JP4403266B2 - 銅基合金加工品を用いた配線器具 - Google Patents

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Description

本発明は、主として導電部材として用いる銅基合金加工品を用いた配線器具に関するものである。
一般に、電気機器において電路を形成する導電部材の材料としては、ジュール熱の発生を抑制するために導電率の高い材料である銅を含む材料が選択され、とくに強度、耐食性、対摩耗性などを確保するために、銅を主成分とする銅基合金が広く採用されている。この種の導電部材には種々の形態があるが、最近では電線と導電部材との接続箇所において、ねじ止めに代えて導電部材のばね力を利用し電線を差込接続したり電線を圧接接続する形態の接続技術が用いられる頻度が高まっており、この種の接続技術を採用することによって、ねじ止めを行う場合よりも結線作業が容易になる上に、接続用の部材が小型になって省スペースになり、さらにねじを用いる必要がないからコストダウンが可能になる。ばね力を利用する導電部材は板や条のような伸銅品を加工して形成された加工品であって、さらなる小型化やコストダウンのために薄肉化が進められている。その一方で、電線の接続に用いるこの種の導電部材を形成するための伸銅品には、外力によって生じる応力で座屈や変形を生じないような高い強度と、種々の線径の電線に対応可能な比較的小さいヤング率とが求められる。
上述したような、高導電性、耐食性、耐摩耗性、高強度、低ヤング率、低コストなどの条件を満たす銅基合金としては、従来から黄銅が知られており、黄銅は加工性にも優れているから、コネクタのような電気部品の導電部材として広く用いられている。
ところで、引張応力を受けている金属材料が、当該金属材料に対する特定の腐食環境に置かれると破壊するという現象が応力腐食割れとして知られており、黄銅の応力腐食割れは、アンモニアの存在する環境において発生しやすいことが知られている。アンモニアは通常の生活環境においても発生しているから、長期に亘って利用する電気機器では導電部材の応力腐食割れの発生を防止することがとくに必要になる。
黄銅において応力腐食割れの発生を防止する技術としては、黄銅の主成分である銅と亜鉛とのうち亜鉛の比率を低減させる技術や、他の元素を加えることが考えられている(たとえば、特許文献1参照)。応力腐食割れの発生を抑制する技術としては、伸銅品の表面に錫などのメッキ層を形成する技術、伸銅品を加工した導電部材に低温焼鈍を行って残留応力を低減する技術、導電部材にショットピーニングや潰し加工を施して圧縮の残留応力を付加する技術なども知られている。
特開2001−303159号公報
ところで、上述した各種技術は、いずれも応力腐食割れの発生を低減することはできるものの、電気機器において引張応力が繰り返し作用するような導電部材に用いる技術としては必ずしも満足できる水準に達していない。たとえば、黄銅においてアンモニアの存在下での応力腐食割れの発生を抑制するために銅と亜鉛との他に適宜の元素を加えた場合に、アンモニアの存在下での応力腐食割れの発生を抑制する効果は認められるものの、大気中の成分として近年増加している亜硫酸ガスや窒素酸化物の存在下での応力腐食割れの発生を抑制する効果については不明であり、種々の環境で電気機器を使用可能とするには、特定の腐食環境だけではなく種々の環境での応力腐食割れを抑制することが要求されるのである。しかも、応力腐食割れの発生を抑制するために金属材料に他の元素を加えると、金属材料の原料コストが増加するだけではなく、伸銅品に加工する際の加工性が低下する場合があり、強度が低下したりヤング率が増加したりする可能性がある。
また、伸銅品の表面にメッキ層を形成する技術を採用しても、伸銅品からプレス成型によって導電部材を形成したときに切断面においてメッキ層から下地が露出することになるから、切断面においてはメッキ層による保護効果がなく、また曲げ加工の際には、下地とメッキ層との伸展性の相違によって表面に皺を生じることがある。皺の部分ではメッキ層が分断されて下地が露出する可能性があり、結果的に切断面や曲げ加工を施した部位においては、応力腐食割れが発生しやすくなる。この種の問題を回避するために、伸銅品を加工した後にメッキ層を形成することが考えられるが、加工後の形状は加工前の形状よりも複雑であるから、メッキ処理に手間がかかるという問題を生じる。さらに、メッキ層として錫を用いる場合には、メッキ層の表面に形成される酸化物によって導電性が低下する可能性もある。
