JP4407122B2 - インク組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インク組成物、特には、インクジェット記録用専用紙への印刷に適した水性顔料インク組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方法は、インク小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う印刷方法である。近年のインクジェット記録技術の革新的な進歩により、これまで銀塩写真やオフセット印刷によって実現されてきた高精細印刷と同程度またはそれ以上の画像が、インクジェット記録方法により実現可能となってきている。このような高品質の画像を実現するため、銀塩写真やオフセット印刷の分野で用いられてきた印画紙やアート紙等に匹敵する、高光沢性を有するインクジェット記録媒体が開発されてきている。このような高光沢の記録媒体としては、紙やフィルム等の基材上に、シリカ等の多孔質顔料を含有するインク受容層を設けたものが主に用いられている。
【0003】
また、上記のような高光沢の記録媒体に文字や画像を記録する際に用いられるインクとしては、水を主成分とし、これに色材、樹脂エマルジョンおよびその他の各種添加剤を含有させた水系インクが一般的である。色材としては、染料または顔料を用いることができるが、耐光性、耐ガス性、耐水性、および耐湿性等の耐候性の点で顔料が優れている。よって、近年は、顔料の特性を活かした顔料インクの開発が進められている。また、記録媒体への顔料の定着性を向上させるために樹脂エマルジョンを含有する水系顔料インクが使用されている。
【0004】
前記のようなインク受容層を有する記録媒体と、前記のような樹脂エマルジョンを含む顔料インク組成物とを組み合わせて用いることにより、良好な耐擦性や耐スクラッチ性が得られる。すなわち、インク組成物が記録媒体に印字されると、インク受容層が溶剤成分を吸収し、顔料粒子や樹脂エマルジョンのポリマー微粒子が記録媒体表面上に残留する。記録媒体の表面上では、溶剤成分が減少するのでポリマー微粒子の密度が上昇し、ポリマー微粒子による造膜反応が進行して膜が形成され、その膜によって顔料が記録媒体表面に定着されるからである。
【0005】
また、水溶性樹脂を含有するインク組成物も提案されている。例えば、特開平4−18467号公報(特許文献1)には、水性媒体中に特定カーボンブラックと酸価が100以上で重量平均分子量3,000〜7,000の水溶性樹脂とを含有する水性インクが開示されている。この水性インクは、長期保存しても沈殿物が発生しにくいという利点を有するとされている。また、特開平7−70254号公報(特許文献2)には、ポリビニルアルコールの存在下に、エチレン性不飽和カルボン酸単量体21〜99重量%とその他の単量体とを共重合して得られる高酸価の共重合体を塩基性化合物により中和して得られる水溶性樹脂が記載されている。
【0006】
更に、記録媒体への定着性や耐水性の向上を主な目的として各種のワックスを含有させたインク組成物も知られている。例えば、特開平4−370166号公報(特許文献3)には、顔料とポリビニルピロリドンとワックスとを含む水性インク組成物が記載されている。この水性インク組成物は、記録媒体への印字後に、ワックスの融点または軟化点以上の温度での熱処理を行うことが必要になる。
【0007】
インクジェット記録方法にようる画像品質への要求は依然として高く、さらに高品質の画像を実現可能なインクジェット記録用インク組成物への希求が存在していると言える。
【0008】
【特許文献1】
特開平4−18467号公報
【特許文献2】
特開平7−70254号公報
【特許文献3】
特開平4−370166号公報
【0009】
【発明の概要】
本発明者は、今般、特定の共重合体と、ワックスまたは樹脂エマルジョンとをともに含んでなるインク組成物によれば、良好なインク組成物に求められている種々の特性(例えば、吐出安定性、保存安定性、耐候性および発色性)を有し、かつ記録媒体、とりわけ専用紙に対する耐擦性や耐スクラッチ性とに優れたを画像が実現できるとの知見を得た。本発明は、かかる知見に基づくものである。
【0010】
従って、本発明は、良好なインク組成物に求められている種々の特性(例えば、吐出安定性、保存安定性、耐候性および発色性)を有し、かつ記録媒体、とりわけ専用紙に対する耐擦性や耐スクラッチ性とに優れた画像が実現できるインク組成物の提供をその目的としている。
そして、本発明によるインク組成物は、アルカリ可溶性共重合体と、水と、着色剤と、ワックスとを含んでなるインク組成物であって、前記アルカリ可溶性共重合体が、エチレン性不飽和カルボン酸単量体と、これと共重合可能なその他の単量体とを、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物または共重合性界面活性剤の存在下で重合して得られる、酸価が40以下の共重合体であり、無機塩基によって水溶解性にpHを調整されたものである。
【0011】
【発明の具体的説明】
アルカリ可溶性共重合体
本発明によりインク組成物は、アルカリ可溶性共重合体を含有し、この共重合体はエチレン性不飽和カルボン酸単量体と、これと共重合可能なその他の単量体とを、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物または共重合性界面活性剤の存在下で重合して得られる、酸価が40以下の共重合体であり、無機塩基によって水溶解性にpHを調整されたものである。
【0012】
本発明においてアルカリ可溶性共重合体の酸価は40以下であるが、好ましくは10〜40であり、より好ましくは30〜40の範囲である。酸価が上記範囲にあることで、良好な画像品質に加え、耐擦性、耐スクラッチ性に優れた画像が実現できる。とりわけ後記するようなインクジェット記録専用紙において、上記効果を高い次元で実現する。
【0013】
本発明においてアルカリ可溶性共重合体の重量平均分子量は特に限定されないが、好ましくは8,000以上、より好ましくは9,000〜100,000、更に好ましくは10,000〜50,000である。分子量が上記範囲にあることで、樹脂としての取り扱いが容易で、かつ上記した効果が高い次元で実現される。とりわけ、耐擦性の観点からは分子量8,000以上が好ましい。
【0014】
本発明においてアルカリ可溶性共重合体のガラス転移温度は特に限定されないが、好ましくは5〜50℃、より好ましくは20〜40℃である。ガラス転移温度がこの範囲にあると、耐折り曲げ性および耐ブロッキング性にも優れた画像が得られる。なお、本発明においてアルカリ可溶性共重合体のガラス転移温度が多少高くなっても、本発明のインク組成物の成膜温度は、一般に低いまま維持される。
【0015】
本発明においてアルカリ可溶性共重合体は、水溶性樹脂の形態、樹脂エマルジョンの形態、あるいはポリマー微粒子の形態のいずれの形態でも、インク組成物に添加することができる。
【0016】
