4.0mLを加えて粗コバルト(III)錯体を分散させた後、(S)-エピクロロヒドリン2.00mL(25.5mmol,光学純度99%e.e.)そしてフェノール2.00g(21.3mmol)を順次加え、窒素ガス雰囲気下、室温で24時間攪拌した。反応終了後、反応液にtert−ブチルメチルエーテル20mLを加えて希釈し、6%水酸化ナトリウム水10mL、飽和食塩水10mLにて順次洗浄し、有機層を減圧下濃縮して粗(S)-1−クロロ−3−フェノキシ−2−プロパノール4.85gを得た。
上記の粗(S)-1−クロロ−3−フェノキシ−2−プロパノール4.85gをイソプロパノール10mLに溶解し、氷冷下24%水酸化ナトリウム水4.50g(25.5mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応終了後、反応液にtert−ブチルメチルエーテル50mLを加えて希釈し、水20mL、飽和塩化アンモニウム水20mL、飽和食塩水20mLにて順次洗浄し、有機層を減圧下濃縮して粗(R)-グリシジルフェニルエーテル3.24gを得た。ガスクロマトグラフィーにて定量分析した結果、標題の(R)-グリシジルフェニルエーテルの生成量は3.07g(収率96.1%)であり、そして高速液体クロマトグラフィーにて光学純度分析した結果、光学純度は99%e.e.であった。
実施例6
(R)-グリシジルメチルエーテルの製造
N,N’−ジサリチリデンエチレンジアミナトコバルト(II)70.2mg(0.216mmol)とジクロロメタン5.0mLの混合液に、(±)−カンファースルホン酸60.3mg(0.260mmol)を加えて系内を空気で満たしつつ室温で1時間撹拌した後、反応液を減圧下濃縮乾固して黒褐色の粗コバルト(III)錯体を得た。続いて、tert−ブチルメチルエーテル2.0mLを加えて粗コバルト(III)錯体を分散させた後、(S)-エピクロロヒドリン1.0g(10.8mmol,光学純度99%e.e.)およびメタノール527μL(13.0mmol)を順次加え、窒素ガス雰囲気下、室温で72時間撹拌した。反応終了後、反応液にtert−ブチルメチルエーテル20mLを加えて希釈し、6%水酸化ナトリウム水10mL、飽和食塩水10mLにて順次洗浄し、有機層を減圧下濃縮して粗(S)-1−クロロ−3−メトキシ−2−プロパノール1.54gを得た。
上記の粗(S)-1−クロロ−3−メトキシ−2−プロパノール1.54gをイソプロパノール5.0mLに溶解し、氷冷下24%水酸化ナトリウム水2.70g(16.2mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応終了後、反応液にtert−ブチルメチルエーテル20mLを加えて希釈し、水10mL、飽和塩化アンモニウム水10mL、飽和食塩水10mLにて順次洗浄し、有機層を減圧下濃縮して粗(R)-グリシジルメチルエーテル2.90gを得た。ガスクロマトグラフィーにて定量分析した結果、標題の(R)-グリシジルメチルエーテルの生成量は0.763g(収率80.2%)であり、そして高速液体クロマトグラフィーにて光学純度分析した結果、光学純度は99%e.e.であった。
実施例7
(R)-グリシジルアセテートの製造
N,N’−ジサリチリデンエチレンジアミナトコバルト(II)70.2mg(0.216mmol)とジクロロメタン5.0mLの混合液に、トリフルオロメタンスルホン酸23μL(0.260mmol)を加えて系内を空気で満たしつつ室温で1時間撹拌した後、反応液を減圧下濃縮乾固して黒褐色の粗コバルト(III)錯体を得た。続いて、tert−ブチルメチルエーテル2.0mLを加えて粗コバルト(III)錯体を分散させた後、(S)-エピクロロヒドリン1.0g(10.8mmol,光学純度99%e.e.)および酢酸742μL(13.0mmol)を順次加え、窒素ガス雰囲気下、室温で48時間撹拌した。反応終了後、反応液にtert−ブチルメチルエーテル8.0mLを加えて希釈し、氷冷下カリウムtert−ブトキシド1.46g(13.0mmol)を加え、1時間撹拌した。反応終了後、塩化アンモニウム116mg(2.16mmol)を加えて30分間撹拌し、沈殿物をろ過、ろ液を減圧下濃縮して粗(R)−グリシジルアセテート1.38gを得た。ガスクロマトグラフィーにて定量分析した結果、標題の(R)-グリシジルアセテートの生成量は0.795g(収率63.4%)であり、そしてガスクロマトグラフィーにて光学純度分析した結果、光学純度は99%e.e.であった。
実施例8
(R)-グリシジルアセテートの製造
N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)エチレンジアミナトコバルト(II)119mg(0.216mmol)とジクロロメタン5.0mLの混合液に、トリフルオロメタンスルホン酸23μL(0.260mmol)を加えて系内を空気で満たしつつ室温で1時間撹拌した後、反応液を減圧下濃縮乾固して黒緑色の粗コバルト(III)錯体を得た。続いて、tert−ブチルメチルエーテル2.0mLを加えて粗コバルト(III)錯体を分散させた後、(S)−エピクロロヒドリン1.0g(10.8mmol,光学純度99%e.e.)および酢酸742μL(13.0mmol)を順次加え、窒素ガス雰囲気下、室温で24時間撹拌した。反応終了後、反応液にtert−ブチルメチルエーテル8.0mLを加えて希釈し、氷冷下カリウムtert−ブトキシド1.46g(13.0mmol)を加え、1時間撹拌した。反応終了後、塩化アンモニウム116mg(2.16mmol)を加えて30分間撹拌し、沈殿物をろ過、ろ液を減圧下濃縮して粗(R)-グリシジルアセテート1.36gを得た。ガスクロマトグラフィーにて定量分析した結果、標題の(R)−グリシジルアセテートの生成量は0.802g(収率63.9%)、ガスクロマトグラフィーにて光学純度分析した結果、光学純度は99%e.e.であった。
実施例9
(S)-3−クロロ−1,2−プロパンジオール 1−(n−ブチレート)の製造