低温焼鈍により残留応力を除去する技術やショットピーニングなどにより圧縮の残留応力を付加する技術は、使用時において変形を伴わない導電部材については効果が得られるが、ばね力を利用する導電部材では使用時に変形し引張応力が発生するから、使用時において発生する引張応力に対する応力腐食割れの発生を抑制する効果を高めることが要求されている。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、低コストながらも伸銅品の加工性や強度やヤング率などの特性を損なうことなく応力腐食割れを抑制することができ、しかも伸銅品を加工した加工品についても応力腐食割れの発生を抑制する効果を維持することができる銅基合金加工品を用いた配線器具を提供することにある。
請求項1の発明は、帯板の一端部に設けた押さえ片と、帯板の他端部に設けられ押さえ片の先端側を基端側とする形で押さえ片の少なくとも一部に対向するとともに先端部が基端側から先端側に向かって押さえ片にしだいに近付く鎖錠片と、押さえ片の基端と鎖錠片の基端とを連続一体に連結し鎖錠片の基端側から押さえ片と鎖錠片との間に導入される電線を押さえ片との間で保持可能となるように鎖錠片にばね力を作用させるばねを含む連結片とを有した端子を有し、連結片は、一側縁から押さえ片が延設された基片と、基片の他端縁から直交方向に延設されたばね保持片とからなり、ばね保持片の先端部にばねとして機能するU字状に曲成された部位を介して鎖錠片の基部が連続し、当該端子は、銅基合金からなる伸銅品を加工した加工品であり少なくとも引張応力が作用する部位の表面に、加工品の応力腐食割れを抑制するコーティング層が存在しており、押さえ片と鎖錠片との間に電線を導入するための電線挿入口が開口した器体に解除レバーとともに収納され、解除レバーは、器体に軸支された軸部を一端部に備え他端部に設けた操作部を器体の外側面から後退させた位置と器体から押し上げた位置との間で軸部を中心として器体に対して回動可能であって、操作部と軸部との間の中間部の側面に鎖錠片を押圧する押圧部が突設され、操作部を器体の外側面から後退させた位置では押圧部が鎖錠片と押さえ片との間から後退して鎖錠片と押さえ片との間で電線の保持を可能にし、操作部を器体から押し上げた位置では押圧部が鎖錠片と押さえ片との間に挿入されて鎖錠片の先端縁を押さえ片から引き離すことにより器体から電線の引き抜きを可能にすることを特徴とする。
この構成によれば、伸銅品にメッキ層のような薄膜を形成する必要がないから、伸銅品の加工性や強度やヤング率などの特性を損なうことなく低コストで応力腐食割れを抑制することができる。加えて器体に設けた電線挿入口から電線を挿入することによって押さえ片と鎖錠片との間で電線を挟持することが可能であって結線に際してねじ締め作業を伴わない端子を用いるから結線作業の容易な配線器具を提供することができる。しかも、端子は1枚の帯板を加工して形成することができるから、部品点数が少なく、組立工数を低減することができる上にコストの低減が可能になる。また、端子である銅基合金にコーティング層を形成して応力腐食割れの発生を抑制しているから、長期間に亘って電線との接触信頼性を維持可能な配線器具を提供することができる。さらに、鎖錠片が電線を保持しているときに、解除レバーの操作部が器体の外側面から後退しているから、電線が接続されているときに、操作部に不用意に触れることによる電線の脱落を防止することができる。一方、電線を引き抜くときには、解除レバーの操作部を器体から押し上げると、解除レバーに設けた押圧部が鎖錠片と押さえ片との間に挿入されて鎖錠片の先端縁を押さえ片から引き離すから、鎖錠片の先端縁が電線から引き離され電線を引き抜くことが可能になる。
なお、配線器具はコンセント、スイッチ、端子台などを想定しており、以下の実施形態ではコンセントについて説明する。また、上述した配線器具以外に種々の電気機器においても同様の構造を適用することが可能である。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記端子が、少なくとも引張応力が作用する部位の表面に、加工品の応力腐食割れを抑制するコーティング層が存在することを特徴とする。
この構成によれば、加工品がばね特性を利用する部材であるときに、撓み部分にコーティング層が形成されていることによって、ばね特性の利用によって撓みによる引張応力が生じても応力腐食割れの発生を抑制することができる。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記端子が、曲げ加工による曲げ部位を有し、少なくとも曲げ部位の表面に、前記コーティング層が存在することを特徴とする。
この構成によれば、曲げ加工による曲げ部分に残留応力があってもコーティング層によって応力腐食割れの発生を抑制することができる。
本発明の構成によれば、低コストながらも伸銅品の加工性や強度やヤング率などの特性を損なわずに、伸銅品を加工した加工品である端子の応力腐食割れの発生を抑制することができるという効果があり、この効果を長時間に亘って維持することができるという利点がある。加えて、鎖錠片が電線を保持しているときに、解除レバーの操作部が器体の外側面から後退しているから、電線が接続されているときに、操作部に不用意に触れることによる電線の脱落を防止することができるという利点がある。