本発明によるインク組成物において、アルカリ可溶性共重合体は、通常、水溶液の状態でインク組成物に添加される。この場合の水溶液の固形分濃度は、通常、1〜40重量%、好ましくは20〜30重量%である。この水溶液は、後述するインク組成物の水溶性有機溶媒を含有していてもよい。また、樹脂エマルジョンまたはポリマー微粒子の形態で用いる場合も、固形分濃度は、通常、1〜40重量%、好ましくは20〜30重量%であり、樹脂エマルジョンは水系エマルジョンの状態で使用することができる。
【0017】
本発明においてアルカリ可溶性共重合体は、上記水溶液の状態でpHが8〜11を示すものであることが好ましく、pHが9〜11を示すものであることがより好ましい。pHが上記範囲にあることで、特に吐出安定性と分散安定性とに優れたインク組成物が実現出来る。
【0018】
さらに、本発明によるインク組成物のpHもまた、上記アルカリ可溶性共重合体の水溶液とほぼ同一のpH であることが好ましい。
【0019】
本発明によるインク組成物において、アルカリ可溶性共重合体の添加量は、インク組成物の全重量に対して、固形分濃度として、0.01〜1重量%程度が好ましく、より好ましくは0.1〜0.5重量%程度である。
【0020】
また、着色剤との関係において、アルカリ可溶性共重合体の添加量は、着色剤100重量部に対して、好ましくは2〜200重量部、より好ましくは5〜150重量部、特に好ましくは10〜100重量部である。
【0021】
アルカリ可溶性共重合体を構成するエチレン性不飽和カルボン酸単量体は、特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のエチレン性不飽和モノカルボン酸単量体;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ブテントリカルボン酸等のエチレン性不飽和多価カルボン酸単量体;フマル酸モノブチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノ−2−ヒドロキシプロピル等のエチレン性不飽和多価カルボン酸の部分エステル単量体;無水マレイン酸、無水シトラコン酸等の多価カルボン酸無水物;などを利用することができる。これらの単量体は、単独または2種類以上を組み合わせて使用することができる。(メタ)アクリル酸等のエチレン性不飽和モノカルボン酸の使用が好ましく、メタクリル酸がより好ましい。
【0022】
アルカリ可溶性共重合体を構成する、エチレン性不飽和カルボン酸単量体と共重合可能なその他の単量体は、特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン等の芳香族ビニル単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル等のエチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体;(メタ)アクリルニトリル等のエチレン性不飽和ニトリル単量体;アリルグリシジルエーテル等のエチレン性不飽和グリシジルエーテル単量体;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のエチレン性不飽和アミド単量体;1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン等の共役ジエン単量体;酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル等が挙げられる。これらの単量体は単独でまたは2種以上を組合せて用いることができる。中でも、得られた画像の耐光性および光沢性に優れる点で、エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体が好ましく、メタアクリル酸メチルおよびアクリル酸エチルがより好ましい。
【0023】
エチレン性不飽和カルボン酸単量体と、その他の単量体の存在比は、適宜決定されてよいが、エチレン性不飽和カルボン酸単量体の量がアルカリ可溶性共重合体の酸価の決定に大きく寄与することから、40以下の酸価を実現するよう決定されてよい。
【0024】
アルカリ可溶性共重合体は、上記した単量体混合物を、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物または共重合性界面活性剤の存在下に重合することによって得ることができる。
【0025】
アルカリ可溶性共重合体の製造にアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物を用いる場合、これと単量体混合物とを、好ましくは水媒体中でに重合する。アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物と、単量体混合物とは、重合開始前に反応器に一括して全量を添加するか、または重合開始前には一部分を装入し、重合開始後に残りの部分を分割的に少しずつ添加するか、あるいは残りの部分を連続的に添加することができる。分割添加あるいは連続添加する場合、添加量は均等にあるいは一定にすることもでき、重合の進行段階に応じて変えることもできる。
【0026】
また、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物と単量体混合物とは、それぞれ別々に添加しても、水を混合して得られる分散化物の形態で添加してもよい。アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物と単量体とを別々に添加する場合は、両者の添加をほぼ同時に開始するのが望ましい。単量体混合物のみが先に多量に添加されると凝集物が発生しやすく、逆に、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物のみが先に多量に添加されると重合系が増粘したり、または凝集物が発生しやすくなることが場合によりあり、これを避けるためである。両者の添加終了は、必ずしも同時である必要はないがほぼ同時であることが望ましい。
【0027】
本発明の好ましい態様によれば、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物を単量体混合物および水と混合して分散化して、重合開始後に反応器に添加する方法が、アルカリ可溶性共重合体の高分子鎖におけるエチレン性不飽和酸単量体の連鎖分布が均一になることから好ましい。
【0028】
本発明において、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物とは、水溶性高分子化合物のうち、好ましくは、分子量1000当りアルコール性水酸基を5〜25個含有している化合物をいう。その具体例としては、ポリビニルアルコールおよびその各種変性物などのビニルアルコール系重合体;酢酸ビニルとアクリル酸、メタクリル酸または無水マレイン酸との共重合体のけん化物;アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、アルキルヒドロキシアルキルセルロースなどのセルロース誘導体;アルキル澱粉、カルボキシルメチル澱粉、酸化澱粉などの澱粉誘導体;アラビアゴム、トラガントゴム;ポリアルキレングリコールなどが挙られる。特に、工業的に品質が安定したものを入手しやすい点から、ビニルアルコール系重合体の利用が好ましい。
【0029】
アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物の重量平均分子量は、特に限定されないが、通常1,000〜500,000であり、好ましくはその下限が2,000であり、その上限が300,000である。分子量が上記範囲にあることで、良好な分散安定効果が得られ、また重合時の粘度を重合に適切な範囲に維持できる。
【0030】
アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物の量は、単量体100重量部に対して、通常、0.05重量部〜20重量部程度であり、好ましくはその下限が1重量%であり、その上限が10重量部である。上記範囲にあることで、良好な分散安定効果が得られ、凝集物の発生が効果的に抑制され、また重合時の粘度を重合に適切な範囲に維持できる。
【0031】
なお、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物を用いた製造にあたり、乳化重合において通常使用される界面活性剤を併用しなくともよいが、併用する場合には、界面活性剤の量はアルカリ可溶性共重合体の合成に使用する全単量体の100重量部に対して0.05重量部未満とするのが好ましい。過剰な界面活性剤の使用は、画像の耐水性を低下させることがあるため避けることが好ましい。
【0032】
アルカリ可溶性共重合体は、エチレン性不飽和カルボン酸単量体およびこれと共重合可能なその他の単量体を、共重合性界面活性剤を用いた、重合(好ましくは乳化重合)により製造することができる。
【0033】
本発明において共重合性界面活性剤とは、その分子中に1個以上の重合可能なビニル基を有する界面活性剤である。その具体例としては、プロペニル−2−エチルヘキシルスルホコハク酸エステルナトリウム、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレン硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンエステル燐酸エステルなどのアニオン性重合性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルベンゼンエーテル(メタ)アクリル酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(メタ)アクリル酸エステルなどのノニオン性重合性界面活性剤などが挙げられる。これらの共重合性界面活性剤のうち、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルエーテル硫酸アンモニウム塩は、単量体の乳化分散性能および単量体との共重合性のバランスが優れているので好適である。
【0034】
共重合性界面活性剤の量は、アルカリ可溶性共重合体の合成に使用する全単量体100重量部に対して、通常、0.01〜5.0重量部、好ましくは、0.05〜5.0重量部、更に好ましくは0.1〜3.0重量部である。上記範囲にあることで、重合時に多量の凝集物が発生することおよび泡立ちを有効に防止でき、良好な製造を行うことが出来る。
なお、共重合性界面活性剤を用いた製造にあたり、非重合性界面活性剤を併用しないことが好ましいが、非重合性界面活性剤を併用する場合は、非重合性界面活性剤の量はアルカリ可溶性共重合体の合成に使用する全単量体の100重量部に対して、通常、0.05重量部未満である。過剰な界面活性剤の使用は、画像の耐水性を低下させることがあるため避けることが好ましい。
【0035】
上記重合反応において重合開始剤は、特に限定されない。具体例としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過リン酸カリウム、過酸化水素等の無機過酸化物;ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、ペンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル等のアゾ化合物等を挙げることができる。これらの重合開始剤は、それぞれ単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。なかでも、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩が好ましい。
【0036】
重合開始剤の使用量は、その種類によって異なるが、アルカリ可溶性共重合体の水分散液の製造で使用する全単量体混合物100重量部に対して、好ましくは0.5〜5重量部、より好ましくは0.8〜4重量部である。
【0037】
また、これらの重合開始剤は還元剤との組み合わせで、レドックス系重合開始剤として使用することもできる。レドックス系重合開始剤の還元剤は特に限定されず、その具体例としては、硫酸第一鉄、ナフテン酸第一銅等の還元状態にある金属イオンを含有する化合物;メタンスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸化合物;ジメチルアニリン等のアミン化合物;などが挙げられる。これらの還元剤は単独でまたは2種以上を組合せて用いることができる。還元剤の使用量は、還元剤によって異なるが、重合開始剤1重量部に対して0.03〜10重量部であることが好ましい。
【0038】
本発明の好ましい態様によれば、アルカリ可溶性共重合体の重量平均分子量を調節するためには、必要に応じて連鎖移動剤を重合時に使用することができる。連鎖移動剤としては、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカブタンなどのメルカプタン類;α−メチルスチレンダイマー;ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィドなどのスルフィド類;2−メチル−3−ブチンニトリル、3−ペンテンニトリルなどのニトリル化合物;チオグリコール酸メチル、チオグリコール酸プロピル、チオグリコール酸オクチルなどのチオグリコール酸エステル;β−メルカプトプロピオン酸メチル、β−メルカプトプロピオン酸オクチルなどのβ−メルカプトプロピオン酸エステル;等があり、これらは単独または二種以上で使用できる。これら連鎖移動剤のうちチオグリコール酸エステルが好ましく、チオグリコール酸オクチルがより好ましい。
【0039】
連鎖移動剤を使用する場合、その添加量は、中和後の粘度および分子量の制御の観点から、アルカリ可溶性共重合体の製造に使用する単量体100重量部に対して、通常、0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜4重量部である。連鎖移動剤の添加方法は、特に限定されず、全量を一括して添加しても、少量ずつ断続的にまたは連続杓に重合系に添加してもよい。
【0040】
アルカリ可溶性共重合体を製造する時の重合温度は、通常、0〜100℃、好ましくは30〜90℃である。重合転化率は、通常90重量%以上、好ましくは95重量%以上である。
【0041】
本発明において、アルカリ可溶性共重合体の中和物における中和度(エチレン性不飽和カルボン酸単量体のモル当量に対する無機塩基のモル当量)は、特に限定されないが、その中和度は通常70%以上、好ましくは95%以上である。