N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)エチレンジアミナトコバルト(II)1.49g(2.70mmol)とn−酪酸52.4g(0.594mol)の混合液を、系内を空気で満たしつつ、50℃に加熱下、1時間撹拌した。続いて、この溶液、すなわちコバルト(III)錯体のn−酪酸溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン6.89g(54.0mmol)およびS−エピクロロヒドリン50.0g(0.540mol,光学純度99%e.e.)を順次加え、室温で24時間撹拌した。反応終了後、反応液を減圧下蒸留して標題の(S)−3−クロロ−1,2−プロパンジオール 1−(n−ブチレート)80.0g(収率82.0%)を得た。高速液体クロマトグラフィーにて光学純度分析した結果、光学純度は99%e.e.であった。
実施例10
(R)-グリシジル n−ブチレートの製造
実施例9で得られた(S)−3−クロロ−1,2−プロパンジオール 1−(n−ブチレート)50.0g(0.277mol,光学純度99%e.e.)を、1,2−ジクロロエタン200mLに溶解し、氷冷下カリウムtert−ブトキシド32.6g(0.291mol)を加え、1時間撹拌した。反応終了後、反応液を分液ロートに移して水200mLにて2回洗浄し、有機層を減圧下濃縮した。得られた粗油を減圧下蒸留して標題の(R)−グリシジル n−ブチレート28.7g(収率72.0%)を得た。高速液体クロマトグラフィーにて光学純度分析した結果、光学純度は99%e.e.であった。

Claims (8)

  1. 下記式(1)
    Figure 0004407191
    (式中、Xはハロゲン原子を意味する。)
    で表される光学活性エピハロヒドリンに、下記式(2)
    Figure 0004407191
    (式中、nは0、1または2の整数を意味し、Y1、Y2およびY3は、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、アシル基、またはアルコキシカルボニル基を意味し、また、Y1とY2、あるいはY2とY3は、互いに一緒になり、それらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよく、Aは対イオンを意味し、そしてMはコバルトイオンを意味する。)
    で表される金属錯体触媒存在下、下記式(3)
    Figure 0004407191
    (式中、Nuは置換基を有するヘテロ原子を意味し、そしてQは水素原子または置換基を有するケイ素原子を意味する。)
    で表される求核剤を反応させて、下記式(4)
    Figure 0004407191
    (式中、XおよびNuは前掲と同じものを意味する。)
    で表される光学活性1−ハロゲノ−2−ヒドロキシプロピル化合物を位置選択的に製造する方法。
  2. 下記式(1)
    Figure 0004407191
    (式中、Xは、前掲と同じものを意味する。)
    で表される光学活性エピハロヒドリンに、下記式(2)
    Figure 0004407191
    (式中、n、Y1、Y2、Y3、AおよびMは、前掲と同じものを意味する。)
    で表される金属錯体触媒下、下記式(3)
    Figure 0004407191
    (式中、NuおよびQは前掲と同じものを意味する。)
    で表される求核剤を反応させ、下記式(4)
    Figure 0004407191
    (式中、XおよびNuは前掲と同じものを意味する。)
    で表される光学活性1−ハロゲノ−2−ヒドロキシプロピル化合物を位置選択的に製造し、続いで塩基性試剤を作用させ、下記式(5)
    Figure 0004407191
    (式中、Nuは、前掲と同じものを意味する。)
    で表される光学活性グリシジル化合物を製造する方法。
  3. Xで示されるハロゲン原子が、塩素原子または臭素原子である請求項1または2に記載の製造法。
  4. 式(2)で示される金属錯体触媒が、下記式(6)で示されるものである請求項1〜3のいずれかに記載の製造法。
    Figure 0004407191
    (式中、nは0、1または2の整数を意味し、Z1、Z2、Z3およびZ4は、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換もしくは無置換の直鎖アルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のアルキルオキシ基、置換もしくは無置換のアラルキルオキシ基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基を意味し、また、Z1とZ2、Z2とZ3、あるいはZ3とZ4は、互いに一緒になり、それらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよく、Aは対イオンを意味し、そしてMはコバルトイオンを意味する。)
  5. 式(3)で示される求核剤が、下記式(7)で示されるものである請求項1〜4のいずれかに記載の製造法。
    Figure 0004407191
    (式中、Rは、水素原子、直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、直鎖、分岐もしくは環状のアルキルカルボニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアラルキルカルボニル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のアリールカルボニル基を意味する。)
  6. 式(2)または(6)で示される金属錯体触媒において、対イオンAがアセテート、n−ブチレート、(±)−カンファースルホネート、メタンスルホネート、p−トルエンスルホネートまたはトリフルオロメタンスルホネートである請求項1〜5のいずれかに記載の製造法。
  7. 光学活性エピハロヒドリン(1)を光学活性1−ハロゲノ−2−ヒドロキシプロピル化合物(4)へ誘導する反応において、エーテル系溶媒中で反応させることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の製造法。
  8. 式(6)で示される金属錯体触媒において、nが0である請求項4〜7のいずれかに記載の製造法。
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