以下に説明する技術は種々の銅基合金に適用可能な技術であって、銅基合金の種類は目的に応じて選択される。ただし、以下に説明する実施形態ではばね力を利用する加工品として導電部材を例示し、導電部材に用いる銅基合金として銅と亜鉛とを主成分として含む銅基合金を例として説明する。この種の銅−亜鉛系合金は、高強度であってばね性を有し、また低ヤング率であるとともに耐マイグレーション性に優れている上に、一般に亜鉛は銅よりも安価であるから亜鉛の成分比を多くすることによって銅基合金の単価を引き下げることが可能になる。通常は、導電部材として必要な弾性を確保するために、亜鉛の成分比を8%以上とするのが望ましいが、亜鉛の成分比の増加に伴って応力腐食割れが発生しやすくなり、とくに亜鉛の成分比が40%を越えるとβ相が存在することによって腐食や応力腐食割れが発生しやすくなる。したがって、亜鉛の成分比は8〜40%の範囲で選択しなければならない。
ところで、ばね材料としては残留たわみが少ないほうが望ましくばね特性に優れていると言える。りん青銅は黄銅よりもばね特性に優れているからばね力を利用する導電部材として広く採用されているが、一般的にりん青銅は導電率が黄銅よりも低いから、ジュール熱の発生を抑制する観点から言えば黄銅を用いることが望ましい。たとえば、Cu−6%Sn−0.2%Pの組成であるC5191(りん青銅2種)では導電率が約12%IACSであって、Cu−35%ZnであるC2680(黄銅)では導電率が約27%IACSであるから、黄銅はりん青銅に比較して大幅に高導電率であり、比較的大きな電流が通過する箇所においてばね力が必要な導電材料としては、黄銅、もしくは亜鉛を多く含有する銅−亜鉛系合金を採用するのが望ましいと言える。なお、組成を表す%は質量パーセントである。上述の考察によれば、比較的大きな電流が通過する箇所においてばね力が必要な導電部材の金属材料としては、銅−亜鉛系合金を採用するのが望ましいと言える。
ただし、上述したように、銅−亜鉛系合金は、アンモニアが存在する環境のような腐食環境において応力腐食割れを生じる可能性が高いから、本実施形態では、銅−亜鉛系合金からなる伸銅品の表面に、グリース、油剤のいずれかによるコーティング層を形成し、伸銅品が腐食成分に直接曝されないように、コーティング層で伸銅品を保護している。すなわち、アンモニア、亜硫酸ガスなどの腐食成分と伸銅品との間にコーティング層を介在させることによって、腐食成分が伸銅品に到達するのを防止しているのであって、コーティング層は、グリース、油剤のいずれかであるから、強度、ヤング率などの特性に変化をもたらすことなく、しかも安価に腐食を防止することが可能になる。さらには、コーティング層を適宜に選択することによって、多種類の腐食成分に対して腐食の抑制効果を期待することができる。コーティング層は厚み寸法が1μmより小さいと、応力腐食割れに関して導電部材に要求される性能を満足することができないから、厚み寸法は1μm以上が必要であって、望ましくは10μm以上とする。
コーティング層を設ける目的は、応力腐食割れの発生を抑制することにあるから、少なくとも応力腐食割れの原因となる引張応力が発生する部位にコーティング層を設ける。引張応力が発生する部位は、曲げ加工による残留応力が存在する部位、他部材に保持される部位であって応力が発生する部位、ばね力を利用する導電部材では撓みを生じる部位、プレス加工により形成する導電部材では切断面を生じる部位などである。とくに、板または条にプレスによる打抜加工を行い、かつ曲げ加工を施すことによって形成される導電部材では、切断により形成されるエッジ付近には引張の残留応力が生じ、さらにエッジ付近では曲げ加工時に他の部位よりも大きな引張応力が生じるから、エッジ付近にコーティング層を形成することが必要である。なお、コーティング層は伸銅品の表面の全面に亘って形成してもよいのはもちろんのことである。
コーティング層を形成する材料としては、長期間に亘って機能の変化が少なく、使用温度範囲における粘度の変化が少なく、しかも耐水性の高い材料を選択する。機能変化については、100℃において24時間(望ましくは240時間)放置した後に、分離、変色、特性変化が生じないことが望ましく、粘度に関しては−40〜80℃程度の温度範囲において粘度の変化が少なくコーティング層の流動や拡散による減少が生じないことが望ましい。そのため、コーティング層には粘度の高い材料を選択することが望ましい。さらに、伸銅品の表面に水分が付着していると銅基合金に含まれる亜鉛との反応による脱亜鉛腐食が生じるから、伸銅品の表面に水分が付着することのないようにコーティング層には耐水性が要求される。