【0042】
アルカリ可溶性共重合体を中和するために用いる無機塩基は、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物を挙げることができ、これらを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの無機塩基のうち、水酸化ナトリウムが好適である。前記無機塩基として、アンモニアを用いることもできるが、インクの経時安定性(例えば、pHの低下)および吐出安定性においては、上記金属塩の量が好ましい。
【0043】
本発明においてアルカリ可溶性共重合体としては、上述したもののなかでも、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物の存在下で重合して得られるものが、pH調整樹脂組成物を長期貯蔵した際に、粘度変化しにくく、その網点再現性により優れる点で、好ましい。
【0044】
ワックス
本発明によるインク組成物はワックスを含み、このワックスは水溶性、難溶性のいずれであってもよい。水溶性ワックスとしては、水酸基、カルボキシル基、エチレンオキサイド基、アミン基等の親水基を有すワックス、難溶性ワックスとしては、主として、ワックスエマルジョンとして使用することが好ましい。具体的には、カルナバワツクス、キャンデリワックス、みつろう、ライスワックス、ラノリン等の植物、動物系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ペトロラタム等の石油系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト等の鉱物系ワックス、カーボンワックス、へキストワックス、ポリエチレンワックス、ステアリン酸アミド等の合成ワックス類、αオレフイン・無水マレイン酸共重合体等の天然・合成ワックスエマルジョンや配合ワックス等が単独または複数種を混合して使用できる。好ましいワックスは、ポリアルキレンワックス、特にポリエチレンワックスであり、より好ましくは、ポリアルキレンワックスエマルジョン、特にポリエチレンワックスエマルジョンである。また、その他のラテックス、コロイド溶液、懸濁液等も使用することができる。
【0045】
ワックスは市販されているものを利用することも可能であり、その具体例としてはAQUACER498(パラフィン系ワックス、融点58℃,固形分50%,ビックケミージャパン(株)製)、AQUACER535(混合系ワックス、融点95℃,固形分30%,ビックケミージャパン(株)製)、CERAFLOUR990(ポリエチレン系ワックス、融点105℃,ビックケミージャパン(株)製)などが挙げられる。
【0046】
本発明によるインク組成物において、ワックスの含有量は、インク組成物の全重量に対して、0.01〜1重量%程度が好ましく、より好ましくは0.1〜0.5重量%程度である。
さらに、本発明の別の好ましい態様によれば、アルカリ可溶性共重合体と、ワックスとの重量比が0.5〜3:1の範囲にあることが好ましく、より好ましい下限は0.6であり、より好ましい上限は2である。
【0047】
ワックスはその一態様として樹脂エマルジョンを含んでなる。アルカリ可溶性共重合体が樹脂エマルジョンの形態で添加される場合には、別の種類の樹脂成分のエマルジョンが添加される。
【0048】
本発明の好ましい態様によれば、この樹脂エマルジョンは、ポリアルキレンエマルジョンであることが好ましく、より好ましくは、ポリエチレンエマルジョンまたはポリプロピレンエマルジョンである。
【0049】
また、本発明の別の好ましい態様によれば、ポリアルキレンエマルジョンはマレイン酸または無水マレイン酸により変性されたものであることが好ましい。
【0050】
本発明においてポリアルキレン樹脂は、公知の方法によりエマルジョンの形態として利用できる。
【0051】
本発明によるインク組成物において、樹脂エマルジョンの含有量は、インク組成物の全重量に対して、0.05〜2重量%程度が好ましく、より好ましくは0.2〜1重量%程度である。
【0052】
本発明においてポリアルキレンエマルジョンの好ましい例としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレンとα−オレフィンとの共重合体、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ブチルゴム、ブタジエンゴム、低結晶性エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−ビニルエステル共重合体のエマルジョンが挙げられる。これらのエマルジョンを二種以上用いることも可能である。
【0053】
ポリアルキレンエマルジョンの樹脂成分の平均分子量は通常1000〜50000、好ましくは2000〜20000である。
【0054】
これらポリアルキレン樹脂は、同じ構成単位を有する高分子量ポリアルキレンを熱分解により減成する方法で得られるものでもよく、通常のテロメリゼーション(α−オレフィンを単独または共重合させる)で得られるものでもよい。高分子量ポリオレフィンを熱分解により減成する方法で得られるものが、末端二重結合含量が多い点で好ましい。ポリアルキレン樹脂の二重結合の量に特に制限はないが、その量は炭素数1000個あたり0.5個以上有するものが好ましい。
【0055】
本発明の好ましい態様によれば、変性のための不飽和カルボン酸またはその無水物としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、ケイヒ酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマール酸など;および無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの不飽和カルボン酸無水物が挙げられ、これらの中ではマレイン酸および無水マレイン酸が特に好ましい。
【0056】
不飽和カルボン酸またはその無水物によるポリアルキレンの変性は公知の変性法、例えば加熱反応または有機過酸化物を用いた方法により行うことが出来る。例えば、不活性ガス雰囲気中、ポリアルキレンを芳香族および/または塩素系などの溶剤の存在下または非存在下で、また、ラジカル発生触媒(パーオキシド類たとえばジ−tert−ブチルパーオキシド、tert−ブチルハイドロパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、tert−ブチルパーオキシドベンゾエートなど;アゾニトリル類たとえばアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル、アゾビスイソプロピオニトリルなど)の存在下または非存在下で、通常120〜220℃に加熱溶融もしくは溶解し、不飽和カルボン酸またはその無水物を反応(グラフト)させる。(無水)不飽和カルボン酸単位の重量割合は、適宜決定されてよいが、0.5〜20重量%程度が好ましく、より好ましくは1〜15重量%である。
【0057】
着色剤
本発明において着色剤は、特に限定されないが、例えば、水溶性染料または水不溶性顔料を用いることが出来る。画像の濃度や耐光性および耐水性に優れる点で、水不溶性の顔料の利用が好ましい。