これらの条件を満たすコーティング層を形成するために、グリースあるいは油剤を伸銅品の表面に適用する。この種の材料からなるコーティング層はある程度の流動性を有しているから、伸銅品から形成された導電部材に弾性変形を生じる際に導電部材から剥離することなく変形に追従する。その結果、応力腐食割れを生じるような環境に伸銅品が接触しないように、伸銅品と環境との間に存在するコーティング層が伸銅品を環境から遮断することになる。
コーティング層を形成するグリースや油剤には、コーティング層に他機能を付加する添加剤を加えてもよい。この種の添加剤としては、防錆剤、腐食防止剤、潤滑剤などを用いることができる。たとえば、グリースあるいは油剤に、銅合金と反応する反応基を含有する添加剤を加えることにより、グリースあるいは油剤による外部からのアンモニアガスや亜硫酸ガスの遮断のほか、添加剤中の反応基が銅と結合することにより、銅合金と反応基との結合層を構成し、さらに効果的に銅合金素材をガスから遮断することが可能になる。ここで、銅合金素材に対してグリースや油剤を用いずに上述した添加剤を塗布するとすれば、曲げ加工のような加工を施したときに銅合金素材のうち添加剤を塗布していない面が露出することがあるが、上述のようにグリースや油剤に添加剤を加えていることにより、新たに露出した面に添加剤を回り込ませることができ、新たに露出した面においても銅合金素材と添加剤に含まれる反応基とが反応した結合層を形成することができる。ただし、伸銅品からの加工品としての導電部材に大電流を流す場合には、シリコーンのように珪素を含む添加剤を用いることはできない。これは、この種の添加剤を含んでいると、導電部材に生じるアークの熱などによって珪素が分離して析出し、接触不良の原因になることがあるからである。
コーティング層を形成するにあたっては、伸銅品にグリースあるいは油剤を塗布(吹き付けを含む)するほか、導電部材をプレス加工により製造する際にプレス油としてグリースあるいは油剤を適用したり、プレス後に導電部材にグリースあるいは油剤を塗布したり導電部材を油剤に浸漬したりする。とくに、プレス加工により導電部材を形成する場合には、伸銅品にコーティング層を形成するよりも、プレス加工時またはプレス加工後にコーティング層を形成することが望ましい。これは、プレス前にコーティング層を形成していると、グリースや油剤が切断面に十分に回り込まず、切断面においてコーティング層が薄くなる可能性があるからである。また、グリースは油剤に比較して流動性が低いから、導電部材の必要箇所にコーティング層が形成されるようにプレス加工を行うことが要求される。なお、当然のことであるが、プレス油として適用したグリースや油剤によってコーティング層を形成する場合には、プレス後の洗浄工程においてプレス油を残存させる。このようにプレス油によってコーティング層を形成する場合には、工数の増加がなくプレス油として応力腐食割れを防止できるものを選択すればよいだけであるから、コーティング層を形成することに対するコスト増はほとんど生じない。
なお、上述した例では、銅基合金として銅−亜鉛系合金を用いているが、ばね特性を高めたり、応力腐食割れの発生を抑制したり、応力緩和特性を向上させたりするために、銅と亜鉛とのほかに他の元素を添加してもよい。具体的には、伸銅品のばね特性には圧延方向に対する異方性があり、圧延方向に対する角度によってばね特性、加工性が変化するから要求される特性に応じて部品の方向は選択される。たとえば、ばねとして使用する方向は、圧延方向と圧延方向に直交する方向とであって、これらの方向においては、素材の0.2%耐力を550N/mm以上(望ましくは600N/mm以上、さらに望ましくは650N/mm以上)とし、ヤング率を120kN/mm以下(望ましくは115kN/mm以下)とするのが望ましい。また、耐応力腐食割れ性や耐応力緩和特性に関しても、黄銅(Cu−30%Zn、Cu−35%Znなど)に比較して、改善されたものであることが望ましい。この目的を達成する元素としては、Fe,Ni,Sn,Si,Co,Mg,Mn,Al,Pなどがある。Fe,Ni,Sn,Si,Co,Mg,Mn,Alを採用する場合は0.1〜2.5%(質量%)の範囲とするのが望ましく、Pを採用する場合は0.01〜0.3%(質量%)の範囲とするのが望ましい。また、各元素の添加量の総量としては、6%(質量%)以下であることが望ましい。