【0058】
本発明において使用可能な顔料としては、無機顔料および有機顔料が挙げられる。無機顔料としては、酸化チタンおよび酸化鉄に加え、コンタクト法、ファーネスト法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。また、有機顔料としては、アゾ染料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。
【0059】
特に黒インクとして使用されるカーボンブラックとしては、三菱化学(株)製のNo.2300,No.900,HCF88,No.33,No.40,No.45,No.52,MA7,MA8,MA100,No2200B等が、コロンビア社製のRaven5750,Raven5250,Raven5000,Raven3500,Raven1255,Raven700等が、キャボット社製のRegal400R,Regal330R,Regal660R,Mogul L,Monarch700,Monarch800,Monarch880,Monarch900,Monarch1000,Monarch1100,Monarch1300,Monarch1400等が、デグッサ社製のColor Black FW1,Color Black FW2,Color Black FW2V,Color Black FW18,Color Black FW200,Color Black S150,Color Black S160,Color Black S170,Printex 35,Printex U,Printex V,Printex 140U,Special Black 6,Special Black 5,SpecialBlack 4A,Special Black 4等が使用できるが、これらに限定されるものではない。
【0060】
イエローインクに使用される顔料としては、C.I.Pigment Yellow 1、2、3、12、13、14C、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、114、128、129、151、154等が挙げられる。
【0061】
また、マゼンタインクに使用される顔料としては、C.I.Pigment Red 5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、123、168、184、202、C.I.Pigment Violet 19等が挙げられる。
【0062】
シアンインクに使用される顔料としては、C.I.Pigment Blue1、2、3、15:3、15:34、16、22、60、C.I.Vat Blue 4、60等が挙げられる。ただし、これらに限定されるものではない。
【0063】
本発明において顔料の粒径は特に限定されないが、10μm以下程度が好ましく、より好ましくは1μm以下、更に好ましくは0.1μm以下である。
【0064】
本発明においてこれらの顔料は、分散剤で水性媒体中に分散させて得られる顔料分散液としてインクに添加されるのが好ましい。本発明において分散剤は特に限定されないが、一般に顔料分散液を調製するのに用いられている分散剤、例えば高分子分散剤や界面活性剤を使用することができる。界面活性剤としては、後記する各種のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
【0065】
高分子分散剤の好ましい例としては天然高分子が挙げられ、その具体例としては、にかわ、ゼラチン、ガゼイン、アルブミンなどのタンパク質類、アラビアゴム、トラガントゴムなどの天然ゴム類、サボニンなどのグルコシド類、アルギン酸およびアルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸トリエタノールアミン、アルギン酸アンモニウムなどのアルギン酸誘導体、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロースなどのセルロース誘導体などが挙げられる。
【0066】
更に、高分子分散剤の好ましい例として合成高分子が挙げられ、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、および酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体およびそれらの塩が挙げられる。
【0067】
これらの中で、特に疎水性基を持つモノマーと親水性基を持つモノマーとの共重合体、および疎水性基と親水性基を分子構造中に併せ持ったモノマーからなる重合体が好ましい。
【0068】
また、本発明の好ましい態様によれば、表面を酸化処理した顔料を用いる。この態様においては、上記の分散剤を用いなくともよい。酸化処理は公知の方法で行うことができる。酸化処理によって、顔料の表面にはカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホン基等の親水性基を導入することができる。顔料としてはカーボンブラックを含め、上記したのものを用いることが出来る。
【0069】
水およびその他の溶媒
本発明のインク組成物は、溶媒として水を含み、更に、水溶性有機溶媒を含むことができる。
【0070】
水溶性有機溶媒の例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、See−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ペンタメチレングリコール、トリメチレングリコール、2−ブチン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−へキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−ピロリドン、グリセリン、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルグリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
【0071】
本発明によるインク組成物において、水溶性有機溶媒の含有量は適宜決定されてよいが、インク組成物の全重量に対して、好ましくは10〜40重量%程度であり、より好ましくは10〜20重量%である。
【0072】
本発明の好ましい態様によれば、インク組成物は更に界面活性剤を含有することができる。本発明において好ましく用いられる界面活性剤は、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、および両性界面活性剤からなる群から選択される1種以上の界面活性剤である。
【0073】
界面活性剤の例としては、アニオン界面活性剤(例えばドデシルベンゼルスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩など)、ノニオン界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミドなど)および、アセチレングリコール等が挙げられる。これらは単独使用または2種以上を併用することができる。