ところで、上述した銅基合金の加工品である導電部材10として図3に示す形状の端子を製造することができる。図3に示す端子は、条材(帯板)の伸銅品をプレス加工によって打ち抜き、曲げ加工を施したものであって、基片12の一側縁から直交方向に一対のばね保持片11が延設され、ばね保持片11の各先端部に鎖錠片13が連続している。ばね保持片11と鎖錠片13との連続部位はU字状に曲成され、U字状の部位がばねとして機能することによって鎖錠片13の先端部とばね保持片11の基部との距離が可変になっている。すなわち、基片12とばね保持片11とによりばねを含む連結片が形成される。また、基片12においてばね保持片11が延設された側縁に対向する一側縁からは基片12に交差する方向に押さえ片14が延設される。押さえ片14は鎖錠片13に対してばね保持片11の反対側に位置し、鎖錠片13の先端縁との間に間隙を形成している。鎖錠片13は、押さえ片14の先端側を基端側とする形で押さえ片14の少なくとも一部に対向しており、鎖錠片13の先端部は基端側から先端側に向かって押さえ片14にしだいに近付くように傾斜する。押さえ片14と鎖錠片13との間の間隙に対応して基片12には切欠部15が形成されており、図3の下方から導入される電線16の先端分を切欠部15に通すことが可能になっている。図3の下方から導入される電線16は、鎖錠片13の先端縁と押さえ片14との間に挟持され、しかも鎖錠片13の先端部が電線16を導入する向きにおいて押さえ片14に近付く向きに傾斜していることによって、鎖錠片13の先端縁が電線に食い込むことで、電線16の抜け止めをなすように構成されている。
以下では、上述した端子(導電部材10)を、配線器具として図4ないし図6に示すコンセントに用いる例を示す。器体20は、前面が開放された箱状のボディ21とボディ21の前面に覆着されるカバー22とを組立枠23を用いて結合することにより形成される。ボディ21およびカバー22には耐トラッキング性に優れた熱硬化性合成樹脂が用いられる。
ボディ21とカバー22との各外側面にはそれぞれ角柱状の2個ずつの嵌合突起21a,22aが突設され、さらにボディ21の側壁には各嵌合突起21aの前方部位においてそれぞれ嵌合凹溝21bが切欠されている。ボディ21にカバー22を覆着した状態では、嵌合突起21a,22aは嵌合凹溝21bを挟んで前後方向の一直線上に並ぶ。
組立枠23は、弾性を有する合成樹脂成形品であって、短冊状に形成された主片23aと、主片23aの長手方向の中央部において主片23aの厚み方向の一面に突設された脚片23bとを有する。主片23aの長手方向の両端部には、上述した各嵌合突起21a,22aとそれぞれ嵌合する一対の嵌合孔23c,23dが貫設される。脚片23bは嵌合凹溝21bに挿入可能であって、脚片23bの先端部にはカバー22の内側面に係止する係止爪23eが突設される。主片23aの前端には、埋込型の配線器具用の取付枠(図示せず)に設けた取付孔に係合可能な取付爪23fが突設される。取付枠は周知のものであるから詳述しないが、中央部に窓孔を有した矩形枠状であって長手方向の両端部には壁面やスイッチボックスに対して取付枠を固定する部材(たとえば、ねじ)を挿入する孔が形成され、窓孔内に器体20の一部を挿入するとともに器体20の側面に突設されている取付爪23fを窓孔の側縁に設けた取付孔に係合させることによって、器体20を保持する構造を有している。
ボディ21とカバー22とを結合して器体20を組み立てるには、ボディ21の前面にカバー22を覆着した状態で、組立枠23に設けた脚片23bを嵌合凹溝21bに挿入するとともに、組立枠23の各嵌合孔23c,23dにボディ21およびカバー22の嵌合突起21a,22aをそれぞれ挿入する。この状態において、組立枠23に設けた係止爪23eはカバー22の内側面に係止され組立枠23の器体20からの脱落が防止される。つまり、組立枠23は器体20に保持され、組立枠23はボディ21とカバー22とを結合するから、組立枠23によってボディ21とカバー22とが結合された状態に保持されるのである。
カバー22の前壁には、2組のコンセント口24,25が設けられる。一方のコンセント口24は、平板状の栓刃と丸ピン状の栓刃とのどちらでもが挿入可能となるように半楕円状に開口した一対の栓刃挿入口24a,24bを備え、他方のコンセント口25は、平板状の栓刃が挿入可能となるように矩形状に開口した3個の栓刃挿入口25a〜25cを備える。栓刃挿入口24a,24bはそれぞれ電圧極に対応し、また栓刃挿入口25a,25bはそれぞれ電圧極に対応するが、栓刃挿入口25cは接地極に対応する。
ボディ21においてカバー22の各栓刃挿入口24a,24b,25a〜25cに対応する部位には、それぞれ刃受ばね30a,30b,31a〜31cが配設される。刃受ばね30a,31aは一方の電圧極に対応し、刃受ばね30b,31bは他方の電圧極に対応する。また、刃受ばね31cは接地極に対応する。一方の電圧極の2個の刃受ばね30a,31aは上述した構成の端子32aを介して接続され、他方の電圧極の2個の刃受ばね30b,31bは上述した構成の端子32bを介して接続される。また、接地極の刃受ばね31cは上述した構成の端子32cに接続される。ボディ21の内部空間は仕切壁26によって3室に区画されており、中央部の区画には接地極の刃受ばね31cが収納され、左右の区画の一方には一方の電圧極の刃受ばね30a,31aが収納され、他方には他方の電圧極の刃受ばね30b,31bが収納される。つまり、ボディ21には刃受ばね30a,30b,31a〜31cのほか端子32a〜32cが収納される。さらに、ボディ21には各端子32a〜32cごとに1個ずつの解除レバー33が収納される。