【0074】
本発明のインク組成物は、浸透剤を含有することができる。浸透剤としては、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、グリコールエーテル類、1,2−アルカンジオール類、ポリシロキサン系界面活性剤が挙げられる。
【0075】
アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、または3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オール、2,4−ジメチル−5−ヘキシン−3−オールなどが挙げられる。また、アセチレングリコール系界面活性剤は市販品も利用することができ、例えば、オルフィンE1010、STG、Y(商品名、日信化学社製)、サーフィノール61、104,82,465,485あるいはTG(商品名、Air Products and Chmicals Inc.製)が挙げられる。
アセチレンアルコール系界面活性剤の含有量は、インク組成物全量に対して、好ましくは、0.05〜5重量%であり、より好ましく、0.1〜2重量%である。
【0076】
グリコールエーテル類としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のような多価アルコールの低級アルキルエーテルを挙げることができる。特に、トリエチレングリコールモノブチルエーテルを用いると良好な記録品質を得ることができる。
グリコールエーテル類の含有量は、インク組成物全量に対して、好ましくは、0.5〜20重量%であり、より好ましく、1〜10重量%である。
【0077】
1,2−アルカンジオール類としては、好ましくは1,2−C1-8 アルキルジオールであり、より好ましくは1,2−C1-6 アルキルジオールであり、最も好ましくは1,2−ヘキサンジオールである。1,2アルキルジオール類の含有量は、インク組成物全量に対して、好ましくは、1〜15重量%であり、より好ましく、2〜10重量%である。
【0078】
ポリシロキサン系界面活性剤としては、市販されているものを利用することができ、例えば、BYK−347,BYK−348等(ビックケミー・ジャパン株式会社製)が挙げられる。
【0079】
更に、本発明の好ましい態様によるインク組成物は、pH調整剤として三級アミンを含有することができる。
【0080】
本発明によるインク組成物に添加することができる三級アミンは、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリイソプロペノールアミン、ブチルジエタノールアミン等が挙げられる。これらは、単独で使用しても併用しても構わない。これら三級アミンの本発明のインク組成物への添加量は、0.1〜10重量%、より好ましくは、0.5〜5重量%である。
【0081】
また、本発明によるインク組成物には、浸透促進剤、糖、および/またはアルギン酸誘導体を含有させることもできる。
【0082】
前記浸透促進剤としては、例えば、多価アルコールの炭素数3以上のアルキルエーテル誘導体、例えば、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、またはジプロピレングリコールモノブチルエーテル等を挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
【0083】
糖の例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類および四糖類を含む)および多糖類を挙げることができ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール、(ソルビット)、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース、などを挙げることができる。ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、アルギン酸、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖[(例えば、糖アルコール(一般式HOCH(CHOH)CHOH(ここで、nは2〜5の整数を表す)で表される)、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ糖などを挙げることができる。特に糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビットなどを挙げることができる。また、市販品としてHS−500またはHS−300(林原生物化学研究所製)等を用いることができる。これら糖類の添加量は0.1〜40重量%程度が好ましく、より好ましくは1〜30重量%程度である。
【0084】
アルギン酸誘導体の好ましい例としては、アルギン酸アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩)、アルギン酸有機塩(例えば、トリエタノールアミン塩)、アルギン酸アンモニウム塩、等を挙げることができる。このアルギン酸誘導体のインク組成物への添加量は、好ましくは0.01〜1重量%程度であり、より好ましくは0.05〜0.5重量%程度である。
【0085】
本発明によるインク組成物には、その他、必要に応じて、防腐剤、防かび剤、およびりん系酸化防止剤等の一種以上を添加することもできる。
【0086】
本発明のインク組成物は、常法によって調製することができ、例えば、前記の各成分を適当な方法で分散、および混合することによって製造することができる。好ましくは、まず、顔料と高分子分散剤とイオン交換水とを適当な分散機(例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータミル、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、ジェットミル、オングミルなど)で混合し、均一な顔料分散液を調製する。次いで、アルカリ可溶性共重合体(例えば、水溶液として)、ワックス、イオン交換水、さらに必要に応じて、水溶性有機溶媒、防腐剤、および防黴剤等を常温で充分に攪拌してインク溶媒を調製する。このインク溶媒を適当な分散機で攪拌した状態のところに前記顔料分散液を徐々に滴下して充分に攪拌する。充分に攪拌した後に、目詰まりの原因となる粗大粒子および異物を除去するために濾過を行って目的のインク組成物を得ることができる。
【0087】
記録方法および記録媒体
本発明によるインク組成物は、インク組成物を用いた記録方式に用いられる。インク組成物を用いた記録方式とは、例えば、インクジェット記録方式、ペン等による筆記具による記録方式、水性グラビアインク、水性フレキソインク、または特にインクジェット記録用水性インクとして好適に使用することができる。また、水性塗料として使用することも可能である。特に本発明によるインク組成物は、インクジェット記録方法に好ましく用いられる。
【0088】
従って、本発明の別の態様によれば、本発明によるインク組成物を用いた記録方法、とりわけインクジェット記録方法が提供される。