刃受部30は、ばね性を有する金属板を加工することによって、コ字形の基部30cと、基部30cの両側片先端部の前端縁から突設されて互いに対向配置される一対の導電ピン用刃受ばね30aと、基部30cの中央片の前端縁から両刃受ばね30aと略直角に突設された栓刃用刃受ばね30bと、基部30cの一側片の先端部から延設され後述する端子板21にかしめ固定される固定片30dとを連続一体に形成してある。
各刃受ばね30a,30b,31a〜31cは、それぞればね特性を持つ金属板により形成され、栓刃挿入口24a,24b,25a〜25cを通して器体20に挿入された栓刃に弾接して栓刃を保持する。栓刃挿入口24a,24bに対応する各刃受ばね30a,30bは、それぞれ丸ピン状の栓刃を挟持する2枚のばね片と、両ばね片の側縁との間に平板状の栓刃を挟持する1枚のばね片との3枚のばね片の基部を連続一体に連結した形状に形成され、栓刃挿入口25a〜25cに対応する各刃受ばね31a〜31cは、それぞれ平板状の栓刃を挟持する2枚のばね片の基部を連続一体に連結した形状に形成される。これらの刃受ばね30a,30b,31a〜31cはそれぞれ個別に形成され、端子32a〜32cにおける押さえ片14にかしめ固定される。
端子32a〜32cに接続する電線16は、器体20において端子32a〜32cに対応する部位においてボディ21の底壁に貫設した電線挿入口27を通して器体20に導入される。電線挿入口27は、各端子32a〜32cに設けた鎖錠片13ごとに設けられ、上述のように各端子32a〜32cには鎖錠片13が2個ずつ設けられるから、電線挿入口27も各端子32a〜32cごとに2個ずつで合計6個設けられる。
ところで、解除レバー33は合成樹脂成形品であり、端子32a〜32cに接続された電線16を器体20から引き抜く際に操作されるものであって、解除レバー33の操作によって、鎖錠片13の先端を押さえ片14から遠ざけるように移動させることが可能になっている。つまり、解除レバー33の操作により鎖錠片13の先端縁を電線16から引き離すことによって電線16を器体20から引き抜くことを可能にする。解除レバー33は、図7に示すように、ボディ21における仕切壁26に設けた軸受部(図示せず)に軸支される軸部33aを一端部に備え、軸部33aを中心としてボディ21に対して回動可能になっている。ボディ21の両側壁および底壁には、それぞれ解除レバー33の他端部である操作部33bを外部に露出させるための操作孔28が形成され、操作孔28を通して器体20の外部に露出している操作部33bを、マイナスドライバの先端部のような形状の治具を用いて前方に押し上げると、解除レバー33が軸部33aを中心として回転する。解除レバー33の中間部の両側面には三角柱状の押圧部33cがそれぞれ突設され、解除レバー33が軸部33aを中心として回転したときに、図7(b)のように押圧部33cが鎖錠片13を押圧することによって、鎖錠片13の先端縁を押さえ片14から引き離す。この状態では鎖錠片13の先端縁は電線16に食い込んでいないから電線16を器体20から容易に引き抜くことができる。ここに、解除レバー33を操作する際の支点は一端部に設けた軸部33aにあり、解除レバー33に外力を作用させる力点は他端部に設けた操作部33bにあり、鎖錠片13に力を与える作用点は押圧部33cに存在するから、操作部33bに作用させる力を小さくしながらも、梃子の原理により鎖錠片13に作用する力は大きくなるのであって、小さい力で鎖錠片13を移動させることが可能になる。なお、操作部33bに作用させる力を解除すると、解除レバー33は鎖錠片13のばね力によって元の位置に復帰する。この位置において操作部33bは、器体20の外側面から後退しており、操作部33bに不用意に触れることによって電線16が脱落することのないようにしてある。
解除レバー33には上述のように両側面に押圧部33cを設けてあり、解除レバー33は各端子32a〜32cに設けた2個の鎖錠片13の間に配置される。したがって、1個の解除レバー32a〜32cによって2個の鎖錠片13を同時に撓ませることができるのであって、端子32a〜33cに2本の電線16を接続している場合には、両電線16を同時に引き抜くことが可能になる。ここに、2本の電線16を接続するのは配線器具を並列に接続するための送り配線を行う場合である。また、鎖錠片13において解除レバー33の押圧部33cが当接する部位は、電線16を保持する部位に対してずれているのは言うまでもない。
なお、上述した実施形態において、銅基合金の加工品である導電部材10を端子32a〜32cとしたが、本実施形態のコンセントに用いた刃受ばね30a,30b,31a〜31cも銅基合金の加工品である導電部材10としてよく、また他の配線器具であれば、他の部材(たとえば、スイッチを構成する部品)を銅基合金の加工品である導電部材10としてもよい。