【0089】
本発明の好ましい態様によれば、本発明による記録方法にあっては、記録媒体として、アルカリ可溶性共重合体、顔料、ワックスを実質的にその表面に残留させ、それ以外の成分、すなわちインク組成物に含まれる水、場合により含まれる有機溶媒等の液体成分を吸収するものを用いることが好ましい。このような記録媒体としては、例えば、表面の平均孔径が前記顔料の平均粒径よりも小さいものと設計されたもの、またはインク受容層の平均孔径が前記顔料の平均粒径よりも小さいものと設計されたものが挙げられる。
【0090】
上記のような記録媒体として、多孔質顔料を含有するインク受容層を、基材上に設けた記録媒体を挙げることが出来る。インク受容層は、記録媒体の最上層であるか、あるいはその上に、例えば、光沢層を有する中間層であることもできる。インク受容層には、多孔質顔料およびバインダー樹脂を含有するいわゆる吸収型(空隙型ともいう)のものと、インク受容層中にカゼイン、変性ポリビニルアルコール(PVA)、ゼラチン、または変性ウレタン等の樹脂を更に含有するいわゆる膨潤型のものとが知られており、本発明にあってはいずれも利用可能である。
【0091】
吸収型のインク受容層に含有される多孔質顔料としては、例えば、沈殿法、ゲルタイプ、または気相法等のシリカ系、擬ベーマイト等のアルミナ水和物、シリカ/アルミナハイブリッドゾル、スメクタイト粘土、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、カオリン、白土、タルク、珪酸マグネシウム、または珪酸カルシウム等を挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
【0092】
また、吸収型のインク受容層に含有されるバインダー樹脂としては、結着能力を有し、インク受容層の強度を高めることのできる化合物であれば特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、酢酸ビニル、澱粉、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、スチレン−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系共重合体ラテックス、アクリル酸およびメタクリル酸の重合体等のアクリル系共重合体ラテックス等を挙げることができる。
【0093】
また、インク受容層は、必要に応じ、定着剤、蛍光増白剤、耐水化剤、防かび剤、防腐剤、分散剤、界面活性剤、増粘剤、pH調整剤、消泡剤、および/または保水剤等の各種添加剤を含有させることもできる。
【0094】
各インク受容層が設けられる基材としては、紙(サイズ処理紙を含む);ポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリエステル等を紙にコートしたレジンコート紙;バライタ紙;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、またはポリプロピレン等の熱可塑性樹脂フィルム;合成紙;合成繊維で形成されたシート状物等を挙げることができる。
【0095】
特に好ましい態様の記録媒体は、基材と、その上に設けた最上層としてのインク受容層とを有する記録媒体であり、それらの基材およびインク受容層も、例えば、以下の物性を有するものが好ましい。
【0096】
基材としては、紙(木材パルプを含有するもの)が好ましく、その坪量は、好ましくは100〜350g/m、更に好ましくは180〜260g/mである。また、厚みは、好ましくは100〜400μm、更に好ましくは180〜260μmである。前記インク受容層は、インク受容層全体の重量を基準として、固形分換算で、前記多孔質顔料として湿式法シリカゲルを50〜60重量%の量で含有し、前記バインダー樹脂としてポリビニルアルコールを30〜40重量%の量で含有することが、インク吸収性、および印字堅牢性等の点で好ましい。また、インク受容層の塗工量は、固形分換算で、5〜50g/mであることが、インク吸収性の点で好ましい。なお、インク受容層自体の厚みとしては、好ましくは10〜40μm、更に好ましくは20〜30μmである。
【0097】
本発明のインク組成物を印刷する記録媒体は、前記記録媒体の表面(特には、インク受容層)の平均孔径が50nm以下であることが好ましく、30nm以下であることがより好ましい。平均孔径が300nmを超えると、顔料がインク受容層内部まで浸透し、発色性が低下することがある。
【0098】
【実施例】
以下に実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものでない。
なお、実施例中の「%」および「部」は特に断りのない限り、重量基準である。また、以下の調製例で得られた共重合体の酸価は、JIS K 0070に従い測定した。
【0099】
調製例1:アルカリ可溶性共重合体の調製
メタクリル酸エチル60部、メタクリル酸メチル36部、メタクリル酸4部、分子量調整剤としてチオグリコール酸オクチル3部、ポリビニルアルコール1部およびイオン交換水280部を攪拌混合して、単量体混合物の分散物を調製した。
【0100】
別の攪拌機付き反応器に、イオン交換水130部および過硫酸カリウム2部を仕込み、80℃に昇温し、そして前記単量体混合物の分散物を4時間かけて連続添加して重合させた。連続添加終了後、80℃にて、30分間後反応を行った。重合転化率は、99%以上であった。
【0101】
次いで、仕込みのメタクリル酸と当モル量の水酸化ナトリウムに相当する量の10%水酸化ナトリウム水溶液を反応器に添加し、更に80℃にて、1時間熱処理した後に、適量のイオン交換水を加えて、固形分濃度15%のアルカリ可溶性共重合体Aを得た。この樹脂の酸価は30であった。
【0102】
インクの調製
顔料と分散剤と水とを混合し、サンドミル(安川製作所製)中でガラスビーズ〔直径1.7mm,混合物の1.5倍量(重量)〕とともに2時間分散させた後に、ガラスビーズを取り除き、顔料分散液を調製した。
【0103】
次いで、顔料および分散剤を除く溶剤およびワックスまたは樹脂エマルジョンを混合してインク溶媒とし、上記の顔料分散液および上記調製例で製造したpH調整樹脂溶液AまたはBを攪拌しながら、前記のインク溶媒を徐々に滴下し、常温で20分間攪拌した。5μmのメンブランフィルターでろ過し、インクジェット記録用インクを得た。
【0104】
ブラック顔料インクの調製
実施例1
Figure 0004407122
【0105】
実施例2
Figure 0004407122
【0106】
実施例3
Figure 0004407122
【0107】
カラーインクセットの調製
実施例4
(1)シアンインク
C.I.ピグメントブルー 15:3 2重量%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
アルカリ可溶性共重合体A 2重量%
AQUACER498 0.4重量%
1,2ヘキサンジオール 5重量%
BYK348(ビックケミージャパン(株)製) 0.3重量%
ジエチレングリコール 10重量%
イオン交換水 残量
(2)マゼンタインク
C.I.ピグメントレッド 122 3重量%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
アルカリ可溶性共重合体A 2重量%
AQUACER498 0.4重量%
1,2ヘキサンジオール 5重量%
オルフィンE−1010 1重量%
グリセリン 5重量%
ジエチレングリコール 5重量%
イオン交換水 残量
(3)イエローインク
C.I.ピグメントイエロー 74 3.5重量%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
アルカリ可溶性共重合体A 2重量%
AQUACER498 0.4重量%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 10重量%
オルフィンE−1010 1重量%
グリセリン 8重量%
イオン交換水 残量
【0108】
実施例5
実施例2のインク組成物において、AQUACER535をポリプロピレンエマルジョン(融点110℃)に代えた以外は、同様にしてインク組成物を得た。
【0109】
実施例6
実施例2のインク組成物において、AQUACER535をポリプロピレンエマルジョン(融点95℃)に代えた以外は、同様にしてインク組成物を得た。
【0110】
印字評価試験
前記の実施例および比較例で製造した各インク組成物を用いて印字評価を行った。印字評価は、インクジェットプリンター〔PM−920C(セイコーエプソン(株)製〕を用い、PM写真用紙〔インクジェット専用紙:セイコーエプソン(株)製〕に印字を行った。
【0111】
評価1:耐擦性試験1(指擦りによる評価)
印字後3分間経過した時点で、印字をした記録媒体の表面を指で擦り、色剤の剥離により、耐擦性を目視で判断した。評価基準は、以下の通りである。
A:色剤の剥離が全くない。
B:色剤の剥離がわずかにある(色剤全体の20%未満)。
C:色剤の剥離がある(色剤全体の20%以上80%未満)。
D:色剤がほとんど剥離する(色剤全体の80%以上剥離する)。
【0112】
評価2:耐擦性試験2(JIS K 5701による評価)
印字後48時間経過した時点で、サウザーランドラブテスターを用い、JISK 5701に準じて耐擦性評価を行った。評価基準は、以下の通りである。
A:色剤の剥離が全くない。
B:色剤の剥離がわずかにある(色剤全体の20%未満)。
C:色剤の剥離がある(色剤全体の20%以上80%未満)。
D:色剤がほとんど剥離する(色剤全体の80%以上剥離する)。
【0113】
評価3:スクラッチ性評価
印字後3分間経過した時点で、印字媒体を爪で擦り、記録媒体表面上に傷がつくか否かで、耐スクラッチ性を目視で判断した。評価結果は以下に示す通りであった。
AA:
A:記録媒体表面に傷がつかない。
B:記録媒体表面にわずかに傷がつく。
C:記録媒体表面に傷がつくが、色剤の剥離はない。
D:記録媒体に傷がつき、色剤も剥離する。
【0114】
評価試験結果は以下に示される通りであった。
【0115】
表1
Figure 0004407122

Claims (19)

  1. アルカリ可溶性共重合体と、水と、着色剤と、ワックスとを含んでなるインク組成物であって、
    前記アルカリ可溶性共重合体が、エチレン性不飽和カルボン酸単量体と、これと共重合可能なその他の単量体とを、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物の存在下で重合して得られる、酸価が40以下の共重合体であり、無機塩基によって水溶解性にpHを調整されたものである、インク組成物。
  2. 前記ワックスが、ポリアルキレンワックスである、請求項1に記載のインク組成物。
  3. 前記ポリアルキレンワックスが、ポリエチレンワックスである、請求項2に記載のインク組成物。
  4. 前記ワックスが、ポリアルキレンエマルジョンである、請求項1に記載のインク組成物。
  5. 前記ポリアルキレンエマルジョンが、ポリエチレンエマルジョンまたはポリプロピレンエマルジョンである、請求項4に記載のインク組成物。
  6. 前記ポリアルキレンエマルジョンが、不飽和カルボン酸またはその無水物により変性されたものである、請求項4または5に記載のインク組成物。
  7. 前記不飽和カルボン酸またはその無水物が、マレイン酸または無水マレイン酸である、請求項6に記載のインク組成物。
  8. 前記アルカリ可溶性共重合体と、ワックスとの重量比が0.5〜3:1の範囲にある、請求項1、4〜7のいずれか一項に記載のインク組成物。
  9. 前記着色剤が、顔料である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のインク組成物。
  10. 前記無機塩基が、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物である、請求項1〜9のいずれか一項に記載のインク組成物。
  11. 前記アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物が、ビニルアルコール系重合体である、請求項1〜10のいずれか一項に記載のインク組成物。
  12. 前記エチレン性不飽和カルボン酸単量体が、アクリル酸またはメタクリル酸である、請求項1〜11のいずれか一項に記載のインク組成物。
  13. 前記エチレン性不飽和カルボン酸単量体と共重合可能な単量体が、エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体である、請求項1〜12のいずれか一項に記載のインク組成物。
  14. インク組成物のpHが8〜11である、請求項1〜13のいずれか一項に記載のインク組成物。
  15. インクジェット記録方法に用いられる、請求項1〜14のいずれか一項に記載のインク組成物。
  16. 請求項1〜14のいずれか一項に記載のインク組成物を記録媒体に付着させることにより印刷を行う印刷方法であって、
    前記記録媒体として、アルカリ可溶性共重合体、顔料、ワックスを実質的にその表面に残留させ、それ以外の液体成分を吸収するものを用いることを特徴とする印刷方法。
  17. 請求項1〜14のいずれか一項に記載のインク組成物を記録媒体に付着させることにより印刷を行い印刷物を製造する方法であって、
    前記記録媒体として、アルカリ可溶性共重合体、顔料、ワックスを実質的にその表面に残留させ、それ以外の液体成分を吸収するものを用いることを特徴とする方法。
  18. 請求項1〜15のいずれか一項に記載のインク組成物の液滴を記録媒体に付着させるインクジェット記録方法であって、
    前記記録媒体として、アルカリ可溶性共重合体、顔料、ワックスを実質的にその表面に残留させ、それ以外の液体成分を吸収するものを用いることを特徴とする方法。
  19. 請求項1〜14のいずれか一項に記載のインク組成物の液滴を記録媒体に付着させることにより印刷を行い、印刷物をインクジェット記録方法により製造する方法であって、
    前記記録媒体として、アルカリ可溶性共重合体、顔料、ワックスを実質的にその表面に残留させ、それ以外の液体成分を吸収するものを用いることを特徴とする方法。
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