(実施例1)
グリースの適用による銅基合金の応力腐食割れの防止効果を検証するために、以下の試験を行った。試験に用いた伸銅品は、市販のJIS C2680 EH材と、CDA 44250(Cu−25%Zn−0.8%Sn合金)H06材とであって、ともに板圧が0.3mmである条を用いた。グリースは、関東化成株式会社製のG−347Nを使用した。このグリースは、ゲル状であって銅基合金に含まれる元素と反応する反応基を持つ添加剤を含んでいる。
各条材について、0.2%耐力、引張強さ、ヤング率(JIS Z2241に規定された試験方法)、ビッカース硬さ(JIS Z2244に規定された試験方法)、導電率(JIS H0505に規定された試験方法)を測定した。
また、応力腐食割れの試験は、条材から打ち抜いた幅10mmの試験片を用い、図1に示すように、試験片1がアーチ状になるように保持枠2によって保持することによって、試験片1に0.2%耐力の80%の曲げ応力を作用させた状態で保持し、12.5%のアンモニア水を入れたデシケータ内に放置することにより、試験片1をアンモニアガスに曝露した。曝露時間は、10分単位で150分までとし、10分ごとに試験片である試験片1をデシケータから取り出して20倍の実体顕微鏡で割れを観察し、割れを確認した10分前の時間を応力腐食割れ寿命とした。グリースは、保持枠2によりアーチ状に保持した試験片1の上面と側縁のエッジとに綿棒によって塗布した。
上記条件での試験結果を表1、表2に示す。表1、表2において、材料1はJIS C2680 EH材であり、材料2はCDA 44250(Cu−25%Zn−0.8%Sn合金)H06材である。また、表2において実施例は試験片1にグリースを塗布したものであり、比較例は試験片1にグリースを塗布していないものである。
Figure 0004403266
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表2から明らかなように、グリースを塗布していない試験片1は150分以内に実体顕微鏡によって割れが発見されたのに対して、グリースを塗布した試験片1については、150分が経過しても実体顕微鏡で割れは発見されなかった。したがって、グリースによるコーティング層を形成することにより、アンモニアガスの存在下での応力腐食割れの低減効果が確認できた。
(実施例2)
ばね特性を利用することにより、使用時において引張応力が作用する導電部材に関して、グリースの適用による応力腐食割れの防止効果を検証するために以下の試験を行った。この試験には図3に示した形状の導電部材10を簡略化した図2に示す形状の導電部材10′を用いた。
上述した構造の導電部材10では、電線16を保持するために鎖錠片13および押さえ片14が撓むから、使用に伴う引張応力が作用する。このような引張応力による応力腐食割れに対するグリースの効果を検証するために、図2に示すように、基片12′とばね保持片11′と押さえ片14′とからなるコ字状の部材において、一方の脚片に鎖錠片13′を延設した形の導電部材10′を形成し、この導電部材10′について試験を行った。なお、この導電部材10′は、電線の直径が最大40%変化した場合でも必要な接圧が得られるように設計した。
導電部材10′を形成するために用いた伸銅品は、試験材料に用いた伸銅品は、市販のJIS C2680 EH材と、CDA 44250(Cu−25%Zn−0.8%Sn合金)H06材とであって、ともに板圧が0.8mmである条を用いた。グリースは、比較のために2種類を用いた。一方のグリースは実施例1に用いたグリースであり、他方のグリースは一方のグリースよりも粘性が低い、市販のプレス油(日本工作油製G−6050)を用いた。グリースは、導電部材10′の加工後に導電部材10′の全面に亘って綿棒によって塗布した。
各条材について、実施例1と同様に、0.2%耐力、引張強さ、ヤング率(JIS Z2241に規定された試験方法)、ビッカース硬さ(JIS Z2244に規定された試験方法)、導電率(JIS H0505に規定された試験方法)を測定した。
また、応力腐食割れの試験は、導電部材10′に電線を保持させた状態で、3%(質量%)のアンモニア水を入れたデシケータ内に24時間放置した後に、デシケータから取り出して電線を外し、20倍の実体顕微鏡で割れを観察した。実体顕微鏡による割れが確認されなかった場合を○とし、割れが確認された場合を×とした。さらに、実体顕微鏡による観察後に、導電部材10′を樹脂に埋入するとともに、プレス加工による切断面から1mmの位置でスライスし、研磨し、エッチングを行った後に、100倍の光学顕微鏡による組織観察を行って割れの有無を確認した。このときに割れが確認された場合には、割れの最大長さを測定し、割れの最大長さが100μm未満の場合を○とし、100μm以上の場合を×とした。
上記条件での試験結果を表3、表4に示す。表3において、材料1はJIS C2680 EH材であり、材料2はCu−Zn−Sn合金である。ただし、材料1については応力腐食割れの試験を行うために電線を保持させた状態で、塑性変形によって所定の接圧が得られなくなったので、表4に示す応力腐食割れの試験については、材料2についてのみ行った。また、応力腐食割れの発生を抑制する効果があるとされている種々の処理の結果を比較例として表4に示した。各処理の内容については表4における処理条件の項目に説明してある。また、実施例のうち、グリース1は実施例1と同じグリースを用いた場合であり、グリース2は粘性の低いグリースを用いた場合を示している。
Figure 0004403266
Figure 0004403266
表4において、「熱処理」は導電部材10′の加工に伴う残留応力を除去するために、括弧内の温度に加熱した後に、括弧内に示すように30分の焼鈍を行ったものであって、「表面処理」は伸銅品にメッキ層を形成した後にプレス加工を行ったものである。メッキの膜厚は、Sn、Cu、Agについて、それぞれ1.5μm、1.3μm、1.8μmとした。ただし、Cu、Agについては、約0.5μmの銅下地メッキを施してある。「表面の潰し加工」は、プレス加工後に導電部材10′の表面に潰し加工を加えることによって、表面の引張の残留応力を除去したものである。
「割れの有無」に関して「外観」は実体顕微鏡による観察、「断面」は光学顕微鏡による観察の結果であり、「断面」において括弧内は割れの最大長さ(単位はμm)を表す。
表4からわかるように、無処理の場合であっても実体顕微鏡で20倍の観察では割れを発見することができなかった。ただし、割れの最大長さはグリースの塗布以外では、100μm未満にならなかった。したがって、グリースを塗布することによって、応力腐食割れに対して高い効果が得られることがわかった。また、グリースを塗布した箇所について、試験の前後での変色は少なく、耐食性にも優れていることが確認された。
実施例1において試験片に応力を発生させる方法を示す図である。 実施例2において用いる導電部材の例を示す斜視図である。 実施形態に用いる導電部材の例を示す斜視図である。 実施形態を示すコンセントを示す分解斜視図である。 同上の前面側の斜視図である。 同上の後面側の斜視図である。 同上に用いる解除レバーの動作説明図である。
符号の説明
1 試験片
2 保持枠
10 導電部材
10′導電部材
11 ばね保持片
11′ばね保持片
12 基片
12′基片
13 鎖錠片
13′鎖錠片
14 押さえ片
14′押さえ片
15 切欠部
16 電線
20 器体
27 電線挿入口

Claims (3)

  1. 帯板の一端部に設けた押さえ片と、帯板の他端部に設けられ押さえ片の先端側を基端側とする形で押さえ片の少なくとも一部に対向するとともに先端部が基端側から先端側に向かって押さえ片にしだいに近付く鎖錠片と、押さえ片の基端と鎖錠片の基端とを連続一体に連結し鎖錠片の基端側から押さえ片と鎖錠片との間に導入される電線を押さえ片との間で保持可能となるように鎖錠片にばね力を作用させるばねを含む連結片とを有した端子を有し、連結片は、一側縁から押さえ片が延設された基片と、基片の他端縁から直交方向に延設されたばね保持片とからなり、ばね保持片の先端部にばねとして機能するU字状に曲成された部位を介して鎖錠片の基部が連続し、当該端子は、銅基合金からなる伸銅品を加工した加工品であり少なくとも引張応力が作用する部位の表面に、加工品の応力腐食割れを抑制するコーティング層が存在しており、押さえ片と鎖錠片との間に電線を導入するための電線挿入口が開口した器体に解除レバーとともに収納され、解除レバーは、器体に軸支された軸部を一端部に備え他端部に設けた操作部を器体の外側面から後退させた位置と器体から押し上げた位置との間で軸部を中心として器体に対して回動可能であって、操作部と軸部との間の中間部の側面に鎖錠片を押圧する押圧部が突設され、操作部を器体の外側面から後退させた位置では押圧部が鎖錠片と押さえ片との間から後退して鎖錠片と押さえ片との間で電線の保持を可能にし、操作部を器体から押し上げた位置では押圧部が鎖錠片と押さえ片との間に挿入されて鎖錠片の先端縁を押さえ片から引き離すことにより器体から電線の引き抜きを可能にすることを特徴とする銅基合金加工品を用いた配線器具。
  2. 前記端子は、少なくとも撓みを生じる部位の表面に、前記コーティング層が存在することを特徴とする請求項1記載の銅基合金加工品を用いた配線器具。
  3. 前記端子は、曲げ加工による曲げ部位を有し、少なくとも曲げ部位の表面に、前記コーティング層が存在することを特徴とする請求項1記載の銅基合金加工品を用いた配線器具。